JP2919048B2 - 防振ゴムの製造方法 - Google Patents

防振ゴムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ブッシュ類やブッシュ型エンジンマウン
トにおいて、ブラケット等の金具へ圧入して使用される
外筒を備えた防振ゴムの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来の防振ゴムの面付け加工と絞り加工は、第7図に
示すように、コマ受け100に上下に周上のテーパを有す
る複数の割りコマ101を乗せ、これら割りコマ101で囲ま
れた空間に防振ゴム102をセットし、割りコマ101の上方
から押さえリング103を下降させて割りコマ101を軸直角
方向に移動させて面付け加工と絞り加工を同時に行うも
のが知られている。
〔解決しようとする課題〕 従来の加工方法は、防振ゴム102の軸直角方向から圧
力がかかるため、防振ゴム102の外筒104の外周面に割り
コマ101の割り面部の個所が傷として残る。また、割り
コマ101は、合わせ加工が難しく、修正を繰り返し行わ
ないと要求寸法に合わない場合が多い。また、複数の割
りコマ101を使用するために精度を向上させようとする
高価なものになってしまう。
そこで、この発明は、面付け加工で外筒に傷をつける
ことなく、絞り加工も簡単に行える防振ゴムの製造方法
を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上述の目的を達成するため、この発明は、夫々テーパ
面を備えた凹部を有する上型及び下型の凹部に内周面に
ゴムが加硫接着された外筒を有する防振ゴムをセット
し、防振ゴムの軸方向に上下型のいずれか一方又は両方
を移動して型締めして外筒の上端及び下端を内側に面付
け加工し、この面付け加工時に外筒の下端を上端より深
くなるように加工し、面付け加工された防振ゴムをダイ
スガイドに挿入し、ダイスガイドの下側に設けたダイス
の絞り通路へプッシャーにより防振ゴムの外筒の上端を
押し出して絞り加工を行うようにしたものである。
〔作用〕
この発明では、例えば下型の凹所に防振ゴムをセット
し、上型を下降させて防振ゴムの下型の凹所から上部に
出た部分を下型の凹所内に収め、さらに下型を下降させ
て防振ゴムの外筒の上下端面を各凹所のテーパ面の個所
へ強制的に嵌め込む。上下型のいずれにも割り面部が存
在しないので、圧力を受ける外筒には傷がつかない。上
下型の各凹所の寸法は精密に加工でき、面付けの要求寸
法を容易に実現できる。その後、正確に面付け加工され
た防振ゴムは、簡単にかつ均一な絞り加工が行える。
〔実施例〕
以下に、この発明の好適な実施例を図面を参照にして
説明する。
第1図において、内筒2と外筒3との間にゴム4を加
硫接着した防振ゴム1が収容される凹所5,7をそれぞれ
有する上型6及び下型8から成り、凹所5の上部には上
方に向かって徐々に径が小さくなるテーパ面9を備え、
凹所7は下方にいくにしたがって徐々に径が小さくなる
テーパ面10をそれぞれ備えている。上型6にはエジェク
トピン11がスプリング12により常に凹部5に向けて付勢
された状態で設けてある。また、下型8にもエジェクト
ピン13がスプリング14により常に凹所7に突出する方向
に付勢された状態で設けてある。このような加工機によ
り面付けされる外筒3の上端3Aは下端3Bよりも軸線から
遠くなるようにしてある(第2図参照)。外筒3は、第
3図に示すように、仕上がり円周寸法に見合う幅を持つ
板金をその幅方向に所定間隔をおいて打ち抜いたものを
円筒状に加工し、円筒状に加工したつき合わせ部3Cをイ
ナートガスアーク溶接で接合してある。このつき合わせ
部3Cをイナートガスアーク溶接で接合することにより、
従来の溶接のような面取り作業が不必要となり、第4図
に示すように内筒2及び外筒3の間にゴム4を加硫接着
した後に第1図に示す加工機ですぐに面付け加工を行え
る。第1図に示す加工機に第4図に示す如き防振ゴムを
セットするには、上型6と下型8とが軸方向に開いた状
態でかつエジェクトピン13が凹部7内に突出した状態に
おいて下型8の凹部7に防振ゴム1をセットする。次い
で、エジェクトピン11が凹部5内に突出している状態の
上型6を下降させて凹部5に防振ゴム1の上部を入り込
ませ上型6を軸方向に荷重をかけることでテーパ面9,10
に外筒3の上端3Aと下端3Bが強制的に嵌め込まれていく
ことで外筒3の上下端面3A,3Bに面付けが行われる。
面付け加工が行われた防振ゴム1は、第5図に示すよ
うにダイスガイド15に挿入され、ダイスガイド15の下側
に設けたダイス16の絞り通路17へプッシャー18により押
し出す。この絞り通路17を防振ゴム1が通過するとき、
外筒3の下端3Bは徐々に戻っていくが、面付け加工時に
おいて予め下端3B側を深くなるように面付け加工してあ
るので、絞り通路17を通過した後の防振ゴム1は、第6
図に示すように外筒3の上端3Aと下端3Bとの面付け角度
はほぼ同程度となる。絞り加工時において、外筒3の上
端3Aはプッシャー18に押さえ付けられているので、この
個所における戻りは少ない。絞り加工は、ゴムの疲労特
性を増大させるため、加硫後ゴムに圧縮応力を与えるよ
うに加工するものである。この第5図に示す絞り加工機
と、第1図に示す面付け加工機とで、防振ゴムの製造装
置を構成する。
〔効果〕
以上説明したように、この発明によれば、夫々テーパ
面を備えた凹部を有する上型及び下型の凹部に内周面に
ゴムが加硫接着された外筒を有する防振ゴムをセット
し、防振ゴムの軸方向に上下型のいずれか一方又は両方
を移動して型締めして外筒の上端及び下端を内側に面付
け加工し、この面付け加工時に外筒の下端を上端より深
くなるように加工し、面付け加工された防振ゴムをダイ
スガイドに挿入し、ダイスガイドの下側に設けたダイス
の絞り通路へプッシャーにより防振ゴムの外筒の上端を
押し出して絞り加工を行うので、従来の割りコマを使っ
たもののように外筒に傷をつけることもなく、加工機そ
のものの構造も簡単なものとなる。上型及び下型に形成
される凹部は精密に加工できるため、例えば、外筒の上
端よりも下端の方を大きく面付けするように凹部のテー
パ面の寸法を設計しておけば、面付け加工後に絞り加工
をするとき、プッシャーで押さえ付けられた外筒の上端
の戻りは少なく、外筒の下端の戻りが大きい性質を利用
し、絞り加工後の防振ゴムにおける外筒の面付けを上端
と下端とで同一にすることも容易に行える。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に用いる面付け加工機の断面図、第2
図は面付けされる外筒の上端と下端との面付け深さの違
いを示す断面図、第3図は外筒の平面図、第4図は面付
け加工前の防振ゴムの断面図、第5図は面付け加工後に
絞り加工を行うための絞り加工機の断面図、第6図は絞
り加工後の防振ゴムを示す断面図、第7図は従来例を示
す断面図である。 1……防振ゴム、 3……外筒、 3A……外筒の上端、 3B……外筒の下端、 4……ゴム、 5,7……凹部、 6……上型 8……下型、 9,10……テーパ面、 15……ダイスガイド、 16……ダイス、 17……絞り通路、 18……プッシャー。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】夫々テーパ面(9)(10)を備えた凹部
    (5)(7)を有する上型(6)及び下型(8)の凹部
    (5)(7)に内周面にゴム(4)が加硫接着された外
    筒(3)を有する防振ゴム(1)をセットし、 防振ゴム(1)の軸方向に上下型(6)(8)のいずれ
    か一方又は両方を移動して型締めして外筒(3)の上端
    (3A)及び下端(3B)を内側に面付け加工し、 この面付け加工時に外筒(3)の下端(3B)を上端(3
    A)より深くなるように加工し、 面付け加工された防振ゴム(1)をダイスガイド(15)
    に挿入し、 ダイスガイド(15)の下側に設けたダイス(16)の絞り
    通路(17)へプッシャー(18)により防振ゴム(1)の
    外筒(3)の上端(3A)を押し出して絞り加工を行うこ
    とを特徴とする防振ゴムの製造方法。
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