JP2905139B2 - 注入装置 - Google Patents

注入装置

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JP2905139B2
JP2905139B2 JP8018396A JP8018396A JP2905139B2 JP 2905139 B2 JP2905139 B2 JP 2905139B2 JP 8018396 A JP8018396 A JP 8018396A JP 8018396 A JP8018396 A JP 8018396A JP 2905139 B2 JP2905139 B2 JP 2905139B2
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▲隆▼ 香川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、注入装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート、石材、タイル、レ
ンガ、しっくい、土壁等の無機素材で形成された壁、橋
脚、防波堤等の無機素材構造物においては、製造後長期
間が経過すると、ひび割れを発生させることがある。例
えば、コンクリートで形成された無機素材構造物の場
合、製造後長期間が経過すると、コンクリート内の反応
性骨材が、アルカリとアルカリ骨材反応を起こし、膨張
してひび割れを発生させてしまう。
【0003】そして、該ひび割れをそのまま放置してお
くと、ひび割れを通って無機素材の深部に入り込み、無
機素材構造物の劣化速度を急激に早くし、耐久性を低く
してしまう。そこで、無機素材構造物のひび割れを修復
するための注入装置が提供されている。
【0004】図2は従来の注入装置の斜視図、図3は従
来の注入装置の分解斜視図である。図において、11は
注入装置であり、該注入装置11は、図示しない無機素
材構造物のひび割れに沿って、設定距離ごとに設定され
た注入位置に固定される。前記注入装置11は、シリン
ダ部12、該シリンダ部12の先端にねじ止めされる台
座14、前記シリンダ部12内において摺(しゅう)動
自在に配設されるピストン部15、及び該ピストン部1
5を前方に向けて付勢する一対の輪ゴム16から成る。
【0005】前記台座14は、小径のスリーブ部20及
びフランジ部21から成り、前記スリーブ部20及びフ
ランジ部21を貫通口22が貫通し、該貫通口22にお
ける前記スリーブ部20の内側部分に図示しない雌ねじ
が形成される。また、前記シリンダ部12は、大径のシ
リンダ23、該シリンダ23の前方の端面24に突出さ
せて形成された小径のノズル部25から成り、前記シリ
ンダ23の後端部にストッパ挿入溝27が、前記ノズル
部25の外周に前記雌ねじと対応する雄ねじ28がそれ
ぞれ形成される。さらに、前記シリンダ23の前端部に
一対の係止突起30が突出させて形成される。なお、前
記ストッパ挿入溝27に対して挿脱自在にストッパ31
が配設され、該ストッパ31の後端とシリンダ23の適
宜箇所とが細帯状の連結体26によって一体的に連結さ
れる。そのために、前記シリンダ23、ストッパ31及
びピストン部15はいずれも樹脂によって形成される。
【0006】前記ピストン部15は、断面が円形であ
り、前記シリンダ23内を摺動させられるピストン本体
32、及び断面が「十」字形であり、前記ピストン本体
32に前記輪ゴム16の付勢力を伝達するピストンロッ
ド33から成る。なお、前記ピストン本体32は、前記
シリンダ23の内外をシールするためにゴム等の弾性の
ある樹脂で形成される。また、前記ピストンロッド33
は、4個の帯状部34、35(図においては、4個のう
ちの2個だけを示す。)から成り、1個の帯状部34に
は、長手方向における複数箇所に、シリンダ部12に対
するピストン部15の位置決めを行うためのストッパ係
合溝38が形成される。さらに、一対の帯状部35の後
端部にそれぞれ係止突起40が突出させて形成される。
【0007】前記構成の注入装置を使用して無機素材構
造物のひび割れを修復しようとする場合、まず、作業者
は、目視によって、又は図示しないクラックルーペを使
用してひび割れが発生した箇所を観察し、注入位置を設
定して無機素材構造物の表面にマーキングを行う。次
に、前記台座14の表面にエポキシ樹脂から成る図示し
ない接着剤を塗布し、台座14を無機素材構造物の表面
に接着することによって、前記注入装置11を各注入位
置に固定する。なお、ひび割れから漏水している場合、
又は水中のひび割れを修復する場合には、前記接着剤と
して水中硬化型のものが使用される。
【0008】続いて、前記無機素材構造物の表面の台座
14のない部分に、ひび割れに沿ってエポキシ樹脂から
成る図示しない亀(き)裂シール材を塗布し、該亀裂シ
ール材をヘラによって0.8〜1.0〔mm〕の厚さに
なるように伸ばす。なお、ひび割れから漏水している場
合、又は水中のひび割れを修復する場合には、前記亀裂
シール材として水中硬化型のものが使用される。
【0009】次に、先行注入材としての図示しない亜硝
酸リチウムを前記シリンダ部12内に所定量充填(て
ん)し、その状態でシリンダ部12及びピストン部15
から成る注入装置本体を台座14にセットして前記ひび
割れの内部に亜硝酸リチウムを先行注入する。この場
合、まず、シリンダ部12内に所定量の亜硝酸リチウム
を充填し、ピストン部15を設定位置まで挿入して、ス
トッパ31をストッパ挿入溝27に挿入する。このと
き、前記ストッパ31はシリンダ部12内においてスト
ッパ係合溝38と係合するので、ピストン部15は設定
位置においてロックされる。そして、シリンダ部12の
係止突起30とピストン部15の係止突起40との間に
輪ゴム16が掛けられる。なお、前記設定位置は亜硝酸
リチウムの注入量に対応させて設定される。
【0010】したがって、この状態において、シリンダ
部12の雄ねじ28と台座14の前記雌ねじとを螺
(ら)合させることによって、シリンダ部12を台座1
4に固定し、その後、前記ストッパ31をストッパ挿入
溝27から引き抜くことによって、ピストン部15のロ
ック状態を解除する。その結果、前記輪ゴム16の付勢
力によって、ピストン部15はシリンダ部12内を前進
させられ、亜硝酸リチウムがひび割れの内部に注入され
る。
【0011】次に、本注入材としての図示しない無機質
スラリーを前記シリンダ部12内に所定量充填し、その
状態で注入装置本体を台座14にセットして前記ひび割
れの内部に無機質スラリーを本注入する。この場合、ま
ず、シリンダ部12内に所定量の無機質スラリーを充填
し、ピストン部15を設定位置まで挿入して、ストッパ
31をストッパ挿入溝27に挿入する。このとき、前記
ストッパ31はシリンダ部12内においてストッパ係合
溝38と係合するので、ピストン部15は設定位置にお
いてロックされる。そして、シリンダ部12の係止突起
30とピストン部15の係止突起40との間に輪ゴム1
6が掛けられる。
【0012】したがって、この状態において、シリンダ
部12の雄ねじ28と台座14の前記雌ねじとを螺合さ
せることによって、シリンダ部12を台座14に固定
し、その後、前記ストッパ31をストッパ挿入溝27か
ら引き抜くことによって、ピストン部15のロック状態
を解除する。その結果、前記輪ゴム16の付勢力によっ
て、ピストン部15はシリンダ部12内を前進させら
れ、無機質スラリーがひび割れの内部に注入される。
【0013】その後、ひび割れの内部において無機質ス
ラリーが硬化するまで注入装置11を無機素材構造物に
取り付けたまま放置する。このようにして、ひび割れを
修復することができる。次に、無機素材構造物から台座
14、該台座14に塗布された接着剤及び亀裂シール材
を除去する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の注入装置においては、ストッパ31をストッパ係合
溝38と係合させることによって注入圧力を設定するよ
うになっているので、注入圧力の設定値の数が限られて
しまい、任意の注入圧力を設定することができない。そ
して、無機素材構造物のひび割れから漏水している場合
で、かつ、注入圧力より地下水の圧力が高いときには、
亜硝酸リチウムを先行注入したり無機質スラリーを本注
入したりすることができない。
【0015】また、シリンダ部12の係止突起30とピ
ストン部15の係止突起40との間に掛けられた輪ゴム
16の付勢力によって注入圧力を発生させるようにして
いるので、輪ゴム16の劣化によって注入圧力が変動し
てしまうだけでなく、亜硝酸リチウム又は無機質スラリ
ーの注入に伴ってピストン部15が前進させられると、
輪ゴム16がその分だけ収縮し、注入圧力が低くなって
しまう。したがって、安定した注入圧力を発生させるこ
とができない。
【0016】そこで、ポンプによって注入圧力を発生さ
せ、該注入圧力で亜硝酸リチウム又は無機質スラリーを
注入することが考えられるが、ポンプ内に無機質スラリ
ーが進入すると、ポンプ内の各部分が無機質スラリーに
よって汚れてしまうだけでなく、ポンプ内で無機質スラ
リーが硬化すると、ポンプを駆動することができなくな
ってしまう。
【0017】したがって、ポンプ内を常時洗浄しなけれ
ばならず、保守・管理が煩わしくなってしまう。本発明
は、前記従来の注入装置の問題点を解決して、任意の注
入圧力を設定することができ、安定した注入圧力を発生
させることができるとともに、保守・管理を容易に行う
ことができる注入装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の注
入装置においては、無機素材構造物のひび割れに沿って
設定された注入位置に固定される注入ピンと、シリン
ダ、及び該シリンダ内を摺動させられるピストンから成
り、本注入材を収容するための第1室、及び先行注入材
が供給されたときに本注入材の注入圧力を発生させるた
めの第2室を備えたシリンダ部と、前記先行注入材を圧
送するための先行注入材圧送手段と、前記注入ピンと前
記第1室とを接続する第1の配管系と、前記第2室と先
行注入材圧送手段とを接続する第2の配管系と、前記第
1の配管系と第2の配管系とを接続する接続管と、前記
第1の配管系に配設され、前記先行注入材圧送手段から
供給された先行注入材、及び前記第1室に収容された本
注入材を選択的に注入ピンに供給する第1の切換手段
と、前記第2の配管系に配設され、前記先行注入材圧送
手段から供給された先行注入材を、前記第2室及び接続
管に選択的に供給する第2の切換手段とを有する。
【0019】本発明の他の注入装置においては、さら
に、前記第2の配管系は、前記先行注入材圧送手段から
供給された先行注入材の圧力を調整する圧力調整手段を
備える。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の
実施の形態における注入装置を示す第1の図、図4は本
発明の実施の形態における注入装置を示す第2の図であ
る。図において、51は注入装置、52はシリンダ部で
あり、該シリンダ部52は、断面が円筒状のシリンダ5
3、及び断面が円形であり、シリンダ53内を摺動させ
られるピストン62から成るとともに、前記シリンダ5
3は、円筒状部53a及び該円筒状部53aの両端にね
じ止めされたキャップ53b、53cから成る。前記ピ
ストン62はシリンダ53内において摺動自在に配設さ
れ、前記ピストン62の前方 (図における左方) に第1
室64が、前記ピストン62の後方 (図における右方)
に第2室65が形成される。
【0021】前記シリンダ部52の前方には、第1の配
管系55を介してノズル54が、シリンダ部52の後方
には、第2の配管系56を介して先行注入材圧送手段と
してのポンプ58がそれぞれ接続され、前記第1の配管
系55と第2の配管系56とが接続管75によって接続
される。そして、前記ノズル54の前端には、注入ピン
66が着脱自在に配設される。そのために、注入ピン6
6の後端部の外周面には雄ねじ67が形成されるととも
に、前記ノズル54の前端部の内周面には図示しない雌
ねじが形成され、前記雄ねじ67と雌ねじとを螺合させ
ることによって、注入ピン66をノズル54に取り付け
ることができる。なお、前記ノズル54の前端には、ノ
ズル54の本体に対して相対回転自在にナット部54a
が配設され、該ナット部54aを回転させることによっ
て前記雄ねじ67と雌ねじとを螺合することができる。
【0022】また、前記第1の配管系55は、ノズル5
4と一体的に形成された開閉弁71、該開閉弁71より
シリンダ部52側に配設された分岐部72、及び該分岐
部72よりシリンダ部52側に配設された第1の切換弁
としての切換弁73から成り、前記分岐部72にドレー
ン弁74が、前記切換弁73に前記接続管75がそれぞ
れ接続される。なお、前記開閉弁71にハンドル76
が、切換弁73にハンドル77が、ドレーン弁74にハ
ンドル78がそれぞれ配設され、作業者は、前記各ハン
ドル76〜78を操作することによって、開閉弁71を
開閉し、切換弁73を切り換え、ドレーン弁74を開閉
することができる。
【0023】そして、前記第2の配管系56は、第2の
切換弁としての切換弁81、該切換弁81よりポンプ5
8側に配設された圧力計82、該圧力計82よりポンプ
58側に配設された分岐部83、及び該分岐部83より
ポンプ58側に配設された圧力調整手段としての開閉弁
84から成り、前記切換弁81に前記接続管75が、前
記分岐部83にドレーン弁85がそれぞれ接続される。
なお、前記切換弁81にハンドル86が、ドレーン弁8
5にハンドル87が、開閉弁84にハンドル88がそれ
ぞれ配設され、作業者は、前記各ハンドル86〜88を
操作することによって、切換弁81を切り換え、ドレー
ン弁85を開閉し、開閉弁84の開度を変更することが
できる。
【0024】そして、前記ポンプ58は、本体90及び
把手(とって)91から成り、該把手91を繰り返し下
方に押し下げることによって、本体90内の圧力を高く
することができ、該圧力によって、図示しない流体収容
室に収容された先行注入材としての亜硝酸リチウムを第
2の配管系56に圧送することができるようになってい
る。この場合、前記第2の配管系56に配設された圧力
計82を目視しながら開閉弁84を所定量だけ開放する
ことによって、亜硝酸リチウムを任意の圧力に設定する
ことができる。
【0025】なお、93は第1ステー、94は該第1ス
テー93とリンク連結された第2ステー、95は該第2
ステーの先端に配設されたフックである。該フック95
を前記第1の配管系55の適宜箇所に係止させ、前記第
1ステー93の先端を無機素材構造物の表面に当てるこ
とによって、前記注入装置51の重量を分配することが
できるので、注入作業を容易にすることができる。
【0026】前記構成の注入装置51を使用して無機素
材構造物のひび割れを修復しようとする場合、まず、作
業者は、目視によって、又は図示しないクラックルーペ
を使用してひび割れが発生した箇所を観察し、注入位置
を設定して無機素材構造物の表面にマーキングを行う。
本実施の形態においては、ひび割れに沿って200〜2
50〔mm〕の間隔ごとに注入位置が設定される。
【0027】次に、図示しない振動ドリルで各注入位置
に穴を形成し、該穴に前記注入ピン66を打ち込むこと
によって、注入ピン66を各注入位置に固定する。続い
て、前記無機素材構造物の表面に、ひび割れに沿ってエ
ポキシ樹脂から成る亀裂シール材を塗布し、該亀裂シー
ル材をヘラによって0.8〜1.0〔mm〕の厚さにな
るように伸ばす。なお、ひび割れから漏水している場
合、又は水中のひび割れを修復する場合には、前記亀裂
シール材として水中硬化型のものが使用される。
【0028】次に、前記開閉弁84の開度を変更するこ
とによって、亜硝酸リチウムの圧力をあらかじめ設定さ
れた先行注入の注入圧力にするとともに、切換弁81を
切り換えて第2の配管系56と接続管75とを連通さ
せ、かつ、切換弁73を切り換えて接続管75と第1の
配管系55とを連通させる。このとき、本体90内の亜
硝酸リチウムは、開閉弁84によって先行注入の注入圧
力にされ、第2の配管系56、接続管75及び第1の配
管系55を順に通ってノズル54に供給され、注入ピン
66からひび割れの内部に先行注入される。
【0029】この場合、ひび割れの内部に亜硝酸リチウ
ムが注入されると、反応性骨材(反応性シリカ)が、亜
硝酸リチウム内のリチウムイオンと化学反応を起こし、
不溶化させられ、安定骨材に変化する。その結果、無機
素材構造物が膨張するのを防止することができ、ひび割
れが発生するのを抑制することができる。また、コンク
リートで形成された無機素材構造物の場合には、鉄筋の
周囲に不動態皮膜を形成して防食するので、無機素材構
造物の強度を維持することができる。
【0030】続いて、前記注入装置51からシリンダ部
52を外し、本注入材としての図示しない無機質スラリ
ーを前記第1室64内に所定量充填し、その状態で注入
装置51にセットする。なお、この場合、前記無機質ス
ラリーとして、スラグ系超微粒子(2.8〔μm〕)を
主原料としたファインセラミック注入材が使用されるの
で、流動性を高くすることができ、0.05〔mm〕以
下のひび割れに注入することができるようになる。ま
た、ファインセラミック注入材は無機結合体で構成さ
れ、樹脂等の有機物質が混入していないので、膨張及び
収縮が少なく、熱応力も小さい。したがって、無機素材
構造物にひび割れが発生するのを抑制することができ
る。
【0031】その後、前記開閉弁84の開度を変更する
ことによって、亜硝酸リチウムの圧力をあらかじめ設定
された本注入の注入圧力にするとともに、切換弁81を
切り換えて第2の配管系56と第2室65とを連通さ
せ、かつ、切換弁73を切り換えて第1の配管系55と
第1室64とを連通させる。このとき、本体90内の亜
硝酸リチウムは、開閉弁84によって本注入の注入圧力
にされ、第2の配管系56を通って第2室65に供給さ
れ、前記ピストン62を前方に移動させる。
【0032】その結果、第1室64内に収容された無機
質スラリーは、第1の配管系55を通ってノズル54に
供給され、注入ピン66からひび割れの内部に本注入さ
れる。その後、注入ピン66からノズル54が取り外さ
れ、次の注入位置における作業に移る。この場合、注入
ピン66内には、図示しない逆止弁が配設されているの
で、注入ピン66からノズル54を取り外しても、ひび
割れの内部の無機質スラリーが逆流して注入ピン66か
ら噴射することはない。
【0033】そして、ひび割れの内部において、無機質
スラリーが硬化するまで注入ピン66を無機素材構造物
に取り付けたまま放置する。このようにして、無機素材
間の空隙(げき)を完全に埋め、ひび割れを修復するこ
とができる。次に、注入ピン66の無機質構造物から出
ている部分を折り取るとともに、亀裂シール材を除去す
る。なお、逆止弁を備えない注入ピンを使用した場合、
注入ピン66にノズル54を取り付けたままで開閉弁7
1を閉鎖した後、ノズル54と分岐部72とを分離させ
る。この場合、ノズル54及び開閉弁71は注入位置の
数だけ必要になるが、注入ピン66のコストを低くする
ことができる。
【0034】このように、開閉弁84の開度を変更する
ことによって先行注入及び本注入の注入圧力を任意に設
定することができるだけでなく、安定した注入圧力を発
生させることができる。また、無機素材構造物のひび割
れから漏水している場合でも、注入圧力を地下水の圧力
より高くすることができる。しかも、本注入の注入圧力
を発生させるために、第2室65内に供給される亜硝酸
リチウムの圧力が使用されるので、ポンプ58の本体9
0内に無機質スラリーが進入することはない。したがっ
て、本体90内の各部分が無機質スラリーによって汚れ
ることがないだけでなく、本体90内で無機質スラリー
が硬化することもないので、ポンプ58を安定して駆動
することができる。
【0035】したがって、本体90内を洗浄する必要が
なく、保守・管理を容易に行うことができる。また、本
実施の形態においては、先行注入材として亜硝酸リチウ
ムを使用しているが、水を使用することもできる。この
場合、アルカリ骨材反応を抑制する効果、及び鉄筋の周
囲に不動態皮膜を形成して防食する効果はないが、水を
先行注入することによって、長期間にわたって無機質ス
ラリーに水和反応を起こすことができるようになる。
【0036】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させ
ることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、注入装置においては、無機素材構造物のひび割れ
に沿って設定された注入位置に固定される注入ピンと、
シリンダ、及び該シリンダ内を摺動させられるピストン
から成り、本注入材を収容するための第1室、及び先行
注入材が供給されたときに本注入材の注入圧力を発生さ
せるための第2室を備えたシリンダ部と、前記先行注入
材を圧送するための先行注入材圧送手段と、前記注入ピ
ンと前記第1室とを接続する第1の配管系と、前記第2
室と先行注入材圧送手段とを接続する第2の配管系と、
前記第1の配管系と第2の配管系とを接続する接続管
と、前記第1の配管系に配設され、前記先行注入材圧送
手段から供給された先行注入材、及び前記第1室に収容
された本注入材を選択的に注入ピンに供給する第1の切
換手段と、前記第2の配管系に配設され、前記先行注入
材圧送手段から供給された先行注入材を、前記第2室及
び接続管に選択的に供給する第2の切換手段とを有す
る。
【0038】この場合、第2室に供給された先行注入材
の圧力によって本注入材の注入圧力を発生させることが
できるので、先行注入材圧送手段に本注入材が進入する
ことはない。したがって、先行注入材圧送手段内の各部
分が本注入材によって汚れることがないだけでなく、先
行注入材圧送手段内で本注入材が硬化することもないの
で、先行注入材圧送手段を安定して駆動することができ
る。
【0039】その結果、先行注入材圧送手段内を洗浄す
る必要がなく、保守・管理を容易に行うことができる。
本発明の他の注入装置においては、さらに、前記第2の
配管系は、前記先行注入材圧送手段から供給された先行
注入材の圧力を調整する圧力調整手段を備える。
【0040】この場合、先行注入材圧送手段から供給さ
れる先行注入材の圧力を調整することによって、先行注
入及び本注入の注入圧力を任意に設定することができる
だけでなく、安定した注入圧力を発生させることができ
る。また、無機素材構造物のひび割れから漏水している
場合でも、注入圧力を地下水の圧力より高くすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における注入装置を示す第
1の図である。
【図2】従来の注入装置の斜視図である。
【図3】従来の注入装置の分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態における注入装置を示す第
2の図である。
【符号の説明】
51 注入装置 52 シリンダ部 53 シリンダ 55 第1の配管系 56 第2の配管系 58 ポンプ 62 ピストン 66 注入ピン 73、81 切換弁 75 接続管 84 開閉弁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)無機素材構造物のひび割れに沿っ
    て設定された注入位置に固定される注入ピンと、 (b)シリンダ、及び該シリンダ内を摺動させられるピ
    ストンから成り、本注入材を収容するための第1室、及
    び先行注入材が供給されたときに本注入材の注入圧力を
    発生させるための第2室を備えたシリンダ部と、 (c)前記先行注入材を圧送するための先行注入材圧送
    手段と、 (d)前記注入ピンと前記第1室とを接続する第1の配
    管系と、 (e)前記第2室と先行注入材圧送手段とを接続する第
    2の配管系と、 (f)前記第1の配管系と第2の配管系とを接続する接
    続管と、 (g)前記第1の配管系に配設され、前記先行注入材圧
    送手段から供給された先行注入材、及び前記第1室に収
    容された本注入材を選択的に注入ピンに供給する第1の
    切換手段と、 (h)前記第2の配管系に配設され、前記先行注入材圧
    送手段から供給された先行注入材を、前記第2室及び接
    続管に選択的に供給する第2の切換手段とを有すること
    を特徴とする注入装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の配管系は、前記先行注入材圧
    送手段から供給された先行注入材の圧力を調整する圧力
    調整手段を備える請求項1に記載の注入装置。
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