JP2913035B1 - Sine間配列の制限プライマーを用いたpcrフィンガープリントによる真核生物の個体判別法およびそれに用いるプライマー - Google Patents

Sine間配列の制限プライマーを用いたpcrフィンガープリントによる真核生物の個体判別法およびそれに用いるプライマー

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JP2913035B1 JP10195692A JP19569298A JP2913035B1 JP 2913035 B1 JP2913035 B1 JP 2913035B1 JP 10195692 A JP10195692 A JP 10195692A JP 19569298 A JP19569298 A JP 19569298A JP 2913035 B1 JP2913035 B1 JP 2913035B1
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Abstract

【要約】 【課題】 真核生物ゲノムの短い散在反復配列(SINE)
を利用する真核生物の個体判別を提供すること。 【解決手段】 真核生物の個体判別方法であって、真核
生物の短い散在反復配列(SINE)の塩基配列の一部
とマッチする配列の3'末端にSINEと関係ないかミス
マッチする塩基を1つ以上付加した1つまたは複数の制
限プライマーを作製し、真核生物から採取したDNAに
前記制限プライマーを作用しプライマーの融解温度より
高い温度でのアニーリングを含むポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)条件下でPCRを行ってSINE間に挟まれ
た配列を増幅し、PCR産物を電気泳動にかけてフィン
ガープリントを得、フィンガープリントの多型性の比較
から個体を判別することからなる方法、並びにこの方法
に用いる制限プライマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SINE(短い散在反
復配列;Short Interspersed Repetitive Element)間
配列の制限プライマーを用いたPCRフィンガープリント
による真核生物の個体判別法、およびそれに用いるプラ
イマーに関する。
【0002】
【従来の技術】個体判別法は、ヒトにおける親子鑑定や
法医学領域での個体識別、生態学的研究などで有用であ
る。従来、個体判別法には、シングルプローブ・マルチ
ローカス・マイクロサテライトDNAフィンガープリント
法(A.J.Jeffreysら,Nature,316:76−79(198
5))、AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphis
m)法(ZebeauとVos,欧州特許出願第92402629.7号(199
2);Vosら,Nucl. Acids Res.23:4407−4414(199
6))などが知られているが、前者は生物1個体あたり
約10マイクログラムのDNAを必要とするし、後者はプロ
トコールがやや煩雑であるといった問題点が指摘されて
きた。
【0003】動物の染色体には複数のSINEが存在するこ
とが知られている。たとえば、ヒトではAluファミリー
と呼ばれるSINEが、またサケ・マス類ではOncorhynchus
属に存在するHpaIファミリー、SmaIファミリーおよびFo
kIファミリーと呼ばれる3種類のSINEがそれぞれ知られ
ている(Okada,N.,in "New Aspects of the Geneticsof
Molecular Evolution," ed. by Kimura,M. and Takaha
ta,N., Japan Scientific Societies Press, Springer-
Verlag,227−241(1991))。SINEは元々哺乳動物を含
む動物のゲノムに散在している反復配列のうち長さの短
いもの(約500塩基対未満)に対して総称され、ゲノ
ムを転位するトランスポゾン様性質はもっていないと言
われているが、その起源はtRNAなどが逆転写されて
挿入されたものと考えられており、ヒトのAluファミリ
ーの場合にはタンパク質の分泌に関連した7SL RNAが起
源であることが知られている。このSINE配列が種特異的
または系統特異的であることに注目して種または系統の
識別およびヒトDNAの選択的クローニング等にポリメラ
ーゼ連鎖反応(以下、PCRと称する)を応用した例も知
られている(N.Takasakiら,Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA91:10153−10157(1994);D.L.Nelsonら,Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA, 86:6686−6690(1989);A.R.Br
ook-Wilsonら,Genomics,13:409−414(1992))。し
かし、SINEはゲノム中に極めて多いコピー数(たとえ
ば、Aluファミリーの場合約50万コピー)で含まれてい
るため、ゲノムの一部のみが含まれるようなDNA試料で
あればSINE配列をそのまま使って設計したプライマーで
もフィンガープリント状にPCR産物が検出される場合も
あるが、ゲノム全体に同じプライマーを適用してPCRを
行った場合には増幅されるDNA断片の数が多すぎて電気
泳動の結果がスメア状になりフィンガープリントを得る
ことができない(D.L.Nelsonら(上掲)、図2参照)。
このような状況の中で、本発明者らは、SINE間配列のPC
R増幅に基づく個体判別法を開発すべく鋭意研究を行っ
てきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、真核
生物由来のDNA試料に対しPCRを行ってSINE間に挟まれた
配列を増幅し、PCR産物の電気泳動バンドパターンか
らの多型性に基づいて真核生物の個体を判別する方法を
提供することである。この方法は、10ナノグラムオーダ
ーの極微量のDNA試料でPCRを利用して再現性良く真核生
物の個体判別を可能とするものであり、増幅制限要因の
あるプライマー(以下、制限プライマーと呼ぶ)の使用
と、SINE間配列のPCR増幅におけるPCR条件、特にプライ
マーのアニーリング温度を検討することにより、ヒトAl
uファミリーのような多コピー数のSINEであっても再現
性良く識別可能なフィンガープリントが得られるもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、真核生物の個
体判別方法であって、真核生物のSINEの塩基配列の一部
とマッチする配列の3'末端にSINEと関係ないかミスマッ
チする塩基を1つ以上付加した1つまたは複数の制限プ
ライマーを作製し、真核生物から採取したDNAに前記制
限プライマーを作用しプライマーの融解温度より高い温
度でのアニーリングを含むPCR条件下でPCRを行ってSINE
間に挟まれた配列を増幅し、PCR産物を電気泳動にかけ
てフィンガープリントパターンを得、フィンガープリン
トパターンの多型性の比較から真核生物の個体を判別す
ることからなる方法を提供する。
【0006】本発明方法においては、制限プライマーを
使用したことと、プライマーの融解温度より高いアニー
リング温度を使用したことが重要である。本明細書中
「制限プライマー」とは、SINEの塩基配列の一部とマッ
チする配列の3'末端にSINEと関係ないかまたはミスマ
ッチする塩基を1つ以上付加したものを意味する。ここ
で、「マッチする」とは、SINE配列の個々の塩基とぴっ
たり一致することを意味する。一般にゲノム中のSINEは
そのコピー数が多いため、制限要因のないプライマーを
用いたのではあまりにも多くのバンドが増えてしまい電
気泳動による観察ではスメアバンドとなって、フィンガ
ープリントが得られないが、本発明では、プライマーの
3'末端にSINEと関係ないかまたはミスマッチする塩基
を1つ以上を付加することによって容易にバンド数を減
らしフィンガープリントを得ることができる。たとえ
ば、プライマーの3'末端に1塩基の付加を行うとき、
そのプライマー単独でPCRを行えば、4種類の塩基を25
%ずつ用いているゲノムの場合増幅されるバンド数は約
16分の1に減少すると考えられる。
【0007】さらに本発明においては、RAPD(Random A
mplified Polymorphic DNA)法のように多型性DNAがラ
ンダムに増幅されるのを避けるために、プライマーの融
解温度より高いアニーリング温度、好ましくは2〜5℃
高いアニーリング温度が使用される。これによって、RA
PDのバンドは全く観察されない。通常RAPD法でのアニー
リング温度が37〜40℃付近であるのに対し、本発明の方
法では66〜72℃が好ましい。
【0008】真核生物は、SINEをゲノム中に有するもの
であればいずれの生物も包含される。たとえば、動物、
たとえば哺乳類(ヒト、ブタ、サル、ウサギ、クジラ、
ヤギなど)、魚類(たとえばサケ・マス類、アユな
ど)、爬虫類(カメなど)、両生類(イモリなど)、昆
虫(カイコなど)、棘皮動物(ウニなど)、などが挙げ
られる。本発明はまた、真核生物のSINEの塩基配列の一
部とマッチする配列の3'末端にSINEと関係ないかミスマ
ッチする塩基を1つ以上付加した、真核生物を判別する
ための制限プライマーを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明では、制限プライマーは真
核生物のSINEの二本鎖配列のいずれかに相補的な配列を
含み、好ましくはSINEのセンス鎖の上流(5')末端領
域の配列に相補的な配列を含む。ヒトおよびサケ科魚類
のSINE配列は、たとえばN.Takasakiら(上掲)、D.L.Ne
lsonら(上掲)、A.R.Brook-Wilsonら(上掲)等に記載
されており、これらの配列を利用することもできるが、
もしSINE配列が不明の真核生物の場合には、真核生物由
来の細胞、組織等からDNAを公知の方法で抽出し、Endoh
とOkada,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83:251−255(198
6)の方法などによってSINE配列を決定することができ
る。
【0010】SINEの上流末端位置に多型性が認められる
場合にも、多型性が認められない場合にも本発明を有効
に使用し得る。上記のようにして決定されたSINE配列、
好ましくはSINEのセンス鎖の上流末端領域に相補的な配
列、にマッチする15個以上、好ましくは15〜30個、さら
に好ましくは 20〜25個のヌクレオチドからなる配列を
自動DNA合成機(たとえば、β−シアノエチルホスフォ
ロアミダイト法を使用したもの;N.D.Sinhaら,Nucl. A
cids Res.,12:4539-4557(1984))を用いて合成し、その
3'末端にSINEと関係ないかミスマッチする塩基を1つ
以上付加した制限プライマーを作製する。PCRにおいて
は、制限プライマーは1個または、場合により複数組合
わせて使用する。本発明の実施態様により、ヒトの個体
判別に使用し得る制限プライマーは、 Alu-a: 5'−GGATTACAGGCGTGAGCCACa−3'(配列番号1); ALU-g: 5'−GGATTACAGGCGTGAGCCACg−3'(配列番号2); Alu-t: 5'−GGATTACAGGCGTGAGCCACt−3'(配列番号3); ALU-aa: 5'−GGATTACAGGCGTGAGCCACaa−3'(配列番号4); ALU-at: 5'−GGATTACAGGCGTGAGCCACat−3'(配列番号5); ALU-ac: 5'−GGATTACAGGCGTGAGCCACac−3'(配列番号6); ALU-ga: 5'−GGATTACAGGCGTGAGCCACga−3'(配列番号7); Alu-gt: 5'−GGATTACAGGCGTGAGCCACgt−3'(配列番号8); ALU-gc: 5'−GGATTACAGGCGTGAGCCACgc−3'(配列番号9); ALU-ta: 5'−GGATTACAGGCGTGAGCCACta−3'(配列番号10); ALU-tt: 5'−GGATTACAGGCGTGAGCCACtt−3'(配列番号11); Alu-tc: 5'−GGATTACAGGCGTGAGCCACtc−3'(配列番号12); ALU-aaa: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACaaa−3'(配列番号13); ALU-aag: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACaag−3'(配列番号14); ALU-ata: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACata−3'(配列番号15); ALU-atg: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACatg−3'(配列番号16); ALU-aca: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACaca−3'(配列番号17); ALU-acg: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACacg−3'(配列番号18); ALU-gaa: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACgaa−3'(配列番号19); ALU-gag: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACgag−3'(配列番号20); Alu-gta: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACgta−3'(配列番号21); Alu-gtg: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACgtg−3'(配列番号22); ALU-gca: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACgca−3'(配列番号23); ALU-gcg: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACgcg−3'(配列番号24); ALU-taa: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACtaa−3'(配列番号25); ALU-tag: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACtag−3'(配列番号26); ALU-tta: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACtta−3'(配列番号27); ALU-ttg: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACttg−3'(配列番号28); ALU-tca: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACtca−3'(配列番号29); ALU-tcg: 5'−GATTACAGGCGTGAGCCACtcg−3'(配列番号30); からなる群から選択される。ここで塩基配列上の小文字
はランダムに付加された塩基を示す。
【0011】また、本発明の別の実施態様により、サケ
・マス類の個体判別に使用し得る制限プライマーは、 HPA-R-a: 5'−AACCACTAGGCTACCCTGCCa−3'(配列番号31); HPA-R-c: 5'−AACCACTAGGCTACCCTGCCc−3'(配列番号32); HPA-R-t: 5'−AACCACTAGGCTACCCTGCCt−3'(配列番号33); HPA-R-Ga: 5'−ACCACTAGGCTACCCTGCCGa−3'(配列番号34); HPA-R-Gg: 5'−AACCACTAGGCTACCCTGCCGg−3'(配列番号35); HPA-R-Gt: 5'−ACCACTAGGCTACCCTGCCGt−3'(配列番号36); HPA-R-GCa: 5'−CACTAGGCTACCCTGCCGCa−3'(配列番号37); HPA-R-GCg: 5'−CACTAGGCTACCCTGCCGCg−3'(配列番号38); HPA-R-GCt: 5'−CACTAGGCTACCCTGCCGCt−3'(配列番号39); HPA-R-GC2a: 5'−ACTAGGCTACCCTGCCGCCa−3'(配列番号40); HPA-R-GC2g: 5'−ACTAGGCTACCCTGCCGCCg−3'(配列番号41); HPA-R-GC2t: 5'−ACTAGGCTACCCTGCCGCCt−3'(配列番号42); HPA-R-GC3a: 5'−CTAGGCTACCCTGCCGCCCa−3'(配列番号43); HPA-R-GC3g: 5'−CTAGGCTACCCTGCCGCCCg−3'(配列番号44); HPA-R-GC3t: 5'−CTAGGCTACCCTGCCGCCCt−3'(配列番号45); HPA-R-GC4a: 5'−TAGGCTACCCTGCCGCCCCa−3'(配列番号46); HPA-R-GC4c: 5'−TAGGCTACCCTGCCGCCCCc−3'(配列番号47); HPA-R-GC4g: 5'−TAGGCTACCCTGCCGCCCCg−3'(配列番号48); HPA-R-GC4t: 5'−TAGGCTACCCTGCCGCCCCt−3'(配列番号49); からなる群から選択される。ここで塩基配列上の小文字
はランダムに付加された塩基を示す。
【0012】本発明では、PCRにおけるDNA鎖の伸長の向
きがSINEの内部へと向かうのではなく、SINEの外部へと
背を向けるように進む。2つのSINEが隣り合っていれ
ば、SINE間配列(InterSINE sequences)が増幅される
ことになる。本発明中のPCRは3つの反応段階、すなわ
ちDNAの変性、プライマーのアニーリングおよび伸長反
応からなる点では通常のPCRと同様であるが、アニーリ
ングの条件が通常と異なる。DNAの変性では、真核生物
の細胞(血液細胞、体細胞もしくは培養細胞)、組織等
から抽出した二本鎖DNAを通常約95℃、たとえば94〜96
℃の温度で約15〜30秒間処理することにより一本鎖のDN
Aに解離させる。アニーリングでは、熱処理で一本鎖に
なった鋳型DNAとプライマーを共存させ、本発明ではプ
ライマーの融解温度より2〜5℃高い温度、通常66〜72
℃、好ましくは68〜70℃で30秒〜1分間処理する。一般
的なPCRでのアニーリング温度はプライマーの融解温度
より2〜5℃低く設定されており、特にミスマッチを有
するプライマーを使用する場合は37〜45℃に温度を下げ
る必要があるが、本発明では一般的なアニーリング温度
よりかなり高い温度でアニーリングを実施する。伸長反
応では、4種類の基質(dNTP)の共存下にDNAポリメラ
ーゼを作用させることによりプライマーの伸長反応を行
うが、通常、耐熱性DNAポリメラーゼ、たとえばThermus
aquaticusTaq)ポリメラーゼを使用する場合、72℃
で30秒〜10分間、好ましくは約2分間処理を行う。変
性、アニーリングおよび伸長反応を1サイクルとして、
通常約25〜約40サイクルPCRを繰り返す。
【0013】反応はDNA Thermal Cycler(宝酒造)、Ge
neAmp PCR System(Perkin-Elmer Cetus社)などのPCR
機を使用すると自動的にPCRを実施することができる。
典型的な反応では、1反応あたり50μlの溶液を用い、
約100pmolのSINE間配列制限プライマー、約10ng〜約10
0ngのゲノムDNA、各約10nmolのdNTPを加え、適量のマ
グネシウムイオンを加える。DNAポリメラーゼとして耐
熱性ポリメラーゼが好ましく使用され、その種類はTaq
ポリメラーゼ、たとえばTakara TaqTM(宝酒造)、Ampl
i TaqTM(Perkin-Elmer Cetus社)など、Thermus therm
ophilusTth)ポリメラーゼ、たとえばTth DNAポリメ
ラーゼ(東洋紡)、rTth DNAポリメラーゼ(Perkin-El
mer Cetus社)など、が挙げられる。但し、LA Taq(宝
酒造)を使用しては良好な結果は得られない。
【0014】試料DNAは、真核生物の細胞、組織などか
らプロテイナーゼK/フェノール抽出法(K.Taniguchi
ら,Epidemiol.Infect.,109:303-312(1992))、プロテ
イナーゼK/フェノール/クロロホルム抽出法(A.Rolfsら
共著,PCR:Clinical diagnosticsand research,79−89
頁、Springer-Verlag,Berlin(1992))などの方法に
よって抽出することができる。
【0015】上記のようにして得られたPCR産物を、ア
ガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳
動にかけ、臭化エチジウムまたは銀染色、放射性同位元
素や蛍光色素などによるプライマーの標識、などの方法
で解析することができるが、これらに限定されない。ゲ
ル濃度は、通常、アガロースゲルの場合約2%、ポリア
クリルアミドゲルの場合約5%である。この濃度によ
り、約100〜2,000bpの範囲のサイズのDNAを分離するこ
とができる。得られたDNAフィンガープリントパターン
を個体間で比較することによって多型性を観察し、個体
判別を行うことができる。
【0016】なお、PCR法、真核生物からのゲノムDNAの
単離と配列決定の一般的方法については、たとえば蛋白
質核酸酵素(1996)41巻,5号,“PCR法最前線,基礎技
術から応用まで"(1996年4月号増刊);J.Sambrookら,
Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Second Ed
ition, Cold Spring Harbor Laboratory Press(198
9);F.M.Frederickら, Short Protocols In Molecular
Biology, Third Edition, John Wiley &Sons(1995)
等を参照することができる。
【0017】
【実施例】以下の実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこの実施例によって制限を受けるもの
ではない。実施例1 ニジマスの個体判別 長野県の養殖集団のニジマス親魚からランダムに5個体
を選んだ。各個体の筋肉組織から、Asahidaら,Fisheri
es Science 62:727−730(1996)の方法によりTNES(1
0mM Tris/125mM NaCl/1mM SDS(ドデシル硫酸ナトリウ
ム))-4M尿素緩衝液を用いてDNAの抽出を行った。N.Ta
kasakiら(上掲)に示されたHpaIファミリーの塩基配列
に基づいて、その上流側からSINEの外に向かってDNA鎖
を伸長させるためのプライマー群を作製した。すなわ
ち、HpaIファミリーの上流末端位置に数塩基のばらつき
があることを考慮し、3'末端の位置が異なる6種類のプ
ライマー亜群を、融解温度(Tm)が66〜70℃になるよう
に設計した。各プライマー亜群について、プライマーの
3'末端にランダムに1塩基を付加したプライマーを作
製し、合計19種類のSINE間配列制限プライマーを合成し
た(図1、配列番号31〜49)。またコントロールとし
て、ユニバーサルプライマーを用いた(図1のUniv-2
4)。
【0018】PCRは、Perkin-Elmer Cetus社のサーマル
・サイクラー(モデルPJ2000)を用いて行ったが、ATTO
社のザイモリアクターII(AB−1820型)も併用した。典
型的な反応では、1反応あたり50μlの溶液を用い、100
pmolのSINE間配列制限PCRプライマー1種類、10ngのゲ
ノムDNA、各々10nmolのdNTPを加えた。96℃30秒、68℃
1分、72℃2分のPCRサイクルを40回繰り返した。な
お、アニーリングの温度は68〜72℃の間で変えて行っ
た。得られたPCR産物を、2%アガロースゲル、および
5%ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動で分離し
た。泳動条件は10V/cmゲルである。泳動後、アガロース
ゲルでは臭化エチジウムで染色し、一方ポリアクリルア
ミドゲルでは超高感度の銀染色法により染色した。
【0019】その結果、ニジマスDNAを基質として19種
類のSINE間配列制限プライマーの各々を単独に用いたと
ころ、フィンガープリント状のパターンが電気泳動後の
臭化エチジウム染色および銀染色で観察された。フィン
ガープリントのための適切なPCR反応条件を設定するた
めに、先ずPCRのアニーリング温度を高くすることによ
り、SINE間配列以外の非特異的な増幅が抑えられるかど
うかを調べた。図2の右端のレーン6はコントロールの
ユニバーサルプライマーを用い、アニーリング温度68℃
で行った結果を示しているが、超高感度の銀染色でもレ
ーン6には全くバンドが観察されないことから、他のレ
ーンで見られるバンドはSINE間配列由来のみであること
が確認された。
【0020】次に、PCRの基質DNAの量に依存してフィン
ガープリントパターンがどのように変化するかを調べた
(図2、左側)。このとき、SINE間配列制限PCRプライ
マーとしてはHPA-R-a(配列番号31)を用いた。その結
果、1ng以下のDNA量では観察されるバンドがやや薄
く、その数も若干少ないが、10ng〜100ngのDNA量では得
られるパターンが再現性良く安定し、PCRの条件として
適切であることが判明した。養殖ニジマス5個体につい
て、図2の右側レーン1〜5に示されるように、各個体
に特異的な多型パターンが得られ、これに基づいて個体
識別が可能であることがわかった。
【0021】実施例2 サクラマスの個体判別 長野県の養殖集団のサクラマス1腹子5個体およびクロ
ーン6個体を選んで実施例1と同様に各個体の筋肉組織
からDNAの抽出を行った。また、プライマーとしてHPA-R
-GC3t(配列番号45)を用い、実施例1で決定された好
適条件を用いてSINE間配列制限RCRを行った。電気泳動
後のフィンガープリントを図3に示すが、1腹子間での
比較であるにもかかわらず、ニジマスの場合と同様個体
ごとに異なるパターンが観察された(図3、左側)。し
かし、同一クローン集団のサクラマス(図3、右側)で
はすべて同じバンドパターンが現れ、クローン内での多
型は観察されなかった。これらのことから、本発明の方
法はサクラマスやニジマス等のサケ科魚類の個体判別、
クローンの作出の成否の判定等に有効な簡便な方法であ
ることが判明した。
【0022】実施例3 ヒトの個体判別 3人のヒト血液各1mlから、実施例1と同様の方法を
用い、TNES−4M尿素緩衝液を用いてDNAを抽出した。D.
L.Nelsonら(上掲)に記載されるヒトのAluファミリー
のプライマー配列(5'−GGATTACAGGCGTGAGCCAC−3')
に基づいて、その3'末端にランダムに1塩基、2塩基
または3塩基を付加したプライマー(配列番号1〜30)
を作製した。PCRは基本的には実施例1と同様の条件で
行った。典型的なPCRのサイクルは、96℃30秒、70℃1
分、72℃2分で40回繰り返した。また、得られたPCR産
物の観察方法も実施例1とほぼ同様であるが、ポリアク
リルアミドゲル電気泳動後のフィンガープリントの観察
は臭化エチジウム染色により行った。
【0023】PCR産物の電気泳動の結果を図4に示す。
D.L.Nelsonら(上掲)で報告されるとおり、Alu配列と
マッチするだけのプライマー(5'−GGATTACAGGCGTGAGC
CAC−3')ではスメアバンドのみが生じた(図4
(a))が、プライマーの3'末端側への1または2塩基
の付加により、増幅されるDNAの中に明瞭なバンドをな
すものが現れた(図4(b),(c),(d))。3人のヒトを左
からO,K,Tと呼ぶことにすると、プライマーAlu-a(配列
番号1)の使用により180〜200ベース付近で三者が判別
され(図4(b))、またAlu-g(配列番号2)の使用によ
りTがOとKから明瞭に区別され、OとKの間でも470ベース
付近にわずかな相違が観察され、3人(O, K,T)の判別
が可能であった(図4(c))。Alu-gt(配列番号8)の
使用では数多くのバンドが出現したが、180,370,420
ベース付近などに3者間を区別し得ると思われるパター
ンが観察された。
【0024】
【発明の効果】本発明は、真核生物由来のDNA試料に対
しPCRを行ってSINE間に挟まれた配列を増幅し、PCR産物
の電気泳動バンドパターンからの多型性に基づいて真核
生物の個体を判別する方法を提供するものであるが、こ
の方法によって、10ナノグラムオーダーの極微量のDNA
試料でPCRを利用して再現性良く真核生物の個体判別を
可能とし、ヒトAluファミリーのような多コピー数のSIN
Eであっても再現性良く識別可能なフィンガープリント
を得ることができる。
【0025】
【配列表】 Sequence Listing <110> National Research Institute of Aquaculture, Fisheries Agency, Min istry of Agriculture, Forestry and Fisheries <120> Distinction of individuals with inter-SINE sequences of eucaryotes by restricted PCR-fingerprinting using SINE-targeted restricting primer s,and primers for use therein <130> P98-0297 <160> 49 <210> 1 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 1 GGATTACAGG CGTGAGCCAC A 21 <210> 2 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 2 GGATTACAGG CGTGAGCCAC G 21 <210> 3 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 3 GGATTACAGG CGTGAGCCAC T 21 <210> 4 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 4 GGATTACAGG CGTGAGCCAC AA 22 <210> 5 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 5 GGATTACAGG CGTGAGCCAC AT 22 <210> 6 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 6 GGATTACAGG CGTGAGCCAC AC 22 <210> 7 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 7 GGATTACAGG CGTGAGCCAC GA 22 <210> 8 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 8 GGATTACAGG CGTGAGCCAC GT 22 <210> 9 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 9 GGATTACAGG CGTGAGCCAC GC 22 <210> 10 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 10 GGATTACAGG CGTGAGCCAC TA 22 <210> 11 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 11 GGATTACAGG CGTGAGCCAC TT 22 <210> 12 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 12 GGATTACAGG CGTGAGCCAC TC 22 <210> 13 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 13 GATTACAGGC GTGAGCCACA AA 22 <210> 14 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 14 GATTACAGGC GTGAGCCACA AG 22 <210> 15 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 15 GATTACAGGC GTGAGCCACA TA 22 <210> 16 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 16 GATTACAGGC GTGAGCCACA TG 22 <210> 17 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 17 GATTACAGGC GTGAGCCACA CA 22 <210> 18 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 18 GATTACAGGC GTGAGCCACA CG 22 <210> 19 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 19 GATTACAGGC GTGAGCCACG AA 22 <210> 20 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 20 GATTACAGGC GTGAGCCACG AG
22 <210> 21 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 21 GATTACAGGC GTGAGCCACG TA 22 <210> 22 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 22 GATTACAGGC GTGAGCCACG TG 22 <210> 23 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 23 GATTACAGGC GTGAGCCACG CA 22 <210> 24 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 24 GATTACAGGC GTGAGCCACG CG 22 <210> 25 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 25 GATTACAGGC GTGAGCCACT AA 22 <210> 26 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 26 GATTACAGGC GTGAGCCACT AG 22 <210> 27 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 27 GATTACAGGC GTGAGCCACT TA 22 <210> 28 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 28 GATTACAGGC GTGAGCCACT TG 22 <210> 29 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 29 GATTACAGGC GTGAGCCACT CA 22 <210> 30 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 30 GATTACAGGC GTGAGCCACT CG 22 <210> 31 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 31 AACCACTAGG CTACCCTGCC A 21 <210> 32 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 32 AACCACTAGG CTACCCTGCC C 21 <210> 33 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 33 AACCACTAGG CTACCCTGCC T 21 <210> 34 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 34 ACCACTAGGC TACCCTGCCG A 21 <210> 35 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 35 AACCACTAGG CTACCCTGCC GG 22 <210> 36 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 36 ACCACTAGGC TACCCTGCCG T 21 <210> 37 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 37 CACTAGGCTA CCCTGCCGCA 20 <210> 38 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 38 CACTAGGCTA CCCTGCCGCG 20 <210> 39 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 39 CACTAGGCTA CCCTGCCGCT 20 <210> 40 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 40 ACTAGGCTAC CCTGCCGCCA 20 <210> 41 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 41 ACTAGGCTAC CCTGCCGCCG 20 <210> 42 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 42 ACTAGGCTAC CCTGCCGCCT 20 <210> 43 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 43 CTAGGCTACC CTGCCGCCCA 20 <210> 44 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 44 CTAGGCTACC CTGCCGCCCG 20 <210> 45 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 45 CTAGGCTACC CTGCCGCCCT 20 <210> 46 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 46 TAGGCTACCC TGCCGCCCCA 20 <210> 47 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 47 TAGGCTACCC TGCCGCCCCC 20 <210> 48 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 48 TAGGCTACCC TGCCGCCCCG 20 <210> 49 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 49 TAGGCTACCC TGCCGCCCCT 20
【図面の簡単な説明】
【図1】19種類のサケマス類のSINE間配列制限PCRプラ
イマーの名前、塩基配列および融解温度(Tm)を示す。
上端には、HpaIファミリーの5'上流側の末端の配列
(センス)と、その相補鎖(アンチセンス)の配列が示
されており、プライマーHPA-R-aとHpaIファミリーの相
補鎖との対応が縦棒で示されている。その左にある
「・」の記号はプライマーHPA-R-aの3'末端にHpaIファ
ミリーの相補鎖(アンチセンス)の配列とマッチしない
塩基(アデニンa)が1つ付加されていることを示す。
このようなミスマッチ塩基は全てのSINE間配列制限PCR
プライマーにおいて小文字(a,c,t,g)で表され、それ
以外のマッチした塩基は大文字で表されている。下端に
はコントロールとして用いられたユニバーサルプライマ
ー(Univ-24)の配列を示している。
【図2】この図は、ニジマスDNAのSINE間配列制限PCRフ
ィンガープリントを示す電気泳動写真である。プライマ
ーとしてHPA-R-aを用い、アニーリング温度68℃でPCRを
行い、ポリアクリルアミドゲル電気泳動して銀染色によ
り観察した。左側は、基質のニジマスDNAの量を4段階
(0.1ng,1ng,10ng,100ng)に変えた場合のパターン
を、右側は、レーン1〜5に5個体の各ニジマスの異な
るパターン、レーン6にユニバーサルプライマー(Univ
-24)を用いたときのパターンをそれぞれ示した。MはDN
A分子量マーカーであり、長さは下から134bp、154bp、2
01bp、210bp、298bp、344bp、396bp、506bp、517bp、10
18bp、1636bp、2036bp、…と続く。
【図3】この図は、サクラマスDNAのSINE間配列制限PCR
フィンガープリントを示す電気泳動写真である。プライ
マーとしてHPA-R-GC3tを用い、アニーリング温度68℃で
PCRを行い、ポリアクリルアミドゲル電気泳動して銀染
色により観察した。左側は、サクラマス1腹子5個体か
ら得られたDNAを基質とし、右側は、同一クローン集団
のサクラマス6個体から得られたDNAを基質としたとき
のパターンを示す。MはDNA分子量マーカーである。
【図4】この図は、ヒトDNAのSINE間配列制限PCRフィン
ガープリントを示す電気泳動写真である。PCRの基質DNA
として3人のヒト(いずれも日本人、左のレーンからO,
K,Tと呼ぶ)から得られたDNA10ngずつを用いた。プライ
マーは(a)Alu、(b)Alu-a、(c)Alu-g、(d)Alu-gt をそれ
ぞれ使用した。(a)のAluは制限プライマーでないのでス
メアのみが観察され、特定のバンドが見られない。(b),
(c),(d)ではバンドが出現しているのがわかる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/09 ZNA C12Q 1/68 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX) REGISTRY(SNT) WPI(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真核生物の個体判別方法であって、真核
    生物の短い散在反復配列(SINE)の塩基配列の一部
    とマッチする配列の3'末端にSINEと関係ないかミス
    マッチする塩基を1つ以上付加した1つまたは複数の制
    限プライマーを作製し、真核生物から採取したDNAに
    前記制限プライマーを作用しプライマーの融解温度より
    高い温度でのアニーリングを含むポリメラーゼ連鎖反応
    (PCR)条件下でPCRを行ってSINE間に挟まれ
    た配列を増幅し、PCR産物を電気泳動にかけてフィン
    ガープリントを得、フィンガープリントの多型性の比較
    から個体を判別することからなる方法。
  2. 【請求項2】 前記アニーリング温度が、プライマーの
    融解温度より2〜5℃高い温度であることを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記電気泳動による判別がアガロースゲ
    ル電気泳動と臭化エチジウム染色かまたは、ポリアクリ
    ルアミドゲル電気泳動と銀染色もしくは臭化エチジウム
    染色によるものであることを特徴とする請求項1または
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 真核生物がヒト等の哺乳動物であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 真核生物がサケ・マス類等の魚類である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 ヒト個体を判別するための制限プライマ
    ーが配列番号1〜30に示されるいずれかの配列からなる
    ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 サケ・マス類の個体を判別するための制
    限プライマーが配列番号31〜49に示されるいずれかの配
    列からなることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 真核生物の短い散在反復配列(SIN
    E)の塩基配列の一部とマッチする配列の3'末端にSI
    NEと関係ないかミスマッチする塩基を1つ以上付加し
    た、真核生物を判別するための制限プライマー。
  9. 【請求項9】 配列番号1〜30に示される配列の中から
    選択される、ヒト個体を判別するための制限プライマ
    ー。
  10. 【請求項10】 配列番号31〜49に示される配列の中か
    ら選択される、サケ・マス類の個体を判別するための制
    限プライマー。
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