JP2906652B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2906652B2 JP2320759A JP32075990A JP2906652B2 JP 2906652 B2 JP2906652 B2 JP 2906652B2 JP 2320759 A JP2320759 A JP 2320759A JP 32075990 A JP32075990 A JP 32075990A JP 2906652 B2 JP2906652 B2 JP 2906652B2
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英樹 松森
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、オーバーコート層中に新規なエポキシ化合
物を含有する、地肌部及び発色部の保存安定性の優れた
感熱記録材料に関する。
〔従来の技術〕 ロイコ染料と顕色剤との反応による発色を利用した感
熱記録材料は、ファクシミリ、プリンター等の出力記録
のための感熱記録紙等として広く使用されている。
感熱記録材料の特性としては、発色感度が高く、地肌
の白度が高く、また発色画像及び地肌の保存安定性の高
いものが要望されている。感熱記録材料の保存安定性を
向上させるために、記録層あるいはオーバーコート層に
添加する物質として種々のエポキシ化合物が知られてい
るが、それらの安定化効果は十分なものではなく、また
エポキシ化合物が一般的に有する毒性上の問題があり、
好ましいものではない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、前記のような毒性上の問題がない新
規なエポキシ化合物を用い、地肌部及び発色部の保存安
定性の優れた感熱記録材料を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、支持体上にロイコ染料と該ロイコ染料を発
色させる顕色剤とを含有する感熱記録層を設け、その上
にオーバーコート層を設けた感熱記録材料において、該
オーバーコート層中に4−ベンジルオキシ−4′−(2
−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン(化合
物Aと略記する)又は4−(4−メチルベンジルオキ
シ)−4′−グリシジルオキシジフェニルスルホン(化
合物Bと略記する)を含有させた感熱記録材料に関する
ものである。
本発明の感熱記録材料は地肌部及び発色部の保存安定
性の極めて優れたものであり、しかも、本発明で使用さ
れるエポキシ化合物は、通常のエポキシ化合物と異なり
毒性上何ら問題のない物質であるため、工業的実施にお
いても有利なものである。
本発明で使用されるエポキシ化合物は、フェノール類
とエピクロルヒドリン類との通常の反応、即ち下記反応
式に従い製造することができる。
(上記反応式中、Bzはベンジル基又は4−メチルベンジ
ル基を、Rは水素原子又はメチル基を示す) 本発明の感熱記録材料に使用されるロイコ染料として
は、フルオラン系、フタリド系、ラクタム系、トリフェ
ニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系等の
ロイコ染料を挙げることができるが、これらに限定され
るものではなく、酸性物質である顕色剤と接触すること
により発色する発色性染料であれば使用できる。これら
の染料としては、例えば、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメ
チルアミノフタリド、 3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミ
ノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラ
ン、 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−7−アニ
リノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クルルフルオラ
ン、 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチ
ル−7−クロロフルオラン、 3−〔4−(N,N−ジブチルアミノ)フェニル〕アミノ
−6−メチル−7−クロロフルオラン、 3−〔4−{4−(フェニルアミノ)フェニルアミノ}
フェニルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、 3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン、 3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラ
ン、 3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミ
ノフルオラン、 3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン 3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、顕色剤としては、感熱記録材料における顕色剤
として使用可能な酸性物質のいずれでも用いることがで
き、例えば、ビスフェノールA、4,4′−sec−ブチリデ
ンビスフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフ
ェノール、2,2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルペンタン、1,3−ビス〔1−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1
−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕ベ
ンゼン、2,2′−ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチ
レン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)等のビスフ
ェノール化合物、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチ
オ)−3,5−ジオキサヘプタン等の含硫黄ビスフェノー
ル化合物、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒド
ロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロ
キシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸イソブチ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒド
ロキシ安息香酸メチルベンジル、4−ヒドロキシ安息香
酸ジフェニルメチル等の4−ヒドロキシ安息香酸エステ
ル類、安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安息
香酸金属塩、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニル
スルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフ
ェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ブトキシジフ
ェニルスルホン等のヒドロキシスルホン酸、4−ヒドロ
キシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシク
ロヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4
−ヒドロキシフタル酸ジエステル類、2−ヒドロキシ−
6−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエ酸の
エステル類、ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニル
フェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p
−ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジル
エーテル、更にトリブロモメチルフェニルスルホン等の
トリブロモメチルスルホン酸等を挙げることができる。
染料及び顕色剤の混合比率は、それぞれの種類に応じ
適宜変更しうるものであるが、通常、染料1重量部に対
して、顕色剤1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部で
ある。
本発明の感熱記録材料は、通常の方法に準じて製造す
ることができ、例えば、染料、顕色剤及び結合剤の水性
分散液である記録層塗布液を、紙、プラスチックフィル
ム、合成紙等の支持体の上に塗布乾燥して記録層を形成
した後、本発明のエポキシ化合物及び結合剤を含有する
オーバーコート層塗布液を該記録層上に塗布乾燥すれば
よい。
本発明のエポキシ化合物のオーバーコート層への添加
量は、0.5重量%以上、好ましくは1〜70重量%であ
る。
本発明のエポキシ化合物を記録層にも添加し、保存安
定性を更に向上させることもできる。
結合剤としては、感熱記録材料において一般的に使用
可能なものであればよく、例えば、デンプン類、ヒドロ
キシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガ
ム、ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変成ポリ
ビニルアルコール、カルボキシ変成ポリビニルアルコー
ル、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチ
レン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル
酸共重合体塩、スチレン・アルリル酸共重合体塩、スチ
レン・ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アミド樹脂等が挙げられる。
記録層塗布液には、目的に応じて適宜増感剤を添加す
ることもできる。増感剤としては、例えば、高級脂肪酸
アミド、ベンズアミド、ステアリン酸アニリド、アセト
酢酸アニリド、チオアセトアニリド、シュウ酸ジベンジ
ル、フタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、イソ
フタル酸ジベンジル、ビス(tert−ブチルフェノール)
類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエー
テル類、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス
(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メ
チルフェノキシ)エタン、2−ナフトールベンジルエー
テル、ジフェニルアミン、カルバゾール、2,3−ジ−m
−トリルブタン、4−ベンジルビフェニル、4,4′−ジ
メチルビフェニル、m−ターフェニル、ジ−β−ナフチ
ルフェニレンジアミン等を挙げることができる。また、
目的に応じ更に、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、
粘着防止剤、消泡剤、光安定剤、蛍光増白剤等の各種助
剤を適宜含有させることができる。
オーバーコート層塗布液は、本発明のエポキシ化合
物、前記の如き結合剤、更に必要に応じ、補助添加成
分、例えば填料、滑剤等を含有する水分散液である。填
料としては、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、硫酸
バリウム、クレー、タルク等、また、滑剤としては、高
級脂肪酸又はそのエステル、アミドもしくは金属塩、各
種ワックス類等が挙げられる。
また、支持体と記録層との間に常法によりアンダーコ
ート層を設けてもよい。
以下、実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 4−ベンジルオキシ−4′−(2−メチルグリシジルオ
キシ)ジフェニルスルホン(化合物A)の合成 4−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルス
ルホン34gに2−メチルエピクロルヒドリン43g及び触媒
としてテトラブチルアンモニウムクロライド1gを加え、
70〜75℃で10時間反応させた。反応後、エピクロルヒド
リンを減圧下で留去した。更にトルエン50mlを加えて減
圧下に留去しエピクロルヒドリンを除去した。この反応
混合物にトルエン250mlを加え、還流下、50%苛性ソー
ダ水溶液10mlをゆっくり滴下し、共沸脱水しながら反応
させた。脱水終了後、熱濾過し濾液を冷却して目的化合
物の白色結晶35gを得た。
(融点163.0−166.0℃) 実施例2 4−(4−メチルベンジルオキシ)−4′−グリシジル
オキシジフェニルスルホン〔化合物B〕の合成 4−(4−メチルベンジルオキシ)−4′−ヒドロキ
シジフェニルスルホン17.7g(0.05モル)、エピクロル
ヒドリン46.3g(0.5モル)、触媒としてテトラブチルア
ンモニウムクロリド0.8gを4径フラスコに仕込み、100
〜120℃で8時間反応させた。反応後、反応液中の過剰
のエピクロルヒドリンを減圧下で留去した後、トルエン
150mlを加えて昇温し、その中に苛性ソーダ2gを加え、1
00℃で2時間反応させた。反応後、水洗、濾過した後、
トルエン溶液を濃縮し、析出した結晶を濾過、乾燥して
目的化合物の白色結晶13.3gを得た。
(融点125.8−127.2℃) 以下、感熱記録紙の作製方法を示すが、実施例中で示
す「部」は全て「重量部」を表す。
実施例3(分散液の調製) (A液)染料分散液 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフル
オラン 6部 ポリビニルアルコール15%水溶液 40部 クレー 14部 純水 40部 (B液)顕色剤分散液 ビスフェノールA 9部 ポリビニルアルコール15%水溶液 40部 クレー 11部 純水 40部 (C液)オーバーコート層塗布液 ポリビニルアルコール15%水溶液 20部 化合物A 4部 炭酸カルシウム 3部 ステアリン酸亜鉛30%分散液 3部 純水 70部 上記組成の混合物をそれぞれサンドグラインダーで十
分に摩砕して、各分散液を調製した。
実施例4 A液1部及びB液2部の割合で混合して調製した塗布
液を、ワイヤーロッドNo.12を使用して白色紙上に塗布
乾燥した。更にその上にC液を、固形分が約2g/m2とな
るように塗布、乾燥して感熱記録紙を得た。
実施例5 C液中の化合物Aに替えて化合物Bを用い、実施例4
と同様にして感熱記録紙を作製した。
実施例6 B液中のビスフェノールAに替えて4−イソプロポキ
シ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンを用い、実施
例4と同様にして感熱記録紙を作製した。
実施例7 A液における2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチ
ルアミノフルオランに替えて、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フ
ルオランを用い、実施例4と同様にして感熱記録紙を作
製した。
比較例1 C液中の化合物Aに替えて炭酸カルシウムを使用し、
実施例4と同様にして感熱記録紙を作製した。
試験例1 実施例4〜7及び比較例で作製された感熱記録紙を、
感熱紙発色試験装置で千鳥模様に飽和発色させ、この両
面に塩化ビニールラップフィルムを密着させた状態で、
10日間、約25℃(室温)で暗所に放置し、耐可塑剤性試
験を行った。試験前後の発色濃度の変化を観察した結
果、本発明の感熱記録紙の耐可塑剤性は次表に示す如く
極めて優れていた。
〔発明の効果〕 本発明化合物の感熱記録紙は、地肌の保存安定性が高
く、また発色画像の堅牢性、特に耐可塑剤性の優れたも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−179579(JP,A) 特開 平4−352774(JP,A) 特開 昭62−270382(JP,A) 特開 昭62−278086(JP,A) 特開 平4−187683(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、ロイコ染料と該ロイコ染料を
    発色させる顕色剤とを含有する感熱記録層を設け、その
    上にオーバーコート層を設けた感熱記録材料において、
    該オーバーコート層中に4−ベンジルオキシ−4′−
    (2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン又
    は4−(4−メチルベンジルオキシ)−4′−グリシジ
    ルオキシジフェニルスルホンを含有させたことを特徴と
    する感熱記録材料。
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