JP2906719B2 - 記録再生装置 - Google Patents

記録再生装置

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JP2906719B2
JP2906719B2 JP3077526A JP7752691A JP2906719B2 JP 2906719 B2 JP2906719 B2 JP 2906719B2 JP 3077526 A JP3077526 A JP 3077526A JP 7752691 A JP7752691 A JP 7752691A JP 2906719 B2 JP2906719 B2 JP 2906719B2
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松本  聡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばVTRやDAT
のように、テープカセット内に架張されたテープを引き
出し、回転ヘッドを搭載したテープガイドドラムの周囲
にそのテープを巻き付け、所定のテープパスを形成した
状態で走行させ、映像信号や音声信号などを記録あるい
は再生する記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、この種の記録再生装置としてはV
TRがきわめて高い普及率を示しているが、特にカメラ
部と一体になった、いわゆるムービータイプのVTRに
おいては消費者のニーズが装置の小型軽量化に集中して
おり、装置の小型軽量化が、装置の普及を促進する重要
な開発要素であるとされている。
【0003】しかしながら、この種の装置では、テープ
カセット内に架張されたテープを引き出してテープガイ
ドドラムの周囲に巻き付け、所定のテープパスを形成す
るという動作が不可欠であることから、テープガイドド
ラムの直径、テープパス形成手段、およびテープカセッ
トの3者のサイズによって、その装置の基本平面寸法が
概ね決定されてしまう。
【0004】そのため、最近ではテープガイドドラムの
周囲にテープを巻き付ける動作と同時に、テープカセッ
トとテープガイドドラムとを近接させ、テープガイドド
ラムをテープカセット前面の開口部内に入り込ませると
いう手法を用いることにより、小型化を達成している例
が多くなって来ている。
【0005】さらには、テープガイドドラムの周囲にテ
ープを巻き付ける動作の終了後に、テープパス形成手段
の一部のスペースに装置筐体の一部を滑り込ませ、より
コンパクトなメカニズムを実現しようという試みも示さ
れている。
【0006】以下図面を参照しながら、上記した従来の
記録再生装置の一例について簡単に説明する。
【0007】図10、図11は特願昭61−21437
号に示された従来の記録再生装置の基本構成とその動作
を示すものである。図10はテープカセットを装置に装
着する際の状態を模式的に示した平面図であり、同様に
図11はテープパスを形成する状態を模式的に示した平
面図である。
【0008】図10において、101がテープカセット
であり、テープ104はテープカセット101内の供給
リール102から巻取リール103へ、一対のカセット
ポスト108、108’を経由してテープカセット10
1の前面に架張された状態で収納されている。また、1
07はテープカセット101の前面に設けられた開口
部、109は回転ヘッド(図示せず)を搭載したテープ
ガイドドラムである。
【0009】テープカセット101を装置に装着した際
には、図に実線で示すように、テープパス形成用のポス
ト110、112、113、114、115、116、
117、119及びキャプスタン121が開口部107
内に挿入され、それ以外には、架張されたテープ10
4’に対向してテープガイドドラム109、他のテープ
パス形成用のポスト111、118及びピンチローラー
120が位置するように構成されている。
【0010】また、テープカセット101等を保持する
第1筐体部122と、テープガイドドラム109等を保
持する第2筐体部123とが距離Aをおいて具備されて
おり、この両者に囲まれた部分が、テープカセット10
1を装置に装着する際に最低限必要なメカニズムのスペ
ースになる。
【0011】以上のように構成された記録再生装置につ
いて、以下その動作について説明する。
【0012】まず、テープカセット101が装置に装着
されると、ポスト110、111、112、118、1
19及びピンチローラー120は、図に一点鎖線で示す
位置に向かって、それぞれ矢印110’、111’、1
12’、118’、119’、120’の方向に移動を
開始する。同時にテープガイドドラム109も、一点鎖
線で示す位置に向かって矢印109’の方向に移動を開
始し、かつ、ポスト113、114、115、116、
117が矢印113’の方向に移動を開始し、テープ1
04をテープガイドドラム109の周囲に巻き付け、所
定のテープパスを形成するのである。
【0013】図11は、そのテープパスの形成状態を示
すものであるが、まず図に一点鎖線で示すように、テー
プガイドドラム109がテープカセット101の方向に
近接しながら、ポスト113、114、115、116
が移動して、テープ104をテープガイドドラム109
の周囲に巻き付けていく。
【0014】そして、最終的には、実線で示す位置にテ
ープガイドドラム109及びポスト113、114、1
15、116が到達して所定のテープパスを形成し、動
作が終了する。また、第1筐体部から距離Aだけ離れて
位置していた第2筐体部123も、この時に距離Bだけ
移動して、よりコンパクトなメカニズムを実現する。
【0015】すなわち、ポスト113、114、11
5、116の移動軌跡に装置筐体の一部を滑りこませる
という手法を用いて、メカニズムを必要最小限のスペー
スに抑えるのである。なお、この動作を実現する具体的
な構成については記載が煩雑になるのでここでは省略す
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、テープ104をテープガイドドラム10
9の周囲に巻き付けて所定のテープパスを形成する際
に、テープカセット101とテープガイドドラム109
との距離を縮め、かつ第2筐体部123を移動させると
いう構成になるので、装置にテープカセット101を装
着する動作に必要なスペースと、第2筐体部123の移
動スペースとが必要となり、ムービータイプのVTRと
して構成することを考えると、(a)図11の矢印C方
向からテープカセット101を挿入する場合、メカニズ
ムの両側にスペースを必要とし、メカニズム全体の配置
が困難になる。
【0017】(b)また、矢印C方向と反対方向からテ
ープカセット101を挿入する場合は、使用者が、テー
プ104が架張されているテープカセット101の前面
を持って挿入することになり、テープ保護の面から好ま
しくない。
【0018】(c)上記以外の方向からテープカセット
101を挿入するのは、使い勝手やデザイン的に問題が
多い、という点に加え、機構的にも複雑で小型軽量化が
図りにくい、という問題点を有していた。
【0019】本発明は上記問題点に鑑み、必要最小限の
スペースで記録あるいは再生を可能としながらも、メカ
ニズム全体の配置が容易で、テープ保護や使い勝手、デ
ザイン的にも問題がなく、機構的にも複雑にならない記
録再生装置を提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、テープカセットを保持する第1の保持部
と、回転ヘッドを搭載したテープガイドドラムを保持す
る第2の保持部と、前記第1及び第2の保持部を保持す
る第3の保持部と、前記第1の保持部を前記第2の保持
部に近接させる第1の方向に移動させる第1の移動手段
と、前記第3の保持部に対して前記第1の方向に前記第
2の保持部を移動させる第2の移動手段と、前記テープ
カセット内に張られたテープを前記テープガイドドラム
の周囲に所定角度巻き付けて所定のテープパスを形成す
るテープパス形成手段とを備え、前記テープパス形成後
には、前記テープカセットを装着する際に必要な前記テ
ープカセットと前記テープガイドドラムの間の装着スペ
ースが消滅し、かつ前記テープパスを形成する際に必要
な前記テープガイドドラムの前記テープカセットと反対
側の前記テープパス形成手段の通過スペースが消滅する
ごとく、前記第1及び第2の移動手段で前記第1及び第
2の保持部を移動させることを第1の特徴とし、また、
上記第1の特徴に加え、第1の移動手段と第2の移動手
段とを同じ部材によって構成するとともに、第1の保持
部と第2の保持部を互いに引き合う方向にバネで連結
し、第1の移動手段が前記第1の保持部を移動させてい
る間は前記バネの弾性力によって前記第2の保持部が固
定され、前記第1の保持部の移動によって前記第1の保
持部と前記第2の保持部とが当接して前記バネの弾性力
が無効になった後は、前記第1の移動手段が前記第1の
保持部と前記第2の保持部とをともに同方向に移動させ
るように構成したことを第2の特徴とするものである。
【0021】
【作用】本発明は前記した構成の第1の特徴により、テ
ープカセットをテープガイドドラムに近接させる方向に
テープガイドドラム自体を移動させることができるの
で、テープパス形成用のポストの移動軌跡を利用して記
録あるいは再生時に必要最小限のスペースにメカニズム
を圧縮する場合に、テープカセット側だけのスペースで
構成が可能となり、メカニズム全体の配置が容易で、テ
ープ保護や使い勝手、デザイン的にも問題のない記録再
生装置を提供し、さらに、第2の特徴により、1つの移
動手段によって第1の保持部と第2の保持部とをともに
移動させることができる上、第1の保持部と第2の保持
部との間に掛けられたバネの弾性力を利用して、2つの
保持部の移動状態を制御できるので、機構的にも複雑に
ならない記録再生装置を提供することとなる。
【0022】
【実施例】以下本発明の第1の実施例の記録再生装置に
ついて、図面を参照しながら説明するが、その前に図3
〜図5を用いて、本実施例の記録再生装置に使用される
テープカセットについて簡単に説明する。
【0023】図3はテープカセット1を上面より見た斜
視図、図4は同テープカセット1を反転して見た斜視
図、そして図5は同テープカセット1の要部断面図であ
る。
【0024】図3〜図5において、従来例と同様に、テ
ープカセット1に内蔵されるテープ4は、両端を供給リ
ール2及び巻取リール3に係止及び巻回され、さらに図
3及び図4中に一点鎖線で示す如く、一対のカセットポ
スト8、8’によりテープカセット1の前面に架張され
ている。そして、その前面に架張されるテープ4’は、
テープカセット1を使用しない時は回動する前蓋5及び
裏蓋6によって覆われている。
【0025】一方、テープカセット1の下面1aには、
前面に架張されるテープ4’の内側にポスト等を挿入し
てテープ4’をテープカセット1より引き出すべく、開
口部7が設けられている。そして、テープカセット1が
本実施例の記録再生装置に使用される時には、装置に設
けられ、テープカセット1の装置への装着動作により前
蓋5の側面部5aに当接し、前蓋5を回動させる蓋開放
手段(図示せず)が前蓋5を開放させる。この状態を図
5に示す。
【0026】なお、裏蓋6は前蓋5の一部に設けられる
支点支持部5bにより端部6aが軸支されるとともに、
テープカセット1の開口部7を構成する両側の側面部7
aに設けられているカム案内溝部7bにガイド端部6b
が案内されて回動し、結果的に、前面に架張されるテー
プ4’には接触することなく、図5中に一点鎖線で示さ
れている所定の軌跡を描いて開放される。
【0027】そして、この前蓋5及び裏蓋6の開放時に
は、ほぼテープカセット1の厚さに相当する高さまで全
面的に開放され、装置側のポストなど(図示せず)や後
述するテープガイドドラム9(図2参照)が開口部7へ
進入する余地を形成するものである。
【0028】さて、図1及び図2は本発明の第1の実施
例である記録再生装置の基本構成とその動作を示すもの
であるが、図2はテープカセットを装置に装着する際の
状態を模式的に示した平面図であり、図1はテープパス
を形成する状態を模式的に示した平面図である。
【0029】図2において、1が図3〜図5にて説明し
たテープカセットであり、テープ4がテープカセット1
の前面に架張されている。7がテープカセット1の前面
に設けられた開口部で、9が回転ヘッド(図示せず)を
搭載したテープガイドドラムである。
【0030】テープカセット1を装置に装着した際に
は、開口部7内にテープパス形成用のポスト10、1
2、13、14、15、16、17、19及びキャプス
タン21が挿入され、架張されたテープ4’に対向して
テープガイドドラム9、他のポスト11、18及びピン
チローラー20が位置するように構成されている。ま
た、テープカセット1等を保持する第1フレーム22、
テープガイドドラム9等を保持するここでは図示してい
ない第2フレーム23(図6参照)、及びこの両者を保
持する第3フレーム24が具備されており、第1フレー
ム22と第3フレーム24とが距離Dだけ離れた形で配
されている。そして、この両者に囲まれた部分が、テー
プカセット1を装置に装着する際に必要なメカニズムの
スペースになる。
【0031】以上のように構成された記録再生装置につ
いて、以下その動作について説明する。
【0032】まず、テープカセット1が装置に装着され
ると、ポスト10、11、12、18、19及びピンチ
ローラー20は、図に一点鎖線で示された所定の位置に
向かって、それぞれ矢印10’、11’、12’、1
8’、19’、20’の方向に移動を開始する。同時
に、第1フレーム22が矢印22’の方向に移動を開始
して、テープカセット1に対して相対的に図に一点鎖線
で示された所定の位置に向かって、テープガイドドラム
9を矢印9’方向に移動させ、かつテープパス形成用ポ
スト13、14、15、16、17が矢印13’の方向
に移動を開始して、テープ4をテープガイドドラム9の
周囲に巻き付け、所定のテープパスを形成するのであ
る。
【0033】図1は、そのテープパスの形成状態を示す
ものであるが、まずテープガイドドラム9が、図に二点
鎖線で示す初期の位置から一点鎖線で示す位置へ、相対
的にテープカセット1の方向へ移動しながら、同時にポ
スト13、14、15、16が移動し、テープ4をテー
プガイドドラム9の周囲に巻き付けていく。
【0034】そして、図に実線で示す位置にテープガイ
ドドラム9及びポスト13、14、15、16、17が
到達した段階で、今度は第1フレーム22と第2フレー
ム23(図示せず)とが一体となって矢印22’方向に
移動を行なうことで、相対的に第3フレーム24を一点
鎖線で示した初期の位置からテープガイドドラム9側に
トータルで距離Eだけ近接させ、最終的に実線で示す状
態にすることによって所定のテープパスを形成し、動作
が終了する。
【0035】この時、図に実線で示すように、テープカ
セット1の開口部7内にテープガイドドラム9が入り込
んだ状態のテープパスが形成され、且つ、第1フレーム
22と第2フレーム23(図示せず)とは距離Fだけ近
接していることになる。しかも、第1フレーム22と第
3フレーム24とが距離(E−F)分近接するので、ト
ータルで距離Eだけ圧縮されたことになり、きわめてコ
ンパクトなメカニズムを実現することができる。
【0036】すなわち、従来例と同様にテープパス形成
用のポスト13、14、15、16、17の移動軌跡の
大きさに左右されることなく、しかも従来例とは異な
り、装置筐体を移動させる必要もない状態で、メカニズ
ムを必要最小限のスペースに抑えることができる。
【0037】次に、以上説明した本発明の第1の実施例
における基本動作に対して、それを実現する具体構成例
について図6〜図8を用いて詳細に説明する。ただし、
ポスト10、12、18、19及びピンチローラー20
の移動方法に関しては、それらをそれぞれ回動レバー
(図示せず)上に構成して移動させるという、周知の従
来技術によって容易に実現可能であるので、本発明に関
連する要部の実施例についてのみ説明する。
【0038】図6において、右下がりの斜線を施した第
1フレーム22上には、一点鎖線で示したテープカセッ
ト1内の一対の供給リール2及び巻取リール3に巻回さ
れたテープ4を駆動するのに必要な、キャプスタン21
及び一対の供給リール台25及び巻取リール台26が具
備されている。21’はキャプスタン21と一体的に構
成され、第1フレーム22の下側に設けられたキャプス
タンモータであり、キャプスタン21を両方向に回転さ
せることができる。
【0039】また、ここでは図示はしていないが、この
キャプスタンモータ21’の回転を供給リール台25及
び巻取リール台26に伝達するための機構が第1フレー
ム22の下側に具備されており、キャプスタン21の回
転方向によって供給リール台25及び巻取リール台26
を、それぞれ所定の方向に回転させることが可能であ
る。この伝達機構は、キャプスタンモータ21’の回転
をベルト(図示せず)によって駆動ギア(図示せず)に
伝達した後に、この駆動ギアが摩擦力によってその位置
を変え、供給リール台25あるいは巻取リール台26を
回転させるというものであるが、これは特に新しい技術
ではなく、従来より一般的に用いられる手法であるの
で、ここでは省略する。
【0040】さらに、第1フレーム22にはテープカセ
ット1を装置内に案内するガレージ機構(図示せず)が
具備されているが、本発明の内容には特に関連がない上
に、この機構も一般的な従来技術であり、容易に実現で
きるので説明を省略する。
【0041】なお、この第1フレーム22は、第3フレ
ーム24上に摺動可能な状態で保持されており、ガイド
溝22a、22bが第3フレーム24上に植設されたガ
イドピン27、28にそれぞれ規制されることによっ
て、その摺動方向と移動距離が決定される。
【0042】一方、右上がりの斜線を施した第2フレー
ム23上には、テープガイドドラム9と、テープ4をテ
ープガイドドラム9の周囲に巻き付けるのに必要な、テ
ープパス形成用のポスト13、14、15、16、17
が保持された上下2枚のローディングリング29、3
0、そして固定されたテープパス形成用のポスト11が
具備されている。ポスト類に関しては、13、14、1
5の3本が上側のローディングリング29に連結された
メインボート31上に、また16、17の2本が下側の
ローディングリング30に連結されたサブボート32上
にそれぞれ設けられており、最終的なテープパスを形成
する際に、所定の位置に移動することができる。
【0043】そして、この上下2枚のローディングリン
グ29、30は、2段ギア33、34を介して第1フレ
ーム22のサブギア部22cと連結されており、第2フ
レーム23と第1フレーム22とが相対運動をすること
によって回動するように構成されている。
【0044】また、第2フレーム23も第1フレーム2
2と同様に、第3フレーム24上に摺動可能な状態で保
持されており、ガイド溝23a、23bが第3フレーム
24上に植設されたガイドピン35、36に規制される
ことによって、その摺動方向と移動距離が決定される。
しかし、その摺動方向は第1フレーム22と同じである
が、移動距離は第1フレーム22より短く設定されてい
る。また、第1フレーム22との間にバネ37が掛けら
れており、互いに引っ張り合う形になっている。
【0045】さて、第1フレーム22のメインギア部2
2dには、第3フレーム24に設けられた駆動ギア38
及び減速ユニット39及び駆動ベルト(図示せず)を介
してローディングモータ40と連結されており、このロ
ーディングモータ40の回転によって、第1フレーム2
2を移動させることが可能である。しかし、減速ユニッ
ト39があるため、第1フレーム22の動きをローディ
ングモータ40側へ伝達することは不可能である。
【0046】以上のように構成された記録再生装置につ
いて、以下図6〜図8を用いてその動作を説明する。
【0047】図6はテープカセット1がガレージ機構
(図示せず)に案内されて、装置上に装着された状態を
示すものであって、図2でも説明したように、テープパ
ス形成用のポスト13、14、15、16、17が、テ
ープカセット1の開口部7(図2参照)内に位置してい
る。この状態でローディングモータ40を回転させる
と、その回転駆動力が駆動ベルト(図示せず)及び減速
ユニット39で減速されながら駆動ギア38に伝達さ
れ、メインギア部22dを介して第1フレーム22が矢
印22’方向に移動を開始する。この時バネ37の弾性
力により、第2フレーム23は第1フレーム22側に付
勢されているため移動しない。
【0048】この結果、第1フレーム22と第2フレー
ム23の間に相対運動が生じ、サブギア部22c及び2
段ギア34、33を介して上下2枚のローディングリン
グ29、30が矢印29’方向に回転を開始する。ただ
し、この2枚のローディングリング29、30は、それ
ぞれ歯合する2段ギア33の歯数差に応じて回転速度が
異なるため、メインボート31とサブボート32とが互
いに離れながら移動することになる。
【0049】次に、図6では省略した他のポスト10、
12、18、19及びピンチローラー20も含めたロー
ディング終了状態を図7に示す。上記のようにメインボ
ート31とサブボート32とが速度差を持って回転する
ため、ポスト13、14、15は図1でも説明した最終
位置に一点鎖線で示す軌跡を通って到達し、同時にポス
ト16、17も所定の位置に到達することになる。そし
て、それぞれ後方に設けられたバネ(図示せず)によっ
て、第2フレーム23上に設けられたそれぞれのストッ
パ(図示せず)に押しつけられ、所定の姿勢に設定され
て安定する。この時、テープ4は図に実線で示すように
なり、テープパスが形成される。
【0050】この段階で、第1フレーム22の当接部2
2eが第2フレーム23の端部23cに当接してバネ3
7の付勢力が解除され、第1フレーム22と第2フレー
ム23の相対運動も終了して、上下2枚のローディング
リング29、30の回転も終了する。
【0051】この状態で所定のテープパスは完成されて
おり、図1の実線で示す位置にポスト13、14、1
5、16、17はそれぞれ到達している。しかし、ロー
ディングモータ40はこの後も同方向に回転を継続する
ため、今度は第1フレーム22と第2フレーム23とが
一体となって矢印22’方向に移動を開始する。
【0052】そして、図8に示す位置に第1フレーム2
2及び第2フレーム23が到達するとスイッチ(図示せ
ず)が動作してローディングモータ40の回転が終了す
る。
【0053】この結果、第3フレーム24に対する移動
がすべて終了し、メカニズム全体がきわめてコンパクト
な状態になる。すなわち、ポスト13、14、15の移
動軌跡として必要なテープガイドドラム9の後方スペー
スを、ポストが13、14、15が通過した後に第2フ
レーム23が覆う形になっており、テープパスを形成す
るメカニズム全体として必要最小限のスペースで構成で
きる。
【0054】以上の説明においては、前記したようにテ
ープパス形成用のポスト10、12、18、19及びピ
ンチローラー20の移動に関しての説明は行なっていな
いが、第1フレーム22と第2フレーム23の相対運動
を利用すれば、容易にポスト類を設けた回動レバー(図
示せず)を回動させて所望の動作をさせることができる
のは明白である。
【0055】以上のように本実施例の記録再生装置によ
れば、テープカセット1を保持する第1フレーム22
を、テープガイドドラム9を保持する第2フレーム23
に近接させ、かつ、同じ方向に第1フレーム22及び第
2フレーム23をともに移動させるためのローディング
モータ40、減速ユニット39や駆動ギア38、バネ3
7等を設けることにより、必要なテープパスを形成し、
そのスペースを最小にすることができる。しかも、テー
プカセット1をガレージ機構(図示せず)に挿入して装
置に装着する際に必要なスペースを十分に利用可能な一
方向(例えば図8のG方向)に設定することができ、ム
ービータイプのVTRのように小型軽量化を第1の目的
とする装置に、メカニズム全体を組み込む場合に極めて
有利になる。
【0056】また、1つのローディングモータ40で必
要な駆動力が得られるとともに、バネ37の働きによっ
て第1フレーム22と第2フレーム23の動きを制御す
るので、機構が非常に簡単になる。
【0057】以下、本発明の第2の実施例について図面
を参照しながら説明する。図9は本発明の第2の実施例
を示す記録再生装置のテープパスを示す図である。
【0058】同図において、1がテープカセットであ
り、テープ4は初期の状態では、一点鎖線で示す4’の
ようにテープカセット1の前面に架張されている。7が
テープカセット1の前面に設けられた開口部で、9が回
転ヘッド(図示せず)を搭載したテープガイドドラムで
ある。これらの構成は第1の実施例と同様である。
【0059】第1の実施例と異なるのは、テープパス形
成用のポスト10〜19に関しては、13と18の2本
のポストが廃止されているのと、新たにポスト51が追
加されている点が挙げられる。そして、ポスト17のテ
ープ4に対する位置がテープカセットの外側に移ってお
り、ピンチローラー20とキャプスタン21との相対関
係もテープ4に対する位置を逆転させている。
【0060】このテープパスを形成するには、テープカ
セット1を装置に装着した際に、開口部7内にテープパ
ス形成用のポスト10、12、51、14、15、1
6、19及びピンチローラー20が挿入され、架張され
たテープ4’に対向してテープガイドドラム9、他のポ
スト11、17及びキャプスタン21が位置するように
構成されなければらない。
【0061】以上のように構成された記録再生装置につ
いて、以下その動作について簡単に説明する。
【0062】まず、テープカセット1が装置に装着され
ると、ポスト10、12、51、14、15、16、1
9及びピンチローラー20が、図に示された所定の位置
に向かって移動する。同時に、第1の実施例と同様の手
法を用いて、テープガイドドラム9を移動させ、ポスト
10、12、51、14、15、16、19との連動に
よってテープ4をテープガイドドラム9の周囲に巻き付
け、図のような所定のテープパスを形成するのである。
【0063】すなわち、特に説明はしないが、第1の実
施例と同様のフレーム構成を利用することで、テープパ
ス形成用のポスト14、15、16、17の移動軌跡の
大きさに左右されることなく、しかも従来例とは異な
り、装置筐体を移動させる必要もない状態で、メカニズ
ムを必要最小限のスペースに抑えることができる。
【0064】この実施例の特徴は、キャプスタン21と
キャプスタンモータ21’、及びポスト17をテープカ
セット1と同じ第1フレーム(図示せず)ではなく、第
2フレーム(図示せず)あるいは第3フレーム24に搭
載することができる。すなわち、テープパスを形成する
際に、その移動距離を小さくしたり、あるいは固定した
ままで良いことになり、第1の実施例よりさらに比べて
メカニズムの負担を軽減することができる。
【0065】また、テープガイドドラム9の周囲を移動
するポストの数も第1の実施例より2本少なくなってお
り、ここでもまた、メカニズムをより簡略化することが
可能となり、第1の実施例の構成が持つ多くの利点をさ
らに有効なものとすることになる。
【0066】なお、第1の実施例において、テープパス
形成用のポスト13、14、15や16、17は上下2
枚のローディングリング29、30の回転を利用して移
動させたが、移動方法は特に限定されるものではなく、
カムやレバーを用いて構成してもよい。もちろん、その
駆動方法も第1フレーム22と第2フレーム23の相対
運動を利用する例に限るわけではない。
【0067】そして、第3フレーム24に対する第1フ
レーム22及び第2フレーム23の移動を1つのローデ
ィングモータ40で行うように構成したが、もちろん、
別の機構や駆動源を利用することも可能であり、場合に
よっては利用者の力をそのまま利用して、小型化や低消
費電力化を図る構成も考えられる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、テープカ
セットを保持する第1の保持部と、回転ヘッドを搭載し
たテープガイドドラムを保持する第2の保持部と、第1
及び第2の保持部を保持する第3の保持部と、第1の保
持部を第2の保持部に近接させる第1の方向に移動させ
る第1の移動手段と、第3の保持部に対して第1の方向
に第2の保持部を移動させる第2の移動手段を設けるこ
とにより、メカニズム全体の配置が容易で、テープ保護
や使い勝手、デザイン的にも問題のない記録再生装置を
提供することができる。
【0069】さらに、上記の特徴に加え、第1の移動手
段と第2の移動手段とを同じ部材によって構成するとと
もに、第1の保持部と第2の保持部を互いに引き合う方
向にバネで連結し、第1の移動手段が第1の保持部を移
動させている間はバネの弾性力によって第2の保持部が
固定され、第1の保持部の移動によって第1の保持部と
第2の保持部とが当接してバネの弾性力が無効になった
後は、第1の移動手段が第1の保持部と第2の保持部と
をともに同方向に移動させることにより、機構的にも複
雑にならない記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録再生装置の第1の実施例装置の基
本動作の説明図。
【図2】同実施例装置の基本動作の説明図。
【図3】同実施例装置において使用されるテープカセッ
トの斜視図。
【図4】同実施例装置において使用されるテープカセッ
トの斜視図。
【図5】図3、図4のテープカセットの要部断面図。
【図6】同実施例装置の構成図。
【図7】同実施例装置の動作説明図。
【図8】同実施例装置の動作説明図。
【図9】本発明の第2の実施例装置の基本動作の説明
図。
【図10】従来の記録再生装置の基本動作の説明図。
【図11】従来の記録再生装置の基本動作の説明図。
【符号の説明】
1 テープカセット 4 テープ 9 テープガイドドラム 10〜19 ポスト 20 ピンチローラー 21 キャプスタン 21’ キャプスタンモータ 22 第1フレーム 22c サブギア部 22d メインギア部 22e 当接部 23 第2フレーム 23c 端部 24 第3フレーム 25 供給リール台 26 巻取リール台 29、30 ローディングリング 31 メインボート 32 サブボート 37 バネ 40 ローディングモータ 51 ポスト

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テープカセットを保持する第1の保持部
    と、回転ヘッドを搭載したテープガイドドラムを保持す
    る第2の保持部と、前記第1及び第2の保持部を保持す
    る第3の保持部と、前記第1の保持部を前記第2の保持
    部に近接させる第1の方向に移動させる第1の移動手段
    と、前記第3の保持部に対して前記第1の方向に前記第
    2の保持部を移動させる第2の移動手段と、前記テープ
    カセット内に張られたテープを前記テープガイドドラム
    の周囲に所定角度巻き付けて所定のテープパスを形成す
    るテープパス形成手段とを備え、前記テープパス形成後
    には、前記テープカセットを装着する際に必要な前記テ
    ープカセットと前記テープガイドドラムの間の装着スペ
    ースが消滅し、かつ前記テープパスを形成する際に必要
    な前記テープガイドドラムの前記テープカセットと反対
    側の前記テープパス形成手段の通過スペースが消滅する
    ごとく、前記第1及び第2の移動手段で前記第1及び第
    2の保持部を移動させることを特徴とする記録再生装
    置。
  2. 【請求項2】第1の移動手段と第2の移動手段とを同じ
    部材によって構成したことを特徴とする請求項1記載の
    記録再生装置。
  3. 【請求項3】第1の保持部を第1の方向に移動させた
    後、前記第1及び第2の保持部を一体的に前記第1の方
    向に移動させることを特徴とする請求項1記載の記録再
    生装置。
  4. 【請求項4】第1及び第2の保持部を一体的に第1の方
    向に移動させた後、前記第1の保持部を前記第1の方向
    に移動させることを特徴とする請求項1記載の記録再生
    装置。
  5. 【請求項5】第1の保持部に、テープカセット内に配備
    されたリールを回転させてテープを駆動するテープ駆動
    手段の一部または全部を設けたことを特徴とする請求項
    1記載の記録再生装置。
  6. 【請求項6】第2の保持部に、ープパス形成手段の一
    部または全部を設けたことを特徴とする請求項1記載の
    記録再生装置。
  7. 【請求項7】第3の保持部に、第1及び第2の移動手段
    またはそのどちらか一方を設けたことを特徴とする請求
    項1記載の記録再生装置。
  8. 【請求項8】第1の保持部にキャプスタンを設け、かつ
    第2の保持部材にピンチローラを設け、前記キャプスタ
    ン及び前記ピンチローラによってテープを挟み込んで駆
    動することを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
  9. 【請求項9】第2の保持部にキャプスタンを設け、かつ
    第1の保持部にピンチローラを設け、前記キャプスタン
    及び前記ピンチローラによってテープを挟み込んで駆動
    することを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
  10. 【請求項10】第3の保持部にキャプスタンを設け、か
    つ第1の保持部にピンチローラを設け、前記キャプスタ
    ン及び前記ピンチローラによってテープを挟み込んで駆
    動することを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
  11. 【請求項11】第3の保持部にキャプスタンを設け、か
    つ第2の保持部にピンチローラを設け、前記キャプスタ
    ン及び前記ピンチローラによってテープを挟み込んで駆
    動することを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
  12. 【請求項12】第1の保持部に第2の保持部が、または
    第2の保持部に第1の保持部が保持されるように構成し
    たことを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
  13. 【請求項13】第1の保持部と第2の保持部を互いに引
    き合う方向にバネで連結し、第1の移動手段が前記第1
    の保持部を移動させている間は前記バネの弾性力によっ
    て前記第2の保持部が固定され、前記第1の保持部の移
    動によって前記第1の保持部と前記第2の保持部とが当
    接して前記バネの弾性力が無効になった後は、前記第1
    の移動手段が前記第1の保持部と前記第2の保持部とを
    ともに同方向に移動させるように構成したことを特徴と
    する請求項2または3記載の記録再生装置。
  14. 【請求項14】第1の保持部と第2の保持部との相対運
    動によって、前記第2の保持部に設けたテープパス形成
    手段を駆動するように構成したことを特徴とする請求項
    または13記載の記録再生装置。
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