JP2913777B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

エンジンの排気浄化装置

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JP2913777B2
JP2913777B2 JP15649090A JP15649090A JP2913777B2 JP 2913777 B2 JP2913777 B2 JP 2913777B2 JP 15649090 A JP15649090 A JP 15649090A JP 15649090 A JP15649090 A JP 15649090A JP 2913777 B2 JP2913777 B2 JP 2913777B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はエンジンの排気浄化装置、特にフィルタの
再生に関する。
(従来の技術) ディーゼルエンジンでは、排気中に含まれるカーボン
等の微粒子(パーティキュレート)を大気中に放出させ
ないよう排気通路に備えたフィルタで捕集するものがあ
る(特開昭59-85417号、同59-20515号、同特開昭63-134
808号公報参照)。
このものでは、パーティキュレートがある程度以上ま
で堆積すると、排気圧力が過度に上昇し、エンジンおよ
びエミッション性能を低下させるため、これを避けるべ
く堆積したパーティキュレートを定期的に燃焼してフィ
ルタを再生する必要がある。このため、再生時期になる
と、吸気絞りや排気絞りを行ってフィルタを昇温し、か
つフィルタが冷却されないように排気のほとんどをフィ
ルタをバイパスして流している。そして、再生操作を開
始してからの時間があらかじめ定めた値になると、再生
が終了したと判定される。
(発明が解決しようとする課題) ところで、このような装置では、いったんフィルタの
再生が開始されると、その後に一定時間が経過して再生
が終了したと判定されるまでのあいだは、その間の運転
条件の変化に関係なく、継続して排気の多くがフィルタ
をバイパスして流される。
このため、フィルタの再生中に運転条件が変化して、
カーボンの多く排出される高負荷域に移行した場合に
も、フィルタへの排気の導入が制限されたままなので、
このカーボンを多く含んだ排気がバイパス通路をへてそ
のまま大気に放出されてしまう。極端なときはスモーク
が可視状態になる場合すらある。
そこで、再生時期となりフィルタの再生を開始した後
に、カーボンの多く排出されない領域ではフィルタへの
排気の導入を制限してフィルタでの再生を良好に行わせ
る一方で、カーボンの多く排出される領域に限っては排
気の全量をフィルタに導き、かつフィルタへの排気の導
入が制限された期間だけを積算して、この積算値が所定
値以上になるまでは、再生の開始と維持を繰り返し、前
記排気の導入が制限された期間が所定値になって初めて
再生を終了する構成とすることで、フィルタの再生中で
あっても排気エミッションや運転性にほとんど悪影響を
与えることなく、フィルタを確実に再生できるようにす
ることが考えられる。
一方、エンジンから排出されるパーティキュレート
は、大別してカーボンと有機可溶成分に分けられる。こ
のうち、カーボンは比較的高い温度(たとえば400℃以
上)にならないと再燃焼しないのに対し、有機可溶成分
は比較的低い温度(200℃程度以上)から再燃焼する。
これより、比較的低い排気温度であってもまず有機可溶
成分を燃やしてやれば、これが種火となってフィルタの
温度が上昇し、やがてはフィルタに堆積しているカーボ
ンを再燃焼させることができる。言い替えるならば、有
機可溶成分の再燃焼する温度未満では、ヒータや吸気絞
りなどの昇温装置を作動させてもカーボンの再燃焼を誘
発することはできないのであるから、有機可溶成分の再
燃焼する温度未満の排気温度域でも昇温装置を作動させ
ると、昇温装置がヒータである場合に、無駄にバッテリ
を消費することになる。
また、定常と過渡に関係なく昇温装置を作動させたの
では、昇温装置が吸気絞りである場合に、加速を行おう
と運転者がアクセルペダルを踏み込んだとき、吸気絞り
が行われたままであることから、望みの加速が得られ
ず、加速時の運転性に影響する。
この発明はこのような従来の課題に着目してなされた
もので、再生中のパーティキュレートの大気放出を防止
しつつフィルタの確実な再生をはかるとともに無用な昇
温装置の作動防止をはかる装置を提供することを目的と
する。
(課題を解決するための手段) この発明は、第1図で示すように、2つに分岐した排
気通路31の一方31Aに介装されるフィルタ32と、このフ
ィルタ32の昇温装置33と、前記2つの分岐通路31A,31B
への排気の導入割合を調整しうる弁34と、この調整弁34
を駆動する装置35と、前記フィルタ32の再生時期にあ
り、さらに有機可溶成分が再燃焼を始める排気温度以上
かつ減速時であるかどうかを判定する手段36と、このフ
ィルタ32の再生時期になり、さらに有機可溶成分が再燃
焼を始める排気温度以上かつ減速時になると前記昇温装
置33を作動させる手段37と、同じくフィルタ32の再生時
期になり、さらに有機可溶成分が再燃焼を始める排気温
度以上かつ減速時になるとエンジンの負荷を検出するセ
ンサ38からの信号に基づいてそのときのエンジン負荷が
カーボンの大きく排出される領域にあるかどうかを判定
する手段39と、この領域になると前記フィルタ32に排気
の全量が流れるように、またこの領域以外の領域で前記
フィルタへの排気の導入が制限されるように前記調整弁
駆動装置35を制御する手段40と、前記フィルタ32への排
気の導入が制限された期間だけを積算する手段41と、こ
の積算値が所定値以上になったかどうかを判定する手段
42と、この積算値が所定値以上になると前記フィルタ32
の再生を終了させる手段43とを設けた。
(作用) フィルタ32の再生開始後にカーボンの多く排出される
領域になければ、調整弁34が閉じられてフィルタ32への
排気の導入が制限され、これにて、再生が良好に行なわ
れる。
一方、再生中でも運転条件が変化してカーボンの多く
排出される領域になると、再生中にもかかわらず、排気
のすべてがフィルタ32に導入される。そして、再生時期
にあるかぎり、カーボンの多く排出される領域を外れる
と、ふたたび調整弁34が閉じられてフィルタ32への排気
の導入が制限され、かつ再生が開始される。
そして、調整弁34が閉じられている期間だけが積算さ
れ、この積算値が所定の値になるまでは再生時期である
として、再生開始とそれに引き続いたフィルタへの排気
導入制限による再生維持とが繰り返し行われる。
また、再生時期になっても有機可溶成分が再燃焼を始
める排気温度未満の温度域のときは、フィルタの昇温装
置を作動させてもカーボンの再燃焼を誘発することはで
きないので、昇温装置がヒータである場合に、この温度
域でもヒータをONにしたのでは無駄にバッテリを消費さ
せることになり、また、加速時にも昇温装置を作動させ
たのでは、昇温装置が吸気絞りである場合に、加速を行
おうと運転者がアクセルペダルを踏み込んだとき、吸気
絞りが行われたままであることから、望みの加速が得ら
れないのであるが、この発明では、有機可溶成分が再燃
焼を始める排気温度未満の温度域や加速時に昇温装置を
作動させないようにしているので、無用に昇温装置を作
動させることなく比較的低い排気温度の状態から確実に
カーボンを再燃焼させることができるとともに、加速時
の運転性に影響することがない。
(実施例) 第2図は一実施例のシステム図である。
図において、吸気通路2にバタフライ型の絞り弁3が
設けられ、この吸気絞り弁3にはダイアフラムアクチュ
エータ4が連結される。アクチュエータ4の圧力室と負
圧源(たとえば負圧ポンプ)とを連通する通路には三方
電磁弁5が介装され、この電磁弁5をOFFからONにする
と、アクチュエータ4の圧力室に大気圧に代えて一定圧
の負圧が導入され、吸気絞り弁3が所定の角度まで閉じ
られる。なお、吸気絞り弁3は常開のタイプであり、全
開と所定角度閉じられる状態との2位置をとる。
吸気絞り弁3の下流には補助燃料噴射弁8が設けら
れ、この噴射弁8に燃料タンク6内のセタン価の低い燃
料が燃料ポンプ7によって圧送される。ここで、セタン
価の低い燃料としたのは、この燃料が未燃のままフィル
タ10に供給されるように、つまりSOF(有機可溶成分
で、主に未燃燃料からなる)を作り出したいからであ
る。この意味では、セタン価の高い通常燃料を用いてSO
Fを作り出すようにしてもかまわない(たとえば通常燃
料を圧縮着火されることのない噴射時期に燃焼室に噴射
するかあるいはフィルタ10上流の排気通路10に噴射弁を
設け、この噴射弁から通常燃料を噴射する)。
排気通路9のうち一方の分岐通路9Aに設けられるフィ
ルタ10は、パーティキュレートのうち特にカーボンに対
して捕集効率の高い、いわゆるウォールスルータイプの
ものである。これに限らず、三次元網目状に形成した付
着捕集タイプのものでもかまわない。
フィルタ10の前面にはヒータ11が設けられ、コントロ
ールユニット27からの通電信号を受けるとフィルタ10を
加熱する。このヒータ11はフィルタ10の内部に組み込む
こともできる。
ヒータ11、前述の吸気絞り弁3とその駆動装置(アク
チュエータ4および三方電磁弁5)、補助燃料系(噴射
弁8,燃料ポンプ7および燃料タンク6)から第1図の昇
温装置33が構成される。
一方の分岐通路9Aと他方の分岐通路(バイパス通路)
9Bには、それぞれバタフライ型の絞り弁12,15が設けら
れ、これらの絞り弁12,15もダイアフラムアクチュエー
タ13,16と三方電磁弁14,17により駆動される。ただし、
一方の絞り弁12は常開の、他方の絞り弁(バイパス弁)
15は常閉のタイプで、これらも2位置(排気絞り弁12に
ついては全開と所定角度閉じられた状態との2位置、バ
イパス弁15については全閉と全開の2位置)をとる。
ここでは、各分岐通路9A,9Bにそれぞれ絞り弁を設け
ているが、排気通路9が分岐する位置あるいは2つの分
岐通路9A,9Bが合流する位置に1つの弁を設け、この弁
により2つの分岐通路の通路面積を調整するようにして
もかまわない。つまり、ここでの排気絞り弁12とバイパ
ス弁15が第1図の調整弁34を、これらの駆動装置(アク
チュエータ13,16と三方電磁弁14,17)が調整弁駆動装置
35を構成している。
21は半導体式圧力センサで、フィルタ10の前後差圧Δ
Pを検出する。22は熱電対からなる温度センサで、排気
温度(フィルタ入口温度)Texを検出する。24はエンジ
ン1の回転数Neを検出するセンサ(クランク角セン
サ)、25はポテンショメータから構成され燃料噴射ポン
プのコントロールレバー開度(エンジン負荷相当量)Q
を検出するセンサ、26は冷却水温Twを検出するセンサで
ある。
これらセンサ21,22,24〜26からの信号は、マイクロコ
ンピュータからなるコントロールユニット27に入力さ
れ、コントロールユニット27では第3図(A)と第3図
(B)に示すところにしたがって、3つの三方電磁弁5,
14,17にON,OFF信号を、補助燃料噴射弁8に噴射信号
を、ヒータ11に通電信号をそれぞれ出力する。
第3図(A)と第3図(B)はフィルタ10を再生させ
るためのルーチンで、所定の時間ごと(たとえば10msec
ごと)に演算される。
S1ではエンジン回転数Ne,コントロールレバー開度Q,
排気温度Tex,冷却水温Twおよびフィルタ10の前後差圧Δ
Pを読み込む。
S2は第1図の再生時期判定手段36の機能を果たす部分
である。ここでは再生時期であるかどうかをみて、再生
時期にあると判断すればS3に進む。この場合、フラグに
て再生時期を判断するようにしてあり、再生時期にある
場合はフラグがセットされている。
なお、このフラグは、実際のフィルタ前後差圧ΔPと
予め定めた捕集限界時のフィルタ前後差圧ΔPmaxとの比
較により、ΔP≧ΔPmaxであれば再生時期にあると判断
され、フラグがセットされる。再生時期の判断はこれに
限らず捕集量履歴や走行距離,走行時間に基づくもので
あってもかまわない。
S3では排気温度Texが有機可溶成分SOFが再燃焼を始め
る温度(の下限値)TSOFより大きいかどうか、S4ではエ
ンジンの運転条件が減速時にあるかどうか、さらにS5で
はコントロールレバー開度Qが基準値Qr以下であるかど
うかをみて、Tex≦TSOFであること、減速時にあること
およびQ≦Qrであることの3つの条件をすべてを満たす
場合に再生操作に入る場合であると判断して、S6以降に
進む。
この場合、S3での温度TSOFはたとえば200℃である。T
ex≧TSOFであることを条件として再生操作に入らせるの
は次の理由による。エンジンから排出されるパーティキ
ュレートは、大別してカーボンとSOFに分けられる。こ
のうち、カーボンは比較的高い温度(たとえば400℃以
上)にならないと再燃焼しないのに対し、SOFは比較的
低い温度(200℃程度以上)から再燃焼する。これよ
り、比較的低い温度でもまずSOFを燃やしてやれば、フ
ィルタ10の温度が上昇し、やがてはフィルタ10に堆積し
ているカーボンを再燃焼させることができる。言い替え
るならば、SOFの再燃焼する温度未満(Tex<TSOF)で
は、再生操作を行ってもカーボンの再燃焼を誘発するこ
とはできないのである。
S4での減速時にあるかどうかの判定は、たとえば所定
時間ごとのコントロールレバー開度Qの変化量が所定値
以下(負の値)の場合に、減速状態にあると判断させる
ものでかまわない。減速時以外に吸気絞りを行うと、運
転性に影響するので、運転性に影響のない減速時を条件
とするものである。
S5での基準値Qrにはアイドル条件をわずかに越える程
度のコントロールレバー開度を設定する。たとえば車速
を合わせるためごくわずかアクセルペダル操作を行った
場合(Q>Qrの場合)にもS6以降に進むと、車速を合わ
せることができなくなるので、こうした運転性の悪化を
防止するためQ≦Qrを条件とするものである。
S6,S7,S9,S10は第1図の作動手段37の機能を果たす部
分で、ここではフィルタ10の再生が開始されるように、
ヒータ11,三方電磁弁5および補助燃料噴射弁8に指示
を与える。
まず、S6ではヒータ11にON信号を出力する。これは、
ヒータ11でフィルタ10を加熱することによりフィルタ10
に捕集されているSOFの再燃焼を確実にするためのもの
であり、フィルタ上流でのSOFの燃焼促進効果をねらっ
たものである。
S7では吸気絞りが行なわれるように、三方電磁弁5に
ON信号を出力する。この吸気絞りによりフィルタ10での
SOFの再燃焼に十分な空気量であってしかも燃焼室内で
圧縮着火が起こりうるほどには多くない空気量がフィル
タ10に供給されるように、この場合の吸気絞り弁3の閉
じ角を設定する。
S8では補助燃料フラグをチェックをして、このフラグ
がリセットされていれば再生操作に入った直後にあると
判断してS9に進む。このフラグは減速条件が長時間にお
よんだ場合でも、噴射弁8からの補助燃料の供給は1度
だけにするために導入したフラグである。すなわち、補
助燃料はフィルタ10での再生開始を確実にするためのも
のであり、いったん再生が開始されれば、その後に補助
燃料の供給を行うことは必要ないからである。なお、こ
こでは補助燃料の噴射回数を一回に限定してあるが、微
小燃料流量の管理が可能であるタイプの噴射弁であれ
ば、一回に限定せず数回にわけて噴射してもかまわな
い。
S9では、冷却水温Twからマップを参照して補助燃料量
を読み出す。この補助燃料量の特性を第4図に示す。図
示の特性としたのは、冷却水温Twが低い場合は燃焼状態
が悪く、排気中のSOFの量も多いため、補助燃料量を少
なくしても、冷却水温Twが高い場合と同様の効果が得ら
れるためである。
S10では、S9で求められた補助燃料量に対応する期間
だけ噴射弁8が開かれるように、噴射弁8に駆動信号を
出力する。S11では補助燃料フラグをセットする。
S12では産生開始フラグをセットする。このフラグは
再生開始後に、排気絞り弁12とバイパス弁15の開閉制御
のために必要となるものである。
S13では、ヒータ11の通電時間を与える値(固定値で
たとえば数10秒)TimeAと再生操作に入ってからの経過
時間を表すタイマ値TimerBとを比較し、TimeA>TimerB
ならばS14でTimerBの値をインクリメントし、TimeA≦Ti
merBになると、S15でヒータ11にOFF信号を出力する。こ
れは、TimeAのあいだは必ず通電することによりヒータ1
1を赤熱させ、ヒータ11によるフィルタ昇温効果をより
確実にするためである。S16ではTimerBをクリアする。
一方、再生時期にあっても、S4,S5で減速時になかっ
たり減速時でもQ>Qrの場合はS17に進み、吸気絞り弁
3が開かれるように電磁弁5にOFF信号を出力する。た
とえば、減速を終了して加速あるいは定常運転になった
場合にまで吸気を絞っていると失火するので、これを避
けるため、吸気絞りを解除するのである。
S18では再生開始フラグをチェックして、このフラグ
がセットされていれば再生の開始はなされていると判断
してS19に進む。
S19とS20は第1図の領域判定手段39の機能を果たす部
分である。
まず、S19ではエンジン回転数Neと冷却水温Twよりマ
ップを参照して基準値Qxを読み出す。この基準値Qxはカ
ーボンの多く排出される領域とそれ以外の領域との境を
定める値である。基準値QxをNeとTwに応じて定めるのは
次の理由による。エンジンから排出される排気成分の組
成(特にカーボンの発生量)は基本的にはエンジン負荷
に応じて定まるのであるが、これだけでなく回転数Neに
よっても異なり、また冷却水温Twで代表されるエンジン
の暖機状態によっても変化するため、これら回転数Neと
冷却水温Twをも加味する必要があるのである。
基準値Qxのマップの一例を第5図に示す。第6図のマ
ップから回転数基準値Qx1を、第7図のマップから水温
補正値Qx2を読み出し、これらの差により基準値Qx(=Q
x1−Qx2)を求めるようにすることもできる。
S20では基準値Qxとそのときのコントロールレバー開
度Qを比較し、Qx<Qにあればカーボンの多く排出され
る領域にあると、またQx≧Qであればそれ以外の領域で
あると判断する。
S21〜S24は第1図の制御手段40の機能を果たす部分で
ある。
S21,S22ではフィルタ10への排気の導入が制限される
ように、排気絞り弁12を閉じバイパス弁15を開く。これ
は、再生中のフィルタ10に排気を多く導きすぎると、フ
ィルタ10が冷却され燃焼が途中でとぎれることにもなる
ので、排気絞り弁12を閉じて小量の排気だけをフィルタ
10に流すことによりフィルタ10での再生を維持させるの
である。
一方、S23,S24では排気絞り弁12を開きバイパス弁15
を閉じて、排気の全量をフィルタ10に導入する。これ
は、Qx<Qとなる領域では排気中にカーボンが多く発生
するので、再生中とはいえこれがバイパス通路9Bを通し
てそのまま放出されることがないようにするためであ
る。
S25は第1図の制限期間積算手段41の機能を果たす部
分で、タイマ値TimerDをインクリメントする。S25は排
気絞り弁12が閉じられるばあいにだけ通るステップであ
るため、このタイマは排気絞り弁12が閉じられている場
合の期間だけを積算する。つまりタイマ値TimerDはフィ
ルタ10への排気の導入が制限された期間の積算値を表
す。
S26は第1図の判定手段42の機能を、またS27とS28は
再生終了手段43の機能を果たす部分である。
S26では所定値TimeCとタイマ値TimerDを比較し、Time
C≦TimerDであれば、フィルタ10の再生が終了したと判
断し、S27で再生開始フラグをリセットし、S28で再生終
了をセットする。
S29では補助燃料フラグをリセットする。これは、再
生開始後カーボンの多く排出される領域になり、排気の
全量がフィルタ10に導かれると、再生が途中で行なわれ
なくなることがあるので、再生時期にあると判定されて
いるあいだ(再生終了がセットされるまでのあいだ)
は、再生開始および再生維持を繰り返し行わせるためで
ある。
また、S3,S38でTex<TSOFかつ再生開始フラグがセッ
トされている場合にも、S39で吸気絞り弁3を開く。こ
れは、再生時期にあってTexがTSOF未満となった場合に
対応するためである。
S2で再生時期にない場合はS30〜S37で後処理を行うと
ともにパーティキュレートをフィルタ10で捕集できる状
態に戻す(S30,S31,S36,S37では後処理のため再生開始
フラグと捕集燃料フラグをリセットし、TimerBとTimerD
をクリアする。S32〜35では昇温装置の作動を停止し、
排気の全量をフィルタ10に流す)。
ここで、この例の作用を説明する。
フィルタ10の再生開始後に運転条件が変化して高負荷
域に移行した場合に、この負荷条件の変化にもかかわら
ず、再生を継続させるべく排気絞り弁12を閉じバイパス
弁15を開いていると、高負荷域において多くなるカーボ
ンがそのまま大気に放出されてしまう。
これに対して、この例によればカーボンの多く排出さ
れる領域になると、再生中にもかかわらず、排気のすべ
てがフィルタ10に導入されるので、再生中とはいえ、不
用意にパーティキュレートが排出されることがなく、エ
ンジンから排出される排気の一部がバイパス通路9Bを介
して排出されることに起因するエミッションの悪化を最
小限に止どめることができる。
ただし、再生中に排気の全量をフィルタ10へ流すと、
一度開始された再生反応が排気流量の増加に起因する冷
却効果によって、再生途中で終わることが考えられる。
たとえば、エンジン負荷の増加に伴う排気流れによって
フィルタ10から奪われる熱量がフィルタ10での反応によ
って発生する熱量より多くなった場合に、フィルタ10で
の再生反応が途中で終えんしてしまう。
この場合に、この例ではその後の負荷変化によりカー
ボンの多く排出される領域でなくなると、再び排気絞り
弁12が閉じられ、かつ再生が開始される。
そして、排気絞り弁12が閉じられている期間だけが積
算され、この積算値が所定の値(TimeC)になるまでは
再生時期であるとして、再生開始とそれに引き続いたフ
ィルタ10への排気流入制限による再生維持とが繰り返し
行われると、フィルタ10に堆積したパーティキュレート
がすべて再燃焼される。負荷の増大により再生を維持で
きない期間は積算されることがなく、確実に再生が維持
される期間だけが積算されるからである。
また、フィルタ10への排気の流入が制限されるといっ
ても、その制限される領域はカーボンのあまり排出され
ることのない低中負荷の領域であるため、再生中であっ
てもエミッション、運転性にほとんど悪影響を与えるこ
とがない。
また、再生時期になってもSOFの再燃焼する温度未満
(Tex<TSOF)では、昇温装置を作動させてもカーボン
の再燃焼を誘発することができないので、SOFの再燃焼
する温度未満でも、昇温装置としてのヒータ11をONにし
たのでは無駄にバッテリを消費させたり、昇温装置とし
ての補助燃料噴射弁8より補助燃料の供給を行ったので
は無駄に燃料を消費させることになるのであるが、本実
施例では、SOFの再燃焼する温度未満でヒータ11、補助
燃料噴射弁8を作動させないようにしているので、無駄
にバッテリや燃料を消費することなく比較的低い排気温
度の状態から確実にカーボンを再燃焼させるこができ
る。
さらに、再生の開始にあたっては、吸気通路2内に補
助燃料が噴かれ、かつ吸気絞りによりフィルタ10におけ
るSOFの再燃焼に必要とされる空気量であって燃焼室で
圧縮着火が生じるほど多くはない空気量がフィルタ10に
供給されると、補助燃料がSOFとなってフィルタ10に捕
集される。この場合、フィルタ入口にあるヒータ11も加
熱されることから、フィルタ10内でのSOFの再燃焼が確
実に引き起こされる。また、吸気が絞られているため、
SOFの燃焼によりフィルタ10の温度が上昇し、このフィ
ルタ10の昇温とSOFの燃焼に誘起されてやがてはカーボ
ンの再燃焼が確実に開始される。
なお、補助燃料は吸気通路内に供給するため、噴射弁
8については特別耐熱性の高いものが必要とされず、ま
た吸気通路内に燃料を供給するのであれば、気化,ミス
ト化した良質なSOFをフィルタ10に供給することができ
る。
最後に、加速時にも昇温装置を作動させたのでは、昇
温装置が吸気絞りである場合に、加速を行おうと運転者
がアクセルペダルを踏み込んだとき吸気絞りが行われた
ままであることから、望みの加速が得られないのである
が、再生の開始は減速時に限り、加速時に昇温装置とし
ての吸気絞りを行わないようにしているので、加速時の
運転性に影響することがない。
(発明の効果) この発明は、再生時期となりフィルタの再生を開始し
た後に、カーボンの多く排出されない領域ではフィルタ
への排気の導入を制限してフィルタでの再生を良好に行
わせる一方で、カーボンの多く排出される領域に限って
は排気の全量をフィルタに導き、かつフィルタへの排気
の導入が制限された期間だけを積算して、この積算値が
所定値以上になるまでは、再生の開始と維持を繰り返
し、所定値になって初めて再生を終了する構成とすると
ともに、再生時期となっても有機可溶成分が再燃焼を始
める排気温度未満のときや加速時には、フィルタの昇温
装置を作動させないようにしたため、フィルタの再生中
であっても排気エミッションや加速時の運転性にほとん
ど悪影響を与えることなく、かつ無駄に昇温装置を作動
させることなく比較的低い排気温度の状態からフィルタ
を確実に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明のクレーム対応図、第2図は一実施例
のシステム図、第3図(A)と第3図(B)はこの実施
例の制御動作を説明するための流れ図、第4図ないし第
7図はこの制御に必要となるマップの特性図である。 1……エンジン、2……吸気通路、3……吸気絞り弁、
4……ダイアフラムアクチュエータ、5……三方電磁
弁、6……燃料タンク、7……燃料ポンプ、8……補助
燃料噴射弁、9……排気通路、9A,9B……分岐通路、10
……フィルタ、11……ヒータ、12……排気絞り弁、13…
…ダイアフラムアクチュエータ、14……三方電磁弁、15
……バイパス弁、16……ダイアフラムアクチュエータ、
17……三方電磁弁、21……圧力センサ、22……排気温度
センサ、24……クランク角センサ、25……コントロール
レバー開度センサ(エンジン負荷センサ)、26……水温
センサ、27……コントロールユニット、31……排気通
路、31A,31B……分岐通路、32……フィルタ、33……昇
温装置、34……調整弁、35……調整弁駆動装置、36……
再生時期判定手段、37……作動手段、38……エンジン負
荷センサ、39……領域判定手段、40……制御手段、41…
…制限期間積算手段、42……判定手段、43……再生終了
手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つに分岐した排気通路の一方に介装され
    るフィルタと、 このフィルタの昇温装置と、 前記2つの分岐通路への排気の導入割合を調整しうる弁
    と、 この調整弁を駆動する装置と、 前記フィルタの再生時期にあり、さらに有機可溶成分が
    再燃焼を始める排気温度以上かつ減速時であるかどうか
    を判定する手段と、 このフィルタの再生時期になり、さらに有機可溶成分が
    再燃焼を始める排気温度以上かつ減速時になると前記昇
    温装置を作動させる手段と、 同じくフィルタの再生時期になり、さらに有機可溶成分
    が再燃焼を始める排気温度以上かつ減速時になるとエン
    ジンの負荷を検出するセンサからの信号に基づいてその
    ときのエンジン負荷がカーボンの大きく排出される領域
    にあるかどうかを判定する手段と、 この領域になると前記フィルタに排気の全量が流れるよ
    うに、またこの領域以外の領域で前記フィルタへの排気
    の導入が制限されるように前記調整弁駆動装置を制御す
    る手段と、 前記フィルタへの排気の導入が制限された期間だけを積
    算する手段と、 この積算値が所定値以上になったかどうかを判定する手
    段と、 この積算値が所定値以上になると前記フィルタの再生を
    終了させる手段と を設けたことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
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