JP2910326B2 - 粉末冶金用混合粉末およびその焼結体 - Google Patents

粉末冶金用混合粉末およびその焼結体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄粉および合金粉末を
ベースとし、高密度且つ高強度でしかも焼結時の寸法精
度のばらつきの少ない焼結体を与えることのできる粉末
冶金用混合粉末、および上記の様な焼結体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金法は圧延,鍛造,鋳造等からな
る従来の製造プロセスを大きく書き換え、原料となる金
属粉末を圧縮成形後焼結して製品とする方法である。従
って粉末冶金法によれば、WやMo等の高融点金属材
料,含油軸受やフィルター等の多孔質材料,超硬合金や
サーメット等の様に、従来の溶製法では製造が困難であ
った部材の製造が可能になる。そればかりか、非切削に
よる材料歩留まりの向上、高い寸法精度等の製造面での
利点、および溶製材で発生しやすい偏析や異方性が少な
いという材料面での利点、等の様に溶製材では得られな
い各種の長所があることから、従来溶製法によって製造
されていた各種部材を粉末冶金法におきかえて製造する
ことも行なわれている。
【0003】現在粉末冶金法によって製造されている焼
結体は自動車用部品として用いられるものが大半であ
り、とりわけ鉄系焼結部材が汎用されている。この様な
鉄系焼結部材については様々なものが知られており、例
えば強度,耐侯性,耐摩耗性等の向上を図るという目的
の下に、主成分となる鉄粉に対し黒鉛や銅等の微粉末を
混合して焼結したものが知られている。また焼結部材の
適用範囲の拡大という観点から、焼結部材にはより高い
靭性や強度が要求される様になり、それを達成する手段
としてNiやMo等の合金元素を添加して合金化する方
法も知られている。
【0004】ところで粉末冶金法によって高強度の鉄系
焼結体を得る代表的な方法としては、プレミックス法と
プレアロイ法が知られている。
【0005】プレミックス法とは、鉄粉と金属粉または
合金粉(以下、添加金属粉ということがある)を均一に
混合し、これを圧粉成形した後加熱焼結して添加元素を
固溶させる方法である。この方法は成形加工が比較的簡
単であるという利点を有しているが、圧粉成形までの段
階で鉄粉中の添加金属粉が比重差によって分離・偏析し
たり、あるいは焼結時における添加金属粉の拡散が十分
に進まないという難点があり、焼結体の強度や寸法にば
らつきを生じるという品質上の問題がある。
【0006】これに対しプレアレイ法は、Ni,Cu,
Mo等の合金元素を予め鉄中に固溶させた合金鋼粉を使
用するものであり、プレミックス法で指摘した様な問題
は起こさない。ところがこの方法では、プレアロイ化し
て得られる合金鋼粉が鉄に比べて非常に硬質であるた
め、圧粉成形時の圧密化を十分に高めることができず、
高密度の焼結体が得られにくい。従って当該合金鋼の物
性を十分に生かすことができない。
【0007】上記各方法は夫々一長一短を有している
が、上記の様な偏析の発生や拡散が不十分である等の点
が克服できれば、プレアレイ法よりもプレミックス法の
方が、希望する焼結体を得る上で有利と考えられる。
【0008】ところで偏析の防止手段としては、例えば
特開昭56−136901号や同63−103001号
に開示されている如く、有機バインダーを用いて鉄,鋼
粉末に黒鉛粉末を付着させる方法が提案されている。ま
た例えば特公昭45−9649号や特開昭63−297
502号に開示されている如く、鉄粉に他の金属若しく
は合金粉を拡散付着させる、いわゆる拡散付着法も開発
されている。特に拡散付着法は、圧縮性を殆ど下げるこ
となく且つ偏析による強度や寸法精度の不均一の問題も
ある程度防止される。即ち拡散付着型の合金鋼粉は、鉄
粉にNi,Cu,Mo等の単体金属粉若しくはそれらの
合金粉を加えて均一に混合した後、拡散処理して鉄粉表
面に添加金属粉を拡散付着させるものであり、一旦拡散
付着したものについては偏析を生じることはない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一方拡散性を改善する
という技術についてもこれまで様々なものが提案されて
いるが、従来のものはそのほとんどが添加金属粉の種類
や量という観点からなされたものであり、強度発現に大
きな影響を及ぼすと予想される焼結挙動から言及したも
のはなかった。
【0010】本発明はこうした情況のもとになされたも
のであって、プレミックス法に焦点を合わせ、その焼結
挙動を解明するという観点から、高密度且つ高強度でし
かも均質な焼結体を得ることのできる粉末冶金用混合粉
末、およびその様な特性を有する焼結体を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明発明の構成は、鉄粉と合金粉末を混合し
てなる粉末冶金用混合粉末であって、上記合金粉末は、
NiおよびMoを夫々45〜95%:55〜5 %の比率で必須
成分として含む他、Cr,Mn,Si,Al,Ti,
P,V,Nb,Sn,WおよびCoよりなる群から選択
される1 種以上を、前記NiおよびMoの合計100 重量
部に対して5 〜100 重量部で含み、該合金粉末の固相線
温度が950 ℃以上で、且つ焼結中に生成する液相量が20
%以上のものである点に要旨を有するものである。
【0012】上記の様な混合粉末を焼結することによっ
て、高強密度且つ高強度でしかも均質な焼結体が得られ
る。
【0013】
【作用】高強度の鉄系焼結部材を製造する際の焼結温度
は通常1250〜1300℃程度である。鉄粉に添加する合金粉
末が、Ni−Mo系粉末だけであると、その固相線温度
が高く(1315℃以上)、上記の様な焼結温度では液相の
出現がなく、期待する様な高密度且つ高強度の焼結体を
得ることはできない。これに対し、上記の様なNi−M
o系合金粉末に、ある種の元素を固相線温度の低い合金
の形で加えれば、合金粉末の液相の出現温度を焼結温度
以下にでき、焼結時に生じた液相が鉄粒子を取り囲み、
合金相が立体的な構造に形成され、この合金相は組成的
に焼結時の冷却速度が小さい場合であっても、容易にマ
ルテンサイト化し、高密度且つ高強度の焼結体が得られ
ることがわかった。そしてこの様な元素としては、C
r,Mn,Si,Al,Ti,P,V,Nb,Sn,W
およびCo等が好ましく、これらから選択される1種以
上を添加すればよいことが分かった。
【0014】合金粉末の拡散性を向上させるという観点
からすれば、固相線温度は低い方が好ましいと予想され
る。しかしながらあまり低くすると、副原料として添加
される黒鉛による浸炭領域と重複し、膨張が著しくなっ
て、かえって焼結体強度が低下することがわかった。そ
してこうした不都合を回避するという観点から本発明者
が様々検討したところ、合金粉末の固相線温度が 950℃
以上となる様にすればよいことがわかった。また焼結時
の液相量も重要であり、焼結時の液相量が20%以上とな
らなければ希望する強度が得られないことがわかり、こ
こに本発明を完成した。
【0015】ところで本発明においては、NiやMo等
の合金成分も単独の金属粉の形態ではなく合金化された
形態でなければならない。即ちNi,Moの如き合金用
元素は夫々単独では融点が高く、また鉄粉への拡散速度
も遅いが、これらの元素も予め合金化しておくと単体粉
末のときより融点を低下させることができ、鉄粉への拡
散性を改善して焼結体の強度向上に寄与する。
【0016】合金用元素を予め合金化した形態で使用す
ることは、均一な特性を有する焼結体を得るという観点
からも有効である。即ち、本発明の混合粉末を用いて焼
結体を得る手順としては、そのままの状態で他の副原
料と混合して焼結する、バインダーや拡散処理によっ
て鉄粉と合金粉末を予め付着させ他の副原料と混合して
から焼結する、等のいずれの手順でも採用できるが、い
ずれの手順を採用するにしても、合金粉末を用いること
によってミクロ的に合金成分比率が均一な焼結用粉末が
得られる。従って該粉末の特性が一定となり、得られる
焼結体の特性も均一なものとなる。
【0017】尚本発明の混合粉末は、上述の如くバイン
ダー付着型焼結用粉末或は拡散付着型焼結用粉末のいず
れの形態でも使用できるが、拡散付着型粉末のとするの
が特に好ましく、その後の焼結処理によって結果的に2
段アニール処理を施したのと同様の効果が得られる。次
に、本発明で使用される合金粉末の成分について説明す
る。
【0018】本発明で用いる合金粉末は、NiおよびM
oを基本成分とするものであるが、Niは靭性や焼入性
を改善する効果があり、Moは焼入性を高め、焼入,焼
戻し処理時の軟化を防止する。
【0019】ところでNi−Mo系にあっては、50%
(重量%の意味、以下同じ)Mo近傍に共晶点があり、
Moの高融点をNi−Mo系合金とすることによって低
下させることができ、これにより鉄粉中への拡散性、つ
まり均一合金化が容易となる。しかしMoがあまり多く
なると、液相温度が急激に高くなることから、融点低下
効果が少なくなる。こうした観点からして、NiとMo
の比率はNi:45〜95%,Mo:55〜5 %とする必要が
ある。
【0020】本発明で用いる合金粉末は、NiやMoの
他、Cr,Mn,Si,Al,Ti,P,V,Nb,S
n,WおよびCoよりなる群から選択される1種以上を
含むものであり、これらは合金粉末の融点を低下させて
鉄粉に対する拡散性を向上させると共に、強度向上とい
う点からも有効である。しかしながらこれらの元素があ
まり多過ぎると上記NiやMo等の基本成分による効果
を低減し、且つ合金粉末の固相線温度が低くなり過ぎ
る。こうしたことから、これらの添加元素は、NiやM
o等の基本成分の合計100 重量部に対して5 〜100 重量
部とする必要がある。また合金粉末の鉄粉に対する割合
は、1〜12%程度とするのが好ましく、これより多く
なると相対的に鉄粉量が少なくなり、鉄粉系焼結体とし
ての基本的な焼結性が得られない。
【0021】尚本発明で使用される合金粉末の粒度につ
いては、特に限定されるものではないが、平均粒径で20
μm以下であることが望ましい。これは平均粒径があま
り大きくなると、焼結時の合金粉末の鉄粉中への合金化
が悪化し、均一な組織が得られにくくなり、強度,硬度
などの特性のばらつきが生じるからである。
【0022】合金粉末の組成成分として、上記各成分の
他、融点低下および強度向上という観点から、少量のC
uを含有させることができる。但し、Cuの添加量があ
まり多くなると焼結時の寸法が膨張し易くなるので、そ
の添加量は合金粉末の10%未満に抑えるべきである。即
ちCuの添加量が増大するとCu−Growthと呼ばれる異
常膨張現象が発生し、それが大きな寸法変化となって現
われる。こうした現象に対し、本出願人は、Cuを金属
粉末として鉄粉に添加する場合と、合金粉末として鉄粉
に添加する場合とでは、Cuが結果的にたとえ同じ重量
割合で配合される場合であっても焼結体としての寸法変
化が大きく異なることを知見している(特開平2−21
7401号)。即ちCuを添加する場合は、Cuを合金
化した状態で添加することによって寸法変化の減少が図
れることがわかった。従って、本発明において、特にC
uを含む場合には、Cuによる寸法変化を防止するとい
う観点からしても、合金化して添加することが効果的で
ある。
【0023】
【実施例】
実施例1 鉄粉−6%合金粉末(各種)− 0.6%黒鉛−0.75ステア
リン酸亜鉛系の混合粉末を、6トン/cm2で圧粉成形し
た後、10%H2 −N2 雰囲気中1300℃で焼結した。そし
て得られた各種焼結体における寸法変化と引張強度の
関係、および焼結時の熱膨張曲線等を調査した。尚合
金粉末は水噴霧法で製造した平均粒度約17μmのものを
用い、89%Ni−11%Moの基本成分粉末、および上記
基本成分にCr,Mn,Si等の元素を所定量含有させ
た粉末を用いた。
【0024】図1は寸法変化と引張強さの関係を示すグ
ラフである。粉末成形体は焼結によって寸法が変化する
が、図1に示す様に膨張すれば強度が低下していること
がわかる。
【0025】図2は焼結時の熱膨張曲線を示したもので
ある。ラインAは合金粉末としてNi−Moのみを含む
ものを使用した場合の結果を示すものであり、この合金
の粉末の固相線温度は1420℃程度であるので、焼結時に
液相は発生せず、鉄粉への拡散は固相状態で進行する。
一方ラインBは上記基本成分にCr,MnおよびSiを
合計で50%以上含有させた合金粉末を用いた場合の結果
を示すものであり、固相線温度は約 930℃であり、この
温度領域(γ−Fe域)では拡散は液相で迅速に起こる
ことが予想される。しかしながら図3(焼結用の黒鉛の
浸炭挙動)に示す様に、黒鉛の浸炭が 900℃付近より始
まり、1060℃位でほとんど終了する挙動を示すので、図
2のラインBの固相線温度では、黒鉛の浸炭領域でもあ
ることから、両作用が重複するので、膨張が著しくなっ
て強度が低下する。
【0026】図4は、NiとMoの比率を一定にし(N
i:89%,Mo:11%)、この基本成分に対するCr,
MnおよびSiの量を変化させて合金粉末の固相線温度
を変化させた場合に、該合金粉末を用いて焼結した焼結
体の引張強度と上記固相線温度との関係を示したもので
ある。図4から明らかな様に、焼結体の強度は、固相線
温度が1040℃付近の合金粉末を用いた場合が最も高い値
を示しており、固相線温度が 950℃未満の合金粉末を用
いた場合は強度が急激に低下していることが分かる。
【0027】図5は各温度で50分焼結したときの焼結体
の強度発現状況を示したもので、ラインAは固相線温度
が1050℃のNi−Mo−Mn−Si−Cr系の合金粉を
用いた場合で、ラインBは1335℃のNi−Cu−Mo系
の合金粉を用いた場合である。焼結中に液相の発生しな
いBは、焼結温度の上昇に伴い強さも向上するが1200℃
を越えると勾配がなだらかになる。一方Aは液相の発生
しない1000℃までは、Bよりも低強度であるが、液相の
出現とともに強度は著しく上昇し、1200℃を越えてもな
お液相の発生が続くため、強さもさらに増大し続ける。
図6は合金粉末の液相発生量と焼結体の引張強さの関係
を示すグラフで液相線が焼結温度以下の合金粉と、以上
の合金粉の混合比率を変えることにより液相量を調整し
たものである。図6から明らかな様に、液相量が多い程
焼結体の強度が高くなり、液相量が20%以上となれば強
度が著しく上昇することがわかる。これは鉄粒子間に行
き亙る液相量との関係と考えられ、この実施例では6%
の合金粉末を使用しているので、20%の液相量は焼結体
の約 1.2%に相当している。
【0028】実施例2 実施例1と同様にして、各種の焼結体を作製し、得られ
た焼結体の引張強さを測定し、引張強さに及ぼす合金組
成の影響について調査した。尚合金粉末は実施例1と同
様に、水噴霧法で製造した平均粒度約17μmのものを用
い、89%Ni−11%Moの基本成分に各種元素を含有さ
せたものである。
【0029】その結果を図7に示すが、Ni−Moだけ
のものに比べ、Mn等の1成分を含有させることによっ
て強度が上昇し、更に2成分以上の添加で一層高強度に
なっているのがわかる。
【0030】本発明者らは、上記の様な現象が生じる原
因について、基本成分、基本成分に14%Cr,14%
Mn,7%Siを含有させた多成分系の両者について比
較しつつ検討した。
【0031】図7は上記多成分系合金粉末の示差熱分析
を示すグラフであり、このグラフから液相温度領域は10
49〜1263℃であり、基本成分が約1420〜1440℃であるこ
とを考えると、低いことがわかる。即ち、基本成分を用
した場合には焼結温度(約1300℃程度)では合金成分の
拡散は固相状態であるのに対し、多成分系を用いた場合
は合金成分の拡散は液相で行なわれ、活発な拡散,焼結
が生じる。両者の焼結時の熱膨張曲線を図9に示す。黒
鉛の浸炭は約 900℃から1070℃位までに完了するが、多
成分系では浸炭がほとんど完了した頃から液相が出現
し、焼結温度に達する迄には全液相がほぼ出現し終って
いる。この様に液相の出現が、黒鉛の浸炭時期とずれる
ということは重要であって、浸炭の活発な時期に多量の
液相出現が重複すると、焼結体は著しく膨張し、強度が
非常に低下すると考えられる。一方、鉄粉にNiを純物
質で添加した系、例えばNiを4%,Cuを1.5 %,M
oを0.5 %の場合は焼結で非常に収縮する。図10にこ
の純物質の系、ラインBおよび本発明の系、例えばNi
−7%Mo−14%Mn−7%Si−14%Crの合金
粉を鉄粉に6%添加したラインAの寸法変化の結果を示
す。本発明は焼結後の寸法変化が著しく小さくなってお
り、寸法精度が向上し、後工程の省略によるコスト削減
が図れるという効果もある。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、添
加する合金粉末を多成分系とすることによって液相出現
温度を低下させると共に、該液相出現温度を 950℃以上
とし且つ液相量を20%以上とすることによって、高密度
且つ高強度でしかも均一な特性を有する焼結体を得るこ
とができた。また液相出現温度と浸炭温度をずらせるこ
とは焼結時の寸法変化を小さくすることになり、焼結体
の寸法精度と向上することができ、後工程の省略による
コスト削減が図れるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼結体の寸法変化と引張強さの関係を示すグラ
フである。
【図2】焼結時の熱膨張曲線であり、ラインAは合金粉
末としてNi−Moのみを含むものを使用した場合を示
し、ラインBは基本成分(NiおよびMo)にCr,M
nおよびSiを合計量で50%以上含有させた場合を夫々
示している。
【図3】焼結中の黒鉛の浸炭挙動を示すグラフである。
【図4】合金粉末の固相線温度と焼結体の引張強さの関
係を示すグラフである。
【図5】各温度で50分焼結したときの、合金粉末の液相
発生量と焼結体の引張強さの関係を示すグラフである。
【図6】合金粉末の液相発生量と焼結体の引張強さの関
係を示すグラフである。
【図7】合金粉末組成が焼結体の引張強さに及ぼす影響
を示すグラフである。
【図8】多成分系合金粉末(Ni−Mo−14%Cr−14
%Mn−7%Si)の示差熱分析を示すグラフである。
【図9】基本成分および多成分系の各合金粉末を用いて
焼結したときの熱膨張曲線である。
【図10】多成分系の合金粉とNi,Cu,Moを純物
質で鉄粉に添加したときの、寸法変化に及ぼす成形圧の
影響を示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄粉と合金粉末を混合してなる粉末冶金
    用混合粉末であって、上記合金粉末は、NiおよびMo
    を夫々45〜95%:55〜5 %の比率で必須成分として含む
    他、Cr,Mn,Si,Al,Ti,P,V,Nb,S
    n,WおよびCoよりなる群から選択される1 種以上
    を、前記NiおよびMoの合計100 重量部に対して5 〜
    100 重量部で含み、該合金粉末の固相線温度が950 ℃以
    上で、且つ焼結中に生成する液相量が20%以上のもので
    あることを特徴とする粉末冶金用混合粉末。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の混合粉末を用いて焼結
    したものである焼結体。
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