JP2920471B2 - 新規な食品の製造方法 - Google Patents
新規な食品の製造方法Info
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Description
製造方法に関する。
菓子の一種であり、その歴史はかなり古く、マヤ族、ア
ステカ族がメキシコに生育していたサボテイラ(アカテ
ツ科)の樹液を凝固させた物(チクル樹脂)を噛む習慣
が発見された後、1960年にリグレー社から甘味料、
香料を加えたチューインガム(チクルガム)が上市さ
れ、今日に至っている。
クルの不足や高騰により、チクル樹脂の主成分(ポリイ
ソプレン、トリテルペントスチロール)に近い化学合成
高分子物質である酢酸ビニル樹脂やアセチルリシノール
酸メチル、フタル酸ジブチル、ブチルフタリルブチルグ
リコレート、ポリイソブチレン、ポリブテン等が代用品
として使用されるようになった。これら高分子物質は、
ガムベース中の半分以上をも占めており、可食性とする
には問題がある。
物不足のおり、小麦を噛んで小麦中のグルテンを出し、
ガムの代用としたというような話があるが、チューイン
ガムとはほど遠い物であり、可食性ではあるが、噛んで
いるとすぐ柔らかくなり、歯にも付着しやすいなどの問
題があった。
ガムの特許も多く出ている。例えば、特公昭49−37
270号公報に記載されたガムベース製造にあるよう
に、小麦グルテンに軽度の熱変性を与えることにより、
ガム類似品を作る方法があるが、この方法により得られ
るチューインガムは、咀嚼当初の弾性は従来のガムに類
似するが、ガム特有の伸展性がなく、咀嚼による再集合
が時間と共に悪くなり、数分間で「ぼそぼそ」になって
しまうなどの問題がある。
分子物質を主剤として造られているため、咀嚼後の放棄
による環境汚染の問題がある。
高分子物質を使用することなく、チューインガムのもつ
噛み心地を楽しめる弾性と伸展性のある可食性チューイ
ンガムの製造方法を提供することを目的とする。
を構成している球状蛋白質であり、粘性物質であるグリ
アジン(定義:70%エタノール可溶性物質)と、ひも
状の蛋白質で弾性物質であるグルテニンを分離し、グリ
アジンを主成分とする分画物を完全に熱変性することな
く半変性することにより、粘性主体の性質から伸展性と
弾性を持つ物質に変換できることを見いだし完成するに
至った。
ルテンを使用した場合には、咀嚼当初は弾性のあるガム
状物であるが、短時間で「ぼそぼそ」になってしまい、
ガムとはほど遠いものになってしまう。また、小麦グル
テンをそのまま熱処理を行うと、高温では硬いゴム状の
物になりガムとはならない。また、低温で熱変性度を調
整してもグルテンの組成を変えない限り、伸展性と硬さ
が反比例してしまい、ガム様の弾性を出そうとすると伸
展性が犠牲となってしまう。
を構成しているグリアジンの比率(通常、活性グルテン
粉末には約33%のグリアジンが含まれている)を高
め、グリアジン主体の分画物を使用することで、熱処理
による硬化を著しく抑制すると共に伸展性を損なうこと
のない弾性物を作ることができることを見いだしたもの
である。
画されたグリアジン主成分分画物を含水状態で、かつそ
のpHが4〜11の範囲で加熱処理を施した物をガムベ
ースとして用いることを特徴とするチューインガムの製
造方法である。
を30〜70容量%のエタノール水溶液、または30容
量%以下の酸性エタノール水溶液で抽出分離を行った上
澄み液から加水法、乾燥法、pH調製法などの方法で分
離分画することができる。
%のエタノール水溶液、10〜20容量%イソプロピル
アルコ−ル、n−プロパノール水溶液、または20〜5
0容量%アセトン水溶液などで高濃度(80%以上)の
グリアジンを抽出する方法を挙げることができる。ま
た、酸性(pH3.5〜5.5)の5〜20容量%のエ
タノール水溶液で中濃度(50%以上)のグリアジンを
抽出する方法があるが、これらの抽出方法には限定され
るものでない。分画中のグリアジン濃度は、溶媒比や上
記条件の変化で調製することができ、グリアジン主成分
分画物中に乾量基準として50重量%以上のグリアジン
が含まれていればよい。
乾燥品でもよく、乾燥品は熱変性させる際に湿潤状態と
すればよい。湿潤状態とは、加水法、pH調製法では水
分が10%以上であり、乾燥法で分画された未熱処理物
は、その後のチューインガムの製造方法によっても異な
るが、15%以上の水分を含む湿潤または含水状態で加
熱処理されることが望ましい。
は湿潤状態で行うが、抽出分離を行った上澄液の状態で
行ってもよい。加熱処理条件としては、湿潤グリアジン
主成分分画物のpHが4〜11の範囲であれば、その他
の条件については多くの異なる条件を設定することがで
き、その条件には限定されるものではないが、好ましく
は、例えば、pH5〜8の範囲では、55〜100℃で
1〜120分間の加熱処理条件である。また、加熱方法
には、蒸気、加熱空気などによる直接加熱方法や間接加
熱方法などがあるが、どの方法においても目的は達成で
きるので、その方法には限定されるものではない。さら
に、これらの加熱方法を組み合わせることも可能であ
る。
湿潤状態、pHおよび加熱温度によって決定される。す
なわち、被加熱物質が加熱処理によって伸展性、弾性を
失うことのない条件であり、例えば、水分40〜80重
量%、pH6.5〜7.0で65℃、120分間;70
℃、30分間、または80℃、15分間などの加熱条件
を挙げることができる。グリアジン主成分分画物の加熱
条件としては、なかでも70℃、30分間が好ましい。
チューインガムに必要な他の原材料を混合した後でもよ
く、加熱時期に限定されるものではない。
スよりチューインガムを製造する方法には限定されるも
のではないが、好ましくは、該ガムベースを乾燥などの
手段で脱水し、水分を50%以下にしたものに甘味料、
香料、色素などを混合混捏後、ロールで板状に成形した
物を適当な大きさに切断することにより、チューインガ
ムを得ることができる。また、必要に応じ、成形物を再
乾燥したり、粉をふるなどを行うことでガムの硬さを変
えたり、ガムとガムの付着を防止したりすることができ
る。
分画物を穏和な加熱処理により、その物性を伸展性と弾
性のあるチューインガム様の物性に変化させることがで
きることを利用したものである。
説明する。実施例中、%は断らないかぎり重量基準であ
る。
のエタノール水溶液8リットルに溶解分散し、室温で2
時間、プロペラ攪拌で抽出を行い、抽出液を遠心分離機
を用いて分離を行い、上澄液を得た。分離した上澄液を
1/5に濃縮した後、10リットルの水を加え、約80
0gの湿グリアジン主成分分画物を得た。得られた分画
物をビニール袋に入れ、70℃で30分間の加熱を行っ
た後、水分が30%になるまで乾燥したもの100gに
砂糖100gと香料少量を加え、十分に混捏したものを
ロールで厚さ1.5mmの板に成形した。この板を幅2
cm、長さ7cmに切断し、表面に澱粉をまぶし、5℃
の冷蔵庫に24時間保存し、硬化を行い、チューインガ
ム様物を得た。
状態にし、65℃で30分間、熱処理を行ったのち、凍
結乾燥を行い、乾燥変性グルテンを得た(特公昭49−
37270号公報)。得られた乾燥変性グルテン100
gと粉糖100gに含水グリセリン(水分33.3%)
40gと少量の香料を入れ、混捏、成形を行い、実施例
1と同様の操作によりチューインガム様物を得た(比較
例1)。
価を行ったところ、比較例1のガム様物は1分間程度で
脆くなったのに対し、実施例1のものは10分間咀嚼し
ても、伸展性、弾性のある優れた食感を保っていた。
%エタノール水溶液10リットルに1.5gのクエン酸
を溶解した酸性エタノール水溶液を用いて、実施例1と
同様にして抽出分離を行い、得られた上澄液を固形物濃
度が10〜20%になるまで真空濃縮機で濃縮した後、
噴霧乾燥機を用いてグリアジン主成分分画物粉末350
gを得た。
ナトリウム水溶液150gを加え、pH6.8の湿グリ
アジン主成分分画物を得た。この物を容器に入れ、湯煎
で65℃、60分間の熱処理を行った後、実施例1と同
様に脱水を行い、実施例1と同比率で砂糖、香料を加
え、水分35%の板状物を得た。この板を50℃の熱風
を用いて、20分間乾燥し、水分約20%としたものを
実施例1と同様に切断し、硬化させ、チューインガム様
物を得た。このものを実施例1と同様に評価した結果、
咀嚼12分間を経過してもチューインガムと同等の伸展
性および弾性のある食感を維持していた。
65℃で30分間の熱処理を行い、その溶液をホモミキ
サーで分散させながら、噴霧乾燥を行い、熱変性性分画
を得た。この分画物100gと粉糖100gに、比較例
1と同様に含水グリセリン40gと少量の香料を加えて
比較例1と同様にしてチューインガム様物の試作を行っ
た(実施例3)。
ンガム様物を得た(比較例2)。
同様に評価した結果、実施例3のものは実施例1のもの
と同様に、長時間咀嚼しも、比較例2のもののようには
ぼそつくことはなく、伸展性と弾性を維持している優れ
たものであった。
0.6%炭酸ナトリウム水溶液100gを加え、よく混
捏した後、100gの砂糖と少量の香料とグリセリン2
5gを追加添加し、さらに混捏を行ったものを板状に成
形した。この板状物を蒸気で5分間熱処理を行い、表面
の水分を乾燥させた後切断し、実施例1と同様にチュー
インガム様物を試作した。このものを実施例1と同様に
評価した結果、実施例1と同様に優れたものであった。
する分画物をチューインガムのガムベースとして使用す
ることにより、従来のチューインガムと同等の食感をも
ち、伸展性および弾性のある可食性チューインガムを得
ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 小麦グルテンより分画されたグリアジン
主成分分画物を含水状態で、かつそのpHが4〜11の
範囲で加熱処理を施した物をガムベースとして用いるこ
とを特徴とするチューインガムの製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6144047A JP2920471B2 (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 新規な食品の製造方法 |
EP94308929A EP0685164A1 (en) | 1994-06-03 | 1994-12-01 | Food quality improver |
EP97201998A EP0824870A3 (en) | 1994-06-03 | 1994-12-01 | Wheat gluten fractions |
US08/627,544 US5858423A (en) | 1994-06-03 | 1996-04-04 | Chewing gum composition containing gliadin and transglutaminase |
US08/819,113 US6106881A (en) | 1994-06-03 | 1997-03-17 | Process for preparing dough or batter product containing gliadin or glutenin extracted from wheat gluten |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6144047A JP2920471B2 (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 新規な食品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07327607A JPH07327607A (ja) | 1995-12-19 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
US20090169682A1 (en) * | 2005-10-14 | 2009-07-02 | Meiji Pharmaceutical Co., Ltd. | Functional Masticatory Material, Method Of Producing The Same And Method Of Using The Same |
EP1945041B1 (en) * | 2005-11-07 | 2011-01-05 | SYRAL Belgium NV | Chewy sweet and method for preparing such a chewy sweet |
-
1994
- 1994-06-03 JP JP6144047A patent/JP2920471B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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