JPH0853353A - ミズカビ病防止組成物 - Google Patents

ミズカビ病防止組成物

Info

Publication number
JPH0853353A
JPH0853353A JP21181794A JP21181794A JPH0853353A JP H0853353 A JPH0853353 A JP H0853353A JP 21181794 A JP21181794 A JP 21181794A JP 21181794 A JP21181794 A JP 21181794A JP H0853353 A JPH0853353 A JP H0853353A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
tea
gallate
disease
preventing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21181794A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3698745B2 (ja
Inventor
Tsutomu Okubo
勉 大久保
Seiji Shu
政治 朱
Busaku Kin
武祚 金
Katsunobu Sakai
勝信 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Kagaku KK filed Critical Taiyo Kagaku KK
Priority to JP21181794A priority Critical patent/JP3698745B2/ja
Publication of JPH0853353A publication Critical patent/JPH0853353A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3698745B2 publication Critical patent/JP3698745B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 魚類のミズカビ病を防止する安全で有効な組
成物を提供することを目的とする。 【構成】 ポリフェノール類を含有することを特徴とす
るミズカビ病の防止組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚類のミズカビ病を防
止する組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ミズカビ病は、水生菌、特に腐生カビが
魚卵や魚体に寄生して起こる魚類の代表的な疾病であ
り、淡水域の養殖魚で大きな問題となっている。ミズカ
ビ病の予防・治療としては、ふ化槽の魚卵の場合、腐生
カビが寄生しやすい死卵を取り除くか、採卵後からマラ
カイトグリーン、メチレンブルー、2−アミド−3−
〔(β−アミノエチル)チオ〕プロピオフェノン誘導
体、ベンゾチアゾリルアゾ化合物またはホルマリンで薬
浴する方法(特開昭55−89259号、特公昭61−
60041号)が知られており、これらのうちでマラカ
イトグリーンが有効な方法として使用されている。マラ
カイトグリーンはトリフェニールメタン系色素の一種で
あり、あらゆるふ化場や養殖場で使用され、その有効濃
度は、魚卵では処理液中に対し5〜10ppm(1週間
に2回、1回の処理は1時間)である。このため、全体
では大量のマラカイトグリーンが使用され、その後は環
境へ流出することとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このマ
ラカイトグリーンに発ガン性や突然変異原性のあること
が判明したため使用が禁止された。ミズカビ病の特効薬
が他に皆無であることおよび中和することによりマラカ
イトグリーンが塩を形成し除去することが容易となるた
めと、使用後酸性溶液でマラカイトグリーンを中和する
ことを条件に使用が認められている。しかしマラカイト
グリーンの溶液を中和してもその毒性は変わらないこと
からヒトのみならず、環境汚染につながっていることは
明白である。いまだにマラカイトグリーンに代わる有効
な薬剤は見出されていない。またミズカビ病に感染した
卵を取り除く方法も行われているがかなりの手間を要す
ること、死卵が発生する頃には、ふ化槽全体にミズカビ
が広まり他の魚卵にすでに感染している可能性が強く予
防は不可能となる問題がある。このような状況下、これ
ら薬剤に代わる安全で、ミズカビ病に対して効果的な物
質の開発が強く求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意研究した結果、ツバキ科の植物等か
ら得られるポリフェノール類、特に(+)−カテキン,
(+)−ガロカテキン,(−)−ガロカテキンガレー
ト,(−)−エピカテキン,(−)−エピカテキンガレ
ート,(−)−エピガロカテキン,(−)−エピガロカ
テキンガレート,遊離型テアフラビン,テアフラビンモ
ノガレートA,テアフラビンモノガレートBおよびテア
フラビンジガレート等の化合物が上記ミズカビ病に対し
顕著な防止効果の発揮されることをはじめて見出し、本
発明を完成した。すなわち、本発明はポリフェノール類
を含有することを特徴とするミズカビ病防止組成物に関
するものである。
【0005】ポリフェノール類が各種微生物に対して抗
菌作用を示すことについては、例えば、各種乳酸菌に対
する抗菌性(西山ら、農化、49巻、12号、629〜
633頁、1975年)、哺乳動物の病原菌に対する抗
菌性(Ryu.Eら、Int.J.Zoon、7巻、164
〜170頁、1980年)および下痢性細菌に対する抗
菌性(戸田ら、日本細菌学会誌、44巻、4号、669
〜672頁、1989年)などが知られている。また水
産分野への茶の成分の応用として、細菌性魚病への予防
・治療効果(特開平4−103537号)および魚類甲
殻類の養殖用飼料、養殖方法および治療方法(特開平5
−308908号)などが開示されている。上述の各種
報告の中には、カビに対する抗菌性についての報告もあ
るが、本発明のミズカビ病の原因菌は同じ真菌類には属
するものの、水中でのみ生育可能であり、その生活環、
宿主への感染経路など非常に特殊であり、酸素要求性の
高い通常の真菌類とは全く異なる菌類である。従って、
このような特殊な魚類のミズカビ病に対して茶のポリフ
ェノール類が、顕著な感染防止効果を発揮することはこ
れまで全く知られてはおらず、本発明者らがはじめて明
らかにした知見である。以下、本発明について詳述す
る。
【0006】本発明のミズカビ病とは、水生菌、特に腐
生カビが魚卵や魚体またはえらに寄生して起こる魚類の
疾病を指し、例えば、サケ、マスの卵のミズカビ病、サ
ケ、マス、アマゴ、ヤマメのミズカビ病、ウナギ、コ
イ、アユのワタカブリ病等である。その他クルマエビの
フザリウム病、マス類の真菌性肉芽腫症、マス類稚魚の
内臓真菌症、イクチオフヌス病、デルモシスチジウム
症、ブランキオマイセス症等である。すなわちその病原
体は、フハイカビ類、ミズカビ類、フシミズカビ類であ
る。また対象となる魚類は、ウナギ、サケ・マス類、ア
ユ、キンギョ、フナ、ボラ、テラピア等である。
【0007】本発明のポリフェノール類とは、ツバキ科
植物等の葉から水、温水、熱水あるいは有機溶剤により
抽出し得られるポリフェノール類を指し、特に(+)−
カテキン,(+)−ガロカテキン,(−)−ガロカテキ
ンガレート,(−)−エピカテキン,(−)−エピカテ
キンガレート,(−)−エピガロカテキン,(−)−エ
ピガロカテキンガレート,遊離型テアフラビン,テアフ
ラビンモノガレートA,テアフラビンモノガレートBお
よびテアフラビンジガレート等のポリフェノール化合物
である。ポリフェノール類の調製法の一例は、特許(特
開平2−6499号,特開昭63−214183号)等
に詳細に開示されている。また、茶葉もしくは緑茶、ウ
ーロン茶、紅茶等のツバキ科植物を原料とした飲料製造
時に多量に廃棄される抽出残渣をそのまま、または粉砕
等の処理を行ったものもミズカビ病防止組成物として用
いても差し支えない。さらには、他の原料起源のものも
しくは化学合成品でも差し支えない。得られたこれらの
ポリフェノール類を本発明に用いる場合は単独で、もし
くは二種以上の混合物として、さらにはポリフェノール
類を含む粗抽出物でも使用できる。
【0008】本発明品を使用する際は、有効成分である
茶抽出物をそのまま薬浴用として飼育水に溶解したりし
て使用することもできる。また、場合によっては本発明
のミズカビ防止組成物を、そのままかまたは通常用いら
れている飼料に添加して経口的に投与することも有効で
ある。また、使用方法により溶液状、粒状、粉状、ゲル
状、半固形、固形などの形態で使用できる。さらには、
有効成分である茶抽出物が飼育水や飼料中に溶解、また
は分散しやすいように界面活性剤を併用することができ
る。界面活性剤としては、大豆レシチン、卵黄レシチ
ン、酵素分解レシチン、各種サポニン(キラヤ、ユッ
カ、ビート、茶、杜仲茶など)などの食品用の天然界面
活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、などの界面活性
剤が使用できる。これらの界面活性剤を併用することに
より、飼育水などへの溶解・分散が向上するのはもちろ
ん、ポリフェノール類のミズカビ病の防止効果が促進さ
れる。本発明品の有効濃度は、ポリフェノール類換算で
最終の使用濃度が1日当り0.005 〜10%が好ましく、0.
005 %より少ない投与量では効果が弱く、10%以上の濃
度では魚卵のふ化や魚の成長に悪影響を及ぼす可能性が
あることから好ましくない。
【0009】
【作用】本発明の茶抽出物がいかなる作用によりミズカ
ビ病の防止効果を示しているかはいまだ不明であるが、
一般に茶の有効成分であるポリフェノール類は蛋白質結
合能のあることが知られていることから、本発明のポリ
フェノール類もミズカビ病の原因となる各種腐生菌の細
胞膜又は細胞中のタンパク質に結合し、菌の細胞壁等に
損傷を与えることにより繁殖を抑制するものと推測され
る。以下、実施例および試験例により詳述する。
【0010】
【実施例】
実施例1 市販緑茶1kgに水、約15リットルを加え撹拌し、80℃
で3時間抽出した。濾過により得られた抽出液を濃縮乾
固し、緑茶の熱水抽出物350 gタンニン類として125
gを得た(酒石酸鉄法にてタンニン類として38%)。 実施例2 実施例1で得た熱水抽出物350 gに水8リットルを加え
溶解後、ヘキサンおよびクロロホルムで順次分配した。
分配後の水層に酢酸エチル10リットルを加えて激しく撹
拌・静置後、酢酸エチル層を分離し、酢酸エチルを留去
後、乾燥し酢酸エチル可溶画分70gを得た(タンニン類
として52g)。本酢酸エチル可溶画分の各ポリフェノ
ール化合物の割合は(+)−カテキン3.5%,(+)−
ガロカテキン14.8%,(−)−ガロカテキンガレート1
1.6%,(−)−エピカテキン7%,(−)−エピカテキ
ンガレート4.6%,(−)−エピガロカテキン15%およ
び(−)−エピガロカテキンガレート18.0%である。
【0011】実施例3 実施例2で得られた酢酸エチル可溶画分10gをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶媒、クロロホルム:メ
チルアルコール、20: 1,10: 1,v/v)、セファデ
ックスLH−20カラムクロマトグラフィー(溶媒,メチ
ルアルコール)、リサイクルHPLC(日本分析工業製
LC−908 ,GS−320 カラム,溶媒メチルアルコー
ル)を順次用いることにより、(+)−カテキン0.3
g,(+)−ガロカテキン1.22g,(−)−ガロカテキ
ンガレート0.9 g,(−)−エピカテキン0.5g,
(−)−エピカテキンガレート0.38g,(−)−エピガ
ロカテキン1.2g,および(−)−エピガロカテキンガ
レート1.5gのポリフェノール化合物を得た。 実施例4 市販緑茶1kgを85℃の熱水20リットルで30分撹拌しな
がら抽出し、茶葉を濾過により除き17リットルの抽出液
を得た。この液を限外濾過装置(DDS社製,膜タイプ
GR−81PP、分画分子量6000)を用いて通過液15リ
ットルを得た。濃縮残液に水5リットルを加え同様に操
作し、通過液6リットルを得た。両液を合わせ逆浸透膜
(DDS社製,膜タイプHC−50)により濃縮し1リッ
トルとし、35%のタンニン類を含む本発明品233 gを得
た。
【0012】実施例5 実施例4で得られた濃縮品を吸着樹脂(Duolite S-876
,住友化学社製)を充填したカラムに流し吸着させ、
脱イオン水で洗浄後、樹脂の5倍量の50%エタノールに
て溶出し、減圧濃縮によりエタノールを留去し、濃厚水
溶液となし、その後常法により凍結乾燥し、74.5%、タ
ンニン類を含む本発明品70gを得た。得られたタンニン
類の成分組成は、(+)−カテキン3.5%,(+)−ガ
ロカテキン14.8%,(−)−ガロカテキンガレート11.6
%,(−)−エピカテキン7%,(−)−エピカテキン
ガレート4.6%,(−)−エピガロカテキン15%および
(−)−エピガロカテキンガレート18.0%である。 実施例6 市販のインスタント紅茶100 gを熱湯3リットルで1時
間抽出後、室温にまで冷却し濾過により抽出液を得た。
抽出液に等量のクロロホルムを加え分画する。分画によ
り得た水層部を等量のメチルイソブチルケトンにて抽出
し、得られたメチルイソブチルケトン層を濃縮乾固し粗
テアフラビンとして本発明品2.5gを得た。
【0013】実施例7 実施例1で得られた緑茶の熱水抽出物100gを、2%
キラヤサポニン液200mlに溶解後、スプレードライ
して本発明品101gを得た。 実施例8 実施例2で得られた緑茶の酢酸エチル可溶画分50g
に、2%ユッカサポニン液200mlを加え、ホモミキ
サーで乳化し本発明品245mlを得た。
【0014】実施例9 実施例2で得られた緑茶の酢酸エチル可溶画分50g
に、2%の茶サポニン液200mlを加え、ホモミキサ
ーで乳化し本発明品240mlを得た。 実施例10 実施例2で得られた緑茶の酢酸エチル可溶画分50g
に、2%のビートサポニン液200mlを加え、ホモミ
キサーで乳化し本発明品240mlを得た。
【0015】実施例11 実施例2で得られた緑茶の酢酸エチル可溶画分50g
に、2%杜仲茶サポニン液200mlを加え、ホモミキ
サーで乳化し本発明品240mlを得た。 実施例12 実施例2で得られた緑茶の酢酸エチル可溶画分50g
に、1%グリセリンモノカプリル酸エステル液200m
lを加え、ホモミキサーで乳化し本発明品240mlを
得た。
【0016】実施例13 実施例2で得られた緑茶の酢酸エチル可溶画分50g
に、1%のポリグリセリン脂肪酸エステル液(太陽化学
社製、商品名サンソフトQ−14S)200mlを加
え、ホモミキサーで乳化し本発明品240mlを得た。 実施例14 実施例2で得られた緑茶の酢酸エチル可溶画分50gに
1%ショ糖脂肪酸エステル液200mlを加え、ホモミ
キサーで乳化し本発明品240mlを得た。
【0017】試験例1.急性毒性試験 ddy系マウスを1群10匹として、各群に生理的食塩水
に懸濁した実施例5および6で得られた本発明品を恒温
(23±1 ℃)、恒湿(55±5 %)の条件下で経口投与
し、リッチフィールド・ウイルコックンソン(Litchfie
ld-wilcoxon )法によりLD50を求めた結果、それぞ
れ雌で3.1 および3.5 g/kg以上、雄で5および5.5
g/kg以上であった。 試験例2.細胞毒性試験 MA104 細胞(サル腎細胞)を1.2 ×105 cell/
tubeになるように10%FCS含有BHKcell培
地(抗生物質無添加)に添加した。これに実施例5およ
び6で得た本発明品を5μg/ml、1μg/mlおよ
び0.5 μg/mlになるように添加し、37℃で4日間培
養し、細胞増殖を調べた。その結果、増殖曲線は生理的
食塩水だけを加えたコントロールと同様であり細胞毒性
は全く認められなかった。
【0018】試験例3.変異原性試験 実施例5および6で得られた本発明品を用いサルモネラ
(ネズミチフス菌)におけるヒスチジン要求性から非要
求性への復帰試験を目的とするエームス(Ames)テ
ストを行った。検定菌として、サルモネラ・チフィリウ
ムTA100 およびTA98を用い、直接試験と代謝活性試
験を実施した。その結果、直接試験と代謝活性試験にお
ける変異コロニーの増加は認められず、変異原性を有し
ない(陰性)と判断された。 試験例4 実施例5で得られた本発明品のサケ受精卵のふ化に対す
る毒性試験を実施した。目合い5mm(10×20×1
0cm)のバスケットに実施例5の本発明品を50、2
0、10、1、0.1、0g/リットルとなるように処
理溶液を調整し、それぞれにサケ受精卵50粒入れ、1
回当たり1時間浸漬し、この操作を1週間間隔で4回繰
り返して処理した。浸漬処理後、流水条件に戻しふ化ま
で観察し、ふ化率より毒性の有無を判定した。結果を表
1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】表1より明らかなように本発明の有効成分
であるポリフェノール化合物はサケ受精卵のふ化に何等
影響を及ぼさず、ふ化後の稚魚にも異常は認められなか
った。 試験例5 実施例1、2、4〜14で得られた本発明品のサケ受精
卵のミズカビ病に対する防止試験を実施した。目合い5
mm(10×20×10cm)のバスケットを多数用意
し、それぞれにサケ受精卵50粒と故意に衝撃を与えて
へい死させた死卵50粒を混合してセットした。死卵を
加えたのはミズカビを自然発生させるためである。流水
量毎分約200ml中にバスケットを設置して受精卵を
1時間インキュベートし感染させた。実施例1、2、4
〜14で得られた本発明品の濃度を20、10、5、
2、1、0.4、0.2、0.1、0g/リットルとし
た処理溶液を調整し、各濃度ごとに2バスケットを設け
た。各溶液にバスケットごと1回当り1時間浸漬し、こ
の操作を1週間間隔で4回繰り返して処理した。浸漬処
理後、流水条件に戻し、5週間インキュベートしてミズ
カビ病の発生状況をふ化まで観察した。なお、供試した
受精卵は卵質の差をできるかぎり小さくするために1尾
のサケから採卵したものを受精直後から用いた。ミズカ
ビ病の防止効果はふ化率から判断し、結果の表示は予め
加えた死卵数を計数から除き、2バスケットの合算で行
った。結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2に結果より、本発明の茶成分はミズカ
ビ病に対する防止効果は明かである。 試験例6 実施例5で得られた本発明のポリフェノール類のフナに
対する毒性を試験した。本発明の茶成分を1、0.1、
0.01、0g/リットルとした処理溶液を調整し、1
群10尾のフナ(体重平均30g)を各濃度の溶液に浸
漬処理し、経時的に魚の行動を観察し、さらに1時間後
の生存数を測定した。結果を表3に示した。
【0023】
【表3】
【0024】表3から明らかなように0.01〜1g/
リットルの濃度の溶液への浸漬では魚の行動および生存
に影響を及ぼさなかった。 試験例7 実施例5で得られた茶成分を用いシラスウナギのミズカ
ビ病に対する防止試験を行った。シラスウナギ100尾
をミズカビ病の発生した飼育水に約1時間浸漬感染後、
実施例5で得られたポリフェノール類を0.5、0.
2、0.1、0.05、0g/リットル濃度とした処理
溶液中に20尾づつ、1時間浸漬し通常の飼育水に戻し
た。その後、ミズカビ病の発生状況を目視もしくは顕微
鏡にて観察し、ミズカビ病発生率にて表示した。結果を
表4に示す。
【0025】
【表4】
【0026】表4の結果より、本発明の茶抽出物はウナ
ギのミズカビ病に対する防止効果は明らかである。 本発明の実施態様を挙げれば以下の通りである。 (1)ポリフェノール類を含有することを特徴とするミ
ズカビ病防止組成物。 (2)ポリフェノール類が茶の熱水抽出物である前記
(1)記載のミズカビ病防止組成物。 (3)ポリフェノール類が茶の熱水抽出物の酢酸エチル
可溶成分である前記(1)記載のミズカビ病防止組成
物。 (4)ポリフェノール類が(+)−カテキン、(+)−
ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)
−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、
(−)−エピガロカテキンおよび(−)−エピガロカテ
キンガレートである前記(1)記載のミズカビ病防止組
成物。 (5)ポリフェノール類が(+)−カテキン、(+)−
ガロカテキン、(−)−エピカテキンおよび(−)−エ
ピガロカテキンである前記(1)記載のミズカビ病防止
組成物。 (6)ポリフェノール類が(−)−ガロカテキンガレー
ト、(−)−エピカテキンガレート、および(−)−エ
ピガロカテキンガレートである前記(1)記載のミズカ
ビ病防止組成物。 (7)ポリフェノール類が(−)−エピガロカテキンガ
レートである前記(1)記載のミズカビ病防止組成物。 (8)緑茶の熱水抽出物に大豆レシチンまたは卵黄レシ
チンを併用することを特徴とするミズカビ病防止組成
物。 (9)緑茶の熱水抽出物および酵素分解レシチンを含有
することを特徴とするミズカビ病防止組成物。 (10)(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、
(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキ
ン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロ
カテキン、(−)−エピガロカテキンガレートおよびキ
ラヤサポニンを含有することを特徴とするミズカビ病防
止組成物。
【0027】(11)(+)−カテキン、(+)−ガロ
カテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エ
ピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−
エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレート
およびユッカサポニンを含有することを特徴とするミズ
カビ病防止組成物。 (12)(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、
(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキ
ン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロ
カテキン、(−)−エピガロカテキンガレートおよび茶
サポニンを含有することを特徴とするミズカビ病防止組
成物。 (13)ポリフェノール類およびビートサポニンを含有
することを特徴とするミズカビ病防止組成物。 (14)ポリフェノール類およびビートサポニンを含有
することを特徴とするミズカビ病防止組成物。 (15)ポリフェノール類および杜仲茶サポニンを含有
することを特徴とするミズカビ病防止組成物。 (16)ポリフェノール類およびグリセリン脂肪酸エス
テルを含有することを特徴とするミズカビ病防止組成
物。 (17)ポリフェノール類およびポリグリセリン脂肪酸
エステルを含有することを特徴とするミズカビ病防止組
成物。 (18)ポリフェノール類およびショ糖脂肪酸エステル
を含有することを特徴とするミズカビ病防止組成物。 (19)茶の粉末を含有することを特徴とするミズカビ
病防止組成物。 (20)緑茶の抽出残渣を含有することを特徴とするミ
ズカビ病防止組成物。 (21)ミズカビがフハイカビ類、ミズカビ類、フシミ
ズカビ類である前記(1)記載のミズカビ病防止組成
物。
【0028】
【発明の効果】本発明のミズカビ病防止組成物は魚卵や
魚体に発生するミズカビ病を防止する。しかも、その有
効成分が通常われわれが飲用に供している茶の成分であ
ることからその安全性は極めて高く、マラカイトグリー
ン等の毒性が懸念されている状況において本発明品をミ
ズカビ病の防止に使用することは産業上有用であると考
えられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェノール類を含有することを特徴
    とするミズカビ病防止組成物。
  2. 【請求項2】 ポリフェノール類が(+)−カテキン,
    (+)−ガロカテキン,(−)−ガロカテキンガレー
    ト,(−)−エピカテキン,(−)−エピカテキンガレ
    ート,(−)−エピガロカテキン,(−)−エピガロカ
    テキンガレート,遊離型テアフラビン,テアフラビンモ
    ノガレートA,テアフラビンモノガレートBおよびテア
    フラビンジガレートからなる化合物群より選ばれる一種
    または二種以上の成分であることを特徴とする請求項1
    記載のミズカビ病防止組成物。
JP21181794A 1994-08-11 1994-08-11 ミズカビ病防止組成物 Expired - Fee Related JP3698745B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21181794A JP3698745B2 (ja) 1994-08-11 1994-08-11 ミズカビ病防止組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21181794A JP3698745B2 (ja) 1994-08-11 1994-08-11 ミズカビ病防止組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0853353A true JPH0853353A (ja) 1996-02-27
JP3698745B2 JP3698745B2 (ja) 2005-09-21

Family

ID=16612093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21181794A Expired - Fee Related JP3698745B2 (ja) 1994-08-11 1994-08-11 ミズカビ病防止組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3698745B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997044407A1 (en) * 1996-05-23 1997-11-27 Ian Alexander Gilmour Process for extraction of proanthocyanidins from botanical material
US20080075795A1 (en) * 2006-09-20 2008-03-27 Charles Hensley Method and composition for preventing and treating avian influenza in poultry
US7968139B2 (en) * 2000-11-17 2011-06-28 Kao Corporation Packaged beverages
EP2217259A4 (en) * 2007-10-19 2013-09-18 Nat Jewish Health METHODS OF TREATING CONDITIONS WITH DEFICIENCY OF COMPOUNDS CONTAINING A THIOL GROUP
JP2014051514A (ja) * 2007-10-11 2014-03-20 Dainippon Jochugiku Co Ltd 渦巻線香

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014013302A1 (de) * 2014-09-04 2016-03-10 Hochschule Anhalt Wirkstoffzusammensetzung zur Bekämpfung von Pflanzenkrankheiten

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997044407A1 (en) * 1996-05-23 1997-11-27 Ian Alexander Gilmour Process for extraction of proanthocyanidins from botanical material
AU727283B2 (en) * 1996-05-23 2000-12-07 Enzo Nutraceuticals Limited Process for extraction of proanthocyanidins from botanical material
US7968139B2 (en) * 2000-11-17 2011-06-28 Kao Corporation Packaged beverages
US20080075795A1 (en) * 2006-09-20 2008-03-27 Charles Hensley Method and composition for preventing and treating avian influenza in poultry
US8916211B2 (en) 2006-09-20 2014-12-23 Abattis Bioceuticals Corp. Method and composition for preventing and treating avian influenza in poultry
JP2014051514A (ja) * 2007-10-11 2014-03-20 Dainippon Jochugiku Co Ltd 渦巻線香
EP2217259A4 (en) * 2007-10-19 2013-09-18 Nat Jewish Health METHODS OF TREATING CONDITIONS WITH DEFICIENCY OF COMPOUNDS CONTAINING A THIOL GROUP

Also Published As

Publication number Publication date
JP3698745B2 (ja) 2005-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI233353B (en) Therapeutic or preventive agents containing polyphenols
EP1390071A2 (de) Symbiontisches regenerativum
EP2148671B1 (de) Verwendung von fungiziden zur behandlung von fischmykosen
CA2712448A1 (en) Lactylates for the prevention and treatment of infections caused by gram-positive bacteria in animals
Shareef et al. Comparative anti-bacterial activities of Nigella sativa and lincomycin in the gut of broiler chicks
KR101298184B1 (ko) 어류의 세균성 병원균에 대한 항균 조성물
US5618847A (en) Medicinal feed for the systemic treatment of ectoparasitic and ectobacterial diseases of fish
JPH0853353A (ja) ミズカビ病防止組成物
CN106562100A (zh) 一种预防和治疗水产生物疾病的饲料添加剂、水产生物饲料的制备方法和应用
CN116350623A (zh) 表儿茶素没食子酸酯在制备防治鱼类小瓜虫病药物中的应用
KR20070112553A (ko) 천연 식물 추출물을 이용한 수생곰팡이 억제제
Frederick et al. Preliminary Evaluation of Anti Fish Pathogenic Bacteria and Metabolite Profile of Andaliman Fruit (Zanthoxylum acanthopodium DC.) Ethanol Extract
JP4873953B2 (ja) サケ・マス類用寄生虫防除剤
US3152953A (en) Method of killing fish with antimycin
JP3623994B2 (ja) 甲殻類の感染症抑制飼料組成物
CN108434134A (zh) 3,4,8,9,10-五羟基二苯骈[b,d]吡喃-6-酮在制备抗菌药物中的应用
CN109833296A (zh) 可防控新勋恙螨病的植物精油微乳制剂及其制备方法
JP2010526125A (ja) ハイビスカスの新規使用、特に製薬的使用
CN113768970A (zh) 迷迭香提取物在防控多子小瓜虫病药物制备中的应用
JP2535554B2 (ja) 魚類のエドワジエラ感染症の予防及び治療剤
DE60022083T2 (de) Neutralisierungsmittel für toxin der zur gattung clostridium gehörende mikroorganismen
KR101317477B1 (ko) 어류의 세균성 병원균에 대한 서어나무의 항균 조성물
US20080075795A1 (en) Method and composition for preventing and treating avian influenza in poultry
JP3187412B2 (ja) 細菌性魚病の予防及び治療剤
KR20190136199A (ko) 모링가 발효물을 포함하는 드링크 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050614

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050706

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090715

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090715

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100715

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110715

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110715

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130715

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees