JP2921580B2 - アスコルビン酸−2−ホスフェートの製造法、K1±0.3Mg1±0.15−L−アスコルベート−2−ホスフェートおよび5,6−イソプロピリデン−アスコルビン酸の製造法 - Google Patents

アスコルビン酸−2−ホスフェートの製造法、K1±0.3Mg1±0.15−L−アスコルベート−2−ホスフェートおよび5,6−イソプロピリデン−アスコルビン酸の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアスコルビン酸、特にL−アスコルビン酸の
モノリン酸エステルもしくはジリン酸エステルを製造す
る方法、ならびにこのために必要とされる生成物5,6−
イソプロピリデン−アスコルビン酸を製造する特に有利
な方法に関する。さらに、本発明はカリウムマグネシウ
ム−L−アスコルベートに関する。このカリウムマグネ
シウム−L−アスコルベートを介してL−アスコルビン
酸−2−ホスフエートを特に有利に単離することができ
る。
〔従来の技術〕
L−アスコルビン酸(ビタミンC)とはバランスのと
れたヒトの栄養の、生命に重要な部分であり、このビタ
ミンの推奨された食餌療法的投与は一般に広く普及して
いる。しかしながら、ビタミンCは食料中の最も安定し
ていないビタミンである。その理由は、ビタミンCが空
気中の酸素と極めて強く反応するからである。すなわ
ち、アスコルビン酸がすばやく酸素と反応してデヒドロ
アスコルビン酸、つまりたしかに十分なビタミンC作用
を維持してはいるが、迅速かつ不可逆的に分解してビタ
ミンC作用を有しない化合物になつてしまうような化合
物に変わることが知られている。アスコルビン酸は同じ
く高い温度で酸性媒体中での脱水によつて分解される。
そこで、L−アスコルビン酸を直接にパン・菓子類用の
こね粉またはこれから焼こうとするパン・菓子類に取り
込む努力は無駄であることが判明している。その理由
は、L−アスコルビン酸の極めて小さいビタミンC有効
量しか高い温度での料理および焼きに耐えられないから
である。飼料分野におけるビタミンCの使用に関して
も、ビタミンができるだけ熱安定性の形で存在している
ことが極めて重要であり、これにより、押出し成形とペ
レツト化とによる飼料への混入時にビタミン損失ができ
るだけ小さくなる。ビタミンCは最近では魚・えび養殖
においても極めて重要である。アスコルビン酸を適当な
誘導体に変えることによつて、酸素および熱に対して、
より安定にすることができることが知られている。
アスコルビン酸モノホスフエートは遊離アスコルビン
酸に比べて次のような著しい利点を有している: 1) 比較的高い耐酸化性 2) 一般的な生体有効性。その理由は、生体内および
試験管内でのホスフアターゼによつて分解されてアスコ
ルビン酸を形成するからである(このことは、たとえば
モルモツト、ブロイラー、子豚、シヨウジヨウおよび魚
につき証明された)。
3) 高い耐熱性、ひいては押出し機における作業可能
性 4) 高い耐加水分解性 ビタミンC−ホスフエートの製造はクトロ(Cutolo)
およびラリザ(Larizza)によつて初めて記載された(G
azz.Chim.Ital.第91巻、1961年、第964頁参照)。製造
はアスコルビン酸もしくは5,6−イソプロピリデン−ア
スコルビン酸から出発し、このアスコルビン酸もしくは
5,6−イソプロピリデン−アスコルビン酸はピリジンと
強い塩基との存在で水中でPOCl3を用いてリン酸化され
る。
引き続き文献にこの方法のいつくかの改良形が発表さ
れ、この場合、得られた生成物がアスコルビン酸−2−
リン酸エステルであるのか、またはアスコルビン酸−3
−リン酸エステルであるのかという問題が長い期間論議
された。その後、この問題はジエルノウ(Jernow)(Te
tra−hedron、第35巻、1979年、第1483頁以降参照)に
よつて明瞭に解明された。前記文献には、これらの作業
のうちのいくつかが記載されている。アスコルビン酸−
2−ホスフエートを製造するためのこれまで最も有利な
方法とは西ドイツ国特許出願公開第2719303号明細書に
記載の方法である。
上で述べた全ての方法における欠点は、これらの方法
が小規模での作業に対してしか適していないことであ
る。それというのは、工業的に実施するためには前記の
後処理に手間がかかりすぎるからである。問題は、リン
酸化法からの大過剰量の無機塩から有価生成物を分離し
なければならないことである。すなわち、たとえば西ド
イツ国特許出願公開第2719303号明細書によればリン酸
化の際に、有価生成物1当量当たり約4.5当量のKClと1.
8当量のK3PO4、つまり合計約6当量の無機塩を含有する
反応溶液が得られる。
この溶液は西ドイツ国特許第2719303号明細書によれ
ば、まずイオン交換体に通され、これによりカリウムイ
オンが水素イオンと交換される。塩濃度(KCl、K3PO4
カリウム−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸−2
−ホスフエート)が極めて高いので、イオン交換が完全
に行なわれるようにするためには、大きく希釈された状
態で作業しなければならない。このことから生じる大き
な容量は工業的な方法において高い投資および蒸発濃縮
のための法外なエネルギー費用を生ぜしめる。引き続き
MgOで中和する際には、大過剰量の塩基が必要とされ
る。その理由は、生成物の酸と共に全ての過剰HClおよ
びH3PO4も中和されなければらならないからである。そ
の上、Mg3(PO4の分離は難しい。それというのは、
このMg3(PO4が極めて微細に分配された形で生じ、
極めて濾過し難いからである。さらに、アスコルビン酸
ホスフエートの一部は微細に分配されたMg3PO4と一緒に
沈殿され、これによつて失われる。
有価生成物はこの方法でMg塩としてアルコールと共に
沈殿され、この場合、中和する際にMgOとHClとから生じ
る大量のMgCl2が溶液中に留まるように、条件が選択さ
れなければならない。しかしながら実験によれば、この
生成物を大量の水性エタノールで激しく洗浄したにもか
かわらず、無機塩を有しないアスコルビン酸ホスフエー
トを得ることは不可能であつた。この方法によりきれい
な生成物を得るためには、Mg−アスコルビン酸ホスフエ
ートを再び溶かし、イオン交換体を用いて酸の形に変
え、かつ補助塩基、たとえばシクロヘキシルアミンを用
いて再結晶可能な塩に変えなけばならなかつた。こうし
て精製された生成物は引き続き再び塩変換された。
このような方法は面倒で、不経済であり、かつ損失が
多い。したがつてこの方法は工業的な製造には適してい
ない。
〔発明が解決しようとする課題〕
したがつて本発明の課題は、西ドイツ国特許出願公開
第2719303号明細書に記載の方法によつて第三級アミン
の存在でアスコルビン酸もしくはアスコルビン酸誘導体
をPOCl3でリン酸化する際に得られる反応混合物の後処
理を改良して、この方法でのアスコルビン酸ホスフエー
トの工業的な製造が可能になるようにすることである。
〔課題を解決するための手段〕
意想外にも、反応溶液にマグネシウム化合物、好まし
くはMg化合物の水溶液を添加すると、反応溶媒中に含ま
れた遊離リン酸と、7以上、特に11〜13の反応溶液のpH
値でK3PO4として存在するこの溶液のカチオンの一部と
を全ての反応生成物(アスコルビン酸誘導体、KCl、K3P
O4)と補助試薬(第三級アミン、たとえばピリジン)と
の存在で簡単に除去することができることが判明した。
リン酸は塩および固形物の高い濃度にもかかわらず、結
合して組成KMgPO4の溶け難い塩を形成し、この塩は美し
く構成された結晶を形成し、このような結晶は反応溶液
から容易に濾別され得ると同時に、pH値は7〜11、好ま
しくは9.0〜10.5にまで低下する。この反応は0〜50
℃、好ましくは約20℃で実施することができる。得られ
たKMgPO4は高い純度を有していて、直接に肥料塩として
使用され得る。マグネシウム化合物として塩化マグネシ
ウムを使用すると特に有利である。その理由は、マグネ
シウムによつて置換されたカリウムがKClとして存在
し、このKClはどつちみち反応混合物中に既に含まれて
いるからである。
極めて多種の成分を有する溶液から、高い純度で生じ
かつ濾過によつて分離され易い組成KMgPO4の難溶性塩が
形成することは極めて意想外であつた。
この手段によつて反応混合物の塩負荷量の一部を肥料
として使用可能な塩の形で分離することができ、しかも
この場合に有価生成物の著量が一緒に沈殿されないこと
は決定的な利点である。このことは廉価で環境汚染の少
ない方法を可能にする。その理由は、こうして廃水の塩
汚染が著しく減少するからである。
さらに、無機リン酸塩の分離も大きな利点である。そ
の理由は、これによつてカリウムを分離するためのイオ
ン交換樹脂、続いて中和のためのMg塩化もあまり必要と
されなくなり、かつ中和の際に濾過し難いMg3(PO4
が生じなくなるからである。
したがつて本発明の対象は、式I 〔式中、R1およびR2は水素を表わすか、または一緒にな
つて基: のうちの1つを表わす〕で示される原子団を有するアス
コルビン酸もしくはアスコルビン酸誘導体を第三級アミ
ンの存在で、適当な水性溶剤中で−10〜25℃の温度で、
全リン酸化反応の間にKOHを添加することによつて約8
〜13.5、好ましくは10〜13のpH値を維持しながらPOCl3
と反応させ、引き続きアスコルビン酸−2−ホスフエー
トを単離することにより、アスコルビン酸−2−ホスフ
エートを製造する方法であつて、リン酸化の際に生じた
反応混合物に、過剰の無機リン酸塩を分離するために、
あらかじめイオン交換処理することなく直接に、7より
高いpH値でほぼ化学量論的量のマグネシウム化合物を有
利には水溶液の形で、結晶性のKMgPO4の生成が終了する
まで添加し、晶出された前記KMgPO4を分離し、濾液から
アスコルビン酸ホスフエートを単離することを特徴とす
る、アスコルビン酸−2−ホスフエートの製造法であ
る。
リン酸化は西ドイツ国特許出願公開第2719303号明細
書に記載の条件により行なわれると有利である。
式I 〔式中、R1およびR2は水素を表わすか、または一緒にな
つて基: のうちの1つを表わす〕で示される原子団を有するアス
コルビン酸もしくはアスコルビン酸誘導体としては、ア
スコルビン酸の他にそのアルカリ金属塩またはアルカリ
土類金属塩ならびに6位のC原子に塩基安定の保護基を
有する塩、たとえば5,6−O−イソプロピリデン−アス
コルビン酸および5,6−O−ベンジリデン−アスコルビ
ン酸が挙げられる。これらの化合物は4つの異なる立体
異性体の形で使用することができる。この方法はL−ア
スコルビン酸およびその誘導体を反応させるために特に
重要である。
第三級アミンとしては、反応混合物と混合可能であつ
て、揮発性でなく、かつ約107よりも少ないイオン化定
数を有するような第三級アミンが適当である。たとえば
低級トリアルキルアミン、たとえばトリエチルアミンな
らびに環状アミン、たとえばピリジン、α−、β−また
はγ−ピリコンが挙げられる。
最も良い収率はピリジンで得られる。このアミンはア
スコルビン酸に対して約5倍モル量で使用される。
反応混合物中のアミンの濃度が約1.5〜3モル、好ま
しくは2.2〜2.6モルであつて、アスコルビン酸の濃度が
1当たり約0.3〜0.6モル、好ましくは0.4〜0.5モルで
あると、リン酸化は特に有利に行なわれる。
溶剤としては水が使用されると有利である。
一般に反応温度としては、反応混合物が液状のまま
で、第三級アミンが分離相として分離しないような極め
て低い温度が適用されると望ましい。−10〜+10℃の温
度が適当である。
マグネシウム化合物としては、たとえばMgBr2およびM
gSO4、特に塩化マグネシウムが挙げられる。マグネシウ
ム塩を水溶液の形で添加すると有利である。
マグネシウム塩の量は一般に、反応混合物中に存在す
る無機リン酸塩に対して約90〜110モル%である。
本発明による方法の有利な実施態様においては イ) R1およびR2が水素を表わすか、または一緒になつ
て基: のうちの1つの表わす前記式Iの原子団を有するアスコ
ルビン酸誘導体から出発して、 ロ) リン酸化の際に生じた反応混合物に、あらかじめ
イオン交換処理することなく、マグネシウム化合物、特
に塩化マグネシウムの水溶液を、結晶性のKMgPO4の形成
が終了するまで添加し、 ハ) 晶出されたKMgPO4を分離し、 ニ) この場合に得られた濾液を、無機カリウム塩を分
離するために6〜11、好ましくは7.5〜8のpH値で20〜9
0重量%、好ましくは40〜50重量%の乾燥物質含量にな
るまで蒸発濃縮し、かつカリウム塩もしくは塩化カリウ
ムの晶出が終了するまで−10〜+20℃の温度に冷却する
か、 またはKMgPO4の晶出および分離の後に得られた前記濾
液を6〜11、好ましくは7.5〜8のpH値で蒸発濃縮し、
引き続き0〜60℃、好ましくは20〜30℃の温度で、蒸発
濃縮された濾液に対して0.1〜5倍、好ましくは0.8〜1.
2倍の量の第一級の低級アルカノールまたはアセトンを
添加し、撹拌下に、カリウム塩もしくはKClの晶出が終
了するまで−20〜20℃、好ましくは0〜10℃の温度に冷
却し、 (ホ) カリウム塩もしくはKClの分離によつて得られ
た、無機塩を十分に除去された反応溶液からアスコルビ
ン酸ホスフエートを単離する。
前記単離に関する詳細についてはたとえば西ドイツ国
特許出願公開第2719303号明細書に説明されている。
反応混合物の適当なpH値の調節はKOH溶液もしくはHCl
溶液の添加によつて行なわれると有利である。
工程ホによる蒸発濃縮の際に得られた凝縮物から第三
級アミン、特にピリジンを容易に分離して回収し、かつ
再びリン酸化のために使用することができる。
第一級の低級アルカノールとしては、1〜4個のC原
子を有する水溶性のアルカノール、特にメタノールが挙
げられる。
アルカノールの添加は一般に0〜60℃、好ましくは20
〜30℃で、KClの撹拌および分離は−20〜50℃、好まし
くは0〜10℃で行なわれる。結晶はアルコールもしくは
アルコール/水混合物で洗浄される。この結晶はその後
に極めて純粋となり、別の目的のために使用することが
できる。
特にアスコルビン酸−2−ホスフエートの塩基性のア
ルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩がアルコールの
添加によつて沈殿されることを考慮すると、カリウム、
ジカリウムもしくはトリカリウム塩として存在するイソ
プロピリデンアスコルビン酸ホスフエートが完全に溶液
中に留まることは意想外である。
塩負荷量の別の部分が利用可能な塩の形で分離され得
ることは決定的な利点である。このことは廉価で環境に
適合している。それというのは、これによつて廃水の塩
汚染が減少するからである。沈殿されたカリウム塩を引
き続き使用しようとし、かつそのためには単一な塩であ
ることが必要である場合には、マグネシウム化合物とし
て塩化マグネシウムが使用されなければならない。
さらに、カリウム−イソプロピリデンアスコルビン酸
−2−ホスフエートを酸の形に変えるための少量のイオ
ン交換樹脂しか必要とされず、またイオン交換過程にお
いて過剰の鉱酸が放出されないことは大きな利点であ
る。
これにより、中和のためにも少量のMg塩基しか必要と
されなくなる。この方法において鉱酸を有しないイオン
交換溶出液を中和するために各任意の塩基を使用するこ
とができることは別の利点である。その理由は、続いて
行なわれる結晶化において、有価生成物と一緒に無機塩
が沈殿してしまう危険がもはや生じないからである。こ
のことは、あとからの高精製のためにシクロヘキシルア
ンモニウム塩を製造したい場合に特に有利になる。その
理由は、このシクロヘキシルアンモニウム塩が直接にイ
オン交換溶出液から製造され得るからであり、これによ
りマグネシウム塩による結晶化は不要となる。
本発明による方法の特に有利な実施態様では、R1およ
びR2が一緒になつて基: を表わす前記式Iの原子団を有し、かつ0〜65重量%、
好ましくは約20〜30重量%の発煙硫酸を0〜5重量%、
好ましくは0.6〜1.5重量%の水を含有するアセトンに−
30〜+40℃、好ましくは−10〜0℃の温度で撹拌下に添
加することによつて得られた混合物を用いて−20〜+40
℃、好ましくは−10〜+10℃で1〜8時間、好ましくは
5〜6時間処理し、晶出する5,6−イソプロピリデン−
アスコルビン酸を約−15℃の温度で分離し、かつ結晶を
乾燥プレスすることによつて製造されたアスコルビン酸
誘導体から出発する。
リン酸化が引き続いてすぐに行なわれると、晶出され
た生成物はいかなる洗浄もなしで乾燥プレスされ、含ま
れている残留湿分と共にすぐにKOH水溶液に投入され得
る。
この場合に溶解過程の間、酸素の遮断を配慮すること
が望ましい。
発煙硫酸の量は、反応後の反応混合物中の硫酸が含水
量に対して約100〜60%、好ましくは約80%となるよう
に選択されており、この場合、結合すべき水量は溶剤の
含水量と、反応の際に生じる水とによつて計算される。
アセトン、硫酸および微量のアスコルビン酸誘導体を
含有する結晶の母液には、−20〜+40℃、好ましくは−
10〜+10℃で酸量に相当する化学量論的量のカ性ソーダ
液(好ましくは40〜50%)が添加され、この場合Na2SO4
×nH2O(n=3〜5)が結晶性の化合物として沈殿し、
この化合物を濾過によつて分離することができる。結晶
を除去されたアセトンを良好な収率で蒸留することがで
き、この場合アセトンは約1.4%の含水量で沈殿し、こ
のアセトンを再び上記の反応のために使用することがで
きる。触媒としての発煙硫酸と共に5%までの含水量を
有するアセトンを使用することができ、それでもなお99
%より高い変換率が得られることは大きな利点である。
発煙硫酸は極めて安価である。
触媒酸を反応後に完全に固体の形でNa2SO4として分離
することができ、これによりアセトンを母液から高い収
率で濾過および簡単な蒸留によつて、高い純度で回収す
ることができることは大きな利点である。
5,6−イソプロピリデン−アスコルビン酸を洗浄なし
で直接にリン酸化に導入することができることにより、
最大の収率が得られる。
大量の硫酸が反応混合中に存在しているけれども、イ
ソプロピリデンアスコルビン酸への変換が記載した方法
で、検出可能な副生成物形成なしに行なわれることは意
想外であつた。
これによつて得られる、アスコルビン酸−2−ホスフ
エート、特にL−アスコルビン酸−2−ホスフエートを
製造する特に有利な方法では、 イ) 0〜65重量%の発煙硫酸を0〜5重量%の水を含
有するアセトンに−30〜+40℃で撹拌下に添加すること
によつて得られた混合物でアスコルビン酸、特にL−ア
スコルビン酸を−10〜+10℃で5〜6時間処理し、この
場合に晶出する5,6−イソプロピリデン−L−アスコル
ビン酸を約−15℃で分離し、乾燥プレスし、次いでKOH
を用いて8〜13.5のpH値を維持しながら第三級アミンの
存在で、−10〜+25℃の温度で適当な水性溶剤中でPOCl
3と反応させ、 ロ) リン酸化の際に生じた反応混合物に、あらかじめ
イオン交換処理することなく塩化マグネシウムの水溶液
を、結晶性のKMgPO4の形成が終了するまで添加し、 ハ) 晶出されたKMgPO4を分離し、 ニ) この場合に得られた濾液を、塩化カリウムを分離
するために6〜11、好ましくは7.5〜8のpH値で蒸発濃
縮し、かつ/または蒸発濃縮された濾液に対して0.1〜
5倍、好ましくは0.8〜1.2倍の量の低級アルカノールま
たはアセトンを添加し、KClの結晶化が終了するまで0
〜10℃の温度に冷却し、 ホ) こうして得られた、無機塩を十分に除去された反
応溶液からアスコルビン酸ホスフエートもしくはL−ア
スコルビン酸ホスフエートを単離する。
アスコルビン酸(誘導体)とアセトンとを発煙硫酸の
存在で反応させることによつて製造された5,6−イソプ
ロピリデン−アスコルビン酸を引き続きすぐに処理する
のではなく、乾燥させて貯蔵したい場合、結晶は氷冷ア
セトンで数回、洗浄されなければならない。
本発明の対象は付加的に、5,6−イソプロピリデン−
アスコルビン酸を製造する方法であつて、0〜65重量
%、好ましくは20〜30重量%の発煙硫酸を0〜5重量
%、好ましくは0.6〜1.4重量%の水を含有するアセトン
に−30〜+40℃、好ましくは−10〜+10℃で撹拌下に添
加することによつて得られた混合物でアスコルビン酸を
−20〜+40℃、好ましくは−10+10℃で1〜8時間、好
ましくは5〜6時間処理し、この場合に晶出する5,6−
イソプロピリデン−アスコルビン酸を場合によつては氷
冷されたアセトンで洗浄した後に約−15℃で分離するこ
とを特徴とする、5,6−イソプロピリデン−アスコルビ
ン酸の製造法である。
得られたアスコルビン酸−2−ホスフエートを以下に
説明されるカリウムマグネシウム塩を介して単離する
と、本発明による方法は特に有利になる。カリウムマグ
ネシウムアスコルビン酸−2−ホスフエートは極めて有
利な生成物特性によつてすぐれている。このカリウムマ
グネシウムアスコルビン酸−2−ホスフエートは溶液か
ら良結晶性の形で沈殿し、したがつて極めて良好な濾過
特性を有しており、かつ乾燥時に団塊化の傾向を示さな
い。前記カリウムマグネシウムアスコルビン酸−2−ホ
スフエートは規定の結晶水含量を有しており、かつ吸湿
性ではない。前記カリウムマグネシウムアスコルビン酸
−2−ホスフエートが純粋のマグネシウム塩とは異なり
アスコルベート1モル当たり5モルの代わりに3モルの
結晶水しか有していないので、このような乾燥粉末のビ
タミンC含量はいつそう高くなる。アスコルビン酸−2
−ホスフエートがカルシウム塩として沈殿する際には、
たしかにより純粋な、つまりビス−(2,2′−アスコル
ベート)−ホスフエートを有しない生成物が得られる
が、しかしこの場合に結晶化によつて得ることのできる
収率は約20%だけ低くなる。
したがつて、本発明の対象は有利な新規カリウムマグ
ネシウムアスコルベート−2−ホスフエートでもある。
カリウムとマグネシウムとはこの混合塩中に正確に化学
量論的な割合で存在する必要はない。混合塩が沈殿され
る溶液中のカリウム/マグネシウムの割合は得られる結
晶性の生成物のカリウム/マグネシウムの割合と一致す
る。アスコルビン酸−2−ホスフエートをカリウムマグ
ネシウム混合塩の形で単離する場合の最適の結果は、こ
の塩がたとえばK1±0.3Mg1±0.15アスコルベート−
2−ホスフエートの組成物を有していると得られる。副
生成物ビス(2,2′−アスコルベート)ホスフエートはK
Mg混合塩中で、純粋なマグネシウム塩と同じ割合で晶出
する。
アスコルビン酸−2−ホスフエートをKMg混合塩の形
で単離するためには一般に次のように処理する。すなわ
ち無機カリウム塩を分離した後に得られた、十分に無機
塩を除去された反応水溶液を、場合によつてはKClの沈
殿のために使用された低級アルカノールもしくはアセト
ンを除去して水で希釈した後に中酸性のカチオン交換体
に通し、得られた酸性の溶出液に冷却下にMgO、Mg(O
H)またはMgCO3を、pH値が7に上昇するまで投入す
る。引き続き、得られた反応溶液を約4〜10時間、好ま
しくは5〜7時間撹拌し、混濁を除去するために濾過
し、回転蒸発器で蒸発濃縮し、最後に過剰の低級アルカ
ノール、好ましくはメタノール、またはアセトンを撹拌
導入する。この場合に、濾過し易い粒状の結晶が得られ
る。この結晶を乾燥箱中で窒素下に良好に乾燥させるこ
とができる。
したがつて、本発明の対象はL−アスコルビン酸−2
−ホスフエートをカリウムマグネシウム−L−アスコル
ベート−2−ホスフエートの形で製造する上記方法であ
つて、 イ) 0〜65重量%の発煙硫酸を0〜5重量%の水を含
有するアセトンに−30〜+40℃で撹拌下に添加すること
によつて得られた混合物でL−アスコルビン酸を−10〜
+10℃で5〜6時間処理し、この場合に晶出する5,6−
イソプロピリデン−L−アスコルビン酸を約−15℃で分
離し、乾燥プレスし、次いでKOHを用いて8〜13.5のpH
値を維持しながら第三級アミンの存在で、−10〜+25℃
の温度で適当な水性溶剤中でPOCl3と反応させ、 ロ) リン酸化の際に生じた反応混合物に、あらかじめ
イオン交換処理することなく塩化マグネシウムの水溶液
を、結晶性のKMgPO4の形成が終了するまで添加し、 ハ) 晶出されたKMgPO4を分離し、 ニ) この場合に得られた濾液を、塩化カリウムを分離
するために6〜11のpH値で蒸発濃縮し、かつ/または場
合によつては蒸発濃縮された濾液に対して0.1〜5倍、
好ましくは0.8〜1.2倍の量の低級アルカノールまたはア
セトンを添加し、KClの晶出が終了するまで0〜10℃の
温度に冷却し、 ホ) こうして得られた、十分に無機塩を除去された反
応溶液を、約2.0〜0.5、好ましくは1.2〜0.8のpH範囲で
交換容量を失う中酸性のカチオン交換体で処理し、 へ) 得られた、主としてL−アスコルビン酸−2−ホ
スフエートのモノカリウム塩を含有する反応混合物か
ら、約7の溶液のpH値になるまでMgO,Mg(OH)または
MgCO3を添加し、かつ場合によつてはメタノールまたは
アセトンで処理することにより、L−アスコルビン酸−
2−ホスフエートを新規カリウムマグネシウムアスコル
ベート−2−ホスフエートの形で沈殿させることを特徴
とする、L−アスコルビン酸−2−ホスフエートの製造
法でもある。
約2.0〜0.5のpH範囲で交換容量を失う中酸性のカチオ
ン交換体とは、主としてゲル状または粗孔性の交換樹脂
を意味し、このような交換樹脂はスチロールとジビニル
ベンゾールとから成る共重合体から構成されていて、共
有結合された適当な官能基を有している。
適当な官能基としては、特に次に示した基を挙げるこ
とができる: 特殊な樹脂の他にも、比較可能な構造、つまり前記官
能基または作用の同じ官能基を有していれば、別の樹脂
を使用することができる。それに対して、−COOH−基し
か有しない交換樹脂は十分に酸性でなく、−SO3H−基を
有するような交換樹脂は過度に酸性である。
たとえば、レワタイト(Lewatit)OC1060ならびにレ
ワタイト(Lewatit)TP207およびTP208が挙げられる。
pH=約0.5でもはや測定可能な交換容量を有しないレ
ワタイト(Lewatit)OC1060が特に適当である。これに
より、アスコルビン酸−2−ホスフエートのカリウム塩
中の3K+イオンの2つだけが交換されることが保証され
ている。このことは、カリウムマグネシウム−L−アス
コルベート−2−ホスフエートを製造しようとする場合
に特別な利点となる。その理由は、引き続いてMg2+によ
つて置換したいK+量だけが除去されるからである。
イソプロピリデン保護基を脱離するための反応時間は
この反応経過においては30℃で約2時間である。
公知の方法において強酸性のイオン交換体を使用する
のに対して、中酸性のイオン交換体を使用することのき
わめて有利な点は次のことにある。すなわち、形成する
溶出液があまり酸性ではなく、したがつてアスコルビン
酸へのアスコルビン酸−2−ホスフエートの再分解が起
こらず、このことは生成物品質、特に生成物の色に特に
有利に作用する。新規カリウムマグネシウム−L−アス
コルベート−2−ホスフエートに関する方法経過によつ
て得られる別の利点としては、次のものを挙げることが
できる: a) 比較的僅かなMgO消費 b) 比較的僅かな塩放出 c) イオン交換体の1/3だけ減少した再生時間による
比較的良好な空時収量 得られた溶出液をMgO、Mg(OH)またはMgCO3で中和
することは一般に20〜25℃で行なわれる。カリウムマグ
ネシウムアスコルベート−2−ホスフエートを沈殿させ
るために、反応溶液は一般に蒸発濃縮され、その後に有
利には低級アルカノールまたはアセトン、好ましくはメ
タノールに注入される。
本発明による方法を用いると、所望のアスコルビン酸
−2−ホスフエート、特にL−アスコルビン酸−2−ホ
スフエートをそのものとしてか、またはその塩、特に新
規カリウムマグネシウムアスコルベート−2−ホスフエ
ートの形で、ならびに中間生成物として使用可能な5,6
−イソプロピリデン−アスコルビン酸を極めて有利に工
業的に製造することが可能となる。
〔実施例〕
例 1 A. 5,6−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸の製
造 アセトン(含水量約0.4%)480mlに−10℃で24%の発
煙硫酸43gを滴加した。得られた混合物に0℃の温度で
L−アスコルビン酸120gを投入し、この反応混合物を0
℃で6時間撹拌した。引き続き、−15℃にまで冷却し、
結晶を吸引濾過した。得られた濾過ケークを乾燥プレス
し、次いで以下に記載のBに基づきさらに処理した。
収率は理論値の97〜98%であつた。未反応のL−アス
コルビン酸の含量は0.5%未満であつた。
B. 5,6−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸のリ
ン酸化 上記Aによつて得られた、乾燥プレスされた濾過ケー
クを水1200mlとピリジン300mlとの混合物にゆつくりと
投入し、その際KOH溶液の連続的な添加によつてpH値を1
2〜13に保持した。
引き続き、前記混合物に0℃でPOCl3146gをゆつくり
と添加し、その際KOHの添加によつてpH値を13に保持し
た。次いで、さらに30分間後撹拌し、この反応混合物を
出発物質に関して試験した。
C. KMgPO4・6H2Oの沈殿 上記Bによつて得られた反応混合物にMgCl2・6H2O 70
gを約30重量%の水溶液の形で添加し、引き続きさらに
1時間撹拌した。次いで形成された結晶性の沈殿物を吸
収濾過し、この沈殿物を水100mlで2回洗浄して、乾燥
させた。こうしてKMgPO4・6H2O約90gを得た。
D. KClの沈殿 上記Cによつて得られた濾液を蒸発濃縮して1000mlに
し、引き続き1Lメタノールを添加した。次いでなお1時
間撹拌し、引き続き形成された沈殿物を吸引濾過し、こ
の沈殿物をメタノール/水(60/40)200mlで2回洗浄し
て、乾燥させた。KCl約235gを得た。
E. マグネシウム塩としてのL−アスコルピン酸ホスフ
エートの単離 上記Dからの合した濾液を減圧で蒸発濃縮して約800g
にし、次いで強酸性のイオン交換体(H+の形のLewatit
S−100)を充填されたカラムに通した。引き続き、水約
1で後洗浄し、酸性の溶出液約2200mlを集めた。この
酸性の溶出液にMgO約39gを添加し、ほぼ全てが溶解する
まで撹拌した。この場合にこの溶液のpH値は約8.5〜9
であつた。続いて、少量の未溶解分を濾別し、蒸発濃縮
して約500gにした。こうして得られた溶液を撹拌下にメ
タノール約1200g中に滴下した。この場合に形成された
結晶を吸引濾過し、メタノール300mlで洗浄し、乾燥プ
レスし、乾燥させた。こうして、マグネシウム−L−ア
スコルベート−2−ホスフエート・5H2O 210gを得た。
この生成物は約7%の2,2′−ビスアスコルビン酸モノ
ホスフエートを含有していて、約46%のビタミンC含量
を有していた。
収率は、使用されたビタミンCに対して理論値の80%
であつた。
例 2 上記例1のA、BおよびCに記載したとおりに作業し
た。KClを沈殿させるために、例1Cによつて得られた濾
液を蒸発濃縮して約600mlにし、続いて0℃で1時間撹
拌した。次いで形成された沈殿物を吸引濾過し、この沈
殿物を氷水200mlで2回洗浄して、乾燥させた。KCl約18
5gを得た。
L−アスコルビン酸−2−ホスフエートをマグネシウ
ム塩として単離するために、集めた濾液を強酸性のイオ
ン交換体(H+の形のLewatit S−100)に通した。続いて
水1.5で洗浄し、酸性の溶出液約2700mlを捕集した。
この溶出液をMgOで9のpH値にもたらした。次いで、少
量の未溶解分を濾別し、この溶液を蒸発濃縮して約600m
lにした。
引き続き、この溶液をメタノール1200ml中に滴加し
た。この場合に得られた結晶を吸引濾過し、メタノール
/水(1/1)混合物500mlで5回、メタノール300mlで1
回洗浄した。
こうして、マグネシウム−L−アスコルベート−2−
ホスフエート190gを得た。得られた生成物は約3%の2,
2′−ビス−L−アスコルビン酸モノホスフエートを含
有していて、約42%のビタミンC含量を有していた。
例 3 5,6−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸の製造 アセトン(含水量約1.4%)480mlに−10℃で24%の発
煙硫酸55gを滴加した。得られた混合物に約0℃の温度
でL−アスコルビン酸120gを投入し、この反応混合物を
0℃で6時間撹拌した。続いて−15℃にまで冷却し、形
成された結晶を吸引濾過した。得られた濾過ケークを乾
燥プレスして、氷冷アセトン各100mlで2回洗浄し、水
噴流真空中で室温で乾燥させた。
収率は理論値の97%であつた。
例 4 例1のA、B、CおよびDに記載したとおりに作業し
た。
アスコルビン酸−2−ホスフエートを新規カリウムマ
グネシウムアスコルベート2−ホスフエートの形で単離
するために、例1Dからの合した濾液を減圧で蒸発濃縮し
て約800gにし、水200mlで希釈し、次いで、中酸性のイ
オン交換体Lewatit OC−1060(重合体結合されたアミド
ホスホン酸、H+形)を充填されたカラムに通した。
得られた溶出液は約1.2のpH値を有していた。イソプ
ロピリデン保護基を脱離するために、この溶出液を30℃
で2時間保持した。引き続き、この溶出液を20〜25℃の
温度でMgOで中和し、6時間、後撹拌して、濾過し、次
いで回転蒸発器で80℃で蒸発濃縮して約450gにし、続い
てすぐにメタノール1100mlに注入した。晶出された塩を
濾取し、メタノールで洗浄し、乾燥させた。
アスコルビン酸に対して理論値の87.7%の収率に相当
する、粒状のコーンイエローの結晶220gを得た。
分析によりこの塩に対して、化合物KMgC6H6PO9×3H2O
に相当する原子比K0.8Mg1.065.612.8P1が認められ
た。
HPLC分析によれば、この生成物はアスコルベート−2
−ホスフエート89.0%およびビス−(2,2′−アスコル
ベート)ホスフエート9.9%を含有していた。
例 5 カリウム−L−アスコルベート−2−ホスフエートお
よびマグネシウム−L−アスコルベート−2−ホスフエ
ートに対する新規カリウムマグネシウム−L−アスコル
ベート−2−ホスフエートの有利な性質を証明するため
に、式KxMgyC6H6PO9×3H2Oのカリウムマグネシウム−L
−アスコルベート2−ホスフエート、つまり異なるK/Mg
比を有するカリウムマグネシウム−L−アスコルベート
−2−ホスフエートの濾過抵抗、乾燥時の団塊化および
ダスト形成をカリウム塩(x=3、y=0)もしくはマ
グネシウム塩(x=0;y=1.5)の相当する性質と比較し
た。
この試験により、組成K1±0.3Mg1±0.15アスコル
ベート−2−ホスフエートが最も良好な生成物性質を有
していることが判明した。
評価スケール: +++極めて大きい ++大きい +平均的 −小さい
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ローラント・ベツツ ドイツ連邦共和国ニーダーキルヒエン・ イン・デア・ナハトヴアイデ 30 (56)参考文献 特開 昭57−140789(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 9/655

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】K1±0.3Mg1±0.15−L−アスコルベー
    ト−2−ホスフェート。
  2. 【請求項2】式I: [式中、R1およびR2は水素を表わすか、または一緒にな
    って基: のうちの1つを表わす]で示される原子団を有するアス
    コルビン酸もしくはアスコルビン酸誘導体を第三級アミ
    ンの存在で、適当な水性溶剤中で−10〜25℃の温度で、
    全リン酸化反応の間にKOHを添加することによって、約
    8〜13.5のpH値を維持しながらPOCl3と反応させ、引き
    続きアスコルビン酸−2−ホスフェートを単離しかつ処
    理することにより、請求項1記載のK1±0.3Mg
    1±0.15−L−アスコルベート−2−ホスフェートを製
    造する方法において、 リン酸化の際に生じた反応混合物に、過剰の無機リン酸
    塩を分離するために、あらかじめイオン交換処理するこ
    となく、直接に7より高いpH値でほぼ化学量論的量のマ
    グネシウム化合物を、結晶性のKMgPO4の形成が終了する
    まで添加し、晶出されたKMgPO4を分離し、 この場合に得られた濾液を、塩化カリウムを分離するた
    めに6〜11のpH値で蒸発濃縮し、かつ/または前記濾液
    に対して0.1〜5倍の量の低級アルカノールもしくはア
    セトンを添加し、KClの晶出が終了するまで0〜10℃の
    温度に冷却し、 こうして得られた、十分に無機塩を除去された反応溶液
    を、約2.0〜0.5のpH範囲で交換容量を失う中酸性のカチ
    オン交換体で処理し、 得られた、主としてL−アスコルビン酸−2−ホスフェ
    ートのモノカリウム塩を含有する反応混合物から、約7
    の溶液のpH値になるまでMgO、Mg(OH)またはMgCO3
    添加し、かつ場合によってはメタノールまたはアセトン
    で処理することを特徴とする、請求項1記載のK
    1±0.3Mg1±0.15−L−アスコルベート−2−ホスフ
    ェートの製造法。
  3. 【請求項3】0〜5重量%の水を含有するアセトンに0
    〜65重量%の発煙硫酸を−30〜+40℃で撹拌下に添加す
    ることによって得られた混合物を用いて、アスコルビン
    酸を−10〜+10℃の温度で5〜6時間処理し、晶出する
    5,6−イソプロピリデン−アスコルビン酸を約−15℃で
    分離することにより製造された5,6−イソプロピリデン
    −アスコルビン酸から出発する、請求項2記載の製造
    法。
JP2068496A 1989-03-21 1990-03-20 アスコルビン酸−2−ホスフェートの製造法、K1±0.3Mg1±0.15−L−アスコルベート−2−ホスフェートおよび5,6−イソプロピリデン−アスコルビン酸の製造法 Expired - Fee Related JP2921580B2 (ja)

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