JP2908542B2 - 四輪駆動車輌の操向装置 - Google Patents

四輪駆動車輌の操向装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、四輪駆動車輌の操向装置に関する。
従来の技術 従来の四輪駆動車輌における操向装置としては、特公
昭62−35929号公報に記載されたように、低速側イギャ
と高速側ギヤとを有するとともにステアリング装置の操
向操作に応動して切換えられる高低速切換装置を操向輪
である前輪の駆動系に設け、旋回時には高速側ギヤを介
して前輪への駆動力伝達を行うとともに、前輪と後輪と
の周速度比を前輪が後輪を引きずるような値となるよう
に低速側ギヤと高速側ギヤとのギヤ比を設定したものが
ある。
また、前輪と後輪とをともに操向輪とした四輪駆動車
輌があり、このような四輪駆動車輌においては、直進時
における前輪と後輪との周速度が略一致するように設定
されている。
発明が解決しようとする課題 特公昭62−35929号公報に記載された操向装置におい
ては、旋回時における前輪と後輪との周速度が異なるた
め、前輪や後輪が周方向へスリップし、又は、前輪や後
輪が旋回方向外側へサイドスリップすることにより土押
しにより、旋回跡地を荒らすという欠点がある。
一方、前輪と後輪とがともに操向輪となっている四輪
駆動車輌においては、旋回時における前輪と後輪との操
向角度を等しくすることによりスリップのない円滑な旋
回を行える。しかし、後輪は前輪に比べて大径であり、
後輪の操向角度を前輪の操向角度と同じように大きくし
た場合には、左右の後輪の間に設けられている運転者の
乗車設備等に当接する。従って、後輪の操向角度を前輪
の操向角度と同じように大きくすることができず、後輪
の操向角度が前輪の操向角度より小さいために、前輪や
後輪が周方向へスリップし、又は、前輪や後輪が旋回方
向外側へサイドスリップすることによる土押しにより、
旋回跡地を荒らすという欠点がある。
課題を解決するための手段 請求項1記載の発明は、前輪操向機構に連結された前
輪と後輪操向機構に連結された後輪とを設け、低速側ギ
ヤと高速側ギヤとを有するとともにステアリング装置の
操向操作に応動して切換えられる高低速切換装置を前輪
駆動系に設け、直進時には前記低速側ギヤを介して前記
前輪への駆動力伝達を行うとともに旋回時には前記高速
側ギヤを介して前記前輪への駆動力伝達を行い、旋回時
における前記前輪と前記後輪との旋回中心が略一致する
ように前記前輪と前記後輪との周速度比を設定した四輪
駆動車輌において、左右の前記後輪の中心を結ぶ機体線
と、前記後輪と旋回中心とを結ぶ旋回線とのなす角度を
旋回方向内側の前記後輪において“α”とするとともに
旋回方向外側の前記後輪において“β”としたときに、
旋回方向内側の前記後輪の操向角度“α′”が前記
“α”より小さな角度になるとともに旋回方向外側の前
記後輪の操向角度“β′”が前記“β”より大きな角度
になるように前記後輪操向機構を構成した。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明におい
て、旋回時における旋回方向内側の後輪に対してこの後
輪が回転可能な範囲の抵抗を加える制動装置を設けた。
作用 請求項1記載の発明では、旋回時には、高低速切換装
置が高速側ギヤへ切換えられ、前輪と後輪との旋回中心
が略一致する周速度比で前輪と後輪とが駆動される。さ
らに、左右の後輪の中心を結ぶ機体線と、後輪と旋回中
心とを結ぶ旋回線とのなす角度を旋回方向内側の後輪に
おいて“α”とするとともに旋回方向外側の後輪におい
て“β”としたときに、旋回方向内側の後輪の操向角度
“α′”が“α”より小さな角度になるとともに旋回方
向外側の後輪の操向角度“β′”が“β”より大きな角
度になるため、前輪と後輪との周方向でのスリップ及び
サイドスリップが確実に防止され、四輪駆動車輌は小さ
な旋回半径でスムーズに旋回する。
請求項2記載の発明では、旋回時において制動装置に
より旋回方向内側の後輪にこの後輪が回転可能な範囲の
抵抗が加えられるため、旋回方向内側の後輪に発生する
駆動力が低減され、この駆動力により前輪に発生するサ
イドフォースも低減され、前輪のサイドスリップがより
一層確実に防止される。
実施例 本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。まず、
四輪駆動車輌であるトラクタ1の腹部には前方から順
に、エンジン2、クラッチケース3、ミッションケース
4、デフケース5が配設され、デフケース5の下部には
前輪駆動力取出ケース6が固定されている。前記クラッ
チケース3内にはメインクラッチ7が収納され、前記ミ
ッションケース4内には前後進切換装置8と主変速装置
9と副変速装置10とが収納され、前記デフケース5内に
はクリープ装置11と前輪動力取出装置12と後輪差動装置
13とPTO変速装置14とが収納され、前記前輪動力取出ケ
ース6内には高低速切換装置である前輪変速装置15が収
納されている。
また、前記デフケース5内にはドライブピニオン軸16
が軸支されており、このドライブピニオン軸16の一端に
はドライブピニオン17が固定され、ドライブピニオン軸
16の他端は前記クリープ装置11に連結されている。さら
に、前記ドライブピニオン17は前記後輪差動装置13のベ
ルギヤ18と噛み合っており、後輪差動装置13には制動装
置19と最終減速装置20とを介して後輪21が連結されてい
る。なお、この後輪21にはタイロッドやナックルアーム
等からなる後輪操向機構(図示せず)が連結され、後輪
操向機構にはステアリングホイール等からなるステアリ
ング装置(図示せず)が連結されている。また、前記制
動装置19は、前記トラクタ1の旋回時において、旋回方
向内側の後輪21にこの後輪21が回転可能な範囲の抵抗を
加えるものである。
前記前輪動力取出ケース6内には、前輪動力取出軸22
が軸支され、この前輪動力取出軸22には、電磁クラッチ
23と軸受スリーブ24とがスプライン嵌合されている。前
記軸受スリーブ24には、軸受25,26を介して低速側ギヤ2
7が保持されるとともに常時四輪駆動ギヤ28がスプライ
ン嵌合されている。また、前記低速側ギヤ27の外周部に
は高速側ギヤ29が回転自在に外嵌されており、さらに、
前記低速側ギヤ27と前記軸受スリーブ24との間には、低
速側ギヤ27から軸受スリーブ24へのみ駆動力を伝達する
ワンウェイクラッチ30が介装されている。そして、これ
らの低速側ギヤ27や高速側ギヤ29及び電磁クラッチ23や
ワンウェイクラッチ30等により前記前輪変速装置15が構
成されている。
前記デフケース5内には、前記前輪動力取出ケース6
に一体的に形成された前後一対の支持部31,32が延出さ
れており、これらの支持部31,32により支軸33が保持さ
れている。この支軸33には一対の中間ギヤ34,35が軸支
されており、一方の中間ギヤ34には低速ギヤ部36と高速
ギヤ37とが形成されている。なお、前記低速ギヤ部36は
前記低速側ギヤ27と常時噛み合い、前記高速ギヤ部37は
前記高速側ギヤ29と常時噛み合い、また、前記中間ギヤ
35は前記常時四輪駆動ギヤ28と常時噛み合っている。一
方、前記ドライブピニオン軸16には前輪動力取出ギヤ38
がスライド自在にスプライン嵌合され、この前輪動力取
出ギヤ38は前記中間ギヤ35又は前記低速ギヤ部36に選択
的に噛み合っている。そして、これらの中間ギヤ34,35
や前輪動力取出ギヤ38等により前記前輪動力取出装置12
が構成されている。
前記前輪動力取出軸22は伝動軸カバー39に被覆された
前輪動力伝動軸40の一端に連結され、前輪動力伝動軸40
の他端は前輪差動装置41に連結されている。さらに、前
輪差動装置41には最終減速装置42を介して前輪43が連結
されている。なお、この前輪43にはタイロッドやナック
ルアーム等からなる前輪操向機構(図示せず)が連結さ
れ、前輪操向機構には前記ステアリング装置(図示せ
ず)が連結されている。ここで、前記低速側ギヤ27又は
前記常時四輪駆動ギヤ28を介して前記前輪43への駆動力
伝達が行われている場合には、前輪43と後輪21との周速
度が略等しくなるように設定されており、一方、前記高
速側ギヤ29を介して前輪43への駆動力伝達が行われる場
合には、前輪43と後輪21との旋回中心が略一致する周速
度比となるように前輪43の周速度が上昇する。
前記電磁クラッチ23は、第3図に示すように、ステア
リング装置が最大操向角度の近傍へ操向操作されたこと
を検出して閉路する旋回検出スイッチ44と、前記副変速
装置10が高速変速状態以外の変速位置に操作されている
ときに閉路する副変速検出スイッチ45と、この副変速検
出スイッチ45に対して並列に接続されるとともに前記ク
リープ装置11がクリープ状態時に閉路するクリープ検出
スイッチ46と、前記前後進切換装置8が前進状態時に閉
路する前進検出スイッチ47と、前記前輪動力取出ギヤ38
が前記低速ギヤ部36と噛み合って前輪43を駆動している
時に閉路する前輪自動変速切換スイッチ48とを介してバ
ッテリ49に電気的に接続されている。
ここで、ステアリング装置を最大操向角度の近傍へ操
向操作した場合における後輪21の操向角度について第5
図に基づいて説明する。前輪43への駆動力伝達は高速側
ギヤ29を介して行われるとともに前輪43と後輪21との旋
回中心が“O"点で略一致する。なお、旋回中心“O"は、
左右の後輪21の中心を結んだ機体線“A"より前方に位置
する。機体線“A"と、旋回方向内側の後輪21と旋回中心
“O"とを結ぶ旋回線“B"とのなす角度を“α”とし、機
体線“A"と、旋回方向外側の後輪21と旋回中心“O"とを
結ぶ旋回線“B′”とのなす角度を“β”としたとき
に、旋回方向内側の後輪21の操向角度“α′”が“α”
より小さな角度になるとともに、旋回方向外側の後輪21
の操向角度“β′”が“β”より大きな角度になるよう
に前記後輪操向機構が構成されている。
このような構成において、まず、エンジン2からの駆
動力は、メインクラッチ7から前後進切換装置8に伝達
され、前後進切換装置8から主変速装置9と副変速装置
10とクリープ装置11とを介してドライブピニオン軸16に
伝達され、さらに、後輪差動装置13と最終減速装置20と
を介して後輪21へ伝達され、後輪21が回転駆動される。
前輪動力取出ギヤ38をスライドさせて中間ギヤ34の低
速ギヤ部36に噛み合わせると、前輪自動変速切換スイッ
チ48が閉路するとともにドライブピニオン軸16の回転が
中間ギヤ34に伝達され、中間ギヤ34のギヤ部36,37と噛
み合っている低速側ギヤ27と高速側ギヤ29とが回転す
る。ここで、トラクタ1を直進状態又は緩やかな旋回状
態で走行させている時は、前輪43が最大操向角度の近傍
まで操向操作されていない場合であり、旋回検出スイッ
チ44が閉路しているために電磁クラッチ23は非導通状態
となって作動しない。このため、低速側ギヤ27の回転が
ワンウェイクラッチ30を介して軸受スリーブ24から前輪
動力取出軸22へ伝達され、前輪43の周速度と後輪21の周
速度とが略等しい状態に維持される。
一方、前輪動力取出ギヤ38を反対側にスライドさせて
中間ギヤ35に噛み合わせると、前輪自動変速切換スイッ
チ48が開路するとともにドライブピニオン軸16の回転が
常時四輪駆動ギヤ28に伝わり、常時四輪駆動ギヤ28の回
転は軸受スリーブ24を介して前輪動力取出軸22に伝達さ
れる。そして、前輪動力取出軸22からの駆動力伝達によ
り前輪43が回転駆動され、トラクタ1は四輪駆動状態で
走行する。なお、この走行状態においては、前輪43の周
速度と後輪21の周速度とは略等しい状態に維持されてい
る。
ここで、前輪動力取出ギヤ38を低速ギヤ部36に噛み合
わせることにより前輪自動変速切換スイッチ48を閉路
し、前後進切換装置8を前進状態に操作することにより
前進検出スイッチ47を閉路し、さらに、副変速装置10を
高速状態以外の変速位置に操作するか又はクリープ装置
11をクリープ状態に操作することによって副変速検出ス
イッチ45とクリープ検出スイッチ46との少なくともいず
れか一方を閉路した状態でトラクタ1を走行させている
際に、ステアリング装置を最大操向角度の近傍まで操向
操作し、トラクタ1を急旋回させる。すると、ステアリ
ング装置が最大操向角度の近傍まで操向操作されたこと
を検出した旋回検出スイッチ44が閉路する。これによ
り、直列に配列されたスイッチ44〜48が閉路されて電磁
クラッチ24が作動し、高速側ギヤ29の回転が電磁クラッ
チ24を介して前輪動力取出軸22に伝達され、前輪43が高
速で回転駆動される。
前輪43への駆動力伝達が高速側ギヤ29及び電磁クラッ
チ23を介して行われている急旋回時においては、前輪43
の周速度が上昇し、前輪43と後輪21との旋回中心が略一
致する周速度比で前輪43と後輪21とが駆動される。ここ
で、トラクタ1のように後輪作動装置13より後方に最終
減速装置20が設けられている場合は、旋回時における差
動抵抗が最終減速装置20の減速比に比例して増大し、旋
回方向内側の後輪21に大きな駆動力が発生する。そし
て、この駆動力が旋回中のトラクタ1を直進させようと
するために前輪43にサイドフォースが発生し、前輪43が
サイドスリップを生じて旋回半径が大きくなる。しか
し、制動装置19が旋回方向内側の後輪21に抵抗を加えな
がら旋回することにより、旋回方向内側の後輪21に発生
する駆動力が低減され、この駆動力を原因として前輪43
に発生するサイドフォースも低減され、前輪43のサイド
スリップが防止される。
さらに、この急旋回時においては、第5図において説
明したように、トラクタ1は“O"点を前輪43及び後輪21
の旋回中心として旋回し、トラクタ1の旋回進行方向
“F"に対する垂線は旋回中心点“O"と略交差する。そし
て、このときの旋回方向内側の後輪21の操向角度
“α′”が機体線“A"と旋回線“B"とのなす角度“α”
より小さな角度になるとともに、旋回方向外側の後輪21
の操向角度“β′”が機体線“A"と旋回線“B′”との
なす角度“β”より大きな角度になるため、トラクタ1
の旋回はスムーズに行われる。なお、旋回軌跡に対して
前輪43と後輪21とが傾いた状態となっているが、前輪43
と後輪21とは旋回軌跡の距離比に応じた周速度で、しか
も、機体及び各車輪43,21の旋回中心“O"が略一致して
回転駆動されているため、前輪43や後輪21が周方向にス
リップすることによる土掻きや、前輪43や後輪21がサイ
ドスリップすることによる土押出し等が防止され、旋回
跡地が荒されない。
また、トラクタ1が旋回を開始してから操向角度が最
大操向角度の近傍に至るまでの間は、前輪43と後輪21と
の旋回半径の差によって前輪43が後輪21に押される状態
となる。すると、低速側ギヤ27にワンウェイクラッチ30
を介して連結されている前輪動力取出軸22は、低速側ギ
ヤ27より高速で回転するため、前輪動力取出軸22は自由
回転状態となり、前輪43の周速度が前輪43と後輪21との
旋回軌跡の距離比に応じて早くなる。従って、旋回を開
始した直後であって前輪43が高速状態に切換えられる以
前においても、前輪43が後輪21に押されて転動するため
にサイドスリップするということが防止され、前輪43が
サイドスリップすることにより旋回半径が大きくなると
いうことが防止される。さらに、電磁クラッチ23が作動
して前輪43が高速状態に切換えられる直前においては、
前輪43の周速度がかなり速くなっており、高速状態への
切換えを運転者にショックを与えることなくスムーズに
行える。
トラクタ1の旋回が終了してステアリング装置の操向
角度が小さくなると、旋回検出スイッチ44が閉路して電
磁クラッチ23への通電が遮断される。そして、高速側ギ
ヤ29から前輪動力取出軸22への動力伝達が遮断され、ト
ラクタ1が直進走行状態に戻った際に再び低速側ギヤ27
からワンウェイクラッチ30を介して前輪動力取出軸22へ
の駆動力伝達が行われ、前輪43は後輪21と略等しい周速
度で回転駆動される。
なお、前後進切換装置8を後進位置に操作している場
合、又は、副変速装置10を高速状態に操作するとともに
クリープ装置11を非クリープ状態に操作している場合、
前進検出スイッチ47、又は、副変速検出スイッチ45とク
リープ検出スイッチ46とが開路されている。従って、後
進時や高速走行時において、最大操向角度に操向操作し
ても、トラクタ1が前輪43の周速度を速くして急旋回駆
動するということが防止され、これらのスイッチ45〜47
は急旋回によるトラクタ1の転倒を防止する安全機構と
しての働きをする。
発明の効果 請求項1記載の発明によれば、旋回時においては前輪
と後輪との旋回中心が略一致するように高低速切換装置
によって前輪と後輪との周速度比を切換え、かつ、左右
の後輪の中心を結ぶ機体線と、後輪と旋回中心とを結ぶ
旋回線とのなす角度を、旋回方向内側の後輪において
“α”とするとともに旋回方向外側の後輪において
“β”としたときに、旋回方向内側の後輪の操向角度
“α′”が“α”より小さな角度になるとともに旋回方
向外側の後輪の操向角度“β′”が“β”より大きな角
度になるように後輪操向機構を構成したことにより、旋
回時における前輪と後輪との周方向へのスリップやサイ
ドスリップを確実に防止することができ、従って、四輪
駆動車輌を旋回跡地を荒すことなく小さな旋回半径でス
ムーズに旋回させることができ、しかも、後輪の操向角
を前輪の操向角より小さな値とすることができるため、
後輪を小型化することなく運転者の乗車スペースを確保
することができる。
請求項2記載の発明によれば、旋回時における旋回方
向内側の後輪に対してこの後輪が回転可能な範囲の抵抗
を加える制動装置を設けたことにより、旋回時において
旋回方向内側の後輪に発生する駆動力を制動装置によっ
て低減させることができ、この駆動力の影響によって前
輪に発生するサイドフォースを低減させて前輪のサイド
スリップをより一層確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は駆動力
の伝達経路の全体を示す説明図、第2図は前輪動力取出
部を示す縦断側面図、第3図は電磁クラッチへの通電状
態を示す回路図、第4図はトラクタの全体を示す側面
図、第5図は急旋回時における旋回作用の説明図であ
る。 1……四輪駆動車輌、15……高低速切換装置、19……制
動装置、21……後輪、27……低速側ギヤ、29……高速側
ギヤ、43……前輪

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前輪操向機構に連結された前輪と後輪操向
    機構に連結された後輪とを設け、低速側ギヤと高速側ギ
    ヤとを有するとともにステアリング装置の操向操作に応
    動して切換えられる高低速切換装置を前輪駆動系に設
    け、直進時には前記低速側ギヤを介して前記前輪への駆
    動力伝達を行うとともに旋回時には前記高速側ギヤを介
    して前記前輪への駆動力伝達を行い、旋回時における前
    記前輪と前記後輪との旋回中心が略一致するように前記
    前輪と前記後輪との周速度比を設定した四輪駆動車輌に
    おいて、左右の前記後輪の中心を結ぶ機体線と、前記後
    輪と旋回中心とを結ぶ旋回線とのなす角度を旋回方向内
    側の前記後輪において“α”とするとともに旋回方向外
    側の前記後輪において“β”としたときに、旋回方向内
    側の前記後輪の操向角度“α′”が前記“α”より小さ
    な角度になるとともに旋回方向外側の前記後輪の操向角
    度“β′”が前記“β”より大きな角度になるように前
    記後輪操向機構を構成したことを特徴とする四輪駆動車
    輌の操向装置。
  2. 【請求項2】旋回時における旋回方向内側の後輪に対し
    てこの後輪が回転可能な範囲の抵抗を加える制動装置を
    設けたことを特徴とする請求項1記載の四輪駆動車輌の
    操向装置。
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