JP2915802B2 - 抗生物質耐性微生物の薬剤感受性増感剤 - Google Patents

抗生物質耐性微生物の薬剤感受性増感剤

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JP2915802B2
JP2915802B2 JP6185228A JP18522894A JP2915802B2 JP 2915802 B2 JP2915802 B2 JP 2915802B2 JP 6185228 A JP6185228 A JP 6185228A JP 18522894 A JP18522894 A JP 18522894A JP 2915802 B2 JP2915802 B2 JP 2915802B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェノール化合物
(特には茶ポリフェノール)又は茶抽出物を有効成分と
して含有する、抗性物質に対して耐性を獲得した微生物
の薬剤感受性増感剤に関する。本発明の抗生物質耐性微
生物の薬剤感受性増感剤は、特に感染症の化学療法分野
で用いることができる。
【0002】
【従来の技術】化学療法、特に抗生物質の普及により、
結核、赤痢などをはじめとする細菌感染症の激減は目を
見張るものがあり、その公衆衛生への貢献ははかりしれ
ない。しかしながら、抗生物質の使用の増加にともな
い、1950年代後半から、抗生物質の効かない、いわ
ゆる抗生物質耐性菌が出現しはじめ、近年急速に増加し
つつある。最近では、特に、メチシリン耐性黄色ブドウ
球菌(methicillin−resistant
Staphylococcus aureus;MRS
A)に代表される抗生物質耐性菌が、院内感染菌として
蔓延している。結核菌、赤痢菌、ブドウ球菌など重要な
病原菌においては多くの種類の薬剤に耐性を示す、いわ
ゆる多剤耐性菌が多い。これらの耐性菌で、その病原性
が強い細菌が起炎菌である場合は、最も治療困難な難治
性重症感染症となることが予想され、感染症の化学療法
を遂行する上で大きな問題となっている。このような薬
剤耐性菌増加の理由から、一般に抗生物質製剤のライフ
サイクルは短く、医薬品メーカーは莫大な費用をかけ
て、次々に新規抗生物質を市場に供給しなければなら
ず、その損失は社会的にみて無視できない巨額に達す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、抗性物
質に対して耐性を獲得した微生物の薬剤感受性を顕著に
向上することができ、かつ長期の連用に於て安全性の高
い物質について探索した結果、意外にも、一群のポリフ
ェノール化合物には、微生物の抗生物質耐性の発現や誘
導を抑える優れた作用があることを見出した。従って、
本発明の目的は、抗生物質に対して耐性を獲得した微生
物の該抗生物質に対する薬剤感受性を増感させると共に
該微生物に対する上記抗生物質の効力およびその効能範
囲を拡大しうる増感剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
(I):
【化4】 (式中、R 1 は水素原子又はヒドロキシル基であり、R 2
は水素原子又は式
【化5】 で表される3,4,5−トリヒドロキシフェニルカルボ
ニル基である)で表される化合物若しくはその異性体、
又は一般式(II):
【化6】 (式中、R 3 及びR 4 は、同じか又は異なり、水素原子又
は3,4,5−トリヒドロキシフェニルカルボニル基で
ある)で表される化合物若しくはその異性体を含むこと
を特徴とする、抗生物質(但し、β−ラクタム抗生物質
を除く)耐性微生物の薬剤感受性増感剤に関する。ま
た、本発明は、茶の水抽出物、又はメチルアルコール、
エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトン、及びメ
チルイソブチルケトンからなる群から選んだ有機溶媒
よる茶の抽出物を含むことを特徴とする、抗生物質(但
し、β−ラクタム抗生物質を除く)耐性微生物の薬剤感
受性増感剤にも関する。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
よる抗生物質耐性微生物の薬剤感受性増感剤において有
効成分として用いるポリフェノール化合物は、ジ−又は
トリ−ヒドロキシクロマン環を有し、例えば、一般式
(I):
【化7】 (式中、R1は水素原子又はヒドロキシル基であり、R2
は水素原子又は式
【化8】 で表される3,4,5−トリヒドロキシフェニルカルボ
ニル基である)で表される化合物及びその異性体を挙げ
ることができる。更に、一般式(II):
【化9】 (式中、R3及びR4は、同じか又は異なり、水素原子又
は3,4,5−トリヒドロキシフェニルカルボニル基で
ある)で表される化合物及びその異性体も、本発明にお
ける有効成分として用いる化合物として挙げることがで
きる。なお、本発明では、純粋な立体異性体又はそれら
の混合物を用いることができる。
【0006】前記一般式(I)で表されるポリフェノー
ル化合物の内、特に好ましい化合物として、一般式(I
−1):
【化10】 (式中、R1及びR2は前記と同じ意味である)で表され
る化合物、又は一般式(I−2):
【化11】 (式中、R1及びR2は前記と同じ意味である)で表され
る化合物を挙げることができる。
【0007】前記一般式(I−1)において、R1 及び
2 が水素原子である化合物は、(+)カテキンであ
り;R1 がヒドロキシル基であり、R2 が水素原子であ
る化合物は、(+)ガロカテキンであり;R1 が水素原
子であり、R2 が3,4,5−トリヒドロキシフェニル
カルボニル基である化合物は、(+)カテキンガレート
であり;R1 がヒドロキシル基であり、R2 が3,4,
5−トリヒドロキシフェニルカルボニル基である化合物
は、(+)ガロカテキンガレートである。
【0008】また、前記一般式(I−2)において、R
1 及びR2 が水素原子である化合物は、(−)エピカテ
キンであり;R1 がヒドロキシル基であり、R2 が水素
原子である化合物は、(−)エピガロカテキンであり;
1 が水素原子であり、R2が3,4,5−トリヒドロ
キシフェニルカルボニル基である化合物は、(−)エピ
カテキンガレートであり;R1 がヒドロキシル基であ
り、R2 が3,4,5−トリヒドロキシフェニルカルボ
ニル基である化合物は、(−)エピガロカテキンガレー
トである。
【0009】また、前記一般式(II)で表されるポリフ
ェノール化合物の内、特に好ましい化合物として、一般
式(II−1):
【化12】 (式中、R3及びR4は前記と同じ意味である)で表され
る化合物を挙げることができる。
【0010】前記一般式(II−1)において、R3 及び
4 が水素原子である化合物は、遊離型テアフラビンで
あり;R3 が3,4,5−トリヒドロキシフェニルカル
ボニル基であり、R4 が水素原子である化合物は、テア
フラビンモノガレートAであり;R3 が水素原子であ
り、R4 が3,4,5−トリヒドロキシフェニルカルボ
ニル基である化合物は、テアフラビンモノガレートBで
あり;R3 及びR4 が3,4,5−トリヒドロキシフェ
ニルカルボニル基である化合物は、テアフラビンジガレ
ートである。
【0011】前記一般式(I)及び一般式(II)で表さ
れる化合物は、市販品を用いるか、あるいは合成するか
又は天然物から抽出して精製することによって入手する
ことができる。前記一般式(I)及び一般式(II)で表
される化合物は、主に茶ポリフェノール類として知られ
ており、天然物から抽出して精製する場合には、限定す
るものではないが、茶から抽出することが好ましい。
【0012】本発明による抗生物質耐性微生物の薬剤感
受性増感剤は、茶の水抽出物又は有機溶媒抽出物を有効
成分として含んでなることもできる。本明細書において
「茶」とは、茶(Cammellia sinensi
s,(L)O.Kuntze)の全草若しくはその一部
分、例えば葉、木部、根、実等の生若しくは乾燥物のそ
のまま若しくは部分発酵物又は完全発酵物を意味し、そ
れらの部分を単独であるいは任意に組み合わせて使用す
ることができる。抽出原料として茶葉を用いる場合、各
種形態のものがあり、たとえば茶生葉から仕上げ茶(乾
燥茶)まで、通常の製茶工程のいずれの段階のものでも
よく、かつ発酵の程度に関係なく、紅茶などの発酵茶、
ウーロン茶などの半発酵茶、緑茶などの不発酵茶のいず
れをも使用することができる。
【0013】本発明による抗生物質耐性微生物の薬剤感
受性増感剤の有効成分である茶抽出物は、前記の茶ポリ
フェノール類を含有していればよく、従って、茶の粗抽
出物であることができる。この茶粗抽出物を得るために
は、茶を温水(好ましくは熱湯)によって抽出するか、
又は有機溶媒を用いて抽出することができる。有機溶媒
としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチル
アルコール等の低級アルコール、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の低級エステル、アセ
トン、メチルイソブチルケトン、等を用いることがで
き、これらの有機溶媒を単独又は適宜組み合わせ、更に
は無水又は好ましくは含水状態で用いることができる。
【0014】水抽出及び有機溶媒抽出の方法としては、
通常の生薬抽出に用いられる方法を用いることができ、
例えば(乾燥)茶葉1重量部に対し水又は有機溶媒5〜
20重量部を用いて攪拌しながらその沸点以下の温度で
加熱還流することが望ましい。抽出工程は、通常は5分
〜7日間、好ましくは10分〜24時間実施し、必要に
応じて攪拌等の補助的手段を加えることにより抽出時間
を短縮することができる。水または有機溶媒抽出液は、
濾過あるいは遠心分離等の適当な方法により不溶物と分
離することができる。常法による熱水抽出物や有機溶媒
抽出物の他、これら抽出液を各種有機溶媒や吸着剤等に
より更に処理した生成物も、本発明の茶抽出物に含まれ
る。これら抽出物は、必要により濃縮や乾燥して粉末化
したり、さらには冷水より結晶化して精製することがで
きる。こうして得られた茶抽出物は、茶(特に茶葉)に
含まれるポリフェノ−ル化合物、すなわち、茶ポリフェ
ノール類、例えば、茶カテキン類(カテキン、エピカテ
キン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレ
ート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレー
ト、ガロカテキンガレート)や茶テアフラビン類(遊離
型テアフラビン、テアフラビンモノガレートA、テアフ
ラビンモノガレートB、テアフラビンジガレート)を混
合物として含み、同時に原料茶に由来する不純物を含ん
でいる。
【0015】本発明で活性成分として用いるポリフェノ
ール化合物は、抗生物質と併用することにより、前記抗
生物質に対する耐性を獲得した微生物に対し、前記抗生
物質感受性を増感させる効果を有する。ポリフェノール
化合物がそれとの併用により上記増感効果を示す抗生物
質は、カビ、細菌又は放線菌により産生されるものであ
って特に限定されるものではないが、例えば、ストレプ
トマイシン(Streptomycin)、カナマイシ
ン(Kanamycin)、クロラムフェニコール(C
hloramphenicol)、テトラサイクリン
(Tetracycline)、エリスロマイシン(E
rythromycin)、コリスチン(Colist
in)、ゲンタマイシン(Gentamycin)、ネ
オマイシン(Neomycin)、バンコマイシン(V
ancomycin)、リファンピシン(Rifamp
icin)、等との併用が特に有効である。
【0016】ポリフェノール化合物が上述した薬剤増感
効果を示す耐性微生物としては、例えば、大腸菌、腸球
菌、黄色ブドウ球菌、アエロゲネス菌、ゲルトネル菌、
赤痢菌、肺炎桿菌、ミラビリス変形菌、尋常変形菌、緑
膿菌、結核菌、溶血性連鎖球菌、肺炎球菌、霊菌、イン
フルエンザ菌、ウェルシュ菌、セレウス菌、チフス菌な
どが挙げられる。
【0017】ポリフェノール化合物の薬剤耐性微生物の
増感作用については、次の方法により確認した。 (1)耐性菌の作成:まず、濃度勾配平板法(渡辺力著
「化学療法と耐性菌」1970,朝倉書店発行参照)に
従って、耐性菌を作成した。すなわち、各薬剤の10〜
100μg/mlを最高濃度とする濃度勾配を有する寒
天平板を作り、大腸菌株を画線塗抹した。37℃で数日
間培養し、高濃度域に発生した集落を鈎菌して再び同様
の平板に接種した。このような操作を数回繰り返して各
薬剤に対する耐性株を得た。 (2)薬剤増感効果の測定:耐性株と原株(感受性株)
の薬剤感受性を日本化学療法学会標準法〔MIC測定法
改定委員会「Chemotherapy」Vol.2
2,No.6,1126(1974)参照〕により最少
発育阻止濃度(以下MICと略記)で比較した。すなわ
ち、薬剤(抗生物質)の初期濃度を200μg/mlと
して、各薬剤の2倍希釈系列を作成し、ハート−インフ
ュージョン(Heart infusion)寒天培地
(日本栄養化学株式会社製)と混和したものを平板とし
た。これにトリプトーソイ(Tryptosoy)ブイ
ヨン中で37℃において18時間培養した各菌株の1白
金耳を塗抹し、37℃で18時間培養後、菌株の生育の
有無を観察した。
【0018】各耐性株についてポリフェノール化合物と
抗生物質(耐性獲得に使用されたもの)の併用によるM
IC値の変化をみるためにポリフェノール化合物(培地
最終濃度10μg/ml)を培地に添加し、先の寒天平
板法に従い、MIC値を求めた。ポリフェノール化合物
の添加によりMICは明らかに低下し、無添加の値の1
/2以下にまで低下した。ポリフェノール化合物の添加
量は10μg/mlである。なお、この場合MIC値に
影響しないように培養のpH値を7.2±0.1に維持
した。また、ポリフェノール化合物自体は本試験に用い
た濃度では、試験菌に対して抗菌作用を持たないことは
寒天希釈培養法によりあらかじめ確認しておいた。
【0019】本発明による抗生物質耐性微生物の薬剤感
受性増感剤は、前記のポリフェノール化合物又は茶抽出
物を、そのまま、或いは好ましくは製剤学的に許容する
ことのできる通常の担体と共に投与することができる。
投与剤型としては、特に限定がなく、例えば、散剤、細
粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョ
ン剤、シロップ剤、エキス剤、丸剤等の経口剤、注射
剤、外用液剤、軟膏剤、坐剤などの非経口剤を挙げるこ
とができる。これら経口剤は、例えば、ゼラチン、アル
ギン酸ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳
糖、ぶどう糖、マンニット、カルボキシメチルセルロー
ス、デキストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロ
ース、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、
ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、
ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸などの賦形剤、結合
剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、希釈
剤、保存剤、着色剤、香料等を用いて常法に従って製造
することができる。例えばカテキン1w/w%と乳糖9
9w/w%を混合して充填したカプセル剤などである。
本発明の抗生物質耐性微生物の薬剤感受性増感剤は、ポ
リフェノール化合物を0.01〜99重量%、好ましく
は0.1〜80重量%の量で含有する。また、茶抽出物
を有効成分として含む抗生物質耐性微生物の薬剤感受性
増感剤は、その中に含まれるポリフェノール化合物が前
記の量範囲になるように適宜調整して、調製することが
できる。なお、茶抽出物を有効成分として含む抗生物質
耐性微生物の薬剤感受性増感剤を、経口投与用製剤とす
る場合には、製剤学的に許容することのできる担体を用
いて、製剤化することが好ましい。
【0020】本発明の抗生物質耐性微生物の薬剤感受性
増感剤を用いる場合の投与量は、特に制限はないが、茶
ポリフェノール量として通常成人1人当り1mg〜10
g程度を1日1〜4回程度にわけて、経口的に又は非経
口的に投与する。本発明で有効成分として用いる茶抽出
物は勿論、前記のポリフェノール化合物も、人間の食生
活に古くから定着した茶に由来する成分であるので、安
全性の高いことが歴史的経験から既に実証されており、
安全性の点において非常に優れたものである。本発明で
用いるポリフェノール化合物に毒性は特に認められなか
った。
【0021】
【作用】本発明の抗生物質耐性微生物の薬剤感受性増感
剤において有効成分として用いるポリフェノール化合物
は、抗生物質耐性の発現を阻害し、抑制するのみなら
ず、一旦、抗生物質に対して耐性となった菌の抗生物質
に対する感受性を顕著に向上することができる。従っ
て、本発明の抗生物質耐性微生物の薬剤感受性増感剤
は、抗生物質が本来的に有する抗菌作用を維持あるいは
増強することができる。また、前記のポリフェノール化
合物は、毒性がない。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明ならびにその作
用効果を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を
限定するものではない。実施例1:抗生物質に対して耐性を獲得した耐性菌の薬
剤感受性の増感試験 (1)耐性菌の作成 大腸菌(E.coli)を用いて前述の濃度勾配平板法
により耐性菌を作成し、最少発育阻止濃度(MIC)を
測定した。下記表1のような結果を得た。
【0023】
【表1】 最小発育阻止濃度 抗生物質 MIC(μg/ml) 原株 耐性株 ペニシリンG 12.5 200 < ストレプトマイシン 3.1 100 カナマイシン 6.3 200 クロラムフェニコール 1.6 50 テトラサイクリン 3.1 25 セファロリジン 3.1 25 エリスロマイシン 200 < − ペニシリンGのMIC値は1667U(単位)=1mgとして換算
【0024】 (2)カテキンによる薬剤感受性の増感効果 前記(1)で得られた各耐性菌株についてカテキン
〔(+)−Catechin;フナコシ Code N
o.0952:EXTRASYNTHESE社製,フラ
ンス〕と抗生物質(耐性獲得に使用されたもの)の併用
によるMIC値の変化をみるために、カテキンを最終濃
度10μg/mlとなるよう培地に添加し、寒天平板法
に従いMIC値を求めた。カテキンを添加しなかった場
合(表2の「添加」)と添加した場合(表2の「添
加」)の各々の結果を下記表2にまとめて示す。
【0025】
【表2】 耐 性 株 薬 剤 MIC(μg/ml) (抗生物質) 非添加 添加 ストレプトマイシン耐性 ストレプトマイシン 100 25 カナマイシン耐性 カナマイシン 200 50 クロラムフェニコール耐性 クロラムフェニコール 50 12.5 テトラサイクリン耐性 テトサイクリン 25 6.3 セファロリジン耐性 セファロリジン 25 12.5
【0026】 (3)エピカテキンによる薬剤感受性の増感効果 前項(1)で得られた各耐性菌株についてエピカテキン
〔(−)−Epicatechin;フナコシ Cod
e No.0957:EXTRASYNTHESE社
製,フランス〕と抗生物質(耐性獲得に使用されたも
の)の併用によるMIC値の変化をみるために、エピカ
テキンを最終濃度10μg/mlとなるよう培地に添加
し、寒天平板法に従いMIC値を求めた。エピカテキン
を添加しなかった場合(表3の「添加」)と添加した
場合(表3の「添加」)の各々の結果を下記表3にまと
めて示す。
【0027】
【表3】 耐 性 株 薬 剤 MIC(μg/ml) (抗生物質) 非添加 添加 ストレプトマイシン耐性 ストレプトマイシン 100 25 カナマイシン耐性 カナマイシン 200 25 クロラムフェニコール耐性 クロラムフェニコール 50 6.3 テトラサイクリン耐性 テトラサイクリン 25 12.5 セファロリジン耐性 セファロリジン 25 6.3
【0028】
【発明の効果】本発明において有効成分として用いるポ
リフェノール化合物又は茶抽出物は、抗生物質に対して
耐性を獲得した微生物の該抗生物質に対する薬剤感受性
を顕著に向上する。また、本発明において有効成分とし
て用いるポリフェノール化合物及び茶抽出物は、古来よ
り飲用されてきた茶の成分であり、茶は入手が容易で実
用上も適切な原料である。日常相当量飲用されている天
然物を主成分とするので、その安全性は高く、人体に対
する副作用の心配はない。従って、本発明は新規で有効
な抗生物質耐性微生物の薬剤感受性増感剤を安価に、か
つ大量に供給するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−246227(JP,A) 特表 平9−509677(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 31/00 - 31/80 A61K 35/78 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R 1 は水素原子又はヒドロキシル基であり、R 2
    は水素原子又は式 【化2】 で表される3,4,5−トリヒドロキシフェニルカルボ
    ニル基である)で表される化合物若しくはその異性体、
    又は一般式(II): 【化3】 (式中、R 3 及びR 4 は、同じか又は異なり、水素原子又
    は3,4,5−トリヒド ロキシフェニルカルボニル基で
    ある)で表される化合物若しくはその異性体を含むこと
    を特徴とする、抗生物質(但し、β−ラクタム抗生物質
    を除く)耐性微生物の薬剤感受性増感剤。
  2. 【請求項2】 茶の水抽出物、又はメチルアルコール、
    エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロ
    ピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸メチル、酢酸
    エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトン、及びメ
    チルイソブチルケトンからなる群から選んだ有機溶媒
    よる茶の抽出物を含むことを特徴とする、抗生物質(但
    し、β−ラクタム抗生物質を除く)耐性微生物の薬剤感
    受性増感剤。
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