JP2905913B2 - 磁気ヘッドの洗浄方法 - Google Patents

磁気ヘッドの洗浄方法

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JP2905913B2 JP10752794A JP10752794A JP2905913B2 JP 2905913 B2 JP2905913 B2 JP 2905913B2 JP 10752794 A JP10752794 A JP 10752794A JP 10752794 A JP10752794 A JP 10752794A JP 2905913 B2 JP2905913 B2 JP 2905913B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ヘッドの洗浄方法に
関する。更に詳しくは、磁気ヘッド製造時における磁気
ヘッド部材の加工工程で用いられる固定用ワックスを加
工後洗浄除去するための洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】磁気ヘ
ッドはトラック加工された一対の磁性体コア材表面に封
着用の鉛系低融点ガラスをモールドし、次に、この磁気
ヘッド部材を試料台にワックスで固定し、封着用低融点
ガラス表面を研削、研磨した後、一対のコア材を突き合
わせて加熱し、いわゆるガラス溶着により相互に接合さ
れる。
【0003】従来、封着用低融点ガラス表面を研削、研
磨した後の磁気ヘッド部材固定用ワックスの除去には、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコ
ール系溶剤;ケロシン、ベンゼン、キシレン等の炭化水
素系溶剤;トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン
等の塩素系溶剤;トリクロロトリフルオロエタン等のフ
ロン系溶剤等の溶剤系洗浄剤が使用されていた。
【0004】しかしながら、アルコール系溶剤は安全性
に問題があり、又、炭化水素系溶剤、特にベンゼン、キ
シレン等は毒性が強く、労働安全衛生上の有害物に指定
されている化合物であって、これを取り扱う作業の危険
性及び煩雑さを考慮すると、洗浄剤として用いることは
好ましくない。
【0005】一方、塩素系及びフロン系の溶剤を用いる
洗浄剤は、安全性、毒性、環境汚染性等に大きな問題を
有していることが明らかにされ、国際レベルでその廃止
が進められている。
【0006】最近、磁気ヘッド部材固定用ワックス等の
汚れの洗浄にも水系の洗浄剤あるいは水でリンス可能な
洗浄剤の使用が検討されている。これらの洗浄剤は洗浄
剤に使用する界面活性剤やビルダー等を適宜選択配合す
ることにより溶剤系洗浄剤と同等以上の洗浄性を有する
こと、あるいは引火点が無いため火災や爆発の危険がな
い等種々の利点を有する。
【0007】しかしながら、これらの洗浄剤を用いて磁
気ヘッド部材固定用ワックスを洗浄する場合、封着用低
融点ガラスの表層から鉛イオン等の溶出、いわゆる「焼
け」が起こる。それに伴って、封着用低融点ガラスの表
層部の融点が上昇し、磁性体コア材接合時に接着不良を
起こす。又、「焼け」が発生した封着用低融点ガラスを
溶着させるために温度を上げると、特に、スパッタリン
グ等薄膜作成技術による磁性合金薄膜ヘッド部材では、
磁気特性が劣化するという不都合があった。
【0008】ここで、封着用低融点ガラスの「焼け」と
は、ガラス表面近傍の鉛、クロム、ナトリウムなどのア
ルカリ成分等が選択的に洗浄剤へ溶出し、その結果、表
面近傍にシリコンやホウ素等の酸化物からなる低屈折率
の層が形成される現象であり、初期の組成に比べて、こ
の「焼け」層の融点は高くなってしまう。
【0009】ガラス材質を対象とする水系洗浄剤につい
ては、これまでにも幾多の工夫がなされている。例えば
特開平5−271699号公報には、水酸化第四級アン
モニウム塩基をアルカリ基材とし、非イオン界面活性剤
とアルカノールアミンとを添加して得られる有機アルカ
リ水溶液を洗浄剤として使用することが示されている。
しかし、これを磁気ヘッド部材固定用ワックスの洗浄に
使用した場合、極性の低いワックスの洗浄性が充分では
なかった。
【0010】又、特開平5−302099号公報には、
エチレングリコールモノヘキシルエーテルと界面活性
剤、補助溶媒、水を包含する組成物を清浄剤として使用
することが示されている。しかし、これを磁気ヘッド部
材固定用ワックスの洗浄に使用した場合には、封着用低
融点ガラスの「焼け」防止効果が不充分であった。
【0011】一方、ガラス材質の「焼け」に関しては、
例えば窯業協会誌VOL87,No.1,(1979)に、
アルカリガラスのアルカリ溶液による表面層の浸食、い
わゆる「潜傷」をCa2+、テトラメチルアンモニウムイ
オン(N( CH3)4 + )の存在により遅らせることがで
きることが開示されている。しかし、本発明で対象とす
る封着用の低融点ガラスでは、アルカリ成分が鉛、クロ
ム等でイオン半径が大きく、その含有量も多いため、よ
り激しい溶出が起こる。又、ワックス中に含まれる成分
の中には、これらアルカリ成分と結合しやすいものがあ
り、「焼け」を著しく促進することから、低融点ガラス
では上記の浸食(エッチング)と異なる機構による「焼
け」が生じていると考えられる。
【0012】他方、水系洗浄剤については、これまでに
もアミン系化合物が併用されたものが有る。例えば、特
開昭59−134891号公報には、アルコールエーテ
ル系溶剤と水溶性アミンを併用することが示されてい
る。特開平4−122800号公報には、グリコール類
又はグリコールエーテル類、非イオン系界面活性剤と特
定のアミン系化合物の併用が、又、特開平4−1423
99号公報には、アルコール類、非イオン系界面活性剤
と特定のアミン系化合物の併用が、一方、特開平5−4
3895号公報には、炭素数6〜22の脂肪族アルコー
ルのアルキレンオキシド付加物とシクロヘキサン環を有
するアミン化合物を併用することが示されている。
【0013】又、特開平4−88098号公報には、飽
和1価アルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル型非イオン界面活性剤、水と特定のアミンの併用が、
又、特公平5−1840号公報には、特定のアルキルア
ミンと高沸点溶剤類、界面活性剤を併用することが示さ
れている。一方、特開平5−25494号公報には、シ
クロヘキシルアミンのエチレンオキシド1〜6モル付加
物を必須成分とすることが示されている。
【0014】しかし、これらの技術において用いられる
アミン系化合物は何れも一級アミン性の窒素を一分子中
に1個のみ含み、しかも一部のものは活性水素がアルキ
レンオキシドで置換されているもので、本発明のように
炭素数5〜7の脂肪族環状炭化水素基を有する水溶性ジ
アミンとは化学構造が異なるものである。また、このよ
うなアミン系化合物の相違により、従来法では封着用低
融点ガラスの「焼け」が発生し、表層部の融点が上昇す
るために、磁性体コア材接着時に接着不良を起こすとい
った問題点があった。
【0015】本発明の目的は、このようにこれまでに解
決されたことのない前記の課題を解決することにある。
即ち、従来の通常の水系洗浄剤による磁気ヘッド部材の
固定用ワックスの洗浄方法の持つ欠点を改良し、封着用
の低融点ガラスの「焼け」を阻止し、同時に洗浄性をも
高める磁気ヘッドの洗浄方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意研究を行った結果、磁気ヘッド部材
の固定用ワックスを水系洗浄剤で洗浄する際に、特定の
化合物を含有する組成物を洗浄剤として使用し、さらに
リンス液として、水道水を電気分解して得られたpHが
9.0〜11.0のアルカリイオン水の液温度を45℃
以下に保持したものを使用することにより、封着用の低
融点ガラスの「焼け」を阻止し、かつ洗浄性をも増大さ
せることができることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0017】即ち本発明の要旨は、磁気ヘッド加工に用
いられる固定用ワックスを加工後に洗浄するに際し、次
の成分(a)〜(c): (a)アルキル基の炭素数が3〜8のモノ又はポリアル
キレングリコールアルキルエーテル75〜96重量%、
(b)炭素数5〜7の脂肪族環状炭化水素基を有する水
溶性ジアミン0.5〜10重量%、及び(c)水3〜1
5重量%を含有する洗浄剤で洗浄した後、水道水を電気
分解して得られたpHが9.0〜11.0のアルカリイ
オン水の液温度を45℃以下に保持したものですすぎ洗
い(以下、「リンス」と称する)することを特徴とする
磁気ヘッドの洗浄方法、に関する。
【0018】本発明で用いられる(a)成分のグリコー
ルエーテル系化合物としては、アルキル基の炭素数が3
〜8のモノ又はポリアルキレングリコールアルキルエー
テルが用いられ、好ましくは炭素数が4〜6のものが用
いられる。アルキル基の炭素数がこの範囲より小さい
と、疎水性の強いワックスの洗浄性が劣る傾向がある。
また、引火点が低く、取扱い上注意を要するものがあ
る。一方、アルキル基の炭素数がこの範囲を越えると、
粘度が高くなり、また、洗浄力及びすすぎ性が低下する
傾向がある。
【0019】又、アルキレングリコールの一分子中の平
均モル数は、1〜4が好ましく、より好ましくは1〜3
である。この範囲を越えると、粘度が上昇し、洗浄液か
らリンス槽へ移行する量が多くなる傾向があり好ましく
ない。
【0020】具体的には、モノエチレングリコールモノ
アルキルエーテル類として、エチレングリコールモノプ
ロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル;ジエチ
レングリコールモノアルキルエーテル類として、ジエチ
レングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシル
エーテル;ジエチレングリコールジアルキルエーテル類
として、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジ
エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリ
コールジペンチルエーテル、ジエチレングリコールプロ
ピルペンチルエーテル、ジエチレングリコールジヘキシ
ルエーテル、ジエチレングリコールブチルヘキシルエー
テル、ジエチレングリコールプロピルヘキシルエーテ
ル;これらに対応するトリ又はテトラエチレングリコー
ルエーテル類;これらに対応するモノ、ジ、トリ又はテ
トラプロピレングリコールエーテル類等が挙げられる。
【0021】これらのうち、好ましくはエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキ
シルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエ
チレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノブチルエーテルである。
【0022】尚、これらのグリコールエーテル系化合物
は単独或いは併用しても何ら差し支えない。
【0023】これらのグリコールエーテル系化合物は、
例えば炭素数3〜8のアルコールに苛性ソーダ等の触媒
の存在下、加熱しながら炭素数2〜3のアルキレンオキ
シド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド等)を液
状又は気体状で加えて反応させることにより得られる。
また、更にこれらのアルキレンオキシド付加物の末端水
酸基をアルキルクロライド等を用いてアルキル化すれ
ば、ジアルキルエーテルを得ることができる。アルキレ
ンオキシドを付加させる場合には、2種以上のアルキレ
ンオキシドを混合して反応させるランダム付加重合又は
アルキレンオキシドを順次付加させるブロック付加重合
を行ってもよい。
【0024】これらのグリコールエーテル系化合物は、
洗浄剤組成物中に75〜96重量%、特に82〜94重
量%配合するのが好ましい。この範囲外では、充分な洗
浄性及びすすぎ性が得られにくい傾向がある。
【0025】(b)成分の炭素数5〜7の脂肪族環状炭
化水素基を有する水溶性ジアミンは、一級アミン性の窒
素を一分子中に2個含み且つ隣接して炭素数5〜7のシ
クロアルキル基を持つ化合物である。具体的には、炭素
数5のシクロアルキル基を持つものとして、1,3−ジ
アミノシクロペンタン、1−アミノ−3−アミノメチル
シクロペンタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロ
ペンタン、1−アミノメチル−3−アミノエチルシクロ
ペンタン、1−アミノメチル−3−アミノプロピルシク
ロペンタン、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1
−シクロペンタンメチルアミン;炭素数6のシクロアル
キル基を持つものとして、1,2−ジアミノシクロヘキ
サン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジア
ミノシクロヘキサン、2−メチル−1,3−ジアミノシ
クロヘキサン、2−メチル−1,4−ジアミノシクロヘ
キサン、2−メチル−1,5−ジアミノシクロヘキサ
ン、2−メチル−1,6−ジアミノシクロヘキサン、4
−メチル−1,2−ジアミノシクロヘキサン、2,5−
ジメチル−1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,5−
ジメチル−1,2−ジアミノシクロヘキサン、2,4,
6−トリメチル−1,3−ジアミノシクロヘキサン、
2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノシク
ロヘキサン、2−アミノメチルシクロヘキシルアミン、
3−アミノエチルシクロヘキシルアミン、1,2−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミ
ノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノエチ
ル)シクロヘキサン、1,8−ジアミノ−P−メンタ
ン;炭素数7のシクロアルキル基を持つものとして、
1,3−ジアミノシクロヘプタン、1,4−ジアミノシ
クロヘプタン、1−アミノ−4−アミノメチルシクロヘ
プタン、1,4−ビス(アミノエチル)シクロヘプタ
ン、1−アミノメチル−3−アミノエチルシクロヘプタ
ン等が挙げられる。
【0026】これらのうち、好ましくは5−アミノ−
2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルア
ミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジア
ミノシクロヘキサン、2−メチル−1,3−ジアミノシ
クロヘキサン、2−メチル−1,5−ジアミノシクロヘ
キサン、2−メチル−1,6−ジアミノシクロヘキサ
ン、4−メチル−1,2−ジアミノシクロヘキサン、
2,5−ジメチル−1,4−ジアミノシクロヘキサン、
4,5−ジメチル−1,2−ジアミノシクロヘキサン、
2,4,6−トリメチル−1,3−ジアミノシクロヘキ
サン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミ
ノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シク
ロヘキサン、1,8−ジアミノ−P−メンタンである。
これらの水溶性ジアミンは、単独或いは併用しても何ら
差し支えない。
【0027】又、これらの水溶性ジアミンは、洗浄剤組
成物中に0.5〜10重量%、特に1〜5重量%配合す
るのが好ましい。この範囲未満では、封着用低融点ガラ
スの「焼け」阻止効果が充分でなくなる傾向がある。こ
の範囲を越えると、コストが高くなってしまって得策で
ないばかりか、洗浄剤の粘度が上昇して、リンス工程で
洗浄剤などが充分にリンスされなくなる傾向がある。
【0028】炭素数が5未満のシクロアルキル基を有す
る水溶性ジアミンは合成が困難で、非常に高価となる。
一方、炭素数が7を越えるシクロアルキル基を有する水
溶性ジアミンは非常に不安定で、配合後分解してしま
い、本発明の効果を示さなくなる。
【0029】上記のような炭素数5〜7の脂肪族環状炭
化水素基を有する水溶性ジアミンは、従来より用いられ
るアミン系化合物が何れも一級アミン性の窒素を一分子
中に1個のみ含み、しかも一部のものは活性水素がアル
キレンオキシドで置換されているため、それらとは化学
構造が明らかに異なるものである。
【0030】上記の水溶性ジアミンの製造方法として
は、特に限定されることなく、従来公知の方法を用いる
ことができる。例えば、ニトリル基の水素還元、ニトロ
基のアミノ基化、ハロゲン化物とアンモニアの脱塩酸反
応によるアミノ化、水酸基とアンモニアの脱水反応によ
るアミノ化等の常法により、製造することができる。
【0031】(c)成分の水は安全性及び洗浄性の面か
ら、全組成物中に3〜15重量%、好ましくは5〜10
重量%配合される。また(c)成分の水は、後述のリン
スに用いられるようなアルカリイオン水である必要は特
になく、超純水、純水、イオン交換水あるいは飲料に用
いられる一般の水道水でよい。
【0032】本発明の洗浄方法に係わる洗浄剤組成物に
おいては、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応
じて、通常洗浄剤に用いられる他の界面活性剤、ヒドロ
キシエチルアミノ酢酸、ヒドロキシエチルイミノ2酢
酸、エチレンジアミンテトラ酢酸等のアミノカルボン酸
塩等の有機系又は無機系のキレート力を持つ化合物、防
腐剤、防錆剤、シリコン等の消泡剤、アミン系やフェノ
ール系の酸化防止剤、ヤシ脂肪酸メチルや酢酸ベンジル
等のエステル、炭化水素系溶剤、アミン系添加剤あるい
はアルコール類等の各種の添加剤を適宜併用することが
できる。その場合の配合量は、通常5重量%以下、好ま
しくは1重量%以下である。
【0033】本発明の洗浄方法に係わる洗浄剤組成物
は、前記(a)〜(c)成分及び任意成分(添加剤)等
を常法により混合することにより製造することができ
る。
【0034】本発明の洗浄方法で用いられるアルカリイ
オン水は、水道水を電気分解して得られたpHが9.0
〜11.0のアルカリイオン水であって、その液温度を
45℃以下に保持したものが用いられる。好ましくは、
pHが9.5〜10.5の範囲になるように電気分解し
て得られるアルカリイオン水であって、40℃以下に保
持したものが用いられる。ここで水道水としては、通
常、浄化処理されて、色度が5度以下、濁度が2度以
下、pHが5.5〜8.5、塩素イオンが5〜200p
pm、全硬度が10〜90mgCaCO3 /Lの水道水
が用いられる。アルカリイオン水のpHが9.0未満ま
たは水温が45℃を越えると「焼け」防止効果が低下す
る傾向がある。一方、pHが11.0を越えるアルカリ
イオン水を得るためには、大きな電力を必要とし、経済
的ではない。
【0035】封着用低融点ガラスの「焼け」は、水が介
在するすべての工程で発生するため、洗浄から乾燥まで
のすべての工程で「焼け」防止対策が必要となる。特
に、リンス工程以降は「焼け」防止効果のある洗浄剤濃
度が非常に低くなり、多量の水にさらされるため、より
「焼け」易い環境となる。即ち、洗浄工程のみならず、
リンス工程においても「焼け」対策が必要となる。
【0036】このため、本発明ではリンス工程でアルカ
リイオン水を用いることにより、「焼け」を有効に防止
している。原水としては、電気分解に必要な量以上の溶
存イオン及び夾雑物は乾燥後シミとして残るので、前記
のように浄化処理された水道水を用いる。更に、水道水
は低価格であり、電気分解のために添加剤を加える必要
がなく、これら添加剤による悪影響を排除することが出
来る。但し、電気分解によってpH9.0〜11.0の
アルカリイオン水を得るためには、ある程度の電解質、
すなわち、塩素イオン5ppm以上、全硬度10mgC
aCO3 /L以上が必要である。
【0037】本発明における水系洗浄剤による磁気ヘッ
ド部材の洗浄は、ワックスの付着した磁気ヘッド部材を
前記のような洗浄剤で洗浄した後、前記のようなアルカ
リイオン水でリンスし、乾燥することによって行われ
る。
【0038】本発明の洗浄方法は、浸漬法、超音波洗浄
法、浸漬揺動法、スプレー法、手拭き法等の各種の洗浄
方法が採用でき、かつ好ましい結果を得ることができ
る。
【0039】
【実施例】以下に本発明を製造例、実施例及び比較例を
もって詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に
より制限されるものではない。
【0040】製造例1 1リットルのオートクレーブに、ジオキサン(試薬;関
東化学(株)製)313重量部、2,6−ジアミノトル
エン(試薬;ALDRICH CHEMICAL COMPANY, INC.製)12
5重量部、酸化ルテニウム触媒(NEケミキャット
(株)製)2.5重量部を入れ、100℃に昇温後、水
素を135気圧で導入し、4時間反応させた。その後、
メンブランフィルターにて濾過後、ロータリーエバポレ
ーターで脱溶剤し、2−メチル−1,3−ジアミノシク
ロヘキサンを86%の収率で得た。
【0041】製造例2 1リットルのオートクレーブに、ジオキサン(試薬;関
東化学(株)製)313重量部、2,3,5,6−テト
ラメチル−1,4−フェニレンジアミン(試薬;ALDRIC
H CHEMICAL COMPANY, INC.製)125重量部、酸化ルテ
ニウム触媒(NEケミキャット(株)製)2.5重量部
を入れ、100℃に昇温後、水素を135気圧で導入
し、4時間反応させた。その後、メンブランフィルター
にて濾過後、ロータリーエバポレーターで脱溶剤し、
2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノシク
ロヘキサンを79%の収率で得た。
【0042】実施例1〜10及び比較例1〜10 表1に示すような成分からなる水系洗浄剤(A〜P)を
用いて洗浄し、表3に示すアルカリイオン水(a〜i)
を用いてリンスすることにより、洗浄試験を行った。そ
の結果を表4に示す。なお、表2は表1に示す化合物の
由来を示すものである。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】なお、試験条件等は以下のとうりである。 (テストピースの作製)長さ25mm×幅2mm×厚さ
1mmのセラミック基板にSiO2 :B2 3:Pb
O:ZnO:Al2 3 =4:7:86:1:2(重量
%)なる組成を持つ封着用低融点ガラスをモールドした
後、アルコワックス542F(日化精工(株)製)で治
具に固定、研磨加工したものをテストピースとした。
【0048】(洗浄試験)上記のテストピースを65℃
に保った表1記載の水系洗浄剤に浸漬し、45kHz,
200Wの超音波洗浄機で5分間洗浄した。次いで、表
3記載のリンス水に浸漬し、洗浄と同様の超音波洗浄機
で1分間リンスした。そして、1分間エアーブローした
後、送風低温乾燥機にて80℃で3分間乾燥した。
【0049】(評価方法及び評価基準) 洗浄性は、光学顕微鏡、倍率100倍にて、目視によ
り次の基準で評価を行った。 ◎:表面にワックスの残着がなく極めて清浄、非常に良
好 ○:表面にワックスの残着がほとんどなく、良好 △:表面にワックスの残着がわずかにあり、やや悪い ×:表面にワックスの残着があり、悪い
【0050】洗浄後の封着用低融点ガラスの「焼け」
は、光学顕微鏡、倍率100倍にて、目視により次の基
準で評価を行った。 ◎:ガラス表面に変色、エッチングが観測されず、洗浄
前と変化がない。 ○:ガラス表面にまだらに茶色系の変色が少し観察され
る。 △:ガラス表面全体が茶色〜青色に変色しているのが観
測される。 ×:ガラス表面が変色しているだけではなく、エッチン
グされて光沢が無くなっているのが観測される。
【0051】洗浄後の封着用低融点ガラスの軟化点
は、高温顕微鏡、倍率100倍にて、目視により測定し
た。
【0052】以上の結果が示すように、本発明の洗浄方
法で洗浄性、「焼け」の防止、軟化点のいずれも良好で
あった。これに対して、モノアミン化合物を用いた比較
例1〜3、アルキル基の炭素数が小さいグリコールエー
テル系化合物を用いた比較例4〜8、リンスにアルカリ
イオン水を用いなかった比較例9〜10は、いずれも軟
化点が高くなり、また洗浄性、「焼け」の防止も不十分
であった。
【0053】
【発明の効果】本発明によると、従来の通常の水系洗浄
剤による磁気ヘッド部材の固定用ワックスの洗浄方法の
持つ欠点を改良し、封着用の低融点ガラスの「焼け」を
阻止すると同時に、洗浄性をも高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 5/127 G11B 5/127 D (56)参考文献 特開 平5−125395(JP,A) 特開 平4−122800(JP,A) 特開 平6−49497(JP,A) 特開 平5−43895(JP,A) 特開 平5−287300(JP,A) 特開 昭63−69897(JP,A) 特開 平7−166197(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11D 7/60 C11D 7/26 C11D 7/32 C11D 7/50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッド加工に用いられる固定用ワッ
    クスを加工後に洗浄するに際し、次の成分(a)〜
    (c): (a)アルキル基の炭素数が3〜8のモノ又はポリアル
    キレングリコールアルキルエーテル75〜96重量%、
    (b)炭素数5〜7の脂肪族環状炭化水素基を有する水
    溶性ジアミン0.5〜10重量%、及び(c)水3〜1
    5重量%を含有する洗浄剤で洗浄した後、水道水を電気
    分解して得られたpHが9.0〜11.0のアルカリイ
    オン水の液温度を45℃以下に保持したものですすぎ洗
    いすることを特徴とする磁気ヘッドの洗浄方法。
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