JP2909281B2 - 半導体装置のリード曲げ装置及びその曲げ方法 - Google Patents

半導体装置のリード曲げ装置及びその曲げ方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の組立てに
関するもので、半導体装置組み立て後のリード曲げ処理
に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】図3及び図4を参照して従来の半導体装
置のリード曲げ装置について説明する。図3は、従来の
半導体装置のリード曲げ装置である金型を示す図であ
る。図4は、図3に示すストリッパ44及び曲げダイ4
2の拡大図である。
【0003】図3の金型50はテーパベンド方式のリー
ド曲げ装置であり、上型部と下型部から構成されてい
る。上型部と下型部は、製品40のリード40a等を押
さえ、リード40aを曲げるものである。上型部はポン
チバックプレート48、曲げポンチ46、ポンチホルダ
47、ストリッパ44と、ストリッパホルダ45を有し
ている。下型部は、ダイバックプレート41、曲げダイ
42とダイホルダ43を有している。
【0004】曲げポンチ46は製品40のリード40a
を所望の形状に曲げるのに使用され、ポンチホルダ47
は曲げポンチ46を固定する為のものである。ストリッ
パ44は製品40のリード40aを押さえるのに使用さ
れ、ストリッパホルダ45はストリッパ44を固定する
為のものである。曲げダイ42は製品40のリード40
aを固定するのに使用され、ダイホルダ43は曲げダイ
42を受ける為のものである。
【0005】上記構成の金型50においては、図4に示
すように曲げダイ42に製品40を設置し、上型部を下
降させストリッパ44によって製品40を押さえる。上
型部が下死点に達すると、製品40のリード40aは曲
げダイ42及び曲げポンチ46の形状に倣って成形され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の半
導体装置のリード曲げを行う場合には一般的に金型を使
用しているが、この金型によるリード曲げには以下のよ
うな問題点があった。第1に、金型製作に当って超精密
加工技術、手作業などが必要な為、コスト高になり製品
の納期が遅くなるといった問題があった。第2に、金型
が専用機である為、一台の金型は一種類の製品にしか対
応が出来ない、即ち、一品種対応であるという問題があ
った。第3に、製品の外装メッキの厚さが一定でない
為、リード曲げに関して寸法精度のバラツキが生じると
いう問題があった。第4に、金型はバネ等による変動要
素や消耗部品が多い為、頻繁にメンテナンスを行う必要
があった。
【0007】本発明は上記実情に鑑みなされたもので、
より簡便にかつ正確に半導体装置のリードを自動的に曲
げる半導体装置のリード曲げ装置及びその曲げ方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】半導体装置のリード曲げ
装置は、半導体装置のリードの根本部を自動的に固定す
る第1の固定部と、前記半導体装置のリードの端部を自
動的に固定する第2の固定部と、少なくとも、前記第2
の固定部を、左右、上下、及び、回転の各方向に任意
移動し、前記リードを曲げる移動部と、前記第1と第2
の固定部及び前記移動部を制御する制御部を具備し、前
記半導体装置のリードを所望の形状に自動的に曲げるこ
とを特徴とする。また、半導体装置のリード曲げ方法
は、半導体装置のリードの根本部を第1の固定部で固定
する工程と、前記半導体装置のリードの端部を第2の固
定部で固定する工程と、前記半導体装置のリードの根本
部及び端部を固定した後、前記リードの根本部を支点と
して、前記第2の固定部を、左右、上下、及び、回転の
各方向に任意に移動させることにより、前記リードを所
望の形状に曲げることを特徴とする。
【0009】
【作用】上記構成のリード曲げ装置において、前記制御
部の制御に従って前記第1の固定部は半導体装置のリー
ドの根本部を自動的に固定し、前記第2の固定部は前記
リードの端部を自動的に固定する。リードの根本部と端
部を固定後、前記制御部の制御に従って、前記移動部は
前記第1及び第2の固定部を任意の方向に移動し、前記
リードを所望の形状に自動的に曲げる。これにより半導
体装置のリード曲げ装置は簡便にかつ正確に前記リード
の曲げ処理を行う。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例に係
る半導体装置のリード曲げ装置100について説明す
る。図1(a)は、本発明の一実施例に係るリード曲げ
装置100の概略図である。図1(b)は、リードチャ
ック部14及びワーク押さえ部15の一部拡大図であ
る。図2は、図1に示すリード曲げ装置100の動作を
制御する制御装置を示すブロック図である。
【0011】リード曲げ装置100は、製品16のリー
ド曲げ処理を行うものであり、ベース20に固定されて
いる移動テーブル11,ワーク押え部15と、リードチ
ャック部14とベース20を有する。
【0012】ワーク押え部15は製品16のリード16
aの根本部を固定するものであり、ベース20に固定さ
れており、上型部15aと下型部15bから構成されて
いる。また、図1(b)に示すワーク押え部15の上型
部及び下型部の形状は、製品16を収納するのに適切な
図4に示す上型部及び下型部とほぼ同様の形状を有して
いる。この上型部15aは図示せぬシリンダ等によって
上下動する。尚、図1(b)の2点鎖線は移動後のリー
ドチャック可動部14aとリードチャックダイ部14b
の位置を示している。
【0013】リードチャック部14は製品16のリード
16aの先端部を固定する為のものであり、移動テーブ
ル11に取り付けられており、θ方向回転部13、リー
ドチャック可動部14a及びリードチャックダイ部14
bから構成されている。このリードチャック可動部14
aは図示せぬシリンダ等によって上下動する。
【0014】θ方向回転部13にはモータ17c及び送
りネジ18cが備えられている。モータ17c及び送り
ネジ18cはθ方向回転部13をθ方向(回転方向)に
移動させる為のものである。モータ17cの駆動によっ
て送りネジ18cが回転し、送りネジ18cの回転によ
ってθ方向回転部13はθ方向に移動し、θ方向回転部
13が回転することによりリードチャック部14はθ方
向(回転方向)に回転する。
【0015】移動テーブル11は後述する駆動部と送り
ネジによってX方向及びZ方向に変位するものであり、
X方向スライド部19とZ方向スライド部12を有して
いる。
【0016】X方向スライド部19は送りネジ18a及
びモータ17aを備える。送りネジ18a及びモータ1
7aはX方向スライド部19をX方向(左右方向)に移
動させる為のものであり、モータ17aの駆動によって
送りネジ18aが回転し、X方向スライド部19をX方
向に移動する。
【0017】Z方向スライド部12は、送りネジ18b
及びモータ17bを備える。送りネジ18b及びモータ
17bはZ方向スライド部12をZ方向(上下方向)に
移動させる為のものであり、モータ17bの駆動によっ
て送りネジ18bが回転し、Z方向スライド部12をZ
方向に移動する。制御装置200はリード曲げ装置10
0に接続され、その動作の制御を行う。次に、図2を参
照して制御装置200の構成について述べる。
【0018】制御装置200は、バス26を介して相互
に接続された制御部21,ROM22,X方向駆動コン
トローラ23,Z方向駆動コントローラ24,θ方向駆
動コントローラ25から構成されている。また、X方向
駆動コントローラ23にはモータ17aが、Z方向駆動
コントローラ24にはモータ17bが、θ方向駆動コン
トローラ25にはモータ17cがそれぞれ接続されてい
る。
【0019】制御部21はマイクロコンピュータ等から
なり、X方向駆動コントローラ23,Z方向駆動コント
ローラ24,及びθ方向駆動コントローラ25を制御す
るものである。
【0020】ROM22には制御部21がX方向駆動コ
ントローラ23,Z方向駆動コントローラ24,θ方向
駆動コントローラ25,リードチャック部14,ワーク
押え部15の各制御を行う為のプログラムが格納されて
いる。
【0021】X方向駆動コントローラ23はモータ17
aの、Z方向駆動コントローラ24はモータ17bの、
θ方向駆動コントローラ25はモータ17cの回転を制
御する。
【0022】尚、バス26を介して制御部21とリード
チャック部14,ワーク押え部15がそれぞれ接続され
ており、リードチャック部14,ワーク押え部15はそ
れぞれ制御部21によって制御されている。次に、リー
ド曲げ装置100の動作について説明する。
【0023】まず、制御部21の制御により、図示せぬ
移動機構等により製品16はワーク押え部15の下型部
15bに配置される。また、制御部21からの制御信号
を受けてワーク押え部15の上型部15aが下降し、ワ
ーク押え部15の上型部15aによって製品16のリー
ド16aの根本部は固定される。
【0024】次に、制御部21からリードチャック部1
4に制御信号が供給されると、図示せぬシリンダが動作
し、これによりリードチャック可動部14aが下降し、
リードチャック部14によって製品16のリード16a
の先端部が固定される。
【0025】リード16aの先端部がリードチャック部
14によって固定されたことを図示せぬ検出部が検出す
ると、ROM22に保持されているプログラムの設定に
従って、制御部21からX方向駆動コントローラ23,
Z方向駆動コントローラ24,θ方向駆動コントローラ
25に制御信号が供給される。制御部21からの制御信
号を受けて、いずれかのコントローラが動作し、そのコ
ントローラによっていずれかの駆動部が動作する。例え
ば、モータ17a,17b,17cが順番に駆動するよ
うに設定されたプログラムがROM22に保持されてい
た場合は、以下のように動作する。
【0026】まず、制御部21からX方向駆動コントロ
ーラ23に制御信号が供給され、モータ17aはX方向
駆動コントローラ23によって駆動制御される。モータ
17aの駆動により送りネジ18aが回転し、送りネジ
18aの回転によりX方向スライド部19は例えば図面
右方向に移動する。
【0027】X方向スライド部19の移動により、製品
16のリード16aの先端部は図面右方向に曲げられ
る。リード16aのX方向の曲げ処理が終了すると、制
御部21から再びX方向駆動コントローラ23に制御信
号が供給され、X方向駆動コントローラ23によってモ
ータ17aの駆動が停止され、X方向スライド部19は
停止する。
【0028】次に、制御部21からZ方向駆動コントロ
ーラ24に制御信号が供給され、モータ17bはZ方向
駆動コントローラ24によって駆動制御される。モータ
17bの駆動により送りネジ18bが回転し、Z方向ス
ライド部12がZ方向に移動する。Z方向スライド部1
2の移動により、製品16のリード16aの先端部はZ
方向に曲げられる。リード16aのZ方向の曲げ処理が
終了すると、制御部21から再びZ方向駆動コントロー
ラ24に制御信号が供給され、Z方向駆動コントローラ
24によってモータ17bの駆動が停止され、Z方向ス
ライド部12は停止する。
【0029】制御部21からθ方向駆動コントローラ2
5に制御信号が供給され、モータ17cはθ方向駆動コ
ントローラ25によって駆動制御される。モータ17c
の駆動により送りネジ18cが回転し、送りネジ18c
の回転によりθ方向回転部13がθ方向に移動し、リー
ドチャック部14が回転する。
【0030】リードチャック部14の回転により、製品
16のリード16aの先端部はθ方向に曲げられる。リ
ード16aのθ方向の曲げ処理が終了すると、制御部2
1から再びθ方向駆動コントローラ25に制御信号が供
給され、θ方向駆動コントローラ25によってモータ1
7cが停止し、θ方向回転部13が停止し、リードチャ
ック部14が停止する。
【0031】モータ17a、17b、17cの動作順序
はリード16aの先端部の所望の曲げの形状によって決
定されるので、上記以外の動作順序でも構わない。例え
ば、モータ17a及び17bを同時に駆動させても良
い。
【0032】尚、リード16aの曲げ処理を行うと、リ
ード16aはリード16aの弾性に応じてある程度曲げ
処理前の形状に戻るので、リード16aの弾性による戻
りを考慮してリード16aの曲げの補正を行う。この曲
げの補正は、リード16aの戻りの程度を検出して行う
のではなく、予め実験等によって求められた曲げに対す
る戻りの比率に従って行う。このリード16aのリード
スプリングバックの補正を行うことによって、リード曲
げ装置100のリード曲げ処理は終了する。
【0033】尚、製品16のリード16aは半導体装置
の周囲(4辺)に備えられており、製品16の一辺に備
えられたリード16aの曲げ処理の終了が図示せぬ検出
部によって検出されると、製品16の他の辺に備えられ
るリード16aの曲げ処理を上記実施例と同様に行う。
尚、この未処理のリードの曲げ処理を行う為には、製品
16の向きを変える必要がある。
【0034】このような場合には、例えば、未処理のリ
ード16aがリードチャック部14に向き合うように、
制御部21はワーク押え部15の向きを変化させる。例
えば、半導体装置の各辺に備えられるリード16aの曲
げ処理に合わせて、ワーク押え部15を回転させても良
い。また、2台目の移動テーブル11をワーク押え部1
5の反対側に設置してリード16aの曲げ処理を行って
も良い。
【0035】製品16の周囲に備えられた全てのリード
16aの曲げ処理を終了すると、制御部21からリード
チャック部14に制御信号が供給され、リードチャック
部14は製品16のリード16aの先端部の固定を解除
する。
【0036】次に、制御部21からワーク押え部15に
制御信号が供給され、ワーク押え部15の上型部は上方
向に移動する。これにより、ワーク押え部15はリード
16aの根本部の固定を解除する。
【0037】上記実施例では、3方向(X,Z及びθ方
向)に対する曲げ動作の自由が確保されるので、それぞ
れの曲げの動作を制御してやることにより、様々なタイ
プの曲げの形状に対応することが出来る。
【0038】
【発明の効果】上記構成により、自動的に半導体装置の
リードを固定し、より簡便にかつ正確に半導体装置のリ
ードを曲げられるので、汎用性のあるリード曲げ装置
びその曲げ方法を提供出来、また半導体装置の品質向上
が図れる。また、本発明のリード曲げ装置は構成が簡単
なのでコストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るリード曲げ装置を示す
概略図である。
【図2】図1のリード曲げ装置に係る制御装置を示すブ
ロック図である。
【図3】従来のリード曲げ装置である金型の概略図であ
る。
【図4】図3に示す曲げダイ及びストリッパを示す拡大
図である。
【符号の説明】
11…移動テーブル、12…Z方向スライド部、13…
θ方向回転部、14…リードチャック部、14a…リー
ドチャック可動部、14b…リードチャックダイ部、1
5…ワーク押え部、15a…上型部、15b…下型部、
16…製品、16a…リード、17a、17b、17c
…モータ、18a,18b,18c…送りネジ、19…
X方向スライド部、20…ベース、21…制御部、22
…ROM、23…X方向駆動コントローラ、24…Z方
向駆動コントローラ、25…θ方向駆動コントローラ、
26…バス、100…リード曲げ装置、200…制御装
置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 弘司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝多摩川工場内 (72)発明者 越前谷 正信 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝多摩川工場内 (72)発明者 佐藤 英信 神奈川県川崎市川崎区駅前本町25番地1 東芝マイクロエレクトロニクス株式会 社内 (56)参考文献 特開 平2−272752(JP,A) 実開 昭62−32546(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 23/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体装置のリード曲げ装置において、 半導体装置のリードの根本部を自動的に固定する第1の
    固定手段と、 前記半導体装置のリードの端部を自動的に固定する第2
    の固定手段と、少なくとも、前記第2の固定手段を、左右、上下、及
    び、回転の各方向に任意 に移動し、前記リードを曲げる
    移動手段と、 前記第1と第2の固定手段及び前記移動手段を制御する
    制御手段を具備し、前記半導体装置のリードを所望の形
    状に自動的に曲げることを特徴とする半導体装置のリー
    ド曲げ装置。
  2. 【請求項2】半導体装置のリード曲げ方法において、 半導体装置のリードの根本部を第1の固定手段で固定す
    る工程と、 前記半導体装置のリードの端部を第2の固定手段で固定
    する工程と、 前記半導体装置のリードの根本部及び端部を固定した
    後、前記リードの根本部を支点として、前記第2の固定
    手段を、左右、上下、及び、回転の各方向に任意に移動
    させることにより、前記リードを所望の形状に曲げるこ
    とを特徴とする半導体装置のリード曲げ方法。
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