JP2913883B2 - 鉄筋コンクリート構造物の鉄筋の防食方法 - Google Patents
鉄筋コンクリート構造物の鉄筋の防食方法Info
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- JP2913883B2 JP2913883B2 JP3081070A JP8107091A JP2913883B2 JP 2913883 B2 JP2913883 B2 JP 2913883B2 JP 3081070 A JP3081070 A JP 3081070A JP 8107091 A JP8107091 A JP 8107091A JP 2913883 B2 JP2913883 B2 JP 2913883B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄筋コンクリート構造物
における鉄筋の防食方法の1種である電気防食方法に関
するものである。
における鉄筋の防食方法の1種である電気防食方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年鉄筋コンクリート構造物における鉄
筋が種々の原因により腐食し鉄筋の錆による体積膨張に
よりコンクリートに割れが発生し物理的強度を著しく低
下させ、ついには破損することとなり安全上非常に問題
となって来ている。
筋が種々の原因により腐食し鉄筋の錆による体積膨張に
よりコンクリートに割れが発生し物理的強度を著しく低
下させ、ついには破損することとなり安全上非常に問題
となって来ている。
【0003】鉄筋が腐食する原因としては自動車や工
場から排出される硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素等
を含んだ酸性排気ガスあるいは化石燃料の燃焼時に発生
する二酸化炭素によるコンクリートの中性化によるも
の、海水中の塩類や各種排水中に含まれる廃酸、廃ア
ルカリ、硫化物又は酸性雨水の侵入によるもの、鉄筋
コンクリート構造物の増加による川砂の採取の困難さか
ら海砂の利用が多くなった事に起因する、骨材としての
海砂中に含まれている食塩によるもの、降雪時に散布
される塩化カルシウム等の融雪剤によるもの、以上の如
く種々の因子がある。
場から排出される硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素等
を含んだ酸性排気ガスあるいは化石燃料の燃焼時に発生
する二酸化炭素によるコンクリートの中性化によるも
の、海水中の塩類や各種排水中に含まれる廃酸、廃ア
ルカリ、硫化物又は酸性雨水の侵入によるもの、鉄筋
コンクリート構造物の増加による川砂の採取の困難さか
ら海砂の利用が多くなった事に起因する、骨材としての
海砂中に含まれている食塩によるもの、降雪時に散布
される塩化カルシウム等の融雪剤によるもの、以上の如
く種々の因子がある。
【0004】これらの鉄筋の腐食を起させる基本的な因
子を除去することが先決であり種々検討されているが、
これを皆無にすることは現実的に不可能である。したが
って鉄筋コンクリート構造物自体あるいは鉄筋自体に防
食処理を施す方法が考えられる。
子を除去することが先決であり種々検討されているが、
これを皆無にすることは現実的に不可能である。したが
って鉄筋コンクリート構造物自体あるいは鉄筋自体に防
食処理を施す方法が考えられる。
【0005】鉄筋コンクリート構造物の防食方法として
は、鉄筋コンクリート構造物の表面をタール、アスファ
ルトあるいは高分子材料で被覆して鉄筋の腐食原因とな
る物質を直接鉄筋に接触させない方法、コンクリート中
へ防錆剤を添加して腐食反応を抑制する方法、鉄筋それ
自体の表面を亜鉛メッキあるいはエポキシ樹脂等で塗装
する方法等があるが、いずれの方法も一長一短あり、コ
ンクリート表面を被覆する方法では長期間の間に材料の
劣化によるひび割れを生ずるし、亜鉛メッキを施した鉄
筋は耐食性は優れているが、セメントとの接着力が劣る
ためコンクリート構造物としての強度に問題がある。ま
たコンクリートの中へ防錆剤を添加する方法にしても決
定的な効果を有する防錆剤が発見されていない。
は、鉄筋コンクリート構造物の表面をタール、アスファ
ルトあるいは高分子材料で被覆して鉄筋の腐食原因とな
る物質を直接鉄筋に接触させない方法、コンクリート中
へ防錆剤を添加して腐食反応を抑制する方法、鉄筋それ
自体の表面を亜鉛メッキあるいはエポキシ樹脂等で塗装
する方法等があるが、いずれの方法も一長一短あり、コ
ンクリート表面を被覆する方法では長期間の間に材料の
劣化によるひび割れを生ずるし、亜鉛メッキを施した鉄
筋は耐食性は優れているが、セメントとの接着力が劣る
ためコンクリート構造物としての強度に問題がある。ま
たコンクリートの中へ防錆剤を添加する方法にしても決
定的な効果を有する防錆剤が発見されていない。
【0006】この様な状況に鑑み、近年、従来から広く
鉄鋼構造物の防食に採用されていた電気防食法が鉄筋コ
ンクリート構造物の鉄筋の防食にも応用され、種々の提
案がされている。例えば特表昭62−502820号公
報、特表昭62−503040号公報にはチタン、タン
タル、ジルコニウム、ニオブ等のバルブ金属をエキスパ
ンドメッシュに成形し、その表面を白金、パラジウム、
ロジウム、イリジウム、ルテニウム等の白金族金属の酸
化物で被覆したものを陽極とし、鉄筋を陰極として表面
積100mA/m2の防食電流を通電することによるコンク
リート構造物用の陰極(鉄筋)の防食方法及び陽極につ
いて記載されている。
鉄鋼構造物の防食に採用されていた電気防食法が鉄筋コ
ンクリート構造物の鉄筋の防食にも応用され、種々の提
案がされている。例えば特表昭62−502820号公
報、特表昭62−503040号公報にはチタン、タン
タル、ジルコニウム、ニオブ等のバルブ金属をエキスパ
ンドメッシュに成形し、その表面を白金、パラジウム、
ロジウム、イリジウム、ルテニウム等の白金族金属の酸
化物で被覆したものを陽極とし、鉄筋を陰極として表面
積100mA/m2の防食電流を通電することによるコンク
リート構造物用の陰極(鉄筋)の防食方法及び陽極につ
いて記載されている。
【0007】さらに、特開昭60−149791号公報
には可撓性を有する炭素質繊維を陽極とし鉄筋を陰極と
して防食電流を通電する防食方法について記載されてい
る。また特開昭62−287086号公報には磁性酸化
鉄、ケイ素鋳鉄、鉛−銀合金、白金メッキチタン等の不
溶性電極を陽極とし鉄筋を陰極として直流電圧を印加す
る方法が記載されている。これらの発明では鉄筋を陰極
することは共通しているが陽極はそれぞれ異なった材質
を使用している。
には可撓性を有する炭素質繊維を陽極とし鉄筋を陰極と
して防食電流を通電する防食方法について記載されてい
る。また特開昭62−287086号公報には磁性酸化
鉄、ケイ素鋳鉄、鉛−銀合金、白金メッキチタン等の不
溶性電極を陽極とし鉄筋を陰極として直流電圧を印加す
る方法が記載されている。これらの発明では鉄筋を陰極
することは共通しているが陽極はそれぞれ異なった材質
を使用している。
【0008】すなわち上記特表昭62−502820号
公報、特表昭62−503040号公報ではチタン、タ
ンタル、ジルコニウム、ニオブ等のバルブ金属エキスパ
ンドシートの表面を白金族金属酸化物、コバルトスピネ
ルもしくは混合金属酸化物等の電気化学工業における陽
極被覆用として開発された活性酸化物で被覆した陽極が
使用されている。この場合、バルブ金属表面に白金族金
属の酸化物の溶液を塗布し乾燥後300〜600℃で焼
成し更に厚い被覆が要求される場合には、この操作を数
回乃至数十回繰り返し行い要求される膜厚にしており非
常な手数を要する。また上記特開昭60−149791
号公報では陽極として炭素質材料を使用するため金属の
陽極に比して強度的に弱く施工時に破損しやすいという
問題点がある。また上記特開昭62−297086号公
報では白金メッキチタン陽極の記載があるが、チタンに
白金メッキを施すにはチタンを適当な酸に数時間あるい
は数日間エッチングを行う下地処理が必要であり手数を
要する。
公報、特表昭62−503040号公報ではチタン、タ
ンタル、ジルコニウム、ニオブ等のバルブ金属エキスパ
ンドシートの表面を白金族金属酸化物、コバルトスピネ
ルもしくは混合金属酸化物等の電気化学工業における陽
極被覆用として開発された活性酸化物で被覆した陽極が
使用されている。この場合、バルブ金属表面に白金族金
属の酸化物の溶液を塗布し乾燥後300〜600℃で焼
成し更に厚い被覆が要求される場合には、この操作を数
回乃至数十回繰り返し行い要求される膜厚にしており非
常な手数を要する。また上記特開昭60−149791
号公報では陽極として炭素質材料を使用するため金属の
陽極に比して強度的に弱く施工時に破損しやすいという
問題点がある。また上記特開昭62−297086号公
報では白金メッキチタン陽極の記載があるが、チタンに
白金メッキを施すにはチタンを適当な酸に数時間あるい
は数日間エッチングを行う下地処理が必要であり手数を
要する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の電極と比べ製作が容易でしかも強度も優れた電極を陽
極として使用する鉄筋の電気防食方法を提供することに
ある。
の電極と比べ製作が容易でしかも強度も優れた電極を陽
極として使用する鉄筋の電気防食方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はすなわち鉄筋コ
ンクリート構造物内に不溶性電極を埋設し、該電極を陽
極とし鉄筋を陰極として両電極間に直流電圧を印加して
防食電流を通電する防食方法において、チタンと塩素発
生反応もしくは酸素発生反応に触媒活性を有する金属と
の合金であって、チタン以外の各金属の含有量が1重量
%以下の合金よりなる不溶性電極を使用することを特徴
とする鉄筋コンクリート構造物の鉄筋の防食方法であ
る。本発明に使用されせる不溶性電極はチタン合金から
なり、チタン以外の合金成分としては酸素発生反応や塩
素発生反応に触媒活性のある元素であれば特に制限はな
いが、特に周期律表第8族金属の鉄、コバルト、ニッケ
ル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、
イリジウム、白金や、マンガン、クロム、モリブデン、
タングステン、銀等が優れている。実用上有益な合金と
してはチタン−ニッケル−ルテニウム合金、チタン−ニ
ッケル−モリブデン合金、チタン−パラジウム合金であ
る。
ンクリート構造物内に不溶性電極を埋設し、該電極を陽
極とし鉄筋を陰極として両電極間に直流電圧を印加して
防食電流を通電する防食方法において、チタンと塩素発
生反応もしくは酸素発生反応に触媒活性を有する金属と
の合金であって、チタン以外の各金属の含有量が1重量
%以下の合金よりなる不溶性電極を使用することを特徴
とする鉄筋コンクリート構造物の鉄筋の防食方法であ
る。本発明に使用されせる不溶性電極はチタン合金から
なり、チタン以外の合金成分としては酸素発生反応や塩
素発生反応に触媒活性のある元素であれば特に制限はな
いが、特に周期律表第8族金属の鉄、コバルト、ニッケ
ル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、
イリジウム、白金や、マンガン、クロム、モリブデン、
タングステン、銀等が優れている。実用上有益な合金と
してはチタン−ニッケル−ルテニウム合金、チタン−ニ
ッケル−モリブデン合金、チタン−パラジウム合金であ
る。
【0011】チタン以外の合金成分の添加量としては1
重量%以下で十分効果がある。この様な合金は一般に市
販されている材料であり容易に入手できる。微量添加の
合金成分がなぜ酸素発生反応や塩素発生反応に触媒活性
を有するかは明確でないが、一般の電解反応とは異な
り、防食電流はコンクリート表面あたり10乃至数10
mA/m2と微小電流であるため、触媒活性合金成分が1重
量%以下でも十分電極反応を行うことができるものと考
えられる。
重量%以下で十分効果がある。この様な合金は一般に市
販されている材料であり容易に入手できる。微量添加の
合金成分がなぜ酸素発生反応や塩素発生反応に触媒活性
を有するかは明確でないが、一般の電解反応とは異な
り、防食電流はコンクリート表面あたり10乃至数10
mA/m2と微小電流であるため、触媒活性合金成分が1重
量%以下でも十分電極反応を行うことができるものと考
えられる。
【0012】不溶性電極の形状は電流が均一に流れるも
のであれば如何なる形状のものでもよい。通常上記チタ
ン合金板をエキスパンドした形状が好ましい。チタン合
金板それ自体を陽極としてもよく、またチタン合金線を
網状に編んだものを陽極としてもよい。この様な不溶性
電極で鉄筋コンクリート構造物の表面を覆い、エキスパ
ンド状や網状の電極では数mの間隔で線径数mmのチタン
導電線を全域にわたり溶接し、電流を均一に分布させる
ことが望ましい。
のであれば如何なる形状のものでもよい。通常上記チタ
ン合金板をエキスパンドした形状が好ましい。チタン合
金板それ自体を陽極としてもよく、またチタン合金線を
網状に編んだものを陽極としてもよい。この様な不溶性
電極で鉄筋コンクリート構造物の表面を覆い、エキスパ
ンド状や網状の電極では数mの間隔で線径数mmのチタン
導電線を全域にわたり溶接し、電流を均一に分布させる
ことが望ましい。
【0013】この不溶性電極上にイオン導電性オーバー
レイを3〜10mmの厚みで覆う。オーバーレイとしては
ポルトランドセメントコンクリートやポリマー変性コン
クリートが使用される。この不溶性電極を陽極とし、鉄
筋を陰極として両電極間に直流電圧を印加し、コンクリ
ート面積当り10乃至数10mA/m2の防食電流を通すこ
とにより鉄筋コンクリート構造物の防食を行う。この際
コンクリートは水と塩分を含んでいるので両極間には電
流が流れる。以下実施例により本発明を説明するが、例
中%はいずれも重量単位である。
レイを3〜10mmの厚みで覆う。オーバーレイとしては
ポルトランドセメントコンクリートやポリマー変性コン
クリートが使用される。この不溶性電極を陽極とし、鉄
筋を陰極として両電極間に直流電圧を印加し、コンクリ
ート面積当り10乃至数10mA/m2の防食電流を通すこ
とにより鉄筋コンクリート構造物の防食を行う。この際
コンクリートは水と塩分を含んでいるので両極間には電
流が流れる。以下実施例により本発明を説明するが、例
中%はいずれも重量単位である。
【0014】
【実施例】実施例1 図1により実施例を説明する。チタニウム−ニッケル
(0.5%)−ルテニウム(0.05%)合金からなる
エキスパンドメタル1(目開き24sw×58lw×
1.0st×1.0t、swは短径、lwは長径、st
は切り幅、tは板厚)を250mm×250mmに切りと
り、中央に線径1.5mmのチタン線を溶接して電極リー
ド部2を取りつけ陽極とした。これをコンクリート中に
食塩を3kg/m3の濃度で含有させたコンクリートブロッ
ク3の片方の面に配置し、その上にポルトランドセメン
トで厚み5mmのオーバーレイ4を設けた。コンクリート
ブロック3の中央には径13mmの鉄筋5を埋めこみ、こ
れを陰極とした。次にコンクリート中に湿分を保たせる
ためにコンクリートブロックの下面を10mmの高さまで
海水に浸した(海水面6)。コンクリート面当り15mA
/m2の定電流を流した時の電圧は3.1Vであり、試験
期間300日の間電圧の経時変化はほとんど無く安定し
た電圧を示した。また試験後の鉄筋の錆は全く見られな
かった。
(0.5%)−ルテニウム(0.05%)合金からなる
エキスパンドメタル1(目開き24sw×58lw×
1.0st×1.0t、swは短径、lwは長径、st
は切り幅、tは板厚)を250mm×250mmに切りと
り、中央に線径1.5mmのチタン線を溶接して電極リー
ド部2を取りつけ陽極とした。これをコンクリート中に
食塩を3kg/m3の濃度で含有させたコンクリートブロッ
ク3の片方の面に配置し、その上にポルトランドセメン
トで厚み5mmのオーバーレイ4を設けた。コンクリート
ブロック3の中央には径13mmの鉄筋5を埋めこみ、こ
れを陰極とした。次にコンクリート中に湿分を保たせる
ためにコンクリートブロックの下面を10mmの高さまで
海水に浸した(海水面6)。コンクリート面当り15mA
/m2の定電流を流した時の電圧は3.1Vであり、試験
期間300日の間電圧の経時変化はほとんど無く安定し
た電圧を示した。また試験後の鉄筋の錆は全く見られな
かった。
【0015】実施例2、3 エキスパンドメタル1としてチタン−パラジウム(0.
5%)合金、及びチタン−ニッケル(0.8%)−モリ
ブデン(0.3%)合金を使用した以外は全く実施例1
と同様の試験を行った。電圧はチタン−パラジウム合金
の場合は3.3V、チタン−ニッケル−モリブデン合金
の場合は3.5Vであり試験期間300日の間ほとんど
電圧の経時変化は認められなかった。いずれも試験後の
鉄筋の腐食は見られなかった。
5%)合金、及びチタン−ニッケル(0.8%)−モリ
ブデン(0.3%)合金を使用した以外は全く実施例1
と同様の試験を行った。電圧はチタン−パラジウム合金
の場合は3.3V、チタン−ニッケル−モリブデン合金
の場合は3.5Vであり試験期間300日の間ほとんど
電圧の経時変化は認められなかった。いずれも試験後の
鉄筋の腐食は見られなかった。
【0016】参考例 1リットルのビーカーに濃度3%の食塩水を入れ、陽極
としてチタン−ニッケル(0.5%)−ルテニウム
(0.05%)合金板を使用し、10cm2 の電極面以外
はテトラフルオロエチレン製のテープでシールした。陰
極にはステンレス製鋼板(SUS304)を使用し、極
間距離30mm、20℃で電流密度1500mA/m2として
定電流電解による加速寿命試験を行った。試験期間60
日の間、電槽電圧は2.5Vで安定しており、実用防食
電流密度15mA/m2の場合、16年以上の寿命が予想さ
れる。
としてチタン−ニッケル(0.5%)−ルテニウム
(0.05%)合金板を使用し、10cm2 の電極面以外
はテトラフルオロエチレン製のテープでシールした。陰
極にはステンレス製鋼板(SUS304)を使用し、極
間距離30mm、20℃で電流密度1500mA/m2として
定電流電解による加速寿命試験を行った。試験期間60
日の間、電槽電圧は2.5Vで安定しており、実用防食
電流密度15mA/m2の場合、16年以上の寿命が予想さ
れる。
【0017】
【発明の効果】本発明法によれば鉄筋コンクリート構造
物の鉄筋の電気防食方法において、陽極としてチタン合
金を使用することにより、チタン以外の合金成分が微小
量であっても電極の不働態化が起らず長期間安定に使用
できる。従来のような触媒活性物質をチタン等のバルブ
金属に被覆させた電極に比べ、煩雜なメッキ操作を必要
としないため労力は大幅に軽減され経済的にも極めて有
利である。またメッキ部分を有しないので長期間使用の
場合にもメッキ部分の剥離を生じるおそれはなく、電極
の寿命は半永久的であり良好な防食効果が得られるので
工業上有用である。
物の鉄筋の電気防食方法において、陽極としてチタン合
金を使用することにより、チタン以外の合金成分が微小
量であっても電極の不働態化が起らず長期間安定に使用
できる。従来のような触媒活性物質をチタン等のバルブ
金属に被覆させた電極に比べ、煩雜なメッキ操作を必要
としないため労力は大幅に軽減され経済的にも極めて有
利である。またメッキ部分を有しないので長期間使用の
場合にもメッキ部分の剥離を生じるおそれはなく、電極
の寿命は半永久的であり良好な防食効果が得られるので
工業上有用である。
【図1】本発明の実施例に使用されるコンクリートブロ
ック体の斜視図。
ック体の斜視図。
1 チタン合金製エキスパンドメタル(陽極) 2 電極リード部 3 コンクリートブロック 4 オーバーレイ 5 鉄筋(陰極) 6 海水面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23F 13/00,13/12 E04B 1/41,1/64
Claims (3)
- 【請求項1】 鉄筋コンクリート構造物内に不溶性電極
を埋設し、該電極を陽極とし鉄筋を陰極として両電極間
に直流電圧を印加して防食電流を通す防食方法におい
て、チタンと酸素発生反応もしくは塩素発生反応に触媒
活性を有する金属との合金であって、チタン以外の各金
属の含有量が1重量%以下である合金よりなる不溶性電
極を使用することを特徴とする鉄筋コンクリート構造物
の鉄筋の防食方法。 - 【請求項2】 酸素発生反応もしくは塩素発生反応に触
媒活性を有する金属が周期律表第8族金属、マンガン、
クロム、モリブデン、タングステン及び銀より選ばれた
少なくとも1種である請求項1に記載の鉄筋の防食方
法。 - 【請求項3】 チタンと酸素発生反応もしくは塩素発生
反応に触媒活性を有する金属との合金がチタン−ニッケ
ル−ルテニウム合金、チタン−パラジウム合金及びチタ
ン−ニッケル−モリブデン合金より選ばれた少なくとも
1種である請求項1に記載の鉄筋の防食方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3081070A JP2913883B2 (ja) | 1991-04-15 | 1991-04-15 | 鉄筋コンクリート構造物の鉄筋の防食方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3081070A JP2913883B2 (ja) | 1991-04-15 | 1991-04-15 | 鉄筋コンクリート構造物の鉄筋の防食方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04314880A JPH04314880A (ja) | 1992-11-06 |
JP2913883B2 true JP2913883B2 (ja) | 1999-06-28 |
Family
ID=13736132
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3081070A Expired - Fee Related JP2913883B2 (ja) | 1991-04-15 | 1991-04-15 | 鉄筋コンクリート構造物の鉄筋の防食方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2913883B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009509041A (ja) * | 2005-09-20 | 2009-03-05 | インドゥストリエ・デ・ノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ | 鉄筋コンクリートの分離型のカソード防食用アノード |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6036154B2 (ja) * | 2012-10-18 | 2016-11-30 | 株式会社豊田中央研究所 | 不溶性電極材および不溶性電極 |
-
1991
- 1991-04-15 JP JP3081070A patent/JP2913883B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009509041A (ja) * | 2005-09-20 | 2009-03-05 | インドゥストリエ・デ・ノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ | 鉄筋コンクリートの分離型のカソード防食用アノード |
JP2013122093A (ja) * | 2005-09-20 | 2013-06-20 | Industrie De Nora Spa | 鉄筋コンクリートの分離型のカソード防食用アノード |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04314880A (ja) | 1992-11-06 |
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