JP2906711B2 - 超伝導体 - Google Patents
超伝導体Info
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- superconductor
- oxide
- cuo
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- earth elements
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高臨界温度をもつ新し
い結晶構造の鉛系酸化物超伝導体に関するものである。
い結晶構造の鉛系酸化物超伝導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高温超伝導体として、ミューラー(Mull
er)等によりペロブスカイト類型構造の酸化物超伝導体
が発見された。それ以後、種々の酸化物系で超伝導性の
確認が為され、主体成分が、鉛,アルカリ土類元素,希
土類元素,銅の酸化物からなるPb系超伝導体は、70
K程度の超伝導臨界温度をもつということが発見され
た。[R. J. ケイハ゛(Cava) 他, ネイチャー (Nature), Vol.336,
211-214 (1988)]詳細な解析の結果、この物質は他の高
温酸化物超伝導体と同様に層状構造をとり、1原子層の
A元素を介して向かい合ったCuO5ピラミッドおよび
ピラミッドの頂点に隣接したB元素からなるペロブスカ
イト類型層(B2ACu2O6層)が、隣接するPbO-C
u-PbOブロック層で挟まれた構造となっている。化
学式はPb2B2ACu3O8と表わされる。ここでA元素
は少なくとも一種類以上のアルカリ土類元素および希土
類元素の混合からなる元素、B元素は少なくとも一種類
以上のアルカリ土類元素からなる元素を示す。この構造
ではペロブスカイト類型層中に2面のCuO2面が存在
する。このような超伝導体、すなわちPbおよびCuを
主体成分とする酸化物ブロック層と、ペロブスカイト類
型構造をとるブロック層とが、交互に積層された結晶構
造をもつ超伝導体をPb系超伝導体といい、CuO2の
2面構造の他に1面構造が見つかっている。
er)等によりペロブスカイト類型構造の酸化物超伝導体
が発見された。それ以後、種々の酸化物系で超伝導性の
確認が為され、主体成分が、鉛,アルカリ土類元素,希
土類元素,銅の酸化物からなるPb系超伝導体は、70
K程度の超伝導臨界温度をもつということが発見され
た。[R. J. ケイハ゛(Cava) 他, ネイチャー (Nature), Vol.336,
211-214 (1988)]詳細な解析の結果、この物質は他の高
温酸化物超伝導体と同様に層状構造をとり、1原子層の
A元素を介して向かい合ったCuO5ピラミッドおよび
ピラミッドの頂点に隣接したB元素からなるペロブスカ
イト類型層(B2ACu2O6層)が、隣接するPbO-C
u-PbOブロック層で挟まれた構造となっている。化
学式はPb2B2ACu3O8と表わされる。ここでA元素
は少なくとも一種類以上のアルカリ土類元素および希土
類元素の混合からなる元素、B元素は少なくとも一種類
以上のアルカリ土類元素からなる元素を示す。この構造
ではペロブスカイト類型層中に2面のCuO2面が存在
する。このような超伝導体、すなわちPbおよびCuを
主体成分とする酸化物ブロック層と、ペロブスカイト類
型構造をとるブロック層とが、交互に積層された結晶構
造をもつ超伝導体をPb系超伝導体といい、CuO2の
2面構造の他に1面構造が見つかっている。
【0003】Pb系超伝導体は、従来のものより合成温
度が低いという特長があり、また焼成中の酸素をあまり
必要としないので、作製時の取り扱いが容易であり実用
に向いている。
度が低いという特長があり、また焼成中の酸素をあまり
必要としないので、作製時の取り扱いが容易であり実用
に向いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのPb
系超伝導体を実際に応用する場合に、超伝導臨界温度が
低いという欠点があった。安価な液体窒素を冷却媒体と
して使うには、少なくとも80K以上の臨界温度が必要
とされるが、Pb系超伝導体の臨界温度は70〜80K
といわれており、再現性よく液体窒素温度で使用するに
は臨界温度の向上が望まれていた。
系超伝導体を実際に応用する場合に、超伝導臨界温度が
低いという欠点があった。安価な液体窒素を冷却媒体と
して使うには、少なくとも80K以上の臨界温度が必要
とされるが、Pb系超伝導体の臨界温度は70〜80K
といわれており、再現性よく液体窒素温度で使用するに
は臨界温度の向上が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、Pb系超伝導
体の結晶構造が、PbとCuの酸化物からなるブロック
層と、1枚のCuO2面および両側の1原子層のA元素
を介して向かい合ったCuO5ピラミッドおよびピラミ
ッドの頂点に隣接したB元素からなるペロブスカイト類
型ブロック層(B2A2Cu3O8層)との、交互積層から
なり、90K以上の超伝導臨界温度を示すというもので
ある。ここでA元素は少なくとも一種類以上のアルカリ
土類元素および希土類元素の混合からなる元素、B元素
は少なくとも一種類以上のアルカリ土類元素からなる元
素を示す。
体の結晶構造が、PbとCuの酸化物からなるブロック
層と、1枚のCuO2面および両側の1原子層のA元素
を介して向かい合ったCuO5ピラミッドおよびピラミ
ッドの頂点に隣接したB元素からなるペロブスカイト類
型ブロック層(B2A2Cu3O8層)との、交互積層から
なり、90K以上の超伝導臨界温度を示すというもので
ある。ここでA元素は少なくとも一種類以上のアルカリ
土類元素および希土類元素の混合からなる元素、B元素
は少なくとも一種類以上のアルカリ土類元素からなる元
素を示す。
【0006】
【作用】上記構造をとるPb系超伝導体は、PbとCu
の酸化物より構成されるブロック層に挟まれたペロブス
カイト類型ブロック層中に、3面のCuO2面をもつ。
Pb系超伝導体では従来1面、2面構造は見つかってい
たが、3面構造は未だ実現されていなかった。本発明者
らは上記構造の物質の作製に成功し、その超伝導臨界温
度が従来のPb系超伝導体より高いという発見に基づ
き、本発明に至った。この場合、CuO2の3面構造が
1、2面構造より臨界温度が高い理由は明らかでない
が、他の酸化物超伝導体(ビスマス系、タリウム系)の
場合にもこの関係は成り立っており、銅酸化物超伝導体
の発現機構となんらかの関係があるものと考えられる。
の酸化物より構成されるブロック層に挟まれたペロブス
カイト類型ブロック層中に、3面のCuO2面をもつ。
Pb系超伝導体では従来1面、2面構造は見つかってい
たが、3面構造は未だ実現されていなかった。本発明者
らは上記構造の物質の作製に成功し、その超伝導臨界温
度が従来のPb系超伝導体より高いという発見に基づ
き、本発明に至った。この場合、CuO2の3面構造が
1、2面構造より臨界温度が高い理由は明らかでない
が、他の酸化物超伝導体(ビスマス系、タリウム系)の
場合にもこの関係は成り立っており、銅酸化物超伝導体
の発現機構となんらかの関係があるものと考えられる。
【0007】
【実施例】本発明のPb系超伝導体は、図1の結晶構
造、すなわち対向するCuO5ピラミッド11およびピラ
ミッドの頂点に隣接したB元素12の間にさらに1枚のC
uO 2面13とその両側のA元素1原子層14を挟んだブロ
ック層15と、鉛と銅の酸化物からなるブロック層16と
が、交互に積層された構造をもち、Pb系層状物質にお
いて従来にないCuO2面の3面構造を実現したもので
ある。この結果、他の酸化物超伝導体のように1、2面
構造より超伝導臨界温度の高い物質が実現した。
造、すなわち対向するCuO5ピラミッド11およびピラ
ミッドの頂点に隣接したB元素12の間にさらに1枚のC
uO 2面13とその両側のA元素1原子層14を挟んだブロ
ック層15と、鉛と銅の酸化物からなるブロック層16と
が、交互に積層された構造をもち、Pb系層状物質にお
いて従来にないCuO2面の3面構造を実現したもので
ある。この結果、他の酸化物超伝導体のように1、2面
構造より超伝導臨界温度の高い物質が実現した。
【0008】本発明のPbとCuの酸化物ブロック層と
しては、Pb−Cu−Pbの順序で酸化物が積み重ねら
れた3層ブロック層、PbとCuがほぼ1対1でランダ
ムに2層重なった2層ブロック層、PbとCuがほぼ1
対1でランダムに1層ならんだ単層ブロック層などがあ
り、どの場合においてもCuO2の3面構造が作製でき
る。特にPb−Cu−Pb酸化物で構成された3層ブロ
ック層の場合には、中間のCuイオンの価数が低いた
め、合成雰囲気に酸素をほとんど必要とせず、作製が容
易である。
しては、Pb−Cu−Pbの順序で酸化物が積み重ねら
れた3層ブロック層、PbとCuがほぼ1対1でランダ
ムに2層重なった2層ブロック層、PbとCuがほぼ1
対1でランダムに1層ならんだ単層ブロック層などがあ
り、どの場合においてもCuO2の3面構造が作製でき
る。特にPb−Cu−Pb酸化物で構成された3層ブロ
ック層の場合には、中間のCuイオンの価数が低いた
め、合成雰囲気に酸素をほとんど必要とせず、作製が容
易である。
【0009】また本発明の結晶構造は、特に薄膜の形態
において多くの割合で存在することが確認された。この
理由としては、薄膜作製プロセスが非熱平衡過程である
場合が多く、この種の準安定相の合成に向いているため
であると考えられる。特にスパッタリング法などのイオ
ン衝撃蒸着が本発明の結晶構造の構築に有効であること
も、本発明者らは合わせて確認した。
において多くの割合で存在することが確認された。この
理由としては、薄膜作製プロセスが非熱平衡過程である
場合が多く、この種の準安定相の合成に向いているため
であると考えられる。特にスパッタリング法などのイオ
ン衝撃蒸着が本発明の結晶構造の構築に有効であること
も、本発明者らは合わせて確認した。
【0010】本発明のより詳しい理解のために、詳細な
実施例により以下に説明を行なう。高周波マグネトロン
スパッタ装置を用い、Pb系酸化物超伝導体の薄膜作製
を行なった。直径80mmで任意の割合を持つPb−S
r−Y−Ca−Cu−O焼成酸化物をスパッタリングタ
ーゲットとした。580℃に加熱したMgO単結晶(1
00)面基体上に、アルゴン0.5Paのスパッタガス
のもと、100Wのスパッタリング放電を行ない、約3
0分で2000Å程度の薄膜を形成した。膜組成がPb:S
r:Y:Ca:Cu=2:2:0.5:0.5:3近傍の時には従来のCuO2面
の2面構造が合成されたが、この組成よりCaとCuを
多くした場合、従来の構造の他にさらに長周期の構造が
得られた。膜組成がPb:Sr:Y:Ca:Cu=2:2:0.5:1.5:4の薄
膜のX線回折パターンを図2に示す。回折パターンはc
軸配向膜が形成されていることを示しており、三角印で
示された従来のPb系超伝導体のパターンの他に丸印で
示されている新しいパターンが現われている。新しい相
のc軸長は19.0Åと見積られ、従来のPb系物質よ
り3Å程度の長周期であった。この相の結晶構造は図1
の結晶構造においてPbとCuの酸化物層がPbO−C
u−PbOの3層ブロック層になっており、従来の構造
に比べてCuO2面とA元素イオンがCuO5ピラミッド
間に挿入されてCuO23面構造となっていることが判
った。
実施例により以下に説明を行なう。高周波マグネトロン
スパッタ装置を用い、Pb系酸化物超伝導体の薄膜作製
を行なった。直径80mmで任意の割合を持つPb−S
r−Y−Ca−Cu−O焼成酸化物をスパッタリングタ
ーゲットとした。580℃に加熱したMgO単結晶(1
00)面基体上に、アルゴン0.5Paのスパッタガス
のもと、100Wのスパッタリング放電を行ない、約3
0分で2000Å程度の薄膜を形成した。膜組成がPb:S
r:Y:Ca:Cu=2:2:0.5:0.5:3近傍の時には従来のCuO2面
の2面構造が合成されたが、この組成よりCaとCuを
多くした場合、従来の構造の他にさらに長周期の構造が
得られた。膜組成がPb:Sr:Y:Ca:Cu=2:2:0.5:1.5:4の薄
膜のX線回折パターンを図2に示す。回折パターンはc
軸配向膜が形成されていることを示しており、三角印で
示された従来のPb系超伝導体のパターンの他に丸印で
示されている新しいパターンが現われている。新しい相
のc軸長は19.0Åと見積られ、従来のPb系物質よ
り3Å程度の長周期であった。この相の結晶構造は図1
の結晶構造においてPbとCuの酸化物層がPbO−C
u−PbOの3層ブロック層になっており、従来の構造
に比べてCuO2面とA元素イオンがCuO5ピラミッド
間に挿入されてCuO23面構造となっていることが判
った。
【0011】この新構造Pb系超伝導体は、大概的にC
aとCuが膜中に多いほど合成され易い事が判った。P
b系超伝導セラミックスの合成においては、通常はCa
量が希土類元素Rの量より少なく(R/Ca>0.
5)、Ca量が希土類元素Rの量より多い場合、結晶構
造中に取り込まれず未反応物として析出する。本実施例
のような薄膜の形態にする事により、Pb系超伝導体に
おいてCa量がR量より多い、すなわちR/Ca<0.
5が実現された。微細組成分析により調べたところ、特
にCuO23面構造の結晶粒の組成はR/Ca<1/3
となっていることが判った。 また他の元素の割合も分
析した結果、本実施例で得られたPb系超伝導体はPb
2Sr2(RxCa1-x)2Cu4O10なる化学式で表わされ
る物質であった。ただしxは0.25以下の数である。
aとCuが膜中に多いほど合成され易い事が判った。P
b系超伝導セラミックスの合成においては、通常はCa
量が希土類元素Rの量より少なく(R/Ca>0.
5)、Ca量が希土類元素Rの量より多い場合、結晶構
造中に取り込まれず未反応物として析出する。本実施例
のような薄膜の形態にする事により、Pb系超伝導体に
おいてCa量がR量より多い、すなわちR/Ca<0.
5が実現された。微細組成分析により調べたところ、特
にCuO23面構造の結晶粒の組成はR/Ca<1/3
となっていることが判った。 また他の元素の割合も分
析した結果、本実施例で得られたPb系超伝導体はPb
2Sr2(RxCa1-x)2Cu4O10なる化学式で表わされ
る物質であった。ただしxは0.25以下の数である。
【0012】新しい結晶構造が出現した膜の超伝導特性
を測定した。そのままの状態でも薄膜は超伝導転移を示
したが、空気中で300℃,30分間熱処理を加えるこ
とにより再現性および特性が向上した。図3に作製され
た薄膜の電気抵抗の温度特性を示す。図のように、オン
セット超伝導転移温度100Kを示し、92Kでゼロ抵
抗になる超伝導転移をみせた。この温度は従来のCuO
2面が2面構造の鉛系超伝導体の超伝導転移温度に比べ
て10K以上高いものである。すなわち3面構造が部分
的に合成されて混在することにより、超伝導転移温度の
高い3面構造の特性が支配的に現われたものと解釈され
る。3面構造の割合が多いほど、超伝導転移は急峻であ
り、従来の2面構造が支配的になるほど転移は散漫にな
って2段転移の様相を示し、ゼロ抵抗温度は従来のPb
系超伝導体程度に低下した。
を測定した。そのままの状態でも薄膜は超伝導転移を示
したが、空気中で300℃,30分間熱処理を加えるこ
とにより再現性および特性が向上した。図3に作製され
た薄膜の電気抵抗の温度特性を示す。図のように、オン
セット超伝導転移温度100Kを示し、92Kでゼロ抵
抗になる超伝導転移をみせた。この温度は従来のCuO
2面が2面構造の鉛系超伝導体の超伝導転移温度に比べ
て10K以上高いものである。すなわち3面構造が部分
的に合成されて混在することにより、超伝導転移温度の
高い3面構造の特性が支配的に現われたものと解釈され
る。3面構造の割合が多いほど、超伝導転移は急峻であ
り、従来の2面構造が支配的になるほど転移は散漫にな
って2段転移の様相を示し、ゼロ抵抗温度は従来のPb
系超伝導体程度に低下した。
【0013】このように従来には得られないPb系超伝
導体のCuO23面構造が得られたのは、スパッタリン
グのような非熱平衡過程の薄膜プロセスによるところが
大きいと考えられる。すなわちスパッタリングのような
イオン衝撃蒸着が、本発明の新Pb系超伝導体の合成に
適している。またPb系超伝導体の一種なので形成温度
も従来の酸化物超伝導体より50〜100℃程度低く、
酸素をあまり必要としないので、実用的に優れた材料で
ある。
導体のCuO23面構造が得られたのは、スパッタリン
グのような非熱平衡過程の薄膜プロセスによるところが
大きいと考えられる。すなわちスパッタリングのような
イオン衝撃蒸着が、本発明の新Pb系超伝導体の合成に
適している。またPb系超伝導体の一種なので形成温度
も従来の酸化物超伝導体より50〜100℃程度低く、
酸素をあまり必要としないので、実用的に優れた材料で
ある。
【0014】なお本実施例では、非超伝導層の一原子層
の希土類元素がYで構成される材料を用いたが、Gd、
Eu、Ybなどの多くの他の希土類元素を用いたもので
も、同様に良好な超伝導体が実現できること勿論であ
る。またアルカリ土類元素の組合せも、本実施例以外の
組合せが幾つかあること勿論である。
の希土類元素がYで構成される材料を用いたが、Gd、
Eu、Ybなどの多くの他の希土類元素を用いたもので
も、同様に良好な超伝導体が実現できること勿論であ
る。またアルカリ土類元素の組合せも、本実施例以外の
組合せが幾つかあること勿論である。
【0015】
【発明の効果】本発明による超伝導体は、Pb系酸化物
超伝導体の新規の結晶構造を持つ高臨界温度の物質を実
現したものである。この結果Pb系超伝導体が液体窒素
温度で安定に使用できるようになった。特にこの種の材
料は、非熱平衡の薄膜プロセスにおいてよく合成される
ため薄膜の形態で存在し易い。また低温で作製可能で酸
化プロセスに気を使う必要ないので、膜形成プロセスの
取り扱いが容易である。従って、デバイス応用上最適な
超伝導材料を提供するもので、本発明の工業的価値は大
きい。
超伝導体の新規の結晶構造を持つ高臨界温度の物質を実
現したものである。この結果Pb系超伝導体が液体窒素
温度で安定に使用できるようになった。特にこの種の材
料は、非熱平衡の薄膜プロセスにおいてよく合成される
ため薄膜の形態で存在し易い。また低温で作製可能で酸
化プロセスに気を使う必要ないので、膜形成プロセスの
取り扱いが容易である。従って、デバイス応用上最適な
超伝導材料を提供するもので、本発明の工業的価値は大
きい。
【図1】本発明の実施例におけるPb系超伝導体の結晶
構造図。
構造図。
【図2】本発明の一実施例におけるPb-Sr-Y-Ca-
Cu-O薄膜のX線回折パターン図。
Cu-O薄膜のX線回折パターン図。
【図3】本発明の実施例で得た薄膜における電気抵抗の
温度特性の図である。
温度特性の図である。
11 CuO5ピラミッド 12 B元素 13 CuO2面 14 A元素 15 ペロブスカイト類型ブロック層 16 PbとCuの酸化物ブロック層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬恒 謙太郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 国際公開90/4297(WO,A1) S.Adachi et al.," A new type of crys tal structure in t he Pb−Pr−Sr−Cu−O s ystem,”Physica C,v ol.168,No.1&2,1990,p. 1−7 S.Adachi et al.," X−ray rietveld stu dy of nonsupercond ucting 0212 cuprate; Lal.6Sr0.4CaCu20y," Physica C,vol.169,N o.5&6,1990,p.377−380 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 21/00 C01G 1/00 C30B 28/00 - 35/00 H01B 12/00 ZAA CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】 鉛系酸化物超伝導体において、PbとC
uの酸化物からなるブロック層と、1枚のCuO2面お
よび両側の1原子層のA元素を介して向かい合ったCu
O5ピラミッドおよびピラミッドの頂点に隣接したB元
素からなるペロブスカイト類型ブロック層とが交互に積
層された結晶構造で構成され、90K以上の超伝導臨界
温度を示すことを特徴とする超伝導体。ここでA元素は
少なくとも一種類以上のアルカリ土類元素および希土類
元素の混合からなる元素、B元素は少なくとも一種類以
上のアルカリ土類元素からなる元素を示す。 - 【請求項2】 A元素中の希土類元素(R)とアルカリ
土類元素(E)の元素比率がR/E < 1/3であるこ
とを特徴とする請求項1記載の超伝導体。 - 【請求項3】 PbとCuの酸化物からなるブロック層
が、Pb−Cu−Pbからなる3層の酸化物で構成され
たことを特徴とする請求項1記載の超伝導体。 - 【請求項4】 A元素がSrで構成され、B元素が希土
類(R)元素とCaの混合で構成され、Pb2Sr2(R
xCa1-x)2Cu4O10なる化学式を持つ請求項3記載の
超伝導体。ただしxは、0.25以下の数を示す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3066275A JP2906711B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 超伝導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3066275A JP2906711B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 超伝導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04300209A JPH04300209A (ja) | 1992-10-23 |
JP2906711B2 true JP2906711B2 (ja) | 1999-06-21 |
Family
ID=13311128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3066275A Expired - Fee Related JP2906711B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 超伝導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2906711B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-29 JP JP3066275A patent/JP2906711B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
S.Adachi et al.,"A new type of crystal structure in the Pb−Pr−Sr−Cu−O system,"Physica C,vol.168,No.1&2,1990,p.1−7 |
S.Adachi et al.,"X−ray rietveld study of nonsuperconducting 0212 cuprate;Lal.6Sr0.4CaCu20y,"Physica C,vol.169,No.5&6,1990,p.377−380 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04300209A (ja) | 1992-10-23 |
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