JPH1190579A - 耐熱衝撃性黒鉛型およびその製造方法 - Google Patents

耐熱衝撃性黒鉛型およびその製造方法

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JPH1190579A
JPH1190579A JP9294788A JP29478897A JPH1190579A JP H1190579 A JPH1190579 A JP H1190579A JP 9294788 A JP9294788 A JP 9294788A JP 29478897 A JP29478897 A JP 29478897A JP H1190579 A JPH1190579 A JP H1190579A
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graphite
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graphite mold
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Kyoichi Ashida
経一 芦田
Takeshi Hirohata
健 広畑
Shinya Kawakami
▲しん▼也 川上
Taichi Nishiura
太一 西浦
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NIPPON KARU KK
Osaka Prefecture
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NIPPON KARU KK
Osaka Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱衝撃性に優れた黒鉛型を得る技術を提供する
ことを主な目的とする。さらに本発明は空気中および/
または真空溶解炉中で使用可能な鋳造用半永久鋳型を提
供することをも目的とする。また本発明による黒鉛型を
表面処理することにより鏡面光沢を有する鋳造品を得る
技術を提供する。さらにまた、本発明は従来の黒鉛より
も熱膨張率の小さな黒鉛型に関する技術を提供する。 【解決手段】膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉砕
物を主原料とするもの100重量部とバインダー0.5
重量部以上で成形し、これを使用温度以上まで焼成した
黒鉛型およびその製造方法。さらにこの黒鉛型表面を1
00μm以下の黒鉛粉末とバインダーで塗布および/ま
たは炭化水素ガスを主成分とする混合ガスを熱分解させ
て化学的蒸着法により表面処理した黒鉛型およびその製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱衝撃性に優れた黒
鉛型とその製造技術に関する。この様な炭素材料はルツ
ボ、鋳型、耐火材、超高温(2700℃まで)用断熱
材、熱衝撃緩和材などとして有用である。
【0002】
【従来技術】 一般に500℃以上の温度で型を用いる
場合は、セラミックや金属が使用されるが、1500℃
以上の高温領域ではこれらの材料は用いることができな
いため、専ら黒鉛型が使用されている。しかしながら型
内外面の温度差が500℃以上になるとその熱衝撃およ
び熱膨張のためクラックが入り、甚だしい場合には大き
く割れるときもある。そのためこのような高温の温度差
が生じる場合は使用温度近くなるまで予熱する必要があ
る。このような予熱工程は製品製造時において高コスト
化をもたらし、生産効率も悪くなる。
【0003】鋳造分野における鋳型に注湯する工程で
は、鋳型は現在のところほとんど砂型によって製造され
ている。この中でも銅合金鋳物は多品種少量生産品が多
く、造型部門の合理化、生産現場の環境改善のために金
型鋳造化を施策されたことがあるが、青銅系鋳物の金型
鋳造化が難しく、一品種の生産量が多くないため一般化
されていないのが現状である。また砂型による鋳物製品
は鋳肌が粗く、このため使用分野が制限され、磨きなど
の二次加工が必要となる場合があり、使用後の砂型の廃
棄処理についても問題が多い。
【0004】また鋳鉄用鋳型として金型を用いる場合、
通常鋳鉄が使用されるが、焼着の防止、型ばらし等を容
易にするため、いわゆる塗型をしなければならないの
で、工程が煩雑になる。鋳型として黒鉛型を用いると、
このような塗型が不要となる。この場合、溶湯からのガ
スの発生が少なければ鋳型としての通気性は不要であ
り、金型等で問題となる焼着も無いため鋳鉄用鋳型とし
ても現場でよく使われているが、上記したように熱衝撃
で割れることが多かった。
【0005】鋳造業界では金型のように砂型と比べて異
質な鋳型材でなく、セラミックや黒鉛を使って鋳型の使
用回数を大幅に増やす半永久鋳型の開発に対する要望は
大きい。しかしながら、鋳型として、このような金型
や、緻密な黒鉛型、およびセラミック型を用いると型が
堅すぎるため、製造時に鋳物製品が割れることが多い。
この場合複雑な形状のものでも、可とう性に優れた鋳型
が存在すれば鋳造が可能になる。
【0006】従来の黒鉛型では、使用する黒鉛型は、定
法どおり黒鉛ブロックから切削加工により型を作るた
め、黒鉛型が高価になり、しかも鋳型としては堅いため
現場で使い難いものになっている。このような点を改善
したものとしては膨張黒鉛系材料を用いて鋳型を構成し
た特開昭57−58952、特開平4−228481が
公知であるが、この方法で得た鋳型で銅合金溶融金属を
注入した場合、熱衝撃には耐えるが、出来上がりの鋳造
物の鋳肌はいわゆるキライが走り、表面が粗くなること
は避けられない。またこれら開示された方法では、膨張
前のバーミュキュライト黒鉛を金型中で加熱することに
より膨張黒鉛鋳型を得ているが、この方法では十分な強
度を持った鋳型を作ることは難しい。また密度が一定せ
ず発泡ムラも避けられない。バージンの膨張黒鉛はその
形状がぜん虫状であり、ローラー等で成形する場合、最
大2〜3mmの厚みのものしか得られていない。しかも
成形により層状の黒鉛組織が再配列されて、黒鉛底面が
シート面に対して30゜以下に配向した異方性の大きい
材料となるので、使用に際しては方向性を考えて用いな
ければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする問題】本発明は、従来の高価
な高密度黒鉛型とは異なった新規の多孔質のミクロセル
構造からなる耐熱衝撃性に優れ、しかも易成形性かつ安
価な黒鉛型を提供するものである。同時に鋳造分野にお
ける従来の砂型や膨張黒鉛型に比べて鋳肌が精細で、従
来ほとんど不可能とされている再使用が可能で、高品質
の鋳造品を得るための鋳型を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は特に限定する
わけではないが、30%以上の気孔率を有する膨張黒鉛
粉末および/または膨張黒鉛粉砕物にバインダーを5%
均一に加えて所望の形状に成形したものを焼成すること
により収縮率がゼロに近い黒鉛型を得た。これに溶融チ
タンのような2000℃以上のものを注湯して熱衝撃を
与えてもクラックが生じないことを見出し、この知見に
基づいて本発明をするに至った。
【0009】使用する膨張黒鉛粉末および/または膨張
黒鉛粉砕物は200メッシュパスの微粉であれば鋳物用
黒鉛型として用いた場合、型の表面処理をしなくても鋳
物表面は砂型と比べて遜色無い。この場合、膨張黒鉛粉
末、膨張黒鉛粉砕物のみならず、これに黒鉛粉末、カー
ボンブラックなどの結晶質および/または非晶質炭素粉
末を加えて気孔率を調整したものをバインダーを用いて
成形し、焼成した黒鉛型でも可能である。ここで用いる
炭素系粉末および/または炭素系粉砕物の粒度が10〜
30メッシュのような粗い場合若しくは鋳物表面をより
平滑にする必要がある場合は型表面を表面処理してやれ
ば良い。表面処理法としては、型表面が粗い場合(表面
粗度30μm以上)は、バインダー樹脂等で混練した黒
鉛微粒子または液状の樹脂等を型表面に塗布し焼成する
ことにより平滑化(表面粗度5μm以下)することがで
きる。型表面が精細で更なる平滑化を計る場合は化学的
若しくは物理的蒸着法により表面処理をすれば可能とな
り、かかる黒鉛型で鋳込めば鏡面光沢の鋳物ができる。
さらに真空溶解炉中では砂型で鋳込むと水分やバインダ
ー樹脂の熱分解生成ガスが発生するため、このような型
では使用が不可能であったが本発明の黒鉛型を用いると
真空溶解炉中でも使用できる。また型離れが良く、しか
も本発明の黒鉛型は繰り返し使用が可能である。
【0010】本発明の黒鉛型はシート状(例えば2〜3
mm)の厚みを持つ型を作り、その外側を砂で満たした
容器に入れたものでも可能である。即ち、溶湯と接触す
る部分のみを膨張黒鉛層で形成し、その外側を砂で保持
したような鋳型も使用できる。この場合膨張黒鉛シート
型の外側に接触するものは砂に限らず、セラミック粉
末、炭素粉末など耐熱性があって形状が粒状若しくは粉
末状であれば何でも適用が可能である。
【0011】本発明の黒鉛型は熱膨張が従来品より小さ
いので出来た製品の2次加工が不要である。すなわち、
本発明は、下記の膨張黒鉛系の黒鉛型およびそれらの製
造方法を提供するものである。
【0012】1.温度差2000℃までの耐熱衝撃性を
持つ黒鉛型。
【0013】2.上記項1に記載の黒鉛型の製造方法。
【0014】3.膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛
粉砕物を主原料とする上記項1に記載の黒鉛型。
【0015】4.膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛
粉砕物を主原料とする上記項1に記載の黒鉛型の製造方
法。
【0016】5.鋳造用半永久鋳型として用いる上記項
1に記載の黒鉛型。
【0017】6.鋳造用半永久鋳型として用いる上記項
1に記載の黒鉛型の製造方法。
【0018】7.真空溶解炉中で使用可能な鋳造用半永
久鋳型として用いる上記項1に記載の黒鉛型。
【0019】8.真空溶解炉中で使用可能な鋳造用半永
久鋳型として用いる上記項1に記載の黒鉛型の製造方
法。
【0020】9.鋳造品の表面仕上げ不要の鋳造用半永
久鋳型として用いる上記項1に記載の黒鉛型。
【0021】10.鋳造品の表面仕上げ不要の鋳造用半
永久鋳型として用いる上記項1に記載の黒鉛型の製造方
法。
【0022】11.鏡面光沢鋳造品を得るための鋳造用
半永久鋳型として用いる上記項1に記載の黒鉛型。
【0023】12.鏡面光沢鋳造品を得るための鋳造用
半永久鋳型として用いる上記項1に記載の黒鉛型の製造
方法。
【0024】13.100μm以下の粒径をもつ黒鉛粉
末とバインダーにより黒鉛型表面をコーティングした後
焼成することにより炭素質被膜を形成させた表面層をも
つ上記項11に記載の黒鉛型。
【0025】14.100μm以下の粒径をもつ黒鉛粉
末とバインダーにより黒鉛型表面をコーティングした後
焼成することにより炭素質被膜を形成させた表面層をも
つ上記項11に記載の黒鉛型の製造方法。
【0026】15.化学的蒸着法により黒鉛型表面に炭
素質被膜を形成してなる上記項11に記載の黒鉛型。
【0027】16.化学的蒸着法により黒鉛型表面に炭
素質被膜を形成してなる上記項11に記載の黒鉛型の製
造方法。
【0028】17.室温より1700℃までの熱膨張率
が従来の炭素製品より小さい上記項1に記載の黒鉛型。
【0029】18.室温より1700℃までの熱膨張率
が従来の炭素製品より小さい上記項1に記載の黒鉛型の
製造方法。
【0030】19.膨張黒鉛粉末および/または膨張黒
鉛粉砕物から厚さ5mm以下の型を作り、その外側を耐
熱性粉末で満たした容器からなる上記項1に記載の黒鉛
型。
【0031】20.膨張黒鉛粉末および/または膨張黒
鉛粉砕物から厚さ5mm以下の型を作り、その外側を耐
熱性粉末で満たした容器からなる上記項1に記載の黒鉛
型の製造方法。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明においては膨張黒鉛粉末お
よび/または膨張黒鉛粉砕物100重量部に対しバイン
ダーとしてタール、ピッチまたは芳香環を主体とする分
子構造を有する樹脂類を少なくとも1種類以上0.5重
量部以上加え、均一に混合分散させた成形用組成物を得
て、これを成形することにより黒鉛型を得る。
【0033】本発明において、使用する膨張黒鉛は天然
黒鉛あるいはキッシュ黒鉛など結晶構造の発達した黒鉛
を濃硫酸、硝酸によって黒鉛層間化合物を作り、これを
水洗、加熱して膨張させたもの、ならびにその粉砕物だ
けでなく、成形して使用されたいわゆる膨張黒鉛廃材の
粉砕物をも使用することができる。本明細書における膨
張黒鉛とはこれらの材料を少なくとも1種使用すること
を意味する。
【0034】本発明で使用する膨張黒鉛の性状は特に限
定されるものではないが、通常嵩密度0.004〜0.
40g/cm程度、比容積2.5〜270cm/g
程度であり、より好ましくは嵩密度0.15〜0.20
g/cm程度、比容積5〜6cm/g程度である。
【0035】本発明で用いるバインダーとしては、特に
限定されるものではないが、各種合成樹脂類(例えばフ
ェノール樹脂類、フラン樹脂類、ポリイミド樹脂類、ポ
リパラフェニレン樹脂類など)があるが、より好ましく
は芳香環を主体とする樹脂類および/または天然樹脂類
(松ヤニ、ゴム系ラテックスなど)、ピッチ、タール類
(石油系、石炭系あるいは木質系材料の乾留により得ら
れる高沸点のもので常温では固体もしくは液体状物質)
などがあり、焼成後の残炭率の高いもの(50%以上)
が望ましい。本発明における黒鉛型の成形は上記のバイ
ンダーを使って、所定温度および所定圧力の条件下で成
形することにより行われる。これらの黒鉛型は高温で使
用する場合は成形したものを非酸化雰囲気下で更に焼成
する。焼成は600℃以上、より望ましくは使用温度以
上で焼成するのが良い。
【0036】本発明による黒鉛型は使用する膨張黒鉛の
粒子サイズによりその表面粗さ状態が異なる。各種鋳造
法の中で最高の鋳肌と精度が得られるダイカスト法によ
る鋳造品の鋳肌は5〜10μmであり、本発明による黒
鉛型では使用する膨張黒鉛の粒子サイズを200メッシ
ュパスの場合その表面粗さは4〜8μmとなり、得られ
る鋳造品の表面粗さは注湯する金属の種類により異なる
が、1〜8μm程度となる。工業的に比較的簡単に得ら
れる16メッシュパスあるいはこれ以上の粗さの膨張黒
鉛粉末および/または膨張黒鉛粉砕物で成形した黒鉛型
の表面粗さは30μm程度あるので、この場合は表面処
理することにより表面粗さを5μm以下にすることがで
きる。表面処理法としては特に限定するわけではない
が、100μm以下の黒鉛粒子をバインダーで混練およ
び/または混熱したものを黒鉛型に塗布して焼成する方
法や、バインダーそのものを型表面に塗布してこれを焼
成する方法、およびバインダーを型表面に塗布し100
μm以下の黒鉛粒子をその上に付着させた後焼成する方
法などがあり、これらの方法で型表面の表面粗さを改善
することができる。更に滑らかな表面を得るためには化
学的蒸着法や物理的蒸着法を施せばその表面粗さを1μ
m以下にすることができ、このような鋳型で鋳込むとそ
の製品は鏡面光沢を示す。しかもこのような黒鉛型の場
合繰り返し使用が可能である。またここで用いる膨張黒
鉛型は膨張黒鉛のみで形成する必要は無く、高温物質が
接触する部分のみを膨張黒鉛で形成し、その他の部分は
耐熱性の異種材料を組み合わせて型を保持しても良い。
【0037】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころを一層明らかにする。
【0038】実施例1 30メッシュパスの膨張黒鉛粉砕物100重量部に対し
200メッシュパスのノボラックタイプのフェノール樹
脂(フロー30mm、ゲルタイム55秒、オルト/パラ
比=55/45)5重量部を加え、均一に混合してホッ
トプレスを用いて、160℃、10MPaで2分間成形
し、70×70×35mm、厚さ5mmの膨張黒鉛箱型
を得た。
【0039】次いでこれを1000℃まで3時間でアル
ゴンガス中で焼成した。このようにして得た膨張黒鉛箱
型(室温状態)に1200℃の溶融純銅を流し込むこと
による熱衝撃を与えクラックの発生を調べた。また表面
粗さは、(株)東京精密社製表面あらさ・形状測定機サ
ーフコム30Bを用いて測定した。
【0040】実施例2 実施例1と同様の方法による焼成後の膨張黒鉛型表面に
公知の方法で化学的蒸着を行った窒化ホウ素被膜(PB
Nコート)1〜5μmを形成させた後、室温状態にした
この黒鉛型に2000℃の溶融チタンを流し込むことに
よる熱衝撃を与えクラックの発生状態を調べた。窒化ホ
ウ素被膜を形成させた理由は当該温度における溶融チタ
ンは炭素と反応して炭化チタンを生成するのでこの反応
を防御するためである。また表面粗さは、実施例1と同
様にして行った。
【0041】実施例3 200メッシュパスの膨張黒鉛粉砕物を使うこと以外は
実施例1と同様に行った。
【0042】実施例4 実験を真空溶解炉中で行う以外は実施例3と同様にして
行った。
【0043】実施例5 実施例1で得た焼成後の膨張黒鉛型表面に、100μm
以下の人造黒鉛粉末100重量部とレゾールタイプのフ
ェノール樹脂(メタノール溶液、樹脂固形分50wt
%)100重量部をよく混合したものを塗布し表面を均
一化して室温で24時間放置、次いで80℃まで24時
間かけて温度を上昇させて略硬化した。これを8時間か
けて150℃にし、150℃で1時間保って硬化させ
た。次いで5時間かけて1000℃までアルゴン雰囲気
下で焼成した。これを実施例1と同様にして評価した。
【0044】実施例6 実施例3で得た膨張黒鉛型にアルゴンとプロパンの混合
ガス雰囲気下800℃で型表面を熱分解炭素で化学的蒸
着した膨張黒鉛型を作製し、これに1200℃の溶融純
銅を流し込み鋳造品の表面状態を実施例1と同様にして
測定した。
【0045】実施例7 実施例5で作製した膨張黒鉛型を使う他は実施例6と同
様に行った。
【0046】実施例8 実施例1と同様にして得た焼成後の膨張黒鉛板を4×4
×20mmに切り出した試験片を室温から1700℃ま
でアルゴン雰囲気下で熱膨張係数の測定を行った。
【0047】熱膨張係数の測定は(株)マック・サイエ
ンス社製熱分析システムWS002TD5020Sを用
いた。
【0048】実施例9 実施例3と同様にして得た焼成後の膨張黒鉛板を使う他
は実施例8と同様にして行った。
【0049】実施例10 実施例1と同様にして厚さ1mmの膨張黒鉛箱を得て、
これを鋳物砂を入れた100×100×100mmのア
ルミの箱の中に深さ20mmほど埋め込んだ。次いで実
施例1と同様にして1200℃の溶融純銅を流し込むこ
とによる熱衝撃を与えクラックの発生を調べた。
【0050】比較例1 従来法による黒鉛塊から切り出した実施例1と同サイズ
の黒鉛型を使用する以外は実施例1と同様に行ったが、
1200℃の注湯工程で大きく割れた。また熱膨張係数
の測定は実施例8と同様にして行った。
【0051】比較例2 従来法によるシェルモールド法により純銅を流し込み、
鋳造品の表面粗さを実施例1と同様にして評価した。
【0052】比較例3 膨張黒鉛粉砕物100重量部に対し、バインダーとして
のピッチ233重量部とする他は実施例1と同様にして
行った。また熱膨張係数の測定は実施例8と同様にして
行った。
【0053】
【表1】
【0054】表1から本発明の膨張黒鉛型は焼成後収縮
率が小さく、熱衝撃を与えてもクラックが観られない。
表面処理を施すことにより表面粗さを改善することが可
能である。さらに熱膨張係数が小さいので型としての寸
法安定性に優れる。また熱をかけても熱分解ガスの発生
が無い。
【0055】
【発明の効果】本発明による膨張黒鉛型は約2000℃
の溶融金属を注ぎこんで熱衝撃を与えても割れない特徴
を有する。
【0056】従来の膨張黒鉛を鋳型として用いた場合、
強度的に弱いため、溶融金属を流し込むと形状を保持す
ることが難しく、しかもできた鋳物製品表面が粗くいわ
ゆるキライが生じるが、本発明の膨張黒鉛型では強度的
に強いので、溶融金属を流し込んでもその形状を保持す
ることができる。また型の表面が精細なため、鋳肌を大
幅に改善できる。この場合、表面処理をすることにより
鏡面光沢も可能となる。同時にできた鋳物製品の二次加
工も不要になる。また繰り返し使用が可能なため、経済
的効果に優れる。
【0057】本発明の膨張黒鉛型は従来の砂型等に比べ
て熱分解ガスの発生が無く、熱膨張率が小さいため鋳型
として用いた場合、真空溶解炉中でも使用が可能であ
り、寸法安定性に優れる。
【0058】本発明による膨張黒鉛型は可とう性に優
れ、従来の高密度黒鉛型、セラミック型のように堅くな
いため、鋳型として用いると鋳型の割れも少なく、製品
としての鋳物の割れも少なくなり、製品の歩留まりが向
上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西浦 太一 大阪府大阪市平野区平野本町3−3−32日 本カル株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度差2000℃までの耐熱衝撃性を持つ
    黒鉛型。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の黒鉛型の製造方法。
  3. 【請求項3】膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉砕
    物を主原料とする請求項1に記載の黒鉛型。
  4. 【請求項4】膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉砕
    物を主原料とする請求項1に記載の黒鉛型の製造方法。
  5. 【請求項5】鋳造用半永久鋳型として用いる請求項1に
    記載の黒鉛型。
  6. 【請求項6】鋳造用半永久鋳型として用いる請求項1に
    記載の黒鉛型の製造方法。
  7. 【請求項7】真空溶解炉中で使用可能な鋳造用半永久鋳
    型として用いる請求項1に記載の黒鉛型。
  8. 【請求項8】真空溶解炉中で使用可能な鋳造用半永久鋳
    型として用いる請求項1に記載の黒鉛型の製造方法。
  9. 【請求項9】鋳造品の表面仕上げ不要の鋳造用半永久鋳
    型として用いる請求項1に記載の黒鉛型。
  10. 【請求項10】鋳造品の表面仕上げ不要の鋳造用半永久
    鋳型として用いる請求項1に記載の黒鉛型の製造方法。
  11. 【請求項11】鏡面光沢鋳造品を得るための鋳造用半永
    久鋳型として用いる請求項1に記載の黒鉛型。
  12. 【請求項12】鏡面光沢鋳造品を得るための鋳造用半永
    久鋳型として用いる請求項1に記載の黒鉛型の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 100μm以下の粒径をもつ黒鉛粉末
    とバインダーにより黒鉛型表面をコーティングした後焼
    成することにより炭素質被膜を形成させた表面層をもつ
    請求項11に記載の黒鉛型。
  14. 【請求項14】 100μm以下の粒径をもつ黒鉛粉末
    とバインダーにより黒鉛型表面をコーティングした後焼
    成することにより炭素質被膜を形成させた表面層をもつ
    請求項11に記載の黒鉛型の製造方法。
  15. 【請求項15】化学的蒸着法により黒鉛型表面に炭素質
    被膜を形成してなる請求項11に記載の黒鉛型。
  16. 【請求項16】化学的蒸着法により黒鉛型表面に炭素質
    被膜を形成してなる請求項11に記載の黒鉛型の製造方
    法。
  17. 【請求項17】室温より1700℃までの熱膨張率が従
    来の炭素製品より小さい請求項1に記載の黒鉛型。
  18. 【請求項18】室温より1700℃までの熱膨張率が従
    来の炭素製品より小さい請求項1に記載の黒鉛型の製造
    方法。
  19. 【請求項19】膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉
    砕物から厚さ5mm以下の型を作り、その外側を耐熱性
    粉末で満たした容器からなる請求項1に記載の黒鉛型。
  20. 【請求項20】膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉
    砕物から厚さ5mm以下の型を作り、その外側を耐熱性
    粉末で満たした容器からなる請求項1に記載の黒鉛型の
    製造方法。
JP9294788A 1997-09-18 1997-09-18 耐熱衝撃性黒鉛型およびその製造方法 Pending JPH1190579A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007507356A (ja) * 2003-10-06 2007-03-29 システ−ミック アンジェニリー 鋳型の製造方法と得られた鋳型
JP2007522346A (ja) * 2004-02-13 2007-08-09 コウ,キョンヒョン 多孔性コーティング部材及び低温噴射法を利用したその製造方法
CN111087249A (zh) * 2019-12-27 2020-05-01 重庆东星炭素材料有限公司 一种石墨质多孔坩埚及其制备方法
CN116496084A (zh) * 2023-03-14 2023-07-28 上海晋飞碳纤科技股份有限公司 可修复的石墨模具坯料、成型模具、修补剂及修补方法

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