JP2917272B2 - 車両用自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の油圧制御装置

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JP2917272B2
JP2917272B2 JP62298348A JP29834887A JP2917272B2 JP 2917272 B2 JP2917272 B2 JP 2917272B2 JP 62298348 A JP62298348 A JP 62298348A JP 29834887 A JP29834887 A JP 29834887A JP 2917272 B2 JP2917272 B2 JP 2917272B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は車両用自動変速機の油圧制御装置の改良に関
する。 〔従来の技術〕 第1,第2,第3及び第4の係合要素と,油圧源と上記第
1の係合要素とを連通する油路に介装され同第1の係合
要素への油圧の給排を車両の運転状態に応じて切換える
第1のシフト装置と,上記油圧源と上記第2の係合要素
とを連通する油路に介装され同第2の係合要素への油圧
の給排を車両の運転状態に応じて切換える第2のシフト
装置と,上記油圧源と上記第3の係合要素とを連通する
油路に介装され同第3の係合要素への油圧の給排を車両
の運転状態に応じて切換える第3のシフト装置と,上記
油圧源と上記第4の係合要素とを連通する油路に介装さ
れ同第4の係合要素への油圧の給排を車両の運転状態に
応じて切換える第4のシフト装置とをそなえ,上記第1
〜,第4の係合要素のうちの2つを選択的に係合させる
ことにより複数の変速段が達成可能な車両用自動変速機
は米国特許第3754482号公報により公知である。同公報
に記載のものは,各係合要素への油圧の給排が各シフト
装置のソレノイド弁D,E,F,GのON/OFF動作によって切換
えられるように構成されており,同ソレノイド弁の故
障,もしくは同ソレノイド弁を制御する電子制御装置の
故障により3つ以上の係合要素が同時に係合してしま
い,自動変速機のギヤトレーンのトルク伝達経路に矛盾
が生じて入出力軸がロックしたり変速機が破損してしま
うおそれがあるため,油圧源と各シフト装置とを連通す
る各油路にリレーバルブが介装されている。 そして、ソレノイド弁A及びCが作動して前進用クラ
ッチ54が係合している状態において、例えばソレノイド
弁Gが作動して油路126のライン圧が第4リレーバルブ1
40、油路206、油路160、油路158を介して4速・後進用
係合要素48へ供給され第4速の変速段が達成されている
ときは、上記油路160の油圧が各リレーバルブ134、13
6、138へ供給され同バルブに対応した係合要素58、56、
52は接続された各シフト弁104、106、108とライン圧が
導かれる油路126との連通を遮断するので、上記電子制
御装置の故障等により上記各シフト弁104、106、108に
取付けられたソレノイド弁D、E、Fの少なくとも1つ
が誤作動しても上記係合要素が係合状態となることがな
い。 従って,上記公報に記載のものは3つ以上の係合要素
へ同時に油圧が供給されることがなく、変速機が破損し
たり、ロック状態となってしまうことがないという効果
を奏する。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし,上記構成のものは,上記目的を達成するため
に油圧源と各シフト装置とを連通する各油路毎にリレー
バルブを介装しなければならないため,油圧回路の複雑
化及び部品点数が多くなることによるコストの上昇,バ
ルブスティック等の油圧回路中の不具合発生確率の上昇
等を招いてしまう不具合がある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は上記に鑑み創案されたもので、2つを同時に
係合することにより複数の変速段を達成するための第1,
第2及び第3の係合要素と、油圧源と上記第1の係合要
素とを連通する油路に介装され同第1の係合要素への油
圧の給排を車両の運転状態に応じて切り換える第1のシ
フト装置と、上記油圧源と上記第2の係合要素とを連通
する油路に介装され同第2の係合要素への油圧の給排を
車両の運転状態に応じて切り換える第2のシフト装置
と、上記油圧源と上記第3の係合要素とを連通する油路
に介装され同第3の係合要素への油圧の給排を車両の運
転状態に応じて切り換える第3のシフト装置とを備えた
車両用自動変速機において、上記第1のシフト装置と上
記第1の係合要素とを連通する第1の油路に油圧が供給
されていることを検出する第1の検出手段と、上記第2
のシフト装置と上記第2の係合要素とを連通する第2の
油路に油圧が供給されていることを検出する第2の検出
手段と、上記第3のシフト装置と上記第3の係合要素と
を連通する第3の油路に油圧が供給されていることを検
出する第3の検出手段と、上記第1の油路中に配設さ
れ、上記第1の係合要素へ油圧を供給可能とする供給位
置と上記第1の係合要素の油圧を排出する排出位置とを
有する切換弁と、上記第1の油路と第2の油路と第3の
油路の全てに油圧が供給されていることが検出されると
上記切換弁を上記排出位置に切り換える切換手段とを有
することを特徴とする車両用自動変速機の油圧制御装置
を要旨とするものである。 〔作用〕 本発明の構成によれば、所定の2つのシフト装置が作
動中に他の1つのシフト装置が誤作動して第1、第2、
及び第3の油路に同時に油圧が導かれ、その油圧が所定
値以上になると、第1の油路に配設された切換弁が第1
の係合要素が排出される排出位置に切換えられ、3つの
係合要素が同時に係合するのを防止する構成を、各油路
毎に切換弁を配設することなく必要最低限の部品点数の
増加のみで達成できるので、コストの上昇、バルブステ
ィック等の油圧回路中の不具合発生率の上昇を低く抑え
ることができ、又、油圧回路も簡素化できる。 〔実施例〕 本発明の一実施例を第1図及び第2図に基づいて詳細
に説明する。 第1図は前進4段後進1段の変速段が達成可能な自動
変速機の歯車変速装置を示す骨格図で,図示しないエン
ジンのクランク軸に直結された駆動軸10はトルクコンバ
ータ12の入力用ケーシング14を介して同トルクコンバー
タ12のポンプ16に連結されており,同トルクコンバータ
12のステータ18はワンウエイクラッチ20を介して変速ケ
ーシング22に連結されている。また,上記トルクコンバ
ータ12のタービン24は入力軸26を介して第3係合要素と
してのオーバドライブクラッチ28,第4係合要素として
のアンダドライブクラッチ30及びリバースクラッチ32に
連結されており,同オーバドライブクラッチ28の出力側
は第1中間軸34を介して第1単純遊星歯車装置36(以
下,単に第1歯車装置36と称する)の第1キャリア38と
第2単純遊星歯車装置40(以下,単に第2歯車装置40と
称する)の第2キャリア42とに連結されるとともに上記
第1中間軸34の回転を停止させるための第1係合要素と
してのロー・リバースブレーキ44に連結され,アンダド
ライブクラッチ30の出力側は上記第1歯車装置36の第1
サンギヤ46に連結され,リバースクラッチ32の出力側は
第2中間軸48を介して上記第1歯車装置36の第1リング
ギヤ50と第2歯車装置40の第2サンギヤ52とに連結され
るとともに上記第2中間軸48の回転を停止させるための
第2係合要素としての2−4ブレーキ54に連結されてい
る。 上記第1歯車装置36は上記第1サンギヤ46,同サンギ
ヤ46に噛合する第1ピニオンギヤ56,同ピニオンギヤ56
を回転自在に支持するとともに自身が回転可能な上記第
1キャリア38,上記第1ピニオンギヤ56に噛合する上記
第1リングギヤ50から構成され,また,上記第2歯車装
置40は上記第2サンギヤ52,同サンギヤ52に噛合する第
2ピニオンギヤ58,同ピニオンギヤ58を回転自在に支持
するとともに自身が回転可能な上記第2キャリア42,上
記第2ピニオンギヤ58に噛合する第2リングギヤ60から
構成されている。そして,同第2リングギヤ60は,上記
第1中間軸34が挿通される中空の出力軸62を介して出力
歯車64に連結されている。 上記出力歯車64は,上記入力軸26に対して略平行に配
設された中間伝動軸66の右端に設けられた被駆動歯車68
にアイドラ70を介して噛合されており,上記中間伝導軸
66の左端は,差動歯車装置72を介して駆動車軸74に連結
された最終減速歯車76に連結されている。 なお,第1図からも明らかなように上記変速機ケーシ
ング22はトルクコンバータ12から出力歯車64まで,及び
中間伝動軸66,差動歯車装置72等を内包するように形成
されている。 上記各クラッチ,ブレーキはそれぞれ係合用ピストン
装置あるいはサーボ装置等を備えており,油圧が給排さ
れることにより係合,解放が行われる。そして,上記油
圧は図示しない油圧制御装置によって各クラッチ,ブレ
ーキに選択的に供給され,同各クラッチ,ブレーキの作
動の組み合わせによって前進4段後進1段の変速段が達
成される。 第1表は各クラッチ,ブレーキの作動と変速段状況と
の関係を示したものであり,同表において“○”印はク
ラッチまたはブレーキの係合を示し,“−”印はそれら
の解放を示している。 上記構成において,ロー・リバースブレーキ44及びア
ンダドライブクラッチ30を係合すると,第1キャリア38
と第2キャリア42とが固定されて反力要素となり,駆動
軸10からの駆動力がトルクコンバータ12,入力軸26,アン
ダドライブクラッチ30,第1サンギヤ46,第1ピニオンギ
ヤ56,第1リングギヤ50,第2サンギヤ52,第2ピニオン
ギヤ58,第2リングギヤ60を介して出力軸62に伝達さ
れ,さらに,出力歯車64,中間伝導軸66,最終減速歯車76
を介して駆動車軸74に伝達されて第1表からも明らかな
ように第1速が達成される。 次に,アンドラドライブクラッチ30の係合状態を保持
したまま,ブレーキ44を解放してブレーキ54を係合させ
ると,第1リングギヤ50及び第2サンギヤ52の回転が停
止されて反力要素となり,駆動力が第1サンギヤ46,第
1キヤリア38,第2キャリア42,第2リングギヤ60,出力
軸62を介して出力歯車64へ伝達され,第2速が達成され
る。 次に,アンダドライブクラッチ30の係合状態を保持し
たまま2−4ブレーキ54を解放しオーバドライブクラッ
チ28を係合させると,第1サンギヤ46と第1キャリア38
とが一体的に回転するので第1歯車装置36全体が一体的
に回転する。従って,第2サンギヤ52および第2キャリ
ア42が一体的に回転するので第2歯車装置40全体も一体
的に回転し,入力軸26と出力歯車64とが同一回転数とな
る第3速が達成される。 さらに,オーバドライブクラッチ28の係合状態を保持
したままアンダドライブクラッチ30を解放し2−4ブレ
ーキ54を係合させると,第2サンギヤ52が反力要素とな
るので,駆動力が第1中間軸,第2サンギヤ52,第2ピ
ニオンギヤ58,第2キャリア42,出力軸62を介して出力歯
車64に伝達され,出力歯車64の回転が入力軸26の回転よ
りも速くなるオーバドライブの第4速が達成される。 次に,オーバドライブクラッチ28及び2−4ブレーキ
54の係合を解放しリバースクラッチ32及びロー・リバー
スブレーキ44を係合させると,第2キャリア42が反力要
素となり,駆動力が第2中間軸,第2サンギヤ52,第2
ピニオンギヤ58,第2リングギヤ60,出力軸62を介して出
力歯車64に伝達され後進の変速段が達成される。 次に、第1図に示す歯車変速装置において,第1表に
示す各変速段を達成するための油圧制御装置の構成及び
その作動について説明する。 第2図に示す油圧制御装置は,オイルパン80からフィ
ルタ82,油路84を経てオイルポンプ86へ吸引され同ポン
プ86より油路88へ吐出される油圧を,トルクコンバータ
12に供給するとともに第1図に示す歯車変速装置の各ク
ラッチ28,30,32,及びブレーキ44,54を係合,解放させる
ために同クラッチ及びブレーキへ車両の運転状態に応じ
て選択的に供給,排出するもので,主に調圧弁100,トル
クコンバータ制御弁200,手動弁300,第1のシフト装置と
しての第1ソレノイド弁400A,第2のシフト装置として
の第2ソレノイド弁400B,第4のシフト装置としての第
3ソレノイド弁400C,第3のシフト弁としての第4ソレ
ノイド弁400D,ライン圧切換弁500,第1の切換手段とし
ての第1フェイルセーフ弁600,第2の切換弁としての第
2フェイルセーフ弁700を構成要素としており,各要素
は油路によって結ばれている。 上記調圧弁100は,油路88の油圧(ライン圧)を変速
段に対応した所望の値に調整するもので,受圧面102と
受圧面104とを有するランド106,同受圧面104に対向する
受圧面108と受圧面110とを有するランド112,同受圧面11
0に対向する受圧面114と受圧面116とを有するランド11
8,同受圧面116に対向する受圧面120と受圧面122とを有
するランド124,同受圧面122に実質的に対向する受圧面1
26と受圧面128とを有するランド130,及び同受圧面128に
対向する受圧面132を有するランド136が形成されたスプ
ール138と,上記ランド136に当接しスプール138を第2
図中右方向へ付勢するスプリング140とで構成され,上
記受圧面108は上記受圧面104よりも大きい受圧面積を,
上記受圧面114は上記受圧面110よりも大きい受圧面積
を,上記受圧面120は上記受圧面116よりも大きい受圧面
積をそれぞれ有し,上記受圧面122及び受圧面126,受圧
面128及び受圧面132はそれぞれ同一の受圧面積を有して
いる。そして,上記受圧面102にはオリフィス142が介装
された油路144が,受圧面104,108間にはオリフィス146
が介装された油路148を介して油路88が,受圧面110,114
間にはオリフィス150が介装された油路152が,受圧面11
6,120間にはオリフィス154が配設された油路156が,ラ
ンド130と136との間には油路158を介した油路88と油路1
60のオリフィス162下流側に連通された油路164とがそれ
ぞれ連通され,ランド130とランド124との間が油路166
を介して油路84へ連通されている。 トルクコンバータ制御弁200は,受圧面202,204を有す
るランド206,及び同受圧面204に対向し受圧面204と同一
の受圧面積を有する受圧面208を有するランド212とが形
成されたスプール弁214と,上記ランド212に当接しスプ
ール214を第2図中右方へ付勢するスプリング216とで構
成され,上記調圧弁100にて調圧された油路88の油圧を
油路160,油路168,オリフィス170が介装された油路172を
介して受圧面202に作用させスプリング216の付勢力との
バランスにより油路168の油圧を所定圧に調圧して,同
油路168を介してトルクコンバータ12に供給するもので
ある。なお,トルクコンバータ12から排出された油は油
路174を介して変速機の各潤滑部へ供給される。手動弁3
00は,R,N・P,Dの3位置が選定可能なスプール302を有
し,同スプール302はランド304,306,308,310と,同スプ
ールを所望の位置に設定するために車室内に配設され,
通常駐車時に用いられるP位置,後進用のR位置,停車
用のN位置,第1速〜第4速の前進の変速段の間での変
速が可能となるD4位置,第1速〜第3速の変速段の間で
の変速が可能となるD3位置,第3速以上の変速段への変
速が禁止される2位置,及び第2速以上の変速段への変
速が禁止されるL位置が設けられた図示しない従来公知
のセレクタレバーに機械的もしくは電気的に連結される
連結部とを備えている。そして,上記セレクタレバーが
操作され,D4,D3,2,もしくはLのいずれか1つが選定さ
れると,上記スプール302はD位置に移動され,油路88
と油路314及び各ソレノイド弁へ連通する油路316とがラ
ンド304とランド306との間の空間を介して連通されると
ともに,油路144と排出ポート318に連通する排油路320
とがランド308とランド310との間の空間,油路322,ラン
ド304右側の油圧室323を介して連通され,後述する如く
第1ソレノイド弁400A,第2ソレノイド弁400B,第3ソレ
ノイド弁400C,第4ソレノイド弁400DのON,OFFの組合せ
に応じて上記セレクタレバーの選定位置及び車両の運転
状態に対応した前進の変速段を第1図に示す歯車変速装
置に適宜達成させ,セレクタレバーがPもしくはN位置
に選定されると上記スプール302は図示のN・P位置に
選定され油路88と油路144とが油路324,ランド308とラン
ド310との間の空間を介して,油路88と油路314とがラン
ド304とランド306との間の空間を介してそれぞれ連通さ
れるとともに,オリフィス326が介装されリバースクラ
ッチ32に接続された油路328と排油路320とがランド306
とランド308との間の空間,油路322,上記油圧室323を介
して連通され,さらに油路316も排油路320に連通されて
ニュートラルの状態を達成させ,セレクタレバーがR位
置に設定されると上記スプール302はR位置に選定され
油路88と油路314及び油路328とがランド304とランド306
との間の空間を介して連通されるととともに油路144と
排油路320とがランド306とランド308との間の空間,油
路322,上記油圧室323を介して連通し,油路316も排油路
320に連通されて,後述する如く,歯車変速装置に後進
の変速状態(変速段)を達成させる。 第1ソレノイド弁400Aは図示しない電子制御装置から
の電気信号に応じて作動する常開型の3方向弁で,内部
にコイル402a,弁体404a,同弁体404aを開方向に付勢する
スプリング406aが配設されており,上記コイル402aの非
励磁状態において上記弁体404aが排油路320とオリフィ
ス408が介装され後述の第1フェイルセーフ弁600に接続
された油路410との連通を遮断するとともに,同油路410
とチェック弁412を介して油路316もしくは油路328の油
圧が導かれる油路414とを連通させ,上記コイル402aの
励磁状態において上記弁体404aが油路410と油路414との
連通を遮断するとともに同油路410と排油路320とを連通
させるように構成されている。第2ソレノイド弁400Bは
常閉型の3方向弁で,内部にコイル402b,弁体406,同弁
体404bを閉方向に付勢するスプリング406bが配設されて
おり,上記コイル402bの非励磁状態において上記弁体40
4bが油路316とオリフィス415が介装され後述のフェイル
セルフバルブ700に接続された油路416との連通を遮断す
るとともに,同油路416と排油路320とを連通させ,上記
コイル402bの励磁状態において上記弁体404bが排油路32
0と油路416との連通を遮断するとともに同油路416と油
路316とを連通させるように構成されている。 第3及び第4ソレノイド弁400C,400Dは上記第1ソレ
ノイド弁400Aと同様の常開型の3方向弁で,内部にコイ
ル402c,402d,弁体404c,404d,同弁体404c,404dを開方向
に付勢するスプリング406c,406dがそれぞれ配設されて
おり,上記コイル402c,402dの非励磁状態において上記
弁体404c,404dが排油路320と418,420が介装されアンダ
ドライブクラッチ30,オーバドライブクラッチ28に接続
された油路422、424との連通を遮断するとともに同油路
422、424と油路316とを連通させ、上記コイル402c、402
dの励磁状態において上記弁体404c、404dが排油路320と
油路422、424との連通を遮断するとともに同油路422、4
24と油路316とを連通するように構成されている。 なお、第1〜第4ソレノイド弁400A,400B,400C,400D
の“ON"(励磁),“OFF"(非励磁)の組合せと変速段
との関係は第2表に示すとおりである。表中の“−”は
ON,OFFのどちらでもよいことを示す。 ライン圧切換弁500は変速段に対応した値にライン圧
を切換えるためのもので,オリフィス502が介装された
油路314の油圧が作用する受圧面504と受圧面506とを有
するランド508,及び同受圧面506に対向するとともに同
受圧面506と同一の受圧面積を有する受圧面510と油路51
2の油圧が作用する受圧面514とを有するランド516が形
成されたスプール弁518と,上記受圧面514に当接しスプ
ール弁518を第2図中右方向へ付勢するスプリング520と
で構成され,上記油路314に油圧が供給され,油路512に
油圧が供給されていないときは受圧面504に作用する圧
力がスプリング520の付勢力に打勝って上記スプール弁5
18を図面左方向へ変位せしめるので油路156とExポート
とがランド508と510との間の空間を介して連通し,油路
512及び油路314のいずれにも油圧が供給されていない場
合,もしくは油路512に油圧が供給されている場合はス
プリング520の付勢力,もしくは同付勢力と受圧面514に
作用する圧力とによってスプール弁518が図面右方向へ
変位するので油路156と油路512とがランド516左側の油
圧室を介して連通する。なお,油路512はオリフィス52
2,524が介装され,油路424と連通するとともに後述する
第1フェイルセーフ弁600及び第フェイルセーフ弁700に
接続されている。 第1フェイルセーフ弁600は,油路314に接続されオリ
フィス602が介装された油路604の油圧が作用する受圧面
606と受圧面608とを有するランド610,受圧面608に対向
し同受圧面608より大きい受圧面積を有する受圧面612と
受圧面614とを有するランド616,受圧面614に対向し同受
圧面614よりも小さい受圧面積を有する受圧面618と受圧
面620とを有するランド622,受圧面620に対向し同受圧面
620と同一の受圧面積を有する受圧面624と受圧面626と
を有するランド628,及び受圧面626に対向し同受圧面よ
りも小さい受圧面積を有する受圧面630と油路512の油圧
が作用する受圧面632とを有するランド634が形成された
スプール636を備え,単に油路604の油圧が受圧面606
に,油路410の油圧が受圧面614及び618に作用している
だけの場合は,上記スプール636が第2図における左端
位置に保持されて上記油路410とローリバースブレーキ4
4に油圧を供給するための油路638とが連通状態に保持さ
れ,同状態に加えてさらに2−4ブレーキ54へ油圧を供
給するための油路640に接続されオリフイス642が介装さ
れた油路644,もしくは油路512(アンダドライブクラッ
チ28へ油圧を供給するための油路424に連通している)
の少なくとも一方に油圧が導かれると受圧面626,もしく
は受圧面632に同油圧が作用してスプール636が図面右方
へ変位せしめられ油路638がランド622とランド628との
間の空間を介して排油路320と連通し上記ローリバース
ブレーキ44が瞬時に解放されるように構成されている。
なお,ランド610とランド616との間の空間はEx.ポート
に連通している。 ここで、上記受圧面614,618は油路410へ油圧が導かれ
ているか否か、受圧面626,630は油路416へ油圧が導かれ
ているか否か、受圧面632は油路424へ油圧が導かれてい
るか否かを検出する検出手段として作用するとともに、
上記各受圧面はスプール636の位置を切り換えるための
切換手段として作用するものである。 第2フェイルセーフ弁700は,受圧面702と受圧面704
とを有するランド706,受圧面704に対向し同受圧面704よ
りも大きい受圧面積を有する受圧面708と受圧面710とを
有するランド712,受圧面710に対向し同受圧面710よりも
小さい受圧面積を有する受圧面714と受圧面716とを有す
るランド718,受圧面716に対向し同受圧面716と同一の受
圧面積を有する受圧面720と受圧面722とを有するランド
724,受圧面722に対向し同受圧面722よりも小さい受圧面
積を有する受圧面726と受圧面728とを有するランド730
が形成されたスプール732を備え,単に油路604及び油路
416に油圧が導かれると同時に,油路512,もしくはオリ
フイス734が介装され油路422に連通する油路736の一方
にのみ油圧が導かれている場合は,各油圧が作用する受
圧面の面積差により上記スプール732が第2図における
左端位置に保持されて上記油路416と2−4ブレーキ54
へ油圧を供給するための油路640とがランド714とランド
712との間の空間を介して連通状態に保持され,油路604
及び416に油圧が導かれると同時に油路512と油路736と
の両方へも油圧が導かれるとスプール732が図面右方へ
変位せしめられ油路640がランド718とランド724との間
の空間を介して排出用の油路320と連通し上記2−4ブ
レーキ54が瞬時に開放されるように構成されている。な
お、ランド706右方の油圧室はEx.ポートに連通してい
る。 ここで、上記受圧面710,714は油路416へ油圧が導かれ
ているか否か、受圧面722,726は油路42へ油圧が導かれ
ているか否か、受圧面728は油路424へ油圧が導かれてい
るか否かを検出する検出手段として作用するとともに、
上記各受圧面はスプール732の位置を切り換えるための
切換手段として作用するものである。上記第1及び第2
フェイルセーフ弁600,700は,ある前進の変速段が達成
されているときにソレノイド弁が誤作動しても,3つ以上
の係合要素が同時に係合状態となり変速機がロックする
のを防止するとともに,第2速,第3速もしくは第4速
の変速段へ強制的に変速して車両を走行可能とするため
のものである。 次に,上記油圧制御装置の作動を説明する。 車両の運転者が同車両の車室内に配設された図示しな
い従来公知のセレクタレバーをPもしくはN位置に設定
すると,同セレクタレバーに機械的もしくは電気的に連
結された手動弁300のスプール302も上記セレクタレバー
に連動してP・N位置に設定される。そして,エンジン
が始動されるとオイルポンプ86で発生した油圧が油路88
へ吐出され,同油圧は油路148を介して調圧弁100の受圧
面104及び108に作用するとともに,油路324,手動弁300
のランド308とランド310との間の空間,油路144を介し
て調圧弁100の受圧面102に作用する。調圧弁100のスプ
ール138は,上記各受圧面に作用する圧力とスプリング1
40の付勢力とがバランスする位置で安定し,油路158を
介してランド130と136との間の空間へ導かれた油圧の一
部が油路164及び油路166へ排出されて上記油路88内の油
圧が最も低い所定圧(第1のライン圧と称する)に調圧
される。また,油路88及び油路164の油圧は,油路160を
介してトルクコンバータ制御弁200へ導かれトルクコン
バータ12へ油路168を介して所定圧を供給する。さら
に,上記油路88の油圧は,手動弁300のランド304とラン
ド306との間の空間,油路314を介してライン圧切換弁50
0の右端油圧室と,油路604とへ導かれる。同油圧室へ導
かれた油圧は受圧面504に作用し,スプリング520の付勢
力に打ち勝ってスプール518を第2図左端位置へ変位せ
しめて油路156と排油路とを連通状態にし,また,上記
油路604へ導かれた油圧は第1フェイルセーフ弁600の右
端受圧室と第フェイルセーフ弁700のランド712とランド
706との間の空間へ導かれ,両フェイルセーフ弁600,700
のスプール636,732を第2図の右端位置へ変位せしめ
て,油路410と油路638,及び油路416と油路640とを連通
状態にする。 なお,第1〜第4ソレノイド弁400A,400B,400C,400D
は全てOFF(非励磁)状態に保たれている。ここで,運
転者がセレクタレバーを操作してD4位置を選択すると,
手動弁300はD位置に設定され,ランド310により油路32
4が遮断されて油路144と油路322とが連通し,調圧弁100
の右端油圧室の油圧が同油路322,排油路320を介して排
出される。油路88はさらに手動弁300のランド304とラン
ド306との間の空間を介して油路316とも連通し,同油路
316の油圧は油路152を介して調圧弁100のランド112とラ
ンド118との間の空間へ導かれる。そして,スプール138
は受圧面110,114,及び受圧面104,108へ作用する力とス
プリング140の付勢力とがバランスする位置で安定し,
油路158の油圧の一部を油路164及び油路166から排出せ
しめ,上記油路88の油圧を比較的高い(例えば10kg/c
m2)所定圧(第2のライン圧と称する)に調圧する。上
記油路316の油圧は,第2〜第4ソレノイド弁400B,400
C,400Dへ導かれるとともに、チェック弁412,油路414を
介して第1ソレノイド弁400Aへも導かれる。 なお,油路314は,上記N・P位置の場合と同様に油
路88と連通状態に保持される。 また,セレクタレバーがD4位置に設定されると,第1
表に示すようにロー・リバースブレーキ44とアンダドラ
イブクラッチ30とを係合させて第1速の変速段を達成す
るために,図示しない電子制御装置から第2表に示すよ
うに第1〜第3ソレノイド弁400A,400B,及び400Cを非励
磁状態に保持し,第4ソレノイド弁400Dを非励磁状態か
ら励磁状態にし,第1及び第3ソレノイド弁400A,400C
のみを開状態にして油路414と油路410,油路316と油路42
2をそれぞれ連通させるための信号が出力される。上記
油路410へ導かれた油圧は,第1フェイルセーフ弁600の
ランド616とランド622との間の空間,油路638を介して
ロー・リバースブレーキ44へ導かれ,また,油路422へ
導かれた油圧はアンダドライブクラッチ30と油路736を
介して第2フェイルセーフ弁700のランド724とランド73
0との間の空間とへ導かれるが,両係合要素44,30を比較
的高圧の第2のライン圧で急激に係合させると係合時の
ショックが発生する恐れがあるため,ロー・リバースブ
レーキ44が係合する直前に第1ソレノイド弁400Aを,ア
ンダドライブクラッチ30が係合する直前に第3ソレイド
弁400Cをそれぞれ所定のデューティ率でまず励磁してか
ら徐々にデューティ率を減少させて最終的に非励磁状態
とする,即ち,油路638及び油路422の油圧が徐々に立ち
上がるようにすれば上記ショックを低減することができ
る。 次に,車両が走行を開始し,スロットル弁開度信号や
車速信号等に基づき図示しない電子制御装置により第2
速の変速段へのシフトアップが指示されると,第1表に
示すように2−4ブレーキ54とアンダドライブクラッチ
30とを係合させるべく第1,第2,及び第4ソレノイド弁40
0A,400B,400Dを励磁状態にし,第3ソレノイド弁400Cを
非励磁状態とするための信号が上記電子制御装置から出
力される。上記第1ソレノイド弁400Aは非励磁状態から
励磁状態へ切換わるため油路410と排油路320とが連通し
て同油路410の油圧が排出されロー・リバースブレーキ4
4が解放される。 第2ソレノイド弁400Bは非励磁状態から励磁状態へ切
換わるため油路316と油路416とが連通し,同油路416へ
導かれた油圧は第2フェイルセーフ弁700のランド712と
ランド718との間の空間,油路640を介して2−4ブレー
キ54へ導かれ同ブレーキ54を係合させるとともに,上記
油圧640の油圧は,油路644を介して第2フェイルセーフ
弁600のランド628とランド634との間の空間へも導かれ
る。しかし,ランド616,622間に作用していた油圧が低
減しているため,同空間へ導かれ受圧面626,630に作用
する油圧の図中右方向への合力は,ランド610の受圧面6
06に作用する第2ライン圧による図中左方向への付勢力
に打ち勝つことができず,スプール636は第2図左側の
位置に保持される。なお,上記第2ソレノイド弁400Bの
場合も唐突に励磁状態にすると,2−4ブレーキ54が急激
に係合してショックが発生する可能性があるため,同ソ
レノイド弁400Bを徐々に励磁して油路416の油圧を徐々
に立ち上がらせ,最終的に第2のライン圧にすることで
上記ショックを低減できる。 第3ソレノイド弁400Cは非励磁状態に保持されるの
で,第1速の変速段の場合と同様に油路316は油路422に
連通しアンダドライブクラッチ30が係合状態に保持され
る。 第4ソレノイド弁400Dは励磁状態に保持され油路424
が排出用の油路320と連通しているので,オーバドライ
ブクラッチ28は解放状態に保たれる。 次に,車速がさらに増加し,電子制御装置により第2
速から第3速の変速段へのアップシフトが指示される
と,第1表に示すようにアンダドライブクラッチ30とオ
ーバドライブクラッチ28とを係合させるべく第1ソレノ
イド弁400Aを励磁状態とし,第2〜第4ソレノイド弁40
0B,400C,400Dを非励磁状態とするための信号が上記電子
制御装置から出力される。 第1ソレノイド弁400Aは励磁状態に保持されるので,
第2速の変速段の場合と同様に油路410は排油路320とを
連通している。 第2ソレノイド弁400Bは励磁状態から非励磁状態へ切
換わるため油路416は油路320と連通し2−4ブレーキ54
が解放される。 第3ソレノイド弁400Cは非励磁状態に保持されるの
で,油路422と油路316とは連通状態に保持され,アンダ
ドライブクラッチが係合状態に保たれる。 第4ソレノイド弁400Dは励磁状態から非励磁状態に切
換わるので,油路316と油路424とが連通し,同油路424
へ導かれた油圧がオーバドライブクラッチ28へ導かれ同
クラッチ28を係合させる。上記油路424の油圧は,さら
に油路512を介してライン圧切換弁500の左端油圧室,第
1フェイルセーフ弁600の左端油圧室,及び第2フェイ
ルセーフ弁700の左端油圧室へも導かれる。上記ライン
圧切換弁500の左端油圧室へ導かれた油圧は受圧面514に
作用し,スプリング520の付勢力と協働してランド508の
受圧面504に作用する油圧力に打ち勝ってスプール518を
図面右方へ変位せしめ,上記油路512と油路156とを連通
する。油路512から油路156へ導かれた油圧は,調圧弁10
0のランド118とランド124との間の空間へ導かれ,受圧
面116,120に作用するので,同調圧弁100のスプール138
は受圧面116,120,受圧面110,114,及び受圧面104,108に
作用する力とスプリング140の付勢力とがバランスする
位置で安定し,油路158の油圧の一部を油路164及び油路
166から排出せしめ,上記油路88の油圧を第2のライン
圧よりも低く,第1のライン圧より高い所定圧(第3の
ライン圧と称する)に調圧する。 上記第1フェイルセーフ弁600の左端油圧室へ導かれ
た油圧は,ランド634の受圧面632に作用するが,油路60
4を介して上記弁600の右端油圧室へ導かれ受圧面606に
作用する油圧力には面積差の関係で打ち勝つことができ
ないため,スプール636は第2図左側の位置に保持され
る。 第2フェイルセーフ弁700の左端油圧室へ導かれた油
圧はランド730の受圧面728に作用し,油路736を介して
ランド724とランド730との間の空間に導かれ受圧面722,
726へ作用する油圧力と合わされてスプール732を右方向
へ付勢するが,油路604を介してランド706とランド712
との間の空間に導かれ受圧面704,708に作用する油圧力
による左方向への付勢力のほうか大きいため,スプール
732は第2図左側の位置に保持される。さらに車速が増
加し,図示しない電子制御装置によって第3速の変速段
から第4速の変速段への変速が指示されると,第1表に
示すように2−4ブレーキ54とオーバドライブクラッチ
28とを係合させるべく第1〜第3ソレノイド弁400A,400
B,400Cを励磁し,第4ソレノイド弁400Dを非励磁とする
ための信号が上記電子制御装置から出力される。第1ソ
レノイド弁400Aは励磁状態に保持されるので,第3速の
変速段の場合と同様に油路410は油路320と連通してい
る。 第2ソレノイド弁400Bは非励磁状態から励磁状態に切
換わるので油路316と油路416とが連通し,同油路416の
油圧は第2フェイルセーフ弁700のランド712とランド71
8との間の空間,及び油路640を介して2−4ブレーキ54
へ導かれ同ブレーキ54を係合状態にすると同時に油路64
4を介して第1フェイルセーフ弁600のランド628ランド6
34との間の空間へ導かれて受圧面626,630に作用する。 第3ソレノイド弁400Cは非励磁状態から励磁状態に切
換わるので,油路422は油路316との連通が断たれて排油
路320と連通し,油路736の油圧が排出されると同時にア
ンダドライブクラッチ30が解放される。 第4ソレノイド弁400Dは非励磁状態に保持され油路42
4が油路316と連通状態に保持されるので,オーバドライ
ブクラッチ28が係合状態に保たれ,ライン圧切換弁500
の左端油圧室(油路88の油圧が第3のライン圧に保たれ
る),第1フェイルセーフ弁600の左端油圧室,及び第
2フェイルセーフ弁700の左端油圧室へも油圧が引き続
き導かれる。 なお,第4速の変速段が達成された状態では,第1フ
ェイルセーフ弁600の左端油圧室と,ランド628とランド
634との間の空間とへ油圧が導かれるため,同油圧が作
用する各受圧面632,626,630と,油路604を介して上記弁
600の右端油圧室へ導かれた油圧が作用する受圧面606の
受圧面積の関係で,上記受圧面632,626,630に作用する
油圧力が上記受圧面606に作用する油圧力に打ち勝っ
て,スプール636を第2図右方へ変位せしめ,油路638が
排油路320に連通するように構成されている。 以上,第1速の変速段から第4速の変速段までのアッ
プシフトの作動について述べたが,第4速の変速段から
第1速の変速段までのダウンシフトの作動は単に上記ア
ップシフトと全く逆の手順で行われるだけであるため,
説明を省略する。 また,セレクタレバーがD3,2,もしくはL位置に設定
された場合は,電子制御装置からの指令によって同位置
に対応した変速範囲が決定されるだけであり,手動弁30
0はD位置に保たれ油圧回路的には何ら変化がないた
め,説明を省略する。次に,車両の運転者がセレクタレ
バーをR位置に設定すると,手動弁300のスプール302も
R位置へ移動され,油路144がランド306とランド308と
の間の空間,油路322,及び手動弁300の右端油圧室323を
介して排油路320に連通する。また,油路316も上記右端
受圧室323を介して排油路320に連通する。従って,調圧
弁100へは,油路148を介して同調圧弁100のランド106と
ランド112との間の空間へ導かれ受圧面104,108に作用す
る油圧のみが導かれるので,スプール138は同受圧面に
作用する油圧力とスプリング140の付勢力とがバランス
する位置で安定し,油路88の油圧は最も高い(例えば16
kg/cm2)所定圧(第4のライン圧と称する)に調圧され
る。また,油路88は,手動弁300のランド304とランド30
6との間の空間を介して油路314と油路328とに連通し,
同油路314へ導かれた油圧は前進の変速段が達成される
ときと同様にライン圧切換弁500と、油路604を介して第
1及び第2フェールセーフ弁600、700とへ導かれ、上記
油路328へ導かれた油圧は、リバースクラッチ32へ導か
れ同クラッチ32を係合状態にするとともにチェック弁41
2へも導かれる。セレクタレバーがR位置に設定される
と第2表に示すように第1ソレノイド弁400Aは非励磁状
態になるので,上記チェック弁412へ導かれた油圧は油
路414,油路410,第1フェイルセーフ弁600のランド616と
ランド622との間の空間,及び油路638を介してロー・リ
バースブレーキ44へ導かれ,同ブレーキ44が係合状態と
なり後進の変速段が達成される。 ここで,第2図に示した油圧制御装置では,ニュート
ラルのときは最も低い第1のライン圧に,第1速及び第
2速の変速段が達成されているときは比較的高い第2の
ライン圧に,第3速及び第4速の変速段が達成されてい
るときは比較的低い第3のライン圧に,後退の変速段が
達成されているときは最も高い第4のライン圧に油路88
の油圧が切換わるように構成されているが,これは,エ
ンジンのトルクが変速機の出力軸に伝達されることがな
いニュートラル時にエンジンがポンプ86を駆動するとき
によるパワーロスを最も小さくし,比較的大きいトルク
が伝達される第1速及び第2速の変速段ではライン圧を
比較的高くし係合要素の係合力を比較的大きくして滑り
を防止し,第3速及び第4速の変速段では,伝達トルク
が比較的小さいので,ライン圧を比較的低く設定してポ
ンプ86を駆動するためのパワーロスを低減し,伝達トル
クの最も大きい後進の変速段ではライン圧を最も高くし
て係合要素の滑りを防止するためである。 また,第1〜第4ソレノイド弁400A,400B,400C,400D
をデューティ制御して各ソレノイド弁に対応した係合要
素へ供給する油圧,及び排出する油圧を制御することに
より滑らかな変速を達成することができるものである。 次に,電子制御装置やソレノイド弁に故障が発生し同
ソレノイド弁が誤作動した場合の第及び第2フェイルセ
ーフ弁600,700の作動を説明する。 第1〜第3ソレノイド弁400A,400B,400Cが励磁され
ず,第4ソレノイド弁400Dが励磁されて第1速の変速段
が達成されるべき状態において,第2ソレノイド弁400B
が誤作動して励磁されてしまうと油圧316と油路416とが
連通状態となり,同油路416へ導かれた油圧は,第2フ
ェイルセーフ弁700のランド712とランド718との間の空
間を介して2−4ブレーキ54へ導かれ同ブレーキ54を係
合させることとなるが,同時に油路640,油路644を介し
て第1フェイルセーフ弁600のランド628とランド634と
の間の空間へも導かれるので,受圧面614,618間に作用
している油圧による右方向への付勢力に加えて受圧面61
4,618に作用する油圧による右方向への付勢力がスプー
ル636に作用して受圧面606に作用する油圧による左方向
への付勢力に打ち勝って,スプール636の位置が第2図
右方へ切換えられる。従って,油路638が排油路320と連
通状態となるので,ロー・リバースブレーキ44が解放さ
れ,2−4ブレーキ54とアンダドライブクラッチ30のみが
係合状態となり,第2速の変速段が達成される。 また,第1速の変速段が達成されるべき状態で第4ソ
レノイド弁400Dが誤作動して消磁されると,油路316と
油路424とが連通され油圧がオーバドライブクラッチ28
へ導かれて同クラッチ28を係合させると同時に,油路51
2を介して第1フェイルセーフ弁600及び第2フェイルセ
ーフ弁700の左端油圧室へ導かれ,第1フェイルセーフ
弁600の受圧面632及び受圧面614,618に作用する油圧の
付勢力により上記と同様にスプール636が図面右方向へ
切換えられる。なお,この時第2フェイルセーフ弁700
のスプール732は図中右側の排出位置へ切換わることは
ないが,第2ソレノイド弁400Bが消磁されていて,油路
416に油圧が供給されていないので,2−4ブレーキ54が
係合することはない。従って,ロー・リバースブレーキ
44へ連通する油路638が排油路320と連通されているの
で,ロー・リバースブレーキ44が解放され,アンダドラ
イブクラッチ30及びオーバドライブクラッチ28のみが係
合状態となり,第3速の変速段が達成される。 さらに,第1速の変速段が達成されるべき状態で第2
ソレノイド弁400Bが励磁され第4ソレノイド弁400Dが励
磁されないと,同第4ソレノイド弁400Dのみが誤作動し
た状態に加え第2ソレノイド弁400Bが誤作動となって,
油路316と油路416とが連通されるので,各ソレノイド弁
と各係合要素28,30,44,54とを連通する全ての油路410,4
16,422,424に供給されることとなる。すると,第2フェ
イルセーフ弁700の受圧面728,受圧面722,726間及び受圧
面710,714間の全てに油圧が作用してスプール732を右方
向へ付勢するので,同スプール732は図中右側位置へ切
換えられて油路640の油圧が排油路320を介して排出され
て2−4ブレーキ54は解放状態が保持される。また,第
1フェイルセーフ弁600には,その受圧面632及び受圧面
614,618側に油圧が作用するので,それによる図中右方
向への付勢力が受圧面606に作用する油圧による図中左
方向への付勢力より大きくなり,スプール636が右側位
置へ切換えられて油路638が排油路320と連通されロー・
リバースブレーキ44が解放状態に保持される。従って,
アンダドライブクラッチ30及びオーバドライブクラッチ
28のみが係合状態となり第3速の変速段が達成される。 次に,第1,第2及び第4ソレノイド弁400A,400B,400D
が励磁され,第3ソレノイド弁400Cが励磁されていない
第2速の変速段が達成されるべき状態において第1ソレ
ノイド弁400Aが励磁されなくなると,油路644を介して
第1フェイルセーフ弁の受圧面626,630間に油圧が導か
れる上に油路316と油路410とが連通されて同油路410の
油圧がランド616とランド622との間の空間へ導かれるの
で,それらの油圧による図中右方向への付勢力が受圧面
606に作用する油圧による図中左方向への付勢力より大
きくなりスプール636の位置が図面右方向へ切換えられ
る。従って,油路410と油路638との連通が断たれ,同油
路638は油路320と連通するので2−4ブレーキ54及びア
ンダドライブクラッチ30のみが係合状態に保持され,第
2速の変速段が維持される。また,第2速の変速段が達
成されるべき状態で第4ソレノイド弁400Dが誤作動して
消磁されると油路316と油路424とが連通し,同油路424
の油圧はオーバドライブクラッチ28へ導かれて同クラッ
チを係合させるとともに,油路512を介して第1及び第
2フェイルセーフ弁600,700の左端油圧室へ導かれる。
すると,第2フェイルセーフ弁700の受圧面728,受圧面7
22,726間及び受圧面710,714間に油圧が作用するので,
その付勢力によりスプール732が図中右側位置に切換え
られて油路640が排油路320と連通し,2−4ブレーキ54が
解放される。一方,第1フェイルセーフ弁600の受圧面6
32にも油路512を介して油圧が導かれるが,上記第2フ
ェイルセーフ弁700の切換えにより受圧面626,630間には
油圧が導かれず,また第1ソレノイド弁400Aが励磁され
ていて受圧面614,618間にも油圧が導かれていないの
で,スプール636は図中左側位置に保持されるが,ロー
・リバースブレーキ44への油圧供給はなされず同ブレー
キは解放状態を保持する。従って,アンダドライブクラ
ッチ30とオーバドライブクラッチ28とが係合状態となり
第3速の変速段が達成される。 さらに,第2速の変速段が達成されるべき状態で第1
及び第4ソレノイド弁400A,400Dが共に励磁されなかっ
た場合は,第1フェイルセーフ弁600のスプール636と第
2フェイルセーフ弁700のスプール732との位置が共に図
面右方向へ切換わるので,ロー・リバースブレーキ44へ
連通する油路638と2−4ブレーキ54へ連通する油路640
とが油路320に連通されて,上記ブレーキ44,54が解放状
態,アンダドライブクラッチ30,オーバドライブクラッ
チ28が係合状態となり第3速の変速段が達成される。 次に,第1ソレノイド弁400Aが励磁され,第2〜第4
ソレノイド弁400B,400C,400Dが励磁されない第3速の変
速段が達成されるべき状態において,第1ソレノイド弁
400Aが励磁されなくなると,油路316と油路410とが連通
し,同油路410の油圧が第1フェイルセーフ弁600のラン
ド616とランド622との間の空間へ導かれる。このとき,
油路512を介して受圧面632にも油圧が導かれているの
で,受圧面606との受圧面積の関係でスプール636の位置
が図面右方向へ切換わり,油路638が排油路320と連通
し,油圧がブレーキ44へ供給されず,ロー・リバースブ
レーキ44,2−4ブレーキ54が解放状態,アンダドライク
ラッチ30およびオーバドライブクラッチ28が係合状態に
保持され,第3速の変速段が維持される。 また,第3速の変速段が達成されるべき状態で第2ソ
レノイド弁400Bが励磁されると,油路316と油路416とが
連通し,油圧が第2フェイルセーフ弁700のランド712と
ランド718との間の空間へ導かれる。このときには,受
圧面728及び受圧面722,726間にも油圧が供給されている
ので,上記と同様にスプール732の位置が図面右方向へ
切換わり,2−4ブレーキ54に連通する油路640が排油路3
20に連通され,同ブレーキ54へは油圧が供給されず,上
記と同様に第3速の変速段が維持される。 さらに,第3速の変速段が達成されるべき状態で第1
ソレノイド弁400Aが消磁状態,第2ソレノイド弁400Bが
励磁状態となった場合は第1フェイルセーフ弁700のス
プール636と第2フェイルセーフ弁700のスプール732と
の位置が共に図面右方向へ切換わり,油路638と油路640
とが排出用の油路320に連通しブレーキ44,45へは油圧が
供給されず,第3速の変速段が維持される。 次に,第1〜第3ソレノイド弁400A,400B,400Cが励磁
され,第4ソレノイド弁400Dが励磁されない第4速の変
速段が達成されるべき状態で第1のソレノイド弁400が
励磁されなくなると,油路316と油路410とが連通状態と
なるが,第4速の変速段では第1フェイルセーフ弁600
のスプール636の位置が受圧面632及び受圧面626,630間
に作用する油圧力によりあらかじめ図面右方へ切換わっ
ているため,上記油路410の油圧がロー・リバースブレ
ーキ44へ供給されることはなく,2−4ブレーキ54及びオ
ーバドライブクラッチ28のみが係合状態に保持されるの
で,第4速の変速段が維持される。 また,第4速の変速段が達成されるべき状態で第3ソ
レノイド弁400℃が消磁状態となると,油路316と油路42
2とが連通され,油圧がアンダドライブクラッチ30へ導
かれ同クラッチ30を係合状態にするとともに,油路736
を介して第2フェイルセーフ弁700のランド724とランド
730との間の空間へ導かれる。従って,第2フェイルセ
ーフ弁700の受圧面722,726間,受圧面728,受圧面710,71
4間のすべてに油圧が作用するので,スプール732の位置
が図面右方向へ切換わり,油路640が排油路320に連通さ
れて2−4ブレーキ54が解放され,アンダドライブクラ
ッチ30及びオーバドライブクラッチ28のみが係合状態と
なり第3速の変速段が達成される。 さらに,第4速の変速段が達成されるべき状態で,第
1及び第3ソレノイド弁400A,400Cが消磁状態となる
と,油路410及び油路422が油路316と連通するが,第1
フェイルセーフ弁600のスプール636の位置はすでに図面
右方向へ切換わっており,また第2フェイルセーフ弁70
0のスプール弁732も,アンダドライブクラッチ30へ連通
する油路422へ油圧が供給されると同時に図面右方向へ
切換わるので,2−4ブレーキ54が解放され,アンダドラ
イブクラッチ30及びオーバドライブクラッチ28のみが係
合状態となり,第3速の変速段が達成される。 上記実施例のものは,第1フェイルセーフ弁600と第
2フェイルセーフ弁700とを備えており,電子制御装置
やソレノイド弁の故障により3つ以上の係合要素が同時
に係合しそうになると2つの係合要素を残して他の係合
要素が解放されるように構成されているので,3つ以上の
係合要素が同時に係合し変速機構がロックし,走行中の
車両の車輪が突如固定されてしまったり,全く走行不能
となることが防止できるという効果を奏する。 また,上記実施例の構成では,各係合要素に対応して
ソレノイド弁を設けたので,各ソレノイド弁をデューテ
ィ制御することにより係合要素へ供給する油圧,及び排
出する油圧を精度良く制御することが可能となり,変速
ショックの低減を図ることができる。 また,本実施例のものは,第1〜第4ソレノイド弁と
して第2図に示すようにボール弁型の三方ソレノイド弁
を用いており,さらに,油圧制御装置のスプール弁の総
数が従来の自動変速機よりも少ないので,上記ソレノイ
ド弁やスプール弁がスティックする確率を最小にするこ
とができる。 さらに,本実施例のものは,手動弁300がN・P位置
に設定されているときも調圧弁100により第1のライン
圧に調圧されているので.ニュートラルの状態でエンジ
ンの回転速度が上昇しても油路88の油圧が必要以上に高
くならず異音の発生を防止できるという効果を奏する。 さらに,本実施例のものは,ライン圧切換弁500を備
え,第1速及び第2速の変速段が達成されているときは
比較的高い第2のライン圧に調圧され,また第3速及び
第4速の変速段が達成されているときは比較的低い第3
のライン圧に調圧されるので,係合要素の係合力を伝達
トルクの大きさに対応させることができ,ポンプ86を駆
動するためのエンジン出力の損失も最小限に抑えること
ができるという効果を奏する。 なお,上記実施例のものは,第1フェイルセーフ弁60
0が第1ソレノイド弁400Aとロー・リバースブレーキ44
とを連通する油路に,また,第2フェイルセーフ弁700
が第2ソレノイド弁400Bと2−4ブレーキ54とを連通す
る油路にそれぞれ介装したが,上記第1フェイルセーフ
弁600及び第2フェイルセーフ弁700の介装位置は上記に
限定されるものではなく,3つ以上の係合要素の同時係合
が防止される位置であれば,上記第1フェイルセーフ弁
600を,第1ソレノイド弁400Aとロー・リバースブレー
キ44とを連通する油路,第2ソレノイド弁400Bと2−4
ブレーキ54とを連通する油路,もしくは第4ソレノイド
弁400Dとオーバドライブクラッチ28とを連通する油路の
いずれか1つの油路に介装し,第2フェイルセーフ弁70
0を上記第2ソレノイド弁400Bと2−4ブレーキ54とを
連通する油路,第3ソレノイド弁400Cとアンダドライブ
クラッチ30とを連通する油路,もしくは第4ソレノイド
弁400Dとオーバドライブクラッチ28とを連通する油路の
いずれか1つの油路で上記第1フェイルセーフ弁600が
介装されていない油路に介装しても本実施例と略同様の
効果を奏する。 また,上記実施例では第1及び第2の切換弁としての
第1及び第2フェイルセーフ弁がスプール弁であるため
に,ソレノイド弁と係合要素とを連通する各油路に油圧
が立上がっているか否かを検出する検出手段及びスプー
ル弁を切換える切換手段として上記スプール弁の受圧面
を用いたが,上記各油路に検出手段としての圧力センサ
を介装し,同センサの出力に応じて例えば電磁切換弁等
からなるフェイルセーフ弁のON/OFFを切換えるように構
成しても本実施例と略同様の効果を奏する。 [効果] 本発明の構成によれば,所定の2つのシフト装置が作
動中に他の1つのシフト装置が誤作動して第1、第2、
及び第3の油路に同時に油圧が導かれ、その油圧が所定
値以上になると、第1の油路に配設された切換弁が第1
の係合要素の油圧が排出される排出位置に切換えられ、
3つの係合要素が同時に係合するのを防止する構成を、
各油路毎に切換弁を配設することなく必要最低限の部品
点数の増加のみで達成できるので、コストの上昇、バル
ブスティック等の油圧回路中の不具合の発生確立を低く
抑えることができ、また、油圧回路も簡素化できるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例が適用される車両用自動変速
機のパワートレイン図、第2図は本発明の一実施例の構
成を示す油圧回路図である。 28……オーバドライブクラッチ(第3の係合要素) 30……アンダドライブクラッチ(第2の係合要素) 32……リバースクラッチ 44……ロー・リバースブレーキ 54……2−4ブレーキ(第1の係合要素) 86……ポンプ 400A……第1ソレノイド弁 400B……第2ソレノイド弁(第1のシフト装置) 400C……第3ソレノイド弁(第2のシフト装置) 400D……第4ソレノイド弁(第3のシフト装置) 710,714……受圧面(第1の検出手段) 722,726……受圧面(第2の検出手段) 728……受圧面(第3の検出手段) 600……第1フェイルセーフ弁 700……第2フェイルセーフ弁(切換弁) 732……スプール(切換手段)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.2つを同時に係合することにより複数の変速段を達
    成するための第1,第2及び第3の係合要素と、 油圧源と上記第1の係合要素とを連通する油路に介装さ
    れ同第1の係合要素への油圧の給排を車両の運転状態に
    応じて切り換える第1のシフト装置と、 上記油圧源と上記第2の係合要素とを連通する油路に介
    装され同第2の係合要素への油圧の給排を車両の運転状
    態に応じて切り換える第2のシフト装置と、 上記油圧源と上記第3の係合要素とを連通する油路に介
    装され同第3の係合要素への油圧の給排を車両の運転状
    態に応じて切り換える第3のシフト装置とを備えた車両
    用自動変速機において、 上記第1のシフト装置と上記第1の係合要素とを連通す
    る第1の油路に油圧が供給されていることを検出する第
    1の検出手段と、 上記第2のシフト装置と上記第2の係合要素とを連通す
    る第2の油路に油圧が供給されていることを検出する第
    2の検出手段と、 上記第3のシフト装置と上記第3の係合要素とを連通す
    る第3の油路に油圧が供給されていることを検出する第
    3の検出手段と、 上記第1の油路中に配設され、上記第1の係合要素へ油
    圧を供給可能とする供給位置と上記第1の係合要素の油
    圧を排出する排出位置とを有する切換弁と、 上記第1の油路と第2の油路と第3の油路の全てに油圧
    が供給されていることが検出されると上記切換弁を上記
    排出位置に切り換える切換手段とを有することを特徴と
    する車両用自動変速機の油圧制御装置 2.上記切換弁は複数のランドを有するスプール弁であ
    り、同ランドには 所定の油圧が作用し上記スプール弁を上記供給位置の方
    向へ付勢する第1の受圧部と、 上記第1のシフト装置からの油圧が作用し上記スプール
    弁を上記排出位置の方向へ付勢する第2の受圧部と、 上記第2のシフト装置からの油圧が作用し上記スプール
    弁を上記排出位置の方向へ付勢する第3の受圧部と、 上記第3のシフト装置からの油圧が作用し上記スプール
    弁を上記排出位置の方向へ付勢する第4の受圧部とが形
    成されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載の車両用自動変速機の油圧制御装置 3.上記第1の受圧部の有効な受圧面積は、上記第2の
    受圧部の有効な受圧面積と上記第3の受圧部の有効な受
    圧面積との和、上記第2の受圧部の有効な上記油圧面積
    と上記第4の受圧部の有効な受圧面積との和、及び上記
    第3の受圧部の有効な受圧面積と上記第4の受圧部の有
    効な受圧面積との和よりも大きく、上記第2の受圧部,
    第3の受圧部,第4の受圧部の有効な受圧面積の和より
    も小さく形成されていることを特徴とする特許請求の範
    囲第2項に記載の車両用自動変速機の油圧制御装置
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