JP2916555B2 - 静電写真用液体現像剤 - Google Patents

静電写真用液体現像剤

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JP2916555B2
JP2916555B2 JP4056539A JP5653992A JP2916555B2 JP 2916555 B2 JP2916555 B2 JP 2916555B2 JP 4056539 A JP4056539 A JP 4056539A JP 5653992 A JP5653992 A JP 5653992A JP 2916555 B2 JP2916555 B2 JP 2916555B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気抵抗109 Ωcm以
上、且つ誘電率3.5以下の担体液に少なくとも樹脂を
分散してなる静電写真用液体現像剤に関するものであ
り、特に再分散性、及びレジスト性の優れた液体現像剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の電子写真用液体現像剤はカーボン
ブラック、ニグロシン、フタロシアニンブルー等の有機
又は無機の顔料あるいは染料とアルキッド樹脂、アクリ
ル樹脂、ロジン、合成ゴム等の天然又は合成樹脂を石油
系脂肪族炭化水素のような高絶縁性・低誘電率の液体中
に分散し、更に金属セッケン、レシチン、アマニ油、高
級脂肪酸、ビニルピロリドンを含有するポリマーなどの
極性制御剤を加えたものである。
【0003】このような現像剤中では樹脂は不溶性ラテ
ックス粒子として直径数nm〜数百nmの粒子状に分散
されているが、これらの粒子は出来るだけその粒径が揃
っていること、経時で粒子の凝集・沈澱が生じないこと
が重要であり、これらが満足されないと、画像部の再現
性不良、非画像部の汚れあるいは現像装置の送液ポンプ
の目づまり等の現像機の故障につながってしまう。
【0004】これらの改良として、不溶性ラテックス粒
子を微小粒径で単分散性の良好なものとして得る非水系
分散重合方法が提案され、種々の検討がなされてきた。
例えば、米国特許第3,990,980号、同4,61
8,557号、特開平1−257969号、同2−74
956号、同1−282566号、同2−173667
号、同3−12666号、同3−15862号等では可
溶性分散安定用樹脂で改良する方法が、又、米国特許第
4,842,975号、特開昭62−151868号、
特開平1−237668号、同2−168276号、同
3−71152号、同3−95565号等では不溶化す
る単量体と物理化学的相互作用を有する他の化合物を共
存させることでラテックス粒子の表面を改質する方法が
記載され、粒子の分散度、粒子径、再分散性、保存安定
性を改良できると開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、電子写真技術を
応用したダイレクト平版印刷システムの実用化あるいは
開発が近年活発に行われている。これらのシステムは、
電子写真方式で電子写真感光材料の表面上にトナー画像
部を形成した後、処理することで非画像部分を親水性に
変換して平版印刷用原版とするものである。非画像部分
を親水化する方法として、該部分を処理液で溶出させて
しまい、電子写真感光層の支持体の表面の親水性を利用
する方法、あるいは、感光層の非画像部分の表面部分を
親油性から親水性に改質する方法が主なものとして挙げ
られる。
【0006】近年、後者の方法として、従来知られてい
る感光層の光導電性酸化亜鉛を不感脂化処理する方法の
改良として特開昭62−21669号、特開平1−19
1157号、同2−15277号等で、該感光層に用い
られる結着樹脂を処理により親水性に変換することで、
親水性の向上が達成されることなどが開示されている。
これらのシステムでは、親水化する処理において、トナ
ー画像部は、処理液に対して何ら変化しないまま画像部
を維持することが重要となる(以下、処理液に対するレ
ジスト性と称する)。
【0007】こうした電子写真製版システム用に公知の
再分散性良好な不溶性樹脂粒子を含有する液体現像剤を
用いると、非画像部の親水化を充分に行おうとするとト
ナー画像部のレジスト性が充分でなく、画像部の欠落が
生じる場合があった。特に、細線・文字あるいは網点部
分といったトナー画像部の面積が小さい所でこの問題は
顕著となり、印刷物の劣化がみられた。また、処理液に
対して耐久性の大きい不溶性ラテックス粒子(例えばス
チレン系のラテックス等)は、レジスト性は充分に備え
ているが、トナー粒子としての荷電安定性、再分散性が
劣り、また、トナー粒子の定着性が劣り充分な定着に
は、高熱長時間の定着時間を要することから、装置上の
煩雑さが問題となっていた。
【0008】本発明は、以上のような従来の液体現像剤
の有する課題を解決するものである。本発明の目的は、
電子写真製版システムにおいて、分散の安定性、再分散
性、定着性、親水化処理液レジスト性に優れた液体現像
剤を提供することである。本発明の他の目的は、原画に
対して複写画像の再現性に優れたオフセット印刷用原版
の電子写真法による作成を可能にする液体現像剤を提供
することである。本発明の他の目的は、優れた印刷イン
ク感脂性と耐刷性を有するオフセット印刷用原版の電子
写真法による作成を可能にする液体現像剤を提供するこ
とである。本発明の更に他の目的は、インクジェット記
録、陰極線管記録及び圧力変化あるいは静電変化等の各
種変化工程の記録方式を用いたオフセット印刷用原版の
作成を可能にする液体現像剤を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記諸目的は、
電気抵抗109 Ωcm以上、且つ誘電率3.5以下の非
水溶媒中に、少なくとも樹脂粒子を分散して成る静電写
真用液体現像剤において、該分散樹脂粒子が、 該非
水溶媒には可溶であるが重合することによって不溶化す
る一官能性単量体(A)の少なくとも1種、 下記一
般式(I)で示される繰返し単位から成る重合体の主鎖
の一方の末端にのみ下記一般式(II)で示される重合性
二重結合基を結合して成る数平均分子量が1×104
下である一官能性マクロモノマー(MA)の少なくとも1
種、 該単量体(A)と共重合可能な重合性官能基を
2個以上有する多官能性単量体(D)の少なくとも1
種、及び 重合体主鎖の一方の末端にのみ下記一般式
(III)で示される重合性二重結合基を結合して成る重量
平均分子量1×103 〜2×104 のマクロモノマー
(MB)を共重合成分として少なくとも1種含有するクシ
型共重合体で、且つ該共重合体の主鎖部及び/又はクシ
部の繰り返し単位として下記一般式(IV)で示される成
分を少なくとも含有する、該非水溶媒に可溶性の分散安
定用樹脂〔P〕、を含有する溶液を重合反応させること
により得られる共重合体樹脂粒子であることを特徴とす
る静電写真用液体現像剤によって達成される。
【0010】
【化7】
【0011】式(I)中、V0 は−COO−、−OCO
−、−(CH2 r COO−、−(CH2 r OCO
−、−O−、−SO2 −、−CONHCOO−、−CO
NHCONH−、−COND11−、−SO2 ND11−、
又はフェニレン基(以下、フェニレン基を−Ph−で表
し、−Ph−は、1,2−フェニレン基、1,3−フェ
ニレン基及び1,4−フェニレン基を包含する)を表わ
す。ここでD11は水素原子又は炭素数1〜22の炭化水
素基を示し、rは1〜4の整数を示す。a1 及びa
2 は、互いに同じでも異なってもよく、各々水素原子、
ハロゲン原子、シアノ基、炭化水素基、−COO−
12、又は炭化水素基を介した−COO−D12を表わす
(ここでD12は水素原子又は置換されてもよい炭化水素
基を示す)。D0 は、炭素数1〜22の炭化水素基、又
は下記一般式(V)で示される置換基から選ばれる置換
基を表わす。
【0012】
【化8】
【0013】式(V)中、D21は水素原子または炭素数
1〜22の炭化水素基を表わす。B1 及びB2 は、互い
に同じでも異なってもよく、各々−O−、−CO−、−
CO2 −、−OCO−、−SO2 −、−N(D22)−、
−CON(D22)−または−N(D22)CO−を表す
(ここでD22は上記D21と同一の内容を示す)。A1
びA2 は、互いに同じでも異なってもよく、各々置換さ
れてもよい、又は下記化9を主鎖の結合に介在させても
よい、炭素数1〜18の炭化水素基を表す。
【0014】
【化9】
【0015】化9中、B3 及びB4 は、互いに同じでも
異なってもよく、上記B1 、B2 と同一の内容を示し、
4 は置換されてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を
示し、D23は上記D21と同一の内容を示す。m、n及び
pは、互いに同じでも異なってもよく、各々0〜4の整
数を表す。但し、m、n及びpが同時に0となることは
ない。
【0016】
【化10】
【0017】式(II)中、V1 は式(I)中のV0 と同
一の内容を表わす。b1 及びb2 は、互いに同じでも異
なってもよく、式(I)中のa1 、a2 と同一の内容を
表わす。
【0018】
【化11】
【0019】式(III)中、X0 は−COO−、−OCO
−、−CH2 OCO−、−CH2 COO−、−O−、−
SO2 −、−CO−、−CONR11−、−SO2 NR11
−、又はフェニレン基(−Ph−)を表わす(ここでR
11は水素原子又は炭化水素基を示す)。d1 及びd
2 は、互いに同じでも異なってもよく、各々水素原子、
ハロゲン原子、シアノ基、炭化水素基、−COO−
1 、又は炭化水素基を介した−COO−Z1 を表わす
(ここでZ1 は水素原子又は炭化水素基を示す)。
【0020】
【化12】
【0021】式(IV)中、X1 は式(III)中のX0 と同
一の内容を表わす。Q1 は炭素数6〜32の脂肪族基を
表わす。e1 及びe2 は、互いに同じでも異なってもよ
く、式(III)中のd1 、d2 と同一の内容を表わす。
【0022】好ましくは、本発明に供される該分散安定
用樹脂〔P〕が、その重合体主鎖の片末端に、−PO3
2 、−SO3 H、−COOH、−P(=O)(OH)
1〔ここでR1 は炭化水素基又は−OR2 (R2 は炭
化水素基を表わす)を表わす〕、−OH、ホルミル基、
−CONR3 4 、−SO2 NR3 4 〔ここでR3
びR4 は、各々独立に、水素原子又は炭化水素基を表わ
す〕、環状酸無水物含有基、及びアミノ基から選ばれる
少なくとも1つの極性基を含有することを特徴とする樹
脂である。
【0023】更に好ましくは、該分散安定用樹脂〔P〕
が、その重合体主鎖の片末端に、該単量体(A)と共重
合しうる重合性官能基を含有することを特徴とする樹脂
である。
【0024】以下、本発明の液体現像剤について詳細に
説明する。本発明に用いる電気抵抗109 Ωcm以上、
且つ誘電率3.5以下の担体液として好ましくは直鎖状
もしくは分枝状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、又
は芳香族炭化水素、及びこれらのハロゲン置換体を用い
ることができる。例えばオクタン、イソオクタン、デカ
ン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソド
デカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイ
ソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL
(アイソパー;エクソン社の商品名)、シェルゾール7
0、シェルゾール71(シェルゾール;シェルオイル社
の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(ア
ムスコ;スピリッツ社の商品名)等を単独あるいは混合
して用いる。
【0025】本発明における最も重要な構成成分である
非水系分散樹脂粒子(以下、ラテックス粒子とも称す
る)は、非水溶媒において、前記マクロモノマー(MB)
を共重合成分として含有するクシ型共重合体で、該非水
溶媒に可溶性の分散安定用樹脂〔P〕の存在下に、一官
能性単量体(A)の少なくとも一種、一官能性マクロモ
ノマー(MA)の少なくとも一種、及び多官能性単量体
(D)の少なくとも一種を重合することによって重合造
粒したものである。
【0026】好ましくは、該分散安定用樹脂〔P〕が、
その重合体主鎖の片末端に、前記した特定の極性基を含
有した樹脂である。更に好ましくは、該分散安定用樹脂
〔P〕が、その重合体主鎖の片末端に、該単量体(A)
と共重合可能な重合性官能基を含有した樹脂である。
【0027】ここで、非水溶媒としては、基本的には、
前記静電写真用液体現像剤の担体液に混和するものであ
れば使用可能である。即ち、分散樹脂粒子を製造するに
際して用いる溶媒としては、前記担体液に混和するもの
であればよく、好ましくは直鎖状もしくは分枝状の脂肪
族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素及びこれ
らのハロゲン置換体等が挙げられる。例えばヘキサン、
オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリ
ン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、アイソパーE、
アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、シェルゾ
ール70、シェルゾール71、アムスコOMS、アムス
コ460溶剤等を単独あるいは混合して用いる。
【0028】これらの有機溶媒とともに、混合して使用
できる溶媒としては、アルコール類(例えば、メチルア
ルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブ
チルアルコール、フッ化アルコール等)、ケトン類(例
えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等)、カルボン酸エステル類(例えば、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸
メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル類(例え
ば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等)、ハロゲン化炭化水素類
(例えば、メチレンジクロリド、クロロホルム、四塩化
炭素、ジクロロエタン、メチルクロロホルム等)等が挙
げられる。
【0029】これらの混合して使用する非水溶媒は、重
合造粒後、加熱、あるいは減圧下で留去することが望ま
しいが、ラテックス粒子分散物として、液体現像剤に持
ちこまれても、現像液の液抵抗が109 Ωcm以上とい
う条件を満足できる範囲であれば問題とならない。通
常、樹脂分散物製造の段階で担体液と同様の溶媒を用い
る方が好ましく、前述の如く、直鎖状もしくは分岐状の
脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハ
ロゲン化炭化水素などが挙げられる。
【0030】本発明における一官能性単量体(A)は、
非水溶媒には可溶であるが重合することによって不溶化
する一官能性単量体であればいずれでもよい。具体的に
は、例えば下記一般式(VI)で表わされる単量体が挙げ
られる。
【0031】
【化13】
【0032】式(VI)中、T1 は−COO−、−OCO
−、−CH2 OCO−、−CH2 COO−、−O−、−
CONHCOO−、−CONHOCO−、−SO2 −、
−CON(W1 )−、−SO2 N(W1 )−、又はフェ
ニレン基(−Ph−)を表わす。W1 は、水素原子また
は炭素数1〜8の置換されていてもよい脂肪族基(例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−
クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチ
ル基、2−ヒドロキシエチル基、ベンジル基、クロロベ
ンジル基、メチルベンジル基、メトキシベンジル基、フ
ェネチル基、3−フェニルプロピル基、ジメチルベンジ
ル基、フロロベンジル基、2−メトキシエチル基、3−
メトキシプロピル基等)を表わす。
【0033】D1 は水素原子又は炭素数1〜6の置換さ
れてもよい脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2,2−ジ
クロロエチル基、2,2,2−トリフロロエチル基、2
−ブロモエチル基、2−グリシジルエチル基、2−ヒド
ロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2,3−
ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−クロロ
プロピル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル
基、2−ニトロエチル基、2−メトキシエチル基、2−
メタンスルホニルエチル基、2−エトキシエチル基、
N,N−ジメチルアミノエチル基、N,N−ジエチルア
ミノエチル基、トリメトキシシリルプロピル基、3−ブ
ロモプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−フルフ
リルエチル基、2−チエニルエチル基、2−ピリジルエ
チル基、2−モルホリノエチル基、2−カルボキシエチ
ル基、3−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチ
ル基、2−ホスホエチル基、3−スルホプロピル基、4
−スルホブチル基、2−カルボキシアミドエチル基、3
−スルホアミドプロピル基、2−N−メチルカルボキシ
アミドエチル基、シクロペンチル基、クロロシクロヘキ
シル基、ジクロロヘキシル基等)を表わす。
【0034】f1 及びf2 は互いに同じでも異なっても
よく、各々前記一般式(I)におけるa1 またはa2
同一の内容を表わす。
【0035】具体的な一官能性単量体(A)としては、
例えば、炭素数1〜6の脂肪族カルボン酸(酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、モノクロロ酢酸、トリフロロプロピオ
ン酸等)のビニルエステル類あるいはアリルエステル
類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸の炭素数1〜4の
置換されてもよいアルキルエステル類又はアミド類(ア
ルキル基として例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル
基、2−フロロエチル基、トリフロロエチル基、2−ヒ
ドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−ニトロエ
チル基、2−メトキシエチル基、2−メタンスルホニル
エチル基、2−ベンゼンスルホニルエチル基、2−
(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、2−(N,N−
ジエチルアミノ)エチル基、2−カルボキシエチル基、
2−ホスホエチル基、4−カルボキシブチル基、3−ス
ロホプロピル基、4−スルホブチル基、3−クロロプロ
ピル基、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル基、2−
フルフリルエチル基、2−ピリジニルエチル基、2−チ
エニルエチル基、トリメトキシシリルプロピル基、2−
カルボキシアミドエチル基等);スチレン誘導体(例え
ば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
ビニルナフタレン、クロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、ブロモスチレン、ビニルベンゼンカルボン酸、ビニ
ルベンゼンスルホン酸、クロロメチルスチレン、ヒドロ
キシメチルスチレン、メトキシメチルスチレン、N,N
−ジメチルアミノメチルスチレン、ビニルベンゼンカル
ボキシアミド、ビニルベンゼンスルホアミド等);アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタ
コン酸等の不飽和カルボン酸;マレイン酸、イタコン酸
の環状酸無水物;アクリロニトリル;メタクリロニトリ
ル;重合性二重結合基含有のヘテロ環化合物(具体的に
は、例えば、高分子学会編「高分子データハンドブック
−基礎編−」、p175〜184、培風舘(1986年
刊)に記載の化合物、例えば、N−ビニルピリジン、N
−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、ビニル
チオフェン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルオキサ
ゾリン、ビニルチアゾール、N−ビニルモルホリン等)
等が挙げられる。単量体(A)は二種以上を併用しても
よい。
【0036】次に、本発明に用いられる一官能性マクロ
モノマー(MA)について更に説明する。一官能性マクロ
モノマー(MA)は、下記一般式(I)で示される繰返し
単位から成る重合体の主鎖の一方の末端にのみ下記一般
式(II)で示される重合性二重結合基を結合して成る数
平均分子量が1×104 以下のマクロモノマーである。
【0037】
【化14】
【0038】式(I)中、V0 は−COO−、−OCO
−、−(CH2 r COO−、−(CH2 r OCO
−、−O−、−SO2 −、−CONHCOO−、−CO
NHCONH−、−COND11−、−SO2 ND11−、
又はフェニレン基(−Ph−)を表わす(ここでD11
水素原子又は炭素数1〜22の炭化水素基を示し、rは
1〜4の整数を示す)。a1 及びa2 は、互いに同じで
も異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、シア
ノ基、炭化水素基、−COO−D12、又は炭化水素基を
介した−COO−D12を表わす(ここでD12は水素原子
又は置換されてもよい炭化水素基を示す)。D0 は、炭
素数1〜22の炭化水素基、又は下記一般式(V)で示
される置換基から選ばれる置換基を表わす。
【0039】
【化15】
【0040】式(V)中、D21は水素原子または炭素数
1〜22の炭化水素基を表わす。B1 及びB2 は、互い
に同じでも異なってもよく、各々−O−、−CO−、−
CO2 −、−OCO−、−SO2 −、−N(D22)−、
−CON(D22)−または−N(D22)CO−を表す
(ここでD22は上記D21と同一の内容を示す)。A1
びA2 は、互いに同じでも異なってもよく、各々置換さ
れてもよい、又は下記化16を主鎖の結合に介在させて
もよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。
【0041】
【化16】
【0042】化16中、B3 及びB4 は、互いに同じで
も異なってもよく、上記B1 、B2と同一の内容を示
し、A4 は置換されてもよい炭素数1〜18の炭化水素
基を示し、D23は上記D21と同一の内容を示す。m、n
及びpは、互いに同じでも異なってもよく、各々0〜4
の整数を表す。但し、m、n及びpが同時に0となるこ
とはない。
【0043】
【化17】
【0044】式(II)中、V1 は式(I)中のV0 と同
一の内容を表わす。b1 及びb2 は、互いに同じでも異
なってもよく、式(I)中のa1 、a2 と同一の内容を
表わす。
【0045】一般式(I)及び(II)においてa1 、a
2 、V0 、D0 、b1 、b2 およびV1 に含まれる炭化
水素基は各々示された炭素数(未置換の炭化水素基とし
ての)を有するが、これら炭化水素基は置換されていて
もよい。
【0046】一般式(I)において、V0 で示される置
換基中のD11は水素原子のほか、好ましい炭化水素基と
しては、炭素数1〜22の置換されてもよいアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル
基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコサニル
基、ドコサニル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエ
チル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニル
エチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル
基、等)、炭素数4〜18の置換されてもよいアルケニ
ル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブ
テニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテ
ニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘ
キセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、デセニル
基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキサデセニル
基、オクタデセニル基、リノレル基等)、炭素数7〜1
2の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル
基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチル
メチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、
ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル
基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメト
キシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい
脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキ
シルエチル基、2−シクロペンチルエチル基、等)、又
は炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基(例え
ば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、
プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェ
ニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エ
トキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシ
フェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、
ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニ
ル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボ
ニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセ
トアミドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデ
シロイルアミドフェニル基、等)が挙げられる。
【0047】V0 がフェニレン基(−Ph−)を表わす
場合、ベンゼン環は、置換基を有してもよい。置換基と
しては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子
等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基、
等)等が挙げられる。
【0048】a1 及びa2 は、互いに同じでも異なって
いてもよく、好ましくは水素原子、ハロゲン原子(例え
ば、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜3
のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基等)、−COO−D13又は−CH2 COO−D13(D
13は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、アルケ
ニル基、アラルキル基、脂環式基又はアリール基を表わ
し、これらは置換されていてもよく、具体的には、上記
11について説明したものと同様の内容を表わす)を表
わす。
【0049】D0 が炭素数1〜22の炭化水素基を表わ
す場合、具体的には、上記したD11について説明したも
のと同様の内容を表わす。
【0050】D0 が前記一般式(V)で示される置換基
を表す場合について詳しく説明する。A1 及びA2 は、
互いに同じでも異なってもよく、各々置換されてもよ
い、又は前記化16を主鎖の結合に介在させてもよい、
炭素数1〜18の炭化水素基(炭化水素基としては、ア
ルキル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式基が挙
げられ、具体例としてはD11において挙げた具体例と同
様の内容が挙げられる)を表す。A1 及びA2 について
さらに具体的に例を挙げると、これらは、−C(D31
(D32)−〔D31、D32は水素原子、アルキル基、ハロ
ゲン原子等を表す〕、−(CH=CH)−、フェニレン
基(−Ph−)、シクロヘキシレン基〔以下、シクロヘ
キシレン基を「−C6 10−」で表し、「−C6
10−」は1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロ
ヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基を包含す
る〕、前記化16、等の原子団の任意の組み合わせで構
成されるものである。
【0051】又、一般式(I)中の結合基: −V0 −(A1 −B1 m −(A2 −B2 n −D21 において、V0 からD21(即ち、V0 、A1 、B1 、A
2 、B2 、D21)で構成される連結主鎖は原子数の総和
が8以上から構成されるものが好ましい。ここで、
1 、A1 が前記化16を主鎖の結合に介在させる炭化
水素基の場合における、−B3 −(A4 −B4 p −D
23も前記連結主鎖に含まれる。連結主鎖の原子数として
は、例えば、V0 が−COO−や−CONH−を表わす
場合、オキソ基(=O基)や水素原子はその原子数とし
て含まれず、連結主鎖を構成する炭素原子、エーテル型
酸素原子、窒素原子はその原子数として含まれる。従っ
て、−COO−や−CONH−は原子数2として数えら
れる。同様に、D21が−C9 19を表す場合、水素原子
はその原子数として含まれず、炭素原子は含まれる。従
って、この場合は原子数9として数えられる。
【0052】以上の如き一般式(I)で示される繰り返
し単位において、D0 が前記一般式(V)で示される置
換基を表す場合、即ち、繰り返し単位成分として分子内
に少なくとも2つ以上の特定の極性基を含有する場合、
より具体的には、下記の繰り返し単位を例として挙げる
ことができる。以下において、aは−Hまたは−CH3
を;RはC1 〜C18のアルキル基を;R′は水素原子ま
たはC1 〜C18のアルキル基を;k1 、k2 は各々1〜
12の整数を;m1 は1〜100の整数を示す。
【0053】
【化18】
【0054】
【化19】
【0055】
【化20】
【0056】
【化21】
【0057】本発明に供されるマクロモノマー(MA)
は、上述の如き、一般式(I)で示される繰返し単位か
ら成る重合体主鎖の一方の末端にのみ、一般式(II)で
示される重合性二重結合基が、直接結合するか、あるい
は、任意の連結基を介して結合された化学構造を有する
ものである。
【0058】式(II)において、V1 は、式(I)中の
0 と同義であり、b1 及びb2 は、互いに同じでも異
なってもよく、上記式(I)中のa1 又はa2 と同義で
ある。V1 、b1 及びb2 の好ましい範囲は、各々、上
記したV0 、a1 及びa2 について説明したものと同様
の内容である。式(II)のb1 及びb2 のいずれか一方
が水素原子であることがより好ましい。
【0059】式(I)成分と式(II)成分を連結する基
としては、炭素−炭素結合(一重結合あるいは二重結
合)、炭素−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子としては例え
ば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素原子
等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意の組
合せで構成されるものである。本発明のマクロモノマー
(MA)のうち好ましいものは下記一般式(VII)で示され
る如きものである。
【0060】
【化22】
【0061】一般式(VII)中、Z以外は、式(I)及び
式(II)中の各記号と同一の内容を表す。Zは、単なる
結合または、−C(D41)(D42)−〔D41、D42は、
各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ヒドロキシ
ル基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基等)等を示す〕、−(CH=CH)−、−C6
10−(シクロヘキシレン基)、−Ph−(フェニレン
基)、−O−、−S−、−CO−、−N(D43)−、−
COO−、−SO2 −、−CON(D43)−、−SO2
N(D43)−、−NHCOO−、−NHCONH−、−
Si(D43)(D44)−〔D43、D44は、各々独立に、
水素原子、前記D11と同様の内容を表す炭化水素基を示
す〕、下記の化23に示す連結基、等の原子団から選ば
れた単独の連結基もしくは任意の組合せで構成された連
結基を表わす。
【0062】
【化23】
【0063】式(VII)において、a1 、a2 、b1 、b
2 、V0 及びV1 の各々について、特に好ましい例を次
に示す。V0 としては、−COO−、−OCO−、−O
−、−CH2 COO−または−CH2 OCO−が、V1
としては前記のものがすべて(但し、D11は水素原子で
ある)が、a1 、a2 、b1 、b2 としては水素原子ま
たはメチル基が挙げられる。以下に、一般式(VII)中に
おける下記一般式(II′)で示される部分の具体的な例
を示す。しかし、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0064】
【化24】
【0065】以下において、bは−Hまたは−CH
3 を;m1 は1〜12の整数を;n1 は2〜12の整数
を示す。
【0066】
【化25】
【0067】
【化26】
【0068】
【化27】
【0069】
【化28】
【0070】
【化29】
【0071】
【化30】
【0072】又、本発明に供されるマクロモノマー(M
A)において、一般式(I)で示される繰返し単位ととも
に、他の繰返し単位を共重合成分として含有してもよ
い。他の共重合成分としては、一般式(I)の繰返し単
位に相当する単量体と共重合可能な単量体であればいず
れの化合物でもよい。例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、ビニル酢
酸、4−ペンテン酸等の不飽和カルボン酸及びこれら不
飽和カルボン酸のエステル類又はアミド類、炭素数1〜
22の脂肪酸ビニルエステル類あるいはアリルエステル
類、ビニルエーテル類、スチレン及びスチレン誘導体、
不飽和結合基含有のヘテロ環化合物等が挙げられる。具
体的には、例えば前記した単量体(A)で例示した化合
物等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0073】マクロモノマー(MA)の繰返し単位の総和
において、一般式(I)で示される繰返し単位成分は、
全体の40重量%以上含有されていることが好ましく、
より好ましくは60〜100重量%である。一般式
(I)で示される成分が全体の40重量%未満になる
と、分散樹脂粒子で形成された画像部の機械的強度の保
持が充分でなく、従ってオフセット原版として用いた時
の耐刷性向上の効果が見られなくなってしまう。本発明
のマクロモノマー(MA)は、数平均分子量が1×103
〜1×104 のものが好ましく、2×103 〜9×10
3 がより好ましい。マクロモノマー(MA)の数平均分子
量の上限が1×104 を超えると耐刷性が低下する。他
方、分子量が小さすぎると汚れが発生する傾向があり、
1×103以上であることが好ましい。
【0074】本発明のマクロモノマー(MA)は、従来公
知の合成方法によって製造することができる。例えば、
アニオン重合あるいはカチオン重合によって得られる
リビングポリマーの末端に種々の試薬を反応させて、マ
クロマーにする、イオン重合法による方法、分子中
に、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基等の反応
性基を含有した重合開始剤及び/又は連鎖移動剤を用い
て、ラジカル重合して得られる末端反応性基結合のオリ
ゴマーと種々の試薬を反応させて、マクロマーにするラ
ジカル重合法による方法、重付加あるいは重縮合反応
により得られたオリゴマーに上記ラジカル重合方法と同
様にして、重合性二重結合基を導入する重付加縮合法に
よる方法等が挙げられる。具体的には、P.Dreyf
uss & R.P.Quirk,Encycl.Po
lym.Sci.Eng.,,551(1987)、
P.F.Rempp & E.Franta,Adv.
Polym.Sci.,58,1(1984)、V.P
ercec,Appl.Polym.Sci.,28
,95(1984)、R.Asami & M.Ta
kaRi,Makvamol.Chem.Suppl
n.12,163(1985)、P.Rempp.et
al,Makvamol.Chem.Suppln.
,3(1984)、川上雄資,化学工業,38, 56
(1987)、山下雄也,高分子,31,988(19
82)、小林四郎,高分子,30,625(198
1)、東村敏延,日本接着協会誌, 18,536(19
82)、伊藤浩一,高分子加工,35,262(198
6)、東貴四郎,津田隆,機能材料,1987,No.
10,5等の総説及びそれに引例の文献・特許等に記載
の方法に従って合成することができる。
【0075】上記した分子中に特定の反応性基を含有し
た重合開始剤としては、例えば、4,4′−アゾビス
(4−シアノ吉草酸)、4,4′−アゾビス(4−シア
ノ吉草酸クロライド)、2,2′−アゾビス(2−シア
ノプロパノール)、2,2′−アゾビス(2−シアノペ
ンタノール)、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−
(2−ヒドロキシエチル)−プロピオアミド〕、2,
2′−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒ
ドロキシメチル) エチル〕プロピオアミド}、2,2′
−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロ
キシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオアミ
ド}、2,2′−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾビ
ス〔2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,
3−ジアゼピン−2−イル)プロパン〕、2,2′−ア
ゾビス〔2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジ
ン−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾビス〔2−
(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラピリミジン
−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾビス{2−
〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−
2−イル〕プロパン}、2,2′−アゾビス〔N−(2
−ヒドロキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジ
ン〕、2,2′−アゾビス〔N−(4−アミノフェニ
ル)−2−メチルプロピオンアミジン〕等のアゾビス系
化合物が挙げられる。
【0076】又、分子中に特定の反応性基を含有した連
鎖移動剤として、例えば該反応性基あるいは該反応性基
に誘導しうる置換基を含有するメルカプト化合物(例え
ばチオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、
2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオ
ン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロ
ピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−
〔N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル〕プロピ
オン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)アミノ〕
プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)ア
ラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカ
プトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホ
ン酸、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−
1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロ
パノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプ
トフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メル
カプトイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノー
ル等)、あるいは上記反応性基又は置換基を含有するヨ
ード化アルキル化合物(例えばヨード酢酸、ヨードプロ
ピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンス
ルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等)が挙げら
れる。好ましくはメルカプト化合物が挙げられる。
【0077】これらの連鎖移動剤あるいは重合開始剤
は、各々一般式(I)の繰返し単位に相当する単量体1
00重量部に対して0.5〜20重量部を用いる事が好
ましく、より好ましくは1〜10重量部である。
【0078】次に、一官能性単量体(A)および一官能
性マクロモノマー(MA)と共に用いる、該単量体(A)
と共重合し得る重合性官能基を2個以上有する単量体
(D)(以下、多官能性単量体(D)とも称する)につ
いて説明する。多官能性単量体(D)が含有する重合性
官能基としては、単量体(A)と共重合可能なものであ
ればいずれでもよいが、具体的には下記一般式(VIII)で
示される官能基が挙げられる。
【0079】
【化31】
【0080】式(VIII)中、f1 、f2 及びT1 は前記一
般式(VI)におけるf1 、f2 及びT1 と同義である。
【0081】また、多官能性単量体(D)は、これらの
重合性官能基を同一のものあるいは異なったものを2個
以上有した単量体であればよく、単量体(A)および一
官能性マクロモノマー(MA)と共に重合することによっ
て非水溶媒に不溶な重合体を形成する。
【0082】重合性官能基を2個以上有した単量体
(D)の具体例は、例えば、同一の重合性官能基を有す
る単量体として、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼ
ン等のスチレン誘導体;多価アルコール(例えば、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール#200、#40
0、#600、1,3−ブチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロ
ールエタン、ペンタエリスリトールなど)又は、ポリヒ
ドロキシフェノール(例えば、ヒドロキノン、レゾルシ
ン、カテコールおよびそれらの誘導体)のメタクリル
酸、アクリル酸又はクロトン酸のエステル類、ビニルエ
ーテル類又はアリルエーテル類;二塩基酸(例えば、マ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸など)のビニル
エステル類、アリルエステル類、ビニルアミド類又はア
リルアミド類;ポリアミン(例えば、エチレンジアミ
ン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジ
アミンなど)とビニル基を有するカルボン酸(例えば、
メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、アリル酢酸な
ど)との縮合体などが挙げられる。
【0083】又、異なる重合性官能基を有する単量体と
して、例えば、ビニル基を有するカルボン酸〔例えば、
メタクリル酸、アクリル酸、メタクリロイル酢酸、アク
リロイル酢酸、メタクリロイルプロピオン酸、アクリロ
イルプロピオン酸、イタコニロイル酢酸、イタコニロイ
ルプロピオン酸、カルボン酸無水物とアルコール又はア
ミンの反応体(例えば、アリルオキシカルボニルプロピ
オン酸、アリルオキシカルボニル酢酸、2−アリルオキ
シカルボニル安息香酸、アリルアミノカルボニルプロピ
オン酸など)等〕のビニル基を含有したエステル誘導体
又はアミド誘導体(例えば、メタクリル酸ビニル、アク
リル酸ビニル、イタコン酸ビニル、メタクリル酸アリ
ル、アクリル酸アリル、イタコン酸アリル、メタクリロ
イル酢酸ビニル、メタクリロイルプロピオン酸ビニル、
メタクリロイルプロピオン酸アリル、メタクリル酸ビニ
ルオキシカルボニルメチルエステル、アクリル酸ビニル
オキシカルボニルメチルオキシカルボニルエチレンエス
テル、N−アリルアクリルアミド、N−アリルメタクリ
ルアミド、N−アリルイタコン酸アミド、メタクリロイ
ルプロピオン酸アリルアミドなど);又は、アミノアル
コール類(例えば、アミノエタノール、1−アミノプロ
パノール、1−アミノブタノール、1−アミノヘキサノ
ール、2−アミノブタノールなど)と、ビニル基を含有
したカルボン酸の縮合体などが挙げられる。
【0084】本発明の分散樹脂は、単量体(A)、一官
能性マクロモノマー(MA)及び単量体(D)の各々少な
くとも1種以上から成り、重要な事は、これら単量体及
び一官能性マクロモノマーから合成された樹脂が該非水
溶媒に不溶であれば、所望の分散樹脂を得ることができ
る。より具体的には、不溶化する単量体(A)に対し
て、一官能性マクロモノマー(MA)を0.1〜20重量
%使用することが好ましく、さらに好ましくは0.3〜
8重量%である。本発明に用いられる2個以上の重合性
官能基を有する単量体(D)は、全単量体〔一官能性マ
クロモノマー(MA)も含む〕の20モル%以下、好まし
くは10モル%以下の量で用いられ、重合して樹脂を形
成する。又、本発明の分散樹脂の分子量は好ましくは1
×103 〜1×106 であり、より好ましくは1×10
4 〜1×106 である。
【0085】非水溶媒中で、単量体(A)、一官能性マ
クロモノマー(MA)および単量体(D)を重合して生成
した該溶媒不溶の重合体を安定な樹脂分散物とするため
に用いられる本発明の分散安定用樹脂〔P〕は、重合体
主鎖の一方の末端にのみ前記一般式(III)で示される重
合性二重結合基を結合して成る重量平均分子量1×10
3 〜2×104 のマクロモノマー(MB)を共重合成分と
して少なくとも1種含有するクシ型共重合体で、且つ該
共重合体の主鎖部及び/又はクシ部の繰り返し単位とし
て前記一般式(IV)で示される成分を少なくとも含有す
る、該非水溶媒に可溶性の樹脂である。
【0086】該分散安定用樹脂〔P〕は、その主鎖部及
び/又はクシ部の繰り返し単位として、前記一般式(I
V)で示される成分を少なくとも1種含有する。好まし
くは、主鎖部及びクシ部の両方共に一般式(IV)で示さ
れる繰り返し単位を含有する場合である。一般式(IV)
で示される繰り返し単位の分散安定用樹脂〔P〕中での
存在割合は、主鎖部におけるマクロモノマー(MB)以外
の共重合成分としての繰り返し単位とクシ部を構成する
マクロモノマー(MB)の繰り返し単位の合計に対し、5
0〜100wt%であり、好ましくは70〜100wt
%である。一般式(IV)の繰り返し単位が50wt%未
満であると、重合造粒で得られる樹脂粒子の再分散性が
低下し、好ましくない。
【0087】該クシ型共重合体の共重合成分としてのマ
クロモノマー(MB)の存在割合は、分散安定用樹脂
〔P〕の全成分に対し、5〜80wt%であり、好まし
くは10〜60wt%である。マクロモノマー(MB)の
割合が5wt%未満となると、クシ部の数が著しく少な
くなる事であり、本発明の効果である樹脂粒子の再分散
性が低下する。一方、マクロモノマー(MB)の割合が8
0wt%を超えると、該クシ型共重合体を合成する時の
マクロモノマー(MB)と共重合する相手の単量体との共
重合性が低下する。
【0088】本発明のクシ型共重合体である分散安定用
樹脂〔P〕の重量平均分子量(以下「Mw」と略称す
る)は2×104 〜1×106 であり、好ましくは3×
104〜5×105 である。Mwが2×104 未満や1
×106 を超える場合には、いずれも、重合造粒で得ら
れる樹脂粒子の再分散性が低下し、好ましくない。ま
た、マクロモノマー(MB)のMwは1×103 〜2×1
4 であり、好ましくは3×103 〜1×104 であ
る。
【0089】以下、本発明の分散安定用樹脂〔P〕につ
いて、更に詳細に説明する。式(III)中、X0 は−CO
O−、−OCO−、−CH2 OCO−、−CH2 COO
−、−O−、−SO2 −、−CO−、−CONR11−、
−SO2 NR11−、又は−Ph−を表わす(ここでR11
は水素原子又は炭化水素基を示す)。d1 及びd2 は、
互いに同じでも異なってもよく、各々水素原子、ハロゲ
ン原子、シアノ基、炭化水素基、−COO−Z1 、又は
炭化水素基を介した−COO−Z1 を表わす(ここでZ
1 は水素原子又は炭化水素基を示す)。式(IV)中、X
1 は式(III)中のX0 と同一の内容を表わす。Q1 は炭
素数6〜32の脂肪族基を表わす。e1 及びe2 は、互
いに同じでも異なってもよく、式(III)中のd1 、d2
と同一の内容を表わす。一般式(III)及び(IV)におい
て、炭化水素基及び脂肪族基は置換されていてもよい。
【0090】一般式(III)において、X0 で示される置
換基中のR11は水素原子のほか、好ましい炭化水素基と
しては、炭素数1〜22の置換されてもよいアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデ
シル基、オクタデシル基、2−クロロエチル基、2−ブ
ロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカル
ボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプ
ロピル基等)、炭素数4〜18の置換されてもよいアル
ケニル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2
−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペ
ンテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2
−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基等)、
炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基(例え
ば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル
基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロ
ベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エ
チルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジ
ル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換
されてもよい脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2
−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル
基等)、炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基
(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリ
ル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチ
ルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル
基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシル
オキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニ
ル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチル
フェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシ
カルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル
基、アセトアミドフェニル基、プロピオアミドフェニル
基、ドデシロイルアミドフェニル基等)が挙げられる。
【0091】X0 が−Ph−(フェニレン基)を表わす
場合、ベンゼン環は、置換基を有してもよい。置換基と
しては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子
等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基
等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
プロピルオキシ基、ブトキシ基等)等が挙げられる。
【0092】d1 及びd2 は、互いに同じでも異なって
もよく、好ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば、
塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、シアノ基、炭素
数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基等)、−COO−Z1 、又は炭化
水素基を介した−COO−Z1 (Z1 は、好ましくは水
素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル
基、アラルキル基、脂環式基もしくはアリール基を表わ
し、これらは置換されていてもよく、具体的には、上記
11について説明したものと同様の内容を表わす)を表
わす。上記炭化水素基を介した−COO−Z1 基におけ
る炭化水素としては、メチレン基、エチレン基、プロピ
レン基等が挙げられる。
【0093】更に好ましくは、一般式(III)において、
0 は−COO−、−OCO−、−CH2 OCO−、−
CH2 COO−、−O−、−CONH−、−SO2 NH
−、又は−Ph−を表わし、d1 及びd2 は、互いに同
じでも異なってもよく、各々水素原子、メチル基、−C
OO−Z1 、又は−CH2 COO−Z1 を表わす。ここ
で、Z1 は、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜6
のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基等)を表わす。更に好ましく
は、d1 及びd2 のいずれか一方が水素原子を表わす。
【0094】即ち、一般式(III)で表わされる重合性二
重結合基として、具体的には、CH2 =CH−COO
−、CH2 =C(CH3 )−COO−、CH3 −CH=
CH−COO−、CH2 =C(CH2 COOCH3 )−
COO−、CH2 =C(CH2 COOH)−COO−、
CH2 =CH−CONH−、CH2 =C(CH3 )−C
ONH−、CH3 −CH=CH−CONH−、CH2
CH−OCO−、CH2 =CH−CH2 −OCO−、C
2 =CH−O−、CH2 =C(COOH)−CH2
COO−、CH2 =C(COOCH3 )−CH2 −CO
O−、CH2 =CH−Ph−等が挙げられる。
【0095】一般式(IV)において、e1 及びe2 は、
互いに同じでも異なってもよく、式(III)中のd1 、d
2 と同一の内容を表す。e1 、e2 の好ましい例も式(I
II)中のd1 、d2 の好ましい例と同じである。X
1 は、式(III)中のX0 と同一の内容を表わし、好まし
くは、−COO−、−OCO−、−O−、−CH2 OC
O−、又は−CH2 COO−を表わす。Q1 は炭素数6
〜32の脂肪族基を表わし、好ましくは、炭素数8〜2
2の、アルキル基又はアルケニル基を表わし、例えば、
オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テ
トラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコ
サニル基、エイコサニル基、オクテニル基、デセニル
基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル
基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リノレイル
基、ドコセニル基等が挙げられる。
【0096】本発明の分散安定用樹脂〔P〕の主鎖部お
よびクシ部の繰返し単位としては、前記一般式(IV)で
示される繰返し単位とともに、他の繰返し単位を含有し
てもよい。他の繰返し単位としては、前記一般式(IV)
で示される繰返し単位に相当する単量体と共重合可能な
他の単量体より成る繰返し単位であれば、特に限定され
ない。共重合可能な他の単量体としては、重合性二重結
合基を含有するものであればいずれでもよく、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸な
どの不飽和カルボン酸;炭素数6以下の不飽和カルボン
酸のエステル誘導体もしくはアミド誘導体;カルボン酸
類のビニルエステル類もしくはアリルエステル類;スチ
レン類;メタクリロニトリル;アクリロニトリル;重合
性二重結合基含有の複素環化合物などが挙げられる。よ
り具体的には、前記した不溶化する単量体(A)と同一
の内容の化合物などが挙げられる。
【0097】本発明のマクロモノマー(MB)は、従来公
知の合成方法によって製造することができる。例えば、
アニオン重合あるいはカチオン重合によって得られる
リビングポリマーの末端に種々の試薬を反応させてマク
ロマーにする、イオン重合法による方法、分子中に、
カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基等の反応性基
を含有した重合開始剤及び/又は連鎖移動剤を用いて、
ラジカル重合して得られる末端反応性基結合のオリゴマ
ーと種々の試薬を反応させて、マクロマーにするラジカ
ル重合法による方法、重付加あるいは重縮合反応によ
り得られたオリゴマーに上記ラジカル重合方法と同様に
して、重合性二重結合基を導入する重付加縮合法による
方法等が挙げられる。具体的には、P.Dreyfus
s & R.P.Quirk,Encycl.Poly
m.Sci.Eng.,,551(1987)、P.
F.Rempp & E.Franta,Adv.Po
lym.Sci.,58,1(1984)、V.Per
cec,Appl.Polym.Sci.,285,9
5(1984)、R.Asami,M.TakaRi,
Makvamol.Chem.Suppl.,12,1
63(1985)、P.Rempp et al,Ma
kvamol.Chem.Suppl.,,3(19
84)、川上雄資「化学工業」38,56(198
7)、山下雄也「高分子」31,988(1982)、
小林四郎「高分子」30,625(1981)、東村敏
延「日本接着協会誌」18,536(1982)、伊藤
浩一「高分子加工」35,262(1986)、東貴四
郎,津田隆「機能材料」1987,No.10,5等の
総説及びそれに引用の文献・特許等に記載の方法に従っ
て合成することができる。
【0098】上記した分子中に反応性基を含有した重合
開始剤としては、例えば、4,4′−アゾビス(4−シ
アノ吉草酸)、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸
クロライド)、2,2′−アゾビス(2−シアノプロパ
ノール)、2,2′−アゾビス(2−シアノペンタノー
ル)、2,2′−アゾビス〔2−(5−ヒドロキシ−
3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)
プロパン〕、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−
〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシ
エチル〕プロピオアミド}、2,2′−アゾビス{2−
メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチ
ル〕プロピオアミド}、2,2′−アゾビス〔2−メチ
ル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオアミド〕、
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)、2,
2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエ
チル)−プロピオアミド〕、2,2′−アゾビス〔2−
(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン〕、2,2′−アゾビス〔2−(4,5,6,7−テ
トラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プ
ロパン〕、2,2′−アゾビス〔2−(3,4,5,6
−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン〕、
2,2′−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}、2,
2′−アゾビス〔N−(2−ヒドロキシエチル)−2−
メチル−プロピオンアミジン〕、2,2′−アゾビス
〔N−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロピオン
アミジン〕等のアゾビス系化合物が挙げられる。
【0099】又、分子中に反応性基を含有した連鎖移動
剤としては、例えば、該反応性基あるいは該反応性基に
誘導しうる置換基含有のメルカプト化合物(例えば、チ
オグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−
メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン
酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピ
オニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−
〔N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル〕プロピ
オン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)アミノ〕
プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)ア
ラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカ
プトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホ
ン酸、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−
1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロ
パノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプ
トフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メル
カプトイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノー
ル等)、又は該反応性基あるいは該反応性基に誘導しう
る置換基含有のヨード化アルキル化合物(例えば、ヨー
ド酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、
2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスル
ホン酸等)等が挙げられる。好ましくはメルカプト化合
物が挙げられる。これらの連鎖移動剤あるいは重合開始
剤の使用量は、各々、全単量体100重量部に対して
0.1〜10重量部であり、好ましくは0.5〜5重量
部である。
【0100】本発明に用いられる分散安定用樹脂重合体
〔P〕は、具体的には、公知の方法である、一般式(I
V)で示される繰返し単位に相当する単量体及び上記し
たマクロモノマー(MB)を少なくとも共存させて、重合
開始剤(例えば、アゾビス系化合物、過酸化物等)によ
り重合する方法が簡便であり、好ましい。ここで用いら
れる重合開始剤は、全単量体と全マクロモノマー(MB)
の合計量100重量部に対して0.5〜15重量であ
り、好ましくは1〜10重量である。
【0101】本発明に供される分散安定用樹脂〔P〕と
して好ましくは、その重合体主鎖の片末端に特定の極性
基を結合して成るものが挙げられる。〔以下、分散安定
用樹脂〔PA 〕もしくは樹脂〔PA 〕という。〕特定の
極性基としては、−PO3 2 、−SO3 H、−COO
H、−P(=O)(OH)R1 〔ここでR1 は炭化水素
基または−OR2 (R2 は炭化水素基を表わす)を表わ
す〕、−OH、ホルミル基、−CONR3 4 、−SO
2 NR34 〔ここで、R3 及びR4 は、各々独立に、
水素原子又は炭化水素基を表わす〕、環状酸無水物含有
基、及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種の極性基
が挙げられる。
【0102】上記−P(=O)(OH)R1 で表される
極性基において、R1 もしくはR2で表される炭化水素
基としては、炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、
より好ましくは炭素数1〜8の置換されてもよい脂肪族
基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ブテニル基、ペンテニル
基、ヘキセニル基、2−クロロエチル基、2−シアノエ
チル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジ
ル基、フェネチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジ
ル基等)、又は置換されてもよい芳香族基(例えば、フ
ェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クロロ
フェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、
シアノフェニル基等)を表わす。
【0103】上記−CONR3 4 および−SO2 NR
3 4 で表される極性基において、R3 及びR4 は、各
々独立に、水素原子又は炭化水素基(好ましくは炭素数
1〜8の置換されてもよい炭化水素基)を表わす。
3 、R4 で表される炭化水素基として具体的には、前
記R1 、R2 で表される炭化水素基と同様の内容のもの
が挙げられる。
【0104】また、環状酸無水物含有基とは、少なくと
も1つの環状酸無水物を含有する基であり、含有される
環状酸無水物としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、芳
香族ジカルボン酸無水物が挙げられる。脂肪族ジカルボ
ン酸無水物の例としては、コハク酸無水物、グルタコン
酸無水物、マレイン酸無水物、シクロペンタン−1,2
−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2−ジカ
ルボン酸無水物、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸無水物、2,3−ビシクロ〔2,2,2〕オクタンジ
カルボン酸無水物等が挙げられ、これらの脂肪族ジカル
ボン酸無水物は、例えば、塩素原子、臭素原子等のハロ
ゲン原子、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基
等のアルキル基等で置換されていてもよい。又、芳香族
ジカルボン酸無水物の例としては、フタル酸無水物、ナ
フタレン−ジカルボン酸無水物、ピリジン−ジカルボン
酸無水物、チオフェン−ジカルボン酸無水物等が挙げら
れ、これらの芳香族ジカルボン酸無水物は、例えば、塩
素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、等のアルキル基、ヒドロキ
シル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基
(アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基等)等で置換されていてもよい。
【0105】又、本発明の極性基中、アミノ基は、−N
2 、−NHR5 又は−NR5 6を表す。R5 、R6
は、炭素数1〜8の炭化水素基を表わし、好ましくは炭
素数1〜7の炭化水素基を表わし、具体的には、前記R
1 、R2 で表される炭化水素基と同様の内容のものが挙
げられる。
【0106】分散安定用樹脂〔PA 〕において、少なく
とも1種の上記特定の極性基は、重合体主鎖の片末端に
直接結合してもよいし、連結基を介して結合してもよ
い。主鎖成分と特定の極性基含有成分とを連結する連結
基としては、炭素−炭素結合(一重結合あるいは二重結
合)、炭素−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子としては、例
えば酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素原子
等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意の組
合せで構成されるものである。さらに具体的な連結基と
しては、−CR7 8 −〔ここで、R7 とR8 は、各々
独立に、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原
子、臭素原子等)、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキ
ル基(メチル基、エチル基、プロピル基等)等を示
す〕、−(CH=CH)−、−C6 10−(即ち、シク
ロヘキシレン)、−Ph−、−O−、−S−、−CO
−、−NR9 −、−COO−、−SO2 −、−CONR
9 −、−SO2 NR9 −、−NHCOO−、−NHCO
NH−、−Si R9 10−〔ここで、R9 とR10は、各
々独立に、水素原子、前記極性基におけるR1 と同様の
内容を表す炭化水素基等を示す〕等の原子団から選ばれ
た単独の連結基もしくは任意の2以上の原子団の組合せ
で構成された連結基が挙げられる。
【0107】本発明に用いられる分散安定用樹脂重合体
〔PA 〕は、具体的には、一般式(IV)で示される繰
返し単位に相当する単量体、上記したマクロモノマー
(MB)、及び上記特定の極性基を含有する連鎖移動剤の
混合物を重合開始剤(例えば、アゾビス系化合物、過酸
化物等)により重合する方法あるいは、上記連鎖移動
剤を用いずに、該極性基を含有する重合開始剤を用いて
重合する方法あるいは、連鎖移動剤及び重合開始剤の
いずれにも、該極性基を含有した化合物を用いる方法、
更には、前記3つの方法おいて、連鎖移動剤あるいは
重合開始剤の置換基として、アミノ基、ハロゲン原子、
エポキシ基、酸ハライド基等を含有する化合物を用いて
重合反応後、更に高分子反応で、これらの官能基と反応
させることで該極性基を導入する方法等を用いて製造す
ることができる。具体的には、P.Dreyfuss
& R.P.Quirk,Encycl.Polym.
Sci.Eng.,,551(1987)、中條善
樹, 山下雄也「染料と薬品」30,232(198
5)、上田明, 永井進「科学と工業」60,57(19
86)等の総説及びそれに引用の文献等に記載の方法に
よって製造することができる。
【0108】上記特定の極性基あるいは該極性基に誘導
しうる置換基含有の連鎖移動剤として具体的には、マク
ロモノマー(MB)の合成方法において反応性基含有の連
鎖移動剤として前述したメルカプト化合物やヨード化ア
ルキル化合物を挙げることができる。好ましくはメルカ
プト化合物が挙げられる。また、上記特定の極性基ある
いは該極性基に誘導しうる置換基含有の重合開始剤につ
いてもマクロモノマー(MB)において反応性基含有の重
合開始剤として前述したアゾビス系化合物が挙げられ
る。これらの連鎖移動剤あるいは重合開始剤の使用量
は、各々、全単量体と全マクロモノマー(MB)の合計量
100重量部に対して0.1〜10重量部であり、好ま
しくは0.5〜5重量部である。
【0109】本発明に供される分散安定用樹脂〔P〕と
して更に好ましくは、その重合体主鎖の片末端に、該単
量体(A)と共重合可能な重合性官能基を結合してなる
ものが挙げられる。〔以下、分散安定用樹脂〔PB 〕又
は樹脂〔PB 〕という。〕
【0110】分散安定用樹脂〔PB 〕の重合性官能基の
具体的内容としては、前記多官能性単量体(D)におい
て重合性官能基として記載した一般式(VIII)で示される
官能基と同様のものが挙げられる。又、該重合性官能基
は、重合体主鎖の片末端に直接結合してもよいし、また
は連結基を介して結合してもよい。連結基としては、前
記分散安定用樹脂〔PA 〕における連結基と同様の内容
のものが挙げられる。
【0111】更に、好ましい態様である、重合体主鎖の
片末端に重合性官能基を結合して成る本発明の分散安定
用樹脂〔PB 〕は、従来公知のアニオン重合あるいは
カチオン重合によって得られるリビングポリマーの末端
に種々の重合性二重結合基を含有する試薬を反応させる
か、あるいはこのリビングポリマーの末端に特定の反
応性基(例えば、−OH、−COOH、−SO3 H、−
SH、−NH2 、−PO3 2 、−NCO、−NCS、
下記化32で表されるエポキシ基、−COCl、−SO
2 Clなど)を含有した試薬を反応させた後、高分子反
応により重合性二重結合基を導入する方法(イオン重合
法による方法)、又は、分子中に上記特定の反応性基
を含有した重合開始剤及び/又は連鎖移動剤を用いてラ
ジカル重合させた後、重合体主鎖の片末端にのみ結合し
た特定の反応性基を利用して高分子反応を行うことによ
り重合性二重結合基を導入する方法等の合成法によって
容易に製造することができる。
【0112】
【化32】
【0113】具体的には、P.Dreyfuss &
R.P.Quirk,Encycl.Poly.Sc
i.Eng.,,551(1987)、中條善樹,山
下雄也「染料と薬品」,30,232(1985)、上
田明,永井進「化学と工業」60,57(1986)、
P.F.Rempp & E.Franta,Adva
nces in Polymer Science,
,1(1984)、伊藤浩一「高分子加工」,35
262(1986)、V.Percec,Applie
d Polymer Science,285,97
(1984)等の総説及びそれに引用の文献等に記載の
方法に従って重合性二重結合基を導入することができ
る。
【0114】更に、具体的には、分散安定用樹脂〔PA
〕の特定の極性基を利用して、これを高分子反応を行
うことにより重合性二重結合基を導入する方法が好まし
い方法として挙げられる。
【0115】本発明に用いられる分散安定用樹脂〔P〕
は、有機溶媒に可溶性であり、具体的には、トルエン溶
媒100重量部に対して、温度25℃において、分散安
定用樹脂が少なくとも5重量部以上溶解するものであれ
ばよい。
【0116】本発明で用いられるラテックス粒子を製造
するには、一般に、前述の様な分散安定用樹脂〔P〕、
一官能性単量体(A)、一官能性マクロモノマー(M
A)、および多官能性単量体(D)を非水溶媒中で、過酸
化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、ブチルリ
チウム等の重合開始剤の存在下に加熱重合させればよ
い。具体的には、分散安定用樹脂〔P〕、単量体
(A)、マクロモノマー(MA)および単量体(D)の混
合溶液中に重合開始剤を添加する方法、分散安定用樹
脂〔P〕を溶解した溶液中に単量体(A)、マクロモノ
マー(MA)および単量体(D)を重合開始剤とともに滴
下してゆく方法、あるいは、分散安定用樹脂〔P〕全
量と単量体(A)、マクロモノマー(MA)および単量体
(D)の一部を含む溶液中に、重合開始剤とともに残り
の単量体(A)、マクロモノマー(MA)および単量体
(D)を任意に添加する方法、更には、非水溶媒中
に、分散安定用樹脂〔P〕、単量体(A)、マクロモノ
マー(MA)および単量体(D)の混合溶液を重合開始剤
とともに任意に添加する方法等があり、いずれの方法を
用いても製造することができる。
【0117】単量体(A)、マクロモノマー(MA)およ
び単量体(D)の総量は、非水溶媒100重量部に対し
て5〜80重量部程度であり、好ましくは10〜50重
量部である。分散安定用樹脂〔P〕である可溶性の樹脂
は、上記で用いる全単量体〔マクロモノマー(MA)を含
む〕100重量部に対して1〜100重量部であり、好
ましくは10〜50重量部である。重合開始剤の量は、
マクロモノマー(MA)を含む全単量体量の0.1〜5重
量%が適切である。又、重合温度は50〜180℃程度
であり、好ましくは60〜120℃である。反応時間は
1〜15時間が好ましい。
【0118】反応に用いた非水溶媒中に、前記したアル
コール類、ケトン類、エーテル類、エステル類等の極性
溶媒を併用した場合あるいは重合造粒化される単量体
(A)や単量体(D)の未反応物が残存する場合、該溶
媒あるいは単量体(A)や単量体(D)の沸点以上に加
温して留去するかあるいは減圧留去することによって除
くことが好ましい。
【0119】以上の如くして製造された非水系ラテック
ス粒子は、微細でかつ粒度分布が均一な粒子として存在
すると同時に、非常に安定な分散性を示し、特に現像装
置内において長期間繰り返し使用をしても分散性が良く
現像装置内での凝集や沈澱を生じることが全く認められ
ない。また、加熱等により定着した場合、強固な被膜が
形成され、優れた定着性を示した。更に、本発明の液体
現像剤は、製版システムにおいて用いられた場合にも、
非画像部の親水化処理工程を経ても優れたトナー画像部
のレジスト性を有し、印刷物の画像部の優れた原画再現
性を示した。
【0120】以上の様な効果をもたらす本発明の液体現
像剤は、本発明によって供される不溶性ラテックス粒子
によって可能となる。即ち、本発明の分散樹脂粒子は、
該分散安定用樹脂〔P〕が不溶性樹脂粒子と相互作用
し、該不溶性樹脂粒子に吸着する。該樹脂粒子に吸着し
た樹脂〔P〕は非水溶媒に可溶性であることから、非水
系ラテックスの分散安定化として公知となっている、い
わゆる立体反発効果をもたらす。また同時に、樹脂
〔P〕はクシ型構造を含有した可溶性樹脂であることか
ら、非水溶媒への親和性が著しく向上し、且つ吸着した
樹脂〔P〕はクシ型構造をもつゆえに粒子界面近傍に存
在し、これにより粒子界面近傍の親媒性が向上すると推
定される。これらのことにより不溶性粒子の凝集・沈澱
が抑制され、再分散性が著しく向上するものと考えられ
る。
【0121】本発明において、好ましい態様である重合
体主鎖の少なくとも1つの片末端に特定の極性基を含有
して成る分散安定用樹脂〔PA 〕を用いると、不溶性樹
脂粒子との相互作用がより向上し、粒子への吸着性が高
められることにより、前記した分散安定化の効果がより
向上するものと考えられる。
【0122】更に好ましい態様である重合体主鎖の片末
端に重合性官能基を含有して成る分散安定用樹脂〔PB
〕を用いると、分散重合反応時に、不溶化する単量体
(A)、一官能性マクロモノマー(MA)及び単量体
(D)と共重合し、より効率よく不溶性樹脂粒子と結合
される。
【0123】以上の様に、本発明の分散安定用樹脂
〔P〕を用いると、分散安定性の向上が図られ、更に、
樹脂〔PA 〕あるいは樹脂〔PB 〕を用いると、使用量
を少なくしても同等以上の効果が得られる。一方、樹脂
〔PA 〕あるいは樹脂〔PB 〕の場合は、分散安定化を
少ない使用量で達成できること及び粒子に吸着しない樹
脂〔P〕が少なくなることが挙げられる。これらは、液
体現像剤を繰り返し長期間使用した時に現像剤中に濃縮
されて、種々の問題を生じる懸念が改良されることとな
った。
【0124】一方、本発明の不溶性樹脂粒子は、多官能
性単量体(D)を用いて重合造粒することで該粒子が架
橋構造を形成していることを特徴とする。これにより、
トナー粒子として画像を形成した後、印刷原版とするた
めの親水化処理工程を経た後でも、耐処理液適性(レジ
スト性)が向上し、トナー画像部の破損を著しく減少す
ることが可能となった。又、定着条件を緩和するため
に、該不溶性樹脂粒子として、ガラス転移点の低い樹脂
構造にすることが装置上重要なこととなるが、これらガ
ラス転移点の低い樹脂は、例えば、エステル構造、エー
テル構造、アミド構造等の極性構造を含有することとな
り、親水化処理工程で処理液への溶解し易さが生じ、そ
の結果として、画像部上のトナー部のレジスト性が低下
してしまう。この好ましくない現象が、樹脂粒子内部を
部分的に架橋させることにより、著しく抑制することが
可能となった。本発明の分散樹脂粒子はこれらの作用に
よって、本発明の効果がもたらされるものである。
【0125】本発明の液体現像剤において、所望により
着色剤を使用しても良い。その着色剤は特に限定される
ものではなく従来公知の各種顔料又は染料を使用するこ
とができる。分散樹脂自体を着色する場合には、例えば
着色の方法の1つとしては、顔料又は染料を用いて分散
樹脂に物理的に分散する方法があり、使用する顔料又は
染料は非常に多く知られている。例えば、磁性酸化鉄粉
末、粉末ヨウ化鉛、カーボンブラック、ニグロシン、ア
ルカリブルー、ハンザイエロー、キナクリドンレッド、
フタロシアニンブルーなどが挙げられる。着色の方法の
他の1つとしては、特開昭57−48738号などに記
載されている如く、分散樹脂を、好ましい染料で染色す
る方法がある。あるいは、他の方法として、特開昭53
−54029号に開示されている如く、分散樹脂と染料
を化学的に結合させる方法があり、あるいは、又、特公
昭44−22955号等に記載されている如く、重合造
粒法で製造する際に、予め色素を含有した単量体を用
い、色素含有の共重合体とする方法がある。
【0126】本発明の液体現像剤には、荷電特性の強化
あるいは画像特性の改良等のために、所望により種々の
添加剤を加えても良く、例えば原崎勇次「電子写真」第
16巻、第2号、44頁に具体的に記載されているもの
が用いられる。例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホ
コハク酸金属塩、ナフテン酸金属塩、高級脂肪酸金属
塩、レシチン、ポリ(ビニルピロリドン)、半マレイン
酸アミド成分を含む共重合体、又、高級アルコール類、
ポリエーテル類、ワックス類等が挙げられる。しかし、
これらに限定されるものではない。
【0127】本発明の液体現像剤の主要な各組成分の量
について説明すれば下記の通りである。樹脂(及び所望
により用いられる着色剤)を主成分として成るトナー粒
子は、担体液体1000重量部に対して0.5重量部〜
50重量部が好ましい。0.5重量部未満であると画像
濃度が不足し、50重量部を超えると非画像部へのカブ
リを生じ易い。さらに、前記の分散安定用の担体液体可
溶性樹脂も必要に応じて使用され、担体液体1000重
量部に対して0.5重量部〜100重量部程度加えるこ
とができる。上述の様な荷電調節剤は、担体液体100
0重量部に対して0.001重量部〜1.0重量部が好
ましい。更に所望により各種添加剤を加えても良く、そ
れら添加物の総量は、現像剤の電気抵抗によってその上
限が規制される。即ち、トナー粒子を除去した状態の液
体現像剤の電気抵抗が109 Ωcmより低くなると良質
の連続階調像が得られ難くなるので、各添加物の各添加
量を、この限度内でコントロールすることが必要であ
る。
【0128】
【実施例】以下に本発明の分散安定用樹脂の製造例、ラ
テックス粒子の製造例および実施例を示し、本発明の効
果を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0129】マクロモノマー(MA)の製造例1:マクロ
モノマーMA −1 メチルメタクリレート100g、3−メルカプトプロピ
オン酸5gおよびトルエン200gの混合溶液を、窒素
気流下攪拌しながら、温度75℃に加温した。2,2′
−アゾビス(イソブチロニトリル)(略称A.I.B.
N.)を1.0g加え4時間反応し、更にA.I.B.
N.を0.5g加え3時間、更にA.I.B.N.を
0.3g加え3時間反応した。次にこの反応溶液にグリ
シジルメタクリレート8g、N,N−ジメチルドデシル
アミン1.0g及びt−ブチルハイドロキノン0.5g
を加え、温度100℃にて、12時間攪拌した。冷却後
この反応溶液をメタノール2リットル中に再沈し、白色
粉末を82g得た。重合体の数平均分子量は6,500
であった。
【0130】
【化33】
【0131】マクロモノマー(MA)の製造例2〜39:マ
クロモノマーMA −2〜MA −39 マクロモノマー(MA)の製造例1において、メチルメタ
クリレートのみを下記表−Aに相当する化合物に代えた
他は、製造例1と同様に反応してマクロモノマーMA −
2〜MA −39を合成した。得られた各マクロモノマーの
数平均分子量は5000〜7000の範囲であった。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
【表3】
【0135】
【表4】
【0136】マクロモノマー(MA)の製造例40:マクロ
モノマーMA −40 2,3−ジプロピオキシプロピルメタクリレート96
g、チオエタノール4g及びトルエン200gの混合溶
液を窒素気流下攪拌しながら、温度70℃に加温した。
A.I.B.N.を1.0g加え4時間反応した。更に
A.I.B.N.を0.5g加え3時間、その後更に
A.I.B.N.を0.3g加え3時間反応した。この
反応溶液を室温に冷却し、2−カルボキシエチルメタク
リレート16.2gを加え、これにジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(略称D.C.C.)を12.7g及び塩
化メチレン60gの混合溶液を1時間で滴下した。t−
ブチルハイドロキノン1.0gを加え、そのまま4時間
攪拌した。析出した結晶を濾別して得た濾液を、メタノ
ール2リットル中に再沈した。沈澱した油状物をデカン
テーションで捕集し、これを塩化メチレン150mlに
溶解し、メタノール1リットル中に再度再沈した。油状
物を捕集し、減圧乾燥して、収量54gで、数平均分子
量6.30×103 の重合体を得た。
【0137】
【化34】
【0138】マクロモノマー(MA)の製造例41〜46:マ
クロモノマーMA −41〜MA −46 マクロモノマーMA −40の製造例において、メタクリレ
ートモノマー(2,3−ジプロピオキシプロピルメタク
リレートに相当)及び不飽和カルボン酸(2−カルボキ
シエチルメタクリレートに相当)を各々代えて、MA −
40の製造例と同様にして、下記表−Bのマクロモノマー
を各々製造した。収量は96gで、得られた各マクロモ
ノマーの数平均分子量は5×103 〜8×103 の範囲
であった。
【0139】
【表5】
【0140】
【表6】
【0141】マクロモノマー(MA)の製造例47:マクロ
モノマーMA −47 2,3−ジアセトキシプロピルメタクリレート100
g、テトラヒドロフラン150gおよびイソプロピルア
ルコール50gの混合溶液を窒素気流下に、温度75℃
に加温した。4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)
(略称:A.C.V.)を4.0g加え5時間反応し、
更にA.C.V.を1.0g加えて4時間反応した。冷
却後、反応溶液をメタノール1.5リットル中に再沈
し、油状物をデカンテーションで捕集し、減圧乾燥し
た。収量は85gであった。この油状物50g、グリシ
ジルメタアクリレート15g、N,N−ジメチルドデシ
ルアミン1.0g及び2,2′−メチレンビス(6−t
−ブチル−p−クレゾール)1.0gを加え、温度10
0℃で15時間攪拌した。冷却後、この反応液を石油エ
ーテル1リットル中に再沈し、白色の粉末63gを得
た。数平均分子量は6,200であった。
【0142】
【化35】
【0143】マクロモノマー(MB)の製造例1:マクロ
モノマーMB −1 メチルメタクリレート100g、メルカプトプロピオン
酸5gおよびトルエン200gの混合溶液を、窒素気流
下攪拌しながら、温度75℃に加温した。2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル(略称A.I.B.N.)を
1.0g加え4時間反応し、更にA.I.B.N.を
0.5g加え3時間、更にA.I.B.N.を0.3g
加え3時間反応した。次に、この反応溶液にグリシジル
メタクリレート8g、N,N−ジメチルドデシルアミン
1.0g及びt−ブチルハイドロキノン0.5gを加
え、温度100℃にて、12時間攪拌した。冷却後この
反応溶液をメタノール2リットル中に再沈し、白色粉末
を82g得た。重合体の重量平均分子量は6,500で
あった。
【0144】
【化36】
【0145】マクロモノマー(MB)の製造例2〜27:マ
クロモノマーMB −2〜MB −27 マクロモノマー(MB)の製造例1において、メチルメタ
クリレートのみを下記表Cに相当する化合物に代えた他
は、製造例1と同様にして反応してマクロモノマーMB
−2〜MB −27を合成した。得られた各マクロモノマー
の重量平均分子量は5000〜7000の範囲であっ
た。
【0146】
【表7】
【0147】
【表8】
【0148】
【表9】
【0149】マクロモノマー(MB)の製造例28:マクロ
モノマーMB −28 ドデシルメタクリレート90g、メタクリル酸10g、
チオエタノール5g及びトルエン200gの混合溶液を
窒素気流下攪拌しながら温度70℃に加温した。A.
I.B.N.を1.0g加え、4時間反応した。更に、
A.I.B.N.を0.5g加え3時間、その後、更に
A.I.B.N.を0.3g加え3時間反応した。この
反応溶液を、室温に冷却し、2−カルボキシエチルメタ
クリレート18.2gを加え、これにジシクロヘキシル
カルボジイミド(略称D.C.C.)を24g及び塩化
メチレン150gの混合溶液を1時間で滴下した。t−
ブチルハイドロキノン1.0gを加え、そのまま4時間
攪拌した。析出した結晶を濾別して得た濾液を、メタノ
ール2リットル中に再沈した。沈澱した油状物をデカン
テーションで捕集し、これを塩化メチレン150ccに
溶解し、メタノール1リットル中に再度再沈した。油状
物を捕集し、減圧乾燥して、収量54gで重量平均分子
量5,800の重合体を得た。
【0150】
【化37】
【0151】マクロモノマー(MB)の製造例29〜35:マ
クロモノマーMB −29〜MB −35 マクロモノマーMB −28の製造例において、メタクリレ
ートモノマー(ドデシルメタクリレートに相当)及び不
飽和カルボン酸(2−カルボキシエチルメタクリレート
に相当)を各々代えて、MB −28の製造例と同様にし
て、下記表Dのマクロモノマーを各々製造した。得られ
た各マクロモノマーの重量平均分子量は5000〜70
00であった。
【0152】
【表10】
【0153】
【表11】
【0154】マクロモノマー(MB)の製造例36:マクロ
モノマーMB −36 n−ドデシルメタクリレート70g、t−ブチルメタク
リレート30g、2−メルカプトエチルアミン4g及び
テトラヒドロフラン200gの混合溶液を窒素気流下温
度70℃に加温した。A.I.B.N.を1.0g加え
4時間反応し、更にA.I.B.N.を0.5g加え4
時間反応した。次にこの反応溶液を水浴中で冷却して温
度20℃とし、トリエチルアミン6.5gを加え、アク
リル酸クロライド5.6gを温度25℃以下で攪拌して
滴下した。滴下後そのまま1時間更に攪拌した。その
後、t−ブチルハイドロキノン0.5gを加え温度60
℃に加温し、4時間攪拌した。冷却後、メタノール2リ
ットル中に再沈する操作を2度行い、淡黄色の粘稠物6
3gを得た。重量平均分子量は6,600であった。
【0155】
【化38】
【0156】マクロモノマー(MB)の製造例37:マクロ
モノマーMB −37 オクタデシルメタクリレート100g、テトラヒドロフ
ラン150g及びイソプロピルアルコール50gの混合
溶液を窒素気流下に、温度75℃に加温した。4,4′
−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(略称:A.C.
V.)を4.0g加え5時間反応し、更にA.C.V.
を1.0g加えて4時間反応した。冷却後、反応溶液を
メタノール1.5リットル中に再沈し、油状物をデカン
テーションで捕集し、減圧乾燥した。収量は85gであ
った。得られた油状物(オリゴマー)を50g、グリシ
ジルメタアクリレート15g、N,N−ジメチルドデシ
ルアミン1.0g及び2,2′−メチレンビス(6−t
−ブチル−p−クレゾール)1.0gを加え、温度10
0℃で15時間攪拌した。冷却後、この反応液を石油エ
ーテル1リットル中に再沈し、白色の粉末42gを得
た。重量平均分子量は7,500であった。
【0157】
【化39】
【0158】マクロモノマー(MB)の製造例38:マクロ
モノマーMB −38 マクロモノマーの製造例37において、得られた中間体の
オリゴマーを50g、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート2.8g及び塩化メチレン100gの混合溶液に、
室温で攪拌下にD.C.C.を4.0g、4−ジメチル
アミノピリジン0.5g及び塩化メチレン10gの混合
溶液を1時間で滴下した。そのまま更に4時間攪拌し
た。析出した結晶を濾別し、濾液をメタノール1リット
ル中に再沈する操作を2回行ない、得られた粉末を減圧
乾燥した。収量は43gで重量平均分子量は7,300
であった。
【0159】
【化40】
【0160】分散安定用樹脂〔P〕の製造例1:樹脂P
−1 オクタデシルメタクリレート70g、マクロモノマーM
B −1を30gおよびトルエン200gの混合溶液を窒
素気流下攪拌しながら温度85℃に加温した。2,2′
−アゾビス(イソブチロニトリル)(略称A.I.B.
N.)を3.0g加え4時間反応した。更にA.I.
B.N.を1.0g加えて2時間反応し、また更にA.
I.B.N.を0.5g加えて2時間反応した。冷却
後、メタノール1.5リットル中にこの混合溶液を再沈
し、粉末を濾集後、乾燥して、白色粉末88gを得た。
得られた重合体の重量平均分子量(Mw と略称する)は
4.5×104 であった。
【0161】分散安定用樹脂〔P〕の製造例2〜14:
樹脂P−2〜P−14 分散安定用樹脂〔P〕の製造例1において、オクタデシ
ルメタクリレート及びマクロモノマーMB −1の代りに
下記表Eの単量体及びマクロモノマー(MB)を各々用い
る他は製造例1と全く同様に操作して各分散安定用樹脂
を製造した。各樹脂のMw は4.0×104 〜6×10
4 であった。
【0162】
【表12】
【0163】分散安定用樹脂〔PA 〕の製造例1:樹脂
PA −1 オクタデシルメタクリレート80g、マクロモノマーM
B −1を20gおよびトルエン150gの混合溶液を、
窒素気流下攪拌しながら、温度75℃に加温した。A.
C.V.を1.0g加え4時間反応し、更にA.C.
V.を0.3g加え2時間、更にA.C.V.を0.3
g加えて3時間反応した。冷却後、メタノール2リット
ル中に再沈し、濾集して乾燥し、白色粉末76gを得
た。得られた樹脂のMw は4.8×104 であった。
【0164】
【化41】
【0165】分散安定用樹脂〔PA 〕の製造例2〜1
5:樹脂PA −2〜PA −15 樹脂PA −1の製造例1において、オクタデシルメタク
リレート及びマクロモノマーMB −1を下記表Fの各化
合物に代えた他は、製造例1と同様に反応して、各分散
安定用樹脂を製造した。各樹脂のMw は3.5×104
〜5.0×104 であった。
【0166】
【表13】
【0167】
【表14】
【0168】分散安定用樹脂〔PA 〕の製造例16:樹
脂PA −16 オクタデシルメタクリレート70g、マクロモノマーM
B −10を30g、チオリンゴ酸0.8g、トルエン1
00g及びイソプロピルアルコール50gの混合溶液
を、窒素気流下温度80℃に加温した。1,1′−アゾ
ビス(シクロヘキサン−1−カルボシアニド)(略称:
A.B.C.C.)を0.8g加え4時間反応し、更に
A.B.C.C.を0.4g加えて3時間、更にA.
B.C.C.を0.3g加えて4時間反応した。冷却
後、メタノール2リットル中に再沈し、濾集して乾燥
し、白色粉末78gを得た。得られた樹脂のMw は3.
8×104であった。
【0169】
【化42】
【0170】分散安定用樹脂〔PA 〕の製造例17〜2
5:樹脂PA −17〜PA −25 樹脂PA −16の製造例16において、オクタデシルメ
タクリレート、マクロモノマーMB −10及びメルカプ
ト化合物(チオリンゴ酸)を下記表Gに相当する化合物
に各々代えて、製造例16と同様に反応して、各樹脂P
A −17〜PA−25を製造した。各樹脂のMw は3.
0×104 〜4×104 であった。
【0171】
【表15】
【0172】
【表16】
【0173】分散安定用樹脂〔PA 〕の製造例26〜3
1:樹脂PA −26〜PA −31 樹脂PA −1の製造例1において、重合体開始剤A.
C.V.の代わりに下記表Hのアゾビス化合物を用いた
他は製造例1と同様に操作して各樹脂PA −26〜PA
−31を製造した。得られた各樹脂のMw は3.0×1
4 〜6×104 であった。
【0174】
【表17】
【0175】分散安定用樹脂〔PA 〕の製造例32:樹
脂PA −32 n−ドデシルメタクリレート85g、マクロモノマーM
B −28を15gおよびトルエン150gの混合溶液
を、窒素気流下に、温度75℃に加温した。A.C.
V.を1.0g加え4時間、更にA.C.V.を0.5
g加え3時間反応した。また更にA.C.V.を0.3
g加えた後、温度90℃に加温して、2時間反応した。
冷却後、反応物をメタノール2リットル中に再沈し、沈
澱した粘稠物をデカンテーションで捕集し、減圧乾燥し
た。透明な粘稠物の収量は76gで、重量平均分子量は
Mw は4.3×104 であった。
【0176】
【化43】
【0177】分散安定用樹脂〔PB 〕の製造例1:樹脂
PB −1 分散安定用樹脂〔PA 〕の製造例1で合成した樹脂PA
−1を50g、アリルアルコール5g及びテトラヒドロ
フラン100gの混合溶液を攪拌下に、温度を25℃に
設定した。この溶液に、ジシクロヘキシルジカルボジイ
ミド(略称D.C.C.)を8g、4−(N,N−ジエ
チルアミノ)ピリジンを0.2g及び塩化メチレン20
gの混合溶液を1時間で滴下した。更にこのまま3時間
反応し、反応を完結させた。次に、この反応混合物に8
0%ギ酸を10g加え1時間攪拌した後、不溶物を濾別
し、濾液をメタノール1リットル中に再沈した。沈澱物
を濾集後、再びトルエン90gに溶解し、不溶分を濾別
した後、濾液をメタノール500cc中に再沈した。沈
澱物を濾集し、乾燥した。得られた重合体の収量は32
gで、Mw は3×104 であった。
【0178】
【化44】
【0179】分散安定用樹脂〔PB 〕の製造例2〜7:
樹脂PB −2〜PB −7 分散安定用樹脂〔PB 〕の製造例1において、樹脂PA
−1及びアリルアルコールの代りに下記表Iの樹脂PA
及び重合性基導入化合物を用いる他は製造例1と全く同
様に操作して各分散安定用樹脂を製造した。
【0180】
【表18】
【0181】分散安定用樹脂〔PB 〕の製造例8:樹脂
PB −8 オクタデシルメタクリレート75g、2−メルカプトエ
タノール2g、マクロモノマーMB −29を25g及び
テトラヒドロフラン250gの混合溶液を窒素気流下に
温度70℃に加温した。A.I.B.N.を0.5g加
え4時間反応し、更にA.I.B.N.を0.3g加え
4時間反応した。次に、この反応混合物を25℃に冷却
し、これにビニル酢酸8gを加え、攪拌下に、D.C.
C.を10g、4−(N,N−ジエチルアミノ)ピリジ
ン0.4g及び塩化メチレン30gの混合溶液を1時間
で滴下し、更にこのまま4時間攪拌した。次に、30%
塩化水素エタノール溶液5g及び水5gを加え、そのま
ま1時間攪拌した。不溶物を濾別した後、濾液をメタノ
ール2リットル中に再沈した。沈澱物を濾集し、乾燥し
た。得られた重合体のMw は3×104 であった。
【0182】
【化45】
【0183】分散安定用樹脂〔PB 〕の製造例9:樹脂
PB −9 ヘキサデシルメタクリレート60g、マクロモノマーM
B −30を40g、テトラヒドロフラン200gの混合
溶液を、窒素気流下に温度75℃に加温した。2,2′
−アゾビス(2−シアノヘプタノール)(略称:A.
B.C.H.)を2g加え4時間反応し、更にA.B.
C.H.を0.5g加え4時間反応した。次に、この反
応混合物を25℃に冷却し、これにメタクリル酸6gを
加え、攪拌下に、D.C.C.を9.5g、4−(N,
N−ジエチルアミノ)ピリジンを0.4g及び塩化メチ
レン40gの混合溶液を1時間で滴下し、更にこのまま
4時間攪拌した。次に、85%ギ酸水溶液10gを加
え、そのまま1時間攪拌した。不溶物を濾別した後、濾
液をメタノール2リットル中に再沈した。沈澱物を濾集
し、乾燥した。得られた重合体のMw は5.5×104
であった。
【0184】
【化46】
【0185】分散安定用樹脂〔PB 〕の製造例10〜1
8:樹脂PB −10〜PB −18 分散安定用樹脂〔PB 〕の製造例9において、ヘキサデ
シルメタクリレート、マクロモノマーMB −30及び重
合性基導入化合物のメタクリル酸の代りに下記表Jに記
した成分に各々相当する各化合物を用いる他は製造例9
と同様にして各分散安定用樹脂を製造した。得られた樹
脂のMw は4.5×104 〜6×104 の範囲であっ
た。
【0186】
【表19】
【0187】
【表20】
【0188】分散安定用樹脂〔PB 〕の製造例19:樹
脂PB −19 分散安定用樹脂〔PA 〕の製造例17で合成した樹脂P
A −17を100g、グリシジルメタクリレート8g、
N,N−ジメチルドデシルアミン1.0g、t−ブチル
ハイドロキノン0.5g及びトルエン200gの混合物
を温度100℃にて12時間攪拌した。冷却後、この反
応溶液をメタノール1.5リットル中に再沈し、濾集
後、乾燥して、淡黄色粉末78gを得た。得られた重合
体のMw は6.8×104 であった。
【0189】
【化47】
【0190】分散安定用樹脂〔PB 〕の製造例20:樹
脂PB −20 分散安定用樹脂〔PA 〕の製造例25で合成した樹脂P
A −25の100gをテトラヒドロフラン200gに溶
解した溶液を、水浴中で冷却して温度20℃とし、トリ
エチルアミン10.2gを加え、メタクリル酸クロライ
ド14.5gを温度25℃以下で攪拌下滴下した。滴下
後そのまま1時間更に攪拌した。その後、t−ブチルハ
イドロキノン0.5gを加え温度60℃に加温し、4時
間攪拌した。冷却後、水1リットル中に攪拌しながら滴
下し(約10分間)、そのまま1時間攪拌して静置後、
水をデカンテーションで除去した。水での洗浄を更に2
回行った後、テトラヒドロフラン100ミリリットルに
溶解し、石油エーテル2リットル中に再沈した。沈澱物
をデカンテーションで補集し、減圧下に乾燥した。得ら
れた粘稠物の収量は65gでMw は4.5×104 であ
った。
【0191】
【化48】
【0192】ラテックス粒子の製造例1:ラテックス粒
子D−1 分散安定用樹脂P−1を14g、メチルメタクリレート
50g、メチルアクリレート50g、一官能性マクロモ
ノマーMA −21を1.2g、エチレングリコールジメ
タクリレート3g及びアイソパーHを384gの混合溶
液を窒素気流下攪拌しながら温度60℃に加温した。重
合開始剤として2, 2′−アゾビス(イソバレロニトリ
ル)(略称A.I.V.N.)を0.8g加え、3時間
反応した。開始剤を添加して20分後に白濁を生じ、反
応温度は88℃まで上昇した。更に開始剤を0.5g加
え2時間反応した後、温度を100℃に上げ減圧度20
mmHg下で2時間攪拌し未反応のモノマーを留去した。
冷却後200メッシュのナイロン布を通し、得られた白
色分散物は重合率98%で平均粒径0.24μmのラテ
ックスであった。粒径はCAPA−500(堀場製作所
(株)製)で測定した。
【0193】ラテックス粒子の製造例2〜21:ラテッ
クス粒子D−2〜D−21 ラテックス粒子の製造例1において、分散安定用樹脂P
−1、一官能性マクロモノマーMA −21、及びエチレ
ングリコールジメタクリレートの代わりに下記表Kに記
載の分散安定用樹脂、一官能性マクロモノマー(MA)及
び単量体(D)を用いた他は、上記製造例1と全く同様
に操作して本発明のラテックス粒子D−2〜D−21を
製造した。得られた各ラテックス粒子の重合率は95〜
98%で、平均粒径は0.15〜0.25μmの範囲内
で且つ単分散性が良好であった。
【0194】
【表21】
【0195】
【表22】
【0196】ラテックス粒子の製造例22:ラテックス
粒子D−22 分散安定用樹脂PB −9を8g、酢酸ビニル100g、
一官能性マクロモノマーMA −30を1g、アジピン酸
ジビニル5gおよびアイソパーHを375gの混合溶液
を、窒素気流下攪拌しながら温度40℃に加温した。
A.I.V.N.を0.7g加え、3時間反応し、更に
A.I.V.N.を0.5g加えて3時間反応した。更
に、温度100℃で2時間攪拌し、未反応の酢酸ビニル
を留去した。冷却後200メッシュのナイロン布を通
し、得られた白色分散物は重合率93%で平均粒径0.
18μmのラテックスであった。
【0197】ラテックス粒子の製造例23〜30:ラテ
ックス粒子D−23〜D−30 ラテックス粒子の製造例22において用いた、単量体
(A)(即ち、酢酸ビニル)、一官能性マクロモノマー
MA −30、分散安定用樹脂PB −9および単量体
(D)(即ち、アジピン酸ジビニル)の代わりに、下記
表−Lに記載の化合物をそれぞれ用いた他は、上記製造
例22と同様にしてラテックス粒子を製造した。得られ
た各ラテックス粒子の重合率は90〜98%で、平均粒
径は0.15〜0.30μmの範囲内で且つ単分散性も
良好であった。
【0198】
【表23】
【0199】ラテックス粒子の製造例31:(比較例
A) 特開平3−12666号に開示された方法により合成さ
れた下記構造の比較用分散安定用樹脂(1)を25g、
メチルメタクリレート50g、メチルアクリレート50
g、及びアイソパーHを380gの混合溶液を用いる以
外はラテックス粒子の製造例1と同様に処理して、重合
率98%で平均粒径0.30μmのラテックス粒子であ
る白色分散物を得た。
【0200】
【化49】
【0201】ラテックス粒子の製造例32:(比較例
B) 特開平3−15862号に開示された方法により合成さ
れた下記構造の比較用分散安定用樹脂(2)を15gを
用いる以外は、上記ラテックス粒子の製造例31(比較
例A)と同様に処理して重合率99%で平均粒径0.2
5μmのラテックス粒子である白色分散物を得た。
【0202】
【化50】
【0203】ラテックス粒子の製造例33:(比較例
C) ラテックス粒子の製造例31(比較例A)において、マ
クロモノマーMA −21を1.2g更に加えた他は、製
造例31と同様に処理して、重合率98%で平均粒径
0.28μmのラテックス粒子である白色分散物を得
た。(特開平3−71152号)
【0204】ラテックス粒子の製造例34:(比較例
D) ラテックス粒子の製造例32(比較例B)において、マ
クロモノマーMA −21を1.2g更に加えた他は、製
造例32と同様に処理して、重合率99%で平均粒径
0.23μmのラテックス粒子である白色分散物を得
た。(特開平3−95565号)
【0205】実施例1 ドデシルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合
比;95/5重量比)を10g、ニグロシン10g及び
アイソパーGの30gをガラスビーズと共にペイントシ
ェーカー(東京精機(株)製)に入れ、4時間分散し、
ニグロシンの微小な分散物を得た。ラテックス粒子の製
造例1(ラテックス粒子D−1)の樹脂分散物を30
g、上記ニグロシン分散物を2.5g、分枝オクタデシ
ルアルコールFOC−1800(日産化学(株)製)1
5g、及びオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルア
ミド共重合体0.07gをアイソパーGの1リットルに
希釈することにより静電写真用液体現像剤を作製した。
【0206】(比較用現像剤A〜Dの作製)上記液体現
像剤の製造において樹脂分散物を以下の樹脂分散物に代
えて比較用の液体現像剤A、B、C及びDの4種を作製
した。 比較用液体現像剤A:ラテックス粒子の製造例31の樹
脂分散物。 比較用液体現像剤B:ラテックス粒子の製造例32の樹
脂分散物。 比較用液体現像剤C:ラテックス粒子の製造例33の樹
脂分散物。 比較用液体現像剤D:ラテックス粒子の製造例34の樹
脂分散物。
【0207】これらの液体現像剤を電子写真式製版シス
テム用として用いて、種々の特性を評価し、その結果を
表Mに示した。
【0208】
【表24】
【0209】表Mにおける各評価項目の測定は以下の様
にして行った。 (注1)現像装置の汚れ及び2000枚目のプレート画
像:液体現像剤を全自動製版機ELP404V(富士写
真フイルム(株)製)の現像剤として用い、電子写真感
光材料であるELPマスターIIタイプ(富士写真フイル
ム(株)製)を露光、現像処理した。製版スピードは7
版/分で行なった。さらに、ELPマスターIIタイプを
2000枚処理した後の現像装置へのトナー付着汚れの
有無を観察した。複写画像の黒化率(画像面積)は30
%の原稿を用いて行なった。
【0210】(注2)画像の定着性:液体現像剤をEL
P404Vの現像剤として用い、下記の様にして作製し
た電子写真感光材料P−1を用いて製版し、画像部の強
度を摩擦試験機を用いて目視評価した。評価の基準とな
る液体現像剤として、実用上定着性が充分である液体現
像剤ELP−T(富士写真フイルム(株)製)を用い
た。 〈電子写真感光材料P−1の作製〉下記構造の結着樹脂
B−1を34g、下記構造の結着樹脂B−2を6g、光
導電性酸化亜鉛200g、ウラニン0.03g、ローズ
ベンガル0.06g、テトラブロムフェノールブルー
0.02g、無水フタル酸0.30g、o−クロロフェ
ノール0.01g及びトルエン300gの混合物を、ホ
モジナイザー(日本精機(株)製)を用い1×104
pmの回転数で10分間分散した。この感光層形成用分
散物を導電処理した紙に乾燥付着量が26g/m2 とな
るようにワイヤーバーで塗布し、100℃で30秒間乾
燥し、次に120℃で1時間加熱した。次いで暗所で2
0℃、65%RHの条件下で24時間放置することによ
り、電子写真感光材料P−1を作製した。
【0211】
【化51】
【0212】(注3)トナー画像のレジスト性:上記
(注2)の条件と同様にして、製版した原版を不感脂化
液ELP−EX(富士写真フイルム(株)製)を用いて
エッチングマシーンを1回通した後、下記処方の光導電
層結着樹脂の親水化処理液E−1中に5分間浸せきした
後、水洗・乾燥した。得られた印刷用原版の画像部を光
学顕微鏡で観察し、画像部の破損の有無を目視評価し
た。 〈親水化処理液E−1の作製〉モノエタノールアミン8
0g、ニューコールB4SN(日本乳化剤(株)製)8
g及びベンジルアルコール100gを蒸留水に溶解し1
リットルとした後、水酸化カリウムでpH13.0に調
整して、処理液E−1を作製した。
【0213】(注4)耐刷性:上記(注3)の条件に従
って製版及び親水化処理した印刷用原版を、湿し水とし
て親水化処理液E−1を蒸留水で20倍に希釈した溶液
を用い、印刷用原紙として中性紙を用いる条件で、印刷
機ハマダスター800SX型(ハマダスター(株)製)
を用いて印刷し、印刷物の画像部の欠落の生じない印刷
枚数を調べた。
【0214】表Mの結果より、本発明、比較例C及び比
較例Dの現像剤は、現像装置に汚れを生じず、しかも2
000枚目のプレートの画像が鮮明であり、良好な結果
を示した。これは、分散性及び再分散性が良好なことを
示している。一方、比較例A及び比較例Bの現像剤は、
再分散性が劣化し、実際の複写画像の再現性にも悪影響
を生じてしまった。
【0215】また、トナー画像部の機械的強度を強制的
に摩擦することで評価したところ、各トナー粒子とも良
好であった。即ち、本発明の粒子は定着性が実用上充分
であることが認められた。
【0216】更に、製版後の版面非画像部の酸化亜鉛及
び結着樹脂B−1を各々化学処理して親水性に変換する
際に、画像部がトナー層で充分にレジストされ、画像部
欠損が生じていないかどうかを強制条件で調べたとこ
ろ、本発明のトナー粒子以外は、細線・細文字等のトナ
ー画像部の細密な領域で欠損が生じてしまった。又、通
常の不感脂化処理条件で処理してオフセットマスター用
原版として印刷したところ、本発明のもののみが5千枚
印刷後でも鮮明な印刷物が得られた。比較例A及びB
は、製版時の複写画像再現性の低下がそのまま印刷物に
現れ、刷り出しから、細線・細文字等の欠落が見られ
た。又、比較例C及びDは、印刷時、刷り出しから2千
枚程で細線・細文字等の欠落が発生した。
【0217】以上の様に、本発明の液体現像剤のみが、
印刷特性を改良した電子写真感光体を利用した電子写真
式製版システムにおいて、優れた分散性・再分散性及び
耐刷性を満足するものであった。
【0218】実施例2 ラテックス粒子の製造例28(ラテックス粒子D−2
8)の樹脂分散物を30g、分枝ヘキサデシルアルコー
ルFOC−1600(日産化学(株)製)10g、及び
オクタデシルビニルエーテル/半マレイン酸ドデシルア
ミド共重合体0.08gをアイソパーGの1リットルに
希釈することにより静電写真用液体現像剤を作製した。
【0219】(比較用現像剤C′及びD′の作製)上記
液体現像剤の製造において樹脂分散物を以下の樹脂分散
物に代えて比較用の液体現像剤C′及びD′の2種を作
製した。 比較用液体現像剤C′:ラテックス粒子の製造例33の
樹脂分散物。 比較用液体現像剤D′:ラテックス粒子の製造例34の
樹脂分散物。
【0220】これらの液体現像剤を電子写真式製版シス
テム用として用いて、種々の特性を評価し、その結果を
表Nに示した。
【0221】
【表25】
【0222】表Nにおいて、現像装置の汚れ及び200
0枚目のプレート画像の評価項目の測定は、実施例1と
同様にして行った。また、その他の評価項目の測定は各
々以下の様にして行った。 (注5)トナー画像のレジスト性:下記処方で作製した
電子写真感光材料P−2を、暗所で表面電位+450V
に帯電させた後、光源として2.8mW出力のガリウム
−アルミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振波長780
nm)を用いて、感光材料表面上で、60erg/cm
2 の照射量下、ピッチ25μm及びスキャニング速度3
00m/secのスピードで露光後、上記の各液体現像
剤を用い、30Vのバイアス電圧を対抗電極に印加して
現像することによりトナー画像を得た。更に100℃で
1分間加熱してトナー画像を定着した。
【0223】〈電子写真感光材料P−2の作製〉有機光
導電性化合物としてX型無金属フタロシアニン(大日本
インキ(株)製)を1.9重量部、添加剤として下記構
造のチオバルビツール酸化合物を0.15重量部、下記
構造の結着樹脂B−3を17重量部、およびテトラヒド
ロフラン/シクロヘキサンの8/2重量比混合溶液を1
00重量部を、500ミリリットルのガラス製容器にガ
ラスビーズと共に入れ、ペイントシェーカーで60分間
分散した後、ガラスビーズを濾別して、光導電層用分散
液とした。次に、この光導電層用分散液を、砂目立てし
た厚さ0.25mmのアルミニウム板上に塗布、乾燥
し、乾燥膜厚6.0μmの光導電層を有する電子写真式
製版用印刷原版を調整した。
【0224】
【化52】
【0225】この様にして得られた各原版を、下記処方
の処理液E−2中に30秒間浸漬することによって非画
像部の光導電層を除去し、30秒間水洗した後、ドライ
ヤーにて風乾した。 〈処理液E−2の処方〉 ケイ酸カリウム 40 g 水酸化カリウム 10 g エタノール 100 g 水 800 g この印刷用原版の画像部分の細線・細文字の欠損の有無
を、60倍のルーペ(PEAK(株)製)にて目視評価
した。
【0226】(注6)耐刷性:各感光材料を上記(注
5)と同条件で操作して作製したオフセット印刷用原版
を、各々ガム引き処理した後、オフセット印刷機(桜井
製作所(株)製オリバー52型)にかけ、印刷物の非画
像部の地汚れ及び画像部の画質に問題が生じないで印刷
できる枚数を示す(印刷枚数が多い程、耐刷性が良好な
ことを表す)。
【0227】表Nの結果より、本発明及び比較例D′の
液体現像剤は、良好な再分散性を示し、2000枚後の
プレートの画像も良好であった。しかし、比較例C′
は、トナーかすが発生して、現像部の汚れが生じ、又、
プレートの画像も2000枚後で細線・細文字等の欠落
を生じた。
【0228】次に、製版後の版をアルカリ性処理液を用
いて、非画像部を溶出させ、オフセットマスター用原版
とした。この時、比較例D′は、細線・細文字等のトナ
ー画像部の小面積部分の欠落を生じた。これは、トナー
層の処理液に対するレジスト性が充分でなく、処理中に
溶解・溶出してしまったことを示す。他方、本発明及び
比較例C′には、これらの現象は見られず充分なレジス
ト性を示した。
【0229】更に、オフセットマスター用原版として、
実際に印刷したところ、本発明のものは、10万枚以上
印刷しても、印刷物の画質は鮮明であった。しかし、比
較例C′は製版時の複写画像再現性が悪いこと、又、比
較例D′は非画像部の溶解除去の処理液へのレジスト性
が充分でないことから、いずれもオフセットマスター用
原版として充分な画像再現性が得られないため、刷り出
しから印刷物の画質が劣化し、充分な画質の印刷物が得
られなかった。
【0230】以上の様に、本発明の液体現像剤のみが、
非画像部を溶出して印刷原版とする電子写真式製版シス
テムにおいて、優れた分散性・再分散性及び耐刷性を満
足するものであった。
【0231】実施例3 テトラデシルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(共重合比;95/5重量比)を10g、ニグロシン1
0g及びアイソパーGの30gをガラスビーズと共にペ
イントシェーカー(東京精機(株)製)に入れ、4時間
分散し、ニグロシンの微小な分散物を得た。ラテックス
粒子の製造例24(ラテックス粒子D−24)の樹脂分
散物を30g、上記ニグロシン分散物を2.5g、ヘキ
サデセン/半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体を
0.06g及びFOC−1800の20gをアイソパー
Gの1リットルに希釈することにより静電写真用液体現
像剤を作製した。
【0232】得られた本発明の液体現像剤を、実施例1
の評価項目の(注1)と同じ条件で、現像装置の汚れ及
び2000枚目のプレート画像を評価したところ、いず
れも、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0233】次に、下記の処方で作製した電子写真感光
材料P−3を、暗所で−6kVに帯電後、光源として
2.0mW出力のガリウム−アルミニウム−ヒ素半導体
レーザー(発振波長780nm)を用いて、感光材料表
面上で、45erg/cm2 の照射量下、ピッチ25μ
m及びスキャニング速度330m/secのスピードで
露光後、上記本発明の液体現像剤を用いて現像し、更に
60℃で30秒間加熱してトナー画像を得た。
【0234】〈電子写真感光材料P−3の作製〉下記構
造の結着樹脂B−4を25g、下記構造の結着樹脂B−
5を9g、下記構造の結着樹脂B−6を6g、光導電性
酸化亜鉛を200g、無水フタル酸0.3g、フェノー
ル0.01g、下記構造のシアニン色素Aを0.018
g及びトルエン300gの混合物を、ホモジナイザーを
用い1×104 rpmの回転数で10分間分散して、感
光層形成用分散物を調製した。これを導電処理した紙に
乾燥付着量が25g/m2 となるようにワイヤーバーで
塗布し、100℃で20秒間乾燥し、更に120℃で1
時間加熱した。次いで暗所で20℃、65%RHの条件
下で24時間放置することにより、電子写真感光材料P
−3を作製した。
【0235】
【化53】
【0236】
【化54】
【0237】この様にして得た原版を、ELP−EXを
用いてエッチングマシーンを1回通した後、下記処方の
光導電層結着樹脂の親水化処理液E−3中に3分間浸漬
した後、水洗・乾燥した。 〈処理液E−3の作製〉ジエタノールアミン80g、ネ
オソープ(松本油脂(株)製)5g及びメチルエチルケ
トン80gを、蒸留水に溶解し1リットルとした後、水
酸化カリウムでpH13.5に調整して、処理液E−3
を作製した。
【0238】得られた印刷用原版の画像部を光学顕微鏡
で観察したところ、トナー画像部の細線・細文字等の欠
損は認められず、本発明のトナー粒子のレジスト性は良
好であった。次に、上記原版をオフセットマスター用原
版として用い、又、湿し水として上記処理液E−3を蒸
留水で10倍に希釈した溶液を用いた他は、実施例1と
同様にして耐刷性を評価したところ、良好な印刷画質の
印刷物が3千枚得られた。
【0239】実施例4〜15 実施例1において、本発明の液体現像剤のラテックス粒
子D−1の代わりに、下記表Oに記載のラテックス粒子
を各々用いた他は、実施例1と同様に操作して、各液体
現像剤を作製した。
【0240】
【表26】
【0241】得られた各液体現像剤を、実施例1と同様
にして電子写真式製版システムに用いて、その性能を調
べた。各液体現像剤とも実施例1と同様な性能を示し、
再分散性、定着性、レジスト性、耐刷性ともに良好であ
った。
【0242】実施例16〜25 実施例2において、本発明の液体現像剤のラテックス粒
子D−28の代わりに、下記表Pに記載のラテックス粒
子を各々用いた他は、実施例2と同様に操作して、各液
体現像剤を作製した。
【0243】
【表27】
【0244】得られた各液体現像剤を、実施例2と同様
にして電子写真式製版システムに用いて、その性能を調
べた。各液体現像剤とも実施例2と同様な性能を示し、
再分散性、レジスト性、耐刷性ともに良好であった。
【0245】実施例26 ラテックス粒子の製造例25で得られた白色樹脂分散物
100g及びスミカロンブラック1.5gの混合物を温
度100℃に加温し、4時間加熱攪拌した。室温に冷却
後、200メッシュのナイロン布を通し、残存した染料
を除去することで、平均粒径0.21μmの黒色の樹脂
分散物を得た。上記黒色樹脂分散物30g及びナフテン
酸ジルコニウム0.05gをシェルゾール71の1リッ
トルに希釈することにより液体現像剤を作製した。これ
を実施例1と同様の装置により現像した所、2000枚
現像後でも装置に対するトナー付着汚れは全く発生しな
かった。又、実施例1と同様に、製版及びエッチング処
理してオフセットマスター用原版とし印刷したところ、
3千枚後の印刷物は鮮明な画質の印刷物であった。
【0246】実施例27 ラテックス粒子の製造例26で得られた白色樹脂分散物
100g及びビクトリアブルーBを3gの混合物を温度
70℃〜80℃に加温し、6時間攪拌した。室温に冷却
後、200メッシュのナイロン布を通し、残存した染料
を除去して平均粒径0.25μmの青色の樹脂分散物を
得た。上記青色樹脂分散物32g及びナフテン酸ジルコ
ニウム0.05をアイソパーHの1リットルに希釈する
ことにより液体現像剤を作製した。これを実施例3と同
様の装置により現像した所、2000枚現像後でも装置
に対するトナー付着汚れは全く見られなかった。又、得
られたオフセット印刷用マスタープレートの画質は鮮明
であり、3千枚印刷後の印刷物の画質も非常に鮮明であ
った。
【0247】
【発明の効果】本発明により、分散安定性、再分散性及
び定着性の優れた液体現像剤が得られた。特に、電子写
真式製版システム用の現像剤として、トナー画像部のレ
ジスト性に優れ、よって、得られたオフセットマスター
用原版の耐刷性を著しく改良するものであった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気抵抗109 Ωcm以上、且つ誘電率
    3.5以下の非水溶媒中に、少なくとも樹脂粒子を分散
    して成る静電写真用液体現像剤において、該分散樹脂粒
    子が、 該非水溶媒には可溶であるが重合することによって
    不溶化する一官能性単量体(A)の少なくとも1種、 下記一般式(I)で示される繰返し単位から成る重
    合体の主鎖の一方の末端にのみ下記一般式(II)で示さ
    れる重合性二重結合基を結合して成る数平均分子量が1
    ×104 以下である一官能性マクロモノマー(MA)の少
    なくとも1種、 該単量体(A)と共重合可能な重合性官能基を2個
    以上有する多官能性単量体(D)の少なくとも1種、及
    び 重合体主鎖の一方の末端にのみ下記一般式(III)で
    示される重合性二重結合基を結合して成る重量平均分子
    量1×103 〜2×104 のマクロモノマー(MB)を共
    重合成分として少なくとも1種含有するクシ型共重合体
    で、且つ該共重合体の主鎖部及び/又はクシ部の繰り返
    し単位として下記一般式(IV)で示される成分を少なく
    とも含有する、該非水溶媒に可溶性の分散安定用樹脂
    〔P〕、を含有する溶液を重合反応させることにより得
    られる共重合体樹脂粒子であることを特徴とする静電写
    真用液体現像剤。 【化1】 式(I)中、V0 は−COO−、−OCO−、−(CH
    2 r COO−、−(CH2 r OCO−、−O−、−
    SO2 −、−CONHCOO−、−CONHCONH
    −、−COND11−、−SO2 ND11−、又はフェニレ
    ン基を表わす(ここでD11は水素原子又は炭素数1〜2
    2の炭化水素基を示し、rは1〜4の整数を示す)。a
    1 及びa2 は、互いに同じでも異なってもよく、各々水
    素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭化水素基、−CO
    O−D12、又は炭化水素基を介した−COO−D12を表
    わす(ここでD12は水素原子又は置換されてもよい炭化
    水素基を示す)。D0 は、炭素数1〜22の炭化水素
    基、又は下記一般式(V)で示される置換基から選ばれ
    る置換基を表わす。 【化2】 式(V)中、D21は水素原子または炭素数1〜22の炭
    化水素基を表わす。B1 及びB2 は、互いに同じでも異
    なってもよく、各々−O−、−CO−、−CO2 −、−
    OCO−、−SO2 −、−N(D22)−、−CON(D
    22)−または−N(D22)CO−を表す(ここでD22
    上記D21と同一の内容を示す)。A1 及びA2 は、互い
    に同じでも異なってもよく、各々置換されてもよい、又
    は下記化3を主鎖の結合に介在させてもよい、炭素数1
    〜18の炭化水素基を表す。 【化3】 化3中、B3 及びB4 は、互いに同じでも異なってもよ
    く、上記B1 、B2 と同一の内容を示し、A4 は置換さ
    れてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を示し、D23
    上記D21と同一の内容を示す。m、n及びpは、互いに
    同じでも異なってもよく、各々0〜4の整数を表す。但
    し、m、n及びpが同時に0となることはない。 【化4】 式(II)中、V1 は式(I)中のV0 と同一の内容を表
    わす。b1 及びb2 は、互いに同じでも異なってもよ
    く、式(I)中のa1 、a2 と同一の内容を表わす。 【化5】 式(III)中、X0 は−COO−、−OCO−、−CH2
    OCO−、−CH2 COO−、−O−、−SO2 −、−
    CO−、−CONR11−、−SO2 NR11−、又はフェ
    ニレン基を表わす(ここでR11は水素原子又は炭化水素
    基を示す)。d1 及びd2 は、互いに同じでも異なって
    もよく、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭化
    水素基、−COO−Z1 、又は炭化水素基を介した−C
    OO−Z1 を表わす(ここでZ1 は水素原子又は炭化水
    素基を示す)。 【化6】 式(IV)中、X1 は式(III)中のX0 と同一の内容を表
    わす。Q1 は炭素数6〜32の脂肪族基を表わす。e1
    及びe2 は、互いに同じでも異なってもよく、式(III)
    中のd1 、d2 と同一の内容を表わす。
  2. 【請求項2】 該分散安定用樹脂〔P〕が、その重合体
    主鎖の片末端に、−PO3 2 、−SO3 H、−COO
    H、−P(=O)(OH)R1 〔ここでR1は炭化水素
    基又は−OR2 (R2 は炭化水素基を表わす)を表わ
    す〕、−OH、ホルミル基、−CONR3 4 、−SO
    2 NR3 4 〔ここでR3 及びR4 は、各々独立に、水
    素原子又は炭化水素基を表わす〕、環状酸無水物含有
    基、及びアミノ基から選ばれる少なくとも1つの極性基
    を含有することを特徴とする請求項1記載の静電写真用
    液体現像剤。
  3. 【請求項3】 該分散安定用樹脂〔P〕が、その重合体
    主鎖の片末端に、該単量体(A)と共重合しうる重合性
    官能基を含有することを特徴とする請求項1記載の静電
    写真用液体現像剤。
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