JP2902731B2 - 改良された加工性を有するゴム組成物 - Google Patents

改良された加工性を有するゴム組成物

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JP2902731B2 JP2141747A JP14174790A JP2902731B2 JP 2902731 B2 JP2902731 B2 JP 2902731B2 JP 2141747 A JP2141747 A JP 2141747A JP 14174790 A JP14174790 A JP 14174790A JP 2902731 B2 JP2902731 B2 JP 2902731B2
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、改良された加工性を有するゴム組成物に関
する。
ゴムと、加熱すると加硫できる組成物を与えるのに必
要とされるようなその他の成分との混合は、高いエネル
ギー消費を含むプロセスであり、そして典型的にはゴム
成形材料(compound)の粘度を減らす効果を有する成分
が含まれる。粘度の減少は、与えられた程度の混合のた
めの力の消費が減り、混合装置のスループット速度が増
し、そして成形材料が到達する最高温度が減ることを意
味する。同様な考慮が、ゴム成形材料のその他の加工操
作例えばカレンダ加工、押出または射出成形にも当て嵌
まる。ここで、成形材料を早期加硫(scorching)させ
るであろう高温の回避が特に重要である。
加工性助剤のこれらの有益な効果は、この目的のため
に現在使用されているほとんどの物質、例えばゴムと適
合する炭化水素油は、加硫製品に弾性率及び硬さを減ら
す効果を有する傾向があるという事実と相殺されなけれ
ばならない。それ故、加硫の前に成形材料の加工性を改
良するために添加することができる量は限定される。そ
れ故、加硫製品のその他の物理的性質例えば機械的性質
に悪い影響を与えることなく加工性を改良するためにゴ
ムに添加することができる物質が求められる。
提案されてきたゴムのための他の添加物の中には、特
公昭45(1970)−6954号中に開示された“反応性可塑
剤”がある。これらは、官能基、例えばチオグリコール
酸から誘導された基の導入によって改質された高沸点石
油留分または不飽和動物もしくは植物油である。US−A
−2 429 858は、α−メルカプトカルボン酸のテルペン
チオエーテルまたはこのような酸の金属塩のその中への
混入によってブタジエン−スチレンエラストマーの加工
性を改良する方法を開示している。US−A−2 429 858
中にはテルペンチオエーテルの使用は粉砕(milling)
時間における顕著な減少を可能にすることが示されてい
るが、加硫製品の性質に関するデータは与えられていな
い。
以下に定義されそして本明細書中では以後粘度調整剤
(VMA)と呼ばれるある種のアルキルチオカルボン酸は
先行技術の加工助剤を凌ぐ利点を有することがここに見
い出された。
特に、本発明によるVMAの使用は、同じ重量の従来の
加工油を含むゴム成形材料の加工性特性よりも一般に優
れている加工性特性を有するゴム成形材料を与え、一方
VMAを含む成形材料を加硫することによって得られる加
硫製品は、従来の加工油を含む成形材料に対して改良さ
れた物理的性質、特に改良された反発弾性、硬さ及び圧
縮永久ひずみを有する。さらにまた、以下に与えられる
データは、本発明によるVMAによって得ることができ
る、先行技術のチオエーテルに対する改良を示す。
本発明は、未加硫ゴムポリマーおよび粘度調整剤とし
て式 R1S(CR3R4xCO2R2 (式中、 R1は、アルキルまたはアルケニル基あるいはヒドロキ
シ−またはアルコキシ−置換されたアルキルまたはアル
ケニル基を表し、前記基はアルコキシ−置換されたアル
キルまたはアルケニル基中のアルコキシ炭素原子は別に
して4〜22の炭素原子を含む、 R2は、水素、金属またはその他のカチオン基を表し、 R3およびR4のそれぞれは独立して水素またはアルキル
基を表し、そして xは1〜10の値を有する) を有するアルキルチオアルカン酸またはその塩を含むゴ
ム組成物を提供する。
もう一つの面においては、本発明は、上で定義された
ようなアルキルチオアルカン酸、塩またはエステルをゴ
ム中に混入することから成る、ゴムの加工性を改良する
方法を提供する。
VMAの上の式においては、R1は、原則として、4〜22
の炭素原子を有する任意の真っすぐなまたは分岐した鎖
のアルキルまたはアルケニル基、例えば直鎖のブチル、
ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、オクテニ
ル、ノニル、デシル、ドデシル、ドデセニル、テトラデ
シル、ヘキサデシル、もしくはオクタデシル、またはそ
れらの分岐した鎖の異性体の任意のものでよい。ヒドロ
キシ−またはアルコキシ−置換アルキルまたはアルケニ
ル基は、1またはそれより多い、通常は1または2のこ
のような置換基を含んでよい。アルコキシ置換基は、好
ましくは、1〜4の炭素原子を含むもの、例えばメトキ
シまたはエトキシである。
R2が金属またはその他のカチオン基を表す場合には、
これは、例えばアルカリ金属イオン、例えばナトリウム
でよい。R2は、その代わりに、多価金属、例えばマグネ
シウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ニッケル、コバ
ルト、またはアルミニウムの当量を表すこともできる。
これらの中でも、亜鉛が好ましい多価金属である。
カチオン基R2はまた、アンモニアまたはアミン、例え
ば式R5R6NH[式中、R5及びR6は同時に両方とも水素また
は両方ともフェニルではないという条件下で、R5及びR6
は、各々、水素、アルキル基、シクロアルキル基、ベン
ジル基またはフェニル基を表す]を有するアミンから誘
導されるカチオン基でもよい。カチオン基R2はまた、そ
の他の窒素を含む塩基、例えばグアニジンまたはジフェ
ニルグアニジンから誘導されてもよい。
R3またはR4がアルキル基を表す時には、これは、好ま
しくは、1〜6の炭素原子を含む基、特にメチルまたは
エチル基である。好ましくは、各々の基CR3R4中の炭素
原子に結合されたR3及びR4の少なくとも一つは水素であ
る。好ましい化合物は、式中xが1〜4の値を有する化
合物である。式中、R1が10〜16の炭素原子の直鎖のアル
キル基を表し、R3が水素を表し、R4が水素またはメチル
基を表し、そしてxが1または2の値を有する化合物が
最も好ましい。
本発明に従って有用なアルキルチオアルカン酸の製造
のために数個の方法が利用できる。これらは、 i) α−オレフィンR1CH=CH2とチオグリコール酸と
の反応:これは、反応条件に依存してアルキルチオ酢酸
R1CH2CH2SCH2COOHまたはR1CH(CH3)SCH2CO2Hを与え
る。同様にα−オレフィンは、反応条件に依存して3−
メルカプトプロピオン酸とはR1CH2CH2SCH2CH2CO2Hまた
はR1CH(CH3)SCH2CH2CO2Hを、そして2−メルカプトプ
ロピオン酸とはR1CH2CH2SCH−(CH3)CO2HまたはR1CH
(CH3)SCH(CH3)CO2Hを与えるはずである; ii) メルカプタンR1SHと、式 X(CR3R4XCO2H [式中、Xはハロゲン、例えば塩素または臭素を表し、
そしてR3、R4及びxは上のVMAの式におけるのと同じ意
味を有する]のハロゲン置換されたアルカン酸との反
応:これは、種々のアルキルチオアルカン酸の合成のた
めの一般的な方法である; iii) 水性アルカリまたは溶媒中の有機塩基でよい塩
基性条件下でのアクリル酸とメルカプタンとの反応(こ
れは、メルカプチドアニオンがアクリレートアニオンの
C=C結合と求核反応をすることを暗示する)は、特に
3−(アルキルチオ)プロピオン酸、即ちR1SCH2CH2CO2
Hを与える; iv) 塩基性条件下でのγ−ブチロラクトンとメルカプ
タンR1SHまたは対応するアルカリ金属メチルカプチドと
の反応:この方法は、式中xが3の値を有するアルキル
チオアルカン酸を与える; を含む。
上で述べられた粘度調整剤は、ゴムが、天然であれ合
成であれ、シス−ポリイソプレンである組成物において
特に効果的であるが、それらはまた、その他のゴム、例
えばポリ−1,3−ブタジエン、1,3−ブタジエンとその他
のモノマー、例えばスチレン、アクリロニトリル、イソ
ブチレン及びメチルメタクリレートとのコポリマー、エ
チレン−プロピレン−ジエンターポリマー、及びハロゲ
ン含有ゴム例えばクロロブチル、ブロモブチル及びクロ
ロプレンゴムにも有用である。その他の場合としては、
本発明のゴム組成物中のゴムポリマーは、2またはそれ
より多い上で例示されたゴムのブレンド、例えば天然ゴ
ムとスチレン−ブタジエンゴムのブレンドでもよい。
本発明の組成物中のVMAの量は、ゴムポリマーの性
質、要求される粘度調整の程度、そしてその他の加工助
剤例えば加工油が含まれるか否かに依存して変動するで
あろう。しかしながら、通常は、VMAの量は、100重量部
のゴムあたり0.5〜10重量部の範囲内、そしてさらに特
別には1〜5重量部の範囲内であろう。
VMAは、生のゴムポリマーの加工性を改良するために
使用することもできるが、補強剤及び/または充填剤、
加硫剤及び促進剤を含むすべてが配合されたゴム原料中
で特に有用である。通常使用される充填剤は、典型的に
は100重量部のゴムあたり40〜70重量部の量で使用され
るカーボンブラック、例えばN347またはN326のようなN3
00シリーズのカーボンブラックを含む。その他の添加物
は、例えば、100重量部のゴムあたり、例えば、2〜10
重量部の量で使用されてよい酸化亜鉛;100重量部のゴム
あたり、例えば、0.5〜2重量部のレベルでのステアリ
ン酸(しかし、本発明の一つの特徴は、アルキルチオア
ルカン酸または塩であるVMAを含む組成物においてはス
テアリン酸の量を顕著に減らすことができるかあるいは
それを全く必要としないであろうということである
が);劣化防止剤、例えばN−アルキル−N′−フェニ
ル−p−フェニレンジアミン;そして酸化防止剤、例え
ば2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンのポリマ
ーを含む。その他の補強剤及び/または充填剤、例えば
シリカを使用してもよく、そしてゴム原料はまた、酸化
亜鉛以外の金属酸化物活性化剤、例えば酸化マグネシウ
ム、早期加硫禁止剤、例えばN−シクロヘキシルチオフ
タルイミド、そして後加硫安定剤及びゴム−金属結合促
進剤、例えばEP−B−0 070 143及びEP−B−109 955中
に述べられたチオスルフェート誘導体を含んでもよい。
VMAは、例えば、インターナルミキサーまたは粉砕機
を用いて第一段階の混合の間に、加硫剤と加硫促進剤を
除く添加物と一緒にゴム中に混入してよい。天然ゴムの
加工においては、何らかの添加物の導入の前に生ゴムを
素練りにかけるのが一般的である。しかしながら、本発
明のVMAによって、もし第一素練り段階の間にVMAを単独
で添加すれば、素練りによって達成されるゴムの粘度の
減少が加速され、そして天然ゴムに関しては、これは好
ましい。代わりの手順においては、VMAは、第二段階の
混合の間に加硫剤及び促進剤と一緒に混入することもで
きる。もし硫黄を加硫剤として使用するのならば、この
量は、典型的には、100重量部のゴムあたり2〜6重量
部の範囲内である。
使用してよい促進剤は、ベンゾチアゾール−2−スル
フェンアミド、例えばN−イソプロピル−ベンゾチアゾ
ール−2−スルフェンアミド、N−tert−ブチル−ベン
ゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−シクロベン
ゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N,N−ジシクロ
ヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド及び
2(モルホリノチオ)ベンゾチアゾールを含む。本発明
の組成物においては、これらは、典型的には、ゴムの性
質、硫黄の量、及び硬化されたゴムに必要とされる機械
的性質に依存して100重量部のゴムあたり0.3〜2重量部
の量で使用される。
上で述べたように、本発明において使用されるVMA
は、通常の混合方法によってゴム中に混入してよい。た
いていのVMAは液体または低融点固体であり、そしてこ
れらに関しては、良好な分散を得るために特別な注意は
必要ない。もし必要ならば、比較的高い融点の固体は、
適切な分散を促進させるために細かい粉末、好ましくは
70マイクロメーターの粒径またはそれ未満に粉砕しても
よい。ある場合においては、固体のVMAを粒子状物質の
予備分散としてゴムと適合する炭化水素油またはポリマ
ー、例えばEPDMゴム中に添加することが好都合である。
VMAは、充填剤、加硫剤、及びすべてが配合されたゴ
ム原料の製造において通常使用されるその他の成分を含
む本発明の組成物の加硫によって得られる加硫製品のあ
る種の物理的性質に有益な影響を有することが観察され
た。このような加硫製品は、本発明の別の一面を代表す
る。
本発明を、以下の特定の実施態様によって説明する。
本発明のVMAの評価のために、以下の組成の対照原料
を用いた: 重量部 天然ゴムSMR10またはSMR20 100 N347カーボンブラック 50 酸化亜鉛 5 ステアリン酸 2 加工油 3 オゾン化防止剤(1) 2 硫 黄 2.5 促進剤(2) 0.6 (1)N−1,3−ジメチルブチル−N′−フェニル−p
−フェニレンジアミン (2)N−シクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スル
フェンアミド * SMR10は約50のムーニー単位の粘度にそしてSMR20は
約60のムーニー単位の粘度に(100℃でML(1+
4))、その他の成分の添加前に両方とも予備素練りし
た。
混合のためには、実験室スケールのBRバンバリーイン
ターナルミキサーを使用した。成分は、ミキサーの電力
消費の積算値によって決定される間隔で以下のスケジュ
ールに従って混入した。予備素練りされたゴムは、ミキ
サー(水循環)の温度が40℃である時に装填した。
サンプルを、反発弾性及び硬さテストのために141℃
で加硫した。テストは標準方法(それぞれISO4662及びI
SO48−1979(E))に従って実施した。
以下の第1表は、SMR20ゴムを基にした種々の原料に
よって得られた結果を示し、そして第2表は、SMR10ゴ
ムを基にした原料によって得られた結果を示す。括弧中
の数字(相対値)は、対照に対するパーセントである。
これらの表の左手の欄中に数によって示したVMA及び先
行技術の添加物は以下の通りである。
1. なし(対照) 2. n−ドデシルチオ酢酸 3. 3−(n−ドデシルチオ)プロピオン酸 4. α−ピネンとチオグリコール酸の反応生成物(US−
A−2 429 858) 5. 反応生成物4の亜鉛塩 6. t−ドデシルチオ酢酸、ここで“t−ドデシル”は
プロピレンテトラマーから誘導される基を表す 7. n−デシルチオ酢酸 8. n−ヘキサデシルチオ酢酸 9. 2−(n−デシルチオ)プロピオン酸 9A. n−ドデシルチオ酢酸の亜鉛塩。
上の結果は、本発明のVMAを含む原料とUS−A−2 429
858による添加物を含む原料(どちらの原料も加えて通
常の加工油を含む)との比較を可能にする。これらの結
果は、先行技術の添加物を含む原料はムーニーt5に関し
てずっと低い値を有することを示す。これは、硬化の開
始前の原料の誘導期の尺度である。ムーニーt5の値が低
ければ低いほど、原料が早期加硫するであろうリスクが
それだけ大きい。
第1表(SMR20)においては、このような原料は、本
発明のVMAを含む原料よりも一貫して低い反発弾性及び
硬さに関する値を有することが示されている。第2表
(SMR10)の結果は、反発弾性に関する本発明による原
料の改良を示す。
第1図及び第2図によって図示された結果は、本発明
のVMAを含む原料と通常の加工助剤(加工油)を含む原
料との、そして油を含まない原料との加工挙動の比較を
提供する。基礎原料は、100重量部のゴムあたり50重量
部のカーボンブラック、並びに通常の範囲内の量の酸化
亜鉛、ステアリン酸、N−1,3−ジメチル−N′−フェ
ニル−p−フェニレンジアミン劣化防止剤、硫黄及びN
−シクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンア
ミド促進剤を含むSMR10天然ゴムを基にした代表的な成
形材料であった。110の容量を有するWerner−Pfleide
rerインターナルミキサーを混合のために使用した。硫
黄及び促進剤以外の成分を第一段階の間に混合し;次に
硫黄及び促進剤を第二段階の混合の間に混入した。
評価のための添加物(加工油またはVMA)を含む原料
も同様にして製造し、100重量部のゴムあたり3重量部
の添加物を第一段階の混合の間に混入した。VMAは、第
1表及び第2表に関連して上で示されたように番号をつ
ける。表中に含まれていないVMA No.10は、3−(t−
ドデシルチオ)プロピオン酸であった。
原料の加工に対する添加物の影響は、種々のスクリュ
ー速度での押出機からの取り出し量を測定することによ
って(第1図)そしてまた種々の取り出し速度での押出
物の温度を測定することによって(第2図)評価した。
通常の加工油を凌ぐVMAの利点は、これらの結果から明
らかである。第1図は、押出機からのある取り出し量の
達成には、VMAを含む原料を用いた方が低いスクリュー
速度そしてそれ故低い電力投入を必要とすることを示
す。第2図は、あるスクリュー速度で、押出物の温度
は、加工油を含む比較原料、そして加工助剤を含まない
対照原料よりもVMAを含む原料の方が低いことを示す。
この温度差は、それが、VMAを含むゴム原料を押出しま
たは射出成形する時の方が早期加硫が問題となることが
少ないはずであることを示すので、重要である。逆に、
ある押出物温度で、通常の加工油を含む原料よりも高い
取り出し量を、匹敵する量のVMAを含む原料を用いて達
成することができる。
第1図及び第2図は、式中Rが直鎖のアルキル基であ
るVMAの性能は、式中Rが同じ数の炭素原子を有する分
岐鎖のアルキル基であるVMAの性能より優れていること
を示唆する。
以下の第3表は、第2表の結果を与えた原料と類似で
あるが加工油を含まないSMR10ゴムの異なるロットを用
いた原料によって得られた結果を示す。第3表の左手の
欄中の番号は、以下のように、対照原料、並びに100重
量部のゴムあたり3重量部で種々のVMA及び先行技術の
添加物を含む原料に対応する: 11. なし(対照) 12. n−ドデシルチオ酪酸 13. n−ドデシルチオ酢酸 14. 日本特公昭45(1970)−6954号の方法によるチオ
グリコール酸とナフテン系加工油との反応生成物 15. 日本特公昭45(1970)−6954号の方法によるチオ
グリコール酸とタール油との反応生成物 反発弾性、硬さ及び100%伸びでの応力は、標準方法
によって測定した(反発弾性と硬さは上で述べたよう
に、引張テストはISO 37−1977(E)によって)。原料
12と13と原料14と15との比較は、先行技術の添加物は、
本発明のVMAよりも硬化の開始前の原料の誘導期(ムー
ニーt5値)を減らすことを示す。同じ比較は、本発明の
VMAは対照よりも高い100%伸びでの応力の値を有する原
料を与えるのに対して、先行技術の添加物は対照よりも
低い値を有する原料を与えることを示す。
VMAと先行技術の添加物の両方ともが、粘度減少によ
って測定される未加硫のゴム原料の加工性に対する有益
な影響を持っていた。しかしながら、VMAを用いるとこ
の影響は加硫製品の物理的な性質に対する悪い影響なし
で達成され、一方、先行技術の添加物を用いるとそうで
はない。
本発明のVMAの一層の評価のために、非油展SBRゴムま
たはSBR/天然ゴム混合物を基にし、そして以下の組成を
有する対照原料を製造した。数字は重量部を示す。
100重量部のゴムあたりそれぞれ1、2及び3重量部
の上の第1表のVMA No.2を対照原料Aの部分中に混合す
ることによって、テスト原料を製造した。テスト原料及
びVMAを含まない対照を153℃で時間t′c(90)(ISO
3417−1977(E)参照)の間加熱することによって加硫
させた。標準方法による加硫製品の物理的性質の測定
は、VMAの存在は、弾性率に対する一般的に有益な影響
を有するが、硬さ及び反発弾性に対しては、対照と比べ
て、実質的に影響がないことを示した。しかしながら、
圧縮永久ひずみ(方法ISO815−1972(E))に対する顕
著に有益な効果が注目された。即ち、70℃で22時間後に
測定されたパーセントは、対照に関して34、そして100
重量部のゴムあたりそれぞれ1、2及び3重量部のVMA
を含む原料に関して29.5、29及び27であった。
100重量部のゴムあたり3重量部の第1表のVMA No.2
を対照原料Bのサンプルと混合することによって、テス
ト原料を製造した。テスト原料及び対照の一部を141℃
で時間t′c(90)の間加熱することによって加硫させ
た。標準方法による加硫製品の物理的性質の測定は、10
0%弾性率(3.2MPaと比較した3.6MPa)及び破断時の伸
び(463%と比較した440%)におけるテスト原料に関す
る少しの改良を示した。しかしながら、70℃で22時間後
の圧縮永久ひずみにおける(対照に関する35%と比較し
た20%)そしてGoodrich Flexometer、ASTM 623−197
8、方法Aによる破損(blow−out)時間における(対照
に関する11分と比較した19分)顕著な改良があった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、スクリュー速度を変えた時の種々のゴム原料
の押出機からの取り出し量を示すグラフであり、そして 第2図は、押出物の温度を変えた時の種々のゴム原料の
押出機からの取り出し量を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 7/00 - 21/02 C08K 5/37 - 5/372

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未加硫ゴムポリマーおよび粘度調整剤とし
    て式 R1S(CR3R4xCO2R2 (式中、 R1は、アルキルまたはアルケニル基あるいはヒドロキシ
    −またはアルコキシ−置換されたアルキルまたはアルケ
    ニル基を表し、前記基はアルコキシ−置換されたアルキ
    ルまたはアルケニル基中のアルコキシ炭素原子は別にし
    て4〜22の炭素原子を含む、 R2は、水素、金属またはその他のカチオン基を表し、 R3およびR4のそれぞれは独立して水素またはアルキル基
    を表し、そして xは1〜10を値を有する) を有するアルキルチオアルカン酸またはその塩を含むゴ
    ム組成物。
  2. 【請求項2】粘度調整剤の式において、R1は8〜18の炭
    素原子のアルキル基を表し、各々のR3及び各々のR4は独
    立して水素またはメチルまたはエチル基を表し、そして
    xは1〜4の値を有する、請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】粘度調整剤の式において、R1は10〜16の炭
    素原子の直鎖アルキル基を表し、R3の各々は水素を表
    し、R4は水素またはメチル基を表し、そしてxは1また
    は2の値を有する、請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】粘度調整剤の式において、R2は水素または
    亜鉛の当量を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の組成物。
  5. 【請求項5】粘度調整剤がn−ドデシルチオ酢酸であ
    る、請求項3記載の組成物。
  6. 【請求項6】粘度調整剤の量が、100重量部のゴムあた
    り1〜5重量部である、請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の組成物。
  7. 【請求項7】ゴムポリマーが、シス−ポリイソプレン、
    スチレン−ブタジエンもしくはニトリルゴム、またはこ
    のようなゴムのいずれかとポリブタジエンとのブレンド
    から成る、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成
    物。
  8. 【請求項8】ゴムが、天然ゴムである、請求項7記載の
    組成物。
  9. 【請求項9】ゴムポリマーが、スチレン−ブタジエンゴ
    ム、または天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムのブレ
    ンドである、請求項7記載の組成物。
  10. 【請求項10】充填剤、加硫剤、およびすべてが配合さ
    れたゴム原料の製造において使用されるその他の成分を
    含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】請求項1で定義されたアルキルチオアル
    カン酸またはその塩を、未加硫ゴムポリマー中に混入す
    ることからなる、改良された加工性を有する請求項1の
    ゴム組成物を製造する方法。
  12. 【請求項12】請求項10で定義された組成物を加硫温度
    に加熱することによって得られた加硫製品。
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