JP2683401B2 - 抜歯窩充填材 - Google Patents
抜歯窩充填材Info
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- JP2683401B2 JP2683401B2 JP64000937A JP93789A JP2683401B2 JP 2683401 B2 JP2683401 B2 JP 2683401B2 JP 64000937 A JP64000937 A JP 64000937A JP 93789 A JP93789 A JP 93789A JP 2683401 B2 JP2683401 B2 JP 2683401B2
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- Japan
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- tooth extraction
- bone tissue
- tooth
- filler
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、抜歯後の顎堤低下を防止する抜歯窩充填材
に関する。
に関する。
従来、歯科における抜歯後の処置は、抜歯箇所からの
感染が起こらないようにその抜歯箇所に薬を付与する程
度のものであり、積極的に抜歯後の顎堤低下を防止する
といったことはほとんど行われていなかった。
感染が起こらないようにその抜歯箇所に薬を付与する程
度のものであり、積極的に抜歯後の顎堤低下を防止する
といったことはほとんど行われていなかった。
一方、近年になって生体親和性に優れたアルミナ,カ
ーボン,リン酸三カルシウムあるいはハイドロキシアパ
タイト等のセラミクス系材料が骨欠損部の充填材として
使用されるようになり、一部では上記セラミクス材料か
らなる抜歯窩充填材を抜歯窩へ埋入し、抜歯後の顎堤低
下を防止する試みがなされている。このような抜歯窩充
填材としては、例えば特開昭61−50558号公報に提案さ
れているものがある。この抜歯充填材は、多孔質体ある
いは緻密体からなるリン酸カルシウム化合物を円錘台ま
たは円柱状に成形したものであり、このような形状の抜
歯窩充填材を抜歯窩に移植することにより、抜歯後の顎
堤低下を防止するようにしている。
ーボン,リン酸三カルシウムあるいはハイドロキシアパ
タイト等のセラミクス系材料が骨欠損部の充填材として
使用されるようになり、一部では上記セラミクス材料か
らなる抜歯窩充填材を抜歯窩へ埋入し、抜歯後の顎堤低
下を防止する試みがなされている。このような抜歯窩充
填材としては、例えば特開昭61−50558号公報に提案さ
れているものがある。この抜歯充填材は、多孔質体ある
いは緻密体からなるリン酸カルシウム化合物を円錘台ま
たは円柱状に成形したものであり、このような形状の抜
歯窩充填材を抜歯窩に移植することにより、抜歯後の顎
堤低下を防止するようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、従来の抜歯窩充填材は、歯肉部と接触
する部分が複雑な形状をした疎面であると、口腔内環境
によっては、その材料表面から材料組織内に殺菌が侵入
し、抜歯窩充填材と接触する歯肉部が感染するという問
題がある。
する部分が複雑な形状をした疎面であると、口腔内環境
によっては、その材料表面から材料組織内に殺菌が侵入
し、抜歯窩充填材と接触する歯肉部が感染するという問
題がある。
また、抜歯窩充填時に骨組織と接触する部分の形状が
単に円錘台または円柱状をなくしたものであって、しか
もその材質が緻密なものであると、骨組織と良好に結合
することができないので、他の部分の歯が欠損し顎堤が
低下すると、抜歯窩充填材が動揺したり、排出現象が起
きるという問題がある。
単に円錘台または円柱状をなくしたものであって、しか
もその材質が緻密なものであると、骨組織と良好に結合
することができないので、他の部分の歯が欠損し顎堤が
低下すると、抜歯窩充填材が動揺したり、排出現象が起
きるという問題がある。
さらに、顎骨に形成される抜歯窩の形状は固体差があ
るため抜歯窩充填材の挿入先端は加工性に優れたものが
望まれるが、歯肉部の感染を防止するために緻密体を用
いた場合には加工が困難になるという問題がある。
るため抜歯窩充填材の挿入先端は加工性に優れたものが
望まれるが、歯肉部の感染を防止するために緻密体を用
いた場合には加工が困難になるという問題がある。
そこで本発明の目的は、骨組織と良好に結合して動揺
または排出といった不都合が生じることがなく、しかも
歯肉部の感染を確実に防止でき、また固体差に応じて容
易に加工でき凡庸性の高い抜歯窩充填材を提供すること
にある。
または排出といった不都合が生じることがなく、しかも
歯肉部の感染を確実に防止でき、また固体差に応じて容
易に加工でき凡庸性の高い抜歯窩充填材を提供すること
にある。
本発明は上記課題を解決し目的を達成するために、次
のような手段を講じた。すなわち、リン酸カルシウム系
化合物で形成し、上部の少なくとも歯肉部と接触する部
分を緻密体とし、下部の少なくとも骨組織と接触する部
分を多孔体とするようにした。
のような手段を講じた。すなわち、リン酸カルシウム系
化合物で形成し、上部の少なくとも歯肉部と接触する部
分を緻密体とし、下部の少なくとも骨組織と接触する部
分を多孔体とするようにした。
なお、上記リン酸カルシウム系化合物は、ハイドロキ
シアパタイトまたはβ−リン酸三カルシウムであること
が望ましい。
シアパタイトまたはβ−リン酸三カルシウムであること
が望ましい。
上記手段を講じたことにより、細菌の侵入が困難な緻
密体に歯肉部が接触するので、歯肉部の感染を確実に防
止できる。また、多孔体が骨組織に接触するので骨組織
が容易に形成され、したがって抜歯窩充填剤と骨組織と
が良好に結合する。さらに、骨組織との接触部は加工が
容易な多孔体であることから所望の形状にすることがで
き、凡庸性を向上させることができる。
密体に歯肉部が接触するので、歯肉部の感染を確実に防
止できる。また、多孔体が骨組織に接触するので骨組織
が容易に形成され、したがって抜歯窩充填剤と骨組織と
が良好に結合する。さらに、骨組織との接触部は加工が
容易な多孔体であることから所望の形状にすることがで
き、凡庸性を向上させることができる。
第1図は本発明の一実施例である抜歯窩充填材を示す
斜視図である。この抜歯窩充填材1は、緻密質な組織か
らなる緻密体部2と多孔質な組織からなる多孔体部3と
の接合体であり、全体の形状は多孔体部3先端を円錘状
にした弾頭型をしている。具体的な寸法は、直径5mm,全
長10mmに設定されており、図中上部3mmを緻密体部2と
し、下部7mmを多孔体部3としている。このような寸法
に設定することにより、抜歯窩充填時に、緻密体部2が
歯肉部等の軟組織に接触し、多孔体部3が骨組織と接触
することになる。なお、緻密体部2はβ−リン酸三カル
シウムからなり、多孔体部3は気孔率50%の多孔質β−
リン酸三カルシウムから形成されている。さらに、緻密
体部2の上面2aは鏡面とされている。
斜視図である。この抜歯窩充填材1は、緻密質な組織か
らなる緻密体部2と多孔質な組織からなる多孔体部3と
の接合体であり、全体の形状は多孔体部3先端を円錘状
にした弾頭型をしている。具体的な寸法は、直径5mm,全
長10mmに設定されており、図中上部3mmを緻密体部2と
し、下部7mmを多孔体部3としている。このような寸法
に設定することにより、抜歯窩充填時に、緻密体部2が
歯肉部等の軟組織に接触し、多孔体部3が骨組織と接触
することになる。なお、緻密体部2はβ−リン酸三カル
シウムからなり、多孔体部3は気孔率50%の多孔質β−
リン酸三カルシウムから形成されている。さらに、緻密
体部2の上面2aは鏡面とされている。
次に、上記のように構成した抜歯窩充填材を、実際に
抜歯窩に移植実験した結果について説明する。抜歯窩に
直径5mm,深さ10mmの穴を開け、その穴に上記抜歯窩充填
材1を充填したところ、充填後の経過は、歯肉部の感染
は認められず、また抜歯窩充填材1の排出もなかった。
しかも、骨組織内に埋入されている多孔体部3に骨組織
が速やかに入り込み、骨組織と良好に結合した。そし
て、抜歯窩における骨吸収が防止され、顎堤の形態を保
つことができた。
抜歯窩に移植実験した結果について説明する。抜歯窩に
直径5mm,深さ10mmの穴を開け、その穴に上記抜歯窩充填
材1を充填したところ、充填後の経過は、歯肉部の感染
は認められず、また抜歯窩充填材1の排出もなかった。
しかも、骨組織内に埋入されている多孔体部3に骨組織
が速やかに入り込み、骨組織と良好に結合した。そし
て、抜歯窩における骨吸収が防止され、顎堤の形態を保
つことができた。
このように本実施例によれば、生体親和性に優れたβ
−リン酸三カルシウムで緻密体部2と多孔質体部3との
接合体からなる抜歯窩充填材1を形成し、上面2aが鏡面
とされ細菌の侵入が困難な緻密体部2を歯肉部等の軟組
織に接触させ、骨組織の形成が容易な多孔質体部3を骨
組織と接触させるようにしたので、歯肉部の感染が確実
に防止できると共に、骨組織と良好に結合させることが
でき、抜歯窩充填材の動揺または排出といった不都合を
確実に防止できる。さらに、抜歯窩の骨組織に埋入され
る部分は比較的切削が容易な多孔質体3で形成されてい
るので、容易に抜歯窩の形状に加工することができ、凡
庸性を向上させることができる。
−リン酸三カルシウムで緻密体部2と多孔質体部3との
接合体からなる抜歯窩充填材1を形成し、上面2aが鏡面
とされ細菌の侵入が困難な緻密体部2を歯肉部等の軟組
織に接触させ、骨組織の形成が容易な多孔質体部3を骨
組織と接触させるようにしたので、歯肉部の感染が確実
に防止できると共に、骨組織と良好に結合させることが
でき、抜歯窩充填材の動揺または排出といった不都合を
確実に防止できる。さらに、抜歯窩の骨組織に埋入され
る部分は比較的切削が容易な多孔質体3で形成されてい
るので、容易に抜歯窩の形状に加工することができ、凡
庸性を向上させることができる。
なお、上記実施例では、β−リン酸三カルシウムを用
いて抜歯窩充填材1を形成した例を示したが、ハイドロ
キシアパタイトを用いて形成するようにしてもよい。
いて抜歯窩充填材1を形成した例を示したが、ハイドロ
キシアパタイトを用いて形成するようにしてもよい。
実際に、第1図に示す抜歯窩充填材をハイドロキシア
パタイトを用いて作成し、抜歯窩に移植実験したとこ
ろ、抜歯窩における骨吸収を防止でき、顎堤の形態を保
持することができた。また、上部軟組織からの感染を防
止することができ、しかも抜歯窩充填材の排出といった
不都合は認められなかった。なお、骨組織の形成はβ−
リン酸三カルシウムを用いた上記実施例に比して遅かっ
た。
パタイトを用いて作成し、抜歯窩に移植実験したとこ
ろ、抜歯窩における骨吸収を防止でき、顎堤の形態を保
持することができた。また、上部軟組織からの感染を防
止することができ、しかも抜歯窩充填材の排出といった
不都合は認められなかった。なお、骨組織の形成はβ−
リン酸三カルシウムを用いた上記実施例に比して遅かっ
た。
以上記述したように本発明によれば、リン酸カルシウ
ム系化合物からななる抜歯窩充填材の少なくとも歯肉部
と接触する部分を緻密体とし、骨組織と接触する部分を
多孔体としたので、抜歯窩における骨吸収の防止および
顎堤の低下を防止することができる上、歯肉部の感染を
確実に防止できると共に、骨組織と良好に結合させるこ
とができ、抜歯窩充填材の動揺または排出といった不都
合を防止できる。また、抜歯窩の骨組織に埋入される部
分は加工が容易な多孔体で形成されているので、抜歯窩
の形状に合わせた切削を容易に行なうことができ、従っ
て抜歯窩充填材の凡庸性を向上させることができる。
ム系化合物からななる抜歯窩充填材の少なくとも歯肉部
と接触する部分を緻密体とし、骨組織と接触する部分を
多孔体としたので、抜歯窩における骨吸収の防止および
顎堤の低下を防止することができる上、歯肉部の感染を
確実に防止できると共に、骨組織と良好に結合させるこ
とができ、抜歯窩充填材の動揺または排出といった不都
合を防止できる。また、抜歯窩の骨組織に埋入される部
分は加工が容易な多孔体で形成されているので、抜歯窩
の形状に合わせた切削を容易に行なうことができ、従っ
て抜歯窩充填材の凡庸性を向上させることができる。
第1図は本発明の一実施例である抜歯窩充填材の斜視図
である。 1……抜歯窩充填材、2……緻密体部、3……多孔質体
部。
である。 1……抜歯窩充填材、2……緻密体部、3……多孔質体
部。
Claims (2)
- 【請求項1】リン酸カルシウム系化合物からなり、上部
の少なくとも歯肉部と接触する部分を緻密体とし、下部
の少なくとも骨組織と接触する部分を多孔体としたこと
を特徴とする抜歯窩充填材。 - 【請求項2】上記リン酸カルシウム系化合物は、ハイド
ロキシアパタイトまたはβ−リン酸三カルシウムである
ことを特徴とする請求項1に記載の抜歯窩充填材。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP64000937A JP2683401B2 (ja) | 1989-01-06 | 1989-01-06 | 抜歯窩充填材 |
US07/754,358 US5135394A (en) | 1989-01-06 | 1991-08-29 | Extraction cavity filling member and a manufacturing method thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP64000937A JP2683401B2 (ja) | 1989-01-06 | 1989-01-06 | 抜歯窩充填材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02182251A JPH02182251A (ja) | 1990-07-16 |
JP2683401B2 true JP2683401B2 (ja) | 1997-11-26 |
Family
ID=11487589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP64000937A Expired - Lifetime JP2683401B2 (ja) | 1989-01-06 | 1989-01-06 | 抜歯窩充填材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2683401B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5297563A (en) * | 1992-04-03 | 1994-03-29 | Syers Charles S | Guided bone and tissue generation device and method to be used during or after dental surgery or jaw surgery |
US20100256773A1 (en) * | 2007-07-03 | 2010-10-07 | Vlaamse Instelling Voor Technologisch Onderzoek N.V. (Vito) | Surgical implant composed of a porous core and a dense surface layer |
CA3028672A1 (en) * | 2012-05-10 | 2013-11-14 | Homayoun H. Zadeh | Dental devices for extraction site reconstruction |
-
1989
- 1989-01-06 JP JP64000937A patent/JP2683401B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02182251A (ja) | 1990-07-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
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