JP2921211B2 - 自動販売機の商品見本保持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、各種商品を販売する
自動販売機の商品見本保持装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】前後に二分する鉛直面に対して外形形状
がほぼ面対称である各種商品を販売しこの商品の内容を
表示する広告，商品見本などを陳列展示する展示室が機
体の前面部に区画形成された自動販売機は、機体内に通
常収納される販売商品の中からお客さん自身が希望する
商品を選んで購入する仕組になっている。それで、販売
商品を広告宣伝すると同時に、お客さんに明示して商品
購入の際、お客さんが商品を選択し易いように、展示室
内に販売商品の商品見本が一般的に陳列展示されるとと
もに、この商品見本それぞれに対応させてこの商品見本
の商品を選択する押釦が設けられている。一方、展示室
内に陳列展示される商品見本として、展示室内部空間の
大きさなどから、実際の商品の前半分だけの商品見本が
使用されることがある。このような商品の前半分だけの
商品見本が展示室内に陳列展示される場合には、板材か
ら形成された、展示室の奥行側内壁面を形成する壁板の
前面に商品見本の背面を添わせて、この商品見本の背面
から後方に突出形成した鈎形突起の、商品見本の背面に
沿い鈎形に曲った後端部を、壁板に形成し前後に貫通す
る孔部に挿通しかつ壁板の、孔部の周縁部に引っ掛けて
商品見本を着脱自在に壁掛け式に壁板に保持する商品見
本保持装置が概して設けられている。また、このような
商品見本保持装置は、商品見本が商品の前半分だけの商
品見本であるので、この商品見本を壁板に保持すると、
この商品見本が壁板の前面に映ってあたかも商品全体の
商品見本であるかの如く前方から見えるように、壁板の
前面が鏡面になっている場合が多い。そのため、商品見
本の背面が壁板の前面に密着した状態で、鈎形突起の後
端部と壁板との間に間隙がなければ、自動販売機の設置
後の機体の振動などで商品見本が壁板から容易に外れた
り、この壁板の前面と商品見本の背面との間に間隙が発
生して商品見本が商品全体の商品見本であるかのように
前方から見えなかったりすることはないが、この種の自
動販売機の商品見本保持装置の従来例を図２および図３
に示す。図２はこの発明の対象となる自動販売機の外観
を示し、（Ａ）は正面図，（Ｂ）は（Ａ）の右側面図
で、（Ｂ）は図の左側が前面側であり、図３は従来例の
自動販売機の商品見本保持装置の構成を示し、（Ａ）は
要部左側縦断面図，（Ｂ）は（Ａ）の商品見本の構成を
示す、この商品見本の後方斜右上から見た斜視図，
（Ｃ）は（Ａ）の壁板に形成された孔部の形状を示す正
面図である。

【０００３】図２および図３において、１が販売商品を
内部に収容し前面が開口するケースであり、このケース
１にその前面開口を覆う扉２が回動自在に支持されてお
り、この扉２とケース１とで自動販売機の外周面を形成
する機体３が構成されている。この機体３の前面部を形
成する扉２の上部に区画形成された展示室４の前面は、
例えばアクリル樹脂などから形成され前方の広い角度か
ら展示室４内を見通すことができる透明な覆い５で覆わ
れている。この覆い５の前面から前端を前方に突出させ
上下２列にして左右に配列された複数の商品選択用の押
釦６は、前面が鏡面である、板材から形成され展示室４
の奥行側内壁面を形成する壁板７に後端が支持された、
側縦断面がほぼ逆Ｕ字形の上下２段の棚８の前端面にそ
れぞれ支持されている。この上下２段の棚８の上には、
押釦６それぞれに対応させ左右に配列して、前後に二分
する鉛直面に対して外形形状がほぼ面対称である、逆截
頭円錐台形の各種商品の前半分だけの、例えばアクリル
樹脂などから形成された、中空透明な商品見本９が陳列
展示されている。この商品見本９には、背面から後方に
突出形成されこの背面に沿い鈎形に左右にそれぞれ曲っ
た後端部１０を持つ左右一対の鈎形突起１１が形成され
ている。この鈎形突起１１を、壁板７に形成され前後に
貫通する、Ｔ字形の孔部１２の、左右の幅が一対の鈎形
突起１１の両後端部１０の幅より広い上部に嵌挿して壁
板７の前面に平行な面内での商品見本９の移動を規制
し、かつ、左右の幅が一対の鈎形突起１１の両根元部の
幅より狭い、孔部１２の下部内に鈎形突起１１を下方に
平行移動し孔部１２に挿通された後端部１０を壁板７
の、孔部１２の周縁部に引っ掛けて商品見本９の前後方
向の移動を規制することによって、商品見本９が着脱自
在に壁体７に保持されている。この壁板７，鈎形突起１
１および孔部１２で商品見本９を展示室４内に保持する
商品見本保持装置１３が構成されおり、商品見本９の外
周面には、商品の外周面に似せて絵，文字などを印刷し
た透明な、例えばポリエステル樹脂製の、図示しないフ
ィルムが貼り付けられている。

【０００４】このように構成された商品見本保持装置１
３は、新製品発売，季節の変り目などの販売商品の変更
に伴う商品見本９の変更操作が、今まで棚８上に陳列展
示されていた商品見本９を壁板７の前面に沿って持ち上
げると同時に前方に移動し、孔部１２から鈎形突起１１
を抜いて壁体７から商品見本９を取り外し、新しい商品
見本９を上記の逆の順序で壁板７に取り付けることによ
り行われる。また、背面を壁板７前面に添わせて棚８上
に陳列展示された、逆截頭円錐台形の各種商品の前半分
だけ商品見本９は壁板７の、鏡面である前面に映ってあ
たかも商品全体の商品見本であるかのごとく前方から見
える。

【０００５】なお、棚８の下には、この棚８の後端部下
側に後端をねじ止めされた支持体１４を介して照明灯１
５が支持されており、この照明灯１５で展示室４内が照
明されている。また、扉２の前面部には、展示室４の直
ぐ下に、硬貨，紙幣をそれぞれ投入する投入口１６，１
７、投入した硬貨を返却操作する返却レバー１８などを
備えた操作部１９が、またこの操作部１９の下に、前面
に開口する、釣銭を返却する返却口２０，購入した商品
が取り出される取出口２１などがそれぞれ配設されてい
る。さらに、ケース１内には、商品が収納される、図示
しない収納室が区画形成されている。

【０００６】このように構成された自動販売機の販売動
作は、投入口１６，１７から硬貨若しくは紙幣を投入
後、商品見本９を見て購入する商品を選び、この商品の
商品見本９に対応する押釦６を操作すると、販売指令信
号により、図示しない収納室から取出口２１内に押釦６
で選択された商品が搬出される。次いで、必要に応じて
返却口２０内に釣銭が払い出される。この釣銭および、
取出口２１内に搬出された商品は返却口２０および取出
口２１の前面開口をそれぞれ通してお客さんにより取り
出される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の自動販売機の商品見本保持装置は、壁板７，鈎形
突起１１および孔部１２で構成された、商品見本９を展
示室４内に保持する商品見本保持装置１３が、商品見本
９の背面が壁板７の前面に密着した状態で商品見本９を
壁板７に保持することを前提に構成されている。それ
で、商品見本９の背面が壁板７の前面に密着した状態
で、鈎形突起１１の後端部１０と、壁板７との間に間隙
がなければ、自動販売機の設置後の機体３の振動などで
商品見本９が壁板７から容易に外れたり、この壁板７の
前面と、商品見本９の背面との間に間隙が発生して商品
見本９が商品全体の商品見本であるかのように前方から
見えなかったりすることはない。一方、壁板７は材質の
異なる各種材料から形成されるので、商品見本９が保持
される壁板７の板厚は、壁板７の素材が同じであっても
多少違うのに、ましてや材質の異なる素材から形成され
ていれば、違いは大きく、一般的に言って一定ではな
い。そのため、同一寸法の鈎形突起１１をそれぞれの商
品見本９の背面から後方に突出形成したのでは、商品見
本９の背面が壁板７の前面に密着した状態で、鈎形突起
１１の後端部１０と壁板７との間に間隙が発生しがちで
ある。この間隙が発生すれば、自動販売機の設置後の機
体３外部から伝動する振動，保守作業などの際の扉２の
開閉による振動などで商品見本９が壁板７から容易に外
れたり、この壁板７の前面と商品見本９の背面との間に
間隙が発生して商品見本９が商品全体の商品見本である
かのように前方から見えなかったりするという問題があ
る。他方、商品見本９を保持する壁板７それぞれの板厚
に合った寸法形状の鈎形突起１１を商品見本９それぞれ
に形成したのでは、同じ商品であっても、鈎形突起１１
の寸法形状だけが異なる複数の商品見本９を必要とし、
この商品見本９製作に伴う手間および費用がかかるとい
う問題もある。

【０００８】この発明は、背面から後方に突出形成され
た鈎形突起の寸法形状が同じ商品見本であっても、機体
の振動などで壁板から商品見本が容易に外れたり、この
壁板の前面と商品見本の背面との間に間隙が発生して商
品見本が商品全体の商品見本であるかのように前方から
見えなかったりすることのない自動販売機の商品見本保
持装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明によれば、各種商品を販売しこの商品の前
半分だけの商品見本を内部に陳列展示して前方に表示す
る展示室が機体の前面部に区画形成され、前記展示室の
奥行側内壁面を形成する壁板の前面に前記商品見本の背
面を添わせて保持する自動販売機であって、前記商品見
本の背面から後方に突出形成されこの背面に沿い鈎形に
曲った後端部を持つ鈎形突起と、前記壁板に形成され前
後方向に貫通する孔部とを備え、前記後端部を前記孔部
に挿通して前記孔部の周縁部に引っ掛けて前記商品見本
を着脱自在に保持する自動販売機の商品見本保持装置に
おいて、前記後端部と前記壁板との間隙に前記商品見本
を前記壁板に密着させるための嵌着体を嵌脱自在に嵌着
するものとする。

【００１０】また、上記に加え、嵌着体が弾性体である
ものとする。

【００１１】さらに、壁板の前面が鏡面であるものとす
る。

【００１２】

【作用】この発明は、各種商品を販売しこの商品の前半
分だけの商品見本を内部に陳列展示して前方に表示する
展示室が機体の前面部に区画形成され、前記展示室の奥
行側内壁面を形成する壁板の前面に前記商品見本の背面
を添わせて保持する自動販売機であって、前記商品見本
の背面から後方に突出形成されこの背面に沿い鈎形に曲
った後端部を持つ鈎形突起と、前記壁板に形成され前後
方向に貫通する孔部とを備え、前記後端部を前記孔部に
挿通して前記孔部の周縁部に引っ掛けて前記商品見本を
着脱自在に保持する自動販売機の商品見本保持装置にお
いて、前記後端部と前記壁板との間隙に前記商品見本を
前記壁板に密着させるための嵌着体を嵌脱自在に嵌着す
るものとしたので、鈎形突起の後端部と壁板との間の間
隙に嵌着体を嵌着することにより、商品見本の背面を壁
板の前面に確実に密着させることができ、これにより商
品見本の、壁板の前面に平行な面内での移動および前後
方向の移動を阻止できるので、機体の振動などによる、
壁板からの商品見本の外れ，壁板の前面と、商品見本の
背面と間の間隙の発生などを確実に防ぐことができる。

【００１３】また、上記に加え、嵌着体が弾性体である
ものとしたので、壁板の板厚と、鈎形突起寸法との相互
関係で、商品見本の背面が壁板の前面に密着した状態
で、鈎形突起の後端部と壁板との間の間隙の幅が多少の
変っても、この間隙に共通の嵌着体を嵌着できるととも
に、機体の振動などによる、嵌着体の脱落ならびに、商
品見本の、壁板の前面に平行な面内での移動および前後
方向の移動を嵌着体でより確実に阻止して商品見本の壁
板からの外れ，壁板の前面と、商品見本の背面と間の間
隙の発生などをより確実に防ぐことができる。

【００１４】さらに、壁板の前面が鏡面であるものとし
たので、背面が壁板の前面に密着した状態でこの壁板に
保持された、商品の前半分だけの商品見本を、鏡面であ
る、壁板の前面に映してあたかも商品全体の商品見本で
あるかの如く前方から見えるようにすることができ、内
部空間が狭い展示室内にも商品見本を効果的に展示でき
る。

【００１５】

【実施例】以下、この発明の実施例を図１および図２に
基づいて説明する。図１はこの発明の一つの実施例の自
動販売機の商品見本保持装置の構成を示し、（Ａ）は要
部左側縦断面図，（Ｂ）は（Ａ）の商品見本の構成を示
す、この商品見本の後方斜右上から見た斜視図，（Ｃ）
は（Ａ）の嵌着体の構成を示す、この嵌着体の後方斜右
上から見た斜視図，（Ｄ）は（Ａ）の壁板に形成された
孔部の形状を示す正面図で、（Ａ）は図の右側が前面側
であり、図２はこの発明の対象となる自動販売機の外観
を示し、（Ａ）は正面図，（Ｂ）は（Ａ）の右側面図
で、（Ｂ）は図の左側が前面側である。図３と共通ある
いは同一の部分は同一符号で示す。

【００１６】図１および図２において、１が販売商品を
内部に収容し前面が開口するケースであり、このケース
１にその前面開口を覆う扉２を回動自在に支持してお
り、この扉２とケース１とで自動販売機の外周面を形成
する機体３を構成している。この機体３の前面部を形成
する扉２の上部に区画形成した展示室４の前面を、例え
ばアクリル樹脂などから形成され前方の広い角度から展
示室４内を見通すことができる透明な覆い５で覆ってい
る。この覆い５の前面から前端を前方に突出させ上下２
列にして左右に配列した複数の商品選択用の押釦６を、
前面が鏡面である、板材から形成した、展示室４の奥行
側内壁面を形成する壁板７に後端を支持した、側縦断面
がほぼ逆Ｕ字形の上下２段の棚８の前端面にそれぞれ支
持している。この上下２段の棚８の上には、押釦６それ
ぞれに対応させ左右に配列して、前後に二分する鉛直面
に対して外形形状がほぼ面対称である、逆截頭円錐台形
の各種商品の前半分だけの、例えばアクリル樹脂などか
ら形成した、中空透明な商品見本９を陳列展示してい
る。この商品見本９には、この商品見本９の背面から後
方に突出形成した、この背面に沿い鈎形に左右にそれぞ
れ曲った後端部１０を持つ左右一対の鈎形突起１１を形
成している。この鈎形突起１１を、壁板７に形成し前後
に貫通する、Ｔ字形の孔部１２の、左右の幅が一対の鈎
形突起１１の両後端部１０の幅より広い上部に挿通して
壁板７の前面に平行な面内での、商品見本９の移動を規
制し、かつ左右の幅が一対の鈎形突起１１の両根元部の
幅より狭い、孔部１２の下部内に鈎形突起１１を下方に
平行移動し孔部１２に挿通した後端部１０を壁板７の、
孔部１２の周縁部に引っ掛けて商品見本９の、前後方向
の移動を規制することによって、商品見本９を着脱自在
に壁体７に保持している。また、この壁板７と後端部１
０との間には、上面および前面に開口する、鈎形突起１
１の一対の後端部１０が上方から嵌まり込む溝２２を形
成した、弾性体である嵌着体２３を嵌脱自在に嵌着して
いる。この嵌着体２３に形成した溝２２に嵌まり込む、
鈎形突起１１の一対の後端部１０に嵌着体２３はさらに
嵌着されており、この嵌着体２３，壁板７，鈎形突起１
１および孔部１２で商品見本９を展示室４内に保持する
商品見本保持装置２４を構成している。なお、商品見本
９の外周面には、商品の外周面に似せて絵，文字などを
印刷した透明な、例えばポリエステル樹脂製の、図示し
ないフィルムを貼り付けており、その他の構成は前記し
た従来例と同一である。

【００１７】前述の構成において、この発明の自動販売
機の商品見本保持装置を備えた自動販売機の販売動作は
前記した従来例と同一であるので、この発明の自動販売
機の商品見本保持装置の、新製品発売，季節の変り目な
どの販売商品の変更に伴う商品見本９の変更操作，およ
び機能を以下述べる。

【００１８】商品見本９を展示室４内に保持する、嵌着
体２３，壁板７，鈎形突起１１および孔部１２で構成し
た商品見本保持装置２４による、新製品発売，季節の変
り目などの販売商品の変更に伴う商品見本９の変更操作
は次のようになる。先ず、壁板７と後端部１０との間に
嵌着した嵌着体２３を下方に引っ張って、一対の鈎形突
起１１の後端部１０を溝２２から抜きながら、壁板７と
後端部１０との間から抜き取る。次に、棚８上に今まで
陳列展示されていた商品見本９を壁板７の前面に沿って
持ち上げると同時に前方に移動し、孔部１２から鈎形突
起１１を抜いて壁体７から商品見本９を取り外し、最後
に、新しい商品見本９を上記の逆の順序で壁板７に取り
付ける。このようにして壁板７に取り付けた、寸法形状
が同一の鈎形突起１１を背面から後方に突出形成した商
品見本９は、壁板７と後端部１０との間に嵌着体２３を
嵌着しているので、仮に、素材が変って壁板７の板厚が
多少変っても、背面が壁板７の前面に常に密着した状態
で商品見本９は壁板７に確実に保持される。そのため、
逆截頭円錐台形の各種商品の前半分だけの商品見本９
は、自動販売機の設置後の機体３の振動などで、壁板７
から容易に外れず、かつこの壁板７の前面と、商品見本
９の背面との間に間隙が発生しないので、鏡面である、
壁板７の前面に映って商品全体の商品見本であるかのよ
うに前方から常に見える。また、商品見本９それぞれ
に、この商品見本９を保持する壁板７それぞれの板厚に
合わせた、鈎形突起１１の寸法だけが異なる、同一商品
の商品見本９を複数製作する必要はない。

【００１９】

【発明の効果】この発明によれば、各種商品を販売しこ
の商品の前半分だけの商品見本を内部に陳列展示して前
方に表示する展示室が機体の前面部に区画形成され、前
記展示室の奥行側内壁面を形成する壁板の前面に前記商
品見本の背面を添わせて保持する自動販売機であって、
前記商品見本の背面から後方に突出形成されこの背面に
沿い鈎形に曲った後端部を持つ鈎形突起と、前記壁板に
形成され前後方向に貫通する孔部とを備え、前記後端部
を前記孔部に挿通して前記孔部の周縁部に引っ掛けて前
記商品見本を着脱自在に保持する自動販売機の商品見本
保持装置において、前記後端部と前記壁板との間隙に前
記商品見本を前記壁板に密着させるための嵌着体を嵌脱
自在に嵌着することにより、商品見本の背面を壁板の前
面に確実に密着させることができ、機体の振動などによ
る、壁板からの商品見本の外れ，壁板の前面と商品見本
の背面と間の間隙の発生などを確実に防ぐことができ
る。

【００２０】また、上記に加え、嵌着体が弾性体である
ものとしたので、商品見本の背面が壁板の前面に密着し
た状態で鈎形突起の後端部と壁板との間の間隙の幅が多
少の変っても、この間隙に共通の嵌着体を嵌着できると
ともに、機体の振動などによる、嵌着体の脱落，商品見
本の壁板からの外れ，壁板の前面と、商品見本の背面と
間の間隙の発生などをより確実に防ぐことができる。

【００２１】さらに、壁板の前面が鏡面であるものとし
たので、背面が壁板の前面に密着した状態でこの壁板に
保持された、商品の前半分だけの商品見本を、鏡面であ
る、壁板の前面に映してあたかも商品全体の商品見本で
あるかの如く前方から見えるようにすることができ、内
部空間が狭い展示室内にも商品見本を効果的に展示でき
る。

【００２２】その結果、商品見本の背面から後方に突出
形成した鈎形突起の寸法および壁板の板厚に多少ばらつ
きがあっても、機体の振動などで、壁板から容易に外れ
たり、この壁板の前面と商品見本の背面との間に間隙が
発生して商品見本が商品全体の商品見本であるかのよう
に前方から見えなかったりせずに、同一寸法の鈎形突起
を形成した、商品の種類ごとに共通な商品見本を壁板に
確実に保持して狭い展示室内にも効果的に陳列展示でき
るという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一つの実施例の自動販売機の商品見
本保持装置の構成を示し、（Ａ）は要部左側縦断面図，
（Ｂ）は（Ａ）の商品見本の構成を示す、この商品見本
の後方斜右上から見た斜視図，（Ｃ）は（Ａ）の嵌着体
の構成を示す、この嵌着体の後方斜右上から見た斜視
図，（Ｄ）は（Ａ）の壁板に形成された孔部の形状を示
す正面図

【図２】この発明の対象となる自動販売機の外観を示
し、（Ａ）は正面図，（Ｂ）は（Ａ）の右側面図

【図３】従来例の自動販売機の商品見本保持装置の構成
を示し、（Ａ）は要部左側縦断面図，（Ｂ）は（Ａ）の
商品見本の構成を示す、この商品見本の後方斜右上から
見た斜視図，（Ｃ）は（Ａ）の壁板に形成された孔部の
形状を示す正面図

【符号の説明】

１ ケース ２ 扉 ３ 機体 ４ 展示室 ５ 覆い ６ 押釦 ７ 壁板 ８ 棚 ９ 商品見本 １０ 後端部 １１ 鈎形突起 １２ 孔部 １３ 商品見本保持装置 １４ 支持体 １５ 照明灯 １６ 投入口 １７ 投入口 １８ 返却レバー １９ 操作部 ２０ 返却口 ２１ 取出口 ２２ 溝 ２３ 嵌着体 ２４ 商品見本保持装置

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】各種商品を販売しこの商品の前半分だけの
   商品見本を内部に陳列展示して前方に表示する展示室が
   機体の前面部に区画形成され、前記展示室の奥行側内壁
   面を形成する壁板の前面に前記商品見本の背面を添わせ
   て保持する自動販売機であって、前記商品見本の背面か
   ら後方に突出形成されこの背面に沿い鈎形に曲った後端
   部を持つ鈎形突起と、前記壁板に形成され前後方向に貫
   通する孔部とを備え、前記後端部を前記孔部に挿通して
   前記孔部の周縁部に引っ掛けて前記商品見本を着脱自在
   に保持する自動販売機の商品見本保持装置において、前
   記後端部と前記壁板との間隙に前記商品見本を前記壁板
   に密着させるための嵌着体を嵌脱自在に嵌着することを
   特徴とする自動販売機の商品見本保持装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の自動販売機の商品見本保持
   装置において、嵌着体が弾性体である自動販売機の商品
   見本保持装置。
3. 【請求項３】請求項１または請求項２記載の自動販売機
   の商品見本保持装置において、壁板の前面が鏡面である
   自動販売機の商品見本保持装置。