JP2905205B2 - 鋳物製造法 - Google Patents

鋳物製造法

Info

Publication number
JP2905205B2
JP2905205B2 JP63097505A JP9750588A JP2905205B2 JP 2905205 B2 JP2905205 B2 JP 2905205B2 JP 63097505 A JP63097505 A JP 63097505A JP 9750588 A JP9750588 A JP 9750588A JP 2905205 B2 JP2905205 B2 JP 2905205B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casting
mold
carbon film
parts
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63097505A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01271054A (ja
Inventor
等 船田
一彦 木内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP63097505A priority Critical patent/JP2905205B2/ja
Publication of JPH01271054A publication Critical patent/JPH01271054A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2905205B2 publication Critical patent/JP2905205B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mold Materials And Core Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、無塗型で平滑な鋳肌を得る鋳物製造法に関
する。更に詳しくは、鋳型と鋳物の界面に炭素膜を形成
させることにより塗型を全く必要としないか、あるいは
ほとんど必要としないで平滑な鋳肌を得る鋳物製造法に
関するものである。
〔従来の技術〕
鋳造用鋳型に対しては、従来から溶融金属が鋳型を形
成する砂粒子の間隙中に浸入し、鋳物表面が粗面化する
のを防止するために鋳型を造型してから塗型剤を塗布し
ていた。これらの塗型剤は刷毛塗り、スプレー、浸漬な
どの方法によって塗布されている。
〔発明が解決しようとする課題〕 塗型剤の塗布方法としては、一般的に刷毛塗り、スプ
レーが比較的多く用いられているが、何れも塗型の膜厚
を均一にすることが困難であり、鋳物表面に刷毛目ある
いは凹凸ができたりする。また、この塗型作業は作業能
率向上の点からも好ましくなく、また鋳型製作費のコス
トアップにつながるという問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の課題を解決するために、塗型を全
く必要としないか、あるいはほとんど必要としない鋳物
製造法を提供することを目的とし鋭意研究を行った結
果、鋳造時に鋳型と鋳物の界面に特定の物性を有する炭
素膜を形成させることにより前記の課題を解決し得るこ
とを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、高周波誘導加熱法により不活性ガス
雰囲気下1000〜1050℃に急速加熱した時に、ベンゼンや
メチル基あるいはエチル基で置換された芳香族化合物を
発生するような有機粘結剤を主成分とする粘結剤により
造型された鋳型に1200℃〜1800℃の溶湯に注入し、鋳型
と鋳物との界面に下記特性を有する炭素膜を生成させな
がら鋳造することを特徴とする鋳物製造法。
(1)炭素膜のラマン分光スペクトルが1330〜1390cm-1
と1550〜1630cm-1にバンドを持ち、その相対強度が0.5
〜2.0、好ましくは0.8〜1.3である。
(2)炭素膜のX線回折による炭素の(002)面の面間
隔が3.35〜4.25Å、好ましくは3.40〜3.90Åである。
本発明において、鋳型と鋳物との界面に生成させる上
記の如き特性を有する炭素膜は、部分的に結晶化した炭
素の連続薄層であり、かかる薄層の生成により上記の如
き本発明の目的が達成される。
尚、本発明において、ラマン分光スペクトルの2つの
バンドの相対強度とは、第1図の如く1000〜1800cm-1
かけてのベースラインからの1330〜1390cm-1バンドの高
さ(B)の1550〜1630cm-1バンドの高さ(A)に対する
比(B/A)である。ラマン分光スペクトルは、日本分光
社製レーザーラマンスペクトル測定装置を用い、レーザ
ー源に200mW、514.5nmのアルゴンレーザーを使用して測
定した。
また本発明において、炭素の(002)面の面間隔と
は、002回折線の回折角から、次の式(1)に示すブラ
ックの式で求めた値である。
2d sinθ=λ …(1) (式中、dは面間隔、θは回折角、λはX線の波長であ
る。) 本発明において、X線回折は、理学社製薄膜X線回折
装置(TFDシステム)を用い、Cuα線を用い、入射角0.2
°,管電圧50kV、管電流100mAにて測定した。
本発明に用いられる有機粘結剤は、フラン樹脂、フェ
ノール樹脂などの粘結剤であって、高周波誘導加熱法、
例えばキューリーポイントパイロライザ(日本分析工業
(株)製)により、不活性ガス、例えばヘリウムガス雰
囲気下1000〜1050℃に急速加熱した時に、ベンゼンやト
ルエン、エチルベンゼン、エチルトルエン、キシレン、
クレゾール、キシレノール等のメチル基あるいはエチル
基などで置換された芳香族化合物を多く発生するような
有機粘結剤が好ましい。また硬化反応には寄与しない
が、ピッチ、タールなどを添加することも好ましい。
尚、有機粘結剤の添加量は100重量部の耐火性粒状材料
に対して0.5〜6重量部が好ましい。
また、上記有機粘結剤を硬化させる方法としては、自
硬性及びガス硬化性コールドボックス等がある。自硬性
鋳型法の硬化剤としては、パラトルエンスルホン酸、キ
シレンスルホン酸等の有機スルホン酸や、リン酸、硫酸
等の無機酸やこれらの混合物が使用される。また、酸硬
化性コールドボックス法の過酸化物としては、ケトン
系、芳香族系等の有機過酸化物及び過酸化水素等の無機
過酸化物が使用される。これらの硬化剤及び過酸化物の
添加量は100重量部の有機粘結剤に対して、10〜70重量
部が好ましい。
本発明に用いられる鋳型を構成する耐火性粒状材料と
しては、石英質を主成分とする硅砂の他、ジルコン砂、
クロマイト砂等が使用される。
また、鋳物の平滑性を得る目的以外の機能を付与する
ために、MgO,CaCO3等の浸硫防止剤、鋳型強度を向上さ
せる為に、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等の
公知の各種シランカップリング剤などの添加剤を鋳型中
へ混合することも可能である。
更に、従来より鋳型の構成を溶湯に接触する肌砂部と
その内部の裏砂部に分割し、肌砂に粒度の細かい耐火骨
材を用い、塗型工程を省略する鋳型・鋳物製造法が知ら
れているが、本発明における炭素膜をこの肌砂に形成さ
せることにより、更に鋳肌の平滑性を向上させること
も、またより粒度の粗い骨材の使用を可能ならしめるこ
とも出来る。本発明においては上記のようにして造型さ
れた比較的多量の炭素源を含む鋳型に1200〜1800℃の溶
湯を注入する際の熱により炭素源が分解し、鋳型と鋳物
の界面に、一部結晶化した炭素膜が生成すると考えられ
る。
〔実施例〕
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。又、実施例、比較例中、「部」とあるのは
すべて重量部である。
実施例1 フルフリルアルコール39部にo−クレゾールノボラッ
クのグリシジルエーテル(住友化学(株)製「スミエポ
キシESCN−220−10」)49部及び1,2,4−トリメリット酸
トリアリルエステル11部を加え溶解して有機粘結剤とし
た。
鋳物砂(フラタリー砂)100重量部に対し、上記有機
粘結剤を2部と60%−キシレンスルホン酸0.2部を2分
間撹拌し、鋳型を製作した。
この鋳型に1350℃の溶湯(FC−20相当)を注入して得
た鋳物の表面粗さを測定し、形成した炭素膜の分析を行
った。
その結果を表−1に示した。尚、表面粗さは鋳物各部
14点の中心線平均粗さ(Ra)の平均をとった。
実施例2 有機粘結剤として、フルフリルアルコール80部にアセ
ナフチレン20部を加え溶解したものを用いた以外は実施
例1と同様にして鋳型を製作し、実施例1と同様に鋳込
みを行って鋳物を得た。
得られた鋳物の表面粗さの測定及び炭素膜の分析を実
施例1と同様に行った。
結果を表−1に示す。
実施例3 キシレン39部にo−クレゾールノボラックのグリシジ
ルエーテル(住友化学(株)製「スミエポキシESCN−22
0−10」)49部及び1,2,4−トリメリット酸トリアリルエ
ステル11部を加え溶解したものを有機粘結剤として用
い、60%−キシレンスルホン酸の代わりにクメンハイド
ロパーオキサイド0.3部を用い、SO2ガスをガッシングす
る以外は実施例1と同様にして鋳型を製作し、実施例1
と同様に鋳込みを行って鋳物を得た。
得られた鋳物の表面粗さ測定及び炭素膜の分析を実施
例1と同様に行った。
結果を表−1に示す。
比較例1及び2 鋳物砂(フラタリー砂)100重量部に対し、一般のフ
ラン樹脂(花王クエーカー(株)製「340B」)1.2部、6
0%−キシレンスルホン酸0.48部を有機粘結剤として用
いる以外は実施例1と同様にして鋳型を製作したものを
比較例1、またその鋳型に塗型を塗布したものを比較例
2とし、実施例1と同様に鋳込みを行って鋳物を得た。
得られた鋳物の表面粗さを実施例1と同様に測定し
た。結果を表−1に示す。
尚、比較例1及び2においては炭素膜は生成していな
かった。
〔発明の効果〕 従来は、鋳型表面に耐熱性皮膜、即ち塗型を塗布し、
鋳型を形成する砂粒子の間隙中への溶融金属の浸入ある
いは骨材等の鋳型成分との融着により発生する鋳物表面
の粗面化を防止している。
しかしながら、本発明により、上記塗型を全くあるい
はほとんど省略しても鋳物の表面の粗面化を防止あるい
は改善することができ、鋳造工程の大幅な改善が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図は炭素膜のラマン分光スペクトル図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高周波誘導加熱法により不活性ガス雰囲気
    下1000〜1050℃に急速加熱した時に、ベンゼンやメチル
    基あるいはエチル基で置換された芳香族化合物を発生す
    るような有機粘結剤を主成分とする粘結剤により造型さ
    れた鋳型に1200℃〜1800℃の溶湯に注入し、鋳型と鋳物
    との界面に下記特性を有する炭素膜を生成させながら鋳
    造することを特徴とする鋳物製造法。 (1)炭素膜のラマン分光スペクトルが1330〜1390cm-1
    と1550〜1630cm-1にバンドを持ち、その相対強度が0.5
    〜2.0である。 (2)炭素膜のX線回折による炭素の(002)面の面間
    隔が3.35〜4.25Åである。
  2. 【請求項2】炭素膜のラマン分光スペクトルが1330〜13
    90cm-1と1550〜1630cm-1の各バンドの相対強度が0.8〜
    1.3である請求項1記載の製造法。
JP63097505A 1988-04-20 1988-04-20 鋳物製造法 Expired - Fee Related JP2905205B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63097505A JP2905205B2 (ja) 1988-04-20 1988-04-20 鋳物製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63097505A JP2905205B2 (ja) 1988-04-20 1988-04-20 鋳物製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01271054A JPH01271054A (ja) 1989-10-30
JP2905205B2 true JP2905205B2 (ja) 1999-06-14

Family

ID=14194118

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63097505A Expired - Fee Related JP2905205B2 (ja) 1988-04-20 1988-04-20 鋳物製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2905205B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5869922A (en) * 1997-08-13 1999-02-09 Si Diamond Technology, Inc. Carbon film for field emission devices

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5948062A (ja) * 1982-09-10 1984-03-19 Maruichi Suisan Kk すし種用えびの加工装置
JPH066217B2 (ja) * 1985-07-29 1994-01-26 花王株式会社 鋳物用粘結剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01271054A (ja) 1989-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2905205B2 (ja) 鋳物製造法
JP2747059B2 (ja) 鋳物製造法
JPS61115663A (ja) 溶湯の出湯用耐火消耗部材の製造方法
JPH0663683A (ja) 鋳型の製造方法
US2772457A (en) Method of shell molding
JPH05238856A (ja) 金属炭化物被膜の形成方法
JPS6047231B2 (ja) 鋳造用ノズルの製造方法
JPS6146219B2 (ja)
JPS589743A (ja) 鋳型の造型方法
JP2831801B2 (ja) 鋳型用組成物
JP2681435B2 (ja) 鋳物用発熱材の成形法
JP2002263782A (ja) 無機複合粒子
JPS60166141A (ja) 鋳型造型方法
JPS5994550A (ja) 球状化黒鉛鋳鉄鋳物の表層黒鉛組織の劣化防止方法
JPS6020501A (ja) 圧粉磁心
JPH1190579A (ja) 耐熱衝撃性黒鉛型およびその製造方法
JPS58125335A (ja) 鋳型の塗型材
JPS5847252B2 (ja) イガタヨウイガタ
JPS60103088A (ja) 炭素含有製品の酸化防止方法
JP2000063111A (ja) 親水性に優れる炭素粉体およびそれを使用した炭素含有不 定形耐火物
JPH08295572A (ja) 不定形耐火物の加熱処理方法
SU699555A1 (ru) Способ изготовлени магнитной головки
JPH03205384A (ja) 多孔質炭素材料の製造方法
JP2001148569A (ja) 回路形成方法
JP2001347343A (ja) 消失模型用発熱剤

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees