JP2903741B2 - 燃焼室の構造 - Google Patents
燃焼室の構造Info
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- JP2903741B2 JP2903741B2 JP3055489A JP5548991A JP2903741B2 JP 2903741 B2 JP2903741 B2 JP 2903741B2 JP 3055489 A JP3055489 A JP 3055489A JP 5548991 A JP5548991 A JP 5548991A JP 2903741 B2 JP2903741 B2 JP 2903741B2
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- Japan
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- thermal expansion
- ring
- coefficient
- combustion chamber
- piston head
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2251/00—Material properties
- F05C2251/04—Thermal properties
- F05C2251/042—Expansivity
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- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ピストンヘッド本体
に形成したキャビティ壁面に熱膨張率の異なる傾斜機能
材を介して耐熱性のリップ部を組付けた燃焼室の構造に
関する。
に形成したキャビティ壁面に熱膨張率の異なる傾斜機能
材を介して耐熱性のリップ部を組付けた燃焼室の構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミック組込型ピストンとし
て、実開昭60−141446号公報に開示されたもの
がある。該公報に開示されたセラミック組込型ピストン
は、アルミニウム合金から成るピストン本体の燃焼室側
の凹部にセラミック部材を組み込んだものであり、セラ
ミック部材の外周に熱膨張係数が10〜23×10- 1
/℃の耐熱耐食性金属リングで且つ頭部に複数の締結用
孔を備えた突出部を有する金属リングを接合して該突端
をセラミック部材の上端面より突出させ、前記金属リン
グの外周に前記ピストン本体の凹部に設けられた雌ねじ
部に螺着する雄ねじ部を螺刻した組立体とし、この組立
体を前記ピストン本体に締着した後、前記締結用孔を含
む突出部を除去したものである。
て、実開昭60−141446号公報に開示されたもの
がある。該公報に開示されたセラミック組込型ピストン
は、アルミニウム合金から成るピストン本体の燃焼室側
の凹部にセラミック部材を組み込んだものであり、セラ
ミック部材の外周に熱膨張係数が10〜23×10- 1
/℃の耐熱耐食性金属リングで且つ頭部に複数の締結用
孔を備えた突出部を有する金属リングを接合して該突端
をセラミック部材の上端面より突出させ、前記金属リン
グの外周に前記ピストン本体の凹部に設けられた雌ねじ
部に螺着する雄ねじ部を螺刻した組立体とし、この組立
体を前記ピストン本体に締着した後、前記締結用孔を含
む突出部を除去したものである。
【0003】また、内燃機関用ピストンとして、実開昭
58−98455号公報に開示されたものがある。該内
燃機関用ピストンは、アルミニウム、鋳鉄等の金属材料
より成るピストン基部に、コバール、42アロイ等の熱
膨張率が3〜9×10- 6 /℃の金属体を介してセラミ
ックスを結合したものである。
58−98455号公報に開示されたものがある。該内
燃機関用ピストンは、アルミニウム、鋳鉄等の金属材料
より成るピストン基部に、コバール、42アロイ等の熱
膨張率が3〜9×10- 6 /℃の金属体を介してセラミ
ックスを結合したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リエントラ
ント型ピストンにおける燃焼室では、燃焼室入口即ち燃
焼室開口部のリップ先端部を先尖りに鋭く形成すると、
スキッシュ流及び逆スキッシュ流の乱れが増大し、燃料
と空気との混合が均一化され、燃焼状態が良好になる。
ント型ピストンにおける燃焼室では、燃焼室入口即ち燃
焼室開口部のリップ先端部を先尖りに鋭く形成すると、
スキッシュ流及び逆スキッシュ流の乱れが増大し、燃料
と空気との混合が均一化され、燃焼状態が良好になる。
【0005】しかしながら、従来のようなアルミニウム
材或いはセラミックファイバー強化アルミニウム材から
形成したピストンでは、燃焼室を構成するリップ部の先
端を先尖りにシャープに形成すると、リップ部先端の温
度は高温になり、リップ部に加わる熱負荷即ち熱応力の
ためにリップ部の溶損現象、クラック発生等の破損が発
生し、リップ部の先端を鋭くするにも限界があった。ま
た、リップ部の先端部を耐熱性に優れた非アルミニウム
材、例えば、ニレジスト、スチール、Fc、セラミック
ス等を使用した場合には、ピストンヘッド本体を構成す
るアルミニウム材との間に、熱膨張率に大きな差が生
じ、境界面或いは接合面に剥離等が発生し、問題があっ
た。
材或いはセラミックファイバー強化アルミニウム材から
形成したピストンでは、燃焼室を構成するリップ部の先
端を先尖りにシャープに形成すると、リップ部先端の温
度は高温になり、リップ部に加わる熱負荷即ち熱応力の
ためにリップ部の溶損現象、クラック発生等の破損が発
生し、リップ部の先端を鋭くするにも限界があった。ま
た、リップ部の先端部を耐熱性に優れた非アルミニウム
材、例えば、ニレジスト、スチール、Fc、セラミック
ス等を使用した場合には、ピストンヘッド本体を構成す
るアルミニウム材との間に、熱膨張率に大きな差が生
じ、境界面或いは接合面に剥離等が発生し、問題があっ
た。
【0006】また、上記のようなリップ部の溶損を防止
するため、ピストンヘッド本体にリップ部を組付ける場
合に、熱膨張率の異なる傾斜機能材を介在させることが
考えられる。しかしながら、傾斜機能材の熱膨張率は温
度上昇と共に変化する材料であり、常温時にはリップ部
のセラミックス、傾斜機能材温度ピストンヘッド本体の
金属材料間では良好に接合されていても、昇温と共に各
接合間が剥離等の減少を起こすことがある。
するため、ピストンヘッド本体にリップ部を組付ける場
合に、熱膨張率の異なる傾斜機能材を介在させることが
考えられる。しかしながら、傾斜機能材の熱膨張率は温
度上昇と共に変化する材料であり、常温時にはリップ部
のセラミックス、傾斜機能材温度ピストンヘッド本体の
金属材料間では良好に接合されていても、昇温と共に各
接合間が剥離等の減少を起こすことがある。
【0007】上記のような問題は、前掲実開昭60−1
41446号公報に開示されたセラミック組込型ピスト
ンにも同様な問題がある。即ち、該セラミック組込型ピ
ストンは、アルミニウム合金から成るピストン本体に金
属リングをねじで締着し、該金属リングをセラミック部
材に接合したものであるが、金属とセラミックスとは熱
膨張率が異なり、熱応力を受けるようなピストンヘッド
ではセラミック部材にクラックや亀裂が発生し、セラミ
ック部材の破損の問題がある。
41446号公報に開示されたセラミック組込型ピスト
ンにも同様な問題がある。即ち、該セラミック組込型ピ
ストンは、アルミニウム合金から成るピストン本体に金
属リングをねじで締着し、該金属リングをセラミック部
材に接合したものであるが、金属とセラミックスとは熱
膨張率が異なり、熱応力を受けるようなピストンヘッド
ではセラミック部材にクラックや亀裂が発生し、セラミ
ック部材の破損の問題がある。
【0008】この発明の目的は、上記の課題を解決する
ことであり、ピストンヘッド本体に形成したキャビティ
壁面に熱膨張率の異なる傾斜機能材から成るリング結合
体を介して耐熱性に富んだセラミックスから成るリップ
部を組付けた燃焼室の構造において、前記リング結合体
の外周リングの熱膨張率をピストンヘッド本体の金属材
料の熱膨張率より大きい材料で製作し、昇温状態におけ
る前記外周リングの大きな熱膨張で前記ピストンヘッド
本体に対する締め代を発生させ、前記リング結合体及び
前記リップ部を前記ピストンヘッド本体に良好に保持さ
せることができる燃焼室の構造を提供することである。
ことであり、ピストンヘッド本体に形成したキャビティ
壁面に熱膨張率の異なる傾斜機能材から成るリング結合
体を介して耐熱性に富んだセラミックスから成るリップ
部を組付けた燃焼室の構造において、前記リング結合体
の外周リングの熱膨張率をピストンヘッド本体の金属材
料の熱膨張率より大きい材料で製作し、昇温状態におけ
る前記外周リングの大きな熱膨張で前記ピストンヘッド
本体に対する締め代を発生させ、前記リング結合体及び
前記リップ部を前記ピストンヘッド本体に良好に保持さ
せることができる燃焼室の構造を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、ピストンヘッド本体に形成したキャビティ
壁面に熱膨張率の異なる傾斜機能材から成るリング結合
体を介して耐熱性に富んだセラミックスから成るリップ
部を組付けた燃焼室の構造において、前記リング結合体
は、前記リップ部に接合し且つ前記リップ部の低熱膨張
率に近い熱膨張率の材料で製作した内周リング、前記キ
ャビティ壁面に接合し且つ前記ピストンヘッド本体の熱
膨張率より大きい高熱膨張率の材料から成る外周リング
及び前記両リングの間に位置し且つ前記両リングの中間
の熱膨張率の材料から成る中間リングを一体構造に接合
して構成されている燃焼室の構造に関する。
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、ピストンヘッド本体に形成したキャビティ
壁面に熱膨張率の異なる傾斜機能材から成るリング結合
体を介して耐熱性に富んだセラミックスから成るリップ
部を組付けた燃焼室の構造において、前記リング結合体
は、前記リップ部に接合し且つ前記リップ部の低熱膨張
率に近い熱膨張率の材料で製作した内周リング、前記キ
ャビティ壁面に接合し且つ前記ピストンヘッド本体の熱
膨張率より大きい高熱膨張率の材料から成る外周リング
及び前記両リングの間に位置し且つ前記両リングの中間
の熱膨張率の材料から成る中間リングを一体構造に接合
して構成されている燃焼室の構造に関する。
【0010】
【作用】この発明による燃焼室の構造は、以上のように
構成されており、次のように作用する。即ち、この燃焼
室の構造は、リップ部をピストンヘッド本体のキャビテ
ィ壁面に組付けるのに介在させた傾斜機能材から成るリ
ング結合体を、リップ部に接合した内周リングから前記
キャビティ壁面に接合した外周リングへと熱膨張率が漸
次に大きくなる材料から成る複数のリングを一体構造に
接合して構成した場合に、前記外側リングには引張応力
が作用し且つ前記内側リングには圧縮応力が作用してお
り、前記外周リングはエンジン運転時の昇温時に前記外
周リングの物性から決まる熱膨張率で発生する熱膨張よ
り小さい熱膨張の変形を起こすが、この発明では、特
に、前記リング結合体の外周リングの熱膨張率がピスト
ンヘッド本体の熱膨張率より大きい材料で製作されてい
るので、昇温時には前記外周リングは大きな熱膨張を起
こすことになる。
構成されており、次のように作用する。即ち、この燃焼
室の構造は、リップ部をピストンヘッド本体のキャビテ
ィ壁面に組付けるのに介在させた傾斜機能材から成るリ
ング結合体を、リップ部に接合した内周リングから前記
キャビティ壁面に接合した外周リングへと熱膨張率が漸
次に大きくなる材料から成る複数のリングを一体構造に
接合して構成した場合に、前記外側リングには引張応力
が作用し且つ前記内側リングには圧縮応力が作用してお
り、前記外周リングはエンジン運転時の昇温時に前記外
周リングの物性から決まる熱膨張率で発生する熱膨張よ
り小さい熱膨張の変形を起こすが、この発明では、特
に、前記リング結合体の外周リングの熱膨張率がピスト
ンヘッド本体の熱膨張率より大きい材料で製作されてい
るので、昇温時には前記外周リングは大きな熱膨張を起
こすことになる。
【0011】しかしながら、昇温状態では前記ピストン
ヘッド本体の熱膨張が前記外周リングの熱膨張に比較し
て小さいので、前記外周リングの熱膨張は抑制されるこ
と即ち締め代となり、前記ピストンヘッド本体に前記リ
ング結合体が強力に保持される力となる。また、前記リ
ング結合体の内側では熱膨張の絶対値は小さいので、前
記リップ部の保持力は十分なものとなる。従って、エン
ジンの運転時の昇温状態で、前記外周リングには圧縮応
力が付与され、前記リング結合体の前記ピストンヘッド
本体への締め代即ち保持力が発生し、各接合部における
境界部の隙間等が発生することはない。更に、前記リン
グ結合体で前記リップ部と前記ピストンヘッド本体との
熱膨張差を十分に吸収することができ、前記リップ部に
破損等の悪影響は排除できる。
ヘッド本体の熱膨張が前記外周リングの熱膨張に比較し
て小さいので、前記外周リングの熱膨張は抑制されるこ
と即ち締め代となり、前記ピストンヘッド本体に前記リ
ング結合体が強力に保持される力となる。また、前記リ
ング結合体の内側では熱膨張の絶対値は小さいので、前
記リップ部の保持力は十分なものとなる。従って、エン
ジンの運転時の昇温状態で、前記外周リングには圧縮応
力が付与され、前記リング結合体の前記ピストンヘッド
本体への締め代即ち保持力が発生し、各接合部における
境界部の隙間等が発生することはない。更に、前記リン
グ結合体で前記リップ部と前記ピストンヘッド本体との
熱膨張差を十分に吸収することができ、前記リップ部に
破損等の悪影響は排除できる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による燃焼
室の構造の実施例を説明する。図1はこの発明による燃
焼室の構造の一実施例を示す概略図、及び図2は図1の
要部の拡大断面図である。この発明による燃焼室の構造
の一実施例は、図1に示すように、ピストンヘッド2に
形成した燃焼室1を形成するキャビティ10の上方を覆
うように半径方向内向きに先尖り形状で伸び且つ燃焼室
開口3を備えたループ状リップ部8を有するリエントラ
ント型ピストンを示すものである。このリエントラント
型ピストンは、鋳込み成形したピストンスカート及び該
ピストンスカートに固定され且つ燃焼室1を構成するキ
ャビティ10を備えたアルミニウム等の金属材から成る
ピストンヘッド本体2から成り、燃焼室1はキャビティ
10の上面に燃焼室開口3及び該燃焼室開口3より面積
の大きいキャビティ10の底面4を有しているものであ
る。
室の構造の実施例を説明する。図1はこの発明による燃
焼室の構造の一実施例を示す概略図、及び図2は図1の
要部の拡大断面図である。この発明による燃焼室の構造
の一実施例は、図1に示すように、ピストンヘッド2に
形成した燃焼室1を形成するキャビティ10の上方を覆
うように半径方向内向きに先尖り形状で伸び且つ燃焼室
開口3を備えたループ状リップ部8を有するリエントラ
ント型ピストンを示すものである。このリエントラント
型ピストンは、鋳込み成形したピストンスカート及び該
ピストンスカートに固定され且つ燃焼室1を構成するキ
ャビティ10を備えたアルミニウム等の金属材から成る
ピストンヘッド本体2から成り、燃焼室1はキャビティ
10の上面に燃焼室開口3及び該燃焼室開口3より面積
の大きいキャビティ10の底面4を有しているものであ
る。
【0013】この燃焼室の構造は、特に、燃焼室1を構
成する上部壁構造に特徴を有しており、ピストンヘッド
本体2に形成したキャビティ10に形成したキャビティ
壁面5、該キャビティ壁面5に接合したリング結合体
7、及び該リング結合体7に接合し且つピストンヘッド
本体2から半径方向内向きに先尖りにループ状に伸びて
中央部に燃焼室開口3を形成するリップ部8を有してい
る。リング結合体7は、熱膨張率の異なる傾斜機能材か
ら成る同心円上に配置された複数のリング、図では外側
リング6、内側リング9及び外側リング6と内側リング
9との間に順次互いに接合した中間リング11,12,
13から構成されている。
成する上部壁構造に特徴を有しており、ピストンヘッド
本体2に形成したキャビティ10に形成したキャビティ
壁面5、該キャビティ壁面5に接合したリング結合体
7、及び該リング結合体7に接合し且つピストンヘッド
本体2から半径方向内向きに先尖りにループ状に伸びて
中央部に燃焼室開口3を形成するリップ部8を有してい
る。リング結合体7は、熱膨張率の異なる傾斜機能材か
ら成る同心円上に配置された複数のリング、図では外側
リング6、内側リング9及び外側リング6と内側リング
9との間に順次互いに接合した中間リング11,12,
13から構成されている。
【0014】この燃焼室の構造において、リップ部8
は、耐熱性に富み且つ高温強度に富んだ低熱膨張率のセ
ラミックス、例えば、窒化珪素(Si3 N4 )、炭化珪
素(SiC)等から製作されている。このリップ部8
は、燃焼室開口3を形成する先端部は半径方向内向きに
伸びるテーパ面で極めて鋭角に先尖りのアール状態に形
成され、外周面を中央を境に上下を半径方向内向きに傾
斜したテーパ面を備える形状に製作されている。
は、耐熱性に富み且つ高温強度に富んだ低熱膨張率のセ
ラミックス、例えば、窒化珪素(Si3 N4 )、炭化珪
素(SiC)等から製作されている。このリップ部8
は、燃焼室開口3を形成する先端部は半径方向内向きに
伸びるテーパ面で極めて鋭角に先尖りのアール状態に形
成され、外周面を中央を境に上下を半径方向内向きに傾
斜したテーパ面を備える形状に製作されている。
【0015】リング結合体7は、図2に示すように、同
心円上に半径方向に順次に配置し且つ隣接周面を互いに
接合した外側リング6、中間リング11,12,13及
び内側リング9から成り、内側リングの熱膨張率が外側
のリングの熱膨張率より小さい傾斜機能材から製作され
ている。例えば、リング結合体7における内側リング9
及び中間リング11,12,13の傾斜機能材は、リッ
プ部8とピストンヘッド2との両者の熱膨張率の中間の
熱膨張率を有する金属材料、例えば、ニッケル系、コバ
ルト系、鉄系の金属材料から製作されている。具体的に
は、内側リング9は、リップ部8の熱膨張率に近い熱膨
張率を有するコバール(Kover)、42アロイ等で
製作し、最外中間リング13をインコロイ(Incol
loy)で製作し、中間リング11,12をコバールと
インコロイとの中間の熱膨張率を有する材料で製作す
る。
心円上に半径方向に順次に配置し且つ隣接周面を互いに
接合した外側リング6、中間リング11,12,13及
び内側リング9から成り、内側リングの熱膨張率が外側
のリングの熱膨張率より小さい傾斜機能材から製作され
ている。例えば、リング結合体7における内側リング9
及び中間リング11,12,13の傾斜機能材は、リッ
プ部8とピストンヘッド2との両者の熱膨張率の中間の
熱膨張率を有する金属材料、例えば、ニッケル系、コバ
ルト系、鉄系の金属材料から製作されている。具体的に
は、内側リング9は、リップ部8の熱膨張率に近い熱膨
張率を有するコバール(Kover)、42アロイ等で
製作し、最外中間リング13をインコロイ(Incol
loy)で製作し、中間リング11,12をコバールと
インコロイとの中間の熱膨張率を有する材料で製作す
る。
【0016】この燃焼室の構造は、特に、リング結合体
7の外側リング6の熱膨張率をエンジン運転時の昇温状
態でピストンヘッド本体2を構成する金属材料の熱膨張
率より大きくなるように設定されていることである。材
料についての熱膨張率は、鉄にニッケルを加えて組成を
変化させると、変化するものである。そして、材料の物
性から決まる熱膨張率は、温度によっても変化するもの
である。しかも、材料の物性で決まる熱膨張率は、温度
状態で逆転する材料も存在するものである。例えば、図
4に示すような例がある。例えば、ピストンヘッド本体
2をアルミニウム又は炭化珪素ウィスカー強化アルミニ
ウムで製作した場合には、外側リング6はアルミニウム
又は炭化珪素ウィスカー強化アルミニウムより大きな熱
膨張率の金属材料、例えば、マンガン鋼で製作する。或
いは、ピストンヘッド本体2を炭化珪素ウィスカー強化
アルミニウムで製作した場合には、外側リング6は炭化
珪素ウィスカー強化アルミニウムより大きな熱膨張率の
金属材料、例えば、アルミニウムで製作することができ
る。例えば、アルミニウムの熱膨張率は、22×10
- 6 /℃、炭化珪素ウィスカー強化アルミニウムの熱膨
張率は、18×10-6 /℃であり、マンガン鋼の熱膨
張率は、18〜23×10- 6 /℃であり、マンガン鋼
ではマンガンの含有量により上記範囲で調整することが
できるものである。
7の外側リング6の熱膨張率をエンジン運転時の昇温状
態でピストンヘッド本体2を構成する金属材料の熱膨張
率より大きくなるように設定されていることである。材
料についての熱膨張率は、鉄にニッケルを加えて組成を
変化させると、変化するものである。そして、材料の物
性から決まる熱膨張率は、温度によっても変化するもの
である。しかも、材料の物性で決まる熱膨張率は、温度
状態で逆転する材料も存在するものである。例えば、図
4に示すような例がある。例えば、ピストンヘッド本体
2をアルミニウム又は炭化珪素ウィスカー強化アルミニ
ウムで製作した場合には、外側リング6はアルミニウム
又は炭化珪素ウィスカー強化アルミニウムより大きな熱
膨張率の金属材料、例えば、マンガン鋼で製作する。或
いは、ピストンヘッド本体2を炭化珪素ウィスカー強化
アルミニウムで製作した場合には、外側リング6は炭化
珪素ウィスカー強化アルミニウムより大きな熱膨張率の
金属材料、例えば、アルミニウムで製作することができ
る。例えば、アルミニウムの熱膨張率は、22×10
- 6 /℃、炭化珪素ウィスカー強化アルミニウムの熱膨
張率は、18×10-6 /℃であり、マンガン鋼の熱膨
張率は、18〜23×10- 6 /℃であり、マンガン鋼
ではマンガンの含有量により上記範囲で調整することが
できるものである。
【0017】そして、このリング結合体7は、内側リン
グ9、中間リング11,12,13及び外側リング6
を、炉中でろう付け接合、拡散接合等によって一体構造
に接合した構造に構成されている。各リングを上記のよ
うな材料で製作することによって、リップ部8側に位置
する内側リング9はリップ部8の熱膨張率に近い熱膨張
率の材料から構成し、また、ピストンヘッド本体2側に
位置する外側リング6はピストンヘッド本体2の熱膨張
率より大きい熱膨張率の材料から構成し、内側リング9
から外側リング6へと中間リング11,12,13は漸
次に熱膨張率は大きくなるように設定されている。従っ
て、リング結合体7は、内周側から外周側に向かって段
階的に熱膨張率が変化するように構成され、窒化ケイ
素、炭化ケイ素等のセラミックスから成るリップ部8か
らピストンヘッド本体2への熱膨張率の差で発生する熱
膨張差を吸収する作用を有することになる。
グ9、中間リング11,12,13及び外側リング6
を、炉中でろう付け接合、拡散接合等によって一体構造
に接合した構造に構成されている。各リングを上記のよ
うな材料で製作することによって、リップ部8側に位置
する内側リング9はリップ部8の熱膨張率に近い熱膨張
率の材料から構成し、また、ピストンヘッド本体2側に
位置する外側リング6はピストンヘッド本体2の熱膨張
率より大きい熱膨張率の材料から構成し、内側リング9
から外側リング6へと中間リング11,12,13は漸
次に熱膨張率は大きくなるように設定されている。従っ
て、リング結合体7は、内周側から外周側に向かって段
階的に熱膨張率が変化するように構成され、窒化ケイ
素、炭化ケイ素等のセラミックスから成るリップ部8か
らピストンヘッド本体2への熱膨張率の差で発生する熱
膨張差を吸収する作用を有することになる。
【0018】この傾斜機能材から成るリング結合体7の
製造法は、種々の方法がある。例えば、リング結合体7
の製造法には、遠心鋳造法、溶接法、溶射法、焼結金属
等によって製作できる。そして、これらの製造法は、外
側リング6を高熱膨張率に、内側リング9を低熱膨張率
に、しかも中間リング11,12,13を外側リング6
と内側リング9の中間の熱膨張率に構成することができ
る。このリング結合体7の製造法では、内側リング9、
中間リング11,12,13及び外側リング6を同心円
上に配置して炉中でろう付け接合を行うことが容易に製
作できる方法である。
製造法は、種々の方法がある。例えば、リング結合体7
の製造法には、遠心鋳造法、溶接法、溶射法、焼結金属
等によって製作できる。そして、これらの製造法は、外
側リング6を高熱膨張率に、内側リング9を低熱膨張率
に、しかも中間リング11,12,13を外側リング6
と内側リング9の中間の熱膨張率に構成することができ
る。このリング結合体7の製造法では、内側リング9、
中間リング11,12,13及び外側リング6を同心円
上に配置して炉中でろう付け接合を行うことが容易に製
作できる方法である。
【0019】上記のように製作した熱膨張率の異なる傾
斜機能材を有するリング結合体7は、冷間時には、外側
リング6には引張応力が作用し且つ内側リング9には圧
縮応力が作用している。そして、このリップ部7をピス
トンヘッド本体2に形成した燃焼室1に組み込んだ場
合、即ち、リング結合体7の外周面をピストンヘッド本
体2のキャビティ壁面にメタルフロー等で接合し、リン
グ結合体7の内周面にリップ部8をメタルフロー等で接
合した場合に、窒化珪素(Si3N4 )等のセラミック
スから成るリップ部8からアルミニウム等の金属材料か
ら成るピストンヘッド本体2まで、熱膨張率は漸次にス
ムースに変化させることができる。
斜機能材を有するリング結合体7は、冷間時には、外側
リング6には引張応力が作用し且つ内側リング9には圧
縮応力が作用している。そして、このリップ部7をピス
トンヘッド本体2に形成した燃焼室1に組み込んだ場
合、即ち、リング結合体7の外周面をピストンヘッド本
体2のキャビティ壁面にメタルフロー等で接合し、リン
グ結合体7の内周面にリップ部8をメタルフロー等で接
合した場合に、窒化珪素(Si3N4 )等のセラミック
スから成るリップ部8からアルミニウム等の金属材料か
ら成るピストンヘッド本体2まで、熱膨張率は漸次にス
ムースに変化させることができる。
【0020】ところで、上記のように、リング結合体7
を構成する熱膨張率の異なる傾斜機能材は、内部残留応
力が作用している場合、即ち、外側リング6に引張応力
が作用し、また内側リング9に圧縮応力が作用している
場合に、それぞれの材料の物性により決まる熱膨張率に
よる熱膨張変形とは異なった熱膨張変形を起こすもので
ある。即ち、外側リング6は、昇温させた場合に、その
材料の物性で決まる熱膨張率により熱膨張する変形より
小さい熱膨張の変形を起こすことになる。
を構成する熱膨張率の異なる傾斜機能材は、内部残留応
力が作用している場合、即ち、外側リング6に引張応力
が作用し、また内側リング9に圧縮応力が作用している
場合に、それぞれの材料の物性により決まる熱膨張率に
よる熱膨張変形とは異なった熱膨張変形を起こすもので
ある。即ち、外側リング6は、昇温させた場合に、その
材料の物性で決まる熱膨張率により熱膨張する変形より
小さい熱膨張の変形を起こすことになる。
【0021】上記の現象を考慮した場合に、リング結合
体7における外側リング6と内側リング9とについて運
転時の昇温状態での寸法変化を、図3を参照して説明す
る。図3において、横軸に温度Tをとり、縦軸に寸法変
化Lをとる。原点をリング結合体7のろう付け温度T0
(例えば、1600℃)とし、温度T1 〜T2 はエンジ
ン運転時の温度範囲とする。外側リング6が単独の場合
には、外側リング6の寸法変化は、符号A0 で示すよう
な材料の物性値で決まる寸法変化をする。これに対し
て、外側リング6をリング結合体7に一体構造に接合し
てピストンヘッド本体2に組付けた場合には、外側リン
グ6の寸法変化は、収縮時に内圧を受けるため符号AX
で示すような見掛けの熱膨張率による寸法変化をする。
また、内側リング9が単独の場合には、内側リング9の
寸法変化は、符号B0 で示すような材料の物性値で決ま
る寸法変化をする。これに対して、内側リング9をリン
グ結合体7に一体構造に接合してピストンヘッド本体2
に組付けた場合には、内側リング9の寸法変化は、収縮
時に内圧を受けるため符号BX で示すような見掛けの熱
膨張率による寸法変化をする。内側リング9について
は、図3に示すように、単独の熱膨張率が見掛けの熱膨
張率より大きい値を示すが、傾斜機能材の内側に位置し
ているため、本来の寸法変化の絶対値が低いため、問題
になることはない。
体7における外側リング6と内側リング9とについて運
転時の昇温状態での寸法変化を、図3を参照して説明す
る。図3において、横軸に温度Tをとり、縦軸に寸法変
化Lをとる。原点をリング結合体7のろう付け温度T0
(例えば、1600℃)とし、温度T1 〜T2 はエンジ
ン運転時の温度範囲とする。外側リング6が単独の場合
には、外側リング6の寸法変化は、符号A0 で示すよう
な材料の物性値で決まる寸法変化をする。これに対し
て、外側リング6をリング結合体7に一体構造に接合し
てピストンヘッド本体2に組付けた場合には、外側リン
グ6の寸法変化は、収縮時に内圧を受けるため符号AX
で示すような見掛けの熱膨張率による寸法変化をする。
また、内側リング9が単独の場合には、内側リング9の
寸法変化は、符号B0 で示すような材料の物性値で決ま
る寸法変化をする。これに対して、内側リング9をリン
グ結合体7に一体構造に接合してピストンヘッド本体2
に組付けた場合には、内側リング9の寸法変化は、収縮
時に内圧を受けるため符号BX で示すような見掛けの熱
膨張率による寸法変化をする。内側リング9について
は、図3に示すように、単独の熱膨張率が見掛けの熱膨
張率より大きい値を示すが、傾斜機能材の内側に位置し
ているため、本来の寸法変化の絶対値が低いため、問題
になることはない。
【0022】この発明による燃焼室の構造は、上記のよ
うに構成されているので、次のように作用する。即ち、
エンジンが運転された場合に温度差によってリップ部8
とピストンヘッド本体2との間で熱膨張差によって大き
な熱応力が生じても、傾斜機能材から成るリング結合体
7が緩衝材として機能し、リップ部8とピストンヘッド
本体2との間で温度差による熱膨張差を吸収する。それ
故に、燃焼室1に温度変化が発生してリップ部8とピス
トンヘッド本体2との間に熱膨張差が発生しても、リッ
プ部8にクラック、亀裂等が発生せず燃焼室1が破壊さ
れるようなことがない。しかも、リップ部8は先尖りで
鋭角形状であって燃焼ガスからの熱の流入が大きいが、
リップ部8に流入した熱はリング結合体7及び金属リン
グ体6を通じてピストンヘッド本体2方向へ妨げられず
に流れ、ピストンスカート、ピストンリング等を通じて
シリンダライナ側へ流出する。従って、リップ部8の温
度を高温に維持することなく、温度上昇を抑えるので、
リップ部8のエッジを鋭角な先尖りの形状に構成して
も、耐熱性で製作されているので、該エッジが溶損した
り、割れたりすることがない。
うに構成されているので、次のように作用する。即ち、
エンジンが運転された場合に温度差によってリップ部8
とピストンヘッド本体2との間で熱膨張差によって大き
な熱応力が生じても、傾斜機能材から成るリング結合体
7が緩衝材として機能し、リップ部8とピストンヘッド
本体2との間で温度差による熱膨張差を吸収する。それ
故に、燃焼室1に温度変化が発生してリップ部8とピス
トンヘッド本体2との間に熱膨張差が発生しても、リッ
プ部8にクラック、亀裂等が発生せず燃焼室1が破壊さ
れるようなことがない。しかも、リップ部8は先尖りで
鋭角形状であって燃焼ガスからの熱の流入が大きいが、
リップ部8に流入した熱はリング結合体7及び金属リン
グ体6を通じてピストンヘッド本体2方向へ妨げられず
に流れ、ピストンスカート、ピストンリング等を通じて
シリンダライナ側へ流出する。従って、リップ部8の温
度を高温に維持することなく、温度上昇を抑えるので、
リップ部8のエッジを鋭角な先尖りの形状に構成して
も、耐熱性で製作されているので、該エッジが溶損した
り、割れたりすることがない。
【0023】また、リップ部8は、熱膨張率が小さく耐
熱性に富んだセラミックス等の材料で製作するので、燃
焼室開口3を形成するリップ部8のエッジを極めて鋭角
に形成し且つ該形状を高温状態でも維持できる。従っ
て、ピストンの上昇の圧縮行程で発生するスキッシュ流
及びピストン下降の爆発行程で発生する逆スキッシュ流
を増大することができ、空気と燃料との混合を促進して
カーボン発生量を抑制し且つ燃料消費量を低減する燃焼
を行わせ、燃焼状態を改善することができる。
熱性に富んだセラミックス等の材料で製作するので、燃
焼室開口3を形成するリップ部8のエッジを極めて鋭角
に形成し且つ該形状を高温状態でも維持できる。従っ
て、ピストンの上昇の圧縮行程で発生するスキッシュ流
及びピストン下降の爆発行程で発生する逆スキッシュ流
を増大することができ、空気と燃料との混合を促進して
カーボン発生量を抑制し且つ燃料消費量を低減する燃焼
を行わせ、燃焼状態を改善することができる。
【0024】
【発明の効果】この発明による燃焼室の構造は、以上の
ように構成したので、次のような効果を有する。即ち、
この燃焼室の構造は、ピストンヘッド本体に形成したキ
ャビティ壁面に熱膨張率の異なる傾斜機能材から成るリ
ング結合体を介して耐熱性に富んだセラミックスから成
るリップ部を組付けた燃焼室の構造において、前記リン
グ結合体は、前記リップ部に接合し且つ前記リップ部の
低熱膨張率に近い熱膨張率の材料で製作した内周リン
グ、前記キャビティ壁面に接合し且つ前記ピストンヘッ
ド本体の熱膨張率より大きい高熱膨張率の材料から成る
外周リング及び前記両リングの間に位置し且つ前記両リ
ングの中間の熱膨張率の材料から成る中間リングを一体
構造に接合して構成されているので、昇温時には前記外
周リングは前記ピストンヘッド本体の熱膨張より大きな
熱膨張を起こすことになる。即ち、昇温状態では前記ピ
ストンヘッド本体の熱膨張が前記外周リングの熱膨張に
比較して小さいので、前記外周リングの熱膨張は抑制さ
れること即ち締め代となって作用し、該締め代は前記ピ
ストンヘッド本体に前記リング結合体が強力に保持され
る力となる。
ように構成したので、次のような効果を有する。即ち、
この燃焼室の構造は、ピストンヘッド本体に形成したキ
ャビティ壁面に熱膨張率の異なる傾斜機能材から成るリ
ング結合体を介して耐熱性に富んだセラミックスから成
るリップ部を組付けた燃焼室の構造において、前記リン
グ結合体は、前記リップ部に接合し且つ前記リップ部の
低熱膨張率に近い熱膨張率の材料で製作した内周リン
グ、前記キャビティ壁面に接合し且つ前記ピストンヘッ
ド本体の熱膨張率より大きい高熱膨張率の材料から成る
外周リング及び前記両リングの間に位置し且つ前記両リ
ングの中間の熱膨張率の材料から成る中間リングを一体
構造に接合して構成されているので、昇温時には前記外
周リングは前記ピストンヘッド本体の熱膨張より大きな
熱膨張を起こすことになる。即ち、昇温状態では前記ピ
ストンヘッド本体の熱膨張が前記外周リングの熱膨張に
比較して小さいので、前記外周リングの熱膨張は抑制さ
れること即ち締め代となって作用し、該締め代は前記ピ
ストンヘッド本体に前記リング結合体が強力に保持され
る力となる。
【0025】また、前記リング結合体の内側では熱膨張
の絶対値は小さいので、前記リップ部の保持力は十分な
ものとなる。従って、エンジンの運転時の昇温状態で、
前記外周リングには圧縮応力が付与され、前記リング結
合体の前記ピストンヘッド本体への締め代即ち保持力を
発生し、各接合部における境界部の隙間等が発生するこ
とはなく、良好な熱伝導を確保でき、前記リップ部の熱
を前記ピストンヘッド本体側へ伝導させ、前記リップ部
の冷却効果を発揮する。更に、前記リング結合体で前記
リップ部と前記ピストンヘッド本体との熱膨張差を十分
に吸収することができ、前記リップ部に破損等の悪影響
は排除できる。
の絶対値は小さいので、前記リップ部の保持力は十分な
ものとなる。従って、エンジンの運転時の昇温状態で、
前記外周リングには圧縮応力が付与され、前記リング結
合体の前記ピストンヘッド本体への締め代即ち保持力を
発生し、各接合部における境界部の隙間等が発生するこ
とはなく、良好な熱伝導を確保でき、前記リップ部の熱
を前記ピストンヘッド本体側へ伝導させ、前記リップ部
の冷却効果を発揮する。更に、前記リング結合体で前記
リップ部と前記ピストンヘッド本体との熱膨張差を十分
に吸収することができ、前記リップ部に破損等の悪影響
は排除できる。
【0026】また、前記リップ部は、前記ピストンヘッ
ド本体からの熱膨張の影響が前記リング結合体の傾斜機
能材で緩和されるので、耐熱性に富んだセラミックスで
形成でき、前記リップ部の先端部を半径方向内向きのテ
ーパ面で鋭角に先尖りに形成できる。しかも、前記リッ
プ部のエッジを鋭角に形成することによって、ピストン
の上昇の圧縮行程で発生する燃焼室内へ流入するスキッ
シュ流、及びピストン下降の爆発行程で発生する燃焼室
内から流出する逆スキッシュ流を増大することができ、
該スキッシュ流及び該逆スキッシュ流による噴霧燃料と
空気との混合を一層良好に達成でき、従来のリエントラ
ント型ピストンに比較して、カーボン発生量を抑制し且
つ燃料消費量を低減して燃焼を改善することができる。
ド本体からの熱膨張の影響が前記リング結合体の傾斜機
能材で緩和されるので、耐熱性に富んだセラミックスで
形成でき、前記リップ部の先端部を半径方向内向きのテ
ーパ面で鋭角に先尖りに形成できる。しかも、前記リッ
プ部のエッジを鋭角に形成することによって、ピストン
の上昇の圧縮行程で発生する燃焼室内へ流入するスキッ
シュ流、及びピストン下降の爆発行程で発生する燃焼室
内から流出する逆スキッシュ流を増大することができ、
該スキッシュ流及び該逆スキッシュ流による噴霧燃料と
空気との混合を一層良好に達成でき、従来のリエントラ
ント型ピストンに比較して、カーボン発生量を抑制し且
つ燃料消費量を低減して燃焼を改善することができる。
【0027】更に、前記リップ部を傾斜機能材の前記リ
ング結合体を介してピストンヘッド本体に密接状態に組
付けることで、燃焼室の先端部の前記リップ部から外周
部の前記ピストンヘッドまで各境界での熱流が妨げられ
ることがなく、良好に熱は伝導されて前記リップ部の先
端部の熱をピストンヘッド本体、ピストンリング、シリ
ンダライナ等を通じて外部へ移動させ、燃焼ガスによっ
て前記リップ部の先端部が高温になっても直ちに熱を移
動させて高温状態に維持されるのを回避し、高温による
前記リップ先端部の溶損を防止することができる。
ング結合体を介してピストンヘッド本体に密接状態に組
付けることで、燃焼室の先端部の前記リップ部から外周
部の前記ピストンヘッドまで各境界での熱流が妨げられ
ることがなく、良好に熱は伝導されて前記リップ部の先
端部の熱をピストンヘッド本体、ピストンリング、シリ
ンダライナ等を通じて外部へ移動させ、燃焼ガスによっ
て前記リップ部の先端部が高温になっても直ちに熱を移
動させて高温状態に維持されるのを回避し、高温による
前記リップ先端部の溶損を防止することができる。
【図1】この発明による燃焼室の構造の一実施例を示す
概略断面図である。
概略断面図である。
【図2】図1の燃焼室を示す拡大断面図である。
【図3】内側リングと外側リングとの温度に対する寸法
変化を示すグラフである。
変化を示すグラフである。
1 燃焼室 2 ピストンヘッド本体 3 燃焼室開口 5 キャビティ壁面 6 外側リング 7 リング結合体 8 リップ部 9 内側リング 10 キャビティ 11 中間リング 12 中間リング 13 中間リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02F 3/00 302 F02F 3/00 302Z 3/02 3/02 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02F 3/00 F02F 3/00 301 F02F 3/00 302 F02F 3/02 F02F 3/26
Claims (1)
- 【請求項1】 ピストンヘッド本体に形成したキャビテ
ィ壁面に熱膨張率の異なる傾斜機能材から成るリング結
合体を介して耐熱性に富んだセラミックスから成るリッ
プ部を組付けた燃焼室の構造において、前記リング結合
体は、前記リップ部に接合し且つ前記リップ部の低熱膨
張率に近い熱膨張率の材料で製作した内周リング、前記
キャビティ壁面に接合し且つ前記ピストンヘッド本体の
熱膨張率より大きい高熱膨張率の材料から成る外周リン
グ及び前記両リングの間に位置し且つ前記両リングの中
間の熱膨張率の材料から成る中間リングを一体構造に接
合して構成されている燃焼室の構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3055489A JP2903741B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 燃焼室の構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3055489A JP2903741B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 燃焼室の構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04272454A JPH04272454A (ja) | 1992-09-29 |
JP2903741B2 true JP2903741B2 (ja) | 1999-06-14 |
Family
ID=13000045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3055489A Expired - Lifetime JP2903741B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 燃焼室の構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2903741B2 (ja) |
-
1991
- 1991-02-28 JP JP3055489A patent/JP2903741B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04272454A (ja) | 1992-09-29 |
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