JP2904843B2 - 融着布 - Google Patents

融着布

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JP2904843B2
JP2904843B2 JP2016978A JP1697890A JP2904843B2 JP 2904843 B2 JP2904843 B2 JP 2904843B2 JP 2016978 A JP2016978 A JP 2016978A JP 1697890 A JP1697890 A JP 1697890A JP 2904843 B2 JP2904843 B2 JP 2904843B2
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克彦 及川
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は熱可塑性フッ素系重合体糸条により接着剤を
用いることなく作成され、厚みの均一性に優れる融着布
及びその製造法に関する。
<従来の技術> 従来よりフッ素系重合体糸条を用いてなる不織布様の
繊維構造物は各種知られているが、一般にフッ素系重合
体は絶縁性に優れているため、静電気が発生し易く、繊
維同志が反発しあい、厚みの均一性がでにくい。その
上、フッ素系重合体糸条は平滑性が良好なため接着剤な
しではぬけ等の現象が生じ易く、例えば接着剤を用いな
い機械接合型等のこうした繊維構造物においては上記の
如き現象が顕著であった。また一般的にこうした繊維構
造物の製造装置は大型で、さらに静電気等の問題解決を
するための対策、例えば加湿やイオン化エアー等の設備
を設けるとなると、一層大型かつ高価になり、フッ素系
重合体のような高価な小ロット生産品に対しては不向き
と云うことができる。
しかし乍ら、フッ素系重合体は耐薬品性、耐熱性、非
粘着性等の諸性質に優れているため、こうしたフッ素系
重合体からなる不織布様の繊維構造物は過酷な条件での
使用が可能であり、例えば特殊用途のフィルターやその
補強材およびその他広範な利用が期待されている現状で
ある。
<問題点を解決するための手段> 本発明者らはこのような期待に沿うべく厚みの均一性
に優れ、しかも接着剤を用いなくてもぬけ等の現象が生
じにくく、しかも耐薬品性、耐熱性、非粘着性の良好な
フッ素系重合体を原料とした繊維構造物とその製造法を
各種検討した結果ついに本発明に到達したもので、その
特徴とするところは、熱可塑性フッ素系重合体を用いた
糸条からなる編布もしくは織布の所望部を熱接着せしめ
るてなる融着布を提供する点にあり、更にその特徴とす
るところは、熱可塑性フッ素系重合体を用いてなる糸条
を編成もしくは製織して生地を作成する工程と、加圧下
に熱処理を行うことにより所望部を熱接着せしめる工程
とを備えることにより融着布を製造せんとする点にあ
る。
次に問題点を解決するための手段を更に詳しく述べる
ことにより、本発明をより具体的に記することにする。
本発明における熱可塑性フッ素系重合体を用いてなる
糸条とは、熱可塑性フッ素系重合体を素材とした繊維形
状のものならば特に制限はなく、例えば紡績糸、フィラ
メント等適宜でよいが、好ましくはフィラメントをあげ
ることができ、マルチフィラでもモノフィラでもよい。
こうした糸条の伸度については特に制限はないが、好ま
しくは50%以下程度を例示できる。
これらのフッ素系重合体としては例えばエチレン・テ
トラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレ
ン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオ
ロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体(以下「PFA」という)、フッ化ビニリデン系重合
体クロロトリフルオロエチレン重合体等をあげることが
できるが、特に制限はない、就中、好ましくはPFAを例
示でき、これにより、より好ましい融着布を得ることが
できる。必要に応じ各種添加物を加えることは差しつか
えないが、概して最終製品の性能劣化をまねく場合が多
いので、特に制限はないが通常は添加物を控えた方が望
ましい。
次にPFAのフィラメントを作成するための一例を述べ
ることにする。PFAフィラメントは通常フッ素系重合体
の溶融押出用に多用される急圧縮型のものにより溶融紡
糸するのが望ましいが、このことは特に制限を受けるも
のではない。また紡糸条件は特に制限はなく、適宜でよ
い。熱収縮性を有する(有しなくてもよい)フィラメン
トにする場合には、紡糸時のノズルのL/Dの値の制御や
冷却温度等の制御、即ち冷却速度を適宜に制御等を行え
ばよいが、このことは特に制限を受けるものではない。
紡糸後の延伸についても、その有無を含め自由に条件設
定を行なえばよいが、具体的には熱延伸、冷延伸等を例
示でき、延伸倍率、延伸温度等も適宜でよい。しかる後
必要ならばアニーリング等を行なってもよい。熱収縮性
を有するフィラメントを得るためには、アニーリングは
省いた方が好ましい。このようなPFAフィラメントを作
製するための具体的な好ましい条件について、次に述べ
ることにする。溶融紡糸条件については、ノズルのL/D
の値を3〜20程度、好ましくは5〜15程度とし、更に紡
糸時の引き取りの際の冷却温度を好ましくはノズルを下
方5cmで200〜350℃、20cmで50〜200℃、更に好ましくは
ノズル下方5cmで260〜320℃、20cmで100〜150℃とする
このが望ましい。勿論上記の各値は特に制限を受けるも
のでなく、好ましい一例に過ぎない。延伸は冷延伸、熱
延伸どちらでもよく、延伸倍率、延伸温度等も適宜に定
めればよいが、好ましくは延伸倍率2倍以上、更に好ま
しくは2.5〜4.5倍また、延伸温度は好ましくは200〜300
℃の熱延伸、更に好ましくは20〜50℃の冷延伸をあげる
ことができる。アニーリングの条件については特に制限
はないが、好ましくは180〜290℃、更に好ましくは240
〜280℃程度を例示できる。この際、熱収縮性を有するP
FAフィラメントを得るには、延伸後にアニーリングを行
うことは好ましくないが、必要に応じて適宜に実施して
も差し支えない。また、紡糸と延伸は連続工程で行う
も、別工程で行うもどちらでもよいが、一般には連続工
程で行う場合が多い。以上はPFAフィラメントを作成す
る好ましい一例であり、本発明は、これらの記載内容に
制限を受けるものでない。
本発明に係る糸条は、特に制限はないが一般に編、織
しても編布もしくは織布とする前に、撚糸することが好
ましい。一般にフッ素系重合体は静電気が発生しやす
く、編、織の際静電気が作業上問題となる怖れもあるの
で、その対策のためには前記した撚糸も一方法であり、
撚数は例えば50回/m以上、好ましくは100〜150回/m程度
で効果が現われる。S撚、Z撚のどちらでもよいことは
勿論であり、こうした撚糸を行なわない時は関係湿度60
%程度以上の加湿雰囲気中で編、織することも静電気対
策に対し有効である。撚糸し、加湿中で行うとより効果
的であるが、場合によっては撚糸も加湿も行なわなくて
よく、適宜でよい。
本発明における編成とは経編機、丸編機等の編機等に
より編み立てることであり、製織とは織機等で織り上げ
ることであり、編布もしくは織布の組織としては自由に
定めればよく、編、織密度は最終製品の厚み、通気性等
を考慮し、任意に設定すればよい。この際、好ましい生
地を得るには丸織機等により筒状に編み立てるとよい。
こうして得られた生地は1枚物として使用に供するこ
ともできるが、2枚重ね、それ以上の多層に重ねて使用
することもでき、特に制限はない。筒状の場合は筒状の
まま扁平にして使用すれば2枚重ねと同じことになり便
利なこともある。
こうして得られた生地は、次に加圧下で熱処理工程を
行い、かかる工程により所望部が熱接着されて腰の強さ
が増し好ましい融着布となるのである。熱処理温度につ
いては、所望部が熱接着される程度の温度で十分で特に
制限はないが、好ましくは原料となるフッ素系重合体の
融点から融点より15℃低い程度の温度、より好ましく
は、融点より5〜12℃低い程度の温度を例示できる。加
圧するにはプレート板等により狭圧するプレス方式、ニ
ップローラー方式等を例示でき、特に制限はなく、圧力
値についても最終製品の性能を基に任意に定めればよい
が、通常は5〜20Kg/cm2、好ましくは8〜10Kg/cm2もし
くは15〜40Kg/cm、好ましくは20〜30Kg/cm程度を例示で
きる。この際プレス板やニップローラー等を直接所定温
度に加熱して熱処理してもよく、別に赤外線ランプ、ヒ
ーター等の加熱手段を設けてもよく、テンターの如きオ
ーブン中で行ってもよく、熱処理手段についても特に制
限はない。
この際本発明における所望部が熱接着されるとの記載
の所望部については、特に特定の場所を示すものでな
く、例えば加圧下等の熱処理により熱接着される任意の
部分のことであり、所望の用途に利用可能な程度に熱接
着されていればそれで十分である。前記した任意の部分
とは、例えば糸条が重なった箇所やその周辺等で点接着
や面接着がなされた部分を例示できるが特に制限はな
く、要するに所望部が熱接着されていればよい。
性質の異なる熱可塑性フッ素系重合体から形成された
複数の糸条を用いる場合は、融点の低い方のフッ素系重
合体を基準にして加圧下での熱処理条件を設定するのが
好ましいが、このことは特に制限を受けるものでなく、
任意でよい。
本発明に係る融着布の用途としては特に制限はなく、
あらゆる分野にわたり広範に使用に供せられるが、一般
的には超純水フィルターの補強材、その他ケミカルプラ
ント分野での膜フィルター、特殊フィルター、プレフィ
ルター等への用途が期待されており、特にフッ素系重合
体はすぐれた耐熱製、耐薬品性、非粘着性等を有する上
に、その多くは添加物を含まないなどの高度な特性を有
しており、近年各方面での需要が高まりつつある。
以上は、本発明の好ましい態様等を例示的に説明した
もので、本発明はこれらの記載に制限を受けることな
く、その請求の範囲に記載された範囲内であらゆる態様
を含むものである。
<実施例1> PFA樹脂(MI値は7〜18が望ましい、融点305℃)をハ
ステロイ製押出機により溶融紡糸しフィラメントを得
た。その際ノズルのL/Dを10とし(D=0.5)を押し出さ
れた樹脂を徐冷とする為に、加温空気中にて紡糸した。
その時の温度はノズルから5cm下方にて310℃、20cm下方
にて120℃とした。次いで室温(約25℃)近くに自然冷
却されたフィラメントを、引き続き冷間(室温、約25
℃)にて3倍の延伸操作を行い、しかる後280℃でアニ
ーリングを施してワインダーに巻き取った。
こうして得た単糸あたりの径が21μφのフィラメント
を、6フィラ単位にまとめてマルチフィラとしたところ
破断伸度は30%であり、かかるマルチフィラを通常用い
られる撚糸機により100回/mのS撚りをかけて、本発明
に係る熱可塑性フッ素系重合体糸条を得た。
次いで、かかる糸条を用い関係湿度65%に加湿した室
にて18ゲージで上下針各々516本、釜径23、5cmの丸編機
を用いてフライス編に編み立てたところ、編密度18目/i
nchの生地(編布)を得た。しかる後この生地を切り開
き1枚状態にして離型性をもたせるためのポリイミド系
重合体からなるフィルムを介して2枚のプレート間に配
置し、298℃の条件下で8.3kg/cm2に加圧、5分間加圧後
プレート温度が200℃に下るまで、加圧状態を維持して
冷却させた所望部を熱接着させたところ、厚みが100μ
mの融着布が得られた。この融着布は糸条が重なった箇
所やその周辺等で点接着や面接着等がなされており、好
ましいものであった。
<実施例2> 実施例1と同様に生地を作成し、280℃の熱風による
予備加熱を行い、熱風により、ニップロール温度を295
℃として、ニップ圧20kg/cmに設定し、かつ送りスピー
ド4m/minで加圧下に熱処理を行い所望部を熱接着せしめ
たところ、厚さ130μm融着布のを得た。この際加熱時
のウェブの熱収縮をおさえるために両端をクリップにて
保持し巾を一定として処理を行った。この融着布は糸条
が重なった箇所やその周辺、その他必要とする部分等で
点接着や面接着等がなされており、好ましいものであっ
た。
以上の如く実施例1、2により得られた融着布は厚さ
が概ね均一でばらつきが少なく良好なものである上に、
ぬけ等の繊維離脱のなく、しかも腰の強さの備わった良
好なものであった。このことからも本発明に係る融着布
は品質が安定した良好なものであることが解る。また、
かかる融着布は耐薬品性、耐熱性、非粘着性等諸性質に
優れているため、例えば超純水を作成するためのフィル
ターの補強材等としての用途等に格別の効果を発揮する
他に、苛酷な条件下での各種産業用素材、その他あらゆ
る分野にわたり広範に利用され得るもので今後の需要が
更に期待されるものである。
<発明の効果> 本発明は、以上に示す如き各種性質に優れた融着布及
び極めて簡単な工程を組み合わせて前期融着布を得るた
めの好適な製造法を提供せんとするものであり、その効
果は格別顕著なものがある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性フッ素系重合体を用いた糸条から
    なる編布もしくは織布の所望部を加圧下で、融点乃至融
    点より15℃低い温度の範囲で熱処理を行うことにより熱
    接着せしめてなることを特徴とする融着布。
  2. 【請求項2】5〜20kg/cm2もしくは15〜40kg/cmの加圧
    下で、熱処理を行うことを特徴とする請求項1記載の融
    着布。
JP2016978A 1990-01-25 1990-01-25 融着布 Expired - Lifetime JP2904843B2 (ja)

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