JPH0793806A - 情報記録媒体及び情報記録方法 - Google Patents

情報記録媒体及び情報記録方法

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Publication number
JPH0793806A
JPH0793806A JP5259228A JP25922893A JPH0793806A JP H0793806 A JPH0793806 A JP H0793806A JP 5259228 A JP5259228 A JP 5259228A JP 25922893 A JP25922893 A JP 25922893A JP H0793806 A JPH0793806 A JP H0793806A
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JP
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recording
film
information recording
amorphous
recording film
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Application number
JP5259228A
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English (en)
Inventor
Katsumi Suzuki
克己 鈴木
Masafumi Yokota
雅史 横田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】追記型でかつ拡散合金型の情報記録媒体を前提
とし、記録用レーザビームのパワーが大きくても十分な
再生信号を得ることができる情報記録媒体及び情報記録
方法を提供することを目的とする。 【構成】透光性の基板22上に、誘電体保護層23、成
膜状態で非晶質の第1の記録膜24、光吸収性を有し、
成膜状態で結晶質の第2の記録膜25、及び有機樹脂保
護層を順次積層して情報記録媒体を構成する。第1及び
第2の記録層24,25は、基板側からの記録用レーザ
ビーム21の照射により溶融拡散合金化し、その部分が
結晶質の記録マークとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザビーム等の光ビー
ムを照射することにより、記録膜を溶融拡散合金化し、
その部分に反射率の変化を生じさせて情報の記録を行う
追記型の情報記録媒体及び情報記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報の大容量化に伴い、これを保
存するメモリとして光ディスクが注目をあびている。光
ディスクは直径約1μmに集光したレーザビームにより
記録膜上に同じサイズの記録マークを形成するため極め
て高密度の記録が可能である。光ディスクは、CDやL
Dで代表される再生専用型、電子ファイリング装置等で
代表される1回書き込みのみ可能な追記型とHDDやF
DDと同じように書換可能なリライタブル型に大別され
る。
【0003】追記型光ディスクは更に、レーザビームの
照射により記録膜に穴を形成する穴明け型、2層の記録
膜をレーザビーム照射によって互いに熱拡散させて反射
率変化を引き起こす拡散合金型、記録膜材料の非晶質部
にレーザビームを照射して結晶性の記録マークを形成す
る相変化の3方式に大別される。
【0004】この中でも拡散合金型は記録の安定性及び
記録密度の点から注目されている。この拡散合金型の追
記型光ディスクの記録原理は以下の通りである。ポリカ
ーボネートなどのプラスチック又はガラスの透光性基板
上にSbSe等の光干渉性の第1の記録膜及びSbTe
等の光吸収係数が大きく熱発生型の第2の記録膜を積層
した構成の光ディスクに対して、直径約1μmにまで絞
り込んだレーザビームを基板側から照射する。レーザビ
ームは光干渉性の第1の記録膜ではあまり吸収されず、
光吸収係数の大きな第2の記録膜で吸収されて発熱し、
その熱で第1の記録膜を構成するSbSeと第2の記録
膜を構成するSbTeが互いに拡散し、合金化してSb
−SeTeの合金となる。SbSeTeの合金となった
部分は、その周囲の2層のままでいる部分とは反射率が
異なるため、その部分を記録マークとすることができ、
再生用のレーザービームを照射すればその反射率の差に
より記録マーク部分を判別することができる。すなわ
ち、これら第1及び第2の記録層は成膜状態では非晶質
であるが、レーザービームを照射することにより結晶質
のSb−SeTe合金が形成されて反射率の差が生じる
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、記録マーク
部分はレーザビームのパワーが小さい場合には結晶質と
なるが、パワーが大きい場合には、その中央部はレーザ
ービームの照射により急熱急冷されて非晶質となりやす
い。このように記録マークの中央部に非晶質部分が形成
されると、その部分は非晶質であるレーザービーム非照
射部分との反射率の差が小さくなり、再生信号が小さく
なってしまうという問題点がある。
【0006】この発明はかかる事情に鑑みてなされたも
のであって、追記型でかつ拡散合金型の情報記録媒体を
前提とし、記録用レーザビームのパワーが大きくても十
分な再生信号を得ることができる情報記録媒体及び情報
記録方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、第1
に、透光性の基板と、その上に形成され、成膜状態で非
晶質の第1の記録膜と、さらにその上に形成されかつ光
吸収性を有し、成膜状態で結晶質の第2の記録膜とを備
え、これら第1及び第2の記録層は、基板側からの記録
用レーザビームの照射により溶融拡散合金化し、その部
分が情報記録部位となり、この情報記録部位は結晶質で
あることを特徴とする情報記録媒体が提供される。
【0008】第2に、透光性の基板と、その上に形成さ
れ、成膜状態で非晶質の第1の記録膜と、さらにその上
に形成されかつ光吸収性を有し、成膜状態で結晶質の第
2の記録膜とを備え、前記第1の記録膜はSbTe、S
bSe、GeTe、InSb、GeTeSb、及びIn
SbTeからなる群から選択された材料で形成され、前
記第2の記録膜はBiTe、Bi、Teからなる群から
選択された材料で形成され、基板側からの記録用レーザ
ビームの照射によりこれらが溶融拡散合金化し、結晶質
の情報記録部位が形成されることを特徴とする情報記録
媒体が提供される。
【0009】第3に、透光性の基板と、その上に形成さ
れ、成膜状態で非晶質の第1の記録膜と、さらにその上
に形成されかつ光吸収性を有し、成膜状態で結晶質の第
2の記録膜とを備えた情報記録媒体に、基板側から記録
用レーザビームを照射し、これら2つの記録膜を溶融拡
散合金化し、冷却後その部分を結晶質の情報記録部位と
することを特徴とする情報記録方法が提供される。
【0010】第4に、透光性の基板と、その上に形成さ
れ、成膜状態で非晶質の第1の記録膜と、さらにその上
に形成されかつ光吸収性を有し、成膜状態で非晶質の第
2の記録膜とを備え、これら第1及び第2の記録層は、
基板側からの記録用レーザビームの照射により溶融拡散
合金化し、その部分が情報記録部位となり、この情報記
録部位は中央部が非晶質で周辺部が結晶質であり、該情
報記録部位の長さ又は情報記録部位間の長さが信号とし
て検出されることを特徴とする情報記録媒体が提供され
る。
【0011】第5に、透光性の基板と、その上に形成さ
れ、成膜状態で非晶質の第1の記録膜と、さらにその上
に形成されかつ光吸収性を有し、成膜状態で非晶質の第
2の記録膜とを備え、前記第1の記録膜はSbTe、S
bSe、GeTe、InSb、GeTeSb、及びIn
SbTeからなる群から選択された材料で形成され、前
記第2の記録膜はSbTe、BiTe、SnTeからな
る群から選択された材料で形成され、基板側からの記録
用レーザビームの照射によりこれらが溶融拡散合金化
し、中央部が非晶質で周辺部が結晶質の情報記録部位が
形成され、該情報記録部位の長さ又は情報記録部位間の
長さが信号として検出されることを特徴とする情報記録
媒体が提供される。
【0012】第6に、透光性の基板と、その上に形成さ
れ、成膜状態で非晶質の第1の記録膜と、さらにその上
に形成されかつ光吸収性を有し、成膜状態で非晶質の第
2の記録膜とを備えた情報記録媒体に、基板側から記録
用レーザビームを照射し、これら2つの記録膜を溶融拡
散合金化し、冷却後その部分を中央部が非晶質で周辺部
が結晶質の情報記録部位とし、該情報記録部位の長さ又
は情報記録部位間の長さを信号とすることを特徴とする
情報記録方法が提供される。
【0013】
【作用】この発明の第1の態様によれば、成膜状態で非
晶質の第1の記録膜と、光吸収性を有し、成膜状態で結
晶質の第2の記録膜とを有し、記録用レーザーパルス照
射によりこれらが溶融拡散合金化した部分が結晶質にな
るように記録膜の材料を選択した情報記録媒体を用いる
ので、情報記録部位の部分とそれ以外の部分との間の反
射率の差を大きくすることができ、結果として再生信号
が大きくなる。
【0014】この発明の第2の態様によれば、成膜状態
で非晶質の第1の記録膜と、光吸収性を有し、成膜状態
で結晶質の第2の記録膜とを有し、記録用レーザーパル
ス照射によりこれらが溶融拡散合金化した部分が、中央
部が非晶質で周辺部が結晶質となるように材料を選択
し、かつ情報記録部位の長さ又は情報記録部位間の長さ
を信号として検出するいわゆるマークエッジ記録を行う
情報記録媒体を用いるので、情報記録部位の周辺部の結
晶質とその他の部分の非晶質との反射率の差によって十
分な再生信号を得ることができる。
【0015】
【実施例】本発明をより一層明確にするために、先ず、
従来の拡散合金型の記録原理を図1を用いて説明する。
ポリカーボネートなどのプラスチック又はガラスからな
る基板2上にSbSe等の光干渉性(光吸収係数が小さ
い)の記録膜3、及びSbTe等の光吸収係数が大きく
熱発生型の記録膜4をこの順に積層した構成の光ディス
クに対して、直径約1μmにまで絞り込んだレーザビー
ム1を基板側から照射する。レーザビームは光干渉性の
記録膜3の照射部5ではあまり吸収されないで、光吸収
係数の大きな記録膜4の照射部6で吸収されて発熱し、
その熱で照射部位5、6において原子の拡散が生じ、こ
れらが合金化して、Sb−SeTeの合金となる。Sb
SeTeの合金となった照射部5,6は、その周囲の2
層のままでいる部分とは反射率が異なるため、この部分
を判別することができる。
【0016】ところが、この様な従来の拡散合金化記録
方式には次のような欠点がある。
【0017】記録マーク形成時のレーザ出力にもよる
が、一般にハイパワーで照射したときの照射部分の記録
膜温度分布は図2のようなガウス型となる。ここで、T
xは記録膜3の結晶化温度、TkからTmまでは記録膜
3と記録膜4が拡散合金化する温度、Tmは合金化した
マーク材料部の融点である。
【0018】図2の下部にレーザ照射部の温度の違いに
よる形成されたマーク部の違いを示す。すなわち、合金
化マーク部の融点を越えたマークの中央部14は溶融冷
却されることにより非晶質となる。拡散合金化する温度
から融点までの温度に上昇した部分13aは記録膜3と
記録膜4とが合金化する。一番温度が低い部分13bは
記録膜3のみが結晶化する。この場合部分13a,13
bが記録マークの周辺部13を構成する。
【0019】この従来例の場合、記録膜3及び記録膜4
を構成するSbSe及びSbTeは真空スパッタリング
で成膜した直後は非晶質である。従って、図3で示すよ
うにディスク面でのマーク以外の部分15はレーザ非照
射部であるから非晶質である。そして、上述したように
記録レーザパワーが大きい時にはマークの中央部14も
非晶質となる。また、マークの周辺部13は厳密には最
外周部13aが結晶であり、その内側部が拡散合金化部
13bとなっている。
【0020】ここで問題となるのは、各部分の光学的反
射率である。一般に拡散合金化部13bも融点は越えて
いないから結晶であり、部分13aと13bは共に結晶
ということで反射率は同程度である。また、マークの中
央部14とマークの周囲の地の部分15は非晶質である
から、これらは同程度の反射率である。
【0021】従って、この従来例によれば、記録のレー
ザパワーが8mWと小さい場合にはマーク全体が拡散合
金化部か結晶化部となり再生信号は図4の(a)に示す
ようにきれいなものとなるが、12mWとハイパワーの
レーザで記録したマーク部は図4の(b)に示すように
マークの中央部とマークの外側の部分の反射率が同じに
なるため、再生された波形はマークのエッジ部分のみ反
射率が上がって、中央部は低くなってしまうという不具
合点があった。
【0022】このことは、図5によって実証される。す
なわち、記録時のレーザ出力と再生信号の信号振幅をプ
ロットすると、図5に示すように適正パワー8mWを越
えると、マークの中央部の非晶質化が生じ再生信号が小
さくなっている。
【0023】このような従来技術を踏まえて、以下、本
発明について詳細に説明する。
【0024】この発明の第1の態様に係る情報記録媒体
の一例の構成を図6に示す。図6中、参照符号22はポ
リカーボネート又はガラス製の基板であり、その上に、
誘電体保護層23、成膜直後で非晶質である第1の記録
膜24、結晶性が高く光吸収係数が大きい第2の記録膜
25、紫外線硬化型の有機樹脂層26が順次積層されて
構成されている。誘電体保護膜23は、記録膜の環境試
験特性向上のために必要である場合に設けられるもので
あり、必須なものではない。また、紫外線硬化型の有機
樹脂層26は、ディスクのハンドリング上で生ずる傷等
を防止したり、レーザパルス照射による記録時に記録膜
24、25が溶融して穴があくのを防止するものであ
り、これも必須なものではない。
【0025】次に、本発明の拡散型記録の記録方式を説
明する。図6において、参照符号27、28は、夫々記
録膜24、25におけるレーザビーム21の照射部を示
す。レーザパワーが大きい場合には、パルス状の記録用
レーザビーム21の照射により、従来例と同様に記録マ
ークの中央部は記録膜24、25の融点を越える。ま
た、マークの最外周部は記録膜24が結晶化され、その
すぐ内側部は拡散合金化部となる。
【0026】本発明では、この記録膜24と記録膜25
との溶融時に新たにできる合金膜が結晶質となるよう記
録膜24及び記録膜25の構成材料とその組成が注意深
く設定されている。
【0027】すなわち、記録膜24としては成膜直後が
非晶質であり、常温で化学的に安定な合金であり、かつ
光学的に光干渉性である材料、例えば、SbTe、Sb
Se、GeTe、InSb、GeTeSb、InSbT
e等が選ばれる。記録膜24は、常温で非晶質が安定で
あるためその組成も限定される。例えばSbTeであれ
ばその内Teの含有量は80%を越えてはならない。G
eTeであれば、Teの含有量は95%を越えてはなら
ない。
【0028】また、記録膜25は光吸収性が大きくかつ
結晶性が大きい材料、例えばBiTe、Bi、Te等が
選ばれる。Bi、Teは単元素で結晶性であるが、Bi
Teは組成比によっては成膜直後で非晶質である場合も
あるため、結晶性を強くする観点から組成が限定され
る。すなわち、Teの含有量は70%を越える必要があ
る。
【0029】また、記録膜24と記録膜25の膜厚は次
の2つの観点から決定される。1つは光干渉性であり、
2つの膜がレーザビーム照射により拡散合金化したとき
に、周囲の非合金化部と比べて充分な反射率差が得られ
ることであり、もう1つは記録膜24と記録膜25とが
融点を越えて合金化したときに、混ざり合った合金が結
晶質になるように記録膜24と記録膜25の膜厚の比率
が設定されていることである。この比率は記録膜24と
記録膜25との組み合わせにもよるが、一般的には記録
膜25を記録膜24よりも膜厚を厚く設定することによ
り達成される。
【0030】これにより、本発明の記録膜ではハイパワ
ーのレーザで記録したときでも、記録マークの中央部が
溶融しても非晶質にならず結晶となるため、外周部やそ
の内側と反射率が異なることもなく、マークの外側の非
晶質と明確に区別がつくため良好なコントラストの再生
信号が得られる。
【0031】以下、具体的な実施例に基づいて説明す
る。5インチ径のポリカーボネート製基板22上に、ス
パッタリング装置(図示せず)により誘電体保護膜23
としてSiO2 を300A成膜し、その上に記録膜24
として成膜直後で非晶質が安定であるSb2 Te3 を2
00A成膜した。光吸収係数が大きくて結晶性の記録膜
25としてはBiを500A成膜しその後、スピンコー
ト装置(図示せず)により、紫外線硬化型の樹脂層を約
10μmスピン塗布し、紫外線を照射してこれを硬化さ
せた。
【0032】このようにして作製した5インチの光ディ
スクを1800rpmで回転させて半導体レーザを搭載
した光学ヘッドを用いて記録再生特性を測定した。図7
に特性評価に用いたディスクドライブ装置を示す。5イ
ンチ光ディスク31はスピンドルモータ30により18
00rpmに回転される。入力信号源34から出た信号
は、変調回路35を経て所定のコードに変換されレーザ
ドライバー36でレーザのオンオフ信号として光学ヘッ
ド32からディスク31面上へ情報が書き込まれてい
く。この時光学ヘッド32は駆動制御系44によって対
物レンズアクチュエータのフォーカス駆動部41とトラ
ック駆動部42が制御されている。また、光学ヘッド全
体の位置はリニアモータ駆動部43によりリニアモータ
33を所定の位置へ移動させるよう制御されている。
【0033】次に信号の再生は、連続発信しているレー
ザを光学ヘッドからディスク31面へ照射し、その反射
光を同じ光学ヘッドで読み取り、これを電気信号に変換
しプリアンプ37で信号を増幅し2値化回路38を元の
デジタル信号に変換して、その後変復調回路39を経て
入力信号源と同じオリジナル信号の再生信号40とな
る。特性評価のためには、信号はランダムでなく、デュ
ーティ50%の特定周波数で記録し、その後再生した。
【0034】図8に、記録したレーザパルスのパワーに
対する再生信号振幅の大きさを任意単位で示す。再生信
号振幅は記録レーザパワーが8mW以上で完全に一定値
に飽和しており、従来例のようにハイパワー側で振幅が
減少しないことが確認された。
【0035】また、図9には適正記録レーザパワー8m
Wで記録した時のマーク(aで示す)及びオーバパワー
16mWで記録した時のマーク(bで示す)における透
過型電子顕微鏡観察写真をスケッチした図及び再生信号
波形を示す。図の(a)に示すように、8mWで記録し
たマークの中央部は中ぐらいの結晶粒があり、その外側
は微細な結晶粒であった。一方、(b)で示すように、
16mWで記録したマークは中央部は粗大な結晶粒が成
長し、周辺部は中くらいの結晶粒であった。これに対し
て、再生信号波形は(a)、(b)ともに同じであっ
た。このことから、結晶部分の粒径の違いは反射率の違
いには反映せず、記録パワーにかかわらず記録マークの
中央部が結晶化し、良好な再生信号波形が得られること
が確認された。
【0036】以上説明したように、本態様によれば、透
光性の基板上に成膜直後で非晶質が安定に存在する第1
の記録膜と、吸収係数が大きく強い結晶性を示す第2の
記録膜をこの順に積層し、レーザパルスが照射された部
分において2層の記録膜を拡散合金化させ、かつ記録す
るレーザパワーの大きさに依存することなく、拡散合金
化したマーク全体が結晶質となるので、安定した記録再
生が可能となり、製品としてマージンのある光ディスク
装置を提供することができる。
【0037】なお、この態様においては、上記原理に基
づく拡散合金化記録であれば、記録材料は限定されず、
記録膜24及び25の材料として、Sb2 Te3 及びB
iに限ることなく、上述したような種々の材料を選択す
ることができる。
【0038】次に、この発明の第2の態様について説明
する。
【0039】この態様においては、成膜状態で非晶質の
第1の記録膜と、光吸収性を有し、成膜状態で結晶質の
第2の記録膜とを有し、記録用レーザーパルス照射によ
りこれらが溶融拡散合金化した部分が、中央部が非晶質
で周辺部が結晶質となるように材料を選択し、かつ情報
記録部位の長さ又は情報記録部位間の長さを信号として
検出するいわゆるマークエッジ記録を行う情報記録媒体
を用いる。すなわち、本願発明者らが鋭意研究を重ねた
結果、図4の(b)に示すような従来不都合であった再
生波形であっても、マークエッジ記録を行うことにより
十分な再生信号が得られることを見出した。この態様
は、従来不都合とされていた中央部が非晶質の記録マー
クを積極的に形成し、エッジマーク記録を行うことによ
り大きな再生信号を得るものである。
【0040】まず、図10を用いてピット位置記録とマ
ークエッジ記録について説明する。ピット位置記録では
(a)に示すように、記録マークの中心の位置を検出し
て2値化し、1、0の信号へ変換する。一方、マークエ
ッジ記録では(b)に示すように、いったん再生した波
形を微分してマークのエッジ部分の位置を検出し、エッ
ジ部分に1の信号を対応させて2値化を行う。
【0041】原理的に1つのマークに対して、ピット位
置記録では1つの1しか対応し、マークエッジ記録では
2つの1が対応するため、記録密度を上げるためにはマ
ークエッジ記録の方が適している。
【0042】ところで、図4の(b)を見ると、ハイパ
ワーで記録したマークからの再々信号は明らかにマーク
のエッジ部分を検出していることが分かる。従ってこの
生の再生信号をそのまま2値化すればマーク長記録によ
る記録が可能である。
【0043】この態様では、図6における記録膜24及
び記録膜25の溶融時に新たにできる合金膜が非晶質と
なるように記録膜24及び記録膜25の構成材料とその
組成が注意深く設定されている。
【0044】すなわち、記録膜24としては成膜直後が
非晶質であり、常温で化学的に安定な合金であり、かつ
光学的に光干渉性である材料、例えば、SbTe、Sb
Se、GeTe、InSb、GeTeSb、InSbT
e等が選ばれる。記録膜24は、常温で非晶質が安定で
あるためその組成も限定される。例えばSbTeであれ
ばその内Teの含有量は80%を越えてはならない。G
eTeであれば、Teの含有量は95%を越えてはなら
ない。
【0045】記録膜25は、光吸収係数が大きくかつ成
膜直後で非晶質が化学的に安定な材料例えば、SbT
e、BiTe、SnTe等から選ばれる。これらの合金
が、上記条件を満たすためには組成は限定される。すな
わち、SbTeで非晶質が安定であるためにはTeの含
有量は80%を越えてはならない。更に光吸収率が大き
いためには60%以下が適当である。また、BiTeは
どの組成でも光吸収係数は大きいが非晶質が安定である
ためには、Teの含有量は70%を越えてはならない。
同様にSnTeも光吸収係数は大きいが、非晶質が安定
なためにはTeの含有量は30から70%が適当であ
る。
【0046】また、記録膜24と記録膜25の膜厚は次
の2つの観点から決定される。1つは光干渉性であり、
2つの膜がレーザビーム照射により拡散合金化したとき
に、回りの非合金化部と比べて充分な反射率差が得られ
ることであり、もう1つは、記録膜24と記録膜25が
融点を越えて合金化したとき混ざり合った合金が非晶質
になるように記録膜9と記録膜10の膜厚の比率が設定
されていることである。この比率は記録膜24と記録膜
25との組み合わせにもよるが、一般的には記録膜25
の方が光吸収係数が大きい分より結晶になりやすいこと
を考慮すると記録膜24よりも膜厚を薄く設定すること
が望ましい。
【0047】以下、第2の態様における具体的な実施例
について図6を参照しながら説明する。5インチ径のポ
リカーボネート製基板22上に、スパッタリング装置
(図示せず)によりSiO2 保護膜8300A成膜しそ
の上にGe2 Sb2 Te5 からなる記録膜8を350A
及び光吸収性のSb2 Te3 記録膜9を300A積層し
た。さらにスピンコート装置(図示せず)により、紫外
線硬化型の樹脂層を約10μm厚塗布した後、紫外線を
照射してこれを硬化させた。
【0048】このようにして作製した5インチの光ディ
スクを1800rpmで回転させて記録再生実験を行っ
た。記録再生実験には、図7の光ディスクドライブ装置
を用いた。特性評価のためには、信号はランダムでな
く、デューティ50%の特定周波数で記録し、その後再
生した。
【0049】図11に、記録したレーザパルスのパワー
に対する再生信号振幅の大きさを任意単位で示す。10
mW以上の記録レーザパワーに対して再生信号は明かに
減少していき、12mW以上で一定値に飽和した。ま
た、記録マーク部の透過電子顕微鏡写真(TEM)像は
図4の(b)と同様、中央部が溶融して非晶質化してい
た。また、周辺部は結晶であった。これは、Ge2 Sb
2 Te5 の組成に対してSbとTeが過剰に混ざったG
eSbTe合金膜では溶融後非晶質になりやすいという
特性が反映されている。
【0050】更にこの5インチディスクに対して、記録
パワー14mWで(1,7)マークエッジ記録を行い、
マークエッジ部からの再生信号のピーク値をそのまま2
値化し1のコードから7のコードまでの各コードのジッ
ターをタイムインターバルアナライザで測定したとこ
ろ、図12のようになった。この図から各コードのジッ
ター分布は完全に分離されていて解像が可能であること
がわかる。従って、14mWの記録パワーでは、図11
からは再生信号は小さいが、2値化は十分可能であり、
しかも通常のマークエッジ記録で必要な微分処理をしな
くとも充分正確にマークのエッジが検出できることが証
明された。
【0051】以上説明したように、第2の態様において
は、透明基板上に光干渉性の第1の非晶質記録膜と光吸
収性の第2の非晶質記録膜をこの順に積層し、高い記録
レーザパワーにて2つの記録膜材料が溶融合金化し、冷
却後記録マークの中央部が非晶質に、周辺部が結晶質に
なるように第1の記録膜及び第2の記録膜の材料及び組
成を選択し、マークの周辺部の結晶部からの反射率変化
量を検出してマークエッジを判別し2値化を行うマーク
エッジ記録方式を採用するので、広いパワーマージンで
なおかつ比較的簡単な2値化回路で良好なマークエッジ
記録が可能である。
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、追記型でかつ拡散合
金型の情報記録媒体を前提とし、記録用レーザビームの
パワーが大きくても十分な再生信号を得ることができる
情報記録媒体及び情報記録方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の拡散合金化記録を利用した情報記録媒体
を示す概略構成図。
【図2】ハイパワーのレーザパルスを照射したときの記
録膜の温度分布、及び記録マークの状態を示す図。
【図3】従来の情報記録媒体においてハイパワーのレー
ザパルスで記録したときの記録マークを示す図。
【図4】従来の情報記録媒体において、適正な記録パワ
ーで記録したときの記録マークとハイパワーで記録した
時の記録マークを対比して説明する図。
【図5】従来の情報記録媒体における記録レーザパワー
と再生信号振幅との関係を示す図。
【図6】本発明の実施例に係る情報記録媒体を示す概略
構成図。
【図7】本発明に係る情報記録媒体の特性評価に用いた
ディスクドライブ装置を示す概略構成図。
【図8】本発明の第1の態様に係る情報記録媒体におけ
る記録レーザパワーと再生信号振幅との関係を示す図。
【図9】本発明の第1の態様に係る情報記録媒体におい
て、適正な記録パワーで記録したときの記録マークとハ
イパワーで記録した時の記録マークを対比して説明する
図。
【図10】ピット位置記録及びマークエッジ記録の説明
図。
【図11】本発明の第2の態様に係る情報記録媒体にお
ける記録レーザパワーと再生信号振幅との関係を示す
図。
【図12】本発明の第2の態様に係る情報記録媒体にハ
イパワーのレーザパルスにて(1,7)マークエッジ記
録した際における、結晶性のマークエッジ部からの再生
信号のピーク位置をそのまま2値化して、1のコードか
ら7のコードのジッター分布を測定した結果を示す図。
【符号の説明】
21…レーザビーム、22…基板、23…誘電体保護
膜、24…第1の記録膜、25…第2の記録膜、26…
紫外線硬化型樹脂膜、27,28…レーザ照射部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性の基板と、その上に形成され、成
    膜状態で非晶質の第1の記録膜と、さらにその上に形成
    されかつ光吸収性を有し、成膜状態で結晶質の第2の記
    録膜とを備え、これら第1及び第2の記録層は、基板側
    からの記録用レーザビームの照射により溶融拡散合金化
    し、その部分が情報記録部位となり、この情報記録部位
    は結晶質であることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 透光性の基板と、その上に形成され、成
    膜状態で非晶質の第1の記録膜と、さらにその上に形成
    されかつ光吸収性を有し、成膜状態で結晶質の第2の記
    録膜とを備え、前記第1の記録膜はSbTe、SbS
    e、GeTe、InSb、GeTeSb、及びInSb
    Teからなる群から選択された材料で形成され、前記第
    2の記録膜はBiTe、Bi、Teからなる群から選択
    された材料で形成され、基板側からの記録用レーザビー
    ムの照射によりこれらが溶融拡散合金化し、結晶質の情
    報記録部位が形成されることを特徴とする情報記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 透光性の基板と、その上に形成され、成
    膜状態で非晶質の第1の記録膜と、さらにその上に形成
    されかつ光吸収性を有し、成膜状態で結晶質の第2の記
    録膜とを備えた情報記録媒体に、基板側から記録用レー
    ザビームを照射し、これら2つの記録膜を溶融拡散合金
    化し、冷却後その部分を結晶質の情報記録部位とするこ
    とを特徴とする情報記録方法。
  4. 【請求項4】 透光性の基板と、その上に形成され、成
    膜状態で非晶質の第1の記録膜と、さらにその上に形成
    されかつ光吸収性を有し、成膜状態で非晶質の第2の記
    録膜とを備え、これら第1及び第2の記録層は、基板側
    からの記録用レーザビームの照射により溶融拡散合金化
    し、その部分が情報記録部位となり、この情報記録部位
    は中央部が非晶質で周辺部が結晶質であり、該情報記録
    部位の長さ又は情報記録部位間の長さが信号として検出
    されることを特徴とする情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 透光性の基板と、その上に形成され、成
    膜状態で非晶質の第1の記録膜と、さらにその上に形成
    されかつ光吸収性を有し、成膜状態で非晶質の第2の記
    録膜とを備え、前記第1の記録膜はSbTe、SbS
    e、GeTe、InSb、GeTeSb、及びInSb
    Teからなる群から選択された材料で形成され、前記第
    2の記録膜はSbTe、BiTe、SnTeからなる群
    から選択された材料で形成され、基板側からの記録用レ
    ーザビームの照射によりこれらが溶融拡散合金化し、中
    央部が非晶質で周辺部が結晶質の情報記録部位が形成さ
    れ、該情報記録部位の長さ又は情報記録部位間の長さが
    信号として検出されることを特徴とする情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 透光性の基板と、その上に形成され、成
    膜状態で非晶質の第1の記録膜と、さらにその上に形成
    されかつ光吸収性を有し、成膜状態で非晶質の第2の記
    録膜とを備えた情報記録媒体に、基板側から記録用レー
    ザビームを照射し、これら2つの記録膜を溶融拡散合金
    化し、冷却後その部分を中央部が非晶質で周辺部が結晶
    質の情報記録部位とし、該情報記録部位の長さ又は情報
    記録部位間の長さを信号とすることを特徴とする情報記
    録方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6623825B2 (en) 2001-03-14 2003-09-23 3M Innovative Properties Company Method of detackifying an edge face of a roll of tape
US7060352B2 (en) 2001-03-14 2006-06-13 3M Innovative Properties Company Method of detackifying an edge face of a roll of tape using a radiation curable composition
KR100694047B1 (ko) * 2004-05-17 2007-03-12 삼성전자주식회사 정보저장매체 및 정보기록재생장치
US7669547B2 (en) 2001-03-14 2010-03-02 3M Innovative Properties Company Coating apparatus

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