JP2917566B2 - 燃焼室の構造及びその製造法 - Google Patents

燃焼室の構造及びその製造法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ピストンヘッド本体
に形成したキャビティに燃焼室開口を形成する半径方向
内向きに伸びるリップ部を備えた燃焼室の構造及びその
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミック組込型ピストンとし
て、実開昭60−141446号公報に開示されたもの
がある。該公報に開示されたセラミック組込型ピストン
は、アルミニウム合金から成るピストン本体の燃焼室側
の凹部にセラミック部材を組込んだものであり、セラミ
ック部材の外周に熱膨張係数が10〜23×10- 1
℃の耐熱耐食性金属リングで且つ頭部に複数の締結用孔
を備えた突出部を有する金属リングを接合して該突端を
セラミック部材の上端面より突出させ、前記金属リング
の外周に前記ピストン本体の凹部に設けられた雌ねじ部
に螺着する雄ねじ部を螺刻した組立体とし、この組立体
を前記ピストン本体に締着した後、前記締結用孔を含む
突出部を除去したものである。
【0003】また、内燃機関用ピストンとして、実開昭
58−98455号公報に開示されたものがある。該公
報に開示された内燃機関用ピストンは、アルミニウム、
鋳鉄などの金属よりなるピストン基部に、コバール、4
2アロイなど熱膨張率が3〜9×10- 6 /℃の金属体
を介してセラミックスを結合し、金属体とセラミックス
とはメタライズ或いはろう付けで結合したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、直噴式ディ
ーゼルエンジンの燃焼室において、ピストンヘッド本体
に形成する燃焼室としてリエントラント型燃焼室を用い
る場合、燃焼室開口を形成するリップ部の先端を先尖り
にシャープに形成することによって、シリンダ内と燃焼
室内とを出入りする空気の乱れ即ちスキッシュ流及び逆
スキッシュ流の乱れが増加し、空気と燃料との混合が促
進され、混合気生成が早くなり、燃焼状態が良好になっ
てスモークの発生を低減できる燃焼を確保することがで
きる。
【0005】しかしながら、従来のようなアルミニウム
材或いはセラミックファイバー強化アルミニウム材から
形成したピストンでは、燃焼室を構成するリップ部の先
端を先尖りにシャープに形成すると、リップ部先端の温
度は高温になり、リップ部に加わる熱負荷即ち熱応力の
ためにリップ部の溶解現象、クラック発生等の破損が発
生し、リップ部の先端を鋭くするにも限界があった。ま
た、リップ部の先端部を耐熱性に優れた非アルミニウム
材、例えば、ニレジスト、スチール、Fc、セラミック
ス等を使用した場合には、ピストンヘッド本体を構成す
るアルミニウム材とリップ部との間に、熱膨張率に大き
な差があり、繰り返しの熱負荷によって熱膨張が大きく
異なり、境界面或いは結合面に剥離、がた等が発生する
という問題があった。
【0006】上記のような問題は、前掲実開昭60−1
41446号公報に開示されたセラミック組込型ピスト
ンにも同様な問題がある。即ち、該セラミック組込型ピ
ストンは、アルミニウム合金から成るピストン本体に金
属リングをねじで締着し、該金属リングをセラミック部
材に接合したものであるが、金属とセラミックスとは熱
膨張率が異なり、熱応力を受けるようなピストンヘッド
ではねじは緩み、セラミック部材にクラックや亀裂が発
生し、セラミック部材の破損の問題がある。
【0007】また、前掲実開昭58−98455号公報
に開示された内燃機関用ピストンについても、金属体と
セラミックスとの結合状態に上記と同様の問題を有して
いる。
【0008】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、頂面が半径方向内向きに先尖りの
リング状に伸びて中央に燃焼室開口を形成した金属製ピ
ストンヘッド本体に形成した燃焼室において、高温強度
と耐熱性に富んだセラミック材料から成るリップ部を熱
膨張率の異なる熱膨張調整金属から成るリング結合体の
内壁面に塑性変形で結合し、リング結合体の外周面をピ
ストンヘッド本体に形成したキャビティ壁面に塑性変形
で接合し、それによって、リング結合体自体の精度寸法
を余り要求されることなく、ピストンヘッド本体とリン
グ結合体との結合を容易に達成して且つ強固な結合状態
を確保し、更に、リップ部のセラミック材料から外周部
のピストンヘッド本体の金属材料まで熱膨張率が漸次に
変化する構造に構成した燃焼室の構造及びその製造法を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を解決するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、頂面に形成したキャビティで燃焼室を構成
した金属材料から成るピストンヘッド本体、該ピストン
ヘッド本体のキャビティ壁面に塑性変形で結合した熱膨
張率の異なる熱膨張調整金属から成るリング結合体、及
び該リング結合体の内周面に塑性変形で結合した耐熱性
に富み且つ低熱膨張率のセラミックスから成る半径方向
内向きに伸びるリップ部から構成した燃焼室の構造に関
する。
【0010】或いは、この発明は、熱膨張率の異なる熱
膨張調整金属からリング結合体の内周面に低熱膨張率の
セラミックスから成る半径方向内向きに伸びるリップ部
を嵌入して前記リング結合体を塑性変形させて前記リン
グ結合体と前記リップ部とを結合し、更に、前記リング
結合体を金属から成るピストンヘッド本体に形成したキ
ャビティ壁面に嵌入して前記リング結合体を塑性変形さ
せて前記リング結合体を前記ピストンヘッド本体に結合
した燃焼室の製造法に関する。
【0011】
【作用】この発明による燃焼室の構造及びその製造法
は、以上のように構成されており、次のように作用す
る。即ち、本発明は、金属材料から成るピストンヘッド
本体のキャビティ壁面に熱膨張率の異なる熱膨張調整金
属から成るリング結合体を塑性変形で結合し、リング結
合体の内周面に耐熱性に富み且つ低熱膨張率のセラミッ
クスから成る半径方向内向きに伸びるリップ部か塑性変
形で結合したので、前記リング結合体の前記キャビティ
の壁面に対する位置決めを正確に且つ確実に行うことが
でき、金属製ピストンヘッド本体に対する前記リング結
合体の結合及び前記リング結合体と前記リップ部との結
合を短時間に且つ容易に達成でき、燃焼室の製作が容易
であり、しかも、燃焼室の構造として強固で信頼性に富
む強固な接合構造を得ることができ、繰り返しの熱負荷
を受けても接合面でのがたが発生することはない。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による燃焼
室の構造及びその製造法の実施例を説明する。図1はこ
の発明による燃焼室の構造の一実施例を示す概略断面
図、図2は図1の符号A部分の拡大断面図、図3は図1
の燃焼室におけるリップ部とリング結合体との製造工程
を示す説明図、及び図4は図1の燃焼室におけるリング
結合体とピストンヘッド本体との製造工程を示す説明図
である。
【0013】このピストンは、図1に示すように、ピス
トンヘッド本体1に形成した燃焼室5を形成するキャビ
ティ11の上方を覆うように半径方向内向きに先尖り形
状で伸び且つ燃焼室開口23を備えたループ状リップ部
3を有するリエントラント型ピストンに関するものであ
る。このリエントラント型ピストンは、鋳込み成形した
ピストンスカート及び該ピストンスカートに固定され且
つ燃焼室5を構成するキャビティ11を備えたアルミニ
ウム、アルミニウム合金等の金属材から成るピストンヘ
ッド本体1から成り、燃焼室5はキャビティ11の上面
に開口23及び該開口23より面積の大きいキャビティ
11の底面19を有しているものである。更に、このピ
ストンは、燃焼室5を構成する上部壁体構造に特徴を有
しており、ピストンヘッド本体1に形成したキャビティ
11、該キャビティ11を形成するキャビティ壁面2
0、該キャビティ壁面20にメタルフローによる塑性変
形で結合したリング結合体4、及びリング結合体4にメ
タルフローによる塑性変形で結合したリップ部3を有し
ている。リップ部3は、半径方向内向きに先尖りにルー
プ状に伸びて中央部に燃焼室開口23を形成するシャー
プな先端部2を備えている。リング結合体4は、熱膨張
率の異なる複数のリング12,13,14,15を結合
した傾斜機能材である熱膨張調整金属から形成されてい
る。
【0014】このリエントラント型ピストンにおいて、
リップ部3は、耐熱性に富み且つ高温強度に富んだ材
料、例えば、窒化ケイ素(Si3 4 )、炭化ケイ素
(SiC)等のセラミックスから製作されている。この
リップ部3は、開口13を形成する先端部2が極めて鋭
角に先尖りのアール状態に形成され、外周面には半径方
向内向きに凹んだ溝部6が形成されている。
【0015】リング結合体4は、図2に示すように、半
径方向に順次に配置し且つ隣接周面を互いに接合した複
数個(図では4個)のリング12,13,14,15か
ら成り、内側のリングの熱膨張率が外側のリングの熱膨
張率より小さい材料から成る傾斜機能材から製作されて
いる。例えば、リング結合体4の傾斜機能材は、リップ
部3とピストンヘッド本体1との両者の熱膨張率の中間
の熱膨張率を有する金属材料から成り、底熱膨張金属
(1〜5×10- 6 /℃)としては、ニッケル系、コバ
ルト系、鉄系の金属材料から製作され、例えば、コバー
ル、42アロイ、インバー、スーパインバー、インコロ
イ903等を挙げることができ、また、高熱膨張金属
(15〜20×10- 6 /℃)としては、純ニッケル、
SUS304等を挙げることができる。一例として、最
内周側リング12をコバール(Kover)、42アロ
イ等で製作し、最外周側リング15をニッケル系金属、
SUS304等の高熱膨張金属材料で製作し、中間のリ
ング13,14をリング12とリング15との中間の熱
膨張率を有するインコロイ(Incolloy)で製作
し、各リング12,13,14,15をろう付け等で接
合して一体構造に構成されている。各リングを上記のよ
うな材料で製作することによって、リップ部3側に位置
するリング12はリップ部3の熱膨張率に近い熱膨張率
の材料から構成でき、また、ピストンヘッド本体1側に
位置するリング15はピストンヘッド本体1の熱膨張率
に近い熱膨張率の材料から構成できることになる。従っ
て、リング結合体4は、内周側から外周側に向かって段
階的に熱膨張率が変化するように構成され、窒化ケイ
素、炭化ケイ素等のセラミック材料に近い熱膨張率から
アルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料の熱膨張
率に近い状態に構成される。
【0016】次に、この発明による燃焼室の製造法は、
図面を参照して説明する。まず、第1工程として、図3
に示すように、熱膨張率の異なる金属材料から成る複数
個のリング12,13,14,15を半径方向に順次に
配置し且つ隣接する周面をろう付け等で互いに接合して
リング結合体4を製作する。この時、リング結合体4
は、内側のリング12の上部にはメタルフローのための
突出部8が形成されている。そこで、内側のリング12
の内周面17にリップ部3の外周面18を嵌入する。次
いで、リング結合体4の内側のリング12の上部に形成
した突出部8を高周波コイル23等で加熱し、リング1
2をメタルフローさせると共にプレス治具9によって突
出部8を押圧してリング12を塑性変形させ、図3に示
すように、リップ部3に形成した溝10にリング12を
塑性流動させて突出部6を嵌入させ、リング結合体4に
リップ部3を化学的に且つ機械的に結合し、極めて強固
な結合状態を得る。
【0017】また、図4に示すように、ピストンヘッド
本体1のキャビティ壁面20には半径方向外向きに形成
した溝22が形成されている。また、外側のリング15
の上部にはメタルフローのための突出部16が形成され
ている。そこで、リング結合体4の内周面17にリップ
部3を接合した後に、該リング結合体4の外周面21を
アルミニウム合金等の金属材料から成るピストンヘッド
本体1のキャビティ壁面20に嵌入して配置する。次い
で、リング結合体4の外側のリング15の上部に形成し
た突出部16を高周波コイル23等で加熱し、リング1
5をメタルフローさせると共にプレス治具9によって突
出部16を押圧してリング15を塑性変形させ、図2に
示すように、キャビティ壁面20に形成した溝22にリ
ング15を塑性流動させて突出部7を嵌入させ、ピスト
ンヘッド本体1にリング結合体4を化学的に且つ機械的
に結合し、極めて強固な結合状態を得る。
【0018】更に、リング結合体4をピストンヘッド本
体1に結合した後に、該一体構造体のピストンヘッド部
の上面及びキャビティ11壁面を加工して平滑な面に仕
上げ、ピストンヘッドを完成させる。
【0019】この発明による燃焼室の製造法は、上記の
ようにピストンを製作するので、燃焼室5を構成するリ
ップ部3、リング結合体4及びピストンヘッド本体1は
極めて強固に結合され、リップ部3がリング結合体4か
ら抜け出すことはなく、またリング結合体4がピストン
ヘッド本体1から抜け出すことはない。
【0020】この発明による燃焼室の製造法で製作した
ピストンは、上記のように構成されているので、次のよ
うに作用する。即ち、エンジンが運転された場合に温度
差によってリップ部3とピストンヘッド本体1との間で
熱膨張差によって大きな熱応力が生じても、熱膨張率の
異なる熱膨張調整金属から成るリング結合体4が緩衝材
として機能し、リップ部3とピストンヘッド本体1との
間で温度差による熱膨張差を吸収する。それ故に、燃焼
室5に温度変化が発生してリップ部3とピストンヘッド
本体1との間に熱膨張差が発生しても、リップ部3にク
ラック、亀裂等が発生せず燃焼室5が破壊されるような
ことがない。しかも、リップ部3の先端部2は先尖りで
シャープな鋭角形状であって燃焼ガスからの熱の流入が
大きいが、リップ部3に流入した熱はリング結合体4を
通じてピストンヘッド本体1方向へ妨げられずに流れ、
ピストンスカート、ピストンリング等を通じてシリンダ
ライナ側へ流出する。従って、リップ部3の温度を高温
に維持することなく、温度上昇を抑えるので、リップ部
3のエッジを鋭角な先尖りの形状に構成しても、先端部
2即ちエッジが溶損したり、割れたりすることがない。
【0021】また、リップ部3は、熱膨張率が小さく耐
熱性に富んだセラミックス等の材料で製作するので、開
口23を形成するリップ部3のエッジを極めて鋭角に形
成し且つ該形状を高温状態でも維持できる。従って、ピ
ストンの上昇の圧縮行程で発生するスキッシュ流及びピ
ストン下降の爆発行程で発生する逆スキッシュ流を増強
することができ、空気と燃料との混合を促進してカーボ
ン発生量を抑制し且つ燃料消費量を低減する燃焼を行わ
せ、燃焼状態を改善することができる。
【0022】
【発明の効果】この発明による燃焼室の構造及びその製
造法は、以上のように構成したので、次のような効果を
有する。即ち、この燃焼室の構造は、金属材料から成る
ピストンヘッド本体のキャビティ壁面に熱膨張率の異な
る熱膨張調整金属から成るリング結合体を塑性変形で結
合し、リング結合体の内周面に耐熱性に富み且つ低熱膨
張率のセラミックスから成る半径方向内向きに伸びるリ
ップ部か塑性変形で結合したので、前記リング結合体の
前記キャビティの壁面に対する位置決めが極めて容易で
あり、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製ピス
トンヘッド本体に対する前記リング結合体の結合及び前
記リング結合体と前記リップ部との結合が短時間に且つ
容易に行うことでき、しかも、強固で信頼性に富む接合
構造を得ることができる。
【0023】また、この燃焼室の製造法は、熱膨張率の
異なる熱膨張調整金属から成るリング結合体の内周面に
低熱膨張率のセラミック材から成るリップ部を塑性変形
で接合すると共に、前記リング結合体の外周面に金属材
料から成るピストンヘッド本体を塑性変形で結合したの
で、前記リップ部のセラミック材料から外周部の前記ピ
ストンヘッド本体の金属材料まで熱膨張率が漸次に変化
する構造に構成でき、前記リップ部と前記ピストンヘッ
ド本体との熱膨張差を熱膨張調整金属から前記リング結
合体で吸収して熱膨張差による前記リップ部の割れ、ク
ラック等の損傷の発生を防止できる。
【0024】しかも、この燃焼室の製造法では、前記リ
ップ部と前記リング結合体とをメタルフロー即ち塑性変
形で結合し、また、前記リング結合体と前記ピストンヘ
ッド本体とを塑性変形で結合するので、前記リップ部の
外周面、前記リング結合体の内周面及び外周面は勿論の
こと、前記ピストンヘッド本体のキャビティ壁面の寸法
精度も荒くて済み、製造コストを低減でき、結合も極め
て容易に且つ強固に結合することができる。しかも、被
メタルフロー側の部材、即ち前記リップ部と前記ピスト
ンヘッド本体とに溝を形成しておけば、化学的結合は勿
論のこと、機械的にも境界面を強固に結合することがで
きる。
【0025】更に、前記リップ部を耐熱性に富み且つ高
温高強度のセラミックスで製作し、該リップ部を前記リ
ング結合体で前記ピストンヘッド本体に結合したので、
前記リップ部が高温になるのを回避することができる。
それ故、前記リップ部の先端部を鋭角に先尖り状態に形
成しても、燃焼ガスによって前記リップ部の先端部が高
温になっても直ちに熱を移動させて高温状態に維持され
るのを回避し、高温による前記リップ先端部の溶損を防
止することができる。そこで、前記リップ部の先端部を
鋭角に先尖りに形成できるので、ピストンの上昇の圧縮
行程で発生する燃焼室内へ流入するスキッシュ流、及び
ピストン下降の爆発行程で発生する燃焼室内から流出す
る逆スキッシュ流を増大することができ、該スキッシュ
流及び該逆スキッシュ流による噴霧燃料と空気との混合
を一層良好に達成でき、従来のリエントラント型ピスト
ンに比較して、カーボン発生量を抑制し且つ燃料消費量
を低減して燃焼を改善することができる。特に、このリ
エントラント型ピストンを直噴式ディーゼルエンジンに
用いた場合に、該エンジンの燃焼状態を改善できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による燃焼室の構造の一実施例を示す
概略断面図である。燃焼室の製造法で製作したピストン
の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】図1の符号A部分の拡大断面図である。
【図3】図1の燃焼室におけるリップ部とリング結合体
との製造工程を示す説明図である。
【図4】図1の燃焼室におけるリング結合体とピストン
ヘッド本体との製造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ピストンヘッド本体 2 先端部 3 リップ部 4 リング結合体 5 燃焼室 11 キャビティ 12 リング 13 リング 14 リング 15 リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−10457(JP,A) 実開 昭60−141448(JP,U) 実開 昭58−98455(JP,U) 実開 昭60−141446(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02F 3/26 F02F 3/00 F02F 3/00 301 F02F 3/00 302 F02F 3/02 F02F 3/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頂面に形成したキャビティで燃焼室を構
    成した金属材料から成るピストンヘッド本体、該ピスト
    ンヘッド本体のキャビティ壁面に塑性変形で結合した熱
    膨張率の異なる熱膨張調整金属から成るリング結合体、
    及び該リング結合体の内周面に塑性変形で結合した耐熱
    性に富み且つ低熱膨張率のセラミックスから成る半径方
    向内向きに伸びるリップ部から構成した燃焼室の構造。
  2. 【請求項2】 熱膨張率の異なる熱膨張調整金属からリ
    ング結合体の内周面に低熱膨張率のセラミックスから成
    る半径方向内向きに伸びるリップ部を嵌入して前記リン
    グ結合体を塑性変形させて前記リング結合体と前記リッ
    プ部とを結合し、更に、前記リング結合体を金属から成
    るピストンヘッド本体に形成したキャビティ壁面に嵌入
    して前記リング結合体を塑性変形させて前記リング結合
    体を前記ピストンヘッド本体に結合した燃焼室の製造
    法。
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