JP2912603B1 - 筐体の封印装置 - Google Patents

筐体の封印装置

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JP2912603B1
JP2912603B1 JP3127498A JP3127498A JP2912603B1 JP 2912603 B1 JP2912603 B1 JP 2912603B1 JP 3127498 A JP3127498 A JP 3127498A JP 3127498 A JP3127498 A JP 3127498A JP 2912603 B1 JP2912603 B1 JP 2912603B1
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進 宇佐美
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Abstract

【要約】 【課題】 電気的な開封記憶手段を備える筐体の封印装
置において、検査に伴う開封記憶の問題を解決すること 【解決手段】 封印装置10の完成検査はスイッチSW
が遮断されている状態で行われるので、コンデンサC2
に電荷が蓄積されることはなく、すぐに次の工程に進め
る。遊技制御装置30の検査は、開封検出素子SEを開
に固定して行われるのでコンデンサC2が充電されるこ
とはない。遊技制御装置30の検査後に外部電源を遮断
してから、放電端子T3とグランド端子T2とを短絡さ
せてコンデンサC1を放電させてから、開封検出素子S
Eの開固定を解除する。既にコンデンサC1が放電され
ているから、開封検出素子SEが閉になってもコンデン
サC2が充電されることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筐体の開封を検出
して記憶することにより、例えば筐体内の装置が不正に
改造されるのを防止する筐体の封印装置の技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】例えばパチンコ機等の弾球遊技機やスロ
ットマシン等の回胴式遊技機等の各種の遊技機におい
て、その動作を制御するのに使用される電子装置(制御
基板)は、製造元にて厳正な管理の下で生産・検査され
ている。そして、出荷後の不正な改造を防止するため
に、例えば透明プラスチック製の箱(基板ボックス)に
収納し、締め付け方向にはドライバが効くが緩める方向
には効かない頭部形状を持つボルトによって基板ボック
スの蓋を固定し、さらにメーカー名等が記載された封印
シールで封印した後に出荷される。
【0003】ところが、このように厳重に封印しておい
ても、その弱点を狙って基板ボックスを開放して、例え
ばROMを不正なROM(裏ROM)に交換する等の行
為が後を絶たなかった。また、筐体内に収容されている
装置等を不正に改造して何らかの利得を図ったり、ある
いはその装置の使用者または所有者に不利益をもたらそ
うとする行為は、遊技機の制御基板に限らなかった。
【0004】こうした不正行為が行われた場合に、それ
を確実且つ迅速に発見できる筐体の封印装置として、特
許第2683228号の筐体の封印装置がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特許第
2683228号の筐体の封印装置にも、いまだ改善の
余地があった。具体的には、筐体の封印装置の完成検査
及び制御基板等に実装してからの動作確認検査におい
て、次のような不都合があった。
【0006】まず、筐体の封印装置が正常に作動するこ
と(良品か不良品か)を確認するための完成検査時に
は、封印装置は筐体に収容されていないわけで、当然な
がら開封記憶手段に開封検出手段が開封時状態に変化し
たことが記憶(開封記憶)されてしまう。
【0007】例えば開封検出手段が開封時状態に変化す
ると電荷がチャージされるコンデンサを開封記憶手段と
して使用した場合(この発明は本願と同じ出願人により
特願平9−358111号として出願されている)、筐
体の封印装置が良品であれば当然コンデンサに電荷がチ
ャージされ、その電荷は例えば2日間以上も残留する。
したがって、完成検査で良品とされた封印装置は、コン
デンサから電荷が消滅するまで(例えば2日間以上も)
待ってからでなければ、これを筐体に実装する作業にか
かれないという問題があった。
【0008】もちろん、開封記憶手段がコンデンサの場
合なら、その両端子を短絡させて放電させることが可能
であり、他の素子や回路を開封記憶手段として用いる場
合も適宜の手法で開封記憶を抹消することが可能ではあ
る。しかしながら、封印装置の回路基板のほとんどは、
筐体を不正に開放した者によって封印記憶の抹消がなさ
れるのを防止するために、シリコンゴムや樹脂モールド
等で覆われてしまうから、例えば短絡等の手法によって
開封記憶を抹消するのは事実上不可能である。
【0009】すなわち、筐体の封印装置が正常に作動す
ること(良品か不良品か)を確認するための完成検査に
おける開封記憶に対する対策が必要となる。次に、筐体
の封印装置が実装された制御基板等の動作確認検査は、
不良品の発生による損失を少なくし、また動作確認検査
を行いやすくするためにも、筐体に収容する前に行われ
る。すると、前述と同様に開封記憶が残ってしまうの
で、これを抹消してから筐体に収容するか、あるいは開
封記憶が消滅するまで待ってから筐体に収容する必要が
ある。よって、封印装置が実装された制御基板等の動作
確認検査に伴う開封記憶に対する対策も必要となる。
【0010】本発明は、特許第2683228号の筐体
の封印装置やこれを改良した特願平9−358111号
の封印装置、あるいはこれらと同様の開封記憶手段を備
える封印装置に存する、検査に伴う開封記憶の問題を解
決することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の筐体の封
印装置は、筐体が開封されると封印時状態から開封時状
態に変化する開封検出手段と、該開封検出手段が前記開
封時状態に変化したことを記憶する開封記憶手段と、外
部電源にて充電され外部電源遮断後も前記開封検出手段
及び開封記憶手段の電源となる内部電源と、外部電源を
受けて動作し、前記開封記憶手段に前記開封検出手段が
開封時状態に変化したことが記憶されている場合に、そ
の旨を表わす表示信号を出力する表示信号出力手段とを
備え、前記筐体内に収容される筐体の封印装置におい
て、前記内部電源を放電させるための放電端子と、阻止
位置とされたときには前記開封検出手段の前記開封時状
態への変化を阻止し、前記阻止位置からの移動または取
外しにより前記開封検出手段の前記開封時状態への変化
を許す変化阻止手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】開封検出手段は、例えば筐体の蓋が開けら
れると、それに連動して、または蓋もしくは蓋に連動す
る部材による圧迫やロック等の規制を解除されて、ある
いは蓋との距離や電磁的な関係が変化することによって
封印時状態から開封時状態に変化するものである。開封
検出手段の状態の変化としては物理的な位置変化、電気
的あるいは磁気的な値もしくは性質の変化、それらを組
み合わせた変化等が例示され、具体的な例としては、筐
体の開閉状態に応じてオン・オフされる接点型のセン
サ、磁気的なセンサ、光学的なセンサ等がある。
【0013】開封記憶手段は、開封時状態に変化したこ
とを記憶しているときとしていないときとで電気的ある
いは磁気的な値、状態もしくは性質が変化するものであ
ればよく、R−Sフリップフロップ回路、コンデンサ、
可変抵抗、自己保持スイッチ等の少なくとも2つの状態
をとり得る素子が例示される。
【0014】内部電源としては公知の蓄電池を採用でき
るが、容量の大きいコンデンサを用いることもできる。
表示信号出力手段としては、開封記憶手段の記憶状態に
応じて信号レベルを変化させたり、信号パターンを変化
させる素子や回路を用いればよい。
【0015】この筐体の封印装置は、内部電源を放電さ
せるための放電端子を備えたので、筐体の封印装置が実
装された制御基板等の動作確認検査において開封記憶手
段に開封記憶が残っても、放電端子によって内部電源を
放電させることで開封記憶手段への電力の供給を絶つこ
とができる。したがって、記憶保持のために電力を必要
とする構成の開封記憶手段ならば、その開封記憶を抹消
することができる。よって、筐体の封印装置の完成検査
あるいは筐体の封印装置が実装された制御基板等の動作
確認検査に伴って開封記憶がなされてもこれを速やかに
抹消できるから、例えば開封記憶が消滅するまで待つ必
要はない。
【0016】ただし、コンデンサを開封記憶手段として
使用した場合(特願平9−358111号)のように、
内部電源の放電だけでは開封記憶(コンデンサの電荷
等)が消滅しない構成を採用したときには、請求項1記
載の構成だけでは対策が不十分である。
【0017】そこで、阻止位置とされたときには前記開
封検出手段の前記開封時状態への変化を阻止し、前記阻
止位置からの移動または取外しにより前記開封検出手段
の前記開封時状態への変化を許す変化阻止手段を備え
た。
【0018】この変化阻止手段を阻止位置にして開封検
出手段の開封時状態への変化を阻止した状態で筐体の封
印装置が実装された制御基板等の動作確認検査を実行す
れば、この検査時に開封記憶がなされることはない。そ
して、検査の終了後に外部電源を遮断してから内部電源
を放電させて(開封記憶手段を動作できない状態にし
て)から、変化阻止手段を阻止位置から移動または取外
して開封検出手段の開封時状態への変化を許す状態とし
て、これを筐体に収容して筐体を閉鎖する。こうすれ
ば、開封記憶手段に開封記憶はなく、開封検出手段は動
作可能な状態の筐体の封印装置を筐体内に納めることが
できる。さらに、この筐体を閉鎖してから封印装置に外
部電源から通電すれば、封印装置は本来の働きをするこ
とができる。
【0019】さて、筐体の封印装置の完成検査に際して
変化阻止手段を使用してもよいが、それでは開封検出手
段が正常に動作するか否かの確認ができない。したがっ
て、変化阻止手段によらず、それでいてコンデンサのよ
うな開封記憶手段に開封記憶が残らないように、筐体の
封印装置の完成検査を実施するための対策が必要とな
る。
【0020】これに対処するために、請求項2記載の筐
体の封印装置は、筐体が開封されると封印時状態から開
封時状態に変化する開封検出手段と、該開封検出手段が
前記開封時状態に変化したことを記憶する開封記憶手段
と、外部電源にて充電され外部電源遮断後も前記開封検
出手段及び開封記憶手段の電源となる内部電源と、外部
電源を受けて動作し、前記開封記憶手段に前記開封検出
手段が開封時状態に変化したことが記憶されている場合
に、その旨を表わす表示信号を出力する表示信号出力手
段とを備え、前記筐体内に収容される筐体の封印装置に
おいて、前記内部電源を放電させるための放電端子と、
前記開封記憶手段への電力供給を遮断するオフ状態から
該電力供給を許すオン状態に切換可能なスイッチ手段と
を備えたことを特徴とする。
【0021】この筐体の封印装置では、スイッチ手段を
オフ状態としておいて筐体の封印装置の完成検査が実施
される。そして、完成検査にて良品であると確認された
筐体の封印装置については、内部電源を放電させてから
スイッチ手段をオン状態とすれば、コンデンサのような
開封記憶手段に開封記憶が残ることはない。
【0022】このスイッチ手段を、繰り返してオン−オ
フを切換可能な可逆的な構成とすれば、筐体の封印装置
が実装された制御基板等の動作確認検査に際しても、こ
れをオフ状態にしておくことで開封記憶がなされるのを
防止できる。しかし、可逆的なスイッチ手段であると、
筐体を不正に開放しようとする者が、このスイッチ手段
をオフ状態にして筐体の開閉を行うおそれもある。
【0023】このような可能性に対しては、このスイッ
チ手段を、初期的には開封記憶手段への電力供給を遮断
するオフ状態にあり、一旦オン状態とされるとオフ状態
へは復帰しない不可逆スイッチ手段とすることで対処で
きる。この場合、不可逆スイッチ手段をオフ状態として
おいて筐体の封印装置の完成検査を実施して、内部電源
を放電させてから不可逆スイッチ手段をオン状態とすれ
ば、筐体を不正に開放しようとする者が、不可逆スイッ
チ手段をオフ状態にして筐体の開閉を行うおそれはなく
なる。不可逆スイッチ手段を採用した場合には、請求項
1記載の変化阻止手段を併用し請求項3記載の構成とし
て、筐体の封印装置が実装された制御基板等の動作確認
検査を行えばよい。不可逆スイッチ手段は、例えばプリ
ント配線の一部を遮断しておいて(オフ状態)、これを
ハンダ付けで結ぶ(オン状態)手法や可動接点をカシメ
等によって固定してしまう手法等によって実現できる。
【0024】次に請求項4記載の筐体の封印装置は、請
求項1ないし3のいずれか記載の筐体の封印装置におい
て、該封印装置の外殻となるケースと、前記開封検出手
段の一部であって、前記筐体が閉鎖されているときには
封印時位置にされ該筐体が開封されると前記ケースに設
けられた通過口から該ケースの外側に突出して開封時位
置になる移動部材と、前記ケースの外面側から前記通過
口への液体の流入を防止する流入防止部材とを設けたこ
とを特徴としている。
【0025】この構成は、筐体が閉鎖されているときに
は封印時位置にされ筐体が開封されるとケースに設けら
れた通過口からケースの外側に突出して開封時位置にな
る移動部材とし、その移動部材の封印時位置と開封時位
置との切換わりに応じて、例えば接点をオン−オフする
構造の開封検出手段を採用する場合に、筐体のわずかな
隙間や通気用の小孔から接着剤を滴下して移動部材を封
印時位置に固定してから筐体を開放せんとする行為に対
処するものである。
【0026】筐体の封印装置を使用するに当たっては、
移動部材またはその付近に直接接着剤を滴下できないよ
うな構造とされるが、例えばケースの外面をつたわらせ
て移動部材またはその付近に接着剤を到達させるおそれ
もある。しかし、この請求項4の構成とすれば、流入防
止部材が、ケースの外面側から通過口への液体の流入を
防止するので、ケースの外面をつたわらせて接着剤を流
しても、その接着剤が通過口に到達することはなく、こ
のような手段で移動部材を封印時位置に固定しようとす
るたくらみを防止できる。
【0027】次に、請求項5記載の筐体の封印装置は、
請求項1ないし4のいずれか記載の筐体の封印装置にお
いて、前記内部電源がコンデンサ(C1)であることを
特徴とする。前述したように、内部電源として蓄電池を
使用できる。ところで、蓄電池の種類にもよるが、蓄電
池を放電し尽くすのはあまり容易ではない。しかし内部
電源をコンデンサにすれば、放電端子によって短絡させ
るだけで放電し尽くすことができる。よって、請求項1
放電端子による効果を極めて簡単、確実に達成でき
る。
【0028】最後に、請求項6記載の筐体の封印装置
は、請求項1ないし5のいずれか記載の筐体の封印装置
において、前記開封検出手段が前記開封時状態に変化す
ると充電されるコンデンサ(C2)を前記開封記憶手段
としていることを特徴とする。この請求項6記載の筐体
の封印装置は、静電気や電磁波による電気的ノイズによ
って開封記憶手段の記憶状態が改変されるのを防止する
うえできわめて有効である。
【0029】例えば開封記憶手段としてフリップフロッ
プを用いると、次のような問題がある。すなわち、筐体
を不正に開封して何らかの不正行為(例えばROMの交
換)を行って筐体を元通りに閉じてから、封印装置の回
路に静電ショックあるいは電気的ノイズを与えると、そ
れがフリップフロップの入力トリガーとなってフリップ
フロップの状態が反転することがある。つまり、開封記
憶が消去されてしまうから、筐体が不正に開放されたこ
とを発見できない。また、フリップフロップでなくて
も、静電ショックや電気的ノイズに弱いものなら同様の
ことが起こり得る。
【0030】請求項6記載の筐体の封印装置によれば、
筐体が開封されると、開封検出手段が開封時状態に変化
し開封記憶手段としてのコンデンサ(C2)に充電され
る。このコンデンサの充電状態は、外部電源の遮断後も
長期間継続するから、次に外部電源が供給された際に
は、表示信号出力手段が動作して、コンデンサが充電状
態にあること、すなわちに筐体が開封されたことを表す
表示信号を出力することができる。
【0031】コンデンサは、静電ショックあるいは電気
的ノイズが加えられた場合、その瞬間だけは電位の変化
が生じるとしても、静電ショックあるいは電気的ノイズ
の印加が終われば元の電位に復帰するから、フリップフ
ロップのように、静電気あるいは電気的ノイズによる状
態反転といった現象が起こらない。よって、静電気ある
いは電気的ノイズによる開封記憶の抹消ないし書き換え
を確実に防止できる。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、本発明の筐体の封印装置を
パチンコ機の遊技制御装置を収容する基板ボックスの封
印に採用した実施例を、図面を参照して説明して発明の
実施の形態の説明とする。
【0033】
【実施例】図1に示すように、本実施例の筐体の封印装
置(以下、単に封印装置ともいう)10は、図示しない
パチンコ機の遊技盤に設置されている変動入賞装置や図
柄表示装置等の電気部品の動作を制御する遊技制御装置
30の回路基板32に組み付けられる。
【0034】遊技制御装置30は、図示しない配線パタ
ーンがプリントされた回路基板32上に周知のCPU
(図示略)、ROM、RAM(図示略)、入出力回路
(図示略)、入出力回路と外部のセンサ類、変動入賞装
置、図柄表示装置等(いずれも図示略)とを接続するた
めの外部接続端子34、パチンコ機本体からの電力が供
給される電源端子36等が実装された、マイクロコンピ
ュータである。
【0035】筐体に該当する基板ボックス40は底部4
2と蓋部44とからなり、底部42に回路基板32を固
定し、底部42と蓋部44とを図示しないボルトによっ
て連結することで閉鎖状態にされる。そして、底部42
から張出された取付部46を介してパチンコ機の背面側
に装着される。ただし、回路基板32の外部接続端子3
4及び電源端子36が搭載されている領域のみは、基板
ボックス40の外部に露出されている。なお、この領域
の表側(図にて上側)には配線パターンはプリントされ
ていない。また、基板ボックス40は透明プラスチック
製で、回路基板32の配線の状態やROM等の機能部品
を外部から確認できる。
【0036】図2及び図3に示すように、封印装置10
の外殻となるケース11は、ケース本体12とケースカ
バー14とで構成されている。ケース本体12及びケー
スカバー14は、接着剤により接着されて一体化してい
る。ケース11は、少なくともケースカバー14が透明
プラスチック製であり、詳細は後述するが発光ダイオー
ドLED1の光がケース11を透過して封印装置10の
外部に到達できる。なお、発光ダイオードLED1の光
を外部に透過させるためには、ケース11の一部が透明
または透光性であればよいが、全体を透明または透光性
のプラスチックとしてもよい。
【0037】図2に示すように、ケース本体12の底1
2aにはケース11の内部に通じる開口12bが設けら
れ、ここにプリント基板13の下端部の一部が差し込ま
れている。また、ケース本体12の上部開口12cを閉
鎖しているケースカバー14の内面に設けられた保持溝
14aにプリント基板13の上端部が差し込まれてい
る。すなわち、プリント基板13は、開口12bと保持
溝14aとによって、ケース11内に保持されている。
また、図3に示すように、ケース本体12には一対の係
止溝12dが設けられている。この係止溝12dの用途
は後述する。
【0038】プリント基板13には、図3に示されるよ
うに開口12bから突出する電源入力端子T1、グラン
ド端子T2、放電端子T3、出力端子T4、T5、図4
に示される固定接点Ta、Tb、コンデンサC1、C
2、図2及び図4に示される発光ダイオードLED1等
が組み付けられている。固定接点Taは金属製で、図2
に示されるように逆L字形をしており、図示は省略して
いるが固定接点Tbも金属製で固定接点Taと同形状で
ある。これら固定接点Ta、Tbは、その背面側をハン
ダ付けにてプリント基板13に固着されている。なお、
プリント基板13に設けられている回路構成の詳細につ
いては後述する。
【0039】図2に示すように、ケースカバー14には
通過口14bが設けられており、この通過口14bを移
動部材に該当する可動接点駆動体16のシャフト16a
が貫通している。シャフト16aは通過口14bの内面
を摺動して、その軸方向に往復変位できる。なお、通過
口14bの周囲はケースカバー14の表面から壁状に突
出し、流入防止部材に該当する流入防止壁14cとなっ
ている。
【0040】図2〜図4に示すように、シャフト16a
の先端にはキャップ17が嵌着されており、図2に示す
ように、シャフト16aの下端には、矩形のフランジ部
16bを介して、バネ保持軸16cが連設されている。
また、図2に示すようにフランジ部16bの上面には金
属板である可動接点Toが固着され、バネ保持軸16c
には圧縮コイルスプリング18が遊嵌されている。この
圧縮コイルスプリング18の上端はフランジ部16bの
下面に当接され、下端はケース本体12の底12aに当
接されている。このため、可動接点駆動体16は、圧縮
コイルスプリング18により図示上向き(シャフト16
aをケースカバー14から突き出す向き)に付勢されて
いる。
【0041】ただし、図1に示されるように封印装置1
0を収容して基板ボックス40を閉鎖した際には、図2
及び図3に示されるようにキャップ17が蓋部44の内
面に当接するので、シャフト16aは突出を阻まれて、
可動接点駆動体16は図2及び図3に示される封印時位
置とされている。しかし、蓋部44が開けられた際な
ど、圧縮コイルスプリング18の付勢力に抗して可動接
点駆動体16を封印時位置に止めうる外力が解除された
ときには、可動接点駆動体16は上昇して、可動接点T
oが固定接点Ta、Tbに当接する開封時位置となる。
可動接点駆動体16、可動接点To及び固定接点Ta、
Tbは開放検出手段として機能するが、その詳細は後述
する。
【0042】次に、図5を参照して封印装置10の回路
構成を説明する。なお、上述したように、可動接点To
は可動接点駆動体16のフランジ部16bに固着されて
いるが、これ以外はプリント基板13に装着されてい
る。電源入力端子T1とグランド端子T2は外部電源供
給用の端子であり、電源入力端子T1には、外部電源に
該当する遊技制御装置30(図1参照)の電源回路(図
示は省略)からの直流正電圧VCCが印可され、グランド
端子T2は、遊技制御装置30のグランドライン(図示
は省略)に接地される。また出力端子T4、T5は表示
信号出力用の端子であり、遊技制御装置30を介して例
えば遊技店のホールコンピュータ等に接続される。
【0043】電源入力端子T1に接続されている電源I
C51は、直流正電圧VCCを受けて一定電圧Vs(例え
ば5V)を発生させる。この電源IC51には、ダイオ
ードD1を介して、内部電源に該当するコンデンサC1
の正極側端子が接続され、コンデンサC1の負極側端子
はグランド端子T2に接続されている。このため、外部
電源が供給されているときには、このダイオードD1を
介して一定電圧VsにてコンデンサC1が充電される。
また、コンデンサC1の正極側端子は、放電端子T3と
固定接点Taに接続されている。本実施例ではコンデン
サC1は電気二重層のコンデンサで、その容量は0.1
[F]である。
【0044】固定接点Taは固定接点Tbと対をなし、
固定接点Taと固定接点Tbとの導通、非導通は可動接
点Toによって切り換えられる。これら固定接点Ta、
Tbと可動接点Toにより開封検出素子SEが構成され
ており、可動接点Toの位置に応じて開封検出素子SE
が開閉されることになる。固定接点Tbにはダイオード
D2及びスイッチSWを介して、開封記憶手段としての
コンデンサC2の正極側端子が接続されている。コンデ
ンサC2の負極側端子はグランド端子T2に接続されて
いるので、開封検出素子SEが導通状態になればコンデ
ンサC2が充電されることになる。本実施例ではコンデ
ンサC2は電気二重層のコンデンサで、その容量は0.
022[F]である。
【0045】なお、スイッチSWはスイッチ手段の一種
である不可逆スイッチ手段に該当しており、初期的には
図6に示されるように2つの接点SW1、SW2は、配
線パターンの遮断によって形成されており、封印装置1
0の完成検査後にハンダ付けHDにて不可逆的に導通状
態とされたものである。
【0046】図5に戻り、ダイオードD2からスイッチ
SWに至る経路からの分岐(スイッチSWが導通状態に
固定されているので、コンデンサC2の正極側)は、電
解効果トランジスタ(FET)52のゲートGに接続さ
れている。このFET52はNチャンネルMOS型であ
り、例えば2SK2009のような、入力がロー(L)
のときにドレインDとソースS間が遮断され、入力がハ
イ(H)のときにドレインDとソースS間が導通する性
質である。
【0047】FET52は表示出力回路53の構成単位
であり、ソースSはグランド端子T2に接続されてい
る。また、FET52のドレインDは抵抗R1を介して
電源IC51の出力側に接続されると共にオア回路54
の一方の入力端子と接続されている。
【0048】一方、電源IC51の出力側に接続された
発振器55の出力側には、分周器56が接続されてお
り、分周器56は、発振器55からの出力信号を分周し
て分周信号S1(例えば8Hz)と分周信号S2(例え
ば1Hz)を出力する。分周信号S2は前述のオア回路
54の他方の入力端子に入力され、分周信号S1はアン
ド回路57の一方の入力端子に入力される。また、アン
ド回路57の他方の入力端子にはオア回路54の出力信
号が入力される。
【0049】アンド回路57の出力端子は、抵抗R2及
び発光ダイオードLED1を介しての経路と、抵抗R3
及びホトカプラPCの発光ダイオードLED2を介して
の経路との2つの経路にてグランド端子T2に接続され
ている。また、ホトカプラPCのホトトランジスタPT
のコレクタは出力端子T5に、エミッタは出力端子T4
に、それぞれ接続されている。
【0050】次に、上述した構成になる封印装置10の
動作について説明する。外部電源が与えられると、電源
IC51およびダイオードD1を介してコンデンサC1
に電荷が蓄積される。このコンデンサC1の電荷は外部
電源が遮断された後も長時間残留する。また、基板ボッ
クス40が開放されると、蓋部44による圧迫が解除さ
れるので可動接点駆動体16が封印時位置から上昇して
開封時位置となり、可動接点Toが固定接点Ta、Tb
に当接して開封検出素子SEが閉になる。
【0051】外部電源が与えられているときに開封検出
素子SEが開であれば、FET52のゲートGはLでド
レインDはHであり、オア回路54の出力はHである。
すると、アンド回路57の出力は、分周器56からの分
周信号S1のレベル変化に対応したものとなるから、発
光ダイオードLED1、LED2は分周信号S1の周波
数(本実施例では8Hz)に対応して点滅する。発光ダ
イオードLED1の光は、共に透明プラスチック製のケ
ースカバー14及び基板ボックス40を透過して外部に
出る。また、出力端子T4、T5の信号は、例えばホー
ルコンピュータ等のリモートセンシング手段に入力され
る。
【0052】一方、外部電源が与えられたときに開封検
出素子SEが閉なら、FET52のゲートGはHでドレ
インDはLになり、オア回路54の出力は分周器56か
らの分周信号S2(本実施例では1Hz)に従ってオ
ン、オフする。その結果、アンド回路57の出力は、
0.5秒間のオフと0.5秒間の8Hz信号という波形
になり、発光ダイオードLED1の発光パターン及びL
ED2の発光パターンは、これに従ったものになる。
【0053】したがって、例えばホールコンピュータに
よって出力端子T4、T5の信号パターンを照合するこ
とで、開封検出素子SEが開か閉か、すなわち基板ボッ
クス40が開放されているかいないかを判別でき、その
結果をパチンコ機の台番号、時刻等と共に記録したり、
通報音を出したりディスプレイに表示するなどの処理が
可能になる。
【0054】なお、発光ダイオードLED1の発光パタ
ーンを観察、比較しても、開封検出素子SEが開か閉
か、すなわち基板ボックス40が開放されているかいな
いかがわかる。次に、発光ダイオードLED1の点滅パ
ターンを変化させるのは何のためかという点について説
明する。
【0055】例えば遊技店がある日の営業を終了してパ
チンコ機の電源を遮断すると、当然に封印装置10の外
部電源が遮断される。この外部電源の遮断後も、コンデ
ンサC1には電荷が残留している。この状態で基板ボッ
クス40が開放されると、開封検出素子SEが閉にな
り、コンデンサC1に由来する電荷がコンデンサC2に
蓄積される。このコンデンサC2の電荷は、開封検出素
子SEが開に復帰しても(基板ボックス40が閉じられ
ても)長時間にわたって残留する。本実施例の場合、コ
ンデンサC2の容量は0.022[F]であり、FET
52のゲート漏れ電流を100[nA]と仮定すると、
コンデンサC2の放電時間は、
【0056】
【数1】2.2×10-2/0.1×10-6[秒]=2.
2×105 /3600[時間] であり、約61時間となる。これは、例えば遊技店の定
休日を見込んでも、次に開店されるまでの休止時間を十
分に超えることになる。
【0057】そして、次の開店に伴って外部電源が与え
られたときには、コンデンサC2に電荷が残っているの
で、その電荷によってFET52のゲートGはHとな
る。そのためドレインDはLになり、オア回路54の出
力は分周器56からの分周信号S2に従ってオン、オフ
し、アンド回路57の出力は、0.5秒間のオフと0.
5秒間の8Hz信号という波形になり、発光ダイオード
LED1の発光パターン及びLED2の発光パターン
は、これに従ったものになる。
【0058】つまり、発光ダイオードLED1の発光パ
ターン及び出力端子T4、T5の信号パターンは、上述
した外部電源が与えられているときに開封検出素子SE
が閉にされた場合と同じになる。したがって、例えばホ
ールコンピュータは基板ボックス40が開放されている
と判定し、音声や画面表示で通報する。
【0059】一方、基板ボックス40を観察した場合に
は、これが閉じられているにもかかわらず、発光ダイオ
ードLED1が開放時と同じ発光パターンで点滅してい
るから、基板ボックス40が一旦開放された後に閉鎖さ
れたこと、すなわちROMの交換のような不正な作業が
おこなわれたことが判る。
【0060】よって、たとえば遊技店の閉店後に何者か
が忍び込んで、ROMの交換等、遊技制御装置30を改
変したとしても、そのような行為がなされたことを開店
に伴う電源の投入時に検出できる。これにより、不当な
利得を得ようとする行為(遊技店には損害)を確実に防
止できる。
【0061】なお、図5に示すところから明らかなよう
に、放電端子T3とグランド端子T2とを短絡させてコ
ンデンサC1を放電させても、コンデンサC2は放電さ
れないから、開封記憶に相当するコンデンサC2の電荷
を消すことはできない。ところで、場合によってはパチ
ンコ機がメーカーから出荷されて遊技店に設置されるま
での間(例えば輸送の途中)に、ROMの交換等、遊技
制御装置30の不正な改変が行われる可能性もある。そ
のような事態に対処するには、パチンコ機の出荷に際し
て封印装置10に外部電源を供給してコンデンサC1に
充電しておけばよい。そうすれば、輸送中に遊技制御装
置30の不正な改変が行われたとしても、上述の閉店後
に不正行為が行われた場合と同様、パチンコ機の電源を
投入した時点で発見できる。
【0062】さて、このようにパチンコ機に組付け後
は、基板ボックス40が開放されれば、それを確実に検
出し、例えば61時間程度の長時間にわたって開放記憶
を保持できるのだが、この性能は封印装置10の完成検
査や遊技制御装置30の動作確認検査において開放記憶
が与えられた場合でも、それが長時間保持されることを
意味している。したがって、発明が解決しようとする課
題の項に記載したような問題がある。次に、これらの問
題に対処するために設けられているスイッチSWと放電
端子T3の働きについて説明する。
【0063】まず、封印装置10の完成検査について説
明する。この検査はスイッチSWが遮断されている状態
で行われ、開封検出素子SEを開にしたときと閉にした
ときとの発光ダイオードLED1の発光パターンと出力
端子T4、T5の信号のパターンが設計通りであれば
(上述の外部電源を与えたときのパターンになれば)封
印装置10は良品と判定される。スイッチSWが遮断さ
れているので、この検査においてコンデンサC2に電荷
が蓄積されることはなく、次の工程(遊技制御装置30
への組付け)に進むに当たって、コンデンサC2を放電
させるための待ち時間は必要としない。
【0064】ここで不良品と判定されたものは廃棄され
るが、良品と判定されたものはスイッチSWの両接点S
W1、SW2を図6に示されるようにハンダ付けHDに
て接続されてから、端子T1〜T5を回路基板32に差
し込んでハンダ付けされることで、遊技制御装置30に
組み付けられる。
【0065】その後、遊技制御装置30の検査が行われ
る。なお、封印装置10は前述の完成検査で良品と判定
されているので、この検査で改めて封印装置10の検査
は行わないものとする。また、遊技制御装置30の検査
に先だって、図4及び図7に示されるように、変化阻止
手段に該当するロック部材60が封印装置10に装着さ
れる。ロック部材60は押さえ板62とその両端に連設
された一対の腕64とを有するコの字状の金属板で、腕
64の先端には係止爪64aが設けられている。そし
て、ロック部材60の押さえ板62の内面側をキャップ
17に当てて押し下げることによって可動接点駆動体1
6を封印時位置に下降させる。このとき腕64は、ケー
スカバー14の肩に施されているアールによって案内さ
れて、外側に弾性変形してケース11を挟持するように
して下降し、やがてケース本体12に設けられている一
対の係止溝12dに係止爪64aを係止させる。これ
で、ロック部材60に加えていた外力(押し下げる力)
を解除しても可動接点駆動体16は封印時位置に留めら
れる。
【0066】この作業を行ってから遊技制御装置30に
外部電源を与えて、遊技制御装置30の動作確認検査が
実施される。この際に電源入力端子T1にも外部電源が
与えられるのでコンデンサC1は充電されるが、可動接
点駆動体16が封印時位置にあるので開封検出素子SE
は開でありコンデンサC2が充電されることはない。
【0067】遊技制御装置30が良品であることが確認
されたなら、外部電源を遮断してから、放電端子T3と
グランド端子T2とを短絡させてコンデンサC1を放電
させた後、ロック部材60を係止溝12dに沿って移動
させて取り外す。コンデンサC1が放電されているか
ら、可動接点駆動体16が開封時位置になって開封検出
素子SEが閉になってもコンデンサC2が充電されるこ
とはない。すなわち、コンデンサC2には開封記憶が残
らない。
【0068】この後、遊技制御装置30を基板ボックス
40の底部42に固定し、蓋部44を遊技制御装置30
にかぶせるようにして押し下げると、キャップ17が蓋
部44の内面で押されるので可動接点駆動体16が封印
時位置に下降する。その状態で底部42と蓋部44とを
ボルトにて連結すれば、遊技制御装置30の基板ボック
ス40への収容が完了する。この遊技制御装置30を収
容した基板ボックス40をパチンコ機本体に装着し、遊
技制御装置30の外部接続端子34及び電源端子36
に、それぞれ対応するコネクタを接続する。
【0069】このようにして遊技制御装置30が装着さ
れたパチンコ機の全体の最終的な動作試験を行ってから
パチンコ機が出荷される。この出荷の直前に、遊技制御
装置30に外部電源を与え、それによって封印装置10
のコンデンサC1を充電しておけば、上述したように基
板ボックス40が輸送途中で開閉されても確実にこれを
発見できる。また、パチンコ機の最終的な動作試験から
出荷までの時間が短ければ動作試験時にコンデンサC1
に充電された電荷が十分にあるから、これを充電するた
めの作業をしなくてもよい。
【0070】さらに、この封印装置10は、ケースカバ
ー14の表面から立ち上がる流入防止壁14cを備えて
いるので、次のような効果がある。基板ボックス40の
ように、内部に電気回路が収容される筐体では放熱のた
めの通気用の小孔が設けられているのが普通である。ま
た筐体の接合部などにわずかな隙間ができることもあ
る。すると、図3に例示されるように、そうした小孔等
から注射針などの細管を差込み、その細管から接着剤を
流し込んでシャフト16aと通過口14bとを接着し
て、可動接点駆動体16が開封時位置に変位できないよ
うにしていから基板ボックス40を開封しようと企てる
可能性がある。
【0071】しかしながら、この封印装置10の場合、
通過口14bの周囲に流入防止壁14cが設けられてい
るので、図3に例示されるように、ケースカバー14の
表面をつたわらせて接着剤を流しても、その接着剤が通
過口14bに到達することはなく、このような手段で可
動接点駆動体16を封印時位置に固定しようとするたく
らみを防止できる。
【0072】なお、図8に示されるように、キャップ1
7の外縁部17aの垂下長さを長くし、また流入防止壁
14cを高くして、水平方向については外縁部17aと
流入防止壁14cとが重なるようにすれば、細管の先端
をシャフト16a付近にまで差し込もうとする行為を防
止できるから、可動接点駆動体16を封印時位置に固定
しようとするたくらみを一層確実に防止できる。
【0073】以上説明のように、本実施例の封印装置1
0によれば、ロック部材60にて可動接点駆動体16を
封印時位置に留めおいて、遊技制御装置30の動作確認
検査を実施できるので、この検査に際してコンデンサC
2が充電されることはない(開封記憶が残ることはな
い)。また、遊技制御装置30の動作確認検査を実施し
た後に、外部電源を遮断して放電端子T3とグランド端
子T2とを短絡させてコンデンサC1を放電させてか
ら、ロック部材60を取り外せば、可動接点駆動体16
が開封時位置になって開封検出素子SEが閉になっても
コンデンサC2が充電されることはない(開封記憶が残
らない)。
【0074】しかも、封印装置10の完成検査は、スイ
ッチSWをオフ状態としてコンデンサC2への電力を遮
断して行えるから、この完成検査においてもコンデンサ
C2に電荷すなわち開封記憶が残ることもない。なお、
実施例ではスイッチSWをハンダ付けHDで不可逆的に
オン状態とする不可逆スイッチ手段としているが、可逆
的なスイッチ手段としてもよい。
【0075】さらに、封印装置10では、ケースカバー
の表面に流入防止壁14cが設けられているので、ケー
スカバー14の表面をつたわらせて接着剤を流して、そ
の接着剤にて可動接点駆動体16を封印時位置に固定し
ようとするたくらみを防止できる。
【0076】また、封印装置10は、内部電源としてコ
ンデンサC1を用いているので、放電端子T3とグラン
ド端子T2を短絡させるだけで放電し尽くすことがで
き、請求項1の構成による効果を極めて簡単、確実に達
成できる。特に、コンデンサC2を開封記憶手段として
いるので、静電気あるいは電気的ノイズによる開封記憶
の抹消ないし書き換えを確実に防止できる。なお、本実
施例の封印装置10は、パチンコ機の遊技制御装置30
を収納する基板ボックス40に適したものであるから、
内部電源となるコンデンサC1は、遊技店の休業日等も
考慮して少なくとも24〜48時間程度は連続的に電源
供給を行ない得る容量とする必要があり、またコンデン
サC2の容量よりも大きい容量とする必要があり、これ
を0.1[F]程度に設定することが望ましい。ただ
し、このコンデンサC1の容量は、封印装置の用途や使
用される環境などに応じて設定されるもので、0.1
[F]程度に限られるわけではない。
【0077】また、本実施例では、表示信号出力手段に
相当する表示出力回路53を、FET52、オア回路5
4、アンド回路57、発光ダイオードLED1、ホトカ
プラPC等で構成しているが、これを例えばワンチップ
コンピュータに置き換えて、ソフトウエア的に処理して
もよい。 (変型例)実施例では、図7に示されるロック部材60
を変化阻止手段手段として使用しているが、例えば図9
及び図10に示される機構を変化阻止手段手段として採
用してもよい。なお、図9及び図10にては、実施例と
共通の部分は図2及び図3と同じ品番を付しているの
で、それらの説明は省略する。
【0078】この例では、ケース本体12の一方の壁に
一対の貫通孔71が設けられている。この貫通孔71に
は、変化阻止手段手段に該当する差込部材73の一対の
腕73aがそれぞれ貫通されている。また、差込部材7
3には摘部73bが備えられており、この摘部73bを
引けば、腕73aを貫通孔71から抜き取りできる。
【0079】さらにケース本体12には、上端部から下
方に垂れ下がる可とう板75が取付けられている。さ
て、前述したと同様に封印装置10の完成検査が実施さ
れ、遊技制御装置30の動作確認検査が実施されるとし
て、遊技制御装置30の動作確認検査が終了するまで
は、差込部材73の腕73aが貫通孔71に貫通されて
いるので、可動接点駆動体16は図9に示されるように
封印時位置にされており、開封検出素子SEは開になっ
ているから、実施例と同様にコンデンサC2に充電され
ることはない。
【0080】そして、遊技制御装置30の動作確認検査
の実施後、放電端子T3とグランド端子T2によりコン
デンサC1を放電させてから、摘部73bを引いて腕7
3aを貫通孔71から抜き取る。すると、可動接点駆動
体16は上昇して開封時位置に移動できる。
【0081】腕73aを抜き取った貫通孔71をそのま
まにしておくと、ここから異物を挿入して可動接点駆動
体16の動きを妨げる行為がなされないとも限らない
が、差込部材73を撤去すると可とう板75が弾性変形
から復帰して貫通孔71を塞ぐのでかかる行為を防止で
きる。なお、復帰した可とう板75をケース本体12に
接着しても構わない。
【0082】実施例及び変型例にしたがって本発明の実
施の形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定され
るものではない。例えば本発明の封印装置は、パチンコ
機等の弾球遊技機やスロットマシンなどの回胴式遊技機
の制御装置を収容する基板ボックス、電気・水道・ガス
等のメータを密封した筐体等、改造されては困る装置を
密封した筐体であれば、種々の筐体に適用して、上記と
同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の封印装置が組み込まれた基板ボック
ス概略構造の説明図である。
【図2】 実施例の封印装置の縦断面図である。
【図3】 実施例の封印装置の正面図である。
【図4】 実施例の封印装置の平面図である。
【図5】 実施例の封印装置の構成を表す電気回路図で
ある。
【図6】 実施例の封印装置の回路の一部を遮断して形
成したスイッチの構成の説明図である。
【図7】 実施例の封印装置にロック部材を取り付けた
状態の部分正面図である。
【図8】 流入防止壁付近の構造の一例の説明図であ
る。
【図9】 変形例の封印装置の縦断面図である。
【図10】 変形例の封印装置の正面図である。
【符号の説明】
10…筐体の封印装置、11…ケース、12…ケース本
体、12a…底、12b…開口、12c…上部開口、1
2d…係止溝、13…プリント基板、14…ケースカバ
ー、14a…保持溝、14b…通過口、14c…流入防
止壁(流入防止部材)、16…可動接点駆動体(開封検
出手段、移動部材)、16a…シャフト(開封検出手
段、移動部材)、16b…フランジ部(開封検出手段、
移動部材)、16c…バネ保持軸(開封検出手段、移動
部材)、17…キャップ(開封検出手段、移動部材)、
17a…外縁部、18…圧縮コイルスプリング(開封検
出手段)、30…遊技制御装置、32…回路基板、34
…外部接続端子、36…電源端子、40…基板ボックス
(筐体)、42…底部、44…蓋部、46…取付部、5
2…電解効果トランジスタ、53…表示出力回路(表示
信号出力手段)、54…オア回路、55…発振器、56
…分周器、57…アンド回路、60…ロック部材(変化
阻止手段)、62…押さえ板、64…腕、64a…係止
爪、71…貫通孔、73…差込部材(変化阻止手段)、
73a…腕(変化阻止手段)、73b…摘部、75…可
とう板、C1…コンデンサ(内部電源)、C2…コンデ
ンサ(開封記憶手段)、SE…開封検出素子(開封検出
手段)、SW…スイッチ(スイッチ手段、不可逆スイッ
チ手段)、T1…電源入力端子、T2…グランド端子
(放電端子)、T3…放電端子、T4…出力端子、T5
…出力端子、Ta…固定接点(開封検出手段)、Tb…
固定接点(開封検出手段)、To…可動接点(開封検出
手段)、Vcc…直流正電圧(外部電源)。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体が開封されると封印時状態から開封
    時状態に変化する開封検出手段と、 該開封検出手段が前記開封時状態に変化したことを記憶
    する開封記憶手段と、 外部電源にて充電され外部電源遮断後も前記開封検出手
    段及び開封記憶手段の電源となる内部電源と、 外部電源を受けて動作し、前記開封記憶手段に前記開封
    検出手段が開封時状態に変化したことが記憶されている
    場合に、その旨を表わす表示信号を出力する表示信号出
    力手段とを備え、前記筐体内に収容される筐体の封印装
    置において、 前記内部電源を放電させるための放電端子と、 阻止位置とされたときには前記開封検出手段の前記開封
    時状態への変化を阻止し、前記阻止位置からの移動また
    は取外しにより前記開封検出手段の前記開封時状態への
    変化を許す変化阻止手段と を備えたことを特徴とする筐
    体の封印装置。
  2. 【請求項2】 筐体が開封されると封印時状態から開封
    時状態に変化する開封検出手段と、 該開封検出手段が前記開封時状態に変化したことを記憶
    する開封記憶手段と、 外部電源にて充電され外部電源遮断後も前記開封検出手
    段及び開封記憶手段の電源となる内部電源と、 外部電源を受けて動作し、前記開封記憶手段に前記開封
    検出手段が開封時状態に変化したことが記憶されている
    場合に、その旨を表わす表示信号を出力する表示信号出
    力手段とを備え、前記筐体内に収容される筐体の封印装
    置において、 前記内部電源を放電させるための放電端子と、 前記開封記憶手段への電力供給を遮断するオフ状態から
    該電力供給を許すオン状態に切換可能なスイッチ手段と
    を備えたことを特徴とする筐体の封印装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の筐体の封印装置におい
    て、請求項2記載のスイッチ手段 を備えたことを特徴とする
    筐体の封印装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか記載の筐体
    の封印装置において、 該封印装置の外殻となるケースと、 前記開封検出手段の一部であって、前記筐体が閉鎖され
    ているときには封印時位置にされ該筐体が開封されると
    前記ケースに設けられた通過口から該ケースの外側に突
    出して開封時位置になる移動部材と、 前記ケースの外面側から前記通過口への液体の流入を防
    止する流入防止部材とを設けたことを特徴とする筐体の
    封印装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか記載の筐体
    の封印装置において、 前記内部電源がコンデンサ(C1)であることを特徴と
    する筐体の封印装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか記載の筐体
    の封印装置において、 前記開封検出手段が前記開封時状態に変化すると充電さ
    れるコンデンサ(C2)を前記開封記憶手段としている
    ことを特徴とする筐体の封印装置。
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