JP2906207B2 - 内燃機関の空燃比フィードバック制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比フィードバック制御装置

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JP2906207B2
JP2906207B2 JP18285593A JP18285593A JP2906207B2 JP 2906207 B2 JP2906207 B2 JP 2906207B2 JP 18285593 A JP18285593 A JP 18285593A JP 18285593 A JP18285593 A JP 18285593A JP 2906207 B2 JP2906207 B2 JP 2906207B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の空燃比フィー
ドバック制御装置に関し、詳しくは、低排温環境で素子
活性を図るためにヒータが付設された空燃比センサを用
いて空燃比フィードバック制御を行う装置において、前
記ヒータに異常が発生したときの対策技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、機関排気通路に排気中の酸素
濃度に感応して出力値が変化する酸素センサ(空燃比セ
ンサ)を設け、該酸素センサの出力値に基づいて機関吸
入混合気の空燃比を検知し、該検知された空燃比を目標
空燃比に近づける方向に燃料噴射量をフィードバック制
御する空燃比フィードバック制御装置が知られている
(特開昭60−240840号公報等参照)。
【0003】前記酸素センサでは、一般に、所定の活性
温度に達しないと所期の出力特性を発揮することができ
ないため、始動直後やその他の排気温度の低い運転条件
でも、所期の空燃比制御性が得られるように、酸素セン
サにヒータを設け、排気温度に影響されずに所期の出力
特性が維持できるようにしているものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、始動時にお
いては、早期に空燃比フィードバック制御を開始させる
ことが、始動時におけるHCの排出量を抑えるために要
求される。この点、前述のように酸素センサにヒータを
備えるようにすれば、前記ヒータの加熱によって始動直
後からセンサを活性化させて空燃比フィードバック制御
を早期に開始させることができ、また、開始後のフィー
ドバック制御を排気温度に大きく影響されることなく応
答良く行わせることができる。
【0005】しかしながら、ヒータ断線,ヒータ劣化,
バッテリ電圧の低下などによってヒータが正常に発熱し
ないと、酸素センサが活性化するのが遅れるため、酸素
センサの活性化をその出力に基づいて判別してからフィ
ードバック制御を開始させるようなシステムでは、空燃
比フィードバック制御の開始が遅れ、また、空燃比フィ
ードバック制御を開始させてからも、排気温度が低くヒ
ータ加熱無しでは充分にセンサ素子を活性化させること
ができないような条件下では、充分な制御応答を得るこ
とができず、目標空燃比への収束性が悪いという問題が
生じる。
【0006】ここで、V型機関などではバンク毎にヒー
タ付酸素センサを設けて、各バンク毎に空燃比フィード
バック制御を行わせる構成とする場合があるが、かかる
V型機関で、片バンクの酸素センサのヒータに異常が生
じると、正常な方のバンクでは空燃比フィードバック制
御が既に開始されているにも関わらず、他方のヒータ異
常が生じているバンクでは排気温度の上昇を待って遅れ
て制御が開始されるというアンバランスを生じる。
【0007】更に、ヒータ異常が生じているバンクで
は、空燃比フィードバック制御が開始れてからも、素子
活性が確保できない低排温状態では、所期の制御応答が
得られず、特に、暖機運転中の増量が付加されていると
きには、前記制御応答の悪化によってHCの排出量を増
大させることになってしまい、最悪、両バンクのヒータ
が共に異常となると、正常に比べて始動時に多量のHC
が排出されてしまう惧れがある。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、V型機関のように複数の気筒群に分けられる機関
であって、然も、各気筒群毎にヒータ付空燃比センサを
設けて、空燃比フィードバック制御を各気筒群別に行わ
せる空燃比フィードバック制御装置において、ヒータ異
常が発生しても空燃比制御性が大きく悪化することを回
避できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1に係る
内燃機関の空燃比フィードバック制御装置は、2つの気
筒群毎に独立した排気系を備えてなる内燃機関の空燃比
フィードバック制御装置であって、図1に示すように構
成される。図1において、空燃比センサは、前記独立し
た排気系それぞれに設けられ、センサ素子を加熱するた
めのヒータが付設されると共に、機関吸入混合気の空燃
比によって変化する排気中の特定成分の濃度に感応して
出力値が変化するセンサである
【0010】ここで、ヒータ異常診断手段は、前記空燃
比センサそれぞれに設けられたヒータの正常・異常を各
空燃比センサ別に診断するそして、正常時空燃比制御
手段は、ヒータ異常診断手段により両方の空燃比センサ
のヒータが正常であると診断されたときに、前記気筒群
毎に設けられる空燃比センサの出力値に基づき各気筒群
別に燃料供給量を補正するための空燃比フィードバック
補正値を演算する。
【0011】また、一部異常時空燃比制御手段は、前記
ヒータ異常診断手段によりいずれか一方の空燃比センサ
のヒータが異常であると診断されたときに、ヒータが正
常であると診断された空燃比センサの出力に基づき両気
筒群に共通の前記空燃比フィードバック補正値を演算す
【0012】更に、全異常時空燃比制御手段は、前記ヒ
ータ異常診断手段により両方の空燃比センサのヒータが
異常であると診断されたときに、機関の排気温度が所定
温度を越えるときには、前記気筒群毎に設けられる空燃
比センサの出力値に基づき通常に各気筒群別に前記空燃
比フィードバック補正値を演算する一方、機関の排気温
度が前記所定温度以下であるときには空燃比制御点をリ
ーン側に修正しつつ、前記気筒群毎に設けられる空燃比
センサの出力値に基づき各気筒群別に前記空燃比フィー
ドバック補正値を演算する
【0013】
【作用】かかる構成によると、各気筒群毎に設けられた
ヒータ付空燃比センサにおけるヒータが全て正常である
場合には、各空燃比センサの出力値に基づいて各気筒群
別に空燃比フィードバック制御が施される。一方、空燃
比センサのいずれか一方でヒータ異常が発生したとき、
即ち、ヒータが正常である気筒群と、ヒータが異常であ
る気筒群とに分かれるときには、ヒータが正常であると
診断された空燃比センサの出力値を用いて演算された空
燃比フィードバック補正値を各気筒群に共通に適用させ
る。換言すれば、ヒータが正常である気筒群における空
燃比フィードバック補正値を、他方のヒータ異常が診断
された気筒群に適用させる。
【0014】更に、全気筒群でヒータ異常が診断された
場合には、前述のようにヒータが正常である気筒群にお
ける補正要求を、ヒータが異常であると診断された気筒
群に適用するという制御が行えなくなる。しかしなが
ら、ヒータによる加熱が得られないまま通常に空燃比フ
ィードバック制御を行わせると、特に、排気温度による
素子の活性化が得られず、本来ヒータ加熱を必要とする
状態では、大きく制御性が悪化することになる。
【0015】そこで、2つの気筒群の空燃比センサに共
にヒータ異常が生じたときには、各空燃比センサの出力
値に基づいて気筒群別に空燃比フィードバック補正値を
演算させるものの、低排温時であって排気温によるセン
サ素子の活性が望めずに、通常に空燃比制御を行わせた
のではリッチ空燃比によるHCの増大を招くときには、
空燃比制御点をリーン側に修正して、ヒータ異常の空燃
比センサを用いた気筒群別の空燃比フィードバック制御
を行わせる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図2において、V型内燃機関1の吸気通路2に
は、機関の吸入空気流量Qを検出するエアフローメータ
3、及び、図示しないアクセルペダルと連動して機関1
の吸入空気流量Qを制御するスロットル弁4が設けら
れ、下流の吸気マニホールドのブランチ部には各気筒毎
に電磁式の燃料噴射弁5が設けられる。
【0017】前記燃料噴射弁5は、マイクロコンピュー
タを内蔵したコントロールユニット6からの噴射パルス
信号によって開弁駆動し、図示しない燃料ポンプから圧
送されてプレッシャレギュレータにより所定圧力に制御
された燃料を機関に噴射供給する。また、機関1の冷却
ジャケット内の冷却水温度Twを検出する水温センサ7
が設けられている。
【0018】一方、機関1のV型をなす両バンクの一方
を右バンクとし、他方を左バンクとしたときに、それぞ
れのバンク(気筒群)毎に個別に排気マニホールド8,
9(排気系)が設けられ、各バンク別に独立して排気が
導出される。そして、各排気マニホールド8,9の下流
側は合流して1本の排気通路10となっており、排気マニ
ホールド8,9によって各バンク別に導出された排気
は、前記排気通路10で合流して排出される。
【0019】前記各排気マニホールド8,9それぞれに
は、その合流部に排気浄化用のプリ触媒11,12が装着さ
れると共に、前記排気通路10にはメイン触媒13が装着さ
れている。また、前記排気マニホールド8,9のプリ触
媒11,12よりも上流側の合流部には、排気中の酸素濃度
を検出することによって機関吸入混合気の空燃比を検出
する空燃比センサとしての酸素センサ14,15が装着さ
れ、各バンク毎に排気中の酸素濃度が検出されるように
なっている。
【0020】尚、前記酸素センサ14,15は、排気中の酸
素濃度に感応して出力値が変化する公知のセンサであ
り、理論空燃比を境に排気中の酸素濃度が急変すること
を利用し、理論空燃比に対する排気空燃比のリッチ・リ
ーンを検出し得るリッチ・リーンセンサである。更に、
各酸素センサ14,15には、センサ素子を加熱するための
ヒータ14a,15aが付設されている。
【0021】また、カム軸又はクランク軸から回転信号
を取り出すクランク角センサ17が設けられており、この
クランク角センサ17から単位クランク角度毎に出力され
る単位角度信号を一定時間カウントして、又は、所定ピ
ストン位置毎に出力される基準角度信号の周期を計測し
て機関回転速度Neが検出される。コントロールユニッ
ト6は、吸入空気流量Qと機関回転速度Neとに基づい
て基本燃料噴射量Tpを演算すると共に、前記酸素セン
サ14,15で検出される各バンク毎の空燃比を目標空燃比
(理論空燃比)に近づけるように、空燃比フィードバッ
ク補正係数αR,αL(空燃比フィードバック補正値)
を各気筒群別に比例積分制御によってそれぞれ演算す
る。
【0022】更に、前記気筒群別に演算される空燃比フ
ィードバック補正係数αR,αLに基づいて運転領域別
の補正要求を各気筒群別に学習し、基本燃料噴射量Tp
と機関回転速度Neで区分される運転領域毎に記憶され
る各気筒群別の空燃比学習補正値KBLRR,KBLR
Lを前記学習結果に基づいてそれぞれに書き換える。そ
して、前記基本燃料噴射量Tpを前記空燃比フィードバ
ック補正係数αR,αL及び空燃比学習補正値KBLR
R,KBLRLで補正することによって、各気筒群別に
最終的な燃料噴射量TiR(←Tp×αR×KBLR
R),TiL(←Tp×αL×KBLRL)を演算し、
この各気筒群別の燃料噴射量TiR,TiLに従って対
応する燃料噴射弁5に噴射パルス信号を送って、各気筒
群別に空燃比制御を行いつつ燃料噴射量を制御する。
【0023】ここで、本実施例の特徴点である前記ヒー
タ14a,15aの異常時における空燃比フィードバック制
御を、図3及び図4のフローチャートに従って説明す
る。尚、本実施例において、ヒータ異常診断手段,正常
時空燃比制御手段,一部異常時空燃比制御手段,全異常
時空燃比制御手段としての機能は、前記図3,図4のフ
ローチャートに示すように、コントロールユニット6が
ソフトウェア的に備えている。
【0024】図3のフローチャートにおいて、まず、ス
テップ1(図中ではS1としてある。以下同様)では、
各酸素センサ14,15に付設されたヒータ14a,15aのO
N条件であるか否かを判別する。即ち、ヒータ14a,15
aを条件に応じてON・OFF制御する構成の場合に
は、排気温度が低くヒータ14a,15aによる加熱がない
とセンサ素子を活性化させることができないときに限っ
てヒータに通電させるものであり、本実施例では、少な
くとも暖機時及び低負荷時を含むものとする。
【0025】尚、機関運転中は継続的にヒータ14a,15
aに対して通電させる構成であっても良い。ヒータ14
a,15aをON・OFF切り換え制御する場合であっ
て、OFF条件が成立している場合には、ヒータ14a,
15aによる加熱がなくても所期の出力特性が得られる条
件であり、この場合には、ヒータ14a,15aの劣化によ
って所期の発熱量が得られない状態となっていても、直
接は空燃比フィードバック制御に影響を与えないので、
ステップ7へ進み、通常に各バンク毎に各酸素センサ1
4,15を用いて空燃比制御を実行させる。
【0026】一方、ヒータ14a,15aをONさせる条件
であるときには、実際にヒータ14a,15aによる加熱が
正常に行われていないと、センサ素子の活性化を得るこ
とができず、そのまま通常に制御を実行させると、空燃
比制御性が大きく悪化することになってしまう。そこ
で、ステップ2以降へ進み、各ヒータ14a,15aの発熱
量(電力W)をそれぞれに演算し、該演算結果に基づい
て各ヒータ14a,15aが正常に発熱しているか否かを診
断する。
【0027】ステップ2では、各ヒータ14a,15aに印
加されている電圧Vをモニタし、次のステップ3では、
各ヒータ14a,15aにおける電流値Iをモニタする。そ
して、ステップ4では、前記電圧・電流のモニタ結果に
基づいて、各ヒータ14a,15aにおける電力W(容量)
をそれぞれに演算する。尚、上記では、電力を求めるこ
とでヒータの劣化によって発熱量が低下している状態を
も検知できるようにしたが、簡易的には、ヒータ14a,
15aに対する通電回路が断線しているか否かを判別させ
る構成としても良い。
【0028】上記のようにして各ヒータ14a,15aにお
ける電力を演算すると、次のステップ5では、右バンク
に設けられた酸素センサ14のヒータ14aにおける電力と
所定値とを比較することで、右バンクの酸素センサ14で
ヒータ14aが正常に発熱しているか否かを判別する。こ
こで、ヒータ14aの発熱量の低下(断線を含む)がない
と判別されたときには、続いてステップ6において、左
バンクの酸素センサ15でヒータ15aが正常に発熱してい
るか否かを判別する。
【0029】ステップ6で、ヒータ15aの正常が判別さ
れたときには、右バンク及び左バンクの両方でヒータ14
a,15aが正常に発熱していることが確認されたことに
なり、この場合には、各酸素センサ14,15をヒータによ
って加熱して所期の活性状態を維持させることができる
から、ステップ7へ進んで、通常の空燃比制御を実行さ
せる。
【0030】一方、ステップ6で左バンクにおけるヒー
タ15aの発熱量低下が判別されたときには、ステップ8
へ進み、ヒータ15a異常が診断された酸素センサ15を用
いて演算されることになる左バンク用の空燃比フィード
バック補正係数αLの演算を停止させ、代わりに、ヒー
タの正常診断がなされている右バンクの酸素センサ14を
用いて演算された右バンク用の空燃比フィードバック補
正係数αRを用いて左バンク用の噴射量TiLを演算さ
せる(TiL←Tp×αR×KBLRL)。
【0031】従って、このときには、左バンクにおける
空燃比学習値KBLRLの学習更新は中断されることに
なる。一方、ステップ5で右バンクのヒータ14aの発熱
量低下が診断されたときには、ステップ9へ進み、左バ
ンクのヒータ15aにおける発熱量低下を診断させる。そ
して、ステップ9で左バンクのヒータ15aが正常に発熱
していると診断されたときには、右バンクのヒータ14a
のみが異常であることになり、この場合には、ステップ
10へ進む。
【0032】ステップ10では、前記ステップ8と同様に
して、異常診断された右バンクの酸素センサ14を用いた
空燃比フィードバック補正係数αRの演算を停止させ、
代わりに、正常診断されている左バンクの酸素センサ15
を用いて演算された左バンク用の空燃比フィードバック
補正係数αLを用いて右バンク用の噴射量TiRを演算
させる(TiR←Tp×αL×KBLRR)。
【0033】例えば、始動時に空燃比フィードバック制
御を開始させる条件として、センサ出力に基づいて判別
される酸素センサ14,15の活性化を含む場合には、ヒー
タの発熱量低下が発生している酸素センサを用いた空燃
比フィードバック制御の開始が遅れることになる。ここ
で、上記のV型機関のように、各バンク毎に独立した空
燃比フィードバック制御系を有する構成の場合で、一方
のバンクの酸素センサのヒータが正常であり、他方のバ
ンクの酸素センサのヒータに発熱量低下が生じている場
合には、ヒータが正常であるバンクが早期に制御が開始
されるのに対し、ヒータに異常が生じているバンクにお
ける制御は大きく遅れて開始されることになってしま
う。そして、ヒータ異常が生じているバンクでは、フィ
ードバック制御が遅れることによって、始動直後におけ
る排気性状が他方のバンクに比べて大きく悪化(HC量
の増大)することになってしまう。
【0034】しかしながら、各バンク毎の独立した空燃
比フィードバック制御は、バンク間の補正要求の僅かの
違いを精度良く制御するためのものであり、基本的には
補正要求に大差はないと推定される。そこで、ヒータの
異常によってそのままではフィードバック制御の開始が
遅れてしまうバンクに対して、他方のバンク用として演
算された空燃比フィードバック補正係数αを適用する。
これにより、ヒータ異常によってフィードバック制御の
開始が大きく遅れることが回避され、見掛け上は通常に
フィードバック制御が開始されることになって、ヒータ
異常に伴ってHCの排出量が増大することを回避でき
る。
【0035】また、始動時以外であっても、ヒータの正
常発熱によって所期の応答速度で演算される空燃比フィ
ードバック補正係数αを、ヒータの異常によって応答速
度が悪化する他方バンクに適用することで、ヒータ異常
が生じているバンクにおいても空燃比を略目標空燃比に
早期に安定させることができるようにする。一方、前記
ステップ9で、左バンクのヒータの異常が診断された場
合には、両バンクでヒータ異常が生じていることにな
り、ヒータが正常な酸素センサを用いて演算された空燃
比フィードバック補正係数αを、ヒータ異常が生じてい
るバンクに適用するという前述のような制御が行えなく
なる。
【0036】そこで、上記のような場合には、ステップ
11へ進んで、図4のフローチャートに示すような制御を
実行させる。図4のフローチャートにおいて、まず、ス
テップ21では、各バンクにおいて空燃比フィードバック
制御が行われていることを確認する。そして、フィード
バック制御中である場合には、ステップ22で機関回転速
度Neが所定速度以下であるか否かを判別し、所定の低
回転時であるときには、更に、ステップ23で基本燃料噴
射量Tp(機関負荷)が所定以下であるか否かを判別す
る。
【0037】上記ステップ22,23での判別によって、機
関の低回転・低負荷領域であることが判別されると、ス
テップ24へ進み、前記空燃比フィードバック補正係数α
R,αLの比例・積分制御において、空燃比のリーン→
リッチ反転時に補正係数αR,αLをスキップ的に減少
補正するための比例定数PL を増大補正する。前記比例
定数PL の増大補正により、空燃比フィードバック制御
の制御点がリーン側に修正されることになる。
【0038】即ち、前記判別される機関の低回転・低負
荷領域は、機関排気の低い運転領域であり、然も、ヒー
タ異常が生じているから、各酸素センサ14,15の応答速
度が悪く、始動直後の暖機中に空燃比フィードバック制
御が開始されたときに、前記制御応答の悪化によって増
量補正によるベース空燃比のリッチ化を応答良く収束さ
せることができず、ヒータ異常によって制御開始が遅れ
ることと相まって、始動時におけるHC排出量を大幅に
増大させることになってしまう。
【0039】そこで、前記比例定数PL の増大補正によ
り、空燃比フィードバック制御の制御点をリーン側に修
正することで、前記HC排出量の増大を少しでも減少さ
せるようにした。更に、ステップ25では、各バンクにお
ける空燃比学習を禁止し、前記比例定数PL の増大補正
を行っている状態で、誤学習されることを回避する。
【0040】尚、前記比例定数PL の増大補正は、水温
に応じた増量補正などが付加されているときに限定して
も良いが、たとえ目標空燃比よりもリーンに制御される
ようになっても低排温領域であるためにNOxへの跳ね
返りが少ないので、必ずしも前記限定を必要とするもの
ではない。また、低排温状態を、上記のように機関の回
転,負荷によって判別させる他、排気温度センサによっ
て直接的に検出させるようにしても良い。
【0041】ところで、上記実施例では、両バンクのヒ
ータに異常が生じたときに、空燃比フィードバック制御
の制御点をリーン側に修正するために、比例定数PL
増大補正したが、この他、酸素センサ14,15の出力に基
づくリッチ・リーン判定における判定レベルの修正や、
リッチ・リーン反転を検出してから実際に比例制御を実
行させるまでの遅延時間の修正などを行う構成であって
も良い。
【0042】また、本実施例では、V型内燃機関に適用
した場合を示したが、この他、水平対向機関や、直列多
気筒機関で複数気筒毎(6気筒で3気筒ずつ)に排気を
まとめて排出させる構成の機関であっても良く、更に、
3つ以上の気筒群に分けられる機関であっても良い。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、各
気筒群毎にヒータ付空燃比センサを設けて、空燃比フィ
ードバック制御を各気筒群別に行わせる空燃比フィード
バック制御装置において、ヒータ異常が発生しても、大
きく空燃比制御性が悪化することを抑止でき、特にヒー
タに異常が生じたときの始動直後における排気性状を改
善できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例を示すシステム概略図。
【図3】ヒータ異常時の空燃比制御を示すフローチャー
ト。
【図4】ヒータ異常時の空燃比制御を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
1 機関 3 エアフローメータ 4 スロットル弁 5 燃料噴射弁 6 コントロールユニット 7 水温センサ 8,9 排気マニホールド 10 排気通路 11,12 プリ触媒 13 メイン触媒 14,15 酸素センサ(空燃比センサ) 14a,15b ヒータ 17 クランク角センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの気筒群毎に独立した排気系を備えて
    なる内燃機関の空燃比フィードバック制御装置であっ
    て、 前記独立した排気系それぞれに設けられ、センサ素子を
    加熱するためのヒータが付設されると共に、機関吸入混
    合気の空燃比によって変化する排気中の特定成分の濃度
    に感応して出力値が変化する空燃比センサと、 前記空燃比センサそれぞれに設けられたヒータの正常・
    異常を各空燃比センサ別に診断するヒータ異常診断手段
    と、 該ヒータ異常診断手段により両方の空燃比センサのヒー
    タが正常であると診断されたときに、前記気筒群毎に設
    けられる空燃比センサの出力値に基づき各気筒群別に燃
    料供給量を補正するための空燃比フィードバック補正値
    を演算する正常時空燃比制御手段と、 前記ヒータ異常診断手段によりいずれか一方の空燃比セ
    ンサのヒータが異常であると診断されたときに、ヒータ
    が正常であると診断された空燃比センサの出力に基づき
    両気筒群に共通の前記空燃比フィードバック補正値を演
    算する一部異常時空燃比制御手段と、 前記ヒータ異常診断手段により両方の空燃比センサのヒ
    ータが異常であると診断されたときに、機関の排気温度
    が所定温度を越えるときには、前記気筒群毎に設けられ
    る空燃比センサの出力値に基づき通常に各気筒群別に前
    記空燃比フィードバック補正値を演算する一方、機関の
    排気温度が前記所定温度以下であるときには空燃比制御
    点をリーン側に修正しつつ、前記気筒群毎に設けられる
    空燃比センサの出力値に基づき各気筒群別に前記空燃比
    フィードバック補正値を演算する全異常時空燃比制御手
    段と、 を含んで構成されたことを 特徴とする内燃機関の空燃比
    フィードバック制御装置。
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