JP2909684B2 - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP2909684B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電潜像を現像剤にて現
像する技術の分野において利用され、特に現像剤を磁気
力で拘束して現像を行なう現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、静電潜像担持体としての
感光ドラム表面に形成した潜像を一成分系の現像剤とし
ての磁性トナーによって顕像化する現像装置は、磁性ト
ナー粒子相互の摩擦、及び現像剤担持体としてのスリー
ブと磁性トナー粒子の摩擦により感光ドラム上に形成さ
れた静電像電荷と逆極性の電荷を磁性トナー粒子に与
え、該磁性トナーをスリーブ上にきわめて薄く塗布させ
て感光ドラムとスリーブで形成される現像領域に搬送
し、現像領域においてスリーブ内に固着された磁石によ
る磁界の作用で磁性トナーを飛翔させて感光ドラム上の
静電潜像を顕像化するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような現像装置においては、いずれもスリーブ上に比較
的薄い均一なトナー層を形成しなければならないが、環
境状態、トナー物性、スリーブ表面の状態等に依存し、
均一なトナー層を得ることができず、特に低湿環境にお
いてムラを生じる場合が多い。
【0004】また、複写を重ねるにつれ現像剤が繰り返
しスリーブと摩擦された結果、トナーの流動性をよくす
るための添加剤や二成分系トナーにおけるキャリア等の
非現像物質がスリーブ上に堆積したり、あるいは現像剤
中の結着樹脂がスリーブ上に成膜したりするためにスリ
ーブの表面状態が変化し、現像剤の現像性が不安定化
し、あるいは静電潜像面への現像剤の搬送が不安定化す
るという問題があった。
【0005】また、トナー中に微粉が存在すると、その
現像性の差により微粉トナーが選択的にスリーブの表面
近傍に蓄積し、その上に本来のトナーが層を形成するた
めに、現像に必要な適正帯電量が得られにくくなり、微
粉層形成部分と通常部分とに濃度差が生じる、いわゆる
スリーブメモリが発生するという問題が生じていた。
【0006】このようなスリーブの表面状態の変化を防
止するため、例えば、無機高分子弗化炭素を含有する被
膜を形成するもの(特開昭57−66443号公報)、
シリカが分散された離型性のよい樹脂を形成するもの
(特開昭58−178380号公報)、有機シリコーン
重合体、脂肪族含弗素化合物、あるいはスチレン系樹
脂、ポリフェニレンオキサイドより選択される物質の少
なくとも1種及び2〜6座配位子を有する金属錯体を含
有する被膜を形成するもの(特開昭57−76558号
公報)等、特に離型性の高い物質をスリーブ表面に被膜
することで表面状態の変化防止を行うものが提案されて
いた。しかし、これらの提案では上述したスリーブメモ
リ等従来の問題を解決するには至らなかった。しかも被
膜を形成した場合、トナーとの繰り返しの摩擦帯電によ
り摩耗してしまう問題が生じた。
【0007】本発明は、上述のごとくの問題を解消し、
しかも、繰り返しの摩耗にも耐え、トナーをスリーブ表
面上に均一に担持させる現像装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明によれ
ば、上記目的は、負帯電性一成分系現像剤を担持して搬
送するための円筒状横断面形状を有する現像剤担持体を
備えた現像装置において、上記現像剤担持体の円筒状外
周面に、ポリアクリロニトリル(PAN)系のカーボン
繊維及びフェノール樹脂を含有する被膜を形成すること
により達成される。
【0009】上記のように構成された現像装置が起動
し、該現像剤担持体が所定の方向に回転すると、現像剤
収納室内の現像剤が、現像剤担持体表面に塗布され、現
像領域に搬送される。この際、現像剤担持体はPAN系
カーボン繊維の結晶構造、及び表面に露出した繊維束の
機械的形状等の性質により微粉現像剤あるいは現像剤中
の樹脂等を付着させることなく回転し、現像剤層を均一
に担持して現像領域に搬送する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳述する。
【0011】図1は、本発明の現像装置の一実施例を示
す構成図である。本現像装置では、一成分磁性現像剤を
使用して、像担持体上の静電潜像を現像するものであ
る。
【0012】初めに、本発明で使用する一成分磁性現像
剤について説明する。
【0013】一成分磁性現像剤は、主成分たる磁性トナ
ーの結着樹脂として、ポリスチレン、ポリビニルトルエ
ンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン
−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重
合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン
−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブ
チル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合
体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル
共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、
スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ス
チレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エ
ステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチル
メタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸
ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブ
チラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、
テンペル樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化
水素樹脂、芳香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カ
ルナバワックスなどが単独或いは混合して使用できる。
【0014】又磁性トナーに更に添加し得る着色材料と
しては、従来公知のカーボンブラック、銅フタロシアニ
ン、鉄黒などが使用できる。
【0015】磁性トナーに含有される磁性微粒子として
は、磁場の中に置かれて磁化される物質が用いられ、
鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末、若し
くはマグネタイト、γ−Fe23 、フェライトなどの
合金や化合物が使用できる。
【0016】これらの磁性微粒子は、窒素吸着法による
BET比表面積が好ましくは1〜20m2 /g、特に
2.5〜12m2 /g、更にモース硬度が5〜7の磁性
粉が好ましい。この磁性粉の含有量は、トナー重量に対
して10〜70重量%が良い。
【0017】又トナーには必要に応じて荷電制御剤を含
有してもよく、モノアゾ染料の金属錯塩、サリチル酸、
アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸又はナフト
エ酸の金属錯塩等の負荷電制御剤が用いられる。更にト
ナーは体積固有抵抗が1010Ωcm以上、特に1012Ω
cm以上であるのが摩擦電荷保持及び静電転写性の点で
好ましい。ここで言う体積固有抵抗は、トナーを100
kg/cm2 の圧で成型し、これに100V/cmの電
界を印加して、印加後1分を経た後の電流値から換算し
た値として定義される。
【0018】負帯電性トナーの摩擦電荷量は、−8μc
/g乃至−20μc/gを有することが好ましい。−8
μc/gに満たない場合は、画像濃度が低い傾向にあ
り、特に高湿下での影響が著しい。又−20μc/gを
超えると、トナーのチャージが高すぎてライン画像等が
細くなり、特に低湿下で貧弱な画像となる。
【0019】負帯電性トナー粒子とは、次の通りであ
る。即ち、25℃、50〜60%RHの環境下に1晩放
置されたトナー粒子10gと200〜300メッシュに
主体粒度を持つ、樹脂で被覆されていないキャリアー鉄
粉(例えば、日本鉄粉社製EFV200/300)90
gとを前記環境下でおよそ200ccの容積を持つアル
ミニウム製のポット中で十分に(手に持って上下におよ
そ50回振とうする)混合し、400メッシュのスクリ
ーンを有するアルミニウム製のセルを用いて通常のブロ
ーオフ法により、トナー粒子の摩擦電荷量を測定する。
この方法によって測定された摩擦電荷が負になるトナー
粒子を負帯電性のトナー粒子とする。
【0020】磁性トナーの流動性を向上するための外添
剤として用いられるシリカ微粒子は、ケイ素ハロゲン化
合物の蒸気相酸化により生成された所謂乾式シリカ、又
はヒュームドシリカと称される乾式シリカ或いは水ガラ
ス等から製造される所謂湿式シリカ等が使用可能である
が、表面及び内部にあるシラノール基が少なく、製造残
渣のない乾式シリカの方が好ましい。又乾式シリカにお
いては、製造工程で例えば塩化アルミニウム又は塩化チ
タンなど他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合
物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物
の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含す
る。
【0021】又シリカ微粒子は、疎水化処理されたもの
が好ましい。疎水化処理するには従来公知の疎水化方法
が用いられ、シリカ微粉体と反応或いは物理吸着する有
機ケイ素化合物などで化学的に処理することにより疎水
性が付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲ
ン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を
シランカップリング剤で処理した後、或いはシランカッ
プリング剤で処理すると同時に有機ケイ素化合物で処理
する。
【0022】最終的に、処理されたシリカ微粉体の疎水
化度がメタノール滴定試験によって測定された疎水化度
として30〜80の範囲の値を示すように疎水化された
場合に、このようなシリカ微粉体を含有する現像剤の摩
擦帯電量分布がシャープで均一なる負荷電性を示すよう
になるので好ましい。
【0023】ここで、メタノール滴定試験は疎水化され
た表面を有するシリカ微粉体を疎水化度の程度を確認す
る実験的試験である。
【0024】処理されたシリカ微粉体に疎水化度を評価
するために、本明細書において規定される、“メタノー
ル試験”は次の如く行なう。供試シリカ微粉体0.2g
を容量250mlの三角フラスコ中の水50mlに添加
する。メタノールをビューレットからシリカの全量が湿
潤されるまで滴定する。この際、フラスコ内の溶液はマ
グネチックスターラーで常時撹拌する。その終点はシリ
カ微粉体の全量が液体中に懸濁されることによって観察
され、疎水化度は終点に達した際のメタノール及び水の
液状混合物中のメタノールの百分率として表される。
【0025】又これらのシリカ微粒子の適用量は、トナ
ー100重量部に対して0.05〜3重量部のときに効
果を発揮し、特に好ましくは0.1〜2重量部添加した
際に優れた安定性を有する帯電性を示す現像剤を提供す
ることができる。添加形態について好ましい態様を述べ
れば、トナー重量に対して0.01〜1重量部のシリカ
微粉体がトナー粒子表面に付着している状態にあるのが
よい。
【0026】磁性トナーには実質的な悪影響を与えない
限りにおいて更に他の添加剤、例えば四フッ化エチレン
樹脂、ステアリン酸亜鉛の如き滑剤、或いは定着助剤
(例えば低分子量ポリエチレンなど)、或いは導電性付
与剤として酸化錫の如き金属酸化物等を加えてもよい。
【0027】トナーの製造にあたっては、熱ロール、ニ
ーダー、エクストルーダー等の熱混練機によって構成材
料をよく混練した後、機械的な粉砕、分級によってトナ
ーを得る方法、或いは結着樹脂溶液中に材料を分散した
後、噴霧することによりトナーを得る方法、或いは結着
樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合して乳化懸濁
液とした後に重合させてトナーを得る重合法によるトナ
ー製造法等、それぞれの方法が応用できる。
【0028】以下、本発明の一実施例に係る現像装置に
ついて説明する。
【0029】図1において、公知のプロセスにより形成
された静電潜像を担持する像担持体、例えば電子写真感
光ドラム1は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体
としての現像スリーブ8は、ホッパー3によって供給さ
れた一成分磁性現像剤としての磁性トナー4を担持し
て、矢印A方向に回転することにより、現像スリーブ8
と感光ドラム1とが対向した現像部Dにトナー4を搬送
する。現像スリーブ8内には、磁性トナー4を現像スリ
ーブ8上に磁気的に吸引、保持するために、磁石5が配
置されている。トナー4は現像スリーブ8との摩擦によ
り、感光ドラム1上の静電潜像を現像可能な摩擦帯電電
荷を得る。
【0030】現像部Dに搬送される磁性トナー4の層厚
を規制するために、強磁性金属からなる規制ブレード2
が、現像スリーブ8の表面から約200〜300μmの
ギャップ幅をもって現像スリーブ8に臨むように、ホッ
パー3から垂下されている。磁石5の磁極N1 からの磁
力線がブレード2に集中することにより、現像スリーブ
8上に磁性トナー4の薄層が形成される。ブレード2と
しては非磁性ブレードを使用することもできる。
【0031】現像スリーブ8上に形成される磁性トナー
4の薄層の厚みは、現像部Dにおける現像スリーブ8と
感光ドラム1との間の最小間隙よりも更に薄いものであ
ることが好ましい。このようなトナー薄層により静電潜
像を現像する方式の現像装置、即ち非接触現像型現像装
置に、本発明は特に有効である。しかし、現像部におい
てトナー層の厚みが現像スリーブ8と感光ドラム1との
間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち接触現像
型現像装置にも、本発明は適用することができる。
【0032】説明の煩雑を避けるため、以下の説明で
は、非接触現像型現像装置を例に採って行なう。
【0033】上記現像スリーブ8には、これに担持され
た一成分磁性現像剤である磁性トナー4のトナー層から
感光ドラム1に向けてトナー4を飛翔させるために、電
源9により現像バイアス電圧が印加される。この現像バ
イアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像
の画像部(トナー4が付着して可視化される領域)の電
位と背景部の電位との間の値の電圧が、現像スリーブ8
に印加されることが好ましい。一方、現像画像の濃度を
高め或いは階調性を向上するために、現像スリーブ8に
交番バイアス電圧を印加して、現像部Dに向きが交互に
反転する振動電界を形成してもよい。この場合、上記画
像部の電位と背景部の電位の間の値を有する直流電圧成
分が重畳された交番バイアス電圧を現像スリーブ8に印
加することが好ましい。
【0034】又高電位部と低電位部を有する静電潜像の
高電位部にトナーを付着させて可視化する所謂正規現像
では、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用
し、一方、静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可
視化する所謂反転現像では、トナーは静電潜像の極性と
同極性に帯電するトナーを使用する。尚、高電位、低電
位というのは、絶対値による表現である。いずれにして
も、トナー4は現像スリーブ8との摩擦により静電潜像
を現像するための極性に帯電する。トナー4に外添した
シリカも現像スリーブ8との摩擦により帯電する。
【0035】図2は、本発明の現像装置の他の実施例を
示す構成図、図3は、本発明の現像装置の更に他の実施
例を示す構成図である。
【0036】図2及び図3の現像装置では、現像スリー
ブ8上の磁性トナー4の層厚を規制する部材として、ウ
レタンゴム、シリコーンゴム等のゴム弾性を有する材
料、或いはリン青銅、ステンレス鋼等の金属弾性を有す
る材料などの弾性板20を使用し、この弾性板20を図
2の現像装置では現像スリーブ8に回転方向と逆方向の
姿勢で圧接させ、図3の現像装置では現像スリーブ8に
回転方向と同方向の姿勢で圧接させていることが特徴で
ある。このような現像装置では、現像スリーブ8上に更
に薄いトナー層を形成することができる。図2及び図3
の現像装置のその他の構成は図1に示した現像装置と基
本的に同じで、図2及び図3において図1に付した符号
と同一の符号は同一の部材を示す。
【0037】上記のようにして現像スリーブ8上にトナ
ー層を形成する図2、図3に示すような現像装置は、磁
性トナーを主成分とする一成分磁性現像剤を使用するも
のにも、非磁性トナーを主成分とする一成分非磁性現像
剤を使用するものにも適している。いずれの場合も、弾
性板20によりトナーを現像スリーブ8上に擦りつける
ため、トナーの摩擦帯電量も多くなり、画像濃度の向上
が図られる。従って高湿環境下でのトナーの帯電量不足
に対処するのに適している。
【0038】本発明に使用されるカーボン繊維はPAN
系のカーボン繊維であるが、ピッチ系繊維と比較する
と、結晶性のグラファイトと同等の構造を示し、その性
質は黒鉛と同様であり、この性質が本発明の効果をもた
らすと考えられる。本発明に用いた繊維の太さは3μm
から15μmが好ましく、5μmから10μmがより好
ましい。繊維束の本数も関係なく、本発明の効果を示
す。ピッチ系のカーボン繊維は繊維が非晶質の状態で、
本発明には、効果を示さない。
【0039】本実施例に用いたカーボン繊維は以下に示
す材料を用いた。
【0040】
【表1】 次にこれらの繊維束をフェノール樹脂中に含浸させ繊維
束の中に樹脂が入り込んだシート状の予備成形体を形成
した。このシート状の予備成形体をアルミニウム円筒性
の表面に均一にはり合わせることで、現像剤担持体とし
た。
【0041】図4に示される様に、シート状の予備成形
体を形成し、成形体の断面を図5に示す。成形体の断面
中は、図8に示された様な繊維がたばになった繊維束で
構成されており、この繊維束が図6に示される様に、ア
ルミニウム基体表面に母線方向に沿って並んでおり、こ
の表面には繊維が露出して形成され、特に、これがトナ
ーを搬送するのに適している。図7は、アルミニウム基
体表面に予備成形体を巻きつけ、接着剤等により貼り合
わせた横断面図を示す。
【0042】これらのサンプルを用いて画像形成装置の
現像装置に組み込んで、複写実験を行ない現像スリーブ
の評価をした。用いた画像形成装置はキヤノン製ページ
プリンターLBP−SXで、温度及び湿度が共に正常な
状態のN/N環境下で連続50000枚の複写を行わさ
せた。
【0043】サンプル6はピッチ系の7μmカーボン繊
維をフィラメント数3000本としたものを用い、サン
プル7は従来から用いられているアルミブラスト品(A
#400)を比較例とした。
【0044】50000枚の耐久後の各サンプルの結果
を表2に示す。
【0045】
【表2】 <画像濃度変化に関して>カーボン繊維を含有するサン
プル1〜5は図10のグラフから判断できる様に、画像
濃度の低下は見られず、サンプル6,7は徐々に画像濃
度が低下している。しかし、ここで同じ炭素繊維のピッ
チ系のものを使用しても、画像濃度が低下している事か
ら判断すると繊維自身の結晶質(PAN系)、非晶質
(ピッチ系)の差が原因と考えられる。アルミブラスト
のサンプル7では、結晶質の繊維表面と比較すると、現
像剤の離型性が劣り、現像剤物質が堆積して画像濃度が
低下したと考えられる。
【0046】<スリーブゴーストに関して>次に、スリ
ーブゴーストの実験結果について説明する。この実験
は、まず図9(A)に示した幅aで長さLの黒い帯状の
領域Xを有する原稿を連続して100枚コピーし、その
後に図9(B)に示した幅bで長さLの黒い帯状の領域
Yを有する原稿をコピーしたときのコピー画像(図9
(C))中に区域A,B,Cを設定し、各設定区域内の
任意の5点について画像濃度を測定する。その測定結果
の平均値を求め、これを各設定区域の評価値として添付
した表2の検討を行った。
【0047】ここで、図9(C)のコピー画像について
簡単に説明する。上記のように、図9(A)の原稿を連
続して100枚現像した後に図9(B)の原稿を現像す
ると、図9(A)の原稿の領域X以外の白地に対応する
スリーブ2上のトナーで現像された図9(B)の領域Y
の部分Cは、他の画像領域と比較して画像濃度が薄くな
る。この部分Cのような画像が形成される現像をスリー
ブゴーストという。なお、図9(C)の画像は図中の矢
印30の方向に形成されるが、図9(B)の原稿を現像
するためにスリーブ2が回転すると、スリーブ2上の幅
bに相当するトナーは消費されるので、スリーブ2の数
回転後(図中C)、具体的には通常2〜3回転後の領域
Aは画像濃度が均一化する。
【0048】表2の結果からも明らかなように、PAN
系カーボン繊維のサンプル1〜5においてよい結果が得
られており、特に7μmの繊維を用いたサンプル3が優
れていることがわかる。
【0049】また、処方でコートされた膜の抵抗(体積
抵抗)値を見るとサンプル1〜5の体積抵抗値が2〜5
×10-3(Ω・cm)と低いことがわかる。サンプル6
とサンプル7は1.0×10-1(Ω・cm)であった。
これは、静電気的に強い力でスリーブ2に付着された微
粉の電荷が、膜の体積抵抗値が小さいためにリークして
弱い力となりスリーブ上の表面から離れ易くなるためと
考えられる。
【0050】<ベタ黒均一性>最近のプリンター等の進
展により、グラフィックス等の画像にベタ黒の均一性が
求められている。均一性の評価は、ベタ黒画像中の最大
濃度と最小濃度の差を示す。図11のグラフから判るよ
うに、特に今回の実験では用いた繊維の径が5μmから
10μmのものが優れており、径の細いサンプル1(2
μm)、径の太いサンプル5(20μm)は、ベタ黒均
一性に劣る事がわかった。
【0051】<その他の実施例>本発明に用いたPAN
系のカーボン繊維は結晶質の材料で、黒鉛と同様の効果
を示す。しかし、黒鉛を含む樹脂皮覆膜と比較すると、
表面の耐摩耗性に優れている事がわかった。以下が、そ
れらを示す実施例である。
【0052】
【表3】 処方1の場合は溶剤中に混合分散した後スプレー法にて
10μmの膜厚とした。処方2は実施例1に示した方法
と同様にして現像スリーブを作製した。これらを用い
て、同様に、50000枚の複写テストを行い、画像濃
度変化、スリーブゴースト、ベタ黒均一性の他に、スリ
ーブの耐摩耗性の確認を行った。スリーブゴーストとベ
タ黒均一性に関しては、両者とも差はなく良好で、画像
濃度変化及び耐摩耗性に大きな差が見られた。
【0053】即ち、図12のグラフからわかる様に処方
1の画像濃度が低下した。原因を確認したところ、処方
1の被膜が徐々にハゲ落ちてトナーと充分な摩擦帯電を
起こさずにそのため画像濃度が低下した事がわかった。
処方2は露出した繊維表面には初期と、5万枚後とも、
何の変化もなかった。
【0054】そこで処方1の顔料と樹脂の比率を変えて
同様の検討を行ったが、樹脂の比率を上げる事で少々の
耐摩耗性の上昇及び画像濃度低下防止の効果は見られた
が、カーボン繊維が表面に露出する処方2には及ばなか
った。さらに、実施例1と同様に繊維径を3μm〜15
μmの範囲で変化させたところ同様の効果が得られた。
【0055】
【0056】さらには、グラインディング等により、図
8に示す表面に加工を施しても良い。
【0057】さらにアルミ基体にはり合わせる以外に、
一体成形により、製造する事も可能である。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、現像剤担持体の被膜は
繰り返しの摩耗にも耐え、トナーを現像剤担持体表面上
に均一に担持させ、長期に亘って高品質の画像を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像装置の一実施例を示す構成図であ
る。
【図2】本発明の現像装置の他の実施例を示す構成図で
ある。
【図3】本発明の現像装置の他の実施例を示す構成図で
ある。
【図4】現像剤担持体の被覆に係るシート状の予備成形
体の説明図である。
【図5】図4の成形体の断面図である。
【図6】繊維束が母線方向に並んだ状態を示す説明図で
ある。
【図7】基体表面に予備成形体を貼り合わせた状態を示
す断面図である。
【図8】繊維束の断面を示す説明図である。
【図9】コピー画像中に発生するスリーブゴーストの説
明図である。
【図10】実施例に係る各サンプルの耐久中の画像濃度
変化を示すグラフである。
【図11】実施例に係る各サンプルのベタ均一性を評価
するためのベタ黒画像中の濃度差を示すグラフである。
【図12】その他の実施例に係るサンプルの耐久中の画
像濃度変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後関 康秀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−109073(JP,A) 特開 平2−109075(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 15/08 - 15/095

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負帯電性一成分系現像剤を担持して搬送
    するための円筒状横断面形状を有する現像剤担持体を備
    えた現像装置において、前記現像剤担持体の円筒状外周
    表面に、ポリアクリロニトリル系のカーボン繊維及びフ
    ェノール樹脂を含有する被膜を形成したことを特徴とす
    る現像装置。
  2. 【請求項2】 前記カーボン繊維の繊維束が表面に露出
    し、しかも繊維束を構成する繊維単体が表面に露出して
    いることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 【請求項3】 カーボン繊維の径は3μm〜15μmで
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装
    置。
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