JP2917808B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2917808B2
JP2917808B2 JP6086038A JP8603894A JP2917808B2 JP 2917808 B2 JP2917808 B2 JP 2917808B2 JP 6086038 A JP6086038 A JP 6086038A JP 8603894 A JP8603894 A JP 8603894A JP 2917808 B2 JP2917808 B2 JP 2917808B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報を高密度に記録す
る光記録媒体に係わり、特に、照射レーザ光の照射光強
度によって透過率が変化するサーモクロミック物質を含
む層を用いて照射スポット光の実効スポット径を小さく
して情報の再生或いは記録再生を行うものに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、ディスク状、テープ状、カード状
等、光学的に情報を記録再生する光記録媒体があり、こ
れら光ディスクにおいては、記憶容量の大容量化が検討
され、種々提案が成されている。特に、最近ではコンパ
クトディスク(以下、CDと記載する)と同じくらいの
大きさ(直径12cmのディスク)で片面約2時間の高
画質なデジタルビデオ情報を記録することが要求されて
いる。この要求を満たすためには、現行CDの5乃至1
0倍程度の記録密度が必要とされる。
【0003】一般に、光記録媒体においては、記録時の
レーザ光強度を制御することによって光スポット径より
も小さな記録マークを形成することが可能であるため、
記録時の密度向上には原理上限界はない。しかし、レー
ザ光をレンズで絞ったときの光スポット径は、ある一定
値以下には絞れない限界値をもっており、光記録媒体の
高密度化は、再生レーザスポットをいかに小さくするか
にかかっている。ここで、再生限界の記録マークの繰り
返し波長は、λ/(2NA)(λは光の波長、NAはレ
ンズの開口数)で与えられ、より短い記録波長の記録マ
ークを識別して再生するには、波長λの短い光で再生す
るか開口数NAの大きなレンズを用いれば良いことがわ
かる。そこで、近年では、照射レーザ光の短波長化や高
開口数レンズ等の研究が盛んに行われている。
【0004】例えば、短波長光源は非線形光学素子を用
いたSHG光を取り出して800nmの光から400n
mの光を取り出す技術が提案されている。しかし、変換
効率、価格、安定性などの面から実用に共する事のでき
るレベルにないのが現状であり、現在実用可能な光源と
して広く用いられる半導体レーザ光は約670nmが限
度である。また高開口数レンズを光ディスク再生装置に
組み込むことは焦点深度の問題や、ディスクの物理的精
度(厚み、反り、面ぶれなど)が厳しくなるなどの理由
から実用可能レベルはせいぜい0.6である。このよう
に光波長670nmの光源を用い、開口数0.6のレン
ズを用いたとしても記録密度は、現行CDに比べ約2.
5倍程度にしかできず、上記要求は満足されない。
【0005】そこで、温度変化或いは照射される光の光
強度に応じて光透過率特性が可逆的に変化する光透過率
可変物質を光ディスク内に層状に設け、この光透過率可
変物質を用いて照射レーザ光の実効的照射スポット径を
小さくして高密度な光情報を記録再生する方法が提案さ
れている。光記録媒体の記録及び再生用のレーザ光の光
強度は、通常、ガウス分布を示し、このようなレーザ光
が上記光透過率可変物質層上に照射されると、この光透
過率可変物質層が、レーザ光のスポット内の温度又は光
強度の高い中央部分のみ光透過性となって、スポット内
の他の部分をマスクするマスク効果を起こすため、照射
レーザ光の実際のスポット径よりも小さな識別マークを
検出することができるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、温度によって
光透過率が変化する光透過率可変物質(サーモクロミッ
ク性物質)は、光透過率の可逆変化の変化時間、即ち、
熱を吸収して温度が上昇することにより光透過率が低い
状態から高い状態へ変化する時間、及び冷却することに
より光透過率が高い状態から低い状態へと変化する時間
についての問題があった。それぞれ変化時間が短いほう
が、マスク効果を十分に発揮できるは勿論であるが、ほ
とんどのサーモクロミック物質は、例えばCDの回転レ
ベルで十分な結果が得られていない。特に、後者の変化
時間においては、同一トラックを連続再生する(スチル
再生)ことを考えると、その変化時間が長ければ、一旦
加熱された光透過率可変物質が十分に冷却されないまま
にレーザ光が照射されることになる。この結果、サーモ
クロミック層に熱が蓄積されることになり、光透過率が
高い部分の面積が広がって実効スポット径を小さくする
効果が無くなってしまう。
【0007】そこで、本発明は上記の点に着目してなさ
れたものであり、サーモクロミツク層が吸収した熱の放
熱性を高めることで、特にスチル再生時において再生信
号の劣化が小さい光記録媒体を提供することを目的とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するための手段として、光透過性樹脂基板と、前記光
透過性樹脂基板上に光学的に読み出し可能な情報に応じ
た微小ピット又は案内溝と、しきい値よりも低い温度で
は光透過率が低く、スポット光の熱を吸収して前記しき
い値よりも高い温度になると光透過率が高くなり、この
光透過率が高い状態から前記しきい値以下に冷却される
ことで前記光透過率の低い状態に戻るサーモクロミック
層と、反射層とを順次形成し、前記サーモクロミック層
を用いて前記微小ピット又は前記案内溝上に照射される
スポット光の実効スポット径を小さくさせる光記録媒体
であって、熱伝導率が、前記サーモクロミック層よりも
高い放熱層を前記サーモクロミック層と前記光透過性樹
脂基板の間に介挿したことを特徴とする光記録媒体を提
供しようとするものである。また、光透過性樹脂基板
と、前記光透過性樹脂基板上に光学的に読み出し可能な
情報に応じた微小ピット又は案内溝と、しきい値よりも
低い温度では光透過率が低く、スポット光の熱を吸収し
て前記しきい値よりも高い温度になると光透過率が高く
なり、この光透過率が高い状態から前記しきい値以下に
冷却されることで前記光透過率の低い状態に戻るサーモ
クロミック層と、反射層とを順次形成し、前記サーモク
ロミック層を用いて前記微小ピット又は前記案内溝上に
照射されるスポット光の実効スポット径を小さくさせる
光記録媒体であって、熱伝導率が、前記サーモクロミッ
ク層よりも高い放熱層を前記サーモクロミック層と前記
光透過性樹脂基板の間及び前記サーモクロミック層と前
記反射層の間の両方に介挿したことを特徴とする光記録
媒体を提供しようとするものである。更にまた、前記光
記録媒体において、前記放熱層は、5nm乃至100n
mの厚さを有し、かつ、金属ハロゲン化物、酸化セリウ
ム、二酸化テルル、硫化ゲルマニウム、窒化シリコン、
窒化タンタル、NaAlF6 であることを特徴とする光
記録媒体を提供しようとするものである。
【0009】
【作用】光記録媒体にレーザ光を照射してトラックを走
査したとき、サーモクロミック性物質を用いた光透過率
可変物質層(以下、サーモクロミック層と記載する)の
光透過率が高くなっている部分の形状は、通常、レーザ
光が照射されている部分からその後方へ彗星のように広
がる。これは、吸収された熱が、熱伝導率の低いサーモ
クロミック層に局部的に蓄積されるためである。このた
め、スチル再生を行うと、蓄積される熱量が増えて温度
が高い部分の面積が広がり、マスク効果が十分に発揮さ
れなくなる。
【0010】そこで、本発明者らが実験を重ねた結果、
サーモクロミック層の発色消色機構において、基板材質
がそれを阻害する場合があることが判明した。例えば、
現在広く普及している光ディスクのほとんどは、基板材
料として量産性やコスト等の点から樹脂を使用してお
り、将来実用化される高密度記録ディスクにおいても樹
脂基板を使用することが考えられる。この樹脂は、一般
に断熱性が高いため、サーモクロミック層が照射レーザ
光を吸収して発生した熱の放熱を妨げてしまうのであ
る。即ち、本発明者らは、この樹脂基板の断熱作用によ
りサーモクロミック層に熱が蓄積されてしまうことに気
付いたのである。また、光ディスクにおいては、そのほ
とんどが反射型であり、金属反射膜を備えた構造になっ
ている。この金属は一般に熱伝導率が高く、上記サーモ
クロミック層に局部的に蓄積された熱を分散させること
になる。
【0011】そこで、本発明の光記録媒体は、サーモク
ロミック層の熱を放熱させるための透明無機物質より成
る放熱層を前記サーモクロミック層と前記光透過性樹脂
基板の間、又は前記サーモクロミック層と前記光透過性
樹脂基板の間及び前記サーモクロミック層と反射層の間
の両方に介挿した。透明無機物質は、その熱伝導率が、
サーモクロミック性物質や光透過性樹脂基板よりも高い
物質を用いる。このような放熱層を設けることで、サー
モクロミック層で吸収した熱は、放熱層に放熱されるこ
とになり、また、放熱層を介し金属反射層にも放熱され
る。このため、サーモクロミック層に熱が局部的に蓄積
されないようになり、走査スポット光が通り過ぎた後の
サーモクロミック層の温度が高くなっている部分の冷却
時間が短縮され、光透過率が低い状態に戻る時間が短縮
される。特に、光透過性樹脂基板とサーモクロミック層
との間に放熱層を設ければ、光透過性樹脂基板による断
熱作用を減少させることにもなる。また、後述の実験結
果でも分かるように、サーモクロミック層を挟むように
上下に放熱層を設けた場合と、光透過性樹脂基板とサー
モクロミック層との間にのみ設けた場合とではほぼ同様
の結果が得られており、放熱層を光透過性樹脂基板とサ
ーモクロミック層との間にのみ設けてもマスク効果が十
分に発揮されることが判明している。
【0012】
【実施例】以下、添付図面を参照して本実施例の光ディ
スクに付いて説明する。なお、以下の説明では、光記録
媒体として広く普及している光ディスクを例にとり説明
する。図1は、本発明の一実施例の光ディスクの断面図
を示し、同図(A)は、再生専用型光ディスクのトラッ
ク方向の断面図を示し、同図(B)は、記録可能型光デ
ィスクの半径方向の断面図を示す。同図(A)に示す光
ディスク1は、光透過性樹脂基板(以下単に基板と記載
する)2に、情報に応じた微小ピット2Aが形成されて
いる。また、基板2上には、上記透明無機物質による放
熱層3、上記サーモクロミック性物質によるサーモクロ
ミック層4、反射層5、保護層6が順次積層されてい
る。また、同図(B)に示す光ディスク11は、光透過
性樹脂基板12に、案内溝12Aが形成されている。ま
た、基板12上には、上記放熱層3、上記サーモクロミ
ック層4、情報記録層13、上記反射層5、上記保護層
6が順次積層されている。
【0013】上記光透過性樹脂基板2,12として用い
られる光透過性樹脂はポリカーボネート、ポリメタクリ
ル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂基板など通常の光ディ
スクの基板として用いられるものが使用可能である。ま
た、微小ピット2Aや案内溝12Aの形成方法に関して
は特に制限はなく周知の方法により形成する。
【0014】上記放熱層3は、金属酸化物、非金属酸化
物、金属ハロゲン化物、金属硫化物、金属窒化物のうち
いずれかによって形成されるのが良く、例えば、酸化珪
素、二酸化珪素、酸化セリウム、二酸化テルル、フッ化
マグネシウム、フッ化セリウム、フッ化ネオジウム、硫
化亜鉛、硫化ゲルマニウム、窒化シリコン、窒化珪素、
窒化タンタル、NaAlF6等があげられる。この他、
この放熱層に用いる物質は、樹脂基板材質よりも熱伝導
性が高く、かつ透明なものであれば良く、その場合には
この無機物質層が、サーモクロミック層の放熱層として
作用することができる。また、上記放熱層3は、その膜
厚が薄すぎる場合、放熱効果が十分に発揮されず、ま
た、厚すぎる場合は、照射レーザ光の光強度を大きくす
る必要性が生じ、感度低下が歴然となる。更に、厚膜を
形成しようとすると、膜質を安定にできず、ひどい場合
には、クラックが生じてしまうこともある。本発明者ら
の実験では、無機物質の種類によりその最適範囲は異な
るが、その厚さが5nmから100nmまでの間で良い
結果が得られている。この放熱層3は、真空蒸着法によ
り5〜100nm形成する。また、同図に示す光ディス
ク1,11は、基板2とサーモクロミック層4との間に
のみ設けられているが、サーモクロミック層4と反射層
5との間に設けて放熱層3でサーモクロミック層4を挟
むような構造にしても良い。
【0015】上記サーモクロミック層4は、図2に示す
ような光透過率特性を有している。即ち、光記録再生に
用いられる光源の波長に対し、しきい値より低い温度で
は吸収を有し、しきい値以上の温度で吸光度が減少して
透過率が増加し、さらにしきい値より低い温度に冷却さ
れると吸光度が増加し元の状態に戻るという性質を有す
る。従って、レーザ光を照射することにより、透過率変
化点以上の温度に加熱された部分のみが透過率が高くな
り、それ以外の部分は吸光度が保持され透過率は低いま
まであるので、照射される光スポット径を実質的に縮小
する効果を発揮することができる。上記サーモクロミッ
ク層4のサーモクロミック材料としては、上記の性質を
有したものを種々用いることができるが、例えば電子供
与性呈色化合物と電子受容性顕色材、有極性化合物の混
合系または電子供与性呈色化合物とフェノール系顕色剤
の混合物等があげられる。電子供与性呈色化合物として
は、フルオラン系化合物、スピロピラン系化合物、フタ
リド系化合物、ラクタム系化合物などをあげることがで
きる。
【0016】上記反射層5は一般に光ディスクで用いら
れる金属反射層と同様であり、金、アルミニウム、など
の金属や合金の薄膜で形成される。反射層5上に設けた
保護層6は媒体の保護の目的で必要に応じて設ける。こ
の保護層6は、紫外線硬化樹脂をスピンコートによって
設けることで簡単に形成可能である。また、記録可能型
光ディスク11に設けた記録層13は、従来より周知の
光記録材料をスピンコート法や蒸着法を用いて形成して
おり、相変化型材料、光磁気材料等種々のものを使用可
能である。
【0017】次に、上記実施例の再生専用型の光ディス
ク1−1〜1−5及び比較のための光ディスク1−6を
作製して実験を行い、その評価をした。実施例1として
作製した光ディスク1−1は、ポリカーボネート樹脂を
射出成形してCDの4倍密度の信号ピットを形成した上
記基板2を用いた。この基板2上に無機物質としてフッ
化マグネシウム(MgF2)を真空蒸着によつて30n
m形成し上記放熱層3とした。また、上記サーモクロミ
ック層4は、電子供与性呈色化合物としてGN−169
(山本化成製)、顕色材としてビスフェノールAを真空
蒸着法によってモニター上で約1:2の比率で120n
m成膜した。反射層5としてアルミニウムを約70nm
の厚さに形成し、更に保護層6として紫外線硬化樹脂S
D−17(大日本インキ製)を約7μmの厚さで形成し
た。同様に、実施例2の光ディスク1−2は、上記実施
例1の光ディスク1−1の放熱層4の膜厚を80nmで
形成し、実施例3の光ディスク1−3は、上記実施例1
の光ディスク1−1の放熱層4の無機物質として硫化亜
鉛(ZnS)を50nmの膜厚で形成し、実施例4の光
ディスク1−4は、上記実施例1の光ディスク1−1の
放熱層4の無機物質として酸化珪素(SiO)を40n
mの膜厚で形成した。また、実施例5として作製した光
ディスク1−5は、上記実施例1の光ディスク1−1の
サーモクロミック層4と反射層5との間にフッ化マグネ
シウムを真空蒸着によって30nm形成し、上記サーモ
クロミック層4を放熱層3で挟む構造とした。更に、比
較例1として作製した光ディスク1−6は、上記光ディ
スク1−1のフッ化マグネシウムの放熱層3を設けなか
ったこと以外は同様に作製した。
【0018】上記作製した光ディスク1−1〜1−6
を、波長690nmの半導体レーザーを搭載したプレー
ヤ(再生条件は線速度CLV3m/s、回転数1000
rpm、再生パワー約1.4mw)に装着し、連続送り
再生時及び同一トラックのスチル再生(5分間)時の最
短ピットの再生振幅と最長ピットの再生振幅との比率を
測定した。その結果を以下の表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】上記表1に示す実験結果によれば、実施例
の光ディスク1−1〜1−5は、連続送り再生時の振幅
比が75〜85%であったものが、5分間のスチル再生
後にも50〜70%程度の振幅比を保っており、良好な
結果が得られている。この結果、放熱層3が、サーモク
ロミック層4の熱を放熱してサーモクロミック層4のマ
スク効果が十分に発揮され、良好な再生信号が得られて
いるのが分かる。しかし、比較例のディスク1−6は、
5分間スチル再生したところ前記振幅比率は40%前後
にまで小さくなってしまい、サーモクロミック層4を用
いてスポットサイズを小さくすることができない。この
結果、5分間のスチル再生後の値は、放熱層4を設けな
い比較例1の光ディスク1−6よりもやや良いくらいで
あるが、その値は良好な結果とはいえないものである。
【0021】また、上記光ディスク1−1(実施例1)
と光ディスク1−6(比較例1)のスチル再生時間と振
幅比率の関係を図3に示す。同図に示すように、放熱層
3を設けていない光ディスク1−6は、スチル再生によ
ってマスク効果が十分に発揮されずに振幅比が著しく低
下している。このため、再生信号エラーも発生しやす
い。この光ディスク1−6に対し、放熱層3を設けた光
ディスク1−1は、再生し始めに少しの振幅比の低下が
見られるが、その低下の比率は小さい。また、5分以上
のスチル再生を行ってもマスク効果が良好に発揮されて
略その値を保っている。このため、光ディスク再生装置
のスチル再生機能に対応しており、再生信号エラーに対
する回路構成も容易になる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光記録媒体
によれば、熱伝導率が、前記サーモクロミック層よりも
高い放熱層を前記サーモクロミック層と前記光透明樹脂
基板の間に介挿しているので、サーモクロミック層で吸
収した熱は放熱層に放熱され、サーモクロミック層に熱
が局部的に蓄積されないようになるため、走査スポット
光が通り過ぎた後のサーモクロミック層の温度が高くな
っている部分の冷却時間が短縮され、即ち、光透過率が
低い状態に戻る時間が短縮される。また、前記サーモク
ロミック層と前記光透明樹脂基板の間及び前記サーモク
ロミック層と反射層の間の両方に介挿した場合も同様の
効果が得られる。このため、スポット光の実効スポット
径を小さくさせるマスク効果が良好に発揮され、再生信
号を劣化させずに、安定、かつ良好に再生ができる。更
に、放熱層は、5nm乃至100nmの厚さを有し、か
つ、金属ハロゲン化物、酸化セリウム、二酸化テルル、
硫化ゲルマニウム、窒化シリコン、窒化タンタル、Na
AlF6であるので、サーモクロミック層に蓄積された
熱の放熱効果を大きくし、マスク効果を良好に発揮させ
ることができるため、再生信号エラーの発生の低減及び
情報に応じた忠実な記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の光ディスクの断面図を示す
図である。
【図2】図1における光ディスクのサーモクロミック層
の光透過率特性を示す図である。
【図3】実施例と比較例のスチル再生時間に対する振幅
比の変化を比較した図である。
【符号の説明】
1,11 光ディスク(光記録媒体) 2,12 光透過性樹脂基板 2A 微小ピット 3 放熱層 4 サーモクロミック層 5 反射層 12A 案内溝 13 情報記録層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性樹脂基板と、前記光透過性樹脂基
    板上に光学的に読み出し可能な情報に応じた微小ピット
    又は案内溝と、しきい値よりも低い温度では光透過率が
    低く、スポット光の熱を吸収して前記しきい値よりも高
    い温度になると光透過率が高くなり、この光透過率が高
    い状態から前記しきい値以下に冷却されることで前記光
    透過率の低い状態に戻るサーモクロミック層と、反射層
    とを順次形成し、前記サーモクロミック層を用いて前記
    微小ピット又は前記案内溝上に照射されるスポット光の
    実効スポット径を小さくさせる光記録媒体であって、 熱伝導率が、前記サーモクロミック層よりも高い放熱層
    を前記サーモクロミック層と前記光透過性樹脂基板の間
    に介挿したことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】光透過性樹脂基板と、前記光透過性樹脂基
    板上に光学的に読み出し可能な情報に応じた微小ピット
    又は案内溝と、しきい値よりも低い温度では光透過率が
    低く、スポット光の熱を吸収して前記しきい値よりも高
    い温度になると光透過率が高くなり、この光透過率が高
    い状態から前記しきい値以下に冷却されることで前記光
    透過率の低い状態に戻るサーモクロミック層と、反射層
    とを順次形成し、前記サーモクロミック層を用いて前記
    微小ピット又は前記案内溝上に照射されるスポット光の
    実効スポット径を小さくさせる光記録媒体であって、 熱伝導率が、前記サーモクロミック層よりも高い放熱層
    を前記サーモクロミック層と前記光透過性樹脂基板の間
    及び前記サーモクロミック層と前記反射層の間の両方に
    介挿したことを特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の光記録媒体におい
    て、 前記放熱層は、5nm乃至100nmの厚さを有し、か
    つ、金属ハロゲン化物、酸化セリウム、二酸化テルル、
    硫化ゲルマニウム、窒化シリコン、窒化タンタル、Na
    AlF6であることを特徴とする光記録媒体。
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