JP2915256B2 - カドミウム金属蒸気放電ランプ - Google Patents
カドミウム金属蒸気放電ランプInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カドミウムのイオンの
発光を利用するカドミウム金属蒸気放電ランプ特に紫外
線を利用する光学装置用光源に適したカドミウム金属蒸
気放電ランプに関する。
発光を利用するカドミウム金属蒸気放電ランプ特に紫外
線を利用する光学装置用光源に適したカドミウム金属蒸
気放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】カドミウムを主発光物として用いるカド
ミウム金属蒸気放電ランプ(以下、単にカドミウムラン
プと呼ぶ)は、中性カドミウムからの線スペクトル、例
えば、228.8nmなどの放射波長を利用するものが
ある。近年、光化学産業分野、半導体デバイスの製造分
野などの進展に伴い工業的に利用される光の波長は、次
第に短波長になっている。しかし、カドミウムからの発
光波長228.8nmの共鳴線を利用するカドミウムラ
ンプでは、カドミウムからの強い光を得るために動作時
のカドミウム分圧を高くすると、自己吸収現象を生じ充
分な光強度が得られない。一方、自己吸収現象を避ける
ために動作時の分圧を下げると発光種の減少により、や
はり工業的に充分な光強度が得られないという問題があ
る。この問題を解決する手段として、カドミウムのイオ
ンからの発光を利用するカドミウムランプが研究されて
いる。このカドミウムランプは従来のカドミウムランプ
に比べて非常に高密度のカドミウムイオンを利用するあ
ものであった。
ミウム金属蒸気放電ランプ(以下、単にカドミウムラン
プと呼ぶ)は、中性カドミウムからの線スペクトル、例
えば、228.8nmなどの放射波長を利用するものが
ある。近年、光化学産業分野、半導体デバイスの製造分
野などの進展に伴い工業的に利用される光の波長は、次
第に短波長になっている。しかし、カドミウムからの発
光波長228.8nmの共鳴線を利用するカドミウムラ
ンプでは、カドミウムからの強い光を得るために動作時
のカドミウム分圧を高くすると、自己吸収現象を生じ充
分な光強度が得られない。一方、自己吸収現象を避ける
ために動作時の分圧を下げると発光種の減少により、や
はり工業的に充分な光強度が得られないという問題があ
る。この問題を解決する手段として、カドミウムのイオ
ンからの発光を利用するカドミウムランプが研究されて
いる。このカドミウムランプは従来のカドミウムランプ
に比べて非常に高密度のカドミウムイオンを利用するあ
ものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、工業的
にも充分な強度の短波長光を放射するようなカドミウム
イオンを利用するカドミウムランプにおいては、バルブ
中に従来のカドミウムランプにはない高密度のカドミウ
ムイオンを生成せしめる必要があるため、カドミウムイ
オンを利用するカドミウムランプの場合新たな特有の問
題が生じる。この問題とは、点灯中比較的短い時間にバ
ルブ内面に曇りが生じるということである。いわゆる、
失透現象が生じるということである。この結果、比較的
短いランプ使用時間で必要な十分な光が取り出せなくな
る。
にも充分な強度の短波長光を放射するようなカドミウム
イオンを利用するカドミウムランプにおいては、バルブ
中に従来のカドミウムランプにはない高密度のカドミウ
ムイオンを生成せしめる必要があるため、カドミウムイ
オンを利用するカドミウムランプの場合新たな特有の問
題が生じる。この問題とは、点灯中比較的短い時間にバ
ルブ内面に曇りが生じるということである。いわゆる、
失透現象が生じるということである。この結果、比較的
短いランプ使用時間で必要な十分な光が取り出せなくな
る。
【0004】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであって、その目的は、カドミウムイオ
ンを利用するカドミウムランプに特有のバルブ内面の失
透を防ぐことにより、産業に利用される200nm〜2
50nmの発光を充分長時間にわたって取り出せるカド
ミウム金属蒸気放電ランプを提供することにある。
になされたものであって、その目的は、カドミウムイオ
ンを利用するカドミウムランプに特有のバルブ内面の失
透を防ぐことにより、産業に利用される200nm〜2
50nmの発光を充分長時間にわたって取り出せるカド
ミウム金属蒸気放電ランプを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 この発明のカドミウム
金属蒸気放電ランプは、主発光成分としてのカドミウム
のイオン線を利用するショートアークランプであって、
2原子分子のハロゲンに換算して発光管内容積当たり
4.5×10-10mol/cm3〜2.1×10-7mol
/cm3のハロゲンを封入することを特徴とする。さら
に良好には、ハロゲンをヨウ素に指定することを特徴と
する。
金属蒸気放電ランプは、主発光成分としてのカドミウム
のイオン線を利用するショートアークランプであって、
2原子分子のハロゲンに換算して発光管内容積当たり
4.5×10-10mol/cm3〜2.1×10-7mol
/cm3のハロゲンを封入することを特徴とする。さら
に良好には、ハロゲンをヨウ素に指定することを特徴と
する。
【0006】
【作用】カドミウムランプの点灯に伴いアーク内でカド
ミウムイオンおよび高いエネルギーを持ったカドミウム
原子が多量に生成される。ハロゲンを封入しない場合
は、これらのカドミウムイオン或いは高エネルギーのカ
ドミウム原子は直接バルブ内面に到達し、バルブ内面と
反応を起こし、バルブの透過率を低下させる、いわゆ
る、失透現象を生じさせる。一方、ハロゲンを封入した
場合は、アーク内で生成されたカドミウムイオン及び高
いエネルギーを持ったカドミウム原子は、ハロゲンの原
子或いは分子と衝突し、直接バルブ内面に到達するもの
の数は十分に低減される。
ミウムイオンおよび高いエネルギーを持ったカドミウム
原子が多量に生成される。ハロゲンを封入しない場合
は、これらのカドミウムイオン或いは高エネルギーのカ
ドミウム原子は直接バルブ内面に到達し、バルブ内面と
反応を起こし、バルブの透過率を低下させる、いわゆ
る、失透現象を生じさせる。一方、ハロゲンを封入した
場合は、アーク内で生成されたカドミウムイオン及び高
いエネルギーを持ったカドミウム原子は、ハロゲンの原
子或いは分子と衝突し、直接バルブ内面に到達するもの
の数は十分に低減される。
【0007】しかし、発明者の実験によれば、封入する
ハロゲンの量を4.5×10-10 mol/cm3 未満に
すると、前述した失透現象の防止効果が十分に得られな
い。また、4.5×10-10 mol/cm3 以上のハロ
ゲン量を封入した場合は、失透現象には十分な防止効果
を示す。しかし、さらに、ハロゲン量を増やして2.1
×10-7mol/cm3 を越えると、今度はハロゲンの
光吸収により、主としてカドミウムイオンの発光による
200nm〜250nmの波長域の光強度が弱まる。従
って、4.5×10-10 mol/cm3 〜2.1×10
-7mol/cm3 の量のハロゲンを封入すると、バルブ
内面と反応するカドミウムイオン及び高いエネルギーを
持ったカドミウム原子の個数が減るので、バルブ内面の
いわゆる失透が生じにくくなり、かつ、ハロゲンによる
光の吸収が少ないため、大きな強度の光が長時間にわた
って取り出せることを見出した。
ハロゲンの量を4.5×10-10 mol/cm3 未満に
すると、前述した失透現象の防止効果が十分に得られな
い。また、4.5×10-10 mol/cm3 以上のハロ
ゲン量を封入した場合は、失透現象には十分な防止効果
を示す。しかし、さらに、ハロゲン量を増やして2.1
×10-7mol/cm3 を越えると、今度はハロゲンの
光吸収により、主としてカドミウムイオンの発光による
200nm〜250nmの波長域の光強度が弱まる。従
って、4.5×10-10 mol/cm3 〜2.1×10
-7mol/cm3 の量のハロゲンを封入すると、バルブ
内面と反応するカドミウムイオン及び高いエネルギーを
持ったカドミウム原子の個数が減るので、バルブ内面の
いわゆる失透が生じにくくなり、かつ、ハロゲンによる
光の吸収が少ないため、大きな強度の光が長時間にわた
って取り出せることを見出した。
【0008】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明す
る。図1は、本発明のカドミウムランプの第1実施例の
説明用断面図である。1は石英ガラス製発光管である。
中央部は大略球状をしており、その最大部分の内径は1
7mmで、陽極2と陰極3とが距離3mmを隔ててお互
いに対向するように配置されている。陽極2と陰極3の
基端部はそれぞれ封止部6内に気密に封止された金属箔
5に接続され、各々の金属箔5は外部リード棒4に接続
されている。上記構造のランプにおいて、発光管1の中
には始動用希ガスとして、アルゴンが100kPa、金
属カドミウムが9.0×10-6mol/cm3 封入さ
れ、ハロゲンとして、ヨウ素が3.0×10-8mol/
cm3 封入されている。封入するヨウ素であるハロゲン
はハロゲン分子単体でも良いし、或いは、ハロゲン化カ
ドミウム、ハロゲン化水銀の様なハロゲン化金属の形で
封入してもよい。
る。図1は、本発明のカドミウムランプの第1実施例の
説明用断面図である。1は石英ガラス製発光管である。
中央部は大略球状をしており、その最大部分の内径は1
7mmで、陽極2と陰極3とが距離3mmを隔ててお互
いに対向するように配置されている。陽極2と陰極3の
基端部はそれぞれ封止部6内に気密に封止された金属箔
5に接続され、各々の金属箔5は外部リード棒4に接続
されている。上記構造のランプにおいて、発光管1の中
には始動用希ガスとして、アルゴンが100kPa、金
属カドミウムが9.0×10-6mol/cm3 封入さ
れ、ハロゲンとして、ヨウ素が3.0×10-8mol/
cm3 封入されている。封入するヨウ素であるハロゲン
はハロゲン分子単体でも良いし、或いは、ハロゲン化カ
ドミウム、ハロゲン化水銀の様なハロゲン化金属の形で
封入してもよい。
【0009】〔実験1〕第1実施例と同様のランプ構造
で本発明の必須要件を満たす量のヨウ素を封入したカド
ミウムランプと、本発明の必須要件から外れた量のヨウ
素を封入したカドミウムランプと、ヨウ素を含まないカ
ドミウムランプとの3種類のランプを製作して、発光強
度維持率の比較実験を行った。実験結果を図2に示す。
図2は、上記3種類のカドミウムランプの各々に対し
て、200nm〜250nmの波長域の放射光を各時刻
で測定し、それぞれのカドミウムランプの光強度維持率
の変化を比較したデータの説明図である。縦軸は初期点
灯時の光強度を100としたときの相対光強度(相対
値)、横軸は点灯時間(時間)である。図中、曲線A
は、第1実施例のカドミウムランプについてのデータを
示す。曲線Bは、第1実施例と同様のランプ構造で3.
0×10-10 mol/cm3の量のヨウ素を封入したカ
ドミウムランプについてのデータを示す。曲線Cは、第
1実施例と同様のランプ構造でヨウ素を封入していない
カドミウムランプについてのデータを示す。
で本発明の必須要件を満たす量のヨウ素を封入したカド
ミウムランプと、本発明の必須要件から外れた量のヨウ
素を封入したカドミウムランプと、ヨウ素を含まないカ
ドミウムランプとの3種類のランプを製作して、発光強
度維持率の比較実験を行った。実験結果を図2に示す。
図2は、上記3種類のカドミウムランプの各々に対し
て、200nm〜250nmの波長域の放射光を各時刻
で測定し、それぞれのカドミウムランプの光強度維持率
の変化を比較したデータの説明図である。縦軸は初期点
灯時の光強度を100としたときの相対光強度(相対
値)、横軸は点灯時間(時間)である。図中、曲線A
は、第1実施例のカドミウムランプについてのデータを
示す。曲線Bは、第1実施例と同様のランプ構造で3.
0×10-10 mol/cm3の量のヨウ素を封入したカ
ドミウムランプについてのデータを示す。曲線Cは、第
1実施例と同様のランプ構造でヨウ素を封入していない
カドミウムランプについてのデータを示す。
【0010】図2から明らかなように、曲線Cで示され
ているヨウ素を封入しないカドミウムランプは、点灯後
800時間内に失透によって初期光強度の70%以下に
低下した。一方、曲線Bで示されている3.0×10
-10 mol/cm3 の量のヨウ素を封入したカドミウム
ランプは、点灯後1500時間内に失透によって初期光
強度の70%以下に低下した。しかし、曲線Aで示され
ている第1実施例のカドミウムランプは、1500時間
以上点灯した後も、初期光強度の95%以上の光強度を
保っていることが分かる。このようなことから、カドミ
ウムランプは少なくとも3.0×10-10 mol/cm
3 の量のヨウ素を封入すると、長時間点灯した場合、ヨ
ウ素を封入しないカドミウムランプと比較して、失透現
象による光強度の減少をある程度抑えられること分かっ
た。さらに、良好には、本発明の必須要件を満たす3.
0×10-8mol/cm3 の量のヨウ素を封入すると失
透現象を十分に防止することができ、初期点灯時の光強
度を長時間維持できることを見出した。
ているヨウ素を封入しないカドミウムランプは、点灯後
800時間内に失透によって初期光強度の70%以下に
低下した。一方、曲線Bで示されている3.0×10
-10 mol/cm3 の量のヨウ素を封入したカドミウム
ランプは、点灯後1500時間内に失透によって初期光
強度の70%以下に低下した。しかし、曲線Aで示され
ている第1実施例のカドミウムランプは、1500時間
以上点灯した後も、初期光強度の95%以上の光強度を
保っていることが分かる。このようなことから、カドミ
ウムランプは少なくとも3.0×10-10 mol/cm
3 の量のヨウ素を封入すると、長時間点灯した場合、ヨ
ウ素を封入しないカドミウムランプと比較して、失透現
象による光強度の減少をある程度抑えられること分かっ
た。さらに、良好には、本発明の必須要件を満たす3.
0×10-8mol/cm3 の量のヨウ素を封入すると失
透現象を十分に防止することができ、初期点灯時の光強
度を長時間維持できることを見出した。
【0011】〔実験2〕次に、第1実施例と同様のラン
プ構造のカドミウムランプを用いて、このカドミウムラ
ンプに封入するハロゲンであるヨウ素の量を変えて初期
光強度の変化を調べる実験を行った。実験結果を図3に
示す。図3は封入ヨウ素量と初期相対光強度の関係のデ
ータの説明図である。そして、図3は、縦軸にハロゲン
を封入しない場合の初期点灯時の光強度を100とした
ときの初期相対光強度(相対値)、横軸に封入するハロ
ゲンの量(mol/cm3 )を示している。この図3か
ら明らかなように、初期光強度は封入するヨウ素の量を
多くすると減少し、ヨウ素量2.1×10-7mol/c
m3 でヨウ素を封入しないカドミウムランプの80%に
低下する。そして、ヨウ素量2.1×10-7mol/c
m3以上のヨウ素を封入すると、前述したハロゲンであ
るヨウ素自身の光吸収現象が顕著に現れ、光強度が著し
く低下する。この結果、封入するヨウ素量は、2.1×
10-7mol/cm3 以下であることが望ましい。
プ構造のカドミウムランプを用いて、このカドミウムラ
ンプに封入するハロゲンであるヨウ素の量を変えて初期
光強度の変化を調べる実験を行った。実験結果を図3に
示す。図3は封入ヨウ素量と初期相対光強度の関係のデ
ータの説明図である。そして、図3は、縦軸にハロゲン
を封入しない場合の初期点灯時の光強度を100とした
ときの初期相対光強度(相対値)、横軸に封入するハロ
ゲンの量(mol/cm3 )を示している。この図3か
ら明らかなように、初期光強度は封入するヨウ素の量を
多くすると減少し、ヨウ素量2.1×10-7mol/c
m3 でヨウ素を封入しないカドミウムランプの80%に
低下する。そして、ヨウ素量2.1×10-7mol/c
m3以上のヨウ素を封入すると、前述したハロゲンであ
るヨウ素自身の光吸収現象が顕著に現れ、光強度が著し
く低下する。この結果、封入するヨウ素量は、2.1×
10-7mol/cm3 以下であることが望ましい。
【0012】〔実験3〕更に、第1実施例と同様のラン
プ構造のカドミウムランプを用いて、このカドミウムラ
ンプに封入するハロゲンであるヨウ素の量を変え、15
00時間点灯後の光強度の維持率を調べる実験を行っ
た。図4は封入ヨウ素量と1500時間点灯後の相対維
持率の関係のデータの説明図である。そして、図4は、
縦軸に1500時間点灯後の相対維持率(%)、横軸に
封入するハロゲンの量(mol/cm3 )を示してい
る。この図4から明らかなように、1500時間点灯後
の相対維持率は、封入するヨウ素の量を少なくすると低
下し、ヨウ素量4.5×10- 10mol/cm3 で相対
維持率が80%になる。そして、ヨウ素量4.5×10
-10 mol/cm3以下では、相対維持率の低下が著し
く現れる。すなわち、十分な失透防止効果が得られな
い。この結果、封入するヨウ素量は、4.5×10-10
mol/cm3以上であることが望ましい。
プ構造のカドミウムランプを用いて、このカドミウムラ
ンプに封入するハロゲンであるヨウ素の量を変え、15
00時間点灯後の光強度の維持率を調べる実験を行っ
た。図4は封入ヨウ素量と1500時間点灯後の相対維
持率の関係のデータの説明図である。そして、図4は、
縦軸に1500時間点灯後の相対維持率(%)、横軸に
封入するハロゲンの量(mol/cm3 )を示してい
る。この図4から明らかなように、1500時間点灯後
の相対維持率は、封入するヨウ素の量を少なくすると低
下し、ヨウ素量4.5×10- 10mol/cm3 で相対
維持率が80%になる。そして、ヨウ素量4.5×10
-10 mol/cm3以下では、相対維持率の低下が著し
く現れる。すなわち、十分な失透防止効果が得られな
い。この結果、封入するヨウ素量は、4.5×10-10
mol/cm3以上であることが望ましい。
【0013】次に説明する本発明の第2実施例のカドミ
ウムランプは、封入するハロゲンをヨウ素以外の臭素を
用いたものである。なお、この第2実施例で用いたカド
ミウムランプの構造は、第1実施例と同様である。ま
た、封入する臭素量を第1実施例と同様の3.0×10
-8mol/cm3 とした。この第2実施例のカドミウム
ランプを用いて実験1と実験2を行った。実験1,実験
2の各々の実験結果は、ヨウ素と同様の結果を得ること
ができ、ヨウ素、臭素のハロゲンの違いによる差は見ら
れなかった。
ウムランプは、封入するハロゲンをヨウ素以外の臭素を
用いたものである。なお、この第2実施例で用いたカド
ミウムランプの構造は、第1実施例と同様である。ま
た、封入する臭素量を第1実施例と同様の3.0×10
-8mol/cm3 とした。この第2実施例のカドミウム
ランプを用いて実験1と実験2を行った。実験1,実験
2の各々の実験結果は、ヨウ素と同様の結果を得ること
ができ、ヨウ素、臭素のハロゲンの違いによる差は見ら
れなかった。
【0014】〔実験4〕 次に、第1実施例のカドミウムランプと第2実施例のカ
ドミウムランプを用いて、点灯時間の経過に伴う平均電
圧の振れ幅の割合を実験した。なお、第1実施例のカド
ミウムランプには、ヨウ素が3.0×10−8mol/
cm3されている。また、第2実施例のカドミウムラン
プには、臭素が3.0×10−8mol/cm3されて
いる。実験結果を図5に示す。図5は点灯時間と平均電
圧に対する電圧の振れ幅の割合のデータの説明図であ
る。縦軸は、対数目盛りであって、平均電圧に対する振
れ幅(%)、横軸は点灯時間(時間)である。電圧の触
れ幅は、任意の時間点灯したランプを、測定のため10
分間連続点灯して、その変動を調べることによって行っ
た。この変動率は以下の式のようにして求めた。 〔2(最大値−最小値)/(最大値+最小値)〕×100(%) 即ち、この式の意味するところは、最大値と最小値の差
を最大値と最小値の和の1/2、つまり平均値で割った
ものを100倍し百分率(%)で表示したものである。
図5から明らかなように、点灯初期においてはそれぞれ
のカドミウムランプに明白な差は見られなかった。10
00時間経過した時点ではヨウ素を封入した第1実施例
のカドミウムランプに対応する曲線aは、平均電圧に対
する振れ幅の割合が0.02%となり、第2実施例のカ
ドミウムランプに対応する曲線bのそれは0.04%で
あった。同様に1500時間では、曲線aは0.02%
に対し、曲線bは0.14%になる。さらに、同様に2
000時間では、曲線aは0.03%に対し、曲線bは
5%にもなる。曲線bのようなカドミウムランプ、即
ち、臭素を封入したカドミウムランプを一定入力で点灯
させるには電源にフィードバック回路を設けるなどの工
夫をすれば良いだけである。他方、曲線aのようなカド
ミウムランプ、即ち、ヨウ素を封入したカドミウムラン
プであれば、平均電圧に対する振れ幅の割合は小さくか
つ時間変化も少ないため電源に特別の工夫を必要としな
い。
ドミウムランプを用いて、点灯時間の経過に伴う平均電
圧の振れ幅の割合を実験した。なお、第1実施例のカド
ミウムランプには、ヨウ素が3.0×10−8mol/
cm3されている。また、第2実施例のカドミウムラン
プには、臭素が3.0×10−8mol/cm3されて
いる。実験結果を図5に示す。図5は点灯時間と平均電
圧に対する電圧の振れ幅の割合のデータの説明図であ
る。縦軸は、対数目盛りであって、平均電圧に対する振
れ幅(%)、横軸は点灯時間(時間)である。電圧の触
れ幅は、任意の時間点灯したランプを、測定のため10
分間連続点灯して、その変動を調べることによって行っ
た。この変動率は以下の式のようにして求めた。 〔2(最大値−最小値)/(最大値+最小値)〕×100(%) 即ち、この式の意味するところは、最大値と最小値の差
を最大値と最小値の和の1/2、つまり平均値で割った
ものを100倍し百分率(%)で表示したものである。
図5から明らかなように、点灯初期においてはそれぞれ
のカドミウムランプに明白な差は見られなかった。10
00時間経過した時点ではヨウ素を封入した第1実施例
のカドミウムランプに対応する曲線aは、平均電圧に対
する振れ幅の割合が0.02%となり、第2実施例のカ
ドミウムランプに対応する曲線bのそれは0.04%で
あった。同様に1500時間では、曲線aは0.02%
に対し、曲線bは0.14%になる。さらに、同様に2
000時間では、曲線aは0.03%に対し、曲線bは
5%にもなる。曲線bのようなカドミウムランプ、即
ち、臭素を封入したカドミウムランプを一定入力で点灯
させるには電源にフィードバック回路を設けるなどの工
夫をすれば良いだけである。他方、曲線aのようなカド
ミウムランプ、即ち、ヨウ素を封入したカドミウムラン
プであれば、平均電圧に対する振れ幅の割合は小さくか
つ時間変化も少ないため電源に特別の工夫を必要としな
い。
【0015】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
カドミウムランプに2原子分子に換算して4.5×10
-10 mol/cm3 〜2.1×10-7mol/cm3 の
ハロゲンを封入することよって、バルブの内面に失透が
生じにくくなり、かつ、ハロゲンによる光の吸収が少な
くできる。この結果、大きな強度の光が長時間にわった
て取り出せる。従って、近年の光化学産業、半導体デバ
イスの製造などの分野からの要求に応えることができ
る。
カドミウムランプに2原子分子に換算して4.5×10
-10 mol/cm3 〜2.1×10-7mol/cm3 の
ハロゲンを封入することよって、バルブの内面に失透が
生じにくくなり、かつ、ハロゲンによる光の吸収が少な
くできる。この結果、大きな強度の光が長時間にわった
て取り出せる。従って、近年の光化学産業、半導体デバ
イスの製造などの分野からの要求に応えることができ
る。
【図1】本発明に係わるカドミウムランプの一実施例の
説明用断面図である。
説明用断面図である。
【図2】3種類のカドミウムランプの各々に対して、2
00nm〜250nmの波長域の発光を各時刻で測定
し、それぞれのカドミウムランプの光強度維持率の変化
を比較したデータの説明図である。
00nm〜250nmの波長域の発光を各時刻で測定
し、それぞれのカドミウムランプの光強度維持率の変化
を比較したデータの説明図である。
【図3】封入ヨウ素量と初期相対光強度の関係のデータ
の説明図である。
の説明図である。
【図4】封入ヨウ素量と1500時間点灯後の光強度の
相対維持率の関係のデータの説明図である。
相対維持率の関係のデータの説明図である。
【図5】点灯時間と平均電圧に対する振れ幅の割合のデ
ータの説明図である。
ータの説明図である。
1 発光管 2 陽極 3 陰極 4 外部リード棒 5 金属箔 6 封止部
フロントページの続き 審査官 下中 義之 (56)参考文献 特開 昭55−91555(JP,A) 特開 平5−135740(JP,A) 特開 平1−161655(JP,A) 特開 昭55−91554(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 61/18 H01J 61/86
Claims (2)
- 【請求項1】 主発光成分としてのカドミウムのイオン
線を利用するショートアークランプであって、2原子分
子のハロゲンに換算して発光管内容積当たり4.5×1
0-10mol/cm3〜2.1×10-7mol/cm3の
ハロゲンを封入することを特徴とするカドミウム金属蒸
気放電ランプ。 - 【請求項2】 主発光成分としてのカドミウムのイオン
線を利用するショートアークランプであって、2原子分
子のハロゲンに換算して発光管内容積当たり4.5×1
0-10mol/cm3〜2.1×10-7mol/cm3の
ヨウ素を封入することを特徴とするカドミウム金属蒸気
放電ランプ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5225069A JP2915256B2 (ja) | 1993-08-19 | 1993-08-19 | カドミウム金属蒸気放電ランプ |
DE69402641T DE69402641T2 (de) | 1993-08-03 | 1994-07-27 | Cadmiumentladungslampe |
EP94111734A EP0641015B1 (en) | 1993-08-03 | 1994-07-27 | Cadmium discharge lamp |
US08/282,267 US5541481A (en) | 1993-08-03 | 1994-07-29 | Cadmium ARC lamp with improved UV emission |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5225069A JP2915256B2 (ja) | 1993-08-19 | 1993-08-19 | カドミウム金属蒸気放電ランプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0757693A JPH0757693A (ja) | 1995-03-03 |
JP2915256B2 true JP2915256B2 (ja) | 1999-07-05 |
Family
ID=16823550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5225069A Expired - Fee Related JP2915256B2 (ja) | 1993-08-03 | 1993-08-19 | カドミウム金属蒸気放電ランプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2915256B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5591555A (en) * | 1978-12-28 | 1980-07-11 | Mitsubishi Electric Corp | High-pressure metal vapor discharge lamp |
-
1993
- 1993-08-19 JP JP5225069A patent/JP2915256B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0757693A (ja) | 1995-03-03 |
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