JP2912270B2 - 植物性蛋白質食品 - Google Patents

植物性蛋白質食品

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JP2912270B2
JP2912270B2 JP32962096A JP32962096A JP2912270B2 JP 2912270 B2 JP2912270 B2 JP 2912270B2 JP 32962096 A JP32962096 A JP 32962096A JP 32962096 A JP32962096 A JP 32962096A JP 2912270 B2 JP2912270 B2 JP 2912270B2
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vegetable protein
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静雄 長井
由夫 滝野
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GUNMA CHIKUSAN KAKO HANBAI NOGYO KYODOKUMIAI RENGOKAI
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GUNMA CHIKUSAN KAKO HANBAI NOGYO KYODOKUMIAI RENGOKAI
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物性蛋白質食品
に関する。
【0002】
【従来の技術】植物性蛋白質食品の有用性が高まってい
るが、なかでも、大豆に豊富に含まれる大豆蛋白質は、
必須アミノ酸をバランス良く含有し、しかも、大豆グロ
ブリンには、良質な栄養分の他、独特の風味や食感、有
益な生理機能、さらには良好な消化吸収率等、優れた機
能がある。また、大豆グロブリンは、米蛋白質には少な
いリジンを豊富に含むことから、米蛋白質と大豆蛋白質
とを混合して利用する場合には、理想的なアミノ酸バラ
ンスとなる。さらに、コレステロールの調整機能もあ
り、これは、調理法に依存しない。
【0003】このような大豆蛋白質等の植物性蛋白質の
利用に際して、従来は、この乾燥原料を水で戻して、そ
のまま畜肉製品等に混合し、いわゆる増量剤として使用
する方法、あるいは、増量剤としてではなく、主材料と
して使用して、食品を製造する方法等を採用していた。
なお、このように主材料として使用する場合にも、原料
蛋白質を繊維状に取り出して使用する方法はなく、原料
蛋白質は、食品中で塊状あるいは粒状であった。このた
め、上記主材料として使用した場合、その食品は、食感
が粗く、保水性に劣り、また、スライス時の折り曲げ強
度にも劣るという不都合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、栄
養的にも優れた植物性蛋白質を利用した、食感が良く、
多汁感等を有する植物性蛋白質食品を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は以下の構成とする。 (1)液体で戻した繊維状蛋白質を繊維状にほぐしなが
ら結着剤と混合し、結着剤により結着してなることを特
徴とする。また、前記蛋白質が、大豆蛋白質であると好
ましい。 (2)前記繊維状蛋白質が、減圧下で液体戻しして得ら
れたものであると好ましい。 (3)前記液体が水であると好ましい。 (4)前記液体が牛乳であると好ましい。 (5)前記結着剤が乾燥卵白であると好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の植物性蛋白質としては、ダイズ、ソラマメ、エ
ンドウ等のマメ類、コメ、コムギ等の穀類の蛋白質を、
また、結着剤としては、乾燥卵白、乳蛋白等を好適に使
用することができる。大豆蛋白質の場合は、栄養価が高
い等の前記利点を有するため好ましく、乾燥卵白の場合
は、ゲル形成性が強いため好ましい。本発明において
は、液体戻しにより、蛋白質を繊維状で取り出すことが
必要であり、このような原料蛋白質は、例えば、ダイズ
等の原料蛋白質1重量部に対して、澱粉を0.17〜
0.76重量部添加し、2軸エクストルーダーを用いて
加圧加熱処理して得ることができ、これは、多孔状構造
を有しながらも液体で戻すと、押し出し方向にほぼ同心
円状に薄く膜状に裂け、その薄膜がさらに押し出し方向
に繊維状に細かく裂ける構造を有する(例えば、特公平
6−6030号公報参照)。
【0007】また、液体戻しの際は、常圧下でも可能で
あるが、この場合は、原料蛋白質を浸漬するために重石
を使用することが必要である。減圧下で行う場合は、作
業時間を短縮して、原料の品質劣化を回避することがで
き、さらに、原料内部にまで充分に液体を浸透させるこ
とができる。このためには、80hPa以下の減圧とす
ることが好ましい。また、水分量は、最終製品の食感、
多汁感等に影響を及ぼすため重要であり、原料蛋白質と
液体との割合は、液体が不足すると戻しきれず、また、
多すぎる場合には、脱水等の工程が必要となるので、原
料自体の含水量にもよるが、原料蛋白質と液体との割合
は重量比で、1:3〜1:5が好ましい。また、液体戻
しの時間は、圧力が80hPa、原料蛋白質と液体との
割合が重量比で1:3.6の場合、40〜60分間が好
ましく、40分より短いと水の浸透が不十分となり、ま
た、60分より長くても、それ以上の効果を得られな
い。さらに、原料蛋白質を牛乳で戻すと、栄養価の点で
より優れたものとなる。
【0008】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例に基づい
て説明する。本発明の植物性蛋白質食品として、大豆蛋
白質を主原料としたソーセージ様の食品について例示す
る。 〔I〕先ず、実施例1、比較例1および比較例2につい
て説明する。各例の配合を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】(1)原料とした大豆蛋白質は以下の通り
である。 実施例1 分離大豆蛋白質60重量部、オカラ粉15重量部および
α化澱粉25重量部を配合してなる原料を2軸エクスト
ルーダー(L/D=15.0=46mm)を用い、原料
供給速度30kg/hr、加水30%、バレル加熱温度
150℃、スクリュー回転数200RPMの条件にて、
2軸エクストルーダー先端部に付した3×15mmの開
口部および原料流動方向の厚さ10mmを有するスリッ
トダイおよびダイに接続した形成用ガイド(12mm×
17mm、厚さ10mm)から押し出しながら延伸し
て、約60mmの長さに切断して得たものを使用した。 比較例1 不二製油株式会社製:商品名ニューフジニック51 比較例2 同社製:商品名フジピュアSP90
【0011】(2)水戻し工程等は以下のようにして行
った。なお、各例とも、最終製品における水分量が一定
となるように水量を調整した。 実施例1 減圧攪拌機に原料大豆蛋白質と水とをそれぞれ仕込み、
徐々に減圧し、完全に脱気後、5℃にて60分間攪拌
し、容器に移し、5℃にて18時間静置した。静置後の
状態は、内部まで水が浸透して軟化し、ほぐれやすい状
態になっていた。 比較例1 原料大豆蛋白質と水とを仕込み、常圧、5℃にて18時
間静置した。静置後の状態は、内部まで水が浸透してい
るものの水分が多すぎ、保水性が悪いことを示した。 比較例2 凍結状態の原料大豆蛋白質を18℃にて24時間静置し
て解凍した。この場合は原料中に水分量が多く、乾燥原
料ではないため水戻しは行わなかった。
【0012】(3)ミキシング工程は以下のようにして
行った。 実施例1 ミキシング工程には、減圧混合機を使用する。これに、
水戻しした原料を投入し、更に結着剤として乾燥卵白
(卵白末)を添加し、10分間混合する。次いで調味料
を添加して5分間、植物油脂を添加して5分間、澱粉を
添加して5分間、順次混合する。混合後、原料は比較的
長い繊維状を示した。 比較例1および2 実施例1と同様に混合を行った。比較例1および2共、
保水性が悪く、混合物中に浸透しきれない水分が混合機
内に残った。
【0013】(4)脱気、充填、殺菌、包装の各工程は
各例とも共通で、以下の通りである。ミキシング工程が
終了した各例の混合物をそれぞれ脱気し、充填機を使用
して、密封ケーシングに充填し、クリップ留めにより密
封後、ボイル槽にて加熱殺菌し、冷却用水槽で冷却し、
冷蔵保存した。なお、比較例1および2は、水分が多
く、充填が困難であった。
【0014】(5)破断応力テスト 上記の各調製品の破断応力をレオメーターを使用して測
定した。 測定条件 プランジャー:円筒φ15mm クリアランス:10mm テーブルスピード:6cm/min 測定結果 破断応力テストの結果より、大豆蛋白質の繊維が長く、
繊維同士が絡み合い網目状であるもの程破断応力が高い
ことがわかった。実施例1の調製品は、製品中の蛋白質
繊維寸法が平均0.5mm(直径)×3mm(長さ)で
あった。なお、原料中においては平均1mm(直径)×
5mm(長さ)であった。このことから、実施例の調製
品は、調理の際、スライスしても割れ難いことがわか
る。
【0015】(6)離水テスト 各例の試験片を4枚重ねた直径110mm5種Bの濾紙
の上に載置し、試験片中の水分が何枚目の濾紙まで染み
込むかその枚数を観察した。染み込みが観察された枚数
で示す。 離水テストの結果より、実施例の調製品は、保水性が高
いことがわかった。また、比較例2の調製品はほとんど
水分を保持できないものであった。
【0016】(7)官能テスト 比較例1の調製品は性状がボロボロでスライスできなか
ったため、官能テストは行わなかった。実施例1、比較
例2のソーセージ様の各調製品を5mmにスライスし、
クローズドシステムにてパネル50名にて1〜5の5点
評価を行った。なお、点数の高い方が良好であることを
表す。パネルの内容は、以下の通りである。 性別:男性25名、女性25名 年齢:10代8名、20代15名、30代12名、40
代8名、50代以上7名 健康状態:良好6名、普通39名、悪い5名
【0017】
【表2】 官能テストの結果より、比較例2に比べ実施例1の方が
格段に歯ごたえ、多汁感等に優れ、食品として良好な食
感であることがわかる。
【0018】比較例1は、蛋白質が塊状をなし、繊維状
に取り出すことができない等のために、食品としての要
求特性が不十分となり、また、比較例2は、調製品中、
蛋白質は繊維状ではあるが、既に、水と蛋白質とが安定
した形で存在するものであり、PH4.5〜4.6と低
く、油分も低いため、保水性、食感が悪く、同様に不都
合であった。また、水戻し工程を減圧下にて行うため、
原料蛋白質の水戻しに過剰な水を使用する必要がないた
め、脱水工程を省くことができ、作業の効率化を図るこ
とができた。
【0019】〔II〕次に、実施例2および実施例3に
ついて説明する。なお、表3には各配合を、表4には各
食品の成分を示す。実施例1で使用した原料と同じ原料
を使用して、液体戻しの際使用する液体を実施例2では
水を、実施例3では牛乳を用いた等の点を除いて、実施
例1と同様にして行った。なお、結着剤は乾燥卵白であ
る。
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】 実施例2および実施例3は、平成8年5月24日より施
行された栄養表示基準制度の高蛋白、低脂肪、塩分低減
の基準値を満たし、さらに、実施例3は、カルシウム源
の基準値をも満たすことができた。
【0022】以上説明したように、本発明によると、従
来のように植物性蛋白質原料をそのまま混合させて、食
品中に塊状あるいは粒状で含ませるのではなく、植物性
蛋白質原料を液体戻しして、繊維状にほぐしながら同時
に結着剤と混合し、これを結着剤で結着するので、食品
中には蛋白質は繊維状で含まれており、これにより、従
来にない優れた弾力性、食感、多汁感を有する植物性蛋
白質食品が得られる。また、本発明によると、液体量を
調整して液体戻しを行った場合は、脱水工程を省略する
とができ、作業性がよく、低コスト化が図れる。さら
に、本発明によると、食感等の食品の物性を変えること
なく、容易に配合変更でき、栄養的にも強化していくこ
とができるので、非常食用、病人食用のみならず、一般
家庭用にも、好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23J 3/14 - 3/18 502 A23J 3/00 501 A23J 3/00 511

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体で戻した繊維状蛋白質を繊維状にほ
    ぐしながら結着剤と混合し、結着剤により結着してなる
    ことを特徴とする植物性蛋白質食品。
  2. 【請求項2】 前記繊維状蛋白質が、減圧下で液体戻し
    して得られたものであることを特徴とする請求項1記載
    の植物性蛋白質食品。
  3. 【請求項3】 前記液体が水であることを特徴とする請
    求項1または2記載の植物性蛋白質食品。
  4. 【請求項4】 前記液体が牛乳であることを特徴とする
    請求項1または2記載の植物性蛋白質食品。
  5. 【請求項5】 前記結着剤が乾燥卵白であることを特徴
    とする請求項1、2、3または4記載の植物性蛋白質食
    品。
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JP4775519B2 (ja) * 2009-10-06 2011-09-21 不二製油株式会社 畜肉又は畜肉様加工食品及びその製造法
WO2015052997A1 (ja) * 2013-10-11 2015-04-16 不二製油株式会社 海老様食感を有する食品の製造法
TW202207811A (zh) * 2020-08-24 2022-03-01 日商不二製油集團控股股份有限公司 肉塊樣食品的製造方法

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