JP2918903B2 - 成形用アルミニウム合金材の製造方法 - Google Patents
成形用アルミニウム合金材の製造方法Info
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Description
し、さらに詳しくは成形品の表面性状に優れ、かつ同時
に高強度であり、異方性が小さいキャンボディ用アルミ
ニウム合金板等のアルミニウム合金材の製造方法に関す
るものである。
性を有するAA3004合金が主に用いられてきた。また近年
資源節約等の観点から、缶胴体の薄手のコーティングの
使用や材料のゲージダウンが行われてきつつある。
面性状つまりはフローマーク等が問題となってきてお
り、製品の美観を損なうものとなっていた。また材料の
ゲージダウンはこれに伴って従来のものよりも高強度で
あることも要求されているが、ある程度改善できるもの
の強度を確保すれば耳率が悪くなり、結局要求を十分満
足することは出来ていない。
の製造方法の欠点を克服し、缶体成形時の表面性状に優
れ、高強度と低耳率を同時に満足し、生産性を低下させ
ない成形用アルミニウム合金材の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
組成を示す%は重量%を示す)、Mg0.8〜1.5%、Cu0.1
〜0.5%、Si0.1〜1.0%及びFe0.2〜0.6%を含有し、残
部が実質的にAlからなるアルミニウム合金を鋳造し、56
0℃以上で均質化処理した後に、99.5%以上の加工度の
熱間圧延を行うとともに該熱間圧延を終了する際にアル
ミニウム合金材の温度を300℃以上とすることにより再
結晶組織を形成させ、次いで直ちに又は5%以下の冷間
圧延を行い再度再結晶を生じさせることなく、露点30℃
以下の雰囲気中にて、400〜600℃の温度に100℃/分以
上の加熱速度で加熱し、該加熱後直ちに又は5分以内保
持した後100℃/分以上の冷却速度で冷却する焼鈍を行
い、その後10%以上かつ86%未満の圧延率で冷間圧延を
行うことを特徴とする成形用アルミニウム合金材の製造
方法(第1発明という)、 (2)アルミニウム合金がさらにZn0.01〜0.5重量%を
含有することを特徴とする(1)項記載の成形用アルミ
ニウム合金材の製造方法(第2発明という)、 (3)アルミニウム合金がさらにCr0.01〜0.3重量%を
含有することを特徴とする(1)項記載の成形用アルミ
ニウム合金材の製造方法(第3発明という)、 (4)アルミニウム合金がさらにZn0.01〜0.5重量%及
びCr0.01〜0.3重量%を含有することを特徴とする
(1)項記載の成形用アルミニウム合金材の製造方法
(第4発明という)、及び (5)アルミニウム合金がさらにTi0.005〜0.2重量%及
び/又はB0.0001〜0.3重量%を含有することを特徴とす
る(1)、(2)、(3)又は(4)項記載の成形用ア
ルミニウム合金材の製造方法(第5発明という) を提供するものである。
各成分の作用及び限定理由を説明する。
に晶析出相を形成し、しごき成形時の工具の焼き付きを
防止する働きがあり、含有量が0.5%未満ではその効果
が小さく、1.5%を越えると巨大晶出物を生じ、逆に各
種成形性を阻害する。
向上させるとともに塗装工程で生じる析出物の主要元素
でもある。Mg含有量が0.8%未満では強度が不足し、1.5
%を越えると雰囲気に係わらず、中間焼鈍時の高温下で
厚い酸化膜を生じるため、成形品の表面性状を悪化させ
ると同時に成形性も悪くなる。
度を向上させる。Cu含有量が0.1%未満では強度の向上
は望めず、0.5%を越えると耐食性や成形性を悪化させ
る。
を向上させるとともに晶出物の中に入り、しごき成形性
を向上させる。Si含有量が0.1%未満では、所定の効果
は望めず、1.0%を越えると成形性を悪化させる。
し、鋳造時に晶出する。またその晶出物は再結晶核発生
サイトになるので、再結晶粒を微細にする。Fe含有量が
0.2%未満ではしごき成形時の工具の焼き付きを防止し
きれず、0.6%を越えると巨大晶出物を作り易くなり成
形性を悪くする。
量%を含有し、第3発明では、Cr0.01〜0.3重量%を含
有し、第4発明では、Zn0.01〜0.5重量%及びCr0.01〜
0.3重量%を含有するものとする。第1〜第4発明の合
金組成に加え第5発明では、Ti0.005〜0.2重量%及び/
又はB0.0001〜0.3重量%を含有するものとする。
する一要因と考えられる。Ti含有量が0.005%未満ある
いはB含有量が0.0001%未満では鋳造組織が粗くなり、
圧延加工や缶成形加工時の成形性が悪化し、Tiが0.2%
を越えあるいはBが0.3%を越えるとTi、B系の巨大晶
出物を形成し、成形性を害する。
させる。添加量の範囲を0.01〜0.3%に規定する理由は
前記のMn、Feと同様である。
を向上させ、Zn含有量が0.01%未満では強度向上は望め
ず、0.5%を越えると耐食性を害することとなる。
の鋳塊を560℃以上の均質化処理を行うが、この均質化
処理温度が560℃未満では析出物が微細かつ高密度に生
じてしまい、成形性を害するとともに、熱間圧延終了時
の再結晶を阻害し結晶粒径が100μmを越える粗大なも
のとなり缶表面性状を悪化させる。
その終了温度を300℃以上、好ましくは390〜320℃とす
ることにより再結晶が完了した熱間圧延板とする。ここ
で熱間圧延加工度が99.5%未満あるいは熱間終了温度が
300℃未満の場合、熱間圧延板は再結晶組織とならず所
定の耳率の低いアルミニウム合金材は得られない。また
上記工程による再結晶粒径は通常100μm以下である。
い、急速度の加熱を施す熱処理をするが、この際5%を
越える冷間圧延を行うとその後の熱処理において再度再
結晶することになり耳率を悪くする。
00℃の温度に100℃/分以上の加熱速度で加熱し、加熱
後直ちにまたは5分以内保持した後、100℃/分以上の
冷却速度で冷却する。
により缶の塗装焼き付け時に時効硬化量を大きくするた
めのものであるが、この加熱温度で露点が30℃を越える
と表面の酸化膜が厚くなり、表面性状を悪化させる。ま
た、露点が30℃以下であっても保持時間が5分を越える
とやはり酸化膜は厚くなり、表面性状を悪化させる。
て強度低下を生じる。このため加熱速度が100℃/分未
満、あるいは400〜600℃の温度での保持時間が5分を越
えたり、冷却速度が100℃/分未満では強度低下の作用
が大きくなり強度が低下してしまう。
延を行うが、圧延率が10%未満ではしごき成形性が著し
く悪くなりまた86%以上の圧延率では耳率が著しく大と
なるためである。
した500mmの鋳塊に所定量の面切削加工により種々の板
厚の試料とした。これら試料に対して第2表に示す工程
により0.3mm厚さのキャンボディ用材料を製造した。
ディ材として要求される各種性能試験結果を示す。なお
合金組成は重量%である。
試料は缶表面性状、強度、耳率や成形性がいずれも優れ
る。これに対して比較例は試験項目の内何れかの性能が
劣るかまたは処理項目が多いため生産性が低い。
金の製造方法は、キャンボディ用材料として缶表面性
状、強度、耳率及び成形性に優れた効果を奏するととも
に生産性の高い製造方法であるため製造コストの低減を
図ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】Mn0.5〜1.5%、Mg0.8〜1.5%、Cu0.1〜0.5
%、Si0.1〜1.0%及びFe0.2〜0.6%(以上、%は重量%
を示す)を含有し、残部が実質的にAlからなるアルミニ
ウム合金を鋳造し、560℃以上で均質化処理した後に、9
9.5%以上の加工度の熱間圧延を行うとともに該熱間圧
延を終了する際にアルミニウム合金材の温度を300℃以
上とすることにより再結晶組織を形成させ、次いで直ち
にあるいは5%以下の冷間圧延を行い再度再結晶を生じ
させることなく、露点30℃以下の雰囲気にて、400〜600
℃の温度に100℃/分以上の加熱速度で加熱し、該加熱
後直ちに又は5分以内保持した後100℃/分以上の冷却
速度で冷却する焼鈍を行い、その後10%以上かつ86%未
満の圧延率で冷間圧延を行うことを特徴とする成形用ア
ルミニウム合金材の製造方法。 - 【請求項2】アルミニウム合金がさらにZn0.01〜0.5重
量%を含有することを特徴とする請求項1記載の成形用
アルミニウム合金材の製造方法。 - 【請求項3】アルミニウム合金がさらにCr0.01〜0.3重
量%を含有することを特徴とする請求項1記載の成形用
アルミニウム合金材の製造方法。 - 【請求項4】アルミニウム合金がさらにZn0.01〜0.5重
量%及びCr0.01〜0.3重量%を含有することを特徴とす
る請求項1記載の成形用アルミニウム合金材の製造方
法。 - 【請求項5】アルミニウム合金がさらにTi0.005〜0.2重
量%及び/又はB0.0001〜0.3重量%を含有することを特
徴とする請求項1、2、3又は4記載の成形用アルミニ
ウム合金材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9307089A JP2918903B2 (ja) | 1989-04-14 | 1989-04-14 | 成形用アルミニウム合金材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9307089A JP2918903B2 (ja) | 1989-04-14 | 1989-04-14 | 成形用アルミニウム合金材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02274846A JPH02274846A (ja) | 1990-11-09 |
JP2918903B2 true JP2918903B2 (ja) | 1999-07-12 |
Family
ID=14072257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9307089A Expired - Lifetime JP2918903B2 (ja) | 1989-04-14 | 1989-04-14 | 成形用アルミニウム合金材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2918903B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103361503A (zh) * | 2012-03-27 | 2013-10-23 | 苏州瑞讯金属科技有限公司 | 一种铝杆的制备方法 |
CN103540814A (zh) * | 2013-10-17 | 2014-01-29 | 常熟市良益金属材料有限公司 | 一种铝镁合金 |
JP2023131622A (ja) * | 2022-03-09 | 2023-09-22 | 株式会社Uacj | 缶蓋用アルミニウム合金板 |
-
1989
- 1989-04-14 JP JP9307089A patent/JP2918903B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02274846A (ja) | 1990-11-09 |
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