JP2909133B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JP2909133B2 JP8466990A JP8466990A JP2909133B2 JP 2909133 B2 JP2909133 B2 JP 2909133B2 JP 8466990 A JP8466990 A JP 8466990A JP 8466990 A JP8466990 A JP 8466990A JP 2909133 B2 JP2909133 B2 JP 2909133B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、InGaAlP系材料を用いた半導体レーザ装置
に係わり、特に非点隔差の小さい半導体レーザ装置に関
する。
(従来の技術) 近年、0.6μm帯に発振波長を持つInGaAlP系材料を用
いた赤色半導体レーザが製品化され、高密度ディスク装
置,レーザビームプリンタ用光源,バーコードリーダ及
び光計測器等の光源として期待されている。第4図は、
この種のレーザの一例を示す断面図である(昭和62年電
子情報通信学会,半導体・材料部門全国大会297)。
第4図において、40はn−GaAs基板、41はn−GaAsバ
ッファ層、42はn−InGaAlPクラッド層、43はInGaP活性
層、44はp−InGaAlPクラッド層、45はp−InGaPエッチ
ングストップ層、46はp−InGaALPクラッド層、47はn
−GaAs電流阻止層、50はp−GaAsキャップ層、51はp−
GaAsコンタクト層、52,53は電極を示しており、クラッ
ド層46でストライプ状のリッジ部が形成されている。
このレーザにおいて、p側電極52に正電圧を印加する
と、電流はpクラッド層46のリッジ部に集中して流れ
る。このとき、活性層43のリッジ部の底部に近い部分で
は、下側のnクラッド層42からは電子が、一方上側のp
クラッド層44からは正孔が注入され、両者の再結合によ
る発光が生じる。そして、注入する電流を増やしていく
と、やがて誘導放出が始まりレーザ発振に至る。
しかしながら、この種のレーザにあっては次のような
問題があった。即ち、第4図のレーザは垂直横モードは
作り付けの屈折率差による屈折率導波機構で制御されて
いる。一方、水平横モードについては、実効的屈折率差
による所謂リブ導波路で制御されており、屈折率導波型
ではあるが作り付けの屈折率差はない。従って、非点隔
差は利得導波型レーザに比べれば小さいが、垂直,水平
方向共に作り付けの屈折率差を持つレーザに比べれば大
きいという問題があった。
(発明が解決しようとする課題) このように従来、第4図に示すようなリブ導波路型構
造の半導体レーザにおいては、利得導波型レーザに比べ
れば非点隔差を小さくできるものの、垂直,水平方向共
に作り付けの屈折率差を持つレーザほどには小さくでき
ず、非点隔差を十分に小さくできないという問題があっ
た。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その
目的とするところは、非点隔差を十分に小さくすること
ができ、放射光をより微小スポットに絞ることのできる
半導体レーザ装置を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は上記目的を達成するために、屈折率導波機構
を有する半導体レーザ装置において、基板上に第1導電
型の第1のクラッド層,活性層及び第2導電型の第2の
クラッド層を積層してなるダブルヘテロ構造部と、この
ダブルヘテロ構造部上に形成されたキャップ層と、この
キャップ層上に形成された、ストライプ状の開口を有す
る第2導電型の第3のクラッド層と、この第3のクラッ
ド層上に形成された第1導電型の電流阻止層と、この電
流阻止層上と該電流阻止層及び第3クラッド層の開口内
に露出した前記キャップ層上に形成された、前記活性層
と第3のクラッド層の中間のバンドギャップを有する第
2導電型の光ガイド層と、この光ガイド層上に形成され
た第2導電型の第4のクラッド層と、この第4のクロッ
ド層上に形成された第2導電型のコンタクト層とを具備
してなることを特徴としている。
(作用) 本発明によれば、第3のクラッド層のストライプ状開
口に光ガイド層が形成されるため、第3のクラッド層と
光ガイド層間に屈折率差が生じ、光は第3のクラッド層
のストライプ開口にある光ガイド層に閉じ込められる。
また、光が閉じ込められる領域より電流阻止層による電
流狭窄幅が広いため、光は電流注入の高い領域に閉じ込
められることになる。
(実施例) 以下、本発明の詳細を図示の実施例によって説明す
る。
第1図は本発明の一実施例に係わる半導体レーザ装置
の概略構成を示す断面図である。図中10はn−GaAs基板
であり、この基板10上にn−GaAsバッファ層11,n−In
0.5(Ga0.3Al0.70.5P第1クラッド層12,アンドープI
n0.5Ga0.5P活性層13,p−In0.5(Ga0.3Al0.70.5P第
2クラッド層14,p−In0.5Ga0.5Pキャップ層15,p−In
0.5(Ga0.3Al0.70.5P第3クラッド層16及びn−GaAs
電流阻止層17が積層形成されている。第3クラッド層16
にはストライプ状の開口が設けられ、また電流阻止層17
にはこの開口よりも僅かに大きなストライプ状の開口が
設けられている。
電流阻止層17及び第3クラッド層16の開口に露出した
キャップ層15上、さらに第3クラッド層16及び電流阻止
層17上には、p−In0.5(Ga0.5Al0.50.5P光ガイド層
18が成長形成されている。この光ガイド層18には、p−
In0.5(Ga0.3Al0.70.5P第4クラッド層19,p−In0.5G
a0.5P中間バンドギャップ層20及びp−GaAsコンタクト
層21が成長形成されている。そして、コンタクト層21上
にp側電極22としてAuZnが形成され、基板10の下面にn
側電極23としてAuGeが形成されている。
このレーザは、次のようにして製造される。まず、第
2図(a)に示す如く、基板10上に各層11〜17をMOCVD
法等により成長する。次いで、第2図(b)に示す如
く、SiO2等のマスク(図示せず)を用い、電流阻止層17
をストライプ状に選択エッチングし、開口を設ける。さ
らに、第2図(c)に示す如く、第3のクラッド層16を
電流阻止層17のストライプ状開口よりも僅かに狭い幅に
ストライプ状に選択エッチングし、開口を設ける。次い
で、上記マスクを除去した後、各層18〜21をMOCVD法等
で成長し、さらに電極22,23を形成することによって前
記第1図に示す構造が得られる。
このように構成されたレーザに電流を注入すると、n
−GaAs電流阻止層17によるpn反転層のため注入電流は、
電流狭窄部25に制限される。この電流狭窄部25にほぼ沿
った活性層13で発光が生じ、レーザ発振に至るが、第3
クラッド層16までしみ出した光が、光ガイド領域26と第
3クラッド層16による作り付けの屈折率差によって閉じ
込まれる。つまり、従来の第4図に示すようなリブ導波
路で導波されているだけの場合と比べて、水平横モード
の制御は垂直横モードの制御に近くなり、従って非点隔
差が小さくなり、放射光を十分に小さい微小スポットに
絞ることが可能となる。また、光の閉じ込めが強くなる
ため、発光効率も良くなるという効果もある。
なお、バッファ層11がInGaP、キャップ層が15がInGa
P,GaAlAs若しくはGaAs、電流阻止層17がn型若しくは半
絶縁性のInGaAlP又はn型若しくは半絶縁性のGaAlAs、
光ガイド層18がp−GaAlAs、中間バンドギャップ層20が
p−GaAlAs若しくはp−GaAsの構造でも、上記と同じ効
果が得られる。
第3図は本発明の他の実施例の概略構成を示す断面図
である。この実施例が先に説明した実施例と異なる点
は、p,nの関係を逆にしたことにあり、30〜43はそれぞ
れ第1図の10〜23に対応している。
図中30は−GaAs基板であり、この基板30上にp−In
0.5Ga0.5Pバッファ層31,p−In0.5(Ga0.3Al0.70.5
第1クラッド層32,アンドープIn0.5Ga0.5P活性層33,n
−In0.5(Ga0.3Al0.70.5P第2クラッド層34,n−In
0.5Ga0.5Pキャップ層35,n−In0.5(Ga0.3Al0.70.5
第3クラッド層36及びp−GaAs電流阻止層37が積層形成
され、第3クラッド層36及び電流阻止層37にはストライ
プ状の開口が設けられている。そして、電流阻止層37及
び第3クラッド層36の開口に露出したキャップ層35上、
さらに第3クラッド層36及び電流阻止層37上に、n−In
0.5(Ga0.5Al0.50.5P光ガイド層38が成長形成されて
いる。光ガイド層38上には、n−In0.5(Ga0.3Al0.7
0.5P第4クラッド層39及びn−GaAsコンタクト層41が
成長形成されている。そして、コンタクト層41上にn側
電極42としてAuGeが形成され、基板30の下面にp側電極
43としてAuZnが形成されている。
この実施例の場合、コンタクト層41側をn型としてい
るので、n−InGaAlP第4クラッド層39とn−GaAsコン
タクト層41との間は中間バンドギャップ層が無くても電
流が流れる特徴があり、n−InGaP等の中間バンドギャ
ップ層は不要である。そして、本実施例によっても先の
実施例と同様の作用により、非点隔差の小さい光出力が
得られた。
なお、本発明は上述した各実施例に限定されるもので
はない。実施例では、In0.5(Ga1-xAlx0.5Pと表わし
たときのAl組成を、活性層ではx=0,クラッド層ではx
=0.3としたが、このAl組成はクラッド層のバンドギャ
ップが活性層よりも十分大きくなる範囲で適宣定めれば
よい。また、光ガイド層のAl組成はx=0.5に限るもの
ではなく、クラッド層よりも小さく、活性層よりも大き
い範囲で適宣変更可能である。その他、本発明の容旨を
逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができ
る。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、ダブルヘテロ構
造部上に第3クラッド層を設け、この第3クラッド層の
開口部に光ガイド層を設けているので、光ガイド層と第
3クラッド層による作り付けの屈折率差によって光を閉
じ込めることができる。従って、非点隔差を十分に小さ
くすることができ、放射光をより微小スポットに絞るこ
とのできる半導体レーザ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係わる半導体レーザ装置の
概略構成を示す断面図、第2図は上記レーザの製造工程
を示す断面図、第3図は本発明の他の実施例の概略構成
を示す断面図、第4図は従来レーザの概略構成を示す断
面図である。 10……n−GaAs基板、 11……n−GaAsバッファ層、 12……n−InGaAlP第1クラッド層、 13……InGaP活性層、 14……p−InGaAlP第2クラッド層、 15……p−InGaPキャップ層、 16……p−InGaAlP第3クラッド層、 17……n−GaAs電流阻止層、 18……p−InGaAlP光ガイド層、 19……p−InGaAlP第4クラッド層、 20……p−InGaP中間バンドギャップ層、 21……p−GaAsコンタクト層、 22,23……電極、 25……電流狭窄部、 26……光ガイド領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に第1導電型の第1のクラッド層,
    活性層及び第2導電型の第2のクラッド層を積層してな
    るダブルヘテロ構造部と、このダブルヘテロ構造部上に
    形成されたキャップ層と、このキャップ層上に形成され
    た、ストライプ状の開口を有する第2導電型の第3のク
    ラッド層と、この第3のクラッド層上に形成された第1
    導電型の電流阻止層と、この電流阻止層上と該電流阻止
    層及び第3クラッド層の開口内に露出した前記キャップ
    層上に形成された、前記活性層と第3のクラッド層の中
    間のバンドギャップを有する第2導電型の光ガイド層
    と、この光ガイド層上に形成された第2導電型の第4の
    クラッド層と、この第4のクラッド層上に形成された第
    2導電型のコンタクト層とを具備してなることを特徴と
    する半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】前記キャップ層は、前記活性層とほぼ等し
    い屈折率を有するものであることを特徴とする請求項1
    記載の半導体レーザ装置。
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