JP2913719B2 - 分散剤 - Google Patents

分散剤

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JP2913719B2
JP2913719B2 JP2004707A JP470790A JP2913719B2 JP 2913719 B2 JP2913719 B2 JP 2913719B2 JP 2004707 A JP2004707 A JP 2004707A JP 470790 A JP470790 A JP 470790A JP 2913719 B2 JP2913719 B2 JP 2913719B2
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直人 林
五樹 林
祐司 河村
次雄 木村
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  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は無機、あるいは有機顔料を水系媒体に分散さ
せる際に用いられる顔料分散剤に関するものである。更
に詳しくは顔料を水系媒体中で分散、スラリー化するに
際して、高濃度で低粘土の流動性に優れた水スラリーと
することが可能で、それと共に該水スラリーを長時間保
存した場合に分散した顔料粒子の沈降が少ないか、また
は沈降しても強固な凝固体(ハードケーキ)を形成させ
ず、再分散が容易な分散安定性に優れた顔料スラリーの
製造が可能な分散剤を提供するものである。このような
特長を有する本発明の分散剤は無機顔料業界、窯業業界
及び塗料業界等で有効に活用されるものである。
〔従来の技術〕
一般に、各種無機顔料並びに各種有機顔料を水中に分
散、スラリー化するに際しては、低分子量の合成ポリカ
ルボン酸(塩)系分散剤が著効であって、例えば、特開
昭53−129200(アクリル酸/マレイン酸共重合体の
塩)、特開昭53−2557(高分子ポリカルボン酸又はその
アルカリ金属塩)、特公昭50−23850(α、β−不飽和
酸/特定ビニル系化合物の共重合体の塩)、特開昭55−
84533、並びに特公昭63−21525(特定分子量範囲の高分
子量合成ポリカルボン酸共重合体の塩)、特開昭62−43
467(カチオン酸ポリカルボン酸塩)等にその具体的な
技術内容が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、これら分散剤を用いた場合には、高濃
度で低粘度の流動性に優れた水スラリー化が可能ではあ
るが、製造された水スラリーを長時間保存した場合に、
分散した顔料粒子が多量に沈降することによるか、また
は沈降量がたとえ少量であっても強固な凝固体(ハード
ケーキ)を形成して再分散不可能になることにより使用
できない、或いは作業時間が著しく制限されるなどの問
題があった。さらに、特開昭55−84533、並びに特公昭6
3−21525に開示された如き特定分子量範囲の高分子量合
成ポリカルボン酸共重合体の塩を用いた場合には、顔料
粒子の沈降並びに、凝固体(ハードケーキ)の形成を抑
えることは出来るが、分子量範囲が分散剤として使用す
るには適切でないので本質的な分散性に劣り、高濃度で
低粘度の流動性に優れた水スラリーを製造するのは困難
なことである。又、特開昭62−43467に開示された如き
カチオン化変性ポリカルボン酸塩系分散剤を用いた場合
にはカチオン変性によりカルボン酸のイオン封鎖性が低
減され、ひいては分散剤の耐塩性が低下し遊離の金属イ
オンを多く含む顔料の水スラリー化には適用困難であ
る。このような背景から顔料を水中で分散、スラリー化
するに際して、高濃度で低年度の流動性に優れた水スラ
リー化が可能でそれと共に、該水スラリーを長時間保存
した場合に分散した顔料粒子の沈降が少ないか、または
沈降しても強固な凝固体(ハードケーキ)を形成せず再
分散が容易な分散安定性に優れた顔料スラリーの製造が
可能な分散剤の開発が切望されている。
ロ.発明の構成 〔課題を解決するための手段〕 発明者らは前記のような問題点を鑑み、鋭意検討した
結果、本発明を完成するに到った。即ち、本発明は無
機、あるいは有機顔料に対して用いられる顔料分散剤に
関するものであって、カルボキシル基含有ビニル単量
体、アミノ基含有ビニル単量体及びスルホン基含有ビニ
ル単量体を必須の構成単量体とするビニル重合体からな
ることを特徴とする分散剤に関するものである。
本発明は、各種顔料粉体を分散、スラリー化するに際
して、高濃度で低年度の流動性に優れた水スラリー化が
可能でそれと共に該水スラリーを長時間保存した場合に
分散した顔料粒子の沈降が少ないか、または沈降しても
強固な凝固体(ハードケーキ)を形成せず再分散が容易
な分散安定性に優れた顔料スラリーの製造が可能な分散
剤を提供し得るものである。
本発明を更に詳細に説明する。
本発明のビニル重合体は、カルボキシル基含有ビニル
単量体、アミノ基含有ビニル単量体、及びスルホン基含
有ビニル単量体を共重合することにより容易に得られ
る。
それぞれの単量体の具体的化合物としては以下の様な
化合物を挙げることが出来る。
カルボキシル基含有ビニル単量体としては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル
酸、マレイン酸等が挙げられる。
アミノ基含有ビニル単量体としては、メチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、エチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのエチレ
ン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステル類、メ
チルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミド等のエチレン系不飽和カ
ルボン酸のアミノアルキルアミド類、アミノエチルビニ
ルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、メ
チルアミノエチルビニルエーテル等のアミノアルキルビ
ニルエーテル類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリ
ジン等のビニルピリジン類が挙げられる。
スルホン基含有ビニル単量体としては、スルホエチル
アクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプ
ロピルアクリレート、スルホプロピルメタアクリレー
ト、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリル
エーテルスルホン酸、ビニルスルホン酸等が挙げられ
る。
本発明における重合体を得るために好ましいカルボキ
シル基含有ビニル単量体とアミノ基含有ビニル単量体の
構成比率は、各々の単量体のカルボキシル基の当量とア
ミノ基の当量の比率で、1/9〜9/1の範囲であり、更に好
ましくは3/7〜7/3の範囲である。カルボキシル基の当量
とアミノ基の当量の比率がここに示した範囲を逸脱した
場合には、所望の分散安定効果を有する重合体が得られ
難い。
本発明における重合体のスルホン基は、分散剤に耐塩
性を付与するものであるから、適用する顔料の種類によ
って、重合体中におけるスルホン基の量及びそれをもた
らすスルホン基含有ビニル単量体の種類と他の単量体と
の構成比率を種々変えて製造されたものが使用され得る
が、一般的には重合体を構成する全単量体の合計量を基
準として5〜10重量パーセントの範囲のスルホン基含有
ビニル単量体を含有する単量体混合物を重合して得られ
るものが使用される。
本発明における重合体は前記3種類の単量体を必須の
構成単量体とする単量体混合物を重合して得られる重合
体であるが、本発明における重合体としては、それらの
単量体のみから成る重合体、あるいはそれらの単量体と
その他の共重合可能な単量体、例えば、アクリル酸エス
テル、メタアクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル
等との共重合体を挙げることが出来るが、その他の単量
体は重合体の水溶性や分散剤しての能力を低下させる恐
れのない範囲内で使用されるべきものである。
本発明における重合体は、カルボキシル基、並びにス
ルホン基を有するものであるが、本発明の重合体にはそ
れらのカルボキシル基並びにスルホン基が、一部、或い
は全部が塩の形になっているものをも包含される。作用
効果的には酸と塩の間には格別の差異はなく、塩の形と
しては、例えば、アルカリ金属塩(リチウム、ナトリウ
ム、カリウム塩)、アンモニウム塩、アミン塩等を挙げ
ることが出来る。
本発明の重合体の分子量(重量平均分子量)として
は、分散剤としての能力を充分に発揮させるために1000
−50000であることが好ましく、より好ましくは3000−2
0000である。
本発明の重合体は従来より公知の方法で製造でき、一
例を示すと以下の通りである。低級アルコール/水混合
溶媒中で単量体混合物を過硫酸塩、或いはアゾ化合物の
如き重合開始剤を用いて共重合し、ついで溶媒を除去し
たのち、必要に応じてアルカリ金属などで中和して製造
される。
本発明の分散剤を使用するに当たっては、顔料粉体に
対して0.005〜3.0重量%の割合で使用すればよく、好ま
しくは0.1〜1.5重量%の割合である。
本発明の分散剤は各種の無機及び有機顔料に対して有
効であり、例えば、無機顔料としては、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、クレー、カオリン、酸化亜鉛、水酸化ア
ルミ、ジルコニア、酸化チタン等が、又、有機顔料とし
ては、不溶性アゾ顔料、アゾ系分散染料、フタロシアニ
ン系顔料、アントラキノン系分散染料、石炭粉末などが
挙げられる。
又、本発明の分散剤は如何なる粒子径、あるいは粒子
径分布を有する顔料粉体に対しても良好な効果を示す
が、元々沈降性が大きい比表面積が15000cm2/g以下の如
き平均粒子径が比較的大きい顔料粉体から成る水スラリ
ーのような系の分散に用いることにより、特に本発明の
分散剤が有する効果を顕著に引き出すことができる。
分散に際しての水スラリーの濃度は顔料粉体が分散可
能な何れの濃度でもよく、本発明の分散剤はそのいずれ
に対しても良好な結果を示す。
本発明の分散剤の使用に際しては、アトライター、サ
ンドミル、ボールミル、三本ロール、ホモジナイザー等
の一般に公知の分散機または粉砕機を用いることが出来
る。
又、本発明の分散剤と例えば、アニオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤、縮合リン酸塩などを併用すること
も出来る。
本発明の分散剤は前記の無機及び有機顔料粉体が使用
される何れの分野においても適応可能で、例えば、紙加
工、セラミック、顔料製造、塗料、建材用基材などの広
範な分野において従来の分散剤に無い優れた効果を示
す。
〔作用〕
本発明の重合体が分散剤として優れた能力を有する理
由は不明であるが、次のような現象から解釈できる。即
ち、本発明の重合体はカルボキシル基、アミノ基、並び
にスルホン基を含有するものであり公知のようにこれら
の官能基は水中において解離するので、結果として、こ
の重合体は弱酸/弱塩基の性質を併せ持つことになり、
いわゆる両性高分子電解質として作用する。従って、イ
オン性解離基としてカルボキシル基のみを含有するポリ
カルボン酸(塩)系の分散剤とは異なって、カルボキシ
ル基とアミノ基の共存により、重合体の電解質としての
性質、特に電荷密度、電荷の符号などが調整され、又、
スルホン基を含有することによって多価金属イオンに対
する耐塩性が増大するので、水スラリー中における顔料
粒子が安定に分散するものと考えられる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
実施例1〜4及び比較例1〜3 比表面積が10000cm2/gの市販の重質炭酸カルシウムを
別記の方法で得た分散剤を所定濃度含有する水溶液に添
加し、オートホモミキサー(特殊機化工(株)製)にて
2000rpmで20分間撹拌し、固形分濃度60重量%のスラリ
ーを得た。スラリーの粘度をBM型粘度計で測定したのち
メスシリンダーに100ml移し取り24時間後の顔料の沈降
体積を読み取った。沈降量の確認、ハードケーキ生成の
有無はガラス棒をスラリー中に差し込み貫入抵抗の感触
にて判断した。これらの結果を表1に示す。
分散剤の製造 以下の説明で用いられる略号は次の化合物を示す。
AA :アクリル酸 AA−Na :アクリル酸のナトリウム塩 DMAEMA :ジメチルアミノエチルメタアクリレート DMAPAAm :ジメチルアミノプロピルアクリルアミド MAA−Na :メタアクリル酸のナトリウム塩 AMPS :2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸 AMPS−Na:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸のナトリウム塩 SEM−Na :スルホエチルメタクリレートのナトリウム塩 MA :アクリル酸メチル AMD :アクリルアミド 実施例1 温度計、撹拌機、2本の滴下ロート及び還流冷却管を
備えた重合用フラスコ(内容積2)にイソプロピルア
ルコール水溶液(45重量%濃度)を750g仕込み、80℃に
加熱した。その後、同温度に維持しつつAA72g、DMAEMA3
78g、AMPS50g、イオン交換水185gよりなる単量体混合水
溶液を240分かけて滴下し、同時にもう一方の滴下ロー
トから、2、2−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩
酸塩水溶液(5重量%濃度)100gを同じく240分かけて
滴下した。滴下終了後更に同温度で60分間維持し重合反
応を完結せしめた。つぎに減圧下にてイソプロピルアル
コールを除去したのち、未中和の酸をカセイソーダ水溶
液で中和し、重合体の水溶液を調整した。この重合体中
のカルボキシル基の当量とアミノ基の当量の比率は3/7
である。
得られた重合体水溶液は、固形分濃度40.3%、粘度98
0cps、pH9.2であった。
実施例2 実施例1と同様にしてAA/DMAEMA/AMPS−Na(重合体中
のカルボキシル基の当量とアミノ基の当量の比率は4/6
でかつAMPS−Naの重合体中における構成比率は5重量%
である。)の重合体水溶液を得た。
実施例3 実施例1と同様にしてAA/DMAPAAm/MA/AMPS−Na(重合
体中のカルボキシル基の当量とアミノ基の当量の比率は
5/5でかつAMPS−Naの重合体中における構成比率は5重
量%であり、MAのそれは15重量%である。)の重合体水
溶液を得た。
実施例4 実施例1と同様にしてMAA/DMAPAAm/SEM−Na(重合体
中のカルボキシル基の当量とアミノ基の当量の比率は7/
3でかつSEM−Naの重合体中における構成比率は5重量%
である。)の重合体水溶液を得た。
比較例1 実施例1と同様にしてAA−Naの重合体水溶液を得た。
比較例2 実施例1と同様にしてAA−Na/AMD(AA−Naの重合体中
における構成比率は70重量%でかつAMDのそれは30重量
%である。)の重合体水溶液を得た。
比較例3 実施例1と同様にしてAA/DMAEMA(重合体中のカルボ
キシル基の当量とアミノ基の当量の比率は4/6であ
る。)の重合体水溶液を得た。
比較例4 実施例1と同様にしてAA/AMD/MA(重合体中の重量比
率は50/20/25である。)の重合体水溶液を得た。
ハ.発明の効果 本発明の顔料分散剤を使用すると、顔料を水中で分
散、スラリー化するに際して、高濃度で低粘度の流動性
に優れた水スラリー化とすることが可能で、それと共に
該水スラリーを長時間保存した場合に、分散した顔料粒
子の沈降が少ないか、または沈降しても強固な凝固体
(ハードケーキ)を形成せず再分散が容易な分散安定性
に優れた顔料スラリーの製造を可能とし、無機顔料業
界、窯業業界及び塗料業界等に大きく寄与するものであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 7/12 C09D 7/12 A 17/00 17/00 (56)参考文献 特開 昭59−120234(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01F 17/00 C09D 7/12 C09D 17/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基含有ビニル単量体、アミノ
    基含有ビニル単量体及びスルホン基含有ビニル単量体を
    必須の構成単量体とするビニル重合体からなることを特
    徴とする分散剤。
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