JP2916239B2 - 極細白色系導電性複合繊維 - Google Patents

極細白色系導電性複合繊維

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JP2916239B2 JP2277972A JP27797290A JP2916239B2 JP 2916239 B2 JP2916239 B2 JP 2916239B2 JP 2277972 A JP2277972 A JP 2277972A JP 27797290 A JP27797290 A JP 27797290A JP 2916239 B2 JP2916239 B2 JP 2916239B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、除電性能に優れた導電性複合繊維、とりわ
け繊維物性、実着用耐久性に優れた、除電性能を有する
白色系あるいは無色(これらを含めて本発明では白色系
と称す)の極細導電性複合繊維に関するものである。
(従来技術) 従来から除電性能の優れた繊維としての導電繊維につ
いて種々の提案がなされている。例えば導電性を有さな
い繊維の表面に金属メッキして導電性を付与したもの
や、導電性カーボンブラツクを樹脂中に分散させたあ
と、これを樹脂表面にコートすることによつて導電性被
覆層を形成したもの等がある。しかし、これらは製造工
程が複雑化して技術的に困難な方法によつて得られるも
のであつたり、導電性繊維を実用に供するための準備段
階例えば製織編のための精錬工程での薬品処理や実際の
使用における摩耗や繰返洗濯といつた外的な作用によつ
て導電性が容易に低下してしまうという問題点があつ
た。他の導電繊維としてスチール繊維のような金属繊維
が除電性能の優れたものとして知られているが、金属繊
維は一般の有機素材とはなじみにくく紡績性不良となつ
たり、製織・染め上げ工程でのトラブルの原因となつた
り、着用時の洗濯による断線・脱落が生じやすく、さら
には通電性に基づく感電・スパークの問題あるいは布地
の溶融トラブル等の原因となつていた。これらの問題を
少しでも解消しようという目的で、導電性カーボンブラ
ツクを混合したポリマーからなる導電層成分と繊維形成
性ポリマーからなる保護成分とが接合された導電性複合
繊維が提案されている。
しかしながら、カーボンブラツクを用いた導電性複合
繊維の大きな欠点は、繊維が黒色に着色しているという
ことであり、そのために用途が限定されているのが実情
である。
この問題を解決する方法として、近年白色または無色
の導電性金属酸化物粒子を用いた導電性複合繊維が提案
されている。
(解決すべき課題) 例えば特公昭58−39175号公報にある如く、合成重合
体中に酸化第二スズの皮膜を有する酸化チタン粒子を3w
t%〜20wt%分散させた制電性合成組成物が提案されて
いる。しかしこの場合下記の2点により我々が目的とす
る除電性能を有する導電性複合繊維を得ることは困難で
ある。
a. 金属酸化物の多くのものは絶縁体に近い半導体であ
つて、除電性能を有する導電性金属酸化物を得るために
は金属酸化物に適当なドーピング剤を添加することを必
要とする。
b. 上記公報記載の低い粒子混合率では目的の導電性複
合繊維は得られにくい。
上記の2点の問題点により、この発明において実用上
有用な導電性複合繊維を得ることはできない。本発明者
等の検討結果では、導電性金属酸化物の混合量は少なく
とも55wt%以上を必要とし、好ましくは60wt%以上であ
る。
特開昭57−6762号公報、特公昭62−29526号公報で
は、導電性金属酸化物と熱可塑樹脂との混合物(導電
層)と繊維形成性熱可塑性重合体との導電性複合繊維を
作製する場合において、複合原糸を作製し延伸を行なつ
た後にさらにその繊維を熱処理することにより延伸時破
断された導電層を修復する方法が提案されている。導電
性金属酸化物のバインダーとして熱可塑性樹脂を使用し
た場合においては延伸工程によつて導電層の切断が発生
する。このままの状態では導電性が失われてしまうため
に制電繊維としての役割を果たすことはできない。導電
性金属酸化物のバインダーとして熱可塑性樹脂、特に結
晶性の高い熱可塑性樹脂を使用した場合にはこうした熱
処理は必要なものであつた。
この場合に使用される熱可塑性樹脂の結晶化度として
は40%以上のものが好ましく、具体的にはポリエチレ
ン、ポリエチレンオキシド、ナイロン6が使用されてい
る。導電性金属酸化物のバインダーとして結晶性の高い
熱可塑性樹脂を使用し、複合繊維を延伸後熱処理を行な
うという方法では導電性複合繊維を得るための一つの方
法ではあるが、このようにして得られた導電性複合繊維
には付着用耐久性が不足しているという大きな問題点が
あつた。
制電繊維の耐久性とは例えば制電衣料においては制電
繊維を織り込んだ(0.1wt%〜10wt%)織物を1年間程
度実着用し、その時に織物の制電性能が存在するかどう
かということを判定する、労働省作業安全研究所発行の
静電気安全指針の帯電電荷量の基準値は7μクーロン/m
2であり、この値以下であることが必要である。従来の
白色あるいは無色の導電性複合繊維は上記の耐久性を満
足することができなかつた。例えば熱可塑性重合体がポ
リエチレンの場合、実着用耐久性は不十分であるという
ことが本発明者らの検討結果で判明した。熱可塑性重合
体として結晶性の熱可塑性樹脂を使用した場合において
は、導電性複合繊維の作製直後のフイラメントの抵抗は
9×1010Ω/cm・f以下の値にすることができ、織物の
制電性能も帯電基準値を満足することができるが、耐久
性が悪いために実着用に伴い織物の制電性能が低下す
る。
周知の如く、制電性能とは帯電した物体の電荷を非接
触により除電することをいい、本発明者らが鋭意検討し
た結果、従来の導電性複合繊維においては(例えば導電
性金属酸化物粒子のバインダーとして結晶性の熱可塑性
樹脂を使用した場合)、フイラメントの抵抗(以下芯抵
抗とも言う)が1×1011Ω/cm・f以下の場合、コロナ
放電により除電されるが、芯抵抗が1×1011Ω/cm・f
以上の場合にはコロナ放電による除電は起こらず有効な
制電性を示さない。このような実情から制電繊維(除電
性能を有する繊維)とはフイラメントの抵抗がその繊維
の使用条件に依存せず、常に9×1010Ω/cm・f以下の
ものでなければならない。
白色あるいは無色の導電性複合繊維における問題点の
一つは繊維が太いということである。衣料に用いる繊維
は一般的に1〜3デニール程度の太さのものであるが白
色の導電性複合繊維は10デニール以上の太さを有する。
この太さの違いのために白色の導電性複合繊維は衣料の
繊維の中においてその存在が目視で確認できるという問
題点があつた。また太い導電性繊維が原因で布帛化した
際に硬い風合のものとなる欠点もあつた。さらに導電性
繊維を短繊維として用いる場合、単繊維デニールが太す
ぎると他の繊維と混綿した場合にカード工程性が極端に
悪くなるという問題点があつた。したがつて、白色導電
性複合繊維は除電性能を消失しない範囲において、でき
るだけ細いことが好ましい。好ましくは5デニール以
下、さらに好ましくは4デニール以下である。
導電性複合繊維は制電性能を付与するために繊維の導
電性能が高いことを基本にしている。細い導電性複合繊
維を作製するためには紡糸速度を4000m/min以上のいわ
ゆる高速紡糸を行なうかあるいは1000m/min程度の紡糸
速度で紡糸した原糸を3〜4倍程度に熱延伸するという
方法を用いる。この場合に問題となるのは導電層の破断
である。導電層は導電性金属酸化物の混合量が50〜80wt
%(バインダーとして高分子材料が50〜20wt%)である
ために繊維の鞘成分を形成する高分子材料と比較し溶融
粘度が格段に高く、さらに固形化した状態における強度
と伸度が格段に低い。このために導電性複合繊維を細く
しようとする場合には導電層は容易に破断し導電性が消
失する。破断した導電層は導電性複合繊維を熱処理する
ことにより修復することができるが、導電性複合繊維が
細い場合にはこの熱処理によつても導電性複合繊維の導
電性は上げにくい。このために細物の導電性複合繊維に
おいて、除電性能を有する導電性複合繊維を作ることは
困難であつた。
従来の白色制電繊維の最大の問題点として実着用耐久
性が悪いという問題点があつたが、この点に関しても細
物の導電性複合繊維は性能上の問題点を有していた。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは除電性能と実着用耐久性を有する極細導
電性複合繊維について詳細な検討を行なつた。とりわけ
導電構造、繊維構造、除電性能、実着用耐久性について
鋭意検討を行なつた結果、優れた除電性能を有する極細
白色系導電性複合繊維を見出し、本発明に到達したもの
である。
本発明は、繊維形成性熱可塑性重合体を非導電層成分
(A)、導電性金属酸化物粒子と熱可塑性樹脂との混合
物を導電層成分(B)とする導電性複合繊維において、
該導電性成分に使用する熱可塑性樹脂が熱可塑性エラス
トマーであり、導電性複合繊維が5デニール以下、特に
4デニール以下のものであることを特長とする極細白色
系導電性複合繊維である。
白色あるいは無色の極細導電性複合繊維を作製する場
合の最も重要な課題は、複合繊維を細くすることによつ
て付随的に発生する導電層の切断の問題をどのようにし
て回避するかということである。さらに極細白色系導電
性複合繊維が得られた後の問題としては実着用耐久性を
どのようにして付与するかという問題がある。
極細白色系導電性複合繊維は延伸あるいは高速紡糸に
よつて作製される。この工程において導電層の切断が発
生する場合が多い。バインダーとして結晶性の熱可塑性
樹脂を使用し、繊維を延伸後熱処理を加えるという方法
は延伸工程によつて切断した導電層を再接着するための
有用な方法であるが、このような手法により得られた導
電性複合繊維は実着用耐久性が不足していた。耐久性が
不足している原因は、バインダーとして熱可塑性樹脂、
特に結晶性の熱可塑性樹脂を使用した場合には熱処理に
より、破断した導電層を修復することはできるが導電層
そのものが本質的に脆いために実着用における繰り返し
の伸縮において導電層が再び破断するために耐久性を発
揮することができないからである。
本発明者らは鋭意検討の結果、導電性金属酸化物粒子
と熱可塑性エラストマーとの混合物を導電層とする導電
性複合繊維は高い除電性能と高い実着用耐久性を有する
ことを見出した。さらに導電性金属酸化物粒子と熱可塑
性エラストマーとの混合物を用いた白色系導電性複合繊
維は延伸あるいは高速紡糸により太さが5デニール以
下、特に4デニール以下の導電性複合繊維が容易に得ら
れることを見出した。しかも本発明において得られる導
電性複合繊維は繊維を延伸後熱処理を行なうという工程
が必要なく、工程を簡略化できるという面からも有用で
ある。
本発明において用いられる熱可塑性エラストマーと
は、常温ではゴム弾性体であるが高温(融点以上の温度
域)では可塑化された成型可能な高分子材料である。一
般に熱可塑性エラストマーとは以下の2つのものに分類
される。
1. 分子回転の容易な無手形分子連鎖(ソフトセグメン
トと称する)と結晶性あるいは分子間の凝集性の高い樹
脂分子連鎖(ハードセグメントと称する)から構成され
るもの。ソフトセグメントの部分はハードセグメントに
より構成される。
2. 基本骨格はソフトセグメントにより拘束されるがイ
オン架橋(熱により解離するが低温では再結合するも
の)による拘束を有するもの。このような構造に熱可塑
性エラストマーとしてはカルボキシレートポリマー、第
3アミンペンダントNBR等が挙げられる。
本発明において使用される熱可塑性エラストマーとし
ては上記の熱可塑性エラストマーのいずれのものも使用
することができる。本発明において使用される熱可塑性
エラストマーとしてはゴム弾性を有するものであつて、
引つ張り破断伸度(JIS K−6301)が100%以上、好まし
くは200%以上のものを使用するのが良い。
本発明において使用される熱可塑性エラストマーとし
ては、SBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチ
レンブロック共重合体)およびその水素添加物、SIS
(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロツ
ク共重合体)およびその水素添加物、SI(ポリスチレン
−ポリイソプレンブロツク共重合体)およびその水素添
加物などで代表されるスチレン系重合体と共役ジエン系
重合体からなるブロツク共重合体あるいはスチレン系重
合体と共役ジエン系重合体の水素添加物からなるブロツ
ク共重合体が好適なエラストマーとして挙げられ、とり
わけスチレン系重合体と共役ジエン系重合体の水素添加
物からなるブロツク共重合体が除電性能およびその耐久
性の点で特に優れている。これらブロツク共重合体にお
いて、特にスチレン系重合体の割合が10〜50重量%であ
るものが好ましく、10重量%未満では紡糸性や耐熱性が
劣り、50重量%以上になると伸縮性、耐久性あるいは導
電性が低下する。なお水素添加は共役ジエン系重合体の
二重結合の全てが水素添加されている必要はなく、共役
ジエン系重合体の二重結合の過半が水素添加されている
程度でもよい。
これ以外に本発明に使用できる熱可塑性エラストマー
としては、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリ
エステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑
性エラストマー、スルホン化エチレンプロピレンゴム、
EPDM、第3アミンペンダントNBR等を挙げることができ
る。
本発明において使用される導電性金属酸化物粒子とし
ては例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化銀、酸化銅、酸化
カドミウム、酸化鉛等が挙げられる。金属酸化物の多く
のものは絶縁体に近い半導体である。しかし適当な第2
成分を添加することによつて導電性を向上させることが
できる。このような導電性の強化剤(いわゆるドーピン
グ剤と称する)としては異種金属の酸化物あるいは同種
・異種の金属が挙げられる。例えば酸化錫に対して酸化
アンチモンを添加する、酸化銅に対して銅を添加する、
酸化亜鉛に対して酸化アルミニウムを添加する、酸化錫
と酸化アンチモンに対して錫あるいはアンチモンを添加
する。ドーピング剤の添加量は導電性金属酸化物粒子の
電気伝導度と粒子の着色の度合いによつて決定される。
すなわち粒子の電気伝導度を向上させるためにドーピン
グ剤の添加量を増加させた場合には電気伝導度は上昇す
るけれども導電性金属酸化物粒子の着色の度合いが大き
くなる。
この問題を解決するために導電性金属酸化物粒子の白
色の状態を保持したままで電気伝導度を上げる方法が模
策され、その方法の一つとして白色の金属酸化物粒子の
表面を金属酸化物の導電性皮膜で覆うことが行なわれて
いる。すなわち酸化チタン粒子の表面が酸化亜鉛あるい
は酸化錫を主成分とし、ドーピング剤として酸化アンチ
モンを用いたものが各社より市販されている(例えば、
三菱金属W−1、チタン工業ECT−52等)。本発明にお
いてこれらを用いても良い。
粒子の着色を防止するためには金属酸化物粒子の粒径
を光の波長以下の大きさにすることも有用である。具体
的には粒径を0.1μm以下、好ましくは0.05μm以下に
することにより粒子に透明性を付与することができる。
本発明においてはこのような透明性の導電性金属酸化物
粒子を用いても良い。
本発明において導電性金属酸化物粒子と熱可塑性エラ
ストマーとの混合率は、導電性の混合物における導電性
金属酸化物粒子の割合が50wt%〜90wt%とするのが良
い。より好ましくは60wt%〜85wt%とするのが良く、特
に好ましくは70wt%〜80wt%とするのが良い。
従来、導電性金属酸化物粒子のバインダーとして提案
されて来た結晶性の熱可塑性樹脂の場合には導電性金属
酸化物粒子の混合量が70wt%を越える場合には導電性の
より一層の向上は認められず、導電性金属酸化物粒子の
導電層成分の流動性が著しく低下して紡糸性が極端に悪
化し、とりわけフイルター詰まり等パツク寿命が著しく
短くなり工程安定性が失われる。しかしバインダーとし
て熱可塑性エラストマーを使用した場合においてはこの
ような欠点を解決することができた。
本発明において熱可塑性エラストマーと導電性金属酸
化物粒子の混合物を作成する場合に、導電性金属酸化物
粒子の表面処理剤を添加しても良い。さらに流動性改善
剤、分散剤を混合しても良い。
本発明の極細導電性複合繊維の非導電層(A)を形成
する繊維形成性重合体としては溶融紡糸可能なあらゆる
高分子材料が使用される。例えば、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリア
ミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイ
ンなど各種のものが使用される。本発明において好まし
く使用される非導電層を形成する熱可塑性重合体として
はポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレ
フタレートを主成分とするポリエステル系のポリマーが
挙げられる。このポリマーを使用した場合には著しく加
工耐久性、実着用耐久性が向上する。
ポリエチレンテレフタレートを使用する場合におい
て、熱可塑性エラストマーに要求される耐熱性(耐熱分
解性)は300℃以上である。このような条件において好
適に使用される熱可塑性エラストマーとしては、SISの
水素添加物、SIの水素添加物、SBSの水素添加物、ポリ
エステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑
性エラストマーが挙げられる。
本発明の極細白色系導電性複合繊維の紡糸方法は従来
の方法をそのまま適応することができる。すなわち、紡
糸速度が4000m/min以上のいわゆる高速紡糸を用いる方
法、1000m/min〜3000m/minの速度で紡糸した複合繊維を
3〜5倍に延伸する方法などを使用することができる。
本発明の極細白色系導電性複合繊維は単芯あるいは多
芯構造のものを作ることができるが、除電性能を上げる
ためには多芯構造にするのが良い。極細白色系導電性複
合繊維の場合には、単芯構造のものと比較し、多芯構造
のものは除電性能が格段に向上していた。
本発明の極細白色系導電性複合繊維は太さが5デニー
以下のものであるが、好ましくは4デニール以下のもの
である。本発明の極細白色系導電性複合繊維は繊維を細
くすることによつて除電性能が大幅に低下することがな
く、4デニール以下と極めて細くした場合においても良
好な除電性能を有する。5デニール以下とすることによ
り衣料中の導電性繊維の存在を目立たなくすることがで
き、また風合を硬いものとすることもなく、さらに混綿
工程を損うこともない。
本発明における極細白色系導電性複合繊維の複合の形
態はあらゆる形式が可能である。その典型的な断面形態
を図1〜5に示す。図1は単芯構造の極細白色系導電性
複合繊維、図2は多芯構造の極細白色系導電性複合繊
維。図3はサイドバイサイド型、図5は3層型である。
本発明の極細白色系導電性複合繊維において好ましい構
造は芯鞘構造のものであつて、特に好ましいものは前述
したように多芯構造のものである。
本発明の極細白色系導電性複合繊維は制電布に使用す
る場合、通常は布中に0.1wt%〜10wt%混入して使用さ
れることは通常の導電性繊維の場合と同じである。これ
らの布は当然のことながら染色仕上げ工程を経て完成す
るものである。導電層成分は導電性金属酸化物粒子を多
量に含むためにもろく、かつ加工中に熱、薬品等による
損害を受けやすい。特にポリエチレンテレフタレートを
主体とする布にあつては、高温染色、高温セツトは避け
えないものであり、これらの工程により導電性複合繊維
の導電層成分は顕著な影響を受ける場合があつた。高温
染色、高温セツトの影響を受けないようにするためには
芯鞘構造の導電性複合繊維とする場合が最も工程上の影
響を受けないものであつた。
以下実施例により本発明をより詳しく説明する。
なお、実施例中、紡糸工程性は、紡糸工程でのA格率
で表示した。
A格率=100X(毛羽・断糸のないボビン数)/(全ボ
ビン数)ただし、全ボビン数は、一週間連続運転で2時
間満管で得られたボビン数であり、巻上げ途中(すなわ
ち巻初めから2時間未満)で断糸が生じた場合には、そ
の時点でボビンを新しいのに切り替えて巻取りを開始し
た。
実施例1〜7 表面を酸化アンチモンをドープした酸化錫でコーテイ
ングした酸化チタン微粒子(平均粒径0.2μm、三菱金
属株式会社 W−1)を導電性金属酸化物粒子として使
用した。このものの体積固有抵抗は10Ω・cmであつて、
ほとんど白色であつた。
熱可塑性エラストマー(バインダー)としては水素添
加したSISを使用した。その数平均分子量50000、軟化点
110℃、スチレン含率30wt%であり、室温付近において
はゴム弾性を有し、破断伸度が580%のものである。上
記の導電性白色酸化チタン粒子70wt%と水素添加したSI
S 30wt%を210℃の温度において小型のブラベンダーを
用いて混合した。酸化チタン微粒子を均一に混合し、か
つ混合物の粘度を下げるために微量のチタネート系のカ
ツプリング剤(日本曹達株式会社製 S151およびS152)
を水素添加SISと酸化チタン粒子との混合中に添加し
た。
バインダーの樹脂の種類と混合率を表1に記載の如く
変化させることによつて数種の導電性コンパウンドを作
製した。なお実施例6ではバインダーとしてP−40Hを
用いたが、これは東洋紡(株)製のポリエステルエーテ
ル系熱可塑性エラストマーである。
表1に示すバインダーとW−1とからなる導電性コン
パウンドを用いて極細白色系導電性複合繊維を作製し
た。この導電性コンパウンド(B)のチツプと通常のポ
リエチレンテレフタレート(A)のチツプとを別々のエ
クストルーダーで溶融し、複合紡糸装置を用いて(B)
が芯部、(A)が鞘部を形成するように芯鞘複合糸を30
0℃で8孔の吐出孔より紡出し、表1に示す紡糸速度で
2分割して巻き取り、4フイラメントからなるマルチフ
イラメント系を得た。得られた繊維はいずれも白色であ
り、表1に示すような抵抗値を有していた。
得られた導電性繊維をそれぞれポリエチレンテレフタ
レート/綿=65/35の混紡糸でカバーリングした。そし
て、ポリエチレンテレフタレート/綿=65/35、綿番手2
0S/2のタテ糸80本に1本の割合で打ち込んで、タテ80本
/inの2/1ツイル織物とした。続いて通常のポリエステル
綿混織物の条件で染色加工仕上げを行なつた。織物の帯
電電荷量は表1の通りであつた。作業服として1年間実
着用し、その間100回繰り変し洗濯を行なつた後の帯電
電荷量を表1に示す。この結果より本発明の導電性繊維
を用いた布帛は優れた除電性能を有するものであること
がわかる。つまり労働者産業安全研究所発行の静電気安
全指針の基準値7μクーロン/m2をいずれもクリアーし
ており実着用耐久性も非常に優れたものであつた。また
布帛中の導電性繊維は目立たず、布帛の風合を損うこと
もなかつた。さらに導電性繊維を51mmの長さの短繊維と
して、1.5デニールのポリエステル短繊維との混綿し、
その際のカード通過性を調べたところ、いずれも問題な
く、均一に混綿されたスライバーが得られた。
比較例1 導電性コンパウンドとしてナイロン6とW−1との混
合物(ナイロン6とW−1との混合比率、35wt%:65wt
%)を用いた以外は実施例1と全く同様にして極細白色
導電性複合繊維を紡糸した。得られた導電性繊維の性能
は表1の通りであつた。この繊維の紡糸直後の制電性能
は優れたものであつたが、実着用1年後には制電性能は
消失していた。
比較例2 導電性コンパウンドとしてナイロン6とW−1との混
合物を用いた以外は実施例4と同様にして4芯構造の極
細導電性複合繊維の作製を試みた。紡糸工程性は良好で
あったが得られた複合繊維の抵抗値は1×1014Ω/cm・
f以上であつた。この繊維は表1に示すように除電性能
を全く有してはいなかつた。この複合繊維の光学顕微鏡
観察を行なつたところ導電層に極めて多くの大きな亀裂
が観察された。この亀裂は繊維を熱処理することによつ
て修復されることは全くなかつた。
比較例3 導電性コンパウンドとしてナイロン12とW−1との混
合物(ナイロン12とW−1との混合比率、30wt%:70wt
%)を用いた以外は実施例1と同様にして導電性複合繊
維を作製した。この繊維の性能は表1に示すように紡糸
直後の制電性能は優れたものであつたが、実着用1年後
には制電性能は消失していた。
【図面の簡単な説明】
第1〜5図は本発明の白色系導電性複合繊維の代表的な
断面図である。図中、斜線部が導電層(B)、非斜線部
が非導電層(A)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−224812(JP,A) 特開 昭61−113824(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 1/00 - 8/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維形成性熱可塑性重合体からなる非導電
    層(A)と導電性金属酸化物粒子と熱可塑性エラストマ
    ーの混合物からなる導電層(B)からなる導電性複合繊
    維において、該繊維の太さが5デニール以下であること
    を特徴とする極細白色系導電性複合繊維。
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