JP2905878B1 - 複合熱電材料の作製方法 - Google Patents

複合熱電材料の作製方法

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JP2905878B1 JP10146558A JP14655898A JP2905878B1 JP 2905878 B1 JP2905878 B1 JP 2905878B1 JP 10146558 A JP10146558 A JP 10146558A JP 14655898 A JP14655898 A JP 14655898A JP 2905878 B1 JP2905878 B1 JP 2905878B1
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Abstract

【要約】 【課題】 鉄−シリコン化合物熱電材料において、マグ
ネシウム−シリコン化合物熱電材料、セラミックス中空
粒子、セラミックス粒子などを微細に分散させる方法を
提供する。 【解決手段】 鉄粉末、シリコン粉末、コバルト粉末と
その不可避なる金属元素を、鉄に対するシリコンの原子
比率を1:2とし、さらに、鉄の原子の100分の2か
ら100分の16の原子比率でコバルトに置き換えた混
合粉末に対し、マグネシウムに対するシリコンの原子比
率を2:1とした混合粉末を重量比率で5:1から1:
1の割合で同時に配合して機械的合金化処理を行い、ま
た、得られた粉末にセラミックス中空粒子を重量比で2
0:1から1:1の割合になるように添加して、機械的
合金化処理を行い、明瞭なる鉄シリコン化合物の生成を
抑えた混合粉末を作製し、得られた粉末を焼結すること
によって、鉄ダイシリサイドとマグネシウムシリサイド
がナノメートルレベルで合金化した焼結体や、セラミッ
クス中空粒子が均一に分散した焼結体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FeSi2 基の材料に
様々な材料を複合化して構成相を複合化した熱電材料お
よびその作製方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、鉄粉末、シリコン粉末、コバルト粉末およびマグネ
シウム粉末を機械的合金化法により合金化し、複数の構
成相が微細に分散、複合化した鉄−シリコン化合物、マ
グネシウム−シリコン化合物の2種類の金属間化合物相
からなる熱電材料の製造方法、さらにセラミックス中空
粒子を添加した複合熱電材料の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】鉄に対するシリコンの原子比率を1:2
とした金属間化合物は動作範囲が広く、耐酸化性に優れ
た熱電材料である。しかし、当該金属間化合物は、熱電
材料の性能を評価する性能指数Zは低く、その性能指数
の向上が期待されている。従来、機械的合金化法を利用
し、結晶内に歪みを生じさせたり、セラミックス粉末を
混合するなどして熱伝導率を低下させ、性能指数の向上
が図られてきた。ところで、性能指数Zはゼーベック係
数、電気伝導率、熱伝導率によって評価されるため、い
ずれの物性値を向上させても、逆に低下する物性値が生
じてしまうという問題がある。通常、性能指数は温度と
掛け合わせて無次元化して評価されるが、その一基準で
あるZT=1は依然として満足できていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、FeSi2 基の材料に様々な材料を
複合化して熱電特性への影響を種々検討するとともに、
優れた熱電特性を有する新規な熱電材料を作製すること
を目標として鋭意研究を積み重ねた結果、FeSi2
の材料に他の金属間化合物、セラミックス中空粒子等を
微細分散させることにより所期の目的を達成し得ること
を見いだした。即ち、本発明者らは、上記の問題点を解
決するために鋭意研究した結果、以下の結果を見いだ
し、本発明を完成した。まず、鉄粉末とシリコン粉末を
原子比でFe:Si=1:2となるように配合し、さら
に原子比で鉄の100分の2から100分の16をコバ
ルト粉末で置き換えたものを機械的合金化処理(MA)
を行い、機械的合金化処理の際に、全重量の20%から
50%をマグネシウム粉末とシリコン粉末が原子比でM
g:Si=2:1となるように配合した粉末で置き換え
ることで明瞭なる金属間化合物が存在しない混合粉末を
得ることができることを見いだした。さらに、機械的合
金化処理をセラミックス粒子とともに行うことで、セラ
ミックス粒子表面に鉄−シリコン混合層が作製できるこ
とを見いだした。また、MA後の粉末やMA後の粉末に
セラミックス中空粒子を乾式混合した粉末を多段焼結す
ることによって複数の構成相が微細に分散、複合した熱
電材料を得ることができることを見いだした。本発明
は、鉄−シリコン金属間化合物に他の金属間化合物、セ
ラミックス中空粒子等を微細分散させる方法を提供する
ためになされたものである。本発明は、鉄−シリコン化
合物、マグネシウム−シリコン化合物を均一微細に分散
し、優れた熱電特性を有する熱電材料を製造することを
目的とするものである。また、本発明は、FeSi2
材料にセラミックス中空粒子を添加した複合熱電材料を
製造することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、以下の技術的手段からなる。 (1)鉄粉末、シリコン粉末、コバルト粉末およびマグ
ネシウム粉末とその不可避なる金属元素を、鉄に対する
シリコンの原子比率を1:2とし、さらに、鉄の原子の
100分の2から100分の16の原子比率でコバルト
に置き換えた混合粉末に対し、マグネシウムに対するシ
リコンの原子比率を2:1とした混合粉末を重量比率で
5:1から1:1の割合で配合し、機械的合金化処理を
行い、明瞭なる鉄−シリコン化合物、マグネシウム−シ
リコン化合物の生成を抑えた混合粉末。 (2)前記(1)において作製した混合粉末に対し、中
空セラミックス粒子を重量比率で20:1から1:1の
割合で混合した混合粉末。 (3)前記(1)において作製した混合粉末の焼結体か
らなる複合熱電材料。 (4)前記(2)において作製した混合粉末の焼結体か
らなる複合熱電材料。 (5)鉄粉末、シリコン粉末、コバルト粉末とその不可
避なる金属元素を、鉄に対するシリコンの原子比率を
1:2とし、さらに、鉄の原子の100分の2から10
0分の16の原子比率でコバルトに置き換えた混合粉末
を機械的合金化処理を行い、明瞭なる鉄−シリコン化合
物の生成を抑えた混合粉末に対し、中空セラミックス粒
子を重量比率で20:1から1:1の割合で混合した混
合粉末。 (6)前記(5)において作製した複合粉末の焼結体か
らなる複合熱電材料。 (7)鉄粉末、シリコン粉末、コバルト粉末とその不可
避なる金属元素を、鉄に対するシリコンの原子比率を
1:2とし、さらに、鉄の原子の100分の2から10
0分の16の原子比率でコバルトに置き換えた混合粉末
を直径5mm以下のセラミックス粒子とともに機械的合
金化処理を行い、セラミックス粒子表面に鉄−シリコン
混合層をコーティングした粒子。 (8)前記(7)において作製した粒子の焼結体からな
る複合熱電材料。 (9)上記(1)、(2)、(5)又は(7)において
作製した混合粉末又は粒子を通電加熱等により多段焼結
して固化成形することからなる複数の構成相が微細に分
散、複合化した焼結体の製造方法。 (10)上記焼結体からなる複合熱電材料。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明に用いる材料には、例えば、市販の
鉄粉末、シリコン粉末、マグネシウム粉末、コバルト粉
末、セラミックス粒子、セラミックス中空粒子が利用で
きる。本発明において、不可避なる金属元素とは、製錬
技術上、原料粉末に混入、残存する不純物としての金属
元素を意味する。粉末、粒子の大きさについては特に指
定しないが、一般的には数十ミクロンから数ミリの粉末
が利用できる。ただ、鉄とシリコンの原子比率は1:
2、そのうち原子比率で鉄の100分の2から100分
の16をコバルト粉末で置き換える。また、粉末全重量
の20%から50%をマグネシウムとシリコンの原子比
率が2:1となるように配合した粉末で置き換える。
【0006】機械的合金化処理には、例えば、乾式の粉
砕機が利用でき、振動型ボールミル、遊星型ボールミ
ル、転動型ボールミル、アトライターなどが利用でき
る。機械的合金化処理時の雰囲気は、粉末の酸化を防止
するために、不活性ガス雰囲気や減圧雰囲気が好まし
い。また、機械的合金化処理時に金属粉末が容器やボー
ルに付着しないようミリング助剤を総重量の5重量%以
下程度添加してもよい。
【0007】機械的合金化に供する時間は50時間から
300時間とする。50時間より短いと各元素の混合状
態が不十分で、微細混合には至っていない。また、30
0時間を超えると鉄−シリコン化合物、マグネシウム−
シリコン化合物が生成される場合がある。さらに、機械
的合金化時の圧力伝達媒体としては、鋼球、セラミック
ス球、超硬球などの一般的な粉砕球が利用できる。
【0008】所定の組成に配合された鉄、シリコン、コ
バルトの粉末、あるいは鉄、シリコン、コバルト、マグ
ネシウムの粉末を機械的合金化処理により合金化した粉
末は、数マイクロメートル以下の微細な粉末であり、そ
の内部は微細な結晶や非晶質で構成されている。ただ、
X線回折によって構造の解析、相の固定を行った結果、
この粉末には明瞭なる鉄−シリコン化合物やマグネシウ
ム−シリコン化合物の生成は認められない。粉末は大気
中での取り出しは可能であるが、部分的な加熱によって
も大気中の酸素と容易に反応する。
【0009】所定の組成に配合された鉄、シリコン、コ
バルトの粉末をセラミックス粒子とともに機械的合金化
処理した粒子は、セラミック粒子が粉砕されず、セラミ
ックス粒子表面に数十から数百マイクロメートルの鉄−
シリコン混合層が形成されている。
【0010】得られた粉末を固化するための雰囲気は、
粉末の酸化を防止するために、不活性ガス雰囲気や減圧
あるいは真空雰囲気が好ましい。加熱方法は特に指定し
ないが、短時間で目的温度に到達する方法が好ましく、
例えば、通電加熱や赤外線イメージ炉、高周波加熱炉、
雷放電が好適なものとして利用できる。また、加熱時に
は成形性を向上するために、加圧することが好ましい。
加圧方法は特に指定しないが、一般的には油圧や空圧を
利用した一軸の加圧や、ガス圧を利用した等方的な加圧
が利用される。
【0011】機械的合金化処理した粉末の一部にセラミ
ックス中空粒子を重量比で20:1から1:1の割合に
なるように添加する。セラミックス中空粒子の混合はセ
ラミックス中空粒子の破裂を防ぐため、乳鉢混合などの
低エネルギーでの混合を行う必要がある。
【0012】加熱温度は、試料組成、加圧条件により変
化する。マグネシウム−シリコン混合粉末を含有してい
る場合は、350℃から400℃で5分から10分程度
保持する。ここで、マグネシウムとシリコンの反応を促
進させる。次に、800℃から900℃で5分程度保持
する。ここで鉄−シリコン化合物を焼結させる。さら
に、600℃から700℃に下げて10分から20分間
保持する。ここで鉄シリコン化合物をε化合物からβ化
合物へ変化させる。上記MA後の粉末やMA後の粉末に
セラミックス中空粒子を乾式混合した粉末を多段焼結す
ることによって複数の構成相が微細に分散、複合した焼
結体を得ることができる。
【0013】表面に鉄−シリコン混合層をコーティング
したセラミックス粒子は電極間に積層した後、結合させ
る。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明する。しかし、本発明は当該実施例によって何
ら限定されない。 実施例1 鉄粉末(神戸製鋼所鉄粉)15.6gに、シリコン粉末
(ナカライテスク試薬特級)18.9gとコバルト粉末
(和光純薬試薬特級)0.3g、マグネシウム粉末(和
光純薬試薬特級)5gを添加し、ミリング助剤としてス
テアリン酸0.7gを加えて遊星型ボールミルにて10
0時間の機械的合金化処理を行った。機械的合金化処理
時の雰囲気は500mmHgの減圧アルゴンガス雰囲気
とし、粉末とボールの重量比が約0.1になるようにし
た。容器と10mm径の粉砕球にはクロム鋼を用いた。
得られた材料は、数マイクロメートル程度の粉末であ
り、鉄−シリコン化合物、マグネシウム−シリコン化合
物の合成は認められない。
【0015】得られた混合粉末5gを直径15mmの黒
鉛型にいれ、約1mmHgの真空中で通電加熱による固
化成形を行った。焼結は、340kgf/cm2 の加圧
下にて400℃で5分間保持した後、850℃まで昇温
し、850℃で5分間保持しさらに、650℃まで降温
して10分間保持することによって行った。
【0016】得られた成形体は、X線回折、SEM/E
DXによって構造の解析、相の同定を行った結果、鉄ダ
イシリサイドとマグネシウムシリサイドが均一に分散し
ており、かつ、緻密な成形体となっていた。
【0017】実施例2 鉄粉末(神戸製鋼所鉄粉)12.8gに、シリコン粉末
(ナカライテスク試薬特級)18.4gとコバルト粉末
(和光純薬試薬特級)1.2g、マグネシウム粉末(和
光純薬試薬特級)7.6gを添加し、ミリング助剤とし
てステアリン酸0.7gを加えて遊星型ボールミルにて
200時間の機械的合金化処理を行った。機械的合金化
処理時の雰囲気は500mmHgの減圧アルゴンガス雰
囲気とし、粉末とボールの重量比が約0.1になるよう
にした。容器と10mm径の粉砕球にはクロム鋼を用い
た。得られた材料は、数マイクロメートル程度の粉末で
あり、鉄−シリコン化合物、マグネシウム−シリコン化
合物の合成は認められない。
【0018】得られた粉末4.5gに、シラスバルーン
(イヂチ化成)0.5gを添加し、粉末重量の10%を
セラミックス中空粒子とした。
【0019】得られた混合粉末を直径15mmの黒鉛型
にいれ、約1mmHgの減圧雰囲気で通電加熱による固
化成形を行った。焼結は、340kgf/cm2 の加圧
下にて400℃で5分間保持した後、800℃まで昇温
し、800℃で5分間保持しさらに、650℃まで降温
して10分間保持することによって行った。
【0020】得られた成形体は、X線回折、SEM/E
DXによって構造の解析、相の同定を行った結果、鉄ダ
イシリサイドとマグネシウムシリサイドが均一に分散し
ており、かつ、セラミックス中空粒子が均一に分散して
いた。
【0021】実施例3 鉄粉末(神戸製鋼所鉄粉)19.1gに、シリコン粉末
(ナカライテスク試薬特級)20gとコバルト粉末(和
光純薬試薬特級)0.8gを添加し、ミリング助剤とし
てステアリン酸0.7gを加えて遊星型ボールミルにて
200時間の機械的合金化処理を行った。機械的合金化
処理時の雰囲気は500mmHgの減圧アルゴンガス雰
囲気とし、粉末とボールの重量比が約0.1になるよう
にした。容器と10mm径の粉砕球にはクロム鋼を用い
た。得られた材料は、数マイクロメートル程度の粉末で
あり、鉄−シリコン化合物の合成は認められない。
【0022】得られた粉末4gにシラスバルーン(イヂ
チ化成)1gを添加し、粉末重量の20%をセラミック
ス中空粒子とした。
【0023】得られた混合粉末を直径15mmの黒鉛型
にいれ、窒素雰囲気中で通電加熱による固化成形を行っ
た。焼結は、340kgf/cm2 の加圧下にて800
℃で5分間保持し、さらに、650℃まで降温して10
分間保持することによって行った。
【0024】得られた成形体は、X線回折、SEM/E
DXによって構造の解析、相の同定を行った結果、鉄ダ
イシリサイド中にセラミックス中空粒子が均一に分散し
ていた。
【0025】実施例4 鉄粉末(神戸製鋼所鉄粉)2.4gに、シリコン粉末
(ナカライテスク試薬特級)2.5gとコバルト粉末
(和光純薬試薬特級)0.1gを添加し、直径2mmの
ジルコニア球20球とともに振動型ボールミルにて20
0時間の機械的合金化処理を行った。機械的合金化処理
時の雰囲気は560mmHgの減圧アルゴンガス雰囲気
とし、粉末とボールの重量比が約0.05になるように
した。容器はステンレス鋼、10mm径の粉砕球にはク
ロム鋼を用いた。得られた材料は、数マイクロメートル
程度の粉末および、表面に数十から数百マイクロメート
ルの鉄−シリコン混合層が形成されているジルコニア球
であり、鉄−シリコン化合物の合成は認められない。
【0026】得られたジルコニア球を直径10mmの石
英管にいれ、上下から電極によって340kgf/cm
2 の加圧下にて固定した。電極に10kV、10kAを
瞬時に印加することにより、粒子同士を接合した。
【0027】得られた成形体は粒子同士が接合されてお
り、ハンドリングできる強度を有するバルク体が作製で
きた。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、FeS
2 基の材料に様々な材料を複合化して構成相を複合化
した熱電材料およびその製造方法に係るものであり、本
発明の複合熱電材料作製方法を用いることにより、鉄−
シリコン化合物、マグネシウム−シリコン化合物を均一
微細に分散し、優れた熱電特性を有する熱電材料を作る
ことができる。従来、熱電材料の性能を向上させるには
ドーピング材の適正添加、機械的合金化処理による結晶
格子への大歪みの導入などがあげられるが、本発明で
は、セラミックス粒子を用いることで、さらに効率的に
熱伝導率を低下させることが期待できる。また、本発明
は、従来、制御がほとんど不可能であったゼーベック係
数αについても、鉄とマグネシウムを原子レベルで合金
化することにより、各元素の電子状態に影響を与え、制
御できる可能性があり、熱電材料の工業的な用途の拡大
に貢献できるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MA後の粉末及び焼結後の成形体のX線回折結
果を示す。
【図2】FeSi2 −Mg2 Si焼結体のSEM像を示
す。
【図3】FeSi2 −セラミックス中空粒子焼結体のS
EM像を示す。
フロントページの続き (72)発明者 西尾 敏幸 愛知県名古屋市名東区平和が丘1丁目70 番地 猪子石住宅1棟501号 (56)参考文献 特開 平9−20512(JP,A) 特開 平8−306963(JP,A) 特開 平2−27779(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22F 1/00 - 3/26 C22C 33/02 - 33/02 103 H01L 35/34

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄粉末、シリコン粉末、コバルト粉末お
    よびマグネシウム粉末とその不可避なる金属元素を、鉄
    に対するシリコンの原子比率を1:2とし、さらに、鉄
    の原子の100分の2から100分の16の原子比率で
    コバルトに置き換えた混合粉末に対し、マグネシウムに
    対するシリコンの原子比率を2:1とした混合粉末を重
    量比率で5:1から1:1の割合で配合し、機械的合金
    化処理を行い、明瞭なる鉄−シリコン化合物、マグネシ
    ウム−シリコン化合物の生成を抑えた混合粉末。
  2. 【請求項2】 請求項1において作製した混合粉末に対
    し、中空セラミックス粒子を重量比率で20:1から
    1:1の割合で混合した混合粉末。
  3. 【請求項3】 請求項1において作製した混合粉末の焼
    結体からなる複合熱電材料。
  4. 【請求項4】 請求項2において作製した混合粉末の焼
    結体からなる複合熱電材料。
  5. 【請求項5】 鉄粉末、シリコン粉末、コバルト粉末と
    その不可避なる金属元素を、鉄に対するシリコンの原子
    比率を1:2とし、さらに、鉄の原子の100分の2か
    ら100分の16の原子比率でコバルトに置き換えた混
    合粉末を機械的合金化処理を行い、明瞭なる鉄−シリコ
    ン化合物の生成を抑えた混合粉末に対し、中空セラミッ
    クス粒子を重量比率で20:1から1:1の割合で混合
    した混合粉末。
  6. 【請求項6】 請求項5において作製した複合粉末の焼
    結体からなる複合熱電材料。
  7. 【請求項7】 鉄粉末、シリコン粉末、コバルト粉末と
    その不可避なる金属元素を、鉄に対するシリコンの原子
    比率を1:2とし、さらに、鉄の原子の100分の2か
    ら100分の16の原子比率でコバルトに置き換えた混
    合粉末を直径5mm以下のセラミックス粒子とともに機
    械的合金化処理を行い、セラミックス粒子表面に鉄−シ
    リコン混合層をコーティングした粒子。
  8. 【請求項8】 請求項7において作製した粒子の焼結体
    からなる複合熱電材料。
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