JP2903094B2 - 金型の研磨方法 - Google Patents

金型の研磨方法

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JP2903094B2 JP14799990A JP14799990A JP2903094B2 JP 2903094 B2 JP2903094 B2 JP 2903094B2 JP 14799990 A JP14799990 A JP 14799990A JP 14799990 A JP14799990 A JP 14799990A JP 2903094 B2 JP2903094 B2 JP 2903094B2
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は金型の研磨方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来から金型上の研磨領域を研磨するときの砥石の移
動経路を指定する方法としては種々のものが提案されて
いる。その一例を第10図に従って説明すると、まず、研
磨を所望する領域を囲むように複数のポイントP1〜P4
指定して各ポイントP1〜P4を頂点とした四角形状の研磨
領域Eを決定する。次いで、その研磨領域Eの外周のい
ずれかの辺、例えばP1P2を研磨開始辺として設定し、そ
の研磨開始辺P1P2から同開始辺P1P2に対して最も離間し
たポイントP3,P4までを予め設定された研磨パターン、
例えばジグザグ状のパターンに従って砥石を移動させ、
この研磨領域E全体を研磨する。このように磨領域Eの
外周の各辺を順次研磨開始辺として設定し、各研磨開始
辺を基準として研磨動作を繰り返すようになっている。
又、上記した研磨方法においては、研磨を開始する際
に、研磨領域Eのいずれの辺を研磨開始辺とした場合で
も研磨領域E全体を研磨できるか否かを判定している。
そして、研磨領域E全体を研磨できずに未研磨の領域を
残してしまう辺が1辺でもあるときには、その研磨領域
Eの選定が適切でないとして研磨を実行しないようにな
っている。
例えば、第10図に示す研磨領域Eを研磨する場合に
は、いずれの辺P1P2,P2P3,P3P4,P4P1を研磨開始辺と
しても研磨領域E全体を研磨可能であるため研磨を実行
する。又、第11図に示すように、コ字状の研磨領域Eの
場合には、辺P6P7を研磨開始辺とするとポイントP4,P5
側かポイントP1,P8側のいずれか一方しか研磨できず、
未研磨箇所が残ってしまう。従って、この場合には研磨
を全く行わず、上記したように別の形状の研磨領域Eを
指定して、その研磨領域Eが研磨に適すると判定された
ときに研磨が実行されるようになっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、第11図に示す研磨領域おいても辺P5P6
や辺P7P8を研磨開始辺とした場合には研磨領域E全体を
研磨可能であり、上記した研磨方法ではこのように研磨
可能な辺があるにも拘らず研磨が実行されず、別の形状
の研磨領域Eを再度指定する必要があるという問題があ
る。
本発明の目的は、研磨領域の形状に拘らず研磨動作を
実行することができ、研磨領域を再指定する必要がない
金型の研磨方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、金型上で複数のポイントを指定して各ポイ
ントを頂点とする多角形状の研磨領域を決定し、その研
磨領域の外周のいずれかの辺を研磨開始辺として設定
し、その研磨開始辺から同開始辺に対して最も離間した
ポイントに向けて予め設定された研磨パターンに従って
順次砥石を移動させて研磨領域全体を研磨し、この研磨
動作を異なる研磨開始辺を基準として複数回繰り返す金
型の研磨方法において、前記各研磨開始辺を基準とした
研磨動作毎に、その研磨開始辺を基準として研磨領域全
体を研磨可能か否かを事前に判定し、研磨領域全体を研
磨可能と判定したときには、その研磨開始辺を基準とし
た研磨動作を実行し、研磨領域全体を研磨不能と判定し
たときには、その研磨開始辺を基準とした研磨動作を中
止する金型の研磨方法を要旨とするものである。
〔作用〕
各研磨開始辺を基準として研磨動作が順次実行され、
研磨領域が研磨される。このとき各研磨開始辺を基準と
した研磨動作毎に、その研磨開始辺を基準として研磨領
域全体を研磨可能か否かが事前に判定される。
そして、研磨領域全体を研磨可能と判定したときに
は、その研磨開始辺を基準とした研磨動作が順次実行さ
れ、研磨領域全体を研磨不能と判定したときのみ、その
研磨開始辺を基準とした研磨動作が中止される。この結
果、外周に研磨開始辺として適当でない辺を含んだ研磨
領域でも、研磨可能な研磨開始辺を基準とした研磨動作
が実行される。
〔実施例〕
以下、この発明を金型研磨装置に具体化した一実施例
を第1〜9図に従って説明する。
第1図は金型研磨装置を示し、研磨装置の基台1上に
は金型Wを設置するためのテーブル2が移動可能に設け
られ、同テーブル2を囲むように門型のフレーム3が立
設されている。フレーム3にはX方向移動体4が水平方
向(X方向)に移動可能に設けられ、同X方向移動体4
の下部にはY方向移動体5が前記X方向移動体4と直交
する水平方向(Y方向)に移動可能に設けられている。
Y方向移動体5の上部に設けられた案内筒6には上下方
向(Z方向)に移動可能にZ方向移動軸7が嵌挿される
とともに、同Z方向移動軸7の下端には砥石ヘッド8が
取着されている。この砥石ヘッド8にはエアモータ9が
取着され、同モータ9は金型W研磨用の砥石10を回転駆
動するようになっている。前記X及びY方向移動体4,5
とZ方向移動軸7とはそれぞれX,Y,Z方向駆動モータ11
〜13(第2図に示す)で駆動されるようになっている。
前記フレーム3には制御盤14が取り付けられ、同制御
盤14には、後述するティーチングモードとプレイバック
モードのいずれかのモードを選択するためのモード選択
スイッチ15、ティーチング工程とプレイバック工程を開
始するためのスタートスイッチ16、両工程を終了するた
めのエンドスイッチ17が設けられている。又、制御盤14
には、ティーチング工程においてポイント数を設定する
ためのポイント数設定スイッチ18、ティーチング工程に
おいて研磨領域Eの外周のポイントを指定するためのポ
イント指定スイッチ19、プレイバック工程において砥石
10の移動軌跡(研磨パターン)を設定するためのパター
ン選択スイッチ20、その研磨パターンのピッチlを指定
するためのピッチ指定スイッチ21、プレイバック工程に
おいて研磨回数を設定するための回数設定スイッチ22が
設けられている。
一方、制御盤14には遠隔操作可能なティーチング装置
23がケーブル24を介して接続されている。このティーチ
ング装置23は前記砥石ヘッド8をX及びY方向に移動操
作するための操作レバー25を備え、同操作レバー25は36
0°いずれの方向にも傾動操作し得るようになってい
る。又、ティーチング装置23には砥石ヘッド8をZ方向
に移動操作(昇降操作)するための昇降スイッチ28、エ
アモータ9を回転させるためのモータ始動スイッチ29、
ティーチング工程及びプレイバック工程を開始させるた
めのスタートスイッチ30が設けられている。
次に、本実施例の金型研磨装置の電気的構成を第2図
に従って説明する。
前記制御盤14に内装された中央処理装置31(以下、CP
Uという)の入力側にはこの制御盤14の各スイッチ15〜2
2が接続されている。又、CPU31の入力側には前記ティー
チング装置23の各スイッチ28〜30が接続されるととも
に、同ティーチング装置23に内装されて操作レバー25の
傾動方向と傾動量を検出する第1軸及び第2軸エンコー
ダ26,27が接続されている。CPU31の出力側には前記X,Y,
Z方向駆動モータ11〜13とエアモータ9が接続されてい
る。
さらに、CPU31にはリードオンリメモリ32(以下、ROM
という)とランダムアクセスメモリ33(以下、RAMとい
う)とが接続され、ROM32には金型研磨装置の動作を制
御するためのプログラムや第3図(a)〜(c)に示す
各研磨パターンのプログラム等が記憶され、CPU31はそ
れらプログラムに従って処理を行うようになっている。
尚、RAM33はCPU31が行う処理のデータを一時的に記憶す
るようになっている。
次に、上記したように構成した金型研磨装置により第
5図に示す研磨領域Eを研磨する場合について説明す
る。
第1図に示すように、作業者は研磨作業に際して研磨
領域Eが上に向いた状態で金型Wをテーブル2上に載置
し、モード選択スイッチ15にてティーチングモードを選
択する。次いで、ティーチング装置23のモータ始動スイ
ッチ29を操作してエアモータ9にて砥石10を回転駆動さ
せるとともに、操作レバー25と昇降スイッチ28を操作し
て砥石10を第5図に示す研磨領域EのポイントP1に圧接
させてポイント指定スイッチ19を押圧操作する。さら
に、操作レバー25を操作して砥石10をポイントP2まで移
動させ、ポイント指定スイッチ19を押圧操作する。同様
に、砥石10をポイントP3,P4,P5,P6,P7と順次移動さ
せて、砥石10が各ポイントに到達する毎にポイント指定
スイッチ19を押圧操作する。尚、このとき砥石10が蛇行
しながら目標ポイントに到達しても差し支えない。
第4図(a),(b)はCPU31が実行する処理のフロ
ーチャートであり、ステップ1でモード選択スイッチ15
の操作を持ち、ティーチングモードが選択されるとステ
ップ2に移行する。次いで、ステップ2でポイント数設
定スイッチ18によりポイント数Iが例えば「7」に設定
されると、ステップ3に移行して制御盤14或いはティー
チング装置23のスタートスイッチ16,30が操作されるの
を待つ。スタートスイッチ16,30が操作されるとステッ
プ4でRAM33に内蔵されたカウンタのカウント値iをク
リア(=0)し、ステップ5に移行してティーチング工
程を開始する。
そして、ステップ5で上記したように作業者に操作さ
れる操作レバー25の傾動方向と傾動量をエンコーダ26,2
7からの検出信号として読み込み、ステップ6でポイン
ト指定スイッチ19が押圧操作されたか否かを判定する。
そして、ポイント指定スイッチ19が押圧操作されるとス
テップ7でそのときに砥石10が位置しているポイントP1
と対応する位置データをRAM33に記憶する。次いで、ス
テップ8でカウンタのカウント値iをインクリメント
し、ステップ9でそのカウント値iが上記したポイント
数I(=7)以上であるか否かを判定する。この場合、
カウント値は「1」であることから前記ステップ5に戻
る。
そして、ステップ5で再びエンコーダ26,27からの検
出信号を読み込み、ステップ6でポイント指定スイッチ
19が押圧操作されるとステップ7でそのときの砥石位
置、即ちポイントP2の位置データをRAM33に記憶する。
さらに、ステップ8でカウンタのカウント値iをインク
リメントし、ステップ9でそのカウント値iが「2」で
あることから前記ステップ5に戻る。このようにステッ
プ6でポイント指定スイッチ19が押圧操作される毎に、
ステップ7でポイントP1〜P7の位置データが順次RAM33
に記憶され、ステップ8でカウンタのカウント値iがイ
ンクリメントされる。そして、ポイントP7の位置データ
が記憶されステップ9でカウント値が「7」となってポ
イント数I以上であると判定されると、前記ステップ1
に戻ってモード選択スイッチ15の操作を待つ。
一方、ステップ1ででモード選択スイッチ15にてプレ
イバックモードが選択されると、ステップ10に移行して
パターン選択スイッチ20の押圧操作を待つ。そして、パ
ターン選択スイッチ20により例えば第3図(a)に示す
研磨パターンが選択されるとステップ11に移行し、この
ステップ11でピッチ指定スイッチ21により研磨パターン
のピッチlが設定される。尚、この研磨パターンのピッ
チlは使用する砥石径より小さく設定して砥石10の移動
軌跡をオーバラップさせるようにしている。さらに、ス
テップ12が回数設定スイッチ22により研磨回数Nが例え
ば「3」に設定されると、ステップ13に移行してスター
トスイッチ16,30の操作を待つ。次いで、ステップ13で
スタートスイッチ16,30が操作されると、ステップ14以
降でプレイバック工程を実行する。
このプレイバック工程を説明すると、まず、ステップ
14でRAM33に内蔵されたカウンタのカウント値nをクリ
ア(=0)し、ステップ15でカウンタのカウント値mを
クリア(=0)する。そして、ステップ16で上記したテ
ィーチング工程で指定された各ポイントP1〜P7の位置デ
ータに基づき金型W上に第5図での各ポイントP1〜P7
頂点とする研磨領域Eを決定する。さらに、このステッ
プ16で各ポイントP1〜P7を結んで研磨領域Eの外周を形
作っている各辺の内から研磨の基準とするための研磨開
始辺を選出する。本実施例の研磨装置においては最後に
指定されたポイントとその直前に指定されたポイント、
即ちP7とP6とを結ぶ辺P6P7を研磨開始辺として決定す
る。
次いで、ステップ17でこの研磨開始辺P6P7が研磨の基
準として適切か否かを判定する。判定手順としては第6
図に示すように、まず、この研磨開始辺P6P7に対する各
ポイントP1〜P5の直交方向の距離L1〜L5をそれぞれ求め
て、研磨開始辺P6P7の一端P7から順に各ポイントP1〜P5
の距離L1〜L5の増減傾向を判定する。そして、研磨開始
辺P6P7の他端P6に至るまでにその距離L1〜L5の増減傾向
が1回のみ変更したときには研磨開始辺P6P7が研磨の基
準として適切であるとし、距離L1〜L5の増減傾向が2回
以上変更したときには研磨開始辺P6P7が適切でないと判
定する。
本実施例では、研磨開始辺P6P7の一端P7から順に0
(P7),L1,L2,L3と増加し、L3からL4,L5,0(P6)と
減少する。従って、増減傾向が変更されるのはL3とL4
の間の1回のみであり、その研磨開始辺P6P7が研磨の基
準として適切であると判定される。尚、反対に研磨開始
辺P6P7の他端P6から各距離L5〜L1を比較しても同様の結
果を得ることができる。このように研磨開始辺P6P7が適
切であると判定されるとステップ18に移行してこの研磨
開始辺P6P7を基準とする研磨を実行する。
CPU31は研磨作業に際して、まず砥石10を研磨開始辺P
6P7の一端P7に移動させ、エアモータ9による砥石10の
回転を開始する。そして、砥石10をその一端P7から研磨
開始辺P6P7の他端P6に移動させ、その後、前記ピッチ指
定スイッチ21にて設定されたピッチl分だけ研磨領域E
の外周に沿って移動させてポイントP61に到達させる。
次いで、砥石10をポイントP61から研磨開始辺P6P7と平
行に移動させて対向する研磨領域Eの外周のポイントP
71に到達させ、さらに、同研磨領域Eの外周に沿ってピ
ッチl分だけ移動させてポイントP72に到達させる。以
後、同様にしてピッチl分だけ順次ずらしながら研磨開
始辺P6P7と平行に砥石10を移動させ、最後に研磨開始辺
P6P7から最も離間したポイントP3まで移動させる。以上
で研磨開始辺P6P7を基準とする研磨が終了して研磨領域
E内がくまなく研磨される。
次いで、第4図(b)のステップ19でカウンタのカウ
ント値nをインクリメントし、ステップ20でそのカウン
ト値nが研磨回数N(=3)以上か否かを判定する。こ
のときカウント値nは「1」であるため研磨作業がまだ
完了していないとしてステップ15に戻ってカウンタのカ
ウント値mをクリアし、ステップ16で再び新たな研磨開
始辺を選出する。
新たな研磨開始辺は上記した研磨終了点P3の両側の
辺、即ちP3P4及びP2P3の内、前回の研磨開始辺P6P7に対
してより直交する辺を選出する。この場合、辺P3P4がよ
り直交しているためこの辺P3P4を研磨開始辺とする。
次いで、ステップ17でこの研磨開始辺P3P4が研磨の基
準として適切か否かを判定する。第7図に示すように、
上記した場合と同じく研磨開始辺P3P4に対する各ポイン
トP5〜P7,P1,P2の直交方向の距離を求めるが、この場
合、ポイントP5〜P7,P1,P2が研磨開始辺P3P4が両側に
分散しているため一側のポイントP7,P1,P2に負の符号
を付すことにする。そして、研磨開始辺P3P4から各ポイ
ントP5,P6,P7,P1,P2までの直交方向の距離をそれぞ
れL1,L2,−L3,−L4,−L5とすると、研磨開始辺P3P4
の一端P4から順に、0(P4),L1と増加し、L1からL2
−L3,−L4と減少し、再び、−L4から−L5,0(P3)と増
加する。従って、増減傾向が変更されるのはL1とL2
間、−L4と−L5の間の2回であり、その研磨開始辺P3P4
が研磨の基準として適切でないと判定される。第7図に
仮想線Aで示すように、実際にこの研磨開始辺P3P4を基
準として研磨を行っても研磨領域E全体を研磨できず未
研磨領域が残ることがわかる。
従って、CPU31はステップ21に移行してカウンタのカ
ウント値mをインクリメントし、ステップ22でそのカウ
ント値mが前記ティーチング工程で設定したポイント数
I(=7)以上か否かを判定する。この場合、カウント
値mは「1」のため前記ステップ16に移行して別の研磨
開始辺を選出する。
別の研磨開始辺としては上記したようにステップ16で
研磨開始辺P3P4を選出するにあたって候補となった辺P2
P3を選出する。そして、ステップ17でこの研磨開始辺P2
P3が研磨の基準として適切か否かを判定する。第8図に
示すように、研磨開始辺P2P3から各ポイントP4〜P7
P1,P2までの直交方向の距離をそれぞれL1〜L5とする
と、研磨開始辺の一端P3から順に、0(P3),L1,L2
L3と増加し、L3からL4,L5,0(P2)と減少する。従っ
て、増減傾向が変更されるのはL3とL4との間の1回のみ
であり、その研磨開始辺P2P3が研磨の基準として適切で
あると判定されてステップ18に移行する。
そして、ステップ18で研磨開始辺P2P3から同開始辺P2
P3に対して最も離間したポイントP6まで研磨パターンに
従って砥石10が移動して研磨領域E全体が研磨される。
そして、ステップ19でカウンタのカウント値nをインク
リメントし、ステップ20でそのカウント値nが研磨回数
N(=3)以上か否かを判定する。カウント値nは
「2」であるため研磨作業がまだ完了していないとして
ステップ15に戻ってカウンタのカウント値mをクリア
し、再びステップ16に移行する。
尚、仮に前記研磨開始辺P2P3が適切でない場合には、
ステップ16で辺P4P5、辺P1P2、辺P6P7、辺P1P7を順次研
磨開始辺として選出し、ステップ17でそれらの開始辺が
適切か否かを判定する。そして、全ての辺が研磨開始辺
として適切でないとされてステップ22でカウンタのカウ
ント値mがポイント数I(=7)以上となると研磨領域
Eを研磨不能であるとしてプレイバック工程を終了す
る。
一方、前記研磨開始辺P2P3を基準とする研磨が終了し
てステップ16に移行すると、上記した場合と同様に研磨
終了点P6の両側の辺、即ちP5P6及びP6P7の内、前回の研
磨開始辺P2P3に対してより直交する辺P5P6を研磨開始辺
とする。そして、ステップ17でこの研磨開始辺P5P6が研
磨の基準として適切か否かを判定する。第9図に示すよ
うに、研磨開始辺P5P6から各ポイントP7,P1〜P4までの
直交方向の距離をそれぞれL1〜L5とすると、研磨開始辺
P5P6の一端P6から順に、0(P6),L1,L2と増加し、L2
からL3,L4,L5,0(P5)と減少する。従って、増減傾向
が変更されるのはL2とL3との間の1回のみであり、その
研磨開始辺P5P6が研磨の基準として適切であると判定さ
れる。
そして、ステップ18でこの研磨開始辺P5P6を基準とす
る研磨を実行し、ステップ19でカウンタのカウント値n
をインクリメントし、ステップ20でそのカウント値nが
研磨回数N(=3)以上か否かを判定する。このカウン
ト値nは「3」であるため研磨作業が完了したとしてプ
レイバック工程を終了する。
尚、上記した研磨作業は第3図(a)に示す研磨パタ
ーンに基づいて行ったが、第3図(b)又は第3図
(c)に示す研磨パターンが選択された場合についても
全く同様の手順で研磨が行われる。又、ポイント数の異
なる別の形状の研磨領域を研磨する場合でも、上記した
手順で研磨開始辺が選出される。
このように本実施例の金型研磨装置は、各研磨開始辺
を基準とした研磨動作毎に、その研磨開始辺を基準とし
て研磨領域E全体を研磨可能か否かを事前に判定し、研
磨領域E全体を研磨可能と判定したときにはその研磨開
始辺を基準とした研磨動作を実行し、研磨領域E全体を
研磨可能と判定したときにはその研磨開始辺を基準とし
た研磨動作を中止して別の辺を研磨開始辺として選定す
るようにした。
従って、第5図に示すように外周に研磨開始辺として
適当でない辺を含んだ研磨領域Eでも、研磨領域E全体
を研磨可能な研磨開始辺に基づいて研磨動作が順次実行
されるとともに、研磨領域E全体を研磨不能な研磨開始
辺については、別の辺を研磨開始辺として選定して研磨
動作が順次実行される。その結果、別の形状の研磨領域
Eを再度指定することなく、その研磨領域E(第5図に
示す)を研磨することができる。
尚、この発明は上記実施例に限定されることはなく、
例えば、上記実施例では研磨領域E全体を研磨不能な研
磨開始辺については、別の辺を研磨開始辺として選定し
て研磨動作を行ったが、研磨領域E全体を研磨不能であ
るとの判定が下された時点で表示ランプを点灯させて作
業者に注意を促したり、或いは研磨動作を全て中止した
りしてもよい。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明の金型の研磨方法によれ
ば、研磨領域の形状に拘らず研磨動作を実行することが
でき、研磨領域を再指定する必要がないという優れた効
果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例の金型研磨装置を示す正面図、第2図は
金型研磨装置の電気的構成を示すブロック図、第3図
(a)〜(c)は研磨パターンを示す図、第4図
(a),(b)は作用を説明するためのフローチャー
ト、第5図は各ポイントにより指定された研磨領域を示
す図、第6〜9図は研磨開始辺の適否の判定手順を説明
するための図、第10図は従来の研磨方法の手順を説明す
るための図、第11図は従来の研磨方法によって未研磨領
域が残った場合を示す図である。 10は砥石、Wは金型、Eは研磨領域、P1〜P7はポイン
ト、L1〜L5は距離。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24B 17/10 B24B 1/00 B24B 49/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型(W)上で複数のポイント(P1〜P7
    を指定して各ポイント(P1〜P7)を頂点とする多角形状
    の研磨領域(E)を決定し、その研磨領域(E)の外周
    のいずれかの辺を研磨開始辺として設定し、その研磨開
    始辺から同開始辺に対して最も離間したポイントに向け
    て予め設定された研磨パターンに従って順次砥石(10)
    を移動させて研磨領域(E)全体を研磨し、この研磨動
    作を異なる研磨開始辺を基準として複数回繰り返す金型
    の研磨方法において、 前記各研磨開始辺を基準とした研磨動作毎に、その研磨
    開始辺を基準として研磨領域(E)全体を研磨可能か否
    かを事前に判定し、研磨領域(E)全体を研磨可能と判
    定したときには、その研磨開始辺を基準とした研磨動作
    を実行し、研磨領域(E)全体を研磨不能と判定したと
    きには、その研磨開始辺を基準とした研磨動作を中止す
    る金型の研磨方法。
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