JP2917544B2 - 頭蓋骨穿孔部充填材 - Google Patents
頭蓋骨穿孔部充填材Info
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- JP2917544B2 JP2917544B2 JP3029050A JP2905091A JP2917544B2 JP 2917544 B2 JP2917544 B2 JP 2917544B2 JP 3029050 A JP3029050 A JP 3029050A JP 2905091 A JP2905091 A JP 2905091A JP 2917544 B2 JP2917544 B2 JP 2917544B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療分野、特に整形外
科、形成外科、脳神経外科等の分野において使用する頭
蓋骨穿孔部充填材に関する。
科、形成外科、脳神経外科等の分野において使用する頭
蓋骨穿孔部充填材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒドロキシアパタイト(以下HA
pと称す)は生体適合性が良く、且つ骨欠損部などの充
填材として用いた場合に該充填材の周囲に直接新生骨を
形成することは広く知られている。
pと称す)は生体適合性が良く、且つ骨欠損部などの充
填材として用いた場合に該充填材の周囲に直接新生骨を
形成することは広く知られている。
【0003】一方、脳神経外科における治療に際して
は、頭蓋骨に孔を開けて行うことが多い。このため、治
療後の患部及び外周部には陥没が生じて、外観上及び治
療効果上問題とされている。該問題を解消するために穿
孔部の形状に合わせて、骨セメントを充填する方法、更
に最近ではHAp緻密体のリベット型材料若しくはHA
pの顆粒を充填することも提案されている。
は、頭蓋骨に孔を開けて行うことが多い。このため、治
療後の患部及び外周部には陥没が生じて、外観上及び治
療効果上問題とされている。該問題を解消するために穿
孔部の形状に合わせて、骨セメントを充填する方法、更
に最近ではHAp緻密体のリベット型材料若しくはHA
pの顆粒を充填することも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、骨セメ
ントを充填する方法においては、骨セメント材料の生体
適合性が問題であり、また骨セメント材料成分の溶出等
により穿孔部より排出されてしまうため、長期間使用す
る場合に問題がある。
ントを充填する方法においては、骨セメント材料の生体
適合性が問題であり、また骨セメント材料成分の溶出等
により穿孔部より排出されてしまうため、長期間使用す
る場合に問題がある。
【0005】またHAp緻密体のリベット型材料におい
ては、穿孔部周囲の骨と前記リベット型材料との界面に
おいて直接新生骨が生成し一体化するものの、前記リベ
ット型材料の内部への骨の進入はなく、充填した材料は
セラミックスとしての性質を長期的に有したままであ
る。また前記リベット型材料を充填した場合には、前記
リベット型材料の頭部が上部に露出して隆起が生じ、外
観上の問題がある。更には緻密体であるので、穿孔部周
囲の形状に合わせて加工することも困難である。
ては、穿孔部周囲の骨と前記リベット型材料との界面に
おいて直接新生骨が生成し一体化するものの、前記リベ
ット型材料の内部への骨の進入はなく、充填した材料は
セラミックスとしての性質を長期的に有したままであ
る。また前記リベット型材料を充填した場合には、前記
リベット型材料の頭部が上部に露出して隆起が生じ、外
観上の問題がある。更には緻密体であるので、穿孔部周
囲の形状に合わせて加工することも困難である。
【0006】更に、HApの顆粒を用いた場合には、顆
粒状であるため、穿孔部に固定されず、外形を保持でき
ないという問題がある。
粒状であるため、穿孔部に固定されず、外形を保持でき
ないという問題がある。
【0007】従って、本発明の目的は、生体適合性、充
填材周囲及び内部における早期新生骨形成能に優れ、長
期間穿孔部に固定され、更には充填後、穿孔部周囲の形
状に合わせて加工することも容易である頭蓋骨穿孔部充
填材を提供することにある。
填材周囲及び内部における早期新生骨形成能に優れ、長
期間穿孔部に固定され、更には充填後、穿孔部周囲の形
状に合わせて加工することも容易である頭蓋骨穿孔部充
填材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、多孔性
リン酸カルシウム化合物からなり、且つ円錐台形状であ
ることを特徴とする頭蓋骨穿孔部充填材が提供される。
リン酸カルシウム化合物からなり、且つ円錐台形状であ
ることを特徴とする頭蓋骨穿孔部充填材が提供される。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の頭蓋骨穿孔部充填材を構成する材
料は、多孔性リン酸カルシウム化合物である。この際、
用いるリン酸カルシウム化合物は特に限定されるもので
はないが、リン酸カルシウム化合物の中でも特に生体適
合性に優れる、HAp、リン酸3カルシウム、リン酸4
カルシウムの1種若しくは2種以上の混合物を用いるの
が最も好ましい。また前記リン酸カルシウム化合物は、
穿孔部周囲の骨と物性を近似させ、加工性を良くする目
的で、多孔性とする必要があり、この際気孔の径は、充
填材内部に新生骨を十分に進入させるために平均50μ
m以上とするのが好ましく、平均90μm以上とするの
が特に好ましい。更に前記多孔性リン酸カルシウム化合
物の圧縮強度は、30Kgf/cm2〜500Kgf/cm2の範囲と
するのが好ましく、このため気孔率は、30〜80%の
範囲とするのが好ましい。前記圧縮強度が30Kgf/cm2
未満の場合には穿孔部に充填する際に破断し、500Kg
f/cm2を超えると骨強度を上回るので好ましくない。ま
た前記多孔性リン酸カルシウム化合物は公知の方法によ
り製造することができる。
料は、多孔性リン酸カルシウム化合物である。この際、
用いるリン酸カルシウム化合物は特に限定されるもので
はないが、リン酸カルシウム化合物の中でも特に生体適
合性に優れる、HAp、リン酸3カルシウム、リン酸4
カルシウムの1種若しくは2種以上の混合物を用いるの
が最も好ましい。また前記リン酸カルシウム化合物は、
穿孔部周囲の骨と物性を近似させ、加工性を良くする目
的で、多孔性とする必要があり、この際気孔の径は、充
填材内部に新生骨を十分に進入させるために平均50μ
m以上とするのが好ましく、平均90μm以上とするの
が特に好ましい。更に前記多孔性リン酸カルシウム化合
物の圧縮強度は、30Kgf/cm2〜500Kgf/cm2の範囲と
するのが好ましく、このため気孔率は、30〜80%の
範囲とするのが好ましい。前記圧縮強度が30Kgf/cm2
未満の場合には穿孔部に充填する際に破断し、500Kg
f/cm2を超えると骨強度を上回るので好ましくない。ま
た前記多孔性リン酸カルシウム化合物は公知の方法によ
り製造することができる。
【0011】本発明の頭蓋骨穿孔部充填材の形状は、円
錐台形状である。該充填材を使用する骨穿孔部は、例え
ば手術時等にドリル状の装置等にて孔を開けたもの等で
あるが、この際同一の装置を用いたとしても、穿孔部の
骨の状況や手術を行う術者などに依り、孔の径は変化す
るので、該充填材を穿孔部に固定し周囲の骨と密着させ
るために円錐台形状とする必要がある。該形状の具体例
を図1により更に詳細に説明する。図1はリン酸カルシ
ウム化合物を用いて円錐台形状に加工した頭蓋骨穿孔部
充填材の斜視図であり、aは上底の直径、dは下底の直
径、l1は高さを示し、該a、d、l1を任意に設定する
ことにより様々な大きさの円形穿孔部に対応させること
ができる。前記充填材の寸法は、骨穿孔部の大きさ又は
形状により、円錐台形状になるよう任意に定めることが
できるが、実用的には例えば前記図1に示すような円錐
台形状の充填材の場合には、高さ3〜20mmL、上底
2〜30mmφ、下底5〜50mmφとするのが好まし
い。
錐台形状である。該充填材を使用する骨穿孔部は、例え
ば手術時等にドリル状の装置等にて孔を開けたもの等で
あるが、この際同一の装置を用いたとしても、穿孔部の
骨の状況や手術を行う術者などに依り、孔の径は変化す
るので、該充填材を穿孔部に固定し周囲の骨と密着させ
るために円錐台形状とする必要がある。該形状の具体例
を図1により更に詳細に説明する。図1はリン酸カルシ
ウム化合物を用いて円錐台形状に加工した頭蓋骨穿孔部
充填材の斜視図であり、aは上底の直径、dは下底の直
径、l1は高さを示し、該a、d、l1を任意に設定する
ことにより様々な大きさの円形穿孔部に対応させること
ができる。前記充填材の寸法は、骨穿孔部の大きさ又は
形状により、円錐台形状になるよう任意に定めることが
できるが、実用的には例えば前記図1に示すような円錐
台形状の充填材の場合には、高さ3〜20mmL、上底
2〜30mmφ、下底5〜50mmφとするのが好まし
い。
【0012】本発明の頭蓋骨穿孔部充填材を使用するに
は、手術終了後において穿孔部に前記充填材を穿孔部周
囲の骨と十分に密着するように押し込み、必要に応じて
充填後、穿孔部周囲の形状に合わせて加工すること等に
より使用することができる。
は、手術終了後において穿孔部に前記充填材を穿孔部周
囲の骨と十分に密着するように押し込み、必要に応じて
充填後、穿孔部周囲の形状に合わせて加工すること等に
より使用することができる。
【0013】
【発明の効果】本発明の頭蓋骨穿孔部充填材は、生体適
合性に優れ、穿孔部周囲の骨の物性に近似するので、長
期間穿孔部に固定させることができ、また多孔性である
ため充填後に穿孔部周囲の形状に合わせて加工すること
も容易で外観上良好である。更に充填材周囲及び内部に
おける早期骨形成能にも優れているので頭蓋骨穿孔部充
填材として有用である。
合性に優れ、穿孔部周囲の骨の物性に近似するので、長
期間穿孔部に固定させることができ、また多孔性である
ため充填後に穿孔部周囲の形状に合わせて加工すること
も容易で外観上良好である。更に充填材周囲及び内部に
おける早期骨形成能にも優れているので頭蓋骨穿孔部充
填材として有用である。
【0014】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0015】
【実施例1】HApを用いて、気孔率30%、50%、
70%、80%、90%の円錐台形状(上底5mmφ、
下底8mmφ、高さ10mmL)の多孔性充填材をそれ
ぞれ作製した。一方牛の大腿骨に7mmの穿孔を作成し、
次いで該穿孔部に得られた充填材を充填したところ、気
孔率30%〜80%の充填材は穿孔部周囲の骨に十分密
着させて充填することができたが、気孔率90%の充填
材は、充填時に破断し、形状を保つことができなかっ
た。
70%、80%、90%の円錐台形状(上底5mmφ、
下底8mmφ、高さ10mmL)の多孔性充填材をそれ
ぞれ作製した。一方牛の大腿骨に7mmの穿孔を作成し、
次いで該穿孔部に得られた充填材を充填したところ、気
孔率30%〜80%の充填材は穿孔部周囲の骨に十分密
着させて充填することができたが、気孔率90%の充填
材は、充填時に破断し、形状を保つことができなかっ
た。
【0016】
【実施例2】HApを用いて、平均気孔径10μm、5
0μm、90μm、300μmで、気孔率50%の円錐
台形状(上底6mmφ、下底9mmφ、高さ6mmL)
の多孔性充填材をそれぞれ作製した。一方、犬の頭蓋骨
に8mmの穿孔部を作成し、該穿孔部に前記充填材を充填
した。この際充填後、穿孔部周囲の骨の形状に合わせて
加工を施したが加工性は良好であった。
0μm、90μm、300μmで、気孔率50%の円錐
台形状(上底6mmφ、下底9mmφ、高さ6mmL)
の多孔性充填材をそれぞれ作製した。一方、犬の頭蓋骨
に8mmの穿孔部を作成し、該穿孔部に前記充填材を充填
した。この際充填後、穿孔部周囲の骨の形状に合わせて
加工を施したが加工性は良好であった。
【0017】術後4週にて患部を切開して充填部分を取
り出し、充填部組織を観察したところ平均気孔径90μ
m及び300μmの充填材は充填材内部まで新生骨組織
の形成が著しく、次いで50μmの充填材において充填
材内部の新生骨組織の形成が確認されたが、10μmの
充填材においては充填材内部の新生骨組織の形成は認め
られなかった。
り出し、充填部組織を観察したところ平均気孔径90μ
m及び300μmの充填材は充填材内部まで新生骨組織
の形成が著しく、次いで50μmの充填材において充填
材内部の新生骨組織の形成が確認されたが、10μmの
充填材においては充填材内部の新生骨組織の形成は認め
られなかった。
【図1】本発明の円錐台形状に加工した頭蓋骨穿孔部充
填材の斜視図。
填材の斜視図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 27/00 A61F 2/28
Claims (1)
- 【請求項1】 多孔性リン酸カルシウム化合物からな
り、且つ円錐台形状であることを特徴とする頭蓋骨穿孔
部充填材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3029050A JP2917544B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 頭蓋骨穿孔部充填材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3029050A JP2917544B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 頭蓋骨穿孔部充填材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04246361A JPH04246361A (ja) | 1992-09-02 |
JP2917544B2 true JP2917544B2 (ja) | 1999-07-12 |
Family
ID=12265558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3029050A Expired - Fee Related JP2917544B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 頭蓋骨穿孔部充填材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2917544B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002113090A (ja) * | 2000-10-12 | 2002-04-16 | Toshiba Ceramics Co Ltd | 生体用セラミックス多孔質部材 |
JP2003010310A (ja) * | 2001-06-27 | 2003-01-14 | Olympus Optical Co Ltd | 頭蓋骨用骨補填材料および補填方法 |
US20070184087A1 (en) | 2006-02-06 | 2007-08-09 | Bioform Medical, Inc. | Polysaccharide compositions for use in tissue augmentation |
JP2008237937A (ja) * | 2008-06-26 | 2008-10-09 | Hiromi Matsuzaki | 骨補填材 |
KR101684901B1 (ko) * | 2015-09-14 | 2016-12-12 | 한국기계연구원 | 골 삽입형 스캐폴드 |
-
1991
- 1991-01-31 JP JP3029050A patent/JP2917544B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04246361A (ja) | 1992-09-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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