JP2657243B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2657243B2 JP25356388A JP25356388A JP2657243B2 JP 2657243 B2 JP2657243 B2 JP 2657243B2 JP 25356388 A JP25356388 A JP 25356388A JP 25356388 A JP25356388 A JP 25356388A JP 2657243 B2 JP2657243 B2 JP 2657243B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、書き換えが可能な光磁気記録媒体に関し、
特に高速、高密度記録が可能な光磁気記録媒体に関する
ものである。
〔従来の技術〕
光磁気記録媒体は垂直磁気記録と磁気光学効果(カー
効果等)を利用するもので、従来の光記録媒体と同様に
レーザ光を用いて情報の記録、再生を行うため記録容量
が大きく、その上書き換えが可能である。さらにヘッド
と媒体が非接触で記録再生を行うことができ、塵埃の影
響を受けないため安定性にも優れている。このため光磁
気記録媒体は、現在盛んに研究されており、文書情報フ
ァイル、ビデオ・静止画ファイル、コンピュータ用メモ
リ等への利用あるいはフロッピーディスク、ハードディ
スクの代替が期待され、近い将来の商品化段階を迎える
に至っている。
このような光磁気記録媒体の記録層として、遷移金属
(Fe、Co)と希土類金属(Tb、Dy、Gd、Ho、Er等)とを
組合せた非晶質(アモルファス)磁性合金膜が提案され
ている。遷移金属と希土類金属とをそれぞれ1種以上組
み合せ、スパッタ法や蒸着法で基板上に作製した磁性合
金膜は、補償組成付近で非晶質の垂直磁化膜(膜面と垂
直な方向に磁化容易軸を有する磁化膜)となり、光磁気
記録媒体に応用する事が可能となる。
上記のような磁性合金膜を光磁気記録媒体に応用する
場合には少なくとも以下のような条件を満足しなければ
ならない事が知られている。
再生C/Nが大きい。
記録感度が良い(記録時のレーザパワーが小さい)。
記録したメモリが安定である。
記録した磁区(ビット)が小さく、高密度化できる。
垂直磁化膜である。
そして上記のような特性と磁性合金膜の物性との間に
は一般に以下のような関係があるとされている。
の再生C/Nは磁気光学特性に関係し、カー回転角θ
が大きいほど良くなる。の記録感度はキュリー温度
Tcに関係し、キュリー温度Tcが低いほど良くなる。の
メモリ安定性及びの高密度化は保磁力Hcと関係し、保
磁力Hcが大きいほど良くなる。の垂直磁化膜となるた
めには保磁力Hc>4πMs(Ms:飽和磁化)となることが
必要である。
上記の条件を満足し、光磁気記録媒体の記録層として
最も有望視されているのはTbFeCo3元系非晶質磁性合金
膜で、特開昭58−73746号公報、特開昭58−159252号公
報等において提案されている。また、電気学会研究会資
料MR84−37、MR84−38、MR−39(昭和59年)には、上記
TbFeCo膜をポリカーボネート基板上に形成して作製した
光磁気ディスクの評価データが記載されている。この光
磁気ディスクの仕様の一例を挙げると、ディスク回転数
900rpm、線速7m/秒、記録レーザパワー5.7mW、消去レー
ザパワー7mWとなっている。
ところが、TbFeCo膜を用いた上記光磁気記録媒体はカ
ー回転角θが約0.35度と比較的大きく、また保磁力Hc
が約2〜10kOeと大きく優れているが、記録感度につい
ては上記の値が限度であった。
これに対し、本発明者らは特開昭59−61011号公報に
おいて、記録感度を改良した光磁気記録媒体を提案し
た。同公報の実施例にはプラスチックより熱伝導率が1
桁小さいガラスを基板に用いるとともに、記録層を構成
する組成物としてTbFeCoあるいはGdFeCoにDyを加えたも
のを使用し、キュリー温度Tcを下げて記録感度を改良し
た光磁気記録媒体が一例として開示されている。この記
録媒体は(Tb0.7Dy0.30.22(Fe0.8Co0.20.78(割合
は原子重量比)を磁性層(膜厚200Å)に用い、記録パ
ワー2.5mWを得ている。この記録条件は記録周波数2MHz
である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、情報処理の高速化、ハードディスク等
の代替の見地からすると、光磁気記録媒体の記録速度は
ハードディスクと同等以上であることが期待できる。す
なわち、ディスク回転数3600rpm、線速22.6m/秒以上、
記録レーザパワー(媒体面)10mW以下での記録が望まれ
る。そのためには、さらに高速、高密度化を図ることが
必要である。
本発明は以上の点に鑑み、上記の要望を満足する高速
かつ高密度記録が可能な光磁気記録媒体を提供すること
を目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
上記目的を達成するため、本発明によれば、少なくと
も1種以上の希土類金属と少なくとも1種以上の遷移金
属とからなり、膜面と垂直な方向に磁化容易軸を有する
非晶質磁性合金膜を記録層とする光磁気記録媒体におい
て、前記磁性合金膜における希土類金属の濃度が補償組
成の近傍でかつ該補償組成に対し高濃度(リッチ)側に
あり、前記磁性合金膜の補償温度が室温以上でかつキュ
リー温度が200℃以下であり、さらに、前記キュリー温
度より50℃低い温度における前記磁性合金膜の保磁力を
Hc50とするとき、勾配値Hc50/50〔0e/℃〕が20以上であ
ることを特徴とする光磁気記録媒体が提供される。
前述の情報処理の高速化、ハードディスク等の代替に
十分対応しうるためには、より高速、高密度の記録が可
能であることが要求される。すなわち、ディスク回転数
3600rpm、線速22.6m/秒、記録周波数5MHz以上、記録レ
ーザパワー(媒体面)10mW以下であり、しかも記録ビッ
トサイズ1μm以下でかつ記録ビットの形状がシャープ
であることが要求される。
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、上記の
ように非晶質磁性合金膜(垂直磁化膜)が、 (i)希土類金属の濃度が補償組成(室温における磁性
合金膜中の希土類金属の磁気モーメントをMRE、遷移金
属の磁気モーメントをMTMとしたとき、|MRE−MTM|=0
となる組成)の近傍でかつ希土類金属リッチであるこ
と。
(ii)補償温度(フェリ磁性体においてキュリー温度に
達する前に見掛け上磁化が室温で零になる温度)が室温
以上であり、かつ、キュリー温度が200℃以下、好まし
くは180℃以下であること。
(iii)キュリー温度より50℃低い温度における保磁力
をHc50としたとき、勾配値Hc50/50が20〔Oe/℃〕以上で
あること。
を満足するときに、上記の目標値、目標特性を達しうる
事を見いだした。
次に、本発明の光磁気記録媒体について図面を参照し
て詳述する。
第1図(A)に本発明による光磁気記録媒体の非晶質
磁性合金膜Aにおける保磁力Hc及び4πMs(Msは飽和磁
化)の温度特性を従来技術のものと対比して示す。図中
実線が磁性合金膜Aのデータであり、破線が従来の光磁
気記録媒体における磁性合金膜Bのデータである。
先ず、本発明の磁気記録媒体の記録層に使用される非
晶質磁性合金膜は、少なくとも1種以上の希土類金属
(Tb、Dy、Gd、Ho、Er等)と少なくとも1種以上の遷移
金属よりなり、その組成は希土類金属の濃度が補償組成
の近傍でかつ補償組成に対しリッチとなるように規定さ
れる。補償組成に対し希土類金属リッチの磁性合金膜A
は遷移金属リッチの磁性合金膜Bに比べ、一般に室温に
おける保磁力Hcが大きく、保磁力Hcの温度特性曲線の勾
配が大きく、その保磁力Hcはキュリー温度Tc付近で直線
的に減少し、しかも飽和磁化Msの値が小さい。このよう
な傾向と上記(iii)の条件とがあいまって、低い記録
レーザパワーでの記録を可能とし、さらに記録ビット長
を1μm以下と短くするとともにビット形状をシャープ
とする。記録開始の条件をHc<4πMs+Hex(Hexはバイ
アス磁界で第1図(A)では500 OeでHc′=4πMs+50
0 Oeである)とすると、第1図(A)は外部磁界500 Oe
が印加されている場合で、磁性合金膜Aの記録開始温度
Ta′は約130℃、一方磁性合金膜Bの記録開始温度Tb′
は約70℃である。記録磁区周辺からの浮遊磁界4πMs≒
0の場合の磁性合金膜のそれぞれの記録開始温度はTb″
<Ta″である。ここで磁性合金膜に同じレーザパワーで
スポット径1.2μmで照射した場合には第1図(B)に
示される様な熱拡散等温線となり、記録開始温度が低い
と記録ビットが大きくなり、一方記録開始温度が高い
(記録可能温度の範囲が狭い)場合はレーザスポット径
に近い小さい記録ビットが記録出来る。こきで記録可能
温度の範囲について説明する、磁性合金膜Aの場合、
a′点はHc=4πMs+Hex(=500 Oe)となる。従って
記録条件は4πMs+500 Oe>Hcであるので、直線a′−
Ta′の右の領域Ta′−TCAが記録可能範囲となる。磁性
合金膜Bの場合にはTb′−TCBの温度範囲が記録可とな
る。記録ビットを小さくシャープにするには飽和磁化Ms
が小さく、室温で保磁力Hcが大きく、キュリー温度Tc付
近で急激に保磁力Hcが減少する、磁気特性を有した希土
類金属リッチの磁性合金膜Aでなければならない。第2
図(a)及び(b)にそれぞれ光変調法で記録した場合
の磁性合金膜A(本発明)と磁性合金膜B(従来技術)
における記録ビット形状を示す。また、第3図(a)及
び(b)にそれぞれ磁界変調法で記録した場合の磁性合
金膜Aと磁性合金膜Bにおける記録ビット形状を示す。
磁界変調法は光磁気記録媒体にレーザ光を連続的に又は
パルス状に照射するとともに、記録又は消去信号を磁気
ヘッドに入力するもので、オーバライト可能な方法とし
て注目されている。第2図及び第3図に示すように本発
明による磁性合金膜Aの方がいずれの記録法でも記録ビ
ット長が短く、形状がシャープであることがわかる。
本発明の磁性合金膜における希土類金属の濃度z(at
om%)は、補償組成での希土類金属の濃度をzo(atom
%)としたとき、zo<z<zo+4であるのがより好まし
い。zの値が大きくなりすぎると室温での保磁力Hc及び
カー回転角θが急激に低下し、光磁気記録媒体の記録
層に適さなくなる。
また、本発明の磁性合金膜は補償温度Tcompが室温以
上で、キュリー温度Tcが200℃以下、より好ましくは180
℃以下に規定される。補償温度Tcompが室温より低くな
ると飽和磁化Msが大きく、保磁力Hcが小さくなり好まし
くない。またキュリー温度Tcが200℃より大きくなると
記録感度が悪くなり、高速化のためには好ましくない。
また、本発明の磁性合金膜は、キュリー温度Tcより50
℃低い温度における保磁力をHc50としたとき、勾配値Hc
50/50が20〔Oe/℃〕以上に規定される。この勾配値が20
〔Oe/℃〕より小さいと記録ビット長が長くなるととも
に記録ビットの形状のシャープさが失われ、高密度化の
ために好ましくない。とりわけ第1図(A)の磁性合金
膜Bのようにキュリー温度Tc近傍で緩やかに裾を引くよ
うな場合、光変調法により記録ビットを形成したときに
は第2図(b)のように記録ビットの周辺の乱れとな
り、磁界変調法により記録ビットを形成したときには第
3図(b)のように尾を引いたシェブロン形状となり、
これら乱れはノイズの原因となる。
さらに、本発明の磁性合金膜は記録したビットのメモ
リの安定性の点より、室温での保磁力Hcが2kOeより大き
く、Hc>2×4πMsである事が好ましい。また、記録ビ
ット長をより短くする点より、4πMs≦1300〔Gauss〕
である事が好ましい。
本発明の光磁気記録媒体の記録層に適用出来る非晶質
磁性合金膜としては(Tb100-xDyx)z(Fe100-yCoy)
100-z〔0<x<100,3<y<20,望ましくは50<x<10
0,3<y<10であり、zは補償組成をzoとするときZo<
z<zo+4である。〕、(Gd100-xDyx)z(Fe100-yC
oy100-z〔0<x<100、0<y<20、望ましくは50<
x<100、0<y<10であり、Zo<Z<Zo+4であ
る。〕が挙げられるが、これに限定されるものではなく
上記の条件を満足するものであれば適用可能である。
次に本発明の光磁気記録媒体の具体的な層構成例につ
いて第4図及び第5図を参照して説明する。
第4図は基板1の材料としてプラスチックを用いた場
合の層構成例を示す断面図で、2は誘電層、3は記録層
(非晶質磁性合金膜)、4は保護層、5はカバー層又は
接合層である。
プラスチック基板1の具体的材料としてはポリカーボ
ネート、エポキシレジン、メチルメタクリレート、ポリ
オレフィン等の樹脂が使用可能である。基板1にはあら
かじめガイドトラック、プリフォーマットを形成しても
よい。また、基板1のレーザ光入射面をH2O、O2の侵入
を防止するために誘電層、疎水性、耐ガス性層(例えば
フッ素樹脂層)等で被覆してもよい。
誘電層2は基板外部からH2O、O2が侵入して記録層3
の磁気特性が劣化するのを防止するとともに、光の多重
反射により磁気光学効果(カー回転角θ)をエンハン
スメントする役割を行う。このため、なるべく屈折率n
が大きい材料を用い、しかも多重反射によってみかけの
磁気光学効果がなるべく大きくなるようにその膜厚を設
定する。したがって、誘電層2の屈折率nは1.7より大
きいことが好ましく、その膜厚は600〜1500Åが適当で
ある。また誘電層2に使用される具体的な材料として
は、SixNy,SixOy,Al2O3,Ta2O5,TiO2,ZnS,ZnO,MgO,AlN,A
lON,ZrAlSi,ZrAlON,AlSiN,AlSiNO,Y2O3,In2O3,ZrO2,Cr2
O3等の少なくとも1種以上が用いられる。これらのうち
基板外部からのH2O,O2の侵入に対する防止効果という観
点からAlON,ZrAlSi,SixNy,SixOy,Al2O3,Ta2O5等を少な
くとも1種以上用いたものがより好ましい。誘電層2は
スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法等により
成膜される。
記録層3は上記の条件を満足する非晶質磁性合金膜よ
り構成される。ここで記録層3の膜厚について考案して
みる。第6図に一般的な光磁気ディスクの磁性層の膜厚
tと記録レーザパワーPwとの関係をグラフに示す。同図
からわかるように、記録レーザパワーPwは膜厚200Å付
近で最小となる。200Åより小さいとレーザ光が透過し
てレーザ光の蓄熱が不十分となり、逆に200Åより大き
いと記録レーザパワーPwは の関係式に従い磁性層の厚さが大きくなるにつれて増大
する。また本例の場合、基板1がプラスチックであるた
め、誘電層2を設けても多少のH2O、O2は基板1、誘電
層2を通して記録層3に侵入し、多少の表面層(約100
Å程度)の酸化は避けられない。以上のことより記録層
3の膜厚は400〜1000Åが好ましく、400〜800Åがより
好ましい。記録層3はスパッタ法、蒸着法等により成膜
される。
保護層4は記録層3へのH2O、O2の侵入を防止する目
的で設けられる。また保護層4は記録レーザ光の蓄熱効
果を高めるために熱伝導率は出来るだけ小さい方が良
く、5×10-2cal/cm・s・℃(室温)以下であるのが好
ましく、3×10-3cal/cm・s・℃(室温)以下であるの
がより好ましい。この保護層4は誘電層2と同様の材料
を使用し、同様の方法で同様の膜厚に成膜されるが、異
なっていてもよい。
保護膜4の上にはカバー層あるいは接合層5が設けら
れるが、カバー層は保護層4を保護し、接合層は両面記
録タイプの媒体における接合を行う。これらカバー層あ
るいは接合層5は紫外線硬化樹脂(UVレジン)、熱可塑
性樹脂、プラズマ重合樹脂等を用いて1μm〜100μm
の膜厚に成膜される。
また、上記において2枚のディスクを貼合せた両面記
録タイプの光磁気ディスクとするときには、そのディス
クの端部を誘電材あるいはプラスチックで接合するのが
好ましい。
第5図は基板11の材料としてガラスを用いた場合の層
構成を示す断面図で、12は誘電層、13は記録層(非晶質
磁性合金層)、14は断熱層、15は反射層、16はカバー層
である。
ガラス基板11は熱伝導率が2×10-3〜4×10-3cal/cm
・s・℃とプラスチック基板1の熱伝導率3.5×10-4
6×10-4cal/cm・s・℃に比べ1桁良い。また、ガラス
基板11の場合、基板外部からのH2O,O2の侵入がない。
誘電層12は光の多重反射により磁気光学効果(カー回
転角θ)をエンハンスメントするために設けられる。
したがって、なるべく屈折率nが大きい(n>1.7)材
料を用い、しかも多重反射によってみかけの磁気光学効
果がなるべく大きくなるようにその膜厚を設定する。誘
電層12の成膜には第4図の構成例における誘電層2と同
様な材料、同様な方法を用いることができる。膜厚も同
様に600〜1500Åが適当である。
記録層13は前述の条件を満足する非晶質磁性合金膜が
使用されるが、ガラス基板11の上記性質を考慮してその
膜厚は出来るだけ薄層化するのが望ましい。すなわち膜
厚は100〜400Åが好ましく、100Å〜300Åがより好まし
い。
断熱層14は記録層13、熱伝導率の良い反射層15への熱
拡散を小さくし、断熱層の膜面方向の熱拡散を防止する
熱吸収層の目的で設けられる。このため断熱層14には熱
伝導率が5×10-2cal/cm・s・℃以下のプラスチック樹
脂(例えばポリスチレン−ブタジエン、メチルメタクリ
レート−ブタジエン、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、
ホットメルトレジン、プラズマ重合樹脂等)、あるいは
SiO、SiO2(非晶質)、ZrO2、Nd2O3、Mn2O3,Gd2O3,Dy2O
3,Fe3O4,Al2O3−SiO2,TiO2,HfO2、ガラス等が500〜1500
Åの膜厚で用いられる。断熱層14は無機材料の場合には
スパッタ法、蒸着法等により、有機材料の場合にはスピ
ン塗布法、ローラ塗布法等の方法により成膜される。
反射層16は磁気光学効果のエンハンスメントのために
設けられる。この反射層16はAl、Cr、Cu、Nd、Rh、Pt、
Au、Cr、Ni等の材料を用いてスパッタ法、蒸着法等の方
法により200〜1000Åの膜厚に成膜される。
カバー層17は反射層16の酸化腐食の防止と損傷防止の
ために設けられる。このカバー層17は断熱層14で使用し
たと同様の材料を用いて同様の方法により1〜100μm
の膜厚に成膜される。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例をあげるが、本発明はこれら実
施例に限定されるものではない。
実施例1 直径130mm、厚さ1.2mmのポリカーボネート板を基板と
して用い、RFスパッタリング装置において該基板上に誘
電層としSixNy(屈折率n=2.1)をスパッタ法により70
0Åの膜厚に形成した。このときのスパッタリング条件
は、背圧1.0×10-6Torr以下、キャリアガス:Ar+N2混合
ガス、ガス圧 基板回転速度15rpm、作製時間25分間であり、製膜する
前にRFパワー300W、30分間プレスパッタリングした。ま
た基板は水冷し、基板温度は100℃以下とした。次に、R
Fスパッタリング装置においてFe69.5Co6Tb10.5D14の組
成を持つ合金ターゲットを使用し、誘電層上に記録層と
して非晶質磁性合金膜(垂直磁化膜)を700Åの膜厚に
形成した。このときのスパッタリング条件は、背圧1.0
×10-6Torr以下、Arガス圧3.0mmTorr、RFパワー200W、
基板回転速度15rpm、作製時間20分であった。次に、記
録層上に保護層を誘電層と同様の材料、同様の作製方法
で同様の膜厚に形成し、さらにその上にUVレジン(大日
精化(株)製のUDAL−39(K))を10μmの膜厚にスピ
ン塗布した後、紫外線を照射することによりカバー層を
形成して、第4図に示す層構成の光磁気ディスクを得
た。
実施例2〜6及び比較例1,3 プラスチック基板、記録層、誘電層、保護層及びカバ
ー層(接合層)として表−1に示す材料を使用し、表−
2に示す膜厚で各層を作製し、第4図に示す層構成の光
磁気ディスクを得た。各基板の方法は実施例1と同様で
ある。記録層、誘電層及び保護層はスパッタ法又は蒸着
法により作製し、カバー層又は複合層はUVレジンの場合
には実施例1と同様にスピン塗布した後に紫外線照射を
行い、熱可塑性ホットメルトレジンの場合は熱ローラで
塗布して作製した。
実施例7〜10及び比較例2,4 ガラス基板、記録層、誘電層、断熱層、反射層及びカ
バー層としてそれぞれ表−1に示す材料を使用し、表−
2に示す膜厚で各層を作製し、第5図に示す層構成の光
磁気ディスクを得た。ガラス基板の直径は130mm、厚さ
は1.2mmとした。記録層、誘電層、カバー層の作製方法
は上述の場合と同様とし、断熱層は誘電層と同様の作製
方法を使用し、反射層はスパッタ法又は蒸着法により作
製した。
以上のようにして作製した各光磁気ディスクの特性
(キュリー温度Tc(℃)、保磁力(kOe)、4πMs(Gau
ss)、Hc50/50(Oe/℃)、記録速度(rpm)、記録レー
ザパワー(mW)、C/N(dB))を表−3に比較して示
す。
表−3においてHc50/50(Oe/℃)はキュリー温度Tcよ
り50℃低い温度における保磁力Hc50を温度50゜で割った
値である。また記録速度はその右欄における記録レーザ
パワー(C/Nが飽和するパワー)で記録可能なディスク
回転数を表わす。記録はCAVでディスク(直径130mm)の
半径60mmの位置に行った。
表−3からわかるように、実施例1〜10の光磁気ディ
スクはいずれもキュリー温度Tcが180℃以下、補償温度
が室温以上、Hc50/50(Oe/℃)が20以上の特性を有し、
10mW以下(λ=770〜850nm)の記録レーザパワー(媒体
面)、ディスク回転数3600rpm、線速22.6m/秒、デュー
ティ50%、記録周波数10〜20MHzでの高速記録が出来、
その記録ビットは第2図(a)の様に形状はシャープで
長さも1μm以下、さらにC/Nも53以上と高密度記録が
可能であった。なお実施例2の記録層は第1図の磁性合
金膜に対応している。
一方、比較例1,2の光磁気ディスクはキュリー温度Tc
は比較的低いものの、Hc50/50(Oe/℃)の値が小さく、
ガラス基板を用いた比較例2の場合には記録速度は1800
rpmが限度であり、またその記録ビットの形状も少し乱
れていた。比較例3,4はキュリー温度Tcが高く、しかもH
c50/50(Oe/℃)の値が小さく、プラスチック基板を用
いた比較例3の場合でも記録速度は1800rpmが限度であ
り、その記録ビットの形状は大きく乱れ、C/Nが低く、
高密度記録は困難であった。なお、比較例3の記録層は
第1図の磁性合金膜に対応している。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明の光磁気記録媒体
によれば、磁性合金膜の組成を補償組成に対し希土類金
属リッチとし、補償温度が室温以上かつキュリー温度が
200℃以下、かつキュリー温度より50℃低い温度におけ
る保磁力の勾配値Hc50/50を20以上と規定したので、記
録感度が向上するとともに記録ビット長が短かくかつそ
の形状がシャープとなり、10mW以下の低記録レーザパワ
ーで、ディスク回転数3600rpm、線速22.6m/秒、記録周
波数10〜20MHzの高速高密度記録が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明による光磁気記録媒体の保磁力Hc
と4πMsの温度特性を従来例と比較して示すグラフ、第
1図(B)は磁性合金膜上の熱拡散等温線を示す図、第
2図は光変調法により記録したビット形状を示す図、第
3図は磁界変調法により記録したビット形状を示す図、
第4図はプラスチック基板を用いた本発明による光磁気
記録媒体の層構成例を示す断面図、第5図はガラス基板
を用いた本発明による光磁気記録媒体の層構成例を示す
断面図、第6図は光磁気ディスクにおける磁性層膜厚と
記録レーザパワーとの関係を示す図である。 1,11……基板、2,12……誘電層 3,13……記録層、4……保護層 5……カバー層又は接合層、14……断熱層 15……反射層、16……カバー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 裕治郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭61−15308(JP,A) 特開 昭61−196445(JP,A) 特開 昭61−99955(JP,A) 特開 昭61−90349(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種以上の希土類金属と少なく
    とも1種以上の遷移金属とからなり、膜面と垂直な方向
    に磁化容易軸を有する非晶質磁性合金膜を記録層とする
    光磁気記録媒体において、 前記磁性合金膜における希土類金属の濃度が補償組成の
    近傍でかつ該補償組成に対し高濃度(リッチ)側にあ
    り、 前記磁性合金膜の補償温度が室温以上でかつキュリー温
    度が200℃以下であり、さらに、 前記キュリー温度より50℃低い温度における前記磁性合
    金膜の保磁力をHc50とするとき、勾配値Hc50/50〔0e/
    ℃〕が20以上であることを特徴とする光磁気記録媒体。
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