JP2912994B2 - エレベータのガイドレール芯出し装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エレベータのガイドレ
ール芯出し装置に係り、特に、かご用ガイドレールを基
準に前記カウンタウェート用ガイドレールの芯出しを行
うエレベータのガイドレール芯出し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば実開平５−３２３６８号公
報に記載されるように、芯出しされたかご用ガイドレー
ルに係合する第１の治具と、カウンタウェート用ガイド
レールに狭持する第２の治具と、前記第１の治具と前記
第２の治具とを互いに結合するブラケットとを有し、前
記かご用ガイドレールを基準に前記カウンタウェート用
ガイドレールの芯出しを行うエレベータのガイドレール
芯出し装置が一部実用化されている。そして、前記第２
の治具は、カウンタウェート用ガイドレールの一方の側
面に当接する固定片と、カウンタウェート用ガイドレー
ルの他方の側面に当接する移動片と、この移動片を固定
片方向へ移動させるボルトとを有している。

【０００３】このように構成される従来のガイドレール
芯出し装置にあっては、前記ボルトを螺合させることに
より前記移動片を前記固定片方向へ移動させ、すなわ
ち、前記移動片と共に前記カウンタウェート用ガイドレ
ールを移動し、このカウンタウェート用ガイドレールを
前記移動片と前記固定片とにより狭持して芯出しするよ
うになっている。そして、このとき前記カウンタウェー
ト用ガイドレールが、このカウンタウェート用ガイドレ
ールの取付面に対する垂直方向にずれていることが多
く、このため、前記カウンタウェート用ガイドレールの
底部をハンマーでたたき、前記カウンタウェート用ガイ
ドレールの頂部が前記第２の治具の支持片へ当接するよ
うにしていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来のガイドレール芯出し装置では、カウンタウェート用
ガイドレールの底部をハンマーでたたくため、力の入れ
具合によっては前記カウンタウェート用ガイドレールの
頂部を凹ませてしまうことがあるともに、重いハンマー
を振るため多くの労力を要するという問題もあった。

【０００５】また、従来のガイドレール芯出し装置で
は、移動片をボルトにより移動するよう構成されている
ため、狭い空間でのボルトの締め作業が必要となるとと
もに、装置の取外しのために前記ボルトを緩める作業を
も必要とし、作業性に優れないという問題があった。

【０００６】本発明はこのような従来技術における実情
に鑑みてなされたもので、その目的は、ハンマーを用い
ることなくカウンタウェート用ガイドレールを所定位置
へ容易に移動させることのできるエレベータのガイドレ
ール芯出し装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項１に記載の発明は、芯出しされたかご
用ガイドレールに係合する第１の治具と、カウンタウェ
ート用ガイドレールを狭持する第２の治具と、前記第１
の治具と前記第２の治具とを互いに結合するブラケット
とを有し、前記かご用ガイドレールを基準に前記カウン
タウェート用ガイドレールの芯出しを行うエレベータの
ガイドレール芯出し装置において、前記第２の治具は、
前記カウンタウェート用ガイドレールの底部を押圧する
押圧手段と、前記カウンタウェート用ガイドレールの頂
部の移動を規制する支持片とを備えるとともに、前記押
圧手段は、一端がブラケットに支持され、前記カウンタ
ウェート用ガイドレール方向に回動可能なアームと、こ
のアームに装着され、前記カウンタウェート用ガイドレ
ールの底部を頂部方向に押圧可能な押圧片と、一端がブ
ラケットに回動可能に支持され、前記押圧片を駆動する
ハンドルとを有する構成にしてある。

【０００８】

【作用】本発明の請求項１に記載の発明は前記のように
構成したので、ハンドルを回動させることにより、アー
ムがカウンタウェート用ガイドレール方向に回動すると
ともに、このアームに装着された押圧片がカウンタウェ
ート用ガイドレールの底部を頂部方向に押圧する。この
押圧に伴いカウンタウェート用ガイドレールの頂部が第
２の治具の支持片に当接することにより、カウンタウェ
ート用ガイドレールを取付面に対する垂直方向に位置決
めされるようになっている。このように、ハンドルの操
作といった容易な方法によってカウンタウェート用ガイ
ドレールを所定位置へ移動させることができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明のエレベータのガイドレール芯
出し装置の実施例を図に基づいて説明する。

【００１０】図１は本発明のエレベータのガイドレール
芯出し装置の一実施例を示し、押圧手段によりガイドレ
ールの固定位置が修正される前の状態の平面図、図２は
図１の押圧手段によりガイドレールの固定位置が修正さ
れた状態の平面図、図３は第２の治具によりガイドレー
ルが狭持される前の状態の平面図、図４は図３に示す第
２の治具によりガイドレールが狭持された状態の平面
図、図５は図１のガイドレール芯出し装置によりカウン
タウェート用ガイドレールの芯出しを行っている状態を
示す昇降路の平面図である。

【００１１】エレベータは図５に示すように、昇降路１
内を昇降する昇降体、すなわち、乗かご２および図示し
ないカウンタウェートと、乗かご２の昇降を案内するか
ご用ガイドレール３と、芯出しされたかご用ガイドレー
ル３を昇降路壁に取付けるブラケット４と、カウンタウ
ェートの昇降を案内するカウンタウェート用ガイドレー
ル５と、カウンタウェート用ガイドレール５を昇降路壁
に取付けるブラケット６とを有している。

【００１２】このように構成されるエレベータに適用さ
れるガイドレール芯出し装置７は、芯出しされたかご用
ガイドレール３に係合する第１の治具８と、カウンタウ
ェート用ガイドレール５を狭持する第２の治具９と、第
１の治具８と第２の治具９とを互いに結合するブラケッ
ト１０とを有している。

【００１３】そして、本実施例のガイドレール芯出し装
置７の第２の治具９は図１、２に示すように、カウンタ
ウェート用ガイドレール５の底部５Ａを押圧する押圧手
段、すなわち、一端が回動可能に軸１１を介して支持体
１２へ支持され、カウンタウェート用ガイドレール方向
に回動可能なアーム１３と、このアーム１３に移動軸１
４を介して装着され、カウンタウェート用ガイドレール
５の底部５Ａを頂部５Ｂ方向に押圧可能な押圧片１５
と、一端が連結体１６および軸１７、１８を介して支持
体１２に、また、軸１９を介してアーム１３にそれぞれ
回動可能に支持され、押圧片１５を駆動するハンドル２
０と、カウンタウェート用ガイドレール５の頂部５Ｂに
当接し、このカウンタウェート用ガイドレール５の移動
を規制する支持片２１とを備えている。

【００１４】また、図３、４に示すように、ブラケット
１０に取付けられ、カウンタウェート用ガイドレール５
の一方の側面５Ｃに当接する当接面２２Ａを備えた固定
片２２と、固定片２２に取付けられたＶ字形支持体２３
と、カウンタウェート用ガイドレール５の他方の側面５
Ｄに当接する当接面２４Ａを備えた移動片２４と、この
移動片２４を支持し、Ｖ字形支持体２３の一片２３Ａに
設けられた筒内を摺動する移動軸２５と、Ｖ字形支持体
２３の他片２３Ｂに軸２６を介して回動可能に支持され
たハンドル２７と、一端がハンドル２７に軸２８を介し
て、他端が移動軸２５の端部に軸２９を介して接続され
た半月状のアーム３０とを備えている。なお、移動軸２
５を固定片２２方向へ移動させる移動手段は、前述のハ
ンドル２７およびアーム３０から成っている。

【００１５】この実施例にあっては、まず、かご用ガイ
ドレール３が芯出しされてブラケット４にて昇降路壁１
Ａに固定された後、第１の治具８をかご用ガイドレール
３に係合固定する。次に、カウンタウェート用ガイドレ
ール５の他方の側面５Ｄを図３に示すように移動片２４
の当接面２４Ａと当接させ、この状態でハンドル２７を
手前に回動させる。これにより移動軸２５は固定片２２
方向に移動し、これに伴って、カウンタウェート用ガイ
ドレール５を固定片２２方向に移動させ、図４に示すよ
うに固定片２２の当接面２２Ａとカウンタウェート用ガ
イドレール５の一方の側面５Ｃとを当接させる。すなわ
ち、カウンタウェート用ガイドレール５を固定片２２と
移動片２４とにより狭持する。このとき、ハンドル２７
の軸２８が軸２９と軸２６と一直線上となるため、ハン
ドル２７から手を離してもこの固定状態が保持される。

【００１６】次いで、ハンドル２０を回動させることに
より、アーム１３がカウンタウェート用ガイドレール５
方向に回動するとともに、このアーム１３に装着された
押圧片１５がカウンタウェート用ガイドレール５の底部
５Ａに当接し、このカウンタウェート用ガイドレール５
を頂部５Ｂ方向に押圧する。この押圧に伴い図５に示す
ようにカウンタウェート用ガイドレール５の頂部５Ｂが
第２の治具９の支持片２１に当接することにより、カウ
ンタウェート用ガイドレール５を取付面に対する垂直方
向に位置決めされる。このとき、軸１９が軸１７，１８
と一直線上となるため、ハンドル２０から手を離しても
この固定状態が保持される。

【００１７】そして、固定片２２および支持片２１は、
第１の治具８がかご用ガイドレール３に係合固定された
時、既に規定の寸法内になっており、したがって、カウ
ンタウェート用ガイドレール５を図２の状態とした時、
このカウンタウェート用ガイドレール５の芯出しを完了
した状態となり、この状態でカウンタウェート用ガイド
レール５をブラケット６より昇降路壁１Ａに固定する。

【００１８】このように構成した実施例では、ハンマー
を用いることなくカウンタウェート用ガイドレール５を
所定位置へ移動させることができる。また、従来のよう
にボルトの締め付けといった特別な作業を要することな
く、移動片２４を支持する移動軸２５を移動手段、すな
わち、ハンドル２７により移動させるという容易な方法
によってカウンタウェート用ガイドレール５の狭持を行
なうことができるとともに、ハンマーを用いることなく
カウンタウェート用ガイドレールを所定位置へ移動させ
ることができる。さらに、ハンドル２０の操作といった
容易な方法によってカウンタウェート用ガイドレール５
を所定位置へ移動させることができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明の請求項１に記載の発明は以上の
ように構成したので、ハンドルの操作といった容易なや
り方によって、ハンマーを用いることなくカウンタウェ
ート用ガイドレールを所定位置へ移動させることがで
き、これによって、ガイドレール芯出し作業の作業性お
よび作業効率を向上させることができるとともに、ハン
マーでたたくことに伴うカウンタウェート用ガイドレー
ルの破損をなくすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエレベータのガイドレール芯出し装置
の一実施例を示し、押圧手段によりガイドレールの固定
位置が修正される前の状態の平面図である。

【図２】図１の押圧手段によりガイドレールの固定位置
が修正された状態の平面図である。

【図３】第２の治具によりガイドレールが狭持される前
の状態の平面図である。

【図４】図３に示す第２の治具によりガイドレールが狭
持された状態の平面図である。

【図５】図１のガイドレール芯出し装置によりカウンタ
ウェート用ガイドレールの芯出しを行っている状態を示
す昇降路の平面図である。

【符号の説明】

１ 昇降路 ３ かご用ガイドレール ５ カウンタウェート用ガイドレール ７ ガイドレール芯出し装置 ８ 第１の治具 ９ 第２の治具 １０ ブラケット １２ 支持体 １３ アーム １４ 移動軸 １５ 押圧片 １６ 連結体 ２０ ハンドル ２１ 支持片 ２２ 固定片 ２３ Ｖ字形支持体 ２４ 移動片 ２５ 移動軸 ２７ ハンドル ３０ アーム

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B66B 7/00 B66B 7/02

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 芯出しされたかご用ガイドレールに係合
   する第１の治具と、カウンタウェート用ガイドレールを
   狭持する第２の治具と、前記第１の治具と前記第２の治
   具とを互いに結合するブラケットとを有し、前記かご用
   ガイドレールを基準に前記カウンタウェート用ガイドレ
   ールの芯出しを行うエレベータのガイドレール芯出し装
   置において、 前記第２の治具は、前記カウンタウェート用ガイドレー
   ルの底部を押圧する押圧手段と、前記カウンタウェート
   用ガイドレールの頂部の移動を規制する支持片とを備え
   るとともに、 前記押圧手段は、一端がブラケットに支持され、前記カ
   ウンタウェート用ガイドレール方向に回動可能なアーム
   と、このアームに装着され、前記カウンタウェート用ガ
   イドレールの底部を頂部方向に押圧可能な押圧片と、一
   端がブラケットに回動可能に支持され、前記押圧片を駆
   動するハンドルとを有する ことを特徴とするエレベータ
   のガイドレール芯出し装置。