JP2921195B2 - 触媒コンバータ用担体の製造方法 - Google Patents

触媒コンバータ用担体の製造方法

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JP2921195B2
JP2921195B2 JP3217534A JP21753491A JP2921195B2 JP 2921195 B2 JP2921195 B2 JP 2921195B2 JP 3217534 A JP3217534 A JP 3217534A JP 21753491 A JP21753491 A JP 21753491A JP 2921195 B2 JP2921195 B2 JP 2921195B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は触媒コンバータ用担体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製平板と金属製波形板とを交互に積
層させつつ渦巻状または同軸円筒状に巻いてハニカム構
造体を形成し、次いでこのハニカム構造体を構成する平
板と波形板とをろう付けするようにした触媒コンバータ
用担体の製造方法が公知である(特開昭62−2697
50号公報参照)。この触媒コンバータ用担体の製造方
法の第1の実施例では、平板と波形板とによりハニカム
構造体を形成する際に平板と波形板間に箔状のろう材を
挟んで平板と波形板とを巻き、次いでこのハニカム構造
体全体を真空加熱炉内で加熱して平板と波形板の尾根部
とをろう付けするようにしている。この場合、平板およ
び波形板の幅全体に亘って箔状のろう材を挟むようにし
た実施例と、平板および波形板の幅方向の両端縁付近に
2条のろう材を挟むようにした実施例とが記載されてい
る。更に第2の実施例では、平板と波形板とによりハニ
カム構造体を形成した後に、シャーシ内に入れられた液
状の有機バインダ材中にハニカム構造体の両端部を浸
し、次いでこの有機バインダ材が付着したハニカム構造
体の両端部に粉末状のろう材を付着させ、次いでハニカ
ム構造体に付着したバインダ材を乾燥させ、次いでこの
ハニカム構造体全体を真空加熱炉内で加熱してハニカム
構造体の両端部内に位置する平板と波形板の尾根部とを
ろう付けするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、機関運転中
には触媒コンバータ内に流入する高温の排気ガスがもつ
熱エネルギと、排気ガスと触媒とが反応した反応熱とに
より触媒コンバータの担体が加熱され、この担体の軸線
近傍領域の温度は例えば900℃程度になる。一方、担
体の外周部は一般的に大気によって冷やされているので
担体の外周部領域の温度は例えば500℃程度になる。
このように担体の軸線近傍領域と外周部領域間には大き
な温度差が生じ、その結果担体内部に熱応力が発生す
る。
【0004】まず、担体の全領域に亘って平板と波形板
の尾根部とがろう付けされている場合における担体の熱
変形について考えてみる。この場合、より高温を呈する
担体の軸線近傍領域は外周部領域に比べて大きく熱膨張
しようとするが、担体の全領域に亘ってろう付けがなさ
れていると軸線近傍領域の平板および波形板の伸びがこ
れらのろう付け箇所によって過度に拘束され、その結果
軸線近傍領域の平板および波形板が塑性変形して軸線近
傍領域内のハニカム構造体に目詰まりが生じてしまう。
次いで機関が停止すると担体の温度が下がり、担体は全
体的に収縮する。このとき外周部のハニカム構造体領域
は、上述のように塑性変形してその軸線方向長さが短く
なった軸線近傍のハニカム構造体領域に引き込まれる形
になり、その結果外周部領域内に位置する平板および波
形板が座屈して外周部領域内のハニカム構造体に目詰ま
りが生じてしまう。またこのように過度の熱応力が繰り
返し加えられると、平板と波形板間のろう付け部分が剥
がれてしまう場合もある。
【0005】一方、ハニカム構造体のろう付け領域が小
さすぎる場合にはハニカム構造体全体に対する十分なろ
う付け強度が確保されず、その結果ハニカム構造体を形
成する平板および波形板が機関振動によってずれ落ちて
しまうという問題が生ずる。このようにろう付け領域が
大きすぎるとハニカム構造体の目詰まりが生じ、一方ろ
う付け領域が小さすぎるとハニカム構造体を形成する平
板およひ波形板のずれ落ちが生じ、従っていずれの場合
にも触媒コンバータの良好な耐久性を確保することがで
きない。従って触媒コンバータの良好な耐久性を確保す
るためにはハニカム構造体の適切な領域を過不足なくろ
う付けすることが必要であり、このろう付けされる適切
な領域としての許容範囲が狭いのでろう付けされる領域
を正確に管理する必要がある。
【0006】しかしながら上述の触媒コンバータ用担体
の製造方法の第1実施例では平板と波形板間に箔状のろ
う材を挟みつつ平板と波形板とを巻いてハニカム構造体
を形成するときに、本来ろう付けすべきではないハニカ
ム構造体部分にろう材が付着したり或いは本来ろう付け
すべきハニカム構造体部分にろう材が付着しなかったり
しがちである。また上述の触媒コンバータ用担体の製造
方法の第2実施例ではハニカム構造体の端部を液状のバ
インダ材中に浸したときに、バインダ材の液面位置より
も内方に位置するハニカム構造体部分までバインダ材が
浸透してしまう。その結果、本来ろう付けすべきハニカ
ム構造体端部領域よりも更に奥まで粉末状のろう材が付
着してしまうことになる。このようにいずれの実施例に
おいてもろう材の付着領域を正確に管理することは非常
に困難である。次いでこのろう材が付着したハニカム構
造体全体が加熱炉内で加熱されるので、本来ろう付けす
べきではないハニカム構造体部分も含めてろう材が付着
した平板と波形板の尾根部間がすべてろう付けされてし
まう。このように上述の触媒コンバータ用担体の製造方
法のいずれの実施例においてもろう付けされる領域を正
確に管理することができず、その結果上述のように触媒
コンバータの良好な耐久性を確保することができないと
いう問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、金属製平板と金属製波形板とを交
互に積層させつつ渦巻状または同軸円筒状に巻いてハニ
カム構造体を形成し、次いでハニカム構造体を構成する
平板と波形板とをろう付けするようにした触媒コンバー
タ用担体の製造方法において、平板と波形板とによりハ
ニカム構造体を形成する際またはハニカム構造体を形成
した後に平板と波形板間にろう材を供給し、ハニカム構
造体の外周面周りに配置された誘導加熱装置によってハ
ニカム構造体外周面から予め定められた一定深さ内に位
置する平板と波形板の尾根部とを誘導加熱するようにし
ている。
【0008】更に、上記問題点を解決するために本発明
によれば、金属製平板と金属製波形板とを交互に積層さ
せつつ渦巻状または同軸円筒状に巻いてハニカム構造体
を形成し、次いでハニカム構造体を構成する平板と波形
板とをろう付けするようにした触媒コンバータ用担体の
製造方法において、平板と波形板とによりハニカム構造
体を形成する際またはハニカム構造体を形成した後に平
板と波形板間にろう材を供給し、ハニカム構造体の端面
に対向して配置された誘導加熱装置によってハニカム構
造体端面から予め定められた一定深さ内に位置する平板
と波形板の尾根部とを誘導加熱するようにしている。
【0009】
【作用】請求項1に記載の発明ではハニカム構造体の外
周面周りに配置された誘導加熱装置によってハニカム構
造体外周面から予め定められた一定深さ内に位置する平
板と波形板の尾根部とが誘導加熱され、その結果ハニカ
ム構造体外周面から予め定められた一定深さ内に位置す
る平板と波形板の尾根部間のみがろう付けされる。
【0010】請求項2に記載の発明ではハニカム構造体
の端面に対向して配置された誘導加熱装置によってハニ
カム構造体端面から予め定められた一定深さ内に位置す
る平板と波形板の尾根部とが誘導加熱され、その結果ハ
ニカム構造体端面から予め定められた一定深さ内に位置
する平板と波形板の尾根部間のみがろう付けされる。
【0011】
【実施例】図1から図8を参照して本発明による触媒コ
ンバータ用担体の製造方法の実施例について説明する。
まず初めに図2に示されるように金属製平板1と金属製
波形板2とを交互に積層させつつ渦巻状に巻いてハニカ
ム構造体3を形成し、次いでこのハニカム構造体3を円
筒状の金属製外筒4内に挿入する。平板1および波形板
2は例えばFe−20Cr−5Al合金材料からなり、
板厚は共に約50μmであり幅、即ちハニカム構造体3
に形成されたときの軸線方向長さは共に約120mmであ
る。また外筒4の外径は約89mm、肉厚は約2mm、軸線
方向長さは約120mmである。なお図2では構造がわか
りやすいようにハニカム構造および外筒4の肉厚を拡大
して概略的に図示している。
【0012】次いで図3に示されるようにハニカム構造
体3の端面3bの中央領域を遮蔽するマスク6をハニカ
ム構造体端面3b上に配置し、次いで矢印Aで示される
ようにハニカム構造体3および外筒4をそれらに共通の
軸線Z回りに回転させつつろう材とバインダ材との混合
液8をハニカム構造体3の外周部領域内に流し込む。な
お本実施例ではろう材として融点Tm が約1180℃の
ニッケル系のろう材を用いている。後述するように本実
施例ではハニカム構造体3の外周面3aから予め定めら
れた一定深さH1 内に位置する平板1と波形板2の尾根
部2aとの間をろう付けすると共にハニカム構造体外周
面3aと外筒4の内周面4aとの間をろう付けする。し
かしながら図3に示されるようにろう材とバインダ材と
の混合液8は一定深さH1 よりも軸線Z側に位置するハ
ニカム構造体3領域内まで流入しても構わず、従ってろ
う材が付着する領域10を正確に管理する必要はない。
なお、図3、図1、図6および図7ではハニカム構造体
3を構成する平板1および波形板2の図示を省略してあ
る。
【0013】次いで図4および図1に示されるように外
筒4の外周面4c周りに配置された誘導加熱用コイル1
2に予め定められた周波数f1 と電流値Ip1とを有する
高周波電流を流すと共に、外筒4およびハニカム構造体
3の外周部領域が軸線Z方向の全長に亘って誘導加熱さ
れるように外筒4およびハニカム構造体3を誘導加熱用
コイル12内で軸線Zに沿う方向に一体的に上下動させ
る。図4および図1に示す実施例では誘導加熱用コイル
12として外筒4の周方向に2巻き巻かれたソレノイド
状のコイルが用いられており、この誘導加熱用コイル1
2は軸線Zと同軸をなすように配置される。また図1に
示すようにこの誘導加熱用コイル12は矩形断面をな
し、誘導加熱用コイル12内にはコイル冷却水通路14
が形成されている。このように誘導加熱用コイル12に
予め定められた周波数f1 と電流値Ip1とを有する高周
波電流を流すと共に外筒4およびハニカム構造体3を軸
線Zに沿う方向に上下動させることにより、外筒4と、
ハニカム構造体外周面3aから予め定められた一定深さ
1 内に位置する平板1および波形板2とを、軸線Z方
向の全長に亘ってろう材の融点Tm 以上の温度に誘導加
熱することができる。
【0014】図8は周波数f1 が10kHz、プレート
電圧Ep1が3kV、プレート電流I p1が2.5Aの高周
波電流を誘導加熱用コイル12に流すと共にハニカム構
造体3および外筒4を軸線Zに沿う方向に1mm/秒の速
度v1 で移動させつつ約150秒(誘導加熱時間t1
間誘導加熱を行ったときのハニカム構造体端面3bおよ
び外筒4の端面4bの温度T1 の分布を示している。な
お、この温度T1 は放射温度計によって測定された値で
ある。図8から外筒4と、ハニカム構造体外周面3aか
ら一定深さH1 内に位置するハニカム構造体3の外周部
領域とがろう材の融点Tm (約1180℃)以上の温度
に誘導加熱されていることがわかる。このろう材の融点
m 以上に誘導加熱される領域の深さH1 は誘導加熱用
コイル12に流す高周波電流の周波数f1 、電流値
p1、および誘導加熱時間t1 等を制御することにより
任意の深さに変化させることができる。図8に示す実施
例ではこの一定深さH1 が5mmになるようにf1,Ip1,
1 等が上述の各値に設定されている。斯くしてハニカ
ム構造体外周面3aから深さ5mm内に位置するハニカム
構造体3の外周部領域18(図1においてクロスハッチ
ングが施されている領域)内に付着していたろう材が溶
融せしめられ、その結果図5に示されるようにこの外周
部領域12内に位置する平板1と波形板2の尾根部2a
との間がろう付けされると共にハニカム構造体外周面3
aと外筒内周面4a間がろう付けされる。なお図5にお
いて参照符号16はろう付けされた部分を示している。
一方、ハニカム構造体外周面3aから深さ5mm以上内側
に位置するハニカム構造体3領域内に付着しているろう
材は溶融せず、従ってこの領域内の平板1と波形板2間
はろう付けされない。斯くして、ハニカム構造体外周面
3aから予め定められた一定深さH1 内に位置する平板
1と波形板尾根部2a間と、ハニカム構造体外周面3a
と外筒内周面4a間とだけをろう付けすることができ
る。従って、ろう材の付着領域10を正確に管理しなく
てもろう付けされる深さH1 、即ちろう付けされる領域
18を正確に管理することができる。なお、この誘導加
熱によるろう付け処理はアルゴンガス雰囲気中または窒
素ガス雰囲気中で行われる。
【0015】ところで図8を参照すると、ハニカム構造
体外周面3aからの深さがH1 の近傍の領域における温
度T1 の勾配が、中実の円柱部材を同様にして誘導加熱
した場合の温度勾配に比べて大きくなっている。これ
は、ハニカム構造体3では平板1と波形板2間に空気層
が介在するためにハニカム構造体3の半径方向に向けて
熱が伝播しにくいためであると考えられる。このように
ハニカム構造体外周面3aからの深さに対する温度T1
の勾配が大きいので、ろう材の融点Tm 以上に誘導加熱
されるハニカム構造体3領域の深さH1 、即ちろう付け
される領域18の大きさをより精度良く管理することが
できる。
【0016】次いで図6に示されるようにハニカム構造
体外周面3aから一定深さH1 以上内側に位置するハニ
カム構造体3領域内、即ちろう付けされなかったハニカ
ム構造体3領域内に付着している余分なろう材20をエ
アブロー22等によって除去する。斯くして図7に示さ
れる触媒コンバータ用担体24が得られる。ところで、
このようにして製造された触媒コンバータ用担体24を
具備する触媒コンバータが内燃機関の排気通路内に配置
されると、機関運転中には触媒コンバータ内に流入する
高温の排気ガスがもつ熱エネルギと、排気ガスと触媒と
が反応した反応熱とにより触媒コンバータの担体24が
加熱され、担体24の軸線Z近傍領域の温度は例えば9
00℃程度になる。一方、担体24の外周部は一般的に
大気によって冷やされているので担体24の外周部領域
の温度は例えば500℃程度になる。このように担体2
4の軸線近傍領域と外周部領域間には大きな温度差が生
じ、その結果担体24の内部に熱応力が発生する。
【0017】ここで仮に担体24の全領域に亘って平板
1と波形板の尾根部2aとの間がろう付けされている場
合を考える。この場合にはより高温を呈する担体24の
軸線近傍領域が外周部領域に比べてより大きく熱膨張し
ようとするが、担体24の全領域に亘ってろう付けがな
されていると軸線近傍領域の平板1および波形板2の伸
びがこれらのろう付け部分によって過度に拘束され、そ
の結果軸線近傍領域の平板1および波形板2が塑性変形
してハニカム構造体3の軸線近傍領域に目詰まりが生じ
てしまう。次いで機関が停止すると担体24の温度が下
がり、担体24は全体的に収縮する。このときハニカム
構造体3の外周部領域は、上述のように塑性変形してそ
の軸線方向長さが短くなったハニカム構造体3の軸線近
傍領域に引き込まれる形になり、その結果外周部領域内
に位置する平板1および波形板2が座屈してハニカム構
造体3の外周部領域に目詰まりが生じてしまう。またこ
のように過度の熱応力が繰り返し加えられると、平板1
と波形板の尾根部2aとの間のろう付け部分が剥がれて
しまう場合もある。
【0018】一方、ハニカム構造体3のろう付け領域が
小さすぎる場合にはハニカム構造体3全体に対する十分
なろう付け強度が確保されず、その結果ハニカム構造体
3を形成する平板1および波形板2が機関振動によって
ずれ落ちてしまうという問題が生ずる。このようにろう
付け領域が大きすぎるとハニカム構造体3の目詰まりが
生じ、一方ろう付け領域が小さすぎるとハニカム構造体
3を形成する平板1および波形板2のずれ落ちが生じ、
従っていずれの場合にも触媒コンバータの良好な耐久性
を確保することができない。従って触媒コンバータの良
好な耐久性を確保するためにはハニカム構造体3の適切
な領域を過不足なくろう付けすることが必要であり、こ
のろう付けされる適切な領域としての許容範囲が狭いの
でろう付けされる領域を正確に管理する必要がある。
【0019】図1から図8に示す実施例によれば、図3
および図1においてろう材付着領域10で示されるよう
にろう付けすべきハニカム構造体3の領域以外の領域ま
でろう材が付着していても、上述のようにハニカム構造
体外周面3aと外筒内周面4a間のろう付けと、ハニカ
ム構造体外周面3aから予め定められた一定深さH1
に位置する平板1と波形板尾根部2a間のろう付けとの
みが行われる。更に、この一定深さH1 は誘導加熱用コ
イル12に流す高周波電流の周波数f1 、電流値Ip1
および誘導加熱時間t1 等を制御することにより任意の
深さに変化させることができる。従ってハニカム構造体
外周面3aから最適な一定深さH1 に亘る最適なろう付
け領域18を得ることができる。斯くして、この触媒コ
ンバータ用担体24が機関排気通路内に配置されたとき
にハニカム構造体3の目詰まりが防止されると共に平板
1および波形板2のずれ落ちが防止され、斯くして触媒
コンバータの良好な耐久性が確保される。
【0020】なお、上述の実施例では図6に示されるよ
うにハニカム構造体3に付着している余分なろう材20
をエアブロー22等によって除去するようにしている。
しかしながら触媒コンバータ内に流入する排気ガスの温
度は最高900℃程度であるので、ハニカム構造体3内
に余分なろう材20が残留していてもこの余分なろう材
20が排気ガスによって溶融せしめられることはなく、
従って余分なろう付けがなされる恐れはない。従って、
余分なろう材20が残留していても触媒コンバータの耐
久性に悪影響を及ぼすことはないので、図6に示される
製造工程は省略してもよい。
【0021】また、図1および図4に示す実施例では外
筒4およびハニカム構造体3を誘導加熱用コイル12内
で軸線Zに沿う方向に一体的に上下動させている。この
代わりに、外筒4およびハニカム構造体3を固定してお
き、誘導加熱用コイル12を軸線Zに沿う方向に上下動
させるようにしてもよい。更に誘導加熱用コイル12と
して、ハニカム構造体3の軸線Z方向の全長に亘って延
びるソレノイド状コイルを用いることもできる。この場
合には外筒4およびハニカム構造体3と、誘導加熱用コ
イル12とを相対的に上下運動させる必要はない。
【0022】次に、図9から図14を参照して触媒コン
バータ用担体の製造方法の別の実施例について説明す
る。図9から図14に示す実施例は、ハニカム構造体端
面3bから予め定められた一定深さH2 内に位置する平
板1と波形板の尾根部2aとの間をろう付けすると共
に、一定深さH2 内に位置するハニカム構造体外周面3
aと外筒内周面4aとの間をろう付けするようにした実
施例である。なお、図9から図13においてハニカム構
造体3を構成する平板1および波形板2の図示は省略さ
れている。
【0023】図9から図14に示す実施例においても図
1から図8に示す実施例の場合と同様に、まず初めに図
2に示されるように平板1と波形板2とを交互に積層さ
せつつ渦巻状に巻いてハニカム構造体3を形成し、次い
でこのハニカム構造体3を円筒状の外筒4内に挿入す
る。次いで図9に示されるようにシャーシ30内に入れ
られたろう材とバインダ材との混合液8内にハニカム構
造体3および外筒4の端部を浸す。シャーシ30内の混
合液8の液面高さH3 はろう付けすべきハニカム構造体
3の端部領域の深さH2 (図10参照)とほぼ等しくな
っている。図9に示されるように、混合液8内にハニカ
ム構造体3および外筒4の端部を浸すと、混合液8はシ
ャーシ30内の混合液8の液面32よりも上方に位置す
るハニカム構造体3領域まで浸透する。このようにろう
付けすべきハニカム構造体3の端部領域よりも奥に位置
するハニカム構造体3領域までろう材が付着しても構わ
ず、従ってろう材が付着する領域34を正確に管理する
必要はない。
【0024】次いで図10に示されるようにハニカム構
造体3および外筒4を回転形トレイ36上に載置すると
共に、渦巻状に巻かれた誘導加熱用コイル38をハニカ
ム構造体端面3bおよび外筒端面4bに対向させて配置
する。図10からわかるように誘導加熱用コイル38の
中心軸線Cとトレイ36の回転中心軸線Rとは同軸をな
しており、一方ハニカム構造体3の中心軸線Zはトレイ
36の回転中心軸線Rに対して予め定められた偏心量だ
け偏心している。また誘導加熱用コイル38は、トレイ
36の回転中常にハニカム構造体端面3bおよび外筒端
面4bの全体を覆う径寸法を有している。この誘導加熱
用コイル38に予め定められた周波数f 2 と電流値Ip2
とを有する高周波電流を流すと共にトレイ36を矢印B
で示すように回転中心軸線R回りに回転させることによ
り、ハニカム構造体端面3bから予め定められた一定深
さH2 内に位置する平板1および波形板2と、外筒端面
4bから上述の一定深さH2 とほぼ同じ深さ内に位置す
る外筒4部分とを、ろう材の融点Tm以上の温度に誘導
加熱することができる。このときハニカム構造体3およ
び外筒4が上述のように誘導加熱用コイル38の中心軸
線Cに対して偏心して回転しているので、ハニカム構造
体3の端部領域および外筒4の端部領域は軸線Zに垂直
をなす断面内においてほぼ均一に誘導加熱される。
【0025】図14は周波数f2 が500Hz、プレー
ト電圧Ep2が3kV、プレート電流Ip2が2.5Aの高
周波電流を誘導加熱用コイル38に流すと共にトレイ3
6をその回転中心軸線R回りに回転させつつ約20秒
(誘導加熱時間t2 )間誘導加熱を行ったときの外筒外
周面4cの温度T2 の分布を示している。なお、この温
度T2 は放射温度計によって測定された値である。図1
4を参照すると、ハニカム構造体端面3bから一定深さ
2 内に位置するハニカム構造体3の端部領域と外筒4
の端部領域とがろう材の融点Tm (約1180℃)以上
の温度に誘導加熱されていることがわかる。このろう材
の融点Tm 以上に誘導加熱される端部領域の深さH2
誘導加熱用コイル38に流す高周波電流の周波数f2
電流値Ip2、および誘導加熱時間t2 等を制御すること
により任意の深さに変化させることができる。図14に
示す実施例ではこの一定深さH2 が20mmになるように
2,Ip2, t2 等が上述の各値に設定されている。斯く
してハニカム構造体端面3bから深さ20mm内に位置す
るハニカム構造体3の端部領域40(図10においてク
ロスハッチングが施されている領域)内に付着していた
ろう材が溶融せしめられ、その結果この端部領域40内
に位置する平板1と波形板2の尾根部2aとの間がろう
付けされると共に、この端部領域40内に位置するハニ
カム構造体外周面3aと外筒内周面4aとの間がろう付
けされる。一方、ハニカム構造体端面3bから深さ20
mm以上奥に位置するハニカム構造体3領域内に付着して
いるろう材は溶融せず、従ってこの領域内に位置する平
板1と波形板2間およびハニカム構造体外周面3aと外
筒内周面4a間はろう付けされない。斯くして、ろう材
の付着領域34を正確に管理しなくてもろう付けされる
深さH2 、即ちろう付けされる領域40を正確に管理す
ることができる。
【0026】次いで図11に示されるようにハニカム構
造体3のもう一方の端部領域40内のろう付けを、図9
および図10に示す工程で同様にして実施する。次いで
図12に示されるようにハニカム構造体の両端面3bか
ら一定深さH2 以上奥に位置するハニカム構造体3領域
内に付着している余分なろう材42をエアブロー22等
によって除去する。斯くして図13に示される触媒コン
バータ用担体44が得られる。この触媒コンバータ用担
体44では上述のようにハニカム構造体端面3bから予
め定められた最適な一定深さH2 内に位置する両端部領
域40内だけがろう付けされるので、この触媒コンバー
タ用担体44が機関排気通路内に配置されたときにハニ
カム構造体3の目詰まりが防止されると共に平板1およ
び波形板2のずれ落ちが防止され、斯くして触媒コンバ
ータの良好な耐久性が確保される。
【0027】なお、この実施例においても図1から図8
に示す実施例の場合と同様に、ハニカム構造体3に余分
なろう材42が付着したまま残っていてもこの余分なろ
う材42が排気ガスによって溶融される恐れはないの
で、図12に示される余分なろう材42の除去工程を省
略してもよい。また、図1から図8に示す実施例と図9
から図14に示す実施例とを組合せて、ハニカム構造体
3の外周部領域18内のろう付けと両端部領域40内の
ろう付けとがなされた触媒コンバータ用担体を製造する
こともできる。
【0028】また、上述の各実施例では平板1と波形板
2とを交互に積層させつつ渦巻状に巻いてハニカム構造
体3を形成しているが、平板1と波形板2とを交互に積
層させつつ同軸円筒状に巻いてハニカム構造体を形成す
る場合にも本発明を同様に適用することができる。ま
た、図3および図9に示されるように平板1と波形板2
とによりハニカム構造体3を形成した後にハニカム構造
体3にろう材を付着させる代わりに、平板1と波形板2
間に箔状のろう材を挟みつつ平板1と波形板2とを巻い
てハニカム構造体3を形成するようにした場合にも本発
明を同様に適用することができる。なおこの場合には誘
導加熱用コイル12または38を用いてろう付けを行う
際に、平板1、波形板2、外筒4の他に箔状のろう材に
も渦電流が流れやすくなり、従ってろう材自体が誘導加
熱されることによるろう材の加熱作用が増大する。
【0029】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によればハニカム
構造体外周面から予め定められた最適な一定深さ内に位
置する平板と波形板の尾根部間のみをろう付けすること
ができる。斯くして、使用時にハニカム構造体の目詰ま
りや平板および波形板のずれ落ちが発生しない触媒コン
バータ用担体を製造することができる。
【0030】請求項2に記載の発明によればハニカム構
造体端面から予め定められた最適な一定深さ内に位置す
る平板と波形板の尾根部間のみをろう付けすることがで
きる。斯くして、使用時にハニカム構造体の目詰まりや
平板および波形板のずれ落ちが発生しない触媒コンバー
タ用担体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒コンバータ用担体の製造方法において、誘
導加熱用コイルによってハニカム構造体の外周部領域内
のろう付けを行う製造工程を示す図である。
【図2】平板と波形板とにより形成されたハニカム構造
体を外筒内に挿入した製造段階を示す概略図である。
【図3】ハニカム構造体の外周部領域内にろう材とバイ
ンダ材との混合液を流し込む製造工程を示す図である。
【図4】外筒の外周面周りに配置された誘導加熱用コイ
ルを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図で
ある。
【図5】ろう付けされた状態を示すハニカム構造体外周
部領域の拡大図である。
【図6】ハニカム構造体に付着した余分なろう材を除去
する製造工程を示す図である。
【図7】完成した触媒コンバータ用担体を示す側面断面
図である。
【図8】誘導加熱時におけるハニカム構造体端面および
外筒端面の温度分布を示す線図である。
【図9】触媒コンバータ用担体の製造方法の別の実施例
において、ハニカム構造体の端部領域にろう材を付着さ
せる製造工程を示す図である。
【図10】誘導加熱用コイルによってハニカム構造体の
端部領域内のろう付けを行う製造工程を示す図である。
【図11】ハニカム構造体の両端部領域がろう付けされ
た製造段階を示す図である。
【図12】ハニカム構造体に付着した余分なろう材を除
去する製造工程を示す図である。
【図13】完成した触媒コンバータ用担体を示す側面断
面図である。
【図14】誘導加熱時における外筒外周面の温度分布を
示す線図である。
【符号の説明】
1…平板 2…波形板 2a…波形板の尾根部 3…ハニカム構造体 3a…ハニカム構造体外周面 3b…ハニカム構造体端面 4…外筒 12…誘導加熱用コイル 24…触媒コンバータ用担体 38…誘導加熱用コイル 44…触媒コンバータ用担体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B23K 1/00 330 F01N 3/28 301U F01N 3/28 301 B01D 53/36 C (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86 - 53/88 B21D 47/00 B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製平板と金属製波形板とを交互に積
    層させつつ渦巻状または同軸円筒状に巻いてハニカム構
    造体を形成し、次いで該ハニカム構造体を構成する該平
    板と該波形板とをろう付けするようにした触媒コンバー
    タ用担体の製造方法において、該平板と該波形板とによ
    りハニカム構造体を形成する際またはハニカム構造体を
    形成した後に平板と波形板間にろう材を供給し、該ハニ
    カム構造体の外周面周りに配置された誘導加熱装置によ
    ってハニカム構造体外周面から予め定められた一定深さ
    内に位置する平板と波形板の尾根部とを誘導加熱するよ
    うにした触媒コンバータ用担体の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属製平板と金属製波形板とを交互に積
    層させつつ渦巻状または同軸円筒状に巻いてハニカム構
    造体を形成し、次いで該ハニカム構造体を構成する該平
    板と該波形板とをろう付けするようにした触媒コンバー
    タ用担体の製造方法において、該平板と該波形板とによ
    りハニカム構造体を形成する際またはハニカム構造体を
    形成した後に平板と波形板間にろう材を供給し、該ハニ
    カム構造体の端面に対向して配置された誘導加熱装置に
    よってハニカム構造体端面から予め定められた一定深さ
    内に位置する平板と波形板の尾根部とを誘導加熱するよ
    うにした触媒コンバータ用担体の製造方法。
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