JP2911054B2 - Ffv用エンジンの過給圧制御方法 - Google Patents

Ffv用エンジンの過給圧制御方法

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JP2911054B2 JP2337612A JP33761290A JP2911054B2 JP 2911054 B2 JP2911054 B2 JP 2911054B2 JP 2337612 A JP2337612 A JP 2337612A JP 33761290 A JP33761290 A JP 33761290A JP 2911054 B2 JP2911054 B2 JP 2911054B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、エンジンの最大過給圧を可変設定するFFV
用エンジンの過給圧制御方法に関する。
[従来の技術] 近年、ガソリン燃料、アルコール燃料、あるいは、ガ
ソリンとアルコールの混合燃料によっても運転可能なFF
V(Flexible Fuel Vehicle)用エンジンが開発されてお
り、このFFV用エンジンに供給される燃料中のアルコー
ル濃度(含有率)は、燃料補給の際のユーザ事情により
0%(ガソリンのみ)から100%(ガソリン0%)の間
で変化する。
一般に、アルコール燃料はガソリン燃料に対しプレイ
グニッションが比較的低い温度で発生しやすいため、点
火プラグの熱価を大きくしたり、点火時期を遅角するな
どの措置が必要となる。従って、プレイグニッション発
生を防止するため、アルコール燃料に合わせた熱価の点
火プラグを装着すると、ガソリン燃料使用時にくすぶり
が発生して運転性能が悪化するなどの問題を生じ、ま
た、点火時期を遅角すると、高オクタン価でノックしに
くく最適点火時期(MBT)までの進角が容易であるとい
うアルコール燃料の利点を生かすことができない。
これに対処するに、例えば、特開平1−285662号公報
には、燃料中のアルコール濃度を検出し、このアルコー
ル濃度に応じてプレイグニッション限界圧力を演算によ
り求めるとともに、エンジンの燃焼室内燃焼圧力を検出
し、この燃焼圧力と前記プレイグニッション限界圧力と
を比較して、比較結果に応じて基本点火時期を進角補正
することにより、プレイグニッション発生領域で点火時
期をMBT近傍まで近付けて、機関効率を向上させる技術
が開示されており、また、特開平1−285663号公報に
は、燃焼室内温度を検出し、この燃焼室内温度で点火時
期を進角補正することにより、同様に、プレイグニッシ
ョン発生領域で点火時期をMBT近傍まで近付けて機関効
率を向上させる技術が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、前述したように、アルコール燃料はオクタ
ン価が高いため、上記FFV用エンジンでは過給機を備え
て出力性能の向上を図るものが多く、エンジンの過給圧
を、ノックあるいはプレイグニッションが発生しない限
界の過給圧、すなわち最大過給圧に保つことにより、エ
ンジンの持つポテンシャルを十分に引出すことができ
る。
しかしながら、プレイグニッション発生によるエンジ
ン損傷、耐久性低下を防止するためには、燃焼室内の燃
焼圧力、あるいは燃焼室内温度などを検出するハードウ
エアが必要であり、このハードウエアの追加あるいは変
更により、必然的にシステムコストが増大するという問
題がある。
[発明の目的] 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、プレイ
グニッションを検出するためのハードウエアを要するこ
となく、プレイグニッションを回避しつつ最大過給圧制
御を行なうことのできるFFV用エンジンの過給圧制御方
法を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明によるFFV用エンジン
の過給圧制御方法は、燃料のアルコール濃度に応じた最
大過給圧を設定する手順と、上記設定する手順で設定し
た最大過給圧に対応する動作信号を過給機の過給圧を制
御動作する過給圧制御用アクチュエータに出力する手順
と、現在のエンジン運転状態がプレイグニッション発生
領域内にあるか否かを判別する手順と、上記判別する手
順により、現在のエンジン運転状態がプレイグニッショ
ン発生領域内にあると判別したとき、このプレイグニッ
ション発生領域内にある時間を計時する手順と、上記計
時する手順で計時した時間が予め設定した時間を経過し
たとき、上記最大過給圧を低下させる動作信号を上記過
給圧制御用アクチュエータに出力する手順とを備えてい
る。
[作用] 本発明によるFFV用エンジンの過給圧制御方法では、
燃料のアルコール濃度に応じた最大過給圧が設定され、
この最大過給圧に対応する動作信号が過給圧制御用アク
チュエータに出力され、過給機の過給圧が最大過給圧に
制御される一方、現在のエンジン運転状態がプレイグニ
ッション発生領域内にあるか否かが判別され、プレイグ
ニッション発生領域内にあると判別されると、このプレ
イグニッション発生領域内にある時間が計時される。
そして、計時した時間が予め設定した時間を経過した
とき、上記過給圧制御用アクチュエータに上記最大過給
圧を低下させる動作信号が出力され、上記最大過給圧が
低下してプレイグニッション発生が未然に回避される。
[発明の実施例] 以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
第1図〜第6図は本発明の第1実施例を示し、第1図
は最大過給圧制御手順のフローチャート、第2図はエン
ジン制御系の概略図、第3図はプレイグニッション領域
判別マップの概念図、第4図は最大過給圧を示す線図、
第5図は最大過給圧マップの概念図、第6図はプレイグ
ニッション発生時用最大過給圧マップの概念図である。
(構成) 第2図において、図中の符号1はFFV用エンジン(図
において水平対向型エンジン)であり、このエンジン1
のシリンダヘッド2に吸気ポート2aと排気ポート2bが形
成されている。
上記吸気ポート2aにはインテークマニホルド3が連通
され、このインテークマニホルド3の上流にエアチャン
バ4を介してスロットルチャンバ5が連通され、このス
ロットルチャンバ5の上流に吸気管6を介してエアクリ
ーナ7が取付けられている。
一方、上記排気ポート2bにエキゾーストマニホルド8
を介して排気管9が連通され、この排気管9に触媒コン
バータ10が介装されている。
また、上記スロットルチャンバ5にスロットルバルブ
11が設けられ、このスロットルチャンバ5の直上流の上
記吸気管6にインタークーラ12が介装され、さらに、上
記吸気管6の上記エアークリーナ7の下流側にレゾネー
タチャンバ13が介装されている。
また、符号14は過給機の一例としてのターボチャージ
ャであり、このターボチャージャ14のタービンホイール
14aが上記排気管9に介装したタービンハウジング14bに
収納され、一方、このタービンホイール14aにタービン
シャフト14cを介して連結するコンプレッサホイール14d
が上記吸気管6の上記レゾネータチャンバ13の下流側に
介装したコンプレッサハウジング14eに収納されてい
る。
また、上記タービンハウジング14bの流入口にウエス
トゲートバルブ15が介装され、このウエストゲートバル
ブ15に連設するレバー16がダイヤフラムアクチュエータ
17のダイヤフラム17aにロッド18を介して連設されてい
る。
さらに、上記ダイヤフラムアクチュエータ17の圧力室
17bが上記インテークマニホルド3に圧力通路19を介し
て連通され、この圧力通路19の中途に、過給圧制御用ア
クチュエータの一例としてのデューティソレノイドバル
ブ21が介装され、このデューティソレノイドバルブ21の
弁体21aが上記レゾネータチャンバ13に連通する減圧通
路20の吐出口に対設されている。
上記デューティソレノイドバルブ21は、後述する制御
装置(ECU)41からのソレノイドコイル21bに供給される
駆動パルス信号(デューティ信号)によって制御され、
ダイヤフラムアクチュエータ17の圧力室17bに供給され
る圧力が調圧される。
すなわち、ダイヤフラムアクチュエータ17のダイヤフ
ラム17aを後退方向へ常時付勢し、ロッド18,レバー16を
介してウエストゲートバルブ15を閉方向に付勢するダイ
ヤフラムスプリング17cと、圧力室17b内圧力とのバラン
スにより、ウエストゲートバルブ15によるタービンハウ
ジング14bの流入口の開口面積が制御される。
尚、本実施例ではデューティ信号のデューティ比が増
大するほど、デューティソレノイドバルブ21の弁体21a
による減圧通路20の単位時間当りの開口時間が増大し、
ダイヤフラムアクチュエータ17の圧力室17bに供給され
るコンプレッサホイール14d下流の正圧のリーク量が増
大されるため、相対的にウェストゲートバルブ15が開き
始める過給圧が上昇される。
また、上記インテークマニホルド3の各気筒の上記吸
気ポート2aの直上流にインジェクタ22が臨まされ、この
各インジェクタ22と燃料タンク23とが燃料通路24を介し
て連通されている。この燃料通路24には上記燃料タンク
23側から燃料ポンプ25、アルコール濃度センサ26が介装
され、さらに、上記各インジェクタ22がプレッシャレギ
ュレータ27に連通されて上記燃料タンク23にリターン燃
料が戻され、燃料圧力が所定の圧力に調圧される。
上記燃料タンク23には、アルコールのみの燃料、ガソ
リンのみの燃料、あるいは、アルコールとガソリンとの
混合燃料、すなわち、ユーザーの燃料補給の際の事情に
よりアルコール濃度Mが0%(M0)から100%(M100)
の間で変化する燃料が貯留されている。
また、上記アルコール濃度センサ26は、例えば、上記
燃料通路24内に設けられた一対の電極などから構成さ
れ、燃料の電気伝導度変化に基づく電流変化を検出する
ことにより、上記アルコール濃度Mが検出される。
尚、上記アルコール濃度センサ26は電気伝導度変化を
検出するタイプのほか、抵抗検出式、静電容量式、光学
式のものを用いてもよく、アルコール濃度を検出できる
ものであれば、これらに限定されない。
また、上記吸気管6の上記エアークリーナ7の直下流
に、吸入空気量センサ(図においてはホットワイヤ式エ
アフローメータ)28が介装され、上記スロットルバルブ
11に、スロットル開度センサ29aと、スロットルバルブ
全閉を検出するアイドルスイッチ29bとが連設されてい
る。さらに、上記インテークマニホルド3に形成したラ
イザをなす冷却水通路(図示せず)に冷却水温センサ30
が臨まされ、また、上記排気管9にO2センサ31が臨まさ
れている。
また、上記エンジン1のクランクシャフト1aに軸着す
るクランクロータ32に、電磁ピックアップなどからなる
クランク角センサ33が対設され、さらに、上記エンジン
1のカムシャフト1bに連設するカムロータ34に、電磁ピ
ックアップなどからなるカム角センサ35が対設されてい
る。
(制御装置の回路構成) 一方、符号41は、マイクロコンピュータなどからなる
制御装置(ECU)であり、CPU42、ROM43、RAM44、およ
び、I/Oインターフェイス45がバスライン46を介して互
いに接続されている。
上記I/Oインターフェイス45の入力ポートには、上記
各センサ26,28,29a,30,31,33,35、及び、アイドルスイ
ッチ29bが接続され、一方、上記I/Oインターフェイス45
の出力ポートには、上記シリンダヘッド2に取付けた点
火プラグ36がイグナイタ37を介して接続され、さらに、
駆動回路47を介して、インジェクタ22、燃料ポンプ25、
及び、デューティソレノイドバルブ21のソレノイドコイ
ル21bが接続されている。
また、上記ROM43には制御プログラム、固定データが
記憶されており、固定データとしては後述する最大過給
圧マップMPMAX、プレイグニッション発生時用最大過給
圧マップMPIG、プレイグニッション領域判別マップMP
Aなどがある。また、上記RAM44には上記各センサからの
出力信号を処理したデータ、及び、上記CPU42で演算処
理したかデータが格納されている。
上記CPU42では、上記ROM43に記憶されている制御プロ
グラムに従い、上記RAM44に格納した各種データに基づ
いて、インジェクタ22を駆動するパルス幅、イグナイタ
37へ出力する点火時期などを演算し、対応する駆動信号
を所定のタイミングでインジェクタ22、イグナイタ37に
出力するとともに、デューティソレノイドバルブ21を駆
動するパルス信号のデューティ比を演算し、ノックある
いはプレイグニッションを生じることのないターボチャ
ージャ14による限界過給圧すなわち最大過給圧を制御す
る。
(最大過給圧制御手順) 次に、最大過給圧制御手順を第1図のフローチャート
に従って説明する。
第1図に示すプログラムは所定時間毎あるいは所定周
期毎に実行されるルーチンであり、初回のイニシャル時
には、各フラグ、各カウント値がクリアされる。
まず、ステップS101でアルコール濃度センサ26の出力
信号から燃料のアルコール濃度Mを算出すると、ステッ
プS102で、クランク角センサ33の出力信号に基づいてエ
ンジン回転数Nを算出し、ステップS103で、吸入空気量
センサ28から得られる単位時間当りの吸入空気量を燃焼
サイクル数で割算して1行程当りの吸入空気量QPを算
出する。
その後、ステップS104へ進み、アルコール濃度M、エ
ンジン回転数N、及び、1行程当りの吸入空気量QPを
パラメータとして、プレイグニッション領域判別マップ
MPAの領域を特定し、現在のエンジン運転状態がプレイ
グニッション発生領域内か否かを判別する。
すなわち、一般に、プレイグニッションは、1行程当
りの吸入空気量QP、エンジン回転数N、及び、アルコ
ール濃度Mに依存して発生することが実験などにより確
認されており、高過給により1行程当りの吸入空気量Q
Pが大きくなるほど、また、エンジン回転数Nが高くな
るほど、燃焼室温度が高くなってプレイグニッションが
発生しやすくなり、このプレイグニッションが発生する
領域は、アルコール濃度Mが高いほど拡大する。
従って、第3図に示すように、1行程当りの吸入空気
量QP、エンジン回転数N、及び、アルコール濃度Mを
パラメータとしてROM43の一連のアドレスに構成される
プレイグニッション領域判別マップMPAにおいて、プレ
イグニッションの最も発生しやすい領域をプレイグニッ
ション発生領域(図中、ハッチングで示す領域)とし、
このプレイグニッション発生領域とプレイグニッション
発生領域外とに、エンジン運転状態がそれぞれの領域内
にあることを示すデータ(例えば、プレイグニッション
発生領域内のとき“1"、プレイグニッション発生領域外
のとき“0")をストアしておくことにより、例えば、燃
焼圧を検出するための燃焼圧センサ、あるいは、燃焼室
内温度を検出するための熱電対を組込んだ測温プラグな
どのハードウエアを要することなく、現在のエンジン運
転状態がプレイグニッションの発生しやすい状態か否か
を判別することができる。
そして、現在のエンジン運転状態がプレイグニッショ
ン発生領域内にあるか否かの判別結果に応じて、上記ス
テップS104からステップS105以降あるいはステップS113
以降へと分岐する。
まず、ステップS105以降について説明すると、ステッ
プS105で、エンジン運転状態がプレイグニッション発生
領域内にある時間を計時するためのプレイグニッション
発生領域カウント値COUNT1をクリアし(COUNT←0)、
ステップS106で、エンジン運転状態がプレイグニッショ
ン発生領域内にあることを示すプレイグニッション発生
領域判別フラグFLAG1をクリアする(FALG1←0)。
その後、ステップS107へ進んで、プレイグニッション
発生時制御を示すプレイグニッション発生時制御フラグ
FLAG2の値を参照し、FLAG2=0、すなわち、通常時制御
のときには、ステップS107からステップS111へジャンプ
し、FLAG2=1、すなわち、プレイグニッション発生時
制御のときには、ステップS107からステップS108へ進ん
で、エンジン運転状態がプレイグニッション発生領域外
にある時間を計時するためのプレイグニッション発生領
域外カウント値COUNT2をカウントアップし(COUNT2←CO
UNT2+1)、ステップS109へ進む。
ステップS109では、上記プレイグニッション発生領域
外カウント値COUNT2と設定値COUNTSET2とを比較し、COU
NT2<COUNTSET2のとき、後述するプレイグニッション発
生時制御のステップS118へ分岐する。上記設定値COUNTS
ET2は、予め設定した時間TS(例えば、15sec)に相当
し、エンジン運転状態がプレイグニッション発生領域内
からプレイグニッション発生領域外に移行しても、この
プレイグニッション発生領域外にある状態が予め設定し
た所定時間TS以上継続しない限りプレイグニッション
発生のおそれがあるため、通常時制御に移行せずプレイ
グニッションの発生を未然に回避するのである。
一方、上記ステップS109で、COUNT2≧COUNTSET2のと
き、すなわち、エンジン運転状態がプレイグニッション
発生領域外にある状態が予め設定した所定時間TS以上
継続したときには、通常時制御に移行し、ステップS110
へ進んでプレイグニッション発生時制御フラグFLAG2を
クリアし(FLAG2←0)、ステップS111でプレイグニッ
ション発生領域外カウント値COUNT2をクリアする(COUN
T2←0)。
そして、ステップS112で、アルコール濃度M、エンジ
ン回転数Nをパラメータとして最大過給圧マップMPMAX
を補間計算付きで参照し、デューティソレノイドバルブ
21を駆動する信号のデューティ比DUTYMAXを設定してス
テップS123へ進む。
ここで、アルコール(メタノール、エタノールなど)
のオクタン価はガソリンのオクタン価よりも高く、ガソ
リンにアルコールを混合したときの混合オクタン価はア
ルコール濃度Mが高くなるに従って高くなるため、プレ
イグニッションが発生しない限り、燃料のアルコール濃
度Mに応じてエンジン1の最大過給圧を高めることが可
能であるが、アルコール濃度Mが高い場合、エンジン回
転数Nが高くなるに従って燃焼室温度が高くなり、プレ
イグニッションが発生しやすくなる。一方、アルコール
濃度Mが低い場合には、エンジン回転数Nが高いほどノ
ック発生頻度が低下してプレイグニッションも発生しに
くくなる。
すなわち、各アルコール濃度M0(アルコール濃度0
%)〜M50(アルコール濃度50%)〜M100(アルコール
濃度100%)に対する最大過給圧はエンジン回転数Nに
よって変化し、第4図に示すような関係となり、これに
より、例えば、アルコール濃度M100ではエンジン高回転
域で最大過給圧を低くする一方、アルコール濃度M100で
はエンジン高回転域で最大過給圧を低くする一方、アル
コール濃度M0ではエンジン回転が高くなるほど最大過給
圧を上昇させることができる。
従って、アルコール濃度M及びエンジン回転数Nに対
応する最大過給圧を得るためのデューティ比を実験など
により求め、第5図に示すように、アルコール濃度Mと
エンジン回転数Nとをパラメータして構成される最大過
給圧マップMPMAXの各アドレスに、対応するデューティ
比DUTYMAXをストアしておき、この最大過給圧マップM
PMAXに基づいてエンジン1の最大過給圧を設定すること
により、その出力性能を十分に引出すことができるので
ある。
次に、上記ステップS104で現在のエンジン運転状態が
プレイグニッション発生領域内にあると判別され、上記
ステップS104からステップS113へ分岐すると、プレイグ
ニッション発生領域外カウント値COUNT2をクリアし(CO
UNT2←0)、ステップS114で、プレイグニッション発生
時制御フラグFLAG2の値を参照する。
上記ステップS114で、FALG2=1、すなわち、プレイ
グニッション発生時制御のときには、ステップS114から
ステップS118へジャンプし、FLAG2=0、すなわち、通
常時制御のときには、ステップS114からステップS115へ
進む。
ステップS115では、プレイグニッション発生領域判別
フラグFLAG1の値を参照して、前回、エンジン運転状態
がプレイグニッション発生領域内にあったか否かを判別
し、FLAG1=0、すなわち、今回初めてエンジン運転状
態がプレイグニッション発生領域内となったときには、
ステップS121へジャンプしてプレイグニッション発生領
域判別フラグFLAG1をセットし(FLAG1←1)、ステップ
S122でプレイグニッション発生時制御フラグFLAG2をク
リアして(FLAG2←0)ステップS123へ進む。
一方、上記ステップS115で、FLAG1=1、すなわち、
前回ルーチン実行時、エンジン運転状態がプレイグニッ
ション発生領域内にあり、今回ルーチンにおいても引続
いてプレイグニッション発生領域内にあるときには、上
記ステップS115からステップS116へ進み、エンジン運転
状態がプレイグニッション発生領域内にある間を計時す
るためのプレイグニッション発生領域カウント値COUNT1
をカウントアップする(COUNT1←COUNT1+1)。
そして、ステップS117で上記プレイグニッション発生
領域カウント値COUNT1と設定値COUNTSET1とを比較し、C
OUNT1<COUNTSET1のとき、前述したステップS121へ分岐
し、COUNT1≧COUNTSET1のとき、ステップS118へ進んで
プレイグニッション発生時制御へ移行する。
すなわち、上記設定値COUNTSET1は、エンジン運転状
態がプレイグニッション発生領域内にあるにもかかわら
ずプレイグニッション発生を免れることのできる限界の
時間T(例えば、10sec)に相当し、この時間T以上、
プレイグニッション発生領域内にある状態が継続する
と、プレイグニッションが発生するため、ステップS118
で、アルコール濃度M、エンジン回転数Nをパラメータ
としてプレイグニッション発生時用最大過給圧マップM
PIGを補間計算付きで参照し、プレイグニッションを回
避するためのデューティ比DUTYPIGを設定し、その後、
ステップS119でプレイグニッション発生領域カウント値
COUNT1をクリアし(COUNT1←0)、ステップS120でプレ
イグニッション発生時制御フラグFLAG2をセットして(F
LAG2←1)ステップS123へ進む。
第6図に示すように、上記プレイグニッション発生時
用最大過給圧マップMPIGには、プレイグニッションを
回避することのできる最大過給圧を与えるデューティ比
DUTYPIGが、アルコール濃度M、エンジン回転数Nに対
応して各アドレスとにストアされており、エンジン運転
状態がプレイグニッション発生領域内にある時間が所定
時間T以上継続すると、第4図の破線で示すように、通
常時の最大過給圧を低下させ、燃焼室の温度上昇を防止
してプレイグニッションを回避し、確実にエンジン1の
損傷を防止するのである。
そして、上記ステップS112,S120,S122の各ステップか
らステップS123へ進むと、上記ステップS112で設定した
デューティ比DUTYMAXあるいは上記ステップS118で設定
したデューティ比DUTYPIGのデューティ信号のデューテ
ィソレノイドバルブ21へ出力し、次回のルーチンが実行
されるまでの間、ソレノイドコイル21bの通電時間をデ
ューティ比DUTYMAXあるいはデューティ比DUTYPIGに保
持する。
(過給圧制御系の動作) 次に、上記最大過給圧を可変するための過給圧制御系
の動作について説明する。
エンジン1が稼働すると、排気管9を流通する排気ガ
ス圧(排圧)でターボチャージャ14のタービンホイール
14aが回転し、このタービンホイール14aにタービンシャ
フト14cを介して連設するコンプレッサホイール14dが回
転し、吸気を過給する。
エンジン低負荷・低回転時の排圧は低く、よって、上
記コンプレッサホイール14dにおける過給圧も低い。一
方、上記エンジン回転数、および、負荷が上昇すれば、
上記過給圧も次第に高くなる。
ここにおいて、前述の最大過給圧制御手順により、燃
料のアルコール濃度Mが高いほどデューティ比の大きな
デューティ信号がデューティソレノイドバルブ21のソレ
ノイドコイル21bへ印加されるので、上記デューティソ
レノイドバルブ21の弁体21aによる減圧通路20の単位時
間当りの開口時間が増大されて、圧力通路19を介してダ
イヤフラムアクチュエータ17の圧力室17bに作用するタ
ーボチャージャ14のコンプレッサホイール14d下流側の
過給圧のリーク量が増大する。
すると、その分、ダイヤフラムアクチュエータ17の圧
力室17bに印加される過給圧が低くなり、このダイヤフ
ラムアクチュエータ17のダイヤフラム17aが、ダイヤフ
ラムスプリング17cの付勢力に抗して、ロッド18、レバ
ー16を介してウエストゲートバルブ15を開弁させるまで
のターボチャージャ14による過給圧が相対的に上昇する
こととなり、最大過給圧が上昇される。
そして、ターボチャージャ14による過給圧が上昇し、
上記デューティ比DUTYMAXのデューティ信号によりデュ
ーティソレノイドバルブ21にて調圧されたダイヤフラム
アクチュエータ17の圧力室17bに作用する過給圧が上昇
し、ターボチャージャ14による過給圧が最大過給圧に達
すると、上記ダイヤフラムアクチュエータ17の圧力室17
bに作用する調圧された過給圧がダイヤフラム17aを付勢
するダイヤフラムスプリング17cの付勢力に打勝ち、ダ
イヤフラム17aに連設するロッド18を突出させ、このロ
ッド18に連設するレバー16を介してウエストゲートバル
ブ15が第2図の時計回り方向し、ウエストゲートバルブ
15が次第に開弁され、上記タービンホイール14aを収納
するタービンハウジング14bの流入口の開口面積を次第
に広げる。
その結果、この流入口を通過する排気ガスの一部が上
記タービンホイール14aをバイパスして通過し、その
分、このタービンホイール14aの反動が小さくなり、タ
ーボチャージャ14による過給圧が最大過給圧以上になる
のが防止され、最大過給圧に保持される。
一方、エンジン運転状態がプレイグニッション領域内
にある時間が所定時間以上継続している場合、ECU41か
らデューティソレノイドバルブ21のソレノイドコイル21
bに出力されるデューティ信号のデューティ比が小さく
され、上記デューティソレノイドバルブ21の弁体21aに
よるレゾネータチャンバ13に連通する減圧通路20の単位
時間当りの開口時間が減少されて、上記ダイヤフラムア
クチュエータ17の圧力室17bに供給される過給圧のリー
ク量が減少される。
すると、ウエストゲートバルブ15が開き始める過給圧
が低下し、最大過給圧が通常時の値よりも低下させられ
てプレイグニッション発生が未然に回避される。
{第2実施例} 第7図は本発明の第2実施例を示す最大過給圧制御手
順のフローチャートであり、この第2実施例において
は、第1実施例におけるプレイグニッション発生時用最
大過給圧マップMPIGを使用せず、最大過給圧マップMP
MAXに基づいて設定したデューティ比DUTYMAXから設定
値DUTYSETを減算し、プレイグニッションを回避する。
すなわち、第7図に示す最大過給圧制御手順において
は、上述の第1実施例に対し、ステップS112で、アルコ
ール濃度M、エンジン回転数Nをパラメータとして最大
過給圧マップMPMAXからデューティ比DUTYMAXを設定す
ると、ステップS112からステップS1130へ進んで、この
デューティ比DUTYMAXを、最終的なデューティ比DUTY
としてセットし(DUTY←DUTYMAX)、ステップS123で
デューティソレノイドバルブ21へデューティ信号を出力
してルーチンを抜ける。
そして、エンジン運転状態がプレイグニッション発生
領域内にある時間が所定時間T以上となった場合、ある
いは、エンジン運転状態がプレイグニッション発生領域
内にありプレイグニッション発生時制御が行われている
状態からプレイグニッション発生領域外に移行して、そ
の状態が所定時間TS以上継続しない場合に、プレイグ
ニッション発生時制御が行われ、ステップS1180(第1
実施例におけるステップS118に相当)で、最大過給圧マ
ップMPMAXにより測定したデューティ比DUTYMAXから設
定値DUTYSETを減算してプレイグニッションを回避する
ことのできる最終的なデューティー比DUTYを設定する
(DUTY←DUTYMAX−DUTYSET)。
その他のステップは、上述の第1実施例と同様であ
り、この第2実施例においては、プレイグニッション発
生時用最大過給圧マップMPIGを省略することができる
ため、メモリの使用領域が小さくなってシステムコスト
の低減を図ることができるという利点を有する。
尚、発明は、上記各実施例に限定されるものではな
く、例えば、プレイグニッション発生領域判別マップM
PAの領域を、プレイグニッションが発生する可能性の大
きさに応じて3つ以上の領域に区画し、それぞれの領域
に対応するデータをストアする。そして、これらのデー
タに基づいて、エンジン運転状態が各領域内にある時間
の許容値を設定し、最大過給圧を制御するようにしても
良い。
また、過給圧制御用アクチュエータはデューティソレ
ノイドバルブ21に限定されず、これと同様の機能を有す
るアクチュエータでも良く、このアクチュエータに対す
る制御量を各マップにストアするようにしても良い。さ
らに、過給機はスーパーチャージャ等であっても良い。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、プレイグニッシ
ョンを検出するためのハードウエアを要することなく、
プレイグニッションを回避しつつ最大過給圧制御を行な
うことができるため、エンジンの持つポテンシャルを充
分に引出すことができる。
その結果、出力性能の大幅な向上を得ることができる
など優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は本発明の第1実施例を示し、第1図は
最大過給圧制御手順のフローチャート、第2図はエンジ
ン制御系の概略図、第3図はプレイグニッション領域判
別マップの概念図、第4図は最大過給圧を示す線図、第
5図は最大過給圧マップの概念図、第6図はプレイグニ
ッション発生時用最大過給圧マップの概念図、第7図は
本発明の第2実施例を示す最大過給圧制御手順のフロー
チャートである。 1……FFV用エンジン 14……ターボチャージャ(過給機) 21……デューティソレノイドバルブ(過給圧制御用アク
チュエータ) M……アルコール濃度
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−151231(JP,A) 特開 昭57−153968(JP,A) 特開 昭62−111149(JP,A) 特開 平4−148030(JP,A) 特開 平4−148031(JP,A) 特開 平1−285663(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 23/00 F02D 19/08 F02D 45/00 F02B 37/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料のアルコール濃度に応じた最大過給圧
    を設定する手順と、 上記設定する手順で設定した最大過給圧に対応する動作
    信号を過給機の過給圧を制御動作する過給圧制御用アク
    チュエータに出力する手順と、 現在のエンジン運転状態がプレイグニッション発生領域
    内にあるか否かを判別する手順と、 上記判別する手順により、現在のエンジン運転状態がプ
    レイグニッション発生領域内にあると判別したとき、こ
    のプレイグニッション発生領域内にある時間を計時する
    手順と、 上記計時する手順で計時した時間が予め設定した時間を
    経過したとき、上記最大過給圧を低下させる動作信号を
    上記過給圧制御用アクチュエータに出力する手順とを備
    えたことを特徴とするFFV用エンジンの過給圧制御方
    法。
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