JP2914452B2 - マイクロカプセル及びその製造方法 - Google Patents
マイクロカプセル及びその製造方法Info
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- JP2914452B2 JP2914452B2 JP1253893A JP25389389A JP2914452B2 JP 2914452 B2 JP2914452 B2 JP 2914452B2 JP 1253893 A JP1253893 A JP 1253893A JP 25389389 A JP25389389 A JP 25389389A JP 2914452 B2 JP2914452 B2 JP 2914452B2
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- polyvinyl alcohol
- substance
- aqueous solution
- microcapsules
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J13/00—Colloid chemistry, e.g. the production of colloidal materials or their solutions, not otherwise provided for; Making microcapsules or microballoons
- B01J13/02—Making microcapsules or microballoons
- B01J13/04—Making microcapsules or microballoons by physical processes, e.g. drying, spraying
- B01J13/043—Drying and spraying
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
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- B01J13/02—Making microcapsules or microballoons
- B01J13/06—Making microcapsules or microballoons by phase separation
- B01J13/14—Polymerisation; cross-linking
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、マイクロカプセル及びその製造方法に関す
るものであり、詳しくは、ポリビニルアルコールを壁膜
とするマイクロカプセル及びその製造方法に関するもの
である。
るものであり、詳しくは、ポリビニルアルコールを壁膜
とするマイクロカプセル及びその製造方法に関するもの
である。
[従来の技術] 近時、マイクロカプセル化技術は、目覚ましい進歩を
遂げており、その応用分野の代表的なものとして感圧複
写紙が挙げられる。又、電子写真用トナー、接着剤、医
薬品、化粧品、農薬、液晶、香料、食品等を内包させた
マイクロカプセルの利用についても身近にみることがで
き、その利用分野は、多岐多様である。
遂げており、その応用分野の代表的なものとして感圧複
写紙が挙げられる。又、電子写真用トナー、接着剤、医
薬品、化粧品、農薬、液晶、香料、食品等を内包させた
マイクロカプセルの利用についても身近にみることがで
き、その利用分野は、多岐多様である。
マイクロカプセルの製造方法は、物理化学的製造方法
として、複合コアセルベーション法(USP2730456号、同
2730457等)液中硬化法(特公昭48−16183号、特開昭52
−117282号等)、化学的製造方法として、界面重合法
(特公昭42−446号、同42−11344号、同45−20885号、
同49−34302号等)、in−situ重合法(特公昭44−137
9、同46−30282号、同54−16949号、同58−55812号、同
59−35258号等)、機械による製造方法として、噴霧乾
燥法(特開昭56−64349号、同59−162943号等)が挙げ
られる。
として、複合コアセルベーション法(USP2730456号、同
2730457等)液中硬化法(特公昭48−16183号、特開昭52
−117282号等)、化学的製造方法として、界面重合法
(特公昭42−446号、同42−11344号、同45−20885号、
同49−34302号等)、in−situ重合法(特公昭44−137
9、同46−30282号、同54−16949号、同58−55812号、同
59−35258号等)、機械による製造方法として、噴霧乾
燥法(特開昭56−64349号、同59−162943号等)が挙げ
られる。
[発明が解決しようとする課題] 上記の各種マイクロカプセルの製造方法には、ポリビ
ニルアルコール系重合体を壁膜とするマイクロカプセル
の製造方法がある。例えば、液−液相分離法(コアセル
ベーション法)として、特開昭55−15681号、同56−100
630号を挙げることができる。特開昭55−15681号では、
曇点を有するポリビニルアルコール系重合体水溶液中
に、実質的に水不溶性のカプセル芯物質を分散させ、系
全体の温度をポリビニルアルコール系重合体水溶液の曇
点以上に高めることによってポリビニルアルコール系重
合体の濃厚水溶液を前記芯物質の周囲に分離相として出
現せしめ、上記カプセル芯物質を包み込んで水で膨潤し
たポリビニルアルコール系重合体の壁を有するカプセル
壁を形成し、次いで該カプレス壁を硬化させる方法を挙
げている。又、同56−100630号では、特開昭55−15681
号に加えて、硬化剤成分AおよびB(酸およびジアルデ
ヒド化合物)を用いた方法を挙げている。これらは、い
ずれもポリビニルアルコール系重合体水溶液自体が該水
溶液の曇点以上の温度で液−液相分離するという現象を
利用するものである。このように、カプセルの製造工程
では曇点以上の温度に高めることと、壁膜の硬化に、硬
化剤を必要とすること等煩雑さがある。
ニルアルコール系重合体を壁膜とするマイクロカプセル
の製造方法がある。例えば、液−液相分離法(コアセル
ベーション法)として、特開昭55−15681号、同56−100
630号を挙げることができる。特開昭55−15681号では、
曇点を有するポリビニルアルコール系重合体水溶液中
に、実質的に水不溶性のカプセル芯物質を分散させ、系
全体の温度をポリビニルアルコール系重合体水溶液の曇
点以上に高めることによってポリビニルアルコール系重
合体の濃厚水溶液を前記芯物質の周囲に分離相として出
現せしめ、上記カプセル芯物質を包み込んで水で膨潤し
たポリビニルアルコール系重合体の壁を有するカプセル
壁を形成し、次いで該カプレス壁を硬化させる方法を挙
げている。又、同56−100630号では、特開昭55−15681
号に加えて、硬化剤成分AおよびB(酸およびジアルデ
ヒド化合物)を用いた方法を挙げている。これらは、い
ずれもポリビニルアルコール系重合体水溶液自体が該水
溶液の曇点以上の温度で液−液相分離するという現象を
利用するものである。このように、カプセルの製造工程
では曇点以上の温度に高めることと、壁膜の硬化に、硬
化剤を必要とすること等煩雑さがある。
又、特開昭63−252543号では、含水の親水性物質をポ
リビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールで
被覆してなる水溶性マイクロカプセルを挙げている。こ
れは、液中硬化法や噴霧乾燥法により水溶性マイクロカ
プセルを製造する方法であり。ホウ酸等の架橋剤を用い
て皮膜を形成させるが、形成されたマイクロカプセルの
壁膜は水に溶解することができる。ここでは、壁膜が、
水に溶解することを特徴とするものであり、壁膜を不溶
化させるものではない。
リビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールで
被覆してなる水溶性マイクロカプセルを挙げている。こ
れは、液中硬化法や噴霧乾燥法により水溶性マイクロカ
プセルを製造する方法であり。ホウ酸等の架橋剤を用い
て皮膜を形成させるが、形成されたマイクロカプセルの
壁膜は水に溶解することができる。ここでは、壁膜が、
水に溶解することを特徴とするものであり、壁膜を不溶
化させるものではない。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、鋭意研究を行なった結果、ポリビニルア
ルコールを壁膜とするマイクロカプセル及びその製造方
法を提供するものである。
ルコールを壁膜とするマイクロカプセル及びその製造方
法を提供するものである。
本発明によって提供されるマイクロカプセルは、ポリ
ビニルアルコール及び/又はその誘導体と塩化ジルコニ
ウムからなる混合物にアルカリ処理して不溶化させたも
のを壁膜として芯物質を内包するマイクロカプセルを特
徴とするものである。
ビニルアルコール及び/又はその誘導体と塩化ジルコニ
ウムからなる混合物にアルカリ処理して不溶化させたも
のを壁膜として芯物質を内包するマイクロカプセルを特
徴とするものである。
本発明によって提供されるマイクロカプセルの製造方
法は、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体と塩
化ジルコニウムからなる混合物の水溶液に芯物質を乳化
又は分散させて、該乳化物又は分散物を、アルカリ雰囲
気中で噴霧乾燥、又はアルカリ水溶液中に滴下させてな
るマイクロカプセルの製造方法を特徴とするものであ
る。
法は、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体と塩
化ジルコニウムからなる混合物の水溶液に芯物質を乳化
又は分散させて、該乳化物又は分散物を、アルカリ雰囲
気中で噴霧乾燥、又はアルカリ水溶液中に滴下させてな
るマイクロカプセルの製造方法を特徴とするものであ
る。
又、本発明によって提供されるマイクロカプセルの製
造方法は、オリフィス法を用いたマイクロカプセルの製
造方法において、二重同心円ノズルの内側に芯物質を、
その外側にポリビニルアルコール及び/又はその誘導体
と塩化ジルコニウムからなる混合物の水溶液を充填し、
内側の該芯物質及び外側の該混合液を同時にアルカリ雰
囲気中に噴霧して乾燥、又はアルカリ水溶液中に滴下さ
せてなるマイクロカプセルの製造方法を特徴とするもの
である。
造方法は、オリフィス法を用いたマイクロカプセルの製
造方法において、二重同心円ノズルの内側に芯物質を、
その外側にポリビニルアルコール及び/又はその誘導体
と塩化ジルコニウムからなる混合物の水溶液を充填し、
内側の該芯物質及び外側の該混合液を同時にアルカリ雰
囲気中に噴霧して乾燥、又はアルカリ水溶液中に滴下さ
せてなるマイクロカプセルの製造方法を特徴とするもの
である。
ここで、本発明の該芯物質は、水、親水性物質又はそ
の水溶液、疎水性物質又はその疎水性溶液から選ばれた
ものの少なくとも一種であることを特徴とするものであ
る。
の水溶液、疎水性物質又はその疎水性溶液から選ばれた
ものの少なくとも一種であることを特徴とするものであ
る。
以下、本発明について、具体的に説明する。
本発明のマイクロカプセルは、ポリビニルアルコール
を壁膜とするものである。その製造方法は、ポリビニル
アルコール及び/又はその誘導体と塩化ジルコニウムか
らなる水溶性混合物に芯物質を内包させて後、アルカリ
処理するものである。得られたポリビニルアルコール壁
膜は、不溶化して、耐熱性、耐水性、透明性を有する壁
膜となり、マイクロカプセルとしての機能を十分に満た
すものである。ポリビニルアルコールの不溶化について
は、ジルコニウムイオンに依存するものである。
を壁膜とするものである。その製造方法は、ポリビニル
アルコール及び/又はその誘導体と塩化ジルコニウムか
らなる水溶性混合物に芯物質を内包させて後、アルカリ
処理するものである。得られたポリビニルアルコール壁
膜は、不溶化して、耐熱性、耐水性、透明性を有する壁
膜となり、マイクロカプセルとしての機能を十分に満た
すものである。ポリビニルアルコールの不溶化について
は、ジルコニウムイオンに依存するものである。
ジルコニウムイオンは、配位数8(最大)で反応性に
富み、水酸基、カルボキシル基、アミン基等の官能基と
キレート結合し、熱処理により不活性物質を生成するこ
とが知られている。ポリビニルアルコールに塩化ジルコ
ニウムを混合する時、ポリビニルアルコールの持つ親水
基とジルコニウムイオンが安定な錯化合物を形成し、ア
ルカリ処理、乾燥することによりジルコニウムがポリビ
ニルアルコール分子間の架橋剤として働き、架橋構造を
形成する。更に、ジルコニウムイオンは、酸素原子を通
してポリビニルアルコールの炭素原子と結合して、不溶
化による耐熱性、耐水性、透明性の機能を発揮するもの
と考えられる。
富み、水酸基、カルボキシル基、アミン基等の官能基と
キレート結合し、熱処理により不活性物質を生成するこ
とが知られている。ポリビニルアルコールに塩化ジルコ
ニウムを混合する時、ポリビニルアルコールの持つ親水
基とジルコニウムイオンが安定な錯化合物を形成し、ア
ルカリ処理、乾燥することによりジルコニウムがポリビ
ニルアルコール分子間の架橋剤として働き、架橋構造を
形成する。更に、ジルコニウムイオンは、酸素原子を通
してポリビニルアルコールの炭素原子と結合して、不溶
化による耐熱性、耐水性、透明性の機能を発揮するもの
と考えられる。
本発明では、内包させる芯物質は、例えば、染顔料、
水、有機溶剤、医薬品、食品、香料、農薬、接着剤、酵
素等が挙げられ、親水性物質又はその水溶液、疎水性物
質又はその疎水性溶液のいずれでもよく、芯物質の種類
に応じて適宜マイクロカプセルの製造方法を選ぶことが
できる。
水、有機溶剤、医薬品、食品、香料、農薬、接着剤、酵
素等が挙げられ、親水性物質又はその水溶液、疎水性物
質又はその疎水性溶液のいずれでもよく、芯物質の種類
に応じて適宜マイクロカプセルの製造方法を選ぶことが
できる。
特に、親水性物質又はその水溶液を芯物質とするマイ
クロカプセルの製造方法としては、その工程が簡便であ
り、効果的である。
クロカプセルの製造方法としては、その工程が簡便であ
り、効果的である。
本発明に用いられるポリビニルアルコール及び/又は
その誘導体は、例えば、完全鹸化ポリビニルアルコー
ル、部分鹸化ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリ
ビニルアルコール等が挙げられる。
その誘導体は、例えば、完全鹸化ポリビニルアルコー
ル、部分鹸化ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリ
ビニルアルコール等が挙げられる。
本発明に用いられる塩化ジルコニウムは、例えば、四
塩化ジルコニウム(ZrCl4)、塩化ジルコニル(ZrOC
l2)、塩基性塩化ジルコニル(ZrOOHCl)等のジルコニ
ウムの水溶性塩化物が挙げられる。
塩化ジルコニウム(ZrCl4)、塩化ジルコニル(ZrOC
l2)、塩基性塩化ジルコニル(ZrOOHCl)等のジルコニ
ウムの水溶性塩化物が挙げられる。
本発明に用いられるアルカリは、水酸化ナトリウム、
水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウ
ム、ほう酸ナトリウム、ほう酸アンモニウム、珪酸ナト
リウム、塩化アンモニウム等が挙げられる。
水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウ
ム、ほう酸ナトリウム、ほう酸アンモニウム、珪酸ナト
リウム、塩化アンモニウム等が挙げられる。
本発明のポリビニルアルコール及び/又はその誘導体
と塩化ジルコニウムからなる水溶性混合物において、ポ
リビニルアルコールに対する塩化ジルコニウムの混合量
は、ポリビニルアルコール100重量部当たり、塩化ジル
コニウム(Zr02として)を0.05〜35重量部、好ましく
は、0.5〜20重量部である。下限の0.05重量部未満で
は、効果なく、上限35重量部を越えるとアルカリ処理の
際に白濁し、皮膜強度も弱くなるという欠点を生ずる。
と塩化ジルコニウムからなる水溶性混合物において、ポ
リビニルアルコールに対する塩化ジルコニウムの混合量
は、ポリビニルアルコール100重量部当たり、塩化ジル
コニウム(Zr02として)を0.05〜35重量部、好ましく
は、0.5〜20重量部である。下限の0.05重量部未満で
は、効果なく、上限35重量部を越えるとアルカリ処理の
際に白濁し、皮膜強度も弱くなるという欠点を生ずる。
続いて、マイクロカプセルの製造方法について、説明
する。
する。
液中硬化法 ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体と塩化ジ
ルコニウムからなる水溶性混合物に芯物質を加えて乳化
又は分散させ、その乳化物又は分散物をオリフィス法に
よるノズルを用いてアルカリ水溶液中に噴出させ、ポリ
ビニルアルコールの壁膜を硬化させることによりマイク
ロカプセルを製造する方法。
ルコニウムからなる水溶性混合物に芯物質を加えて乳化
又は分散させ、その乳化物又は分散物をオリフィス法に
よるノズルを用いてアルカリ水溶液中に噴出させ、ポリ
ビニルアルコールの壁膜を硬化させることによりマイク
ロカプセルを製造する方法。
噴霧乾燥法 ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体と塩化ジ
ルコニウムからなる水溶性混合物に芯物質を加えて乳化
又は分散させ、その乳化物又は分散物を噴霧乾燥機(ス
プレードライ造粒装置)を用いてアルカリ雰囲気中の乾
燥室に噴霧させ、ポリビニルアルコールの壁膜を硬化、
乾燥させることによりマイクロカプセルを製造する方
法。
ルコニウムからなる水溶性混合物に芯物質を加えて乳化
又は分散させ、その乳化物又は分散物を噴霧乾燥機(ス
プレードライ造粒装置)を用いてアルカリ雰囲気中の乾
燥室に噴霧させ、ポリビニルアルコールの壁膜を硬化、
乾燥させることによりマイクロカプセルを製造する方
法。
その他、公知の種々の手法を用いてマイクロカプセル
を製造することができる。
を製造することができる。
[作用] 本発明のマイクロカプセル及びその製造方法におい
て、壁膜としてポリビニルアルコールを用いるものがあ
るが、ポリビニルアルコールの不溶化にはポリビニルア
ルコールと塩化ジルコニウムの混合液をアルカリ雰囲気
中に落とすことにより効果を発揮するものである。ポリ
ビニルアルコールの不溶化する理由については、次のよ
うに推定される。ポリビニルアルコールに塩化ジルコニ
ウムを混合する時、ポリビニルアルコールの持つ親水基
とジルコニウムイオンが安定な錯化合物を形成し、アル
カリ処理、乾燥することによりジルコニウムがポリビニ
ルアルコール分子間の架橋剤として働き、架橋構造を形
成する。更に、ジルコニウムイオンは、酸素原子を通し
てポリビニルアルコールの炭素原子と結合して、不溶化
による耐熱性、耐水性、透明性の機能を発揮するものと
考えられる。
て、壁膜としてポリビニルアルコールを用いるものがあ
るが、ポリビニルアルコールの不溶化にはポリビニルア
ルコールと塩化ジルコニウムの混合液をアルカリ雰囲気
中に落とすことにより効果を発揮するものである。ポリ
ビニルアルコールの不溶化する理由については、次のよ
うに推定される。ポリビニルアルコールに塩化ジルコニ
ウムを混合する時、ポリビニルアルコールの持つ親水基
とジルコニウムイオンが安定な錯化合物を形成し、アル
カリ処理、乾燥することによりジルコニウムがポリビニ
ルアルコール分子間の架橋剤として働き、架橋構造を形
成する。更に、ジルコニウムイオンは、酸素原子を通し
てポリビニルアルコールの炭素原子と結合して、不溶化
による耐熱性、耐水性、透明性の機能を発揮するものと
考えられる。
以上の理由から、本発明のマイクロカプセル及びその
製造方法は、従来にみられない作用をもつものである。
製造方法は、従来にみられない作用をもつものである。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1 重合度2000、鹸化度95モル%のポリビニルアルコール
100重量部と、塩化ジルコニウム(化学式ZrOCl2)をZrO
2として10重量部を890重量部の水に攪拌混合して、加熱
溶解させ、これをA液とする。又、電子供与性化合物で
ある3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルア
ミノフルオラン30重量部をフェニルキシリルエタン470
重量部に溶解した液をB液とする。A液にポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウレートからなる乳化剤(HLB1
3.3)5重量部添加し、その液にB液を投入して乳化さ
せた。この乳化液を噴霧乾燥機(アンハイドロ・スプレ
ー・ドライヤー)を使用してアンモニアガス雰囲気の乾
燥室に噴霧させた。乾燥後、サイクロンを用いてバケッ
トに補集し、粉体のマイクロカプセルを得た。得られた
マイクロカプセルは、粒径が平均8ミクロンであった。
このマイクロカプセルを感圧複写紙用下用紙(電子受容
性化合物を塗工したもの)に落して上から圧を加えたと
ころ黒色発色を呈した。
100重量部と、塩化ジルコニウム(化学式ZrOCl2)をZrO
2として10重量部を890重量部の水に攪拌混合して、加熱
溶解させ、これをA液とする。又、電子供与性化合物で
ある3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルア
ミノフルオラン30重量部をフェニルキシリルエタン470
重量部に溶解した液をB液とする。A液にポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウレートからなる乳化剤(HLB1
3.3)5重量部添加し、その液にB液を投入して乳化さ
せた。この乳化液を噴霧乾燥機(アンハイドロ・スプレ
ー・ドライヤー)を使用してアンモニアガス雰囲気の乾
燥室に噴霧させた。乾燥後、サイクロンを用いてバケッ
トに補集し、粉体のマイクロカプセルを得た。得られた
マイクロカプセルは、粒径が平均8ミクロンであった。
このマイクロカプセルを感圧複写紙用下用紙(電子受容
性化合物を塗工したもの)に落して上から圧を加えたと
ころ黒色発色を呈した。
実施例2 実施例1で用いた乳化液を、10%アンモニア水溶液中
に、微細なノズルを用いて攪拌しながら滴下した。アン
モニア水溶液中には、球状のマイクロカプセルが得られ
た。
に、微細なノズルを用いて攪拌しながら滴下した。アン
モニア水溶液中には、球状のマイクロカプセルが得られ
た。
実施例3 重合度500、鹸化度80モル%のポリビニルアルコール1
00重量部と、塩化ジルコニウムを1重量部を899重量の
水に攪拌混合して、溶解させ、これをA液とした。又、
10%のタンニン酸水溶液を調製し、これをB液とした。
二重同心円型ノズルを用いて、その内側にB液を、外側
にA液を充填して、実施例1と同様にアンモニアガスの
雰囲気中に噴霧してタンニン酸水溶液を内包するマイク
ロカプセルを得た。得られたマイクロカプセルとメタバ
ナジン酸アンモニウムの粉体を合わせて加圧したとこ
ろ、キレート反応による黒色発色を呈した。
00重量部と、塩化ジルコニウムを1重量部を899重量の
水に攪拌混合して、溶解させ、これをA液とした。又、
10%のタンニン酸水溶液を調製し、これをB液とした。
二重同心円型ノズルを用いて、その内側にB液を、外側
にA液を充填して、実施例1と同様にアンモニアガスの
雰囲気中に噴霧してタンニン酸水溶液を内包するマイク
ロカプセルを得た。得られたマイクロカプセルとメタバ
ナジン酸アンモニウムの粉体を合わせて加圧したとこ
ろ、キレート反応による黒色発色を呈した。
[発明の効果] 本発明のマイクロカプセル及びその製造方法は、ポリ
ビニルアルコールと塩化ジルコニウムの混合物をアルカ
リ雰囲気中に噴霧、又は滴下させることで不溶化したポ
リビニルアルコールの壁膜を得ることができ、マイクロ
カプセルとして内包させる芯物質は、親水性、疎水性を
問わず、どのような物質でも可能であり、その工程も簡
便なことから、実用滴かつ工業的な効果が極めて高いも
のである。
ビニルアルコールと塩化ジルコニウムの混合物をアルカ
リ雰囲気中に噴霧、又は滴下させることで不溶化したポ
リビニルアルコールの壁膜を得ることができ、マイクロ
カプセルとして内包させる芯物質は、親水性、疎水性を
問わず、どのような物質でも可能であり、その工程も簡
便なことから、実用滴かつ工業的な効果が極めて高いも
のである。
Claims (5)
- 【請求項1】ポリビニルアルコール及び/又はその誘導
体と塩化ジルコニウムからなる混合物にアルカリ処理し
て不溶化させたものを壁膜として芯物質を内包するマイ
クロカプセル。 - 【請求項2】ポリビニルアルコール及び/又はその誘導
体と塩化ジルコニウムからなる混合物の水溶液に芯物質
を乳化又は分散させて、該乳化物又は分散物を、アルカ
リ雰囲気中で噴霧乾燥、又はアルカリ水溶液中に滴下さ
せることによるマイクロカプセルの製造方法。 - 【請求項3】該芯物質が、水、親水性物質又はその水溶
液、疎水性物質又はその疎水性溶液から選ばれたものの
少なくとも一種であることを特徴とする請求項2記載の
マイクロカプセルの製造方法。 - 【請求項4】オリフィス法を用いたマイクロカプセルの
製造方法において、二重同心円ノズルの内側に芯物質
を、その外側にポリビニルアルコール及び/又はその誘
導体と塩化ジルコニウムからなる混合物の水溶液を充填
し、内側の該芯物質及び外側の該混合液を同時にアルカ
リ雰囲気中に噴霧して乾燥、又はアルカリ水溶液中に滴
下させてなるマイクロカプセルの製造方法。 - 【請求項5】該芯物質が、水、親水性物質又はその水溶
液、疎水性物質又はその疎水性溶液から選ばれたものの
少なくとも一種であることを特徴とする請求項4記載の
マイクロカプセルの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1253893A JP2914452B2 (ja) | 1989-09-28 | 1989-09-28 | マイクロカプセル及びその製造方法 |
US07/550,451 US5225117A (en) | 1989-09-28 | 1990-07-10 | Process for producing PVA microcapsules |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1253893A JP2914452B2 (ja) | 1989-09-28 | 1989-09-28 | マイクロカプセル及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03114528A JPH03114528A (ja) | 1991-05-15 |
JP2914452B2 true JP2914452B2 (ja) | 1999-06-28 |
Family
ID=17257566
Family Applications (1)
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