JP2919659B2 - 絶縁ゲート形電界効果トランジスタの製造方法 - Google Patents

絶縁ゲート形電界効果トランジスタの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絶縁ゲート形電界効果ト
ランジスタに係り、特に低耐圧のパワーMOSFET、
絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ(IGBT)等に
好適な縦型の絶縁ゲート形電界効果トランジスタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図12は、従来の縦型の絶縁ゲート形電
界効果トランジスタ(以下、縦型MOSFETという)
の断面図である。符号1はN-型の半導体基板であり、
縦型のMOSFETのドレイン領域を構成する。符号2
はP型の縦型MOSFETのチャネル領域である。符号
6はP+型のボディ領域であり、チャネル領域2の抵抗
を下げること等により、寄生トランジスタ効果を防止
し、アバランシェ、ラッチアップ耐量を上げるためのも
のである。符号3は、N+ 型の拡散層であり、縦型MO
SFETのソース領域を形成する。符号4は、薄い酸化
膜からなるゲート絶縁膜であり、符号5は、多結晶シリ
コン膜からなるゲート電極であり、このゲート電極5に
電圧が印加されることによって、ソース領域3とドレイ
ン領域1とがゲート絶縁膜4を介して導通が制御され
る。符号8は、リンガラス等の酸化膜からなる層間絶縁
膜であり、符号9はアルミ等の金属電極であり、縦型M
OSFETのソース電極を構成する。このような縦型M
OSFETの構造は、高速、大電流を取り扱うパワーM
OSFET、絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ(I
GBT)等に好適である。
【0003】従来、係る構造の縦型MOSFETは以下
に述べる製造工程により製造されていた。先ずN-型の
シリコン半導体基板1にP+型の深い拡散層であるボデ
ィ領域6を形成する。次に、半導体基板1表面の多数の
セルを形成すべき領域をホトエッチで開口後、表面をゲ
ート酸化し、ゲート絶縁膜4をセル領域全面に被着す
る。次にそのゲート絶縁膜4上に、全面に多結晶シリコ
ン膜を被着する。そしてリン等の不純物をその多結晶シ
リコン膜にドープし、ゲートホトエッチにより、ゲート
電極5を形成する。
【0004】次に、多結晶シリコン膜であるゲート電極
5をマスクとして、自己整合(セルフアライン)により
ボロン等のP型不純物をイオン注入する。そして熱処理
によりボロン等の不純物を半導体基板1に拡散すること
により、P型のチャネル領域2を形成する。そして、ホ
トレジストを全面に塗布し、ホトレジストのソース領域
となる部分を開口し、ホトレジスト及びゲート電極5を
マスクとしてリンをイオン注入する。そして後述の熱処
理により、リンの高濃度拡散層であるN+ 型のソース領
域3が形成される。このようにゲート電極5の直下にお
いては、P型のチャネル領域2と、N+型のソース領域
3とは二重に、ゲート電極をマスクとした自己整合によ
って形成される。
【0005】次に層間絶縁膜8となるリンドープの酸化
膜をCVD等により半導体基板1の全面に被着する。そ
して熱処理を行った後、ホトレジストを全面に塗布し、
コンタクトのマスクを用いてコンタクトの開口をホトエ
ッチにより形成する。コンタクトの開口後、ホトレジス
トを除去して、アルミ膜を半導体基板の全面に被着す
る。そしてホトレジストを塗布して、金属電極のマスク
のホトエッチにより金属電極9を形成する。以上の一連
の工程により、図12に示す縦型MOSFETが完成す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来の製造方法では、P+ 型の深い拡散領域であるボデ
ィ領域6の形成と、P型の拡散領域であるチャネル領域
2の形成とを、2回の熱処理に分けて行っていた。この
ため、ボディ領域6の拡散層の深さのばらつきが大きい
という問題があった。特に、30〜100Vの低耐圧、
大電流の縦型MOSFETにおいては、ボディ領域6の
底から、N+ 層7迄の距離が数μmと短く、これを精度
良くコントロールしなければならない。即ち、ボディ領
域6が深く入り過ぎると、耐圧が低下し、ボディ領域6
が浅過ぎると、電流容量が低下してしまう。しかしなが
ら、ボディ領域6を拡散により形成した後で、チャネル
領域2の拡散等の熱処理を行うと、後の熱処理により、
ボディ領域6が深く入り過ぎてしまう。このように、ば
らつき幅が大きいとN+ 層7迄の距離のコントロールに
よる耐圧の制御が困難となる。
【0007】更に、ソース領域及びコンタクトの開口
を、ホトリソグラフィ、マスク合わせ、及び、ホトエッ
チにより行っていた。このためソース及びコンタクトパ
ターンのマスク合わせずれが製品の加工精度に直接影響
を及ぼし、製品の加工精度向上、製品の歩留り向上のた
めの問題点となっていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】係る従来の製造方法の課
題を解決するため、本発明は、縦型MOSFETの製造
方法を、ゲート絶縁膜と、多結晶シリコン膜と、酸化膜
とを半導体基板上に形成する工程と、ホトレジスト膜を
塗布し開口する工程と、開口されたホトレジスト膜をマ
スクとして、酸化膜と多結晶シリコン膜をオーバエッチ
により、ゲート電極を形成する工程と、ホトレジスト膜
の開口をマスクとして、一導電型の不純物をイオン注入
する工程と、ホトレジスト膜を除去後、ゲート電極をマ
クスとして、同一導電型の不純物をイオン注入する工程
と、熱処理により、一導電型の不純物を拡散することに
より、ボディ領域及びチャネル領域を同時に形成する工
程と、ゲート電極をマクスとして、反対導電型の不純物
をイオン注入する工程と、リンガラス膜を半導体基板に
被着し熱処理する工程と、リンガラス膜及び半導体基板
を一導電型の拡散領域を露出させる迄全面エッチングに
より除去することにより、コンタクト開口を形成する工
程とから構成したものである。
【0009】
【作用】本発明においては、P+ 型の深い拡散領域であ
るボディ領域の形成と、P型の拡散領域であるチャネル
領域の形成とを、1回の熱処理により、同時に拡散する
ことにより行っている。このため、ボディ領域の拡散深
さが精度良くコントロールできる。それ故、特に低耐圧
タイプの縦型MOSFETにおいて、耐圧と電流容量を
バランス良くコントロールすることが可能となり、且
つ、工程が短縮される。更に、ソース領域およびコンタ
クトの開口を、ホトリソグラフィを用いることなく、セ
ルフアラインにより形成している。従って、従来のホト
レジスト塗布、マスク合わせ、という工程がなくなり、
マスク合わせの必要がなくなったことからマスク合わせ
ずれの問題がなくなり、歩留りが向上し、工程が短縮さ
れる。又、リンガラス膜を熱処理によりリフローし、全
面エッチングによりそのリンガラス膜を除去しているた
め、ゲート電極の側面において層間絶縁膜がなだらかに
形成され、ステップカバレージが大幅に改善される。以
上により、特に低耐圧タイプの縦型MOSFETにおい
て、加工精度が向上し、工程が短縮され、製品の歩留り
が向上する。
【0010】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の縦型MOSFE
Tの製造工程における完成段階の断面図である。ドレイ
ン領域となるN-型の半導体基板1に、p型のチャネル
領域2及びP+型のボディ領域6は、不純物のイオン注
入は2回に分けて行われるが、1回の熱処理で同時に拡
散形成されている。ソース領域3はゲート電極10をマ
スクとしてセルフアラインで形成され、ソース領域3お
よびチャネル領域2への金属電極9のコンタクト開口
も、同様にマスクを使用せず、全面エッチングでなされ
ている。
【0011】以下にこの縦型MOSFETの製造方法に
ついて、図2から図11の製造工程の断面図によって説
明する。図2は、N-型のシリコン半導体基板1上に、
ゲート絶縁膜4と、多結晶シリコン膜11と、酸化膜1
2を被着形成した断面図である。半導体基板1は、N+
型層7の上にエピタキシャル成長等によりN- 型層が形
成されており、この半導体基板1は縦型MOSFETの
ドレイン領域となり、ドレイン電極は図示しないN+
層7の半導体基板下部より取り出される。又、絶縁ゲー
ト形バイポーラトランジスタ(IGBT)においては、
+型層7の下に、P+型層が形成されている。この半導
体基板1のセル領域全面をホトエッチで開口後、まず、
ゲート酸化により、数百オングストローム程度のゲート
絶縁膜4を形成する。次に多結晶シリコン膜11を全面
にCVDにより、0.5 μm程度成長させ、N型にドー
プする。そして、その上に酸化膜12をCVD等により
同様に 0.5μm程度成長させる。
【0012】図3は、ホトレジスト膜を塗布し開口した
工程の断面図である。まず、ホトレジスト膜を、1〜2
μm厚で全面に塗布し形成する。そして、ボディ領域6
のパターンを用いて、ホトリソグラフィにより、ホトレ
ジスト膜13を開口する。
【0013】図4は、開口されたホトレジスト膜13を
マスクとして、酸化膜12と多結晶シリコン膜11をエ
ッチングして、ゲート電極10を形成した工程の断面図
である。この際、等方性エッチングで、オーバエッチに
より、酸化膜12をホトレジスト膜13の開口よりも、
内側に、ホトレジスト膜13をひさし状に残すようにエ
ッチングする。次にオーバエッチされた酸化膜をマスク
として、多結晶シリコン膜11をエッチングすることに
より、ホトレジスト膜13の開口に対して、ひさし状の
内側に多結晶シリコン膜11からなるゲート電極10が
形成される。
【0014】図5は、ホトレジスト膜13の開口をマス
クとして、一導電型の不純物をイオン注入した工程の断
面図である。ホトレジスト膜13の開口をマスクとし
て、P型不純物であるボロンをドーズ量5×1015/cm
2 程度、半導体基板1にイオン注入する。このP型不純
物15は、後の熱処理により、P+型のボディ領域6と
なる。図6は、ホトレジスト膜13を除去した工程の断
面図である。P型不純物のイオン注入後、ホトレジスト
膜13を除去する。ゲート電極10及び酸化膜12が表
面に現れる。
【0015】図7は、ゲート電極10及び酸化膜12を
マスクとして、同一導電型の不純物をイオン注入した工
程の断面図である。ゲート電極パターンの酸化膜12、
多結晶シリコン膜11をマスクとして、セルフアライン
によりP型不純物16(ボロン)を、チャネル領域とな
る部分に、ドーズ量5×1013/cm2 程度イオン注入す
る。
【0016】図8は、熱処理により、P型の不純物拡散
領域を形成した工程の断面図である。1100℃程度の
熱処理により、一導電型の不純物であるポロンを拡散さ
せ、P型のチャネル領域2及びボディ領域6を同時に形
成する。この時、熱処理前のP型不純物の濃度が、ボデ
ィ領域6の方が、チャネル領域よりも高いため、ボディ
領域6の方が、チャネル領域2よりも深く拡散される。
【0017】図9は、ゲート電極10をマスクとして、
反対導電型不純物をイオン注入した工程の断面図であ
る。ゲート電極10である多結晶シリコン膜11及び酸
化膜12をマクスとして、セルフアラインにより、リン
をドーズ量5×1015/cm2 程度イオン注入する。即
ち、注入されたN型不純物17(リン)は、その後の熱
処理により、ソース領域3を、チャネル領域2と同じマ
スクにより、チャネル領域2内の全面に、セルフアライ
ンにより形成する。
【0018】図10は、リンガラス膜13を全面に被着
し、熱処理する工程の断面図である。リンガラス膜13
を半導体基板1の全面に被着し、熱処理によりリフロー
する。このリンガラス膜13は、CVD等により、1μ
m厚程度である。熱処理は、900℃〜1000℃の温
度で行われ、高温度の熱処理により、リンガラス膜を流
動化(リフロー)する処理であり、これにより急峻な酸
化膜12と多結晶シリコン膜11からなるゲート電極1
0の端部にリンガラス膜13が埋め込まれる。同時に、
前述のイオン注入されたリンが、チャネル領域2内に拡
散され、ソース領域3がチャネル領域2内に形成され
る。
【0019】図11は、リンガラス膜13及び半導体基
板を全面エッチングした工程の断面図である。このリン
ガラス膜13を全面に、異方性ドライエッチングする。
エッチングは、まずリンガラス膜13を越えて、半導体
基板1の表面、即ち、シリコン表面の地がでるところ迄
進められる。このエッチングにより、ソース領域3の半
導体基板1の表面、即ち、シリコンの地が露出される。
リフローされたリンガラス膜13を全面エッチングして
いるので、ゲート電極10を構成する多結晶シリコン膜
11の側面においてリンガラス膜13が残り、なだらか
な傾斜をもった層間絶縁膜が形成される。次に、引き続
き、エッチングガスを変更して、半導体基板1の表面、
即ち、シリコンの地をリンガラス膜をマスクに選択的に
異方性エッチングし、半導体基板1を、ソース領域3を
越えて、チャネル領域2を表面に露出させる迄エッチン
グする。これにより、チャネル領域2の表面及びソース
領域3の側面にコンタクト開口が、図11に示すように
形成される。次にアルミ膜を全面にスパッタリング等に
より形成し、全面にホトレジストを塗布し、電極パター
ンによりホトエッチすることによりアルミの金属電極9
を形成する。以上の工程により図1に示す縦型MOSF
ETが完成する。
【0020】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
おいては、P+型の深い拡散領域であるボディ領域の形
成と、P型の拡散領域であるチャネル領域の形成とを、
1回の熱処理により、同時に行っている。このため、P
+型ボディ領域の深さが精度良くコントロールできる。
それ故、特に低耐圧タイプの縦型MOSFETにおい
て、耐圧と電流容量を精度良くコントロールすることが
可能となり、且つ工程が短縮される。更に、ソース領域
およびコンタクトの開口をセルフアラインにより形成し
ている。従って従来のホトレジスト塗布、マスク合わ
せ、というホトリソグラフィの工程がソース領域形成お
よびコンタクトの開口工程から無くなり、マスク合わせ
ずれの問題が無くなり、且つ、工程が短縮される。更
に、リンガラス膜をリフローし、全面エッチングにより
リンガラス膜を除去しているため、ゲート電極の側面に
おいて層間絶縁膜がなだらかに形成され、アルミ電極の
ステップカバレージが大幅に改善された。以上により、
特に、低耐圧タイプの縦型MOSFETの加工精度が向
上し、製品の歩留りが向上し、且つ工程が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の縦型MOSFETの製造工
程の断面図である。
【図2】本発明の一実施例の縦型MOSFETの製造工
程の断面図である。
【図3】本発明の一実施例の縦型MOSFETの製造工
程の断面図である。
【図4】本発明の一実施例の縦型MOSFETの製造工
程の断面図である。
【図5】本発明の一実施例の縦型MOSFETの製造工
程の断面図である。
【図6】本発明の一実施例の縦型MOSFETの製造工
程の断面図である。
【図7】本発明の一実施例の縦型MOSFETの製造工
程の断面図である。
【図8】本発明の一実施例の縦型MOSFETの製造工
程の断面図である。
【図9】本発明の一実施例の縦型MOSFETの製造工
程の断面図である。
【図10】本発明の一実施例の縦型MOSFETの製造
工程の断面図である。
【図11】本発明の一実施例の縦型MOSFETの製造
工程の断面図である。
【図12】従来の縦型MOSFETの断面図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 29/78 H01L 21/336

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲート絶縁膜と、多結晶シリコン膜と、
    酸化膜とを半導体基板上に形成する工程と、ホトレジス
    ト膜を塗布し開口する工程と、該開口されたホトレジス
    ト膜をマスクとして、前記開口よりも内側にアンダーカ
    ットを生じるように前記酸化膜と多結晶シリコン膜をオ
    ーバーエッチしてゲート電極を形成する工程と、前記ホ
    トレジスト膜の開口をマスクとして、一導電型の不純物
    をイオン注入する工程と、前記ホトレジスト膜を除去
    後、前記ゲート電極をマスクとして、同一導電型の不純
    物をイオン注入する工程と、熱処理により、一導電型の
    不純物を拡散することにより、ボディ領域及びチャネル
    領域を同時に形成する工程と、前記ゲート電極をマスク
    として、反対導電型の不純物をイオン注入する工程と、
    リンガラス膜を前記半導体基板に被着し熱処理すると共
    に前記ソース領域を熱拡散する工程と、前記リンガラス
    膜及び前記半導体基板を、前記一導電型の拡散領域を表
    面に露出させる迄全面エッチングにより除去することに
    より、コンタクト開口を形成する工程とからなることを
    特徴とする絶縁ゲート型電界効果トランジスタの製造方
    法。
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