JPH0564646A - インプラントセツト - Google Patents

インプラントセツト

Info

Publication number
JPH0564646A
JPH0564646A JP3255780A JP25578091A JPH0564646A JP H0564646 A JPH0564646 A JP H0564646A JP 3255780 A JP3255780 A JP 3255780A JP 25578091 A JP25578091 A JP 25578091A JP H0564646 A JPH0564646 A JP H0564646A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frame
bone
implant
particles
root
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3255780A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0638807B2 (ja
Inventor
Tadayasu Kajimoto
忠保 梶本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP3255780A priority Critical patent/JPH0638807B2/ja
Publication of JPH0564646A publication Critical patent/JPH0564646A/ja
Publication of JPH0638807B2 publication Critical patent/JPH0638807B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C8/00Means to be fixed to the jaw-bone for consolidating natural teeth or for fixing dental prostheses thereon; Dental implants; Implanting tools
    • A61C8/0003Not used, see subgroups
    • A61C8/0004Consolidating natural teeth
    • A61C8/0006Periodontal tissue or bone regeneration

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Dental Prosthetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯槽骨頂においてフレーム周囲の骨造成を促
進させて植立歯根部を垂直方向に安定固定させ、骨内イ
ンプラントを埋入・植立するだけの骨量が不足している
場合にも使用できるようにする。。 【構成】 インプラントセットとして、少なくとも1本
の植立歯根部を有する生体親和性のフレームと、歯槽骨
上に配置するフレームの周囲に充填する生体親和性の粒
子と、この充填粒子群を覆ってフレームの植立歯根部を
垂直に維持する生体不活性の半透膜すなわちミクロポア
フィルタとで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯槽骨頂においてフレ
ーム周囲の骨造成を促進させて植立歯根部を垂直方向に
安定固定するインプラントセットに関し、骨内インプラ
ントを埋入・植立するだけの骨量が不足している場合に
も使用でき、歯槽骨の高さの回復が可能なインプラント
セットに関する。
【0002】
【従来の技術】医学の進歩や環境改善による人間の寿命
の延長によって老人が増えると、生涯自分の歯で食事す
ることはかなり困難である。現在でも、臨床歯科的には
相当数の人が無歯顎又は無歯顎に近い状態であり、快適
な食生活を送るために自分の歯に近い義歯を求めている
患者は多い。この要望に応えることができるのが歯科イ
ンプラントであり、現在では主に骨内インプラントが販
売されており、これを多数の患者に対して顎骨に埋入し
て良績を上げている。
【0003】 骨内インプラントには、ブレード・ベン
ド・インプラントやシリンダ型インプラントなどがあ
り、歯科インプラント全体に占める割合は最も高い。骨
内インプラントは、適応できる下顎骨状態に条件があ
り、歯槽骨頂付近の頬舌径がインプラント端より3mm
以下(両側に1.5mm以下)では不可であり、しかも
下顎管上縁よりも3mm以上離すことを要する。このた
め、歯周病などによる歯の喪失又は年齢の増加に伴って
顎骨の垂直方向への骨吸収が著しい患者の場合、インプ
ラントを埋入できるだけの骨量が存在しないので、その
患者の腸骨を歯槽骨に移植したり、インプラントのブレ
ードを切削又は植立歯根部の形態修正をしたうえでイン
プラントを埋入することもある。
【0004】 骨内インプラントの埋入は、骨量不足が
著しくなれば、腸骨の移植手術が大掛かりになってしま
い、ブレードの切削又は植立歯根部の形態修正を行なっ
ても不可能な場合がある。また、骨内インプラントは、
埋入に要する骨の切削量が比較的多いので、手術の際に
下顎管や上顎洞を穿孔する危険性があり、一般的に埋入
手術が複雑でかなりの熟練を要する。これに対し、骨膜
下インプラント又は骨内骨膜下インプラントは、歯槽骨
頂にわたって配置するだけで殆ど埋入しないため、この
種のインプラントは下顎骨の骨量の多少に拘らず装着で
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】骨膜下や骨内骨膜下イ
ンプラントは、骨量の多少に関係なく装着でき、手術の
際に下顎管や上顎洞を穿孔する危険性が少ないけれど
も、口腔内における正確な骨面印象の採得に熟練を要す
るうえに、この際の手術野が広いので患者に対するダメ
ージが大きい。このインプラントでは、Co−Cr合金
又はCo−Cr−Mo合金によってフレームを精密鋳造
法で設計・製作して術後管理を徹底しても、予後にフレ
ームが歯槽骨頂からずれて義歯が動揺したり、部分的に
フレームが折れたりしやすい。このような場合には、歯
肉炎や頬側歯肉の肥厚を発症し、フレーム除去や支台部
周囲の歯肉切除を要することになる。
【0006】 また、骨膜下や骨内骨膜下インプラント
は、歯槽骨自体の高さは回復しないため、予後において
下顎舌側などからフレームの一部が露出しやすく、予後
に露出修復を必要とすることもある。フレーム素材のC
o−Cr合金は、純チタンやセラミックスよりも生体親
和性が劣り、骨内法に比べて歯肉の粘膜治癒が困難であ
ることが多い。
【0007】 本発明は、従来の骨内インプラント及び
骨膜下や骨内骨膜下インプラントに関する前記の問題点
を改善するために提案されたものであり、歯槽骨頂にお
いて新生骨の造成を促進させてこれを利用する新規なイ
ンプラントセットを提供することを目的としている。ま
た、本発明の他の目的は、植立歯根部を支えて垂直に維
持するインプラントセット用のフレームを提供すること
である。本発明の別の目的は、植立歯根部を垂直方向に
安定固定するのに十分な骨造成を迅速に達成させるイン
プラントセット用の各部材を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るインプラントセット1は、図1から図
3に示すように、少なくとも1本の棒状の植立歯根部2
を有する生体親和性のフレーム3と、歯槽骨4上に配置
したフレーム3の周囲に充填する生体不活性の粒子5
と、充填粒子5の群を覆ってフレーム3の植立歯根部2
を垂直に維持する生体不活性の半透膜6とで構成してい
る。本発明で用いるフレーム3には、植立歯根部2を支
える広幅のプレート部7を水平方向に形成し、該プレー
ト部には実質的に多数の貫通孔を設けるとともに、該プ
レート部の両端部を横断面について僅かに下向きに湾曲
させると好ましい(図1参照)。プレート部7に多数の
貫通孔を設ける例として、図4から図6に例示するよう
に、該プレート部はメッシュ状や格子状であってもよ
く、又は多重毛管状に種々の貫通孔を多数形成していて
もよい。
【0009】 フレーム3の植立歯根部2の形状は、一
般に棒状であるけれども細長い板状であってもよい。歯
根部2が棒状である場合には、歯冠部材やクラウンブリ
ッジをセメント合着やネジ止めするための中心孔11を
設けてもよい。図4又は図5から明らかなように、植立
歯根部2を2本以上並立させる場合には、全ての植立歯
根部2を一体的に接続するようにプレート部7を細長く
形成することにより、該プレート部を水平に設定すると
全ての植立歯根部2がほぼ垂直に位置することが可能で
ある。図9に示すように、植立歯根部2の上端部外周に
アパタイトリング40を嵌装すると、臨床的に歯頸部の
閉鎖が良好になるので好ましい。また、植立歯根部2の
中心孔11を閉じるために、一般に植立歯根部2の上端
にはカバースクリュー41を装着する。
【0010】 フレーム3の素材としては、生体親和性
の純チタン,チタン合金などが例示できる。フレーム3
を多孔構造にして骨組織との接着性を高めるために、チ
タン粒のプラズマ溶射、陽極酸化、エレクトロビーム又
は酸食法などによってフレーム表面を処理すると好まし
い。また、チタンフレームの表面をアパタイトなどのセ
ラミックスでコートすることも可能である。
【0011】 本発明で用いる充填粒子5は、一般に粒
径が約300〜1000μmであって、ハイドロキシア
パタイト、バイオグラス、結晶化グラスなどのセラミッ
クス製である。充填粒子5は、生体親和性の純チタン,
チタン合金などの粉末であってもよい。骨が生体活性に
化学結合するハイドロキシアパタイトは、化学式がCa
10(PO4)6(OH)4であり、その組成は天然骨や天然歯
の無機質成分のそれとほぼ同じであり、1200℃前後
で焼結された乳白色半透明の焼成体である。
【0012】 本発明で用いる半透膜6は、一般に孔径
が約0.45〜5.0μmであるミクロポアフィルタと称
し、充填粒子5への周辺組織細胞の侵入を防ぎ、しかも
充填粒子5間で骨組織液の循環が可能であることを要す
る。この種の半透膜6の素材としては、生体不活性のポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、高密度ポリエチレン(HD
PE)、シリコンゴム、吸収性コラーゲン膜、ポリ乳酸
膜などが例示できる。
【0013】 充填粒子5を覆う半透膜6は、その周囲
を複数本のネジ(図示しない)によって歯槽骨に直接固
定してもよいが、通常は環状の金属外枠8(図2)を半
透膜6上に配置する。外枠8は、一般にチタンなどの金
属製であり、ネジ9を介して歯槽骨4に固定し、歯槽骨
頂に沿って変形して密接させることにより、周辺の組織
細胞が充填粒子5へ侵入することをいっそう効果的に防
ぐことができる。
【0014】 本発明のインプラントセット1では、垂
直方向の骨量が減少した歯槽骨4上にフレーム3を配置
する際に、図1のように各植立歯根部2の下端部10を
歯槽骨頂に僅かに埋入させ、フレーム3が安定するよう
に配置すると好ましい。充填粒子5は、フレーム3の周
囲においてプレート部7の上下空間に十分に詰め込み、
更に充填粒子5の群を半透膜6で覆って、充填粒子群の
個所における骨造成が殆ど完了するまで植立歯根部2を
垂直に維持する。
【0015】
【作用】本発明に関して、歯槽骨の水平性骨吸収域にお
いて、フレーム3の周囲であるプレート部7の上下空間
にハイドロキシアパタイト粒子5を十分に詰め込み、更
に充填粒子群を半透膜6で覆うと、充填粒子群の個所に
おいて新生骨の造成が以下のように経時的に進行して骨
のモデリングが変化するものと推定できる。このインプ
ラントセット1を設置してから約2週間後には、充填粒
子相互間の血餅成分は消失しているが、粒子間において
未分化な間葉細胞は殆ど見られず、顎骨組織の上縁部に
近づくにつれて組織分化が進んでいる。顎骨組織の上縁
部に隣接する下方の部位では、梁状新生骨が形成され、
粒子表面の広範囲にわたって新生骨が連続した状態にな
る。
【0016】 設置後1ヵ月では、骨形成の範囲は設置
後2週間と比べてそれほどの変化はない。骨形成の見ら
れない充填粒子群の上方部位では、顎骨組織の上縁部に
隣接する下方部位との領域で新生骨表面に厚い骨前質が
認められるものの、それらの周囲に未石灰化の幼弱な骨
梁は殆ど認められない。設置後3ヵ月に至ると、充填粒
子群の下方部位では、粒子表面の新生骨が発育肥厚し、
その骨形成量は非常に増加しているが、上方部位では、
充填粒子間が骨組織で満たされておらず、比較的小さい
骨髄が各所に残存している。
【0017】 設置後約3〜6ヵ月に達すれば、骨形成
の生じていない領域が殆ど解消し、全域にわたって緻密
な新生骨内に粒子が封入された状態となるものと予想で
きる。従って、この期間に達するまでフレーム3を初期
固定することが必要であり、これによってフレーム3を
骨性癒着させることができる。フレーム3の骨性癒着後
において、歯冠部材12(図3参照)などをフレーム3
の植立歯根部2に固着すればよい。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する
と、図1又は図3に本発明に係るインプラントセット1
を示す。インプラントセット1で用いるフレーム3は、
表面にチタン粒をプラズマ溶射又はアパタイトでコート
したチタン材からなり、垂直方向の植立歯根部2を水平
方向に形成したプレート部7で支える構造である。図4
に示すフレーム3の寸法と形状は、インプラントを装着
する患者の歯槽骨の骨量と形状に応じて異なるけれど
も、例えば幅約4mm、長さ約10mmである。
【0019】 フレーム3の植立歯根部2は、歯冠部材
12(図3参照)を装着するために一般に細長い棒状で
あり、該歯冠部材をセメント合着するための中心孔11
を設ける。歯根部2の下端部10は、インプラント設置
時に僅かに歯槽骨頂に埋入できるように、水平方向のプ
レート部7を経て下方へ突出している。プレート部7
は、図4又は図5に示すように、植立歯根部2を2本並
立させるならば両植立歯根部を一体的に接続するように
ほぼ楕円状平面に細長く形成し、図6に示すように植立
歯根部2が1本の場合には、該植立歯根部を囲むように
周辺にほぼ円形の平面に形成する。
【0020】 図4では、プレート部7の全面をメッシ
ュ20にすることによって該プレート部に実質的に多数
の貫通孔を設け、該メッシュ2を太いプレート周辺部2
1で支えている。プレート部7がメッシュであるのは図
6(2)でも同様であり、この場合には放射状の梁22
と周辺部23を太くする。プレート部7には、図5
(1)や図6(3)に示すように多重毛管状に多数の貫
通孔24を設けてもよく、又は図5(2)や図6(1)
に示すように多数の格子25を組み合わせるように構成
してもよい。
【0021】 プレート部7は、図1に示すように植立
歯根部2を2本並立させるならば、その両端部を横断面
について僅かに下向きに湾曲させる。また、図6のよう
に植立歯根部2が1本であるならば、その周辺のプレー
ト部周端部を全面的に僅かに下向きに湾曲させると好ま
しい。
【0022】 本発明で用いる充填粒子5は、粒径が約
300〜1000μmであるハイドロキシアパタイト製
であると好ましい。半透膜6は、フレーム2の全体を覆
うことができる平面形状に裁断し、一般に孔径が約0.
45〜5.0μmであるPTFE膜である。また、環状
のチタン外枠8(図2)は、その平面形状がフレーム2
の全体よりも大きく、その長手方向の両端にネジ9を通
す貫通孔を設けておく。
【0023】 本発明のインプラントセット1では、そ
の設置前に口腔内写真やブロービングなどによって、通
常の歯槽骨(図1の一点鎖線参照)に比べて垂直方向の
骨量が減少した歯槽骨4における骨面形成の高さと長さ
及び充填粒子量などを定める。フレーム3の設置時に
は、該フレームを完全に被覆するために歯肉弁を可及的
に残すように切開線を決め、患者の口腔内を消毒・麻酔
した後に粘膜と骨膜を含めた歯肉弁の剥離を行なう。こ
の際に、術後の歯肉弁の閉鎖を容易にできるだけの十分
な剥離が必要である。セット1を設置する根面を清掃
し、骨面における肉芽組織の掻爬を十分に行なう。骨組
織の再生を良好にするために設置骨面に新鮮創面を作っ
て出血を促し、ラウンドバーなどによって植立歯根部2
の下端部10を埋入する凹みを歯槽骨頂に形成する。こ
の凹みの深さは1mm前後である。
【0024】 次に、フレーム3における各植立歯根部
2の下端部10を歯槽骨頂の凹みに埋入させる(図1参
照)。充填粒子5を生理食塩水に浸漬してやや湿り状態
にしてから、フレーム3の周囲において注入用シリンダ
(図示しない)などによってプレート部7の上下空間に
十分に詰め込み、緊密化させた充填粒子群を半透膜6で
覆う。次に環状のチタン外枠8を半透膜6の上に配置
し、該外枠を歯槽骨頂に沿って密接するように変形させ
てから、ネジ9,9によって歯槽骨4の上にしっかり固
定する。
【0025】 フレーム3の設置が完了すれば切開され
た粘膜を縫合し、縫合後約2〜3週間経過すると粘膜が
治癒する。更にフレーム3の設置後3〜6ヵ月に至るま
で患者に暫定義歯を使用させ、充填粒子群の個所におけ
る骨造成が完了するまで、植立歯根部2を垂直に維持す
るようにフレーム3を初期固定することが必要である。
【0026】 設置後3〜6ヵ月に至ると、充填粒子群
の上方部位の一部を除いて骨形成の生じていない領域は
殆ど解消し、充填粒子群のほぼ全域にわたって緻密な新
生骨内に粒子5が封入されてしまった状態となり、この
骨性癒着の状態によってフレーム3を歯槽骨頂において
強固に固定することになる。このような骨性癒着後にお
いて、歯冠部材12(図3参照)をフレーム3の植立歯
根部2に固着すればよい。
【0027】実験例 健常な雑種成犬6頭を用い、これをそれぞれ2頭ずつ3
群に分けて、水平性骨吸収域での骨造成及びこの骨造成
における半透膜の作用について実験を行なう。各犬につ
いて、下顎左右第1前臼歯から第4前臼歯を抜歯し、抜
歯3ヵ月後に各犬の抜歯スペースの頬側に歯肉骨膜弁を
形成してから、図7及び図8に示すような本発明と類似
のインプラントセットを設置する。
【0028】 第1群として、頬側骨上に上部開放型の
内高約2mmのチタンフレーム30を設置する。H字状
側面のフレーム30は、メッシュ状の水平部31と、多
数の貫通孔を設けた垂直部32、32とからなり、水平
部31の上下にハイドロキシアパタイト粒子33を充填
してから、その全体をPTFE膜34で覆う。このPT
FE膜34上には、環状のチタン外枠35を配置してネ
ジ36で固定する。
【0029】 第2群として、チタンフレーム30の水
平部31の上下にハイドロキシアパタイト粒子33を充
填しただけで、その全体はPTFE膜などの半透膜で覆
っていない。また、第3群として、上部閉鎖型の内高2
mmの逆U字形断面チタンフレーム(図示しない)内に
ハイドロキシアパタイト粒子33を充填し、その全体を
PTFE膜34で覆い、その上にチタン外枠35を配置
してネジ36で固定する。
【0030】 前記のインプラントセットの装着後に粘
膜を縫合し、1週間後に抜糸を行なう。全ての犬をイン
プラント装着後3ヵ月後に屠殺し、スライド用切片を形
成して光学顕微鏡によって充填粒子群における骨造成を
観察する。光学顕微鏡下において、第1群が3群中で最
も多くの骨造成が観察され、第2群では僅かに骨造成を
見ることができるが、第3群では全く骨造成を見ること
ができない。骨造成が観察された第1群及び第2群につ
いてグリッドを撮影し、造成された骨の最頂部の高さの
測定を行なった結果、第1群では造成距離が平均1.5
mm、第2群では平均0.6mmである。
【0031】 第1群が他の群よりも骨の造成量が多か
ったのは、チタンフレーム30を骨格としてPTFE膜
34がテント状に覆って充填粒子33間への破骨細胞な
どの周辺組織細胞の侵入を防ぎ、充填粒子33間で骨組
織液のみが循環したためと考えられる。第2群が、第1
群に比べて骨の造成量が少なかったのは、充填粒子33
間で骨組織液の循環は生じるものの、充填粒子33間へ
破骨細胞などの周辺組織細胞が侵入したためである。ま
た、第3群において骨造成が見られなかったのは、フレ
ーム内の充填粒子33間で骨組織液が循環しない閉鎖さ
れた環境になったためである。
【0032】 本実験における第1群の結果は、水平性
骨吸収域での骨造成の可能性を十分に示している。図9
は、第1群のインプラント装着部分のスライド用切片の
写真であり、各写真の黒い部分がチタンフレーム30で
あって、図9(1)から(3)に向って同一個所を順次
拡大している。図9(1)において、黒い部分の下端を
結ぶ直線が元の骨のレベルであり、中央の小さい黒点で
あるメッシュの周辺において新生骨が形成されているの
が明らかであり、この個所を図9(2)更に図9(3)
で拡大して示す。この結果及び光学顕微鏡での観察によ
り、インプラント装着後3ヵ月後では、新生骨はチタン
フレーム30のメッシュを通過した充填粒子群の上方部
位には未だ形成されていない。
【0033】
【発明の効果】本発明のインプラントセットは、骨のモ
デリングを変化させて歯槽骨頂において植立歯根部を含
むフレームを新生骨によって骨性癒着させるものであ
り、骨内インプラントを埋入・植立するだけの顎骨の骨
量が不足している場合にも設置できる。従って、本発明
のインプラントセットは、歯牙喪失に伴って顎骨の吸収
が大きい患者や、一般に骨質がすう粗で骨内インプラン
トの適用が難しい上顎骨の部位にも比較的容易に設置可
能である。
【0034】 本発明のインプラントセットは、骨内イ
ンプラントのように設置に際して歯槽骨を深く切削しな
いので、手術の際に下顎管や上顎洞を穿孔する危険性が
ないうえに、予後における歯槽骨の骨吸収も殆どなく、
予後において義歯が動揺したり又はフレームが折れるこ
とが少なくて術後管理も比較的単純でよい。本発明のイ
ンプラントセットは、骨膜下や骨内骨膜下インプラント
のように口腔内における骨面印象が不要であり、手術野
も比較的狭くて患者に対するダメージも小さい。
【0035】 また、本発明のインプラントセットは、
歯槽骨の高さを新成骨によって十分に回復するため、患
者の口元の審美性を満足させることができ、従来の骨膜
下や骨内骨膜下インプラントのように、歯槽骨頂を越え
るフレームの一部が手術時又は予後において下顎舌側な
どから露出することを解消し、大体において歯肉の粘膜
治癒が可能である。このインプラントセットは、50〜
69才の患者の約60%に認められる変性骨疾患にも適
用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインプラントセットを歯槽骨頂
に配置した状態を示す概略横断面図である。
【図2】 図1のインプラントセットの平面図である。
【図3】 図1のインプラントセットを中央部で切断し
た概略縦断面図である。
【図4】 図1のインプラントセットで用いるフレーム
の平面図である。
【図5】 植立歯根部2本であるフレームの変形例をそ
れぞれ示す平面図である。
【図6】 植立歯根部1本であるフレームの別の変形例
をそれぞれ示す平面図である。
【図7】 本発明と関連する実験例で用いたインプラン
トセットを示す概略平面図である。
【図8】 図7のインプラントセットの概略平面図であ
る。
【図9】 フレームの植立歯根部の変形例を示す概略断
面図である。
【図10】 図7のインプラントセットを用いた実験例
の結果を示す写真である。
【符号の説明】
1 インプラントセット 2 植立歯根部 3 フレーム 4 歯槽骨 5 充填粒子 6 半透膜 7 プレート部 8 金属外枠

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1本の植立歯根部を有する生
    体親和性のフレームと、歯槽骨上に配置するフレームの
    周囲に充填する生体親和性の粒子と、この充填粒子群を
    覆ってフレームの植立歯根部を垂直に維持する生体不活
    性の半透膜とで構成し、充填粒子間における骨造成によ
    ってフレームを固定してから、該フレームの植立歯根部
    の先端に歯冠又はブリッジを装着するインプラントセッ
    ト。
  2. 【請求項2】 植立歯根部を支えるプレート部を水平方
    向に形成し、該プレート部に実質的に多数の貫通孔を設
    けるとともに、該プレート部の両端部を横断面について
    僅かに下向きに湾曲させているインプラントセット用フ
    レーム。
  3. 【請求項3】 棒状の植立歯根部を2本以上並立させる
    場合、全ての植立歯根部を一体的に接続するようにプレ
    ート部を細長く形成することにより、該プレート部をほ
    ぼ水平に設定するとともに各植立歯根部がほぼ垂直に位
    置する請求項1又は2記載のフレーム。
  4. 【請求項4】 粒径が約300〜1000μmであるハ
    イドロキシアパタイトからなる請求項1記載の充填粒
    子。
  5. 【請求項5】 孔径が約0.45〜5.0μmであって、
    充填粒子への周辺組織細胞の侵入を防ぎ、しかも充填粒
    子間で骨組織液の循環が可能である請求項1記載の半透
    膜。
  6. 【請求項6】 充填粒子を覆う半透膜の周囲を歯槽骨頂
    に密接させるために、該半透膜上に配置させて歯槽骨に
    固定している環状のインプラントセット用金属外枠。
JP3255780A 1991-09-06 1991-09-06 インプラントセット Expired - Lifetime JPH0638807B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3255780A JPH0638807B2 (ja) 1991-09-06 1991-09-06 インプラントセット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3255780A JPH0638807B2 (ja) 1991-09-06 1991-09-06 インプラントセット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0564646A true JPH0564646A (ja) 1993-03-19
JPH0638807B2 JPH0638807B2 (ja) 1994-05-25

Family

ID=17283529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3255780A Expired - Lifetime JPH0638807B2 (ja) 1991-09-06 1991-09-06 インプラントセット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0638807B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7530810B2 (en) 2006-08-30 2009-05-12 Clement Milton A Dental fixture implantation system and associated method
JP2010510019A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 デクレモン、フィリップ 骨上歯科インプラント
JP2011212209A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Japan Medical Materials Corp 骨誘導再生用支持体
KR101226745B1 (ko) * 2011-06-24 2013-01-25 김미경 골유도 재생술을 위한 연조직 고정 프레임 및 이를 이용한 고정 방법
JP2015066104A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 京セラメディカル株式会社 歯槽骨再生誘導用膜
US10342643B2 (en) 2012-07-12 2019-07-09 Joint Stock Company “ALTIMED” Dental implant

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7530810B2 (en) 2006-08-30 2009-05-12 Clement Milton A Dental fixture implantation system and associated method
JP2010510019A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 デクレモン、フィリップ 骨上歯科インプラント
JP2011212209A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Japan Medical Materials Corp 骨誘導再生用支持体
KR101226745B1 (ko) * 2011-06-24 2013-01-25 김미경 골유도 재생술을 위한 연조직 고정 프레임 및 이를 이용한 고정 방법
US10342643B2 (en) 2012-07-12 2019-07-09 Joint Stock Company “ALTIMED” Dental implant
JP2015066104A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 京セラメディカル株式会社 歯槽骨再生誘導用膜

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0638807B2 (ja) 1994-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11497583B2 (en) Methods of designing and manufacturing customized dental prosthesis for periodontal or osseointegration and related systems
Kubilius et al. The preservation of alveolar bone ridge during tooth extraction
US9649178B2 (en) Devices and methods for enhancing bone growth
US9452032B2 (en) Soft tissue preservation temporary (shell) immediate-implant abutment with biological active surface
US7708557B2 (en) Customized dental prosthesis for periodontal- or osseointegration, and related systems and methods
Nemcovsky et al. Rotated split palatal flap for soft tissue primary coverage over extraction sites with immediate implant placement. Description of the surgical procedure and clinical results
US8602780B2 (en) Customized dental prosthesis for periodontal or osseointegration and related systems and methods
Novaes Jr et al. Soft tissue management for primary closure in guided bone regeneration: surgical technique and case report.
JPH0564646A (ja) インプラントセツト
La Monaca et al. Vertical Guided Bone Regeneration with Mineralized Cancellous Bone Allograft in a Severe Anterior Maxillary Defect: A Clinical Report with 14‐Year Follow‐Up
RU2182817C1 (ru) Внутрикостный корневой остеокондуктивный дентальный имплантат и материал для его изготовления
Van Steenberghe et al. Clinical examples of what can be achieved with osseointegration in anatomically severely compromised patients.
RU2254096C2 (ru) Способ непосредственного дентального протезирования
Ahmed Elmarakby., et al.“Evaluation of Early Loading Versus Immediate Loading of Dental Implants: A Comparative Study”
Caubet Biayna et al. Manejo de defectos óseos anteroposteriores en el frente estético
CN217938428U (zh) 拟牙根种植体系统
US20230210639A1 (en) Dental support screw
Rawat et al. Efficacy of the Β-Tricalcium Phosphate in the Stability of Immediate Implant Placement-an Original Research
Darbar Dental Implants for Hygienists and Therapists
Kij-artorn et al. Clinical evaluation of 3D printed nano-bioengineered bone graft for alveolar ridge preservation: a randomized controlled trial
Abdallah Augmentation procedures for the maxillary sinus: A case report with 10-year follow-up
Papakoca et al. The Importance Of The Surface Layer Of Dental Implants For Successful Tissue Integration: A Clinical Case Report
Ley Minimally Invasive Extraction and Immediate Implant Placement: The Preservation of Esthetics.
Schroeder et al. THE ITI SYSTEM-HOLLOW CYLINDER AND HOLLOW SCREW IMPLANTS
WO2009118725A1 (en) Tooth socket covering