JP2902187B2 - 導電性を有するトナー案内板およびトナー飛散防止板 - Google Patents
導電性を有するトナー案内板およびトナー飛散防止板Info
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Description
案内板およびトナー飛散防止板に関するものであって、
より詳しくは、トナー案内板およびトナー飛散防止板自
体の電気抵抗値を自在に制御することができ、用途に応
じた電気抵抗値を付与することが可能なトナー案内板お
よびトナー飛散防止板に関する。
電記録法での乾式現像方式においては、感光体に現像さ
れたトナーは転写工程により紙に静電転写されるが、感
光体に付着したトナーはすべて転写することはできず、
通常約20%程度のトナーは感光体の上に残留すること
が知られている。この残留トナーがつぎのサイクルまで
持ち越されると、感光体が露光される工程で、トナー像
が感光体の光放電を妨げ、これによって得られたコピー
は画像欠陥となってしまい好適な画像を現像することが
できない。そこで、感光体に付着したトナーを除去する
ために、各種のクリーニング方式が提案されている。
1種であり、ゴムなどの弾性体を感光体に直接接触させ
て残留したトナーをかきとるものである。この方式にお
いては、クリーニングブレードは、上向きに回転する側
の感光ドラムの中心から伸びる水平線、あるいはそれよ
りもやや上方に位置する部分にブレードの下端が当接す
るように配置され、感光ドラムが回転することによって
残留トナーがかきおとされ、かきおとされた残留トナー
は、たとえば、図1に示すように、前記ブレードの下方
に感光ドラムに当接して配置されたトナー案内板によっ
てトナー回収容器内に回収されることになる。
リエステルフィルム、熱硬化性ポリウレタン、あるい
は、前記実開昭60−76370号公報に記載されてい
るように、熱可塑性ウレタンとそれよりも弾性率の低い
樹脂シートを重ね合わせたものなどが使用されている。
この際、前記トナー案内板は、通常、金属製の支持体に
両面接着テープによって取りつけられるが、トナー案内
板全体の電気抵抗値は、ポリマー組成物が本来有する電
気抵抗値に支配されるものであり、この場合の案内板と
支持体間の電気抵抗値は1011Ω以上という高い抵抗値
を示すものとなり、トナー案内板として好適に使用し得
るものとは言えない。そこで、トナー案内板の電気抵抗
値を低くするために、組成物中に導電性カーボンブラッ
クを配合して、電気抵抗値を低くしたポリマーを使用し
たり、前記両面接着テープに代えて導電性テープを使用
することも試みられている。
た技術もその一例であり、ポリウレタン重合体組成物に
導電性カーボンブラックを分散させ、組成物の体積固有
抵抗値を104 Ωcm以下、帯電電位を−10〜−15
0Vに構成したものを静電気除去用ブレードとして使用
するものであることが開示されている。ところが、ポリ
マー中に導電性カーボンブラックを配合して電気抵抗値
を調整しようとしても、電気抵抗値が105 Ω以上にな
ると、導電性カーボンブラックの分散状態およびわずか
な添加量の違いで電気抵抗値が102 Ωないし103 Ω
程度変化するために、これを量産化体制に移行した場
合、安定した電気抵抗値を有するシートを供給すること
が極めて困難となる。しかも、量産化する場合には一度
に300ないし500kgの原料を使用するために、コ
ストの面でもかなりのリスクを持つことになる。
た技術もその一例であり、ポリウレタン重合体組成物に
導電性カーボンブラックを分散させ、組成物の体積固有
抵抗を10 4 Ωcm以下、帯電電位を−10ないし−1
50Vに構成したものを静電気除去用ブレードとして使
用するものであることが開示されている。ところが、ポ
リマー中に導電性カーボンブラックを配合して、電気抵
抗値を調整しようとしても、10 5 Ω以上になると、導
電性カーボンブラックの分散状態やわずかな添加量の違
いで電気抵抗値が2ないし3桁程度変動してしまうとい
う問題がある。また、導電性カーボンブラックの場合、
カーボン粒子同士がストラクチャーを形成することによ
って導電性を示すため、電気抵抗値が部分的にばらつき
やすいという問題もあり、トナー案内板として用いられ
るような、中抵抗領域の電気抵抗値を有するシートを安
定して作成することは極めて困難である。さらに、上記
特公昭57−48766号公報に開示された静電気除去
用ブレードも、体積固有抵抗値が104 Ωcm以下に構
成されているために、静電気以外の電荷までも除去して
しまい、鮮明な画像が得られにくいという問題がある。
シートの固定に導電性テープを使用した場合には、トナ
ー案内板及びトナー飛散防止板を形成するための作業性
が悪く、しかも、テープを構成する接着剤組成に、カー
ボンブラック、金属酸化物及び金属繊維等の導電性物質
を配合するために、接着効果がかなり低下するという問
題があり、この方法も必ずしも十分なものとは言いがた
い。その上、これらの導電性物質で構成された導電性テ
ープは抵抗値が低く、あるバイアス電圧を印加するとシ
ートとホルダーの間で放電現象が発生するという問題が
ある。また、トナー案内板に導かれて回収されたトナー
は、装置の振動などで一部が飛散してクリーニングブレ
ードの上方まで上昇し、再度感光ドラムに付着してしま
うという現象がしばしば発生し、この点に対しても適切
な防止策が必要であるという現状認識がある。
支持体とポリウレタンシート間の電気抵抗値を自由自在
に制御することができ、それぞれの用途に応じた電気抵
抗値を持つトナー案内板およびトナー飛散防止板を提供
することにある。
達成するために提案されたもので、支持体とポリウレタ
ンシートの導通を、両者の間にスポット的に形成した導
電性塗料によって行うことを特徴とするものである。す
なわち、本発明によれば、乾式現像装置の感光体クリー
ニング部に配置されるトナー案内板およびトナー飛散防
止板において、該トナー案内板およびトナー飛散防止板
が、金属製の支持体に、電気抵抗値が10 7 Ω以下の導
電性ポリウレタンシートが、両面接着テープを介して部
分的に接着され、前記支持体と導電性ポリウレタンシー
トが、両者の接着部の端面の少なくとも1か所で導電性
塗料によって橋絡していることを特徴とするトナー案内
板およびトナー飛散防止板が提供される。なお、本発明
における「部分的に接着」とは、図2に示したように、
金属製の支持体と導電性ポリウレタンシートのそれぞれ
が部分的に重なり合っており、重なり合った部分だけが
接着していることを意味する。また、本発明における橋
絡とは、前記支持体と導電性ポリウレタンシートとを導
電性塗料によってスポット的にブリッジを形成するこ
と、つまり、導通させることを意味する。
ー飛散防止板を複写機装置内に配置した状態の一例を断
面図で示す図1において、10はクリーニング部、11
はトナー案内板、12はトナー飛散防止板、13はクリ
ーニングブレード、14はトナー回収容器、15は回収
されたトナー、16は感光ドラムを示す。図1において
時計方向に回転する感光ドラムの表面に残留するトナー
は、感光ドラムの表面に接触して配置されるクリーニン
グブレード13によってかきおとされ、トナー案内板1
1に導かれてトナー回収容器底部に堆積する。また、こ
のトナーが、装置の振動などによってその一部が飛散す
る場合があり、その場合には、クリーニングブレードの
上方に配置された、前記トナー案内板と同様の構造を有
するトナー飛散防止板12がトナーの飛散を防止し、感
光ドラムへの再付着を防止する。
飛散防止板の好適な構成を正面図で示す図2、断面図で
示す図3、および底面図で示す図4において、101は
支持体、102は導電性ポリウレタンシート、103は
両面接着テープ、104は導電性塗料を示すものであ
る。支持体は、導電性ポリウレタンシートを固定支持す
るためのもので、鋼板やアルミニウムなどの金属材料で
構成され、とくに、SECCP20/20(JIS G33
13)として知られている電気亜鉛めっき鋼板1種が好
ましく使用される。なお、SECCP20/20のSECC
は、亜鉛めっき鋼板1種を示し、Pは、リン酸塩系処理
したことを示し、20/20は、積載された板上面の標準付
着量/下面の標準付着量(g/m2 )をそれぞれ示すも
のである。
脂ポリウレタンに、カーボンブラック、または過塩素酸
リチウムのようなイオン導電性物質などの導電性材料を
単独あるいは複合形で配合し、たとえば、押出し成形、
あるいはカレンダー成形などの自体公知の成形方法で成
形されたものが使用される。シートの物性としては、硬
度(JIS A)が70ないし100°、加圧電圧50
Vにおける電気抵抗値(25℃)が103 Ωないし10
10Ω、好ましくは、103 Ωないし107 Ωのものが使
用され、シートの厚みはとくに限定されるものではない
が、通常、0.1ないし0.3mm程度のものが好適に
使用される。
レタン系樹脂あるいはエポキシ系樹脂などを主体とした
ものに溶剤や配合剤を分散させたビヒクルに、カーボン
ブラック、グラファイト、金属酸化物などの導電性フィ
ラーを分散させたもの、および、第4アンモニウム塩、
カルボン酸塩、スルホン酸塩などの塩類を含むオリゴマ
ーを前記塗料に混入したものなどが使用され、その電気
抵抗値は、105 ないし109 Ω、好ましくは、105
Ωないし107 Ωのものが使用される。前記導電性配合
剤の配合割合は、配合剤の種類や目的とする電気抵抗値
によって異なり、一概に規定することはできないが、通
常、導電性塗料を形成するビヒクルに対して、10ない
し50重量部程度の配合割合が好ましい。
電性ポリウレタンシートの導通を導電性塗料によって行
う点にあり、この方法によれば、導電性塗料における導
電性材料の種類や配合割合を適宜変化させることによ
り、導電性塗料の電気抵抗値を変えることができ、これ
によって、トナー案内板およびトナー飛散防止板自体の
電気抵抗値を任意の値に設定することが可能になる。
なる導電性塗料を準備することによって、わざわざ導電
性ポリウレタンシートを換えることなく、トナー案内板
およびトナー飛散防止板の電気抵抗値を任意のものに変
えることができるため、従来から問題になっていた電気
抵抗値の変化に伴う導電性ポリウレタンシートの物性の
変化を防止することができることになる。この点につい
てさらに詳細に説明すると、導電性ポリウレタンシート
は、配合される導電材料の種類によって、下記表1に示
したように、物性が大きく変化するものであり、トナー
案内板およびトナー飛散防止板を設置する設定条件が変
化してしまうという問題があったものであり、本願発明
によってこのような不安定要件は排除することができる
ことになる。
合わせるための両面接着テープは、一般に、両面接着テ
ープとして市販されているものが使用される。また、両
面接着テープで導電性を有するものもあるが、接着強度
及び電気特性により使用できる範囲が制限されるため、
このテープとしては、たとえば、大日本インキ化学工業
社から「#8103D」商品名で販売されている両面接
着テープが好ましく使用される。
止板の電気抵抗値は、図5に示したように、支持体と導
電性ポリウレタンシートの2つの端子a、b間に電位差
Vで電流Iが流れる時の電気抵抗値(R=V/I)を、
電気抵抗測定装置20で測定した値として表わされる。
支持体と導電性ポリウレタンシートは、図2に示される
ように、通常、両者がオーバーラップした状態で貼り合
わされ、全体としてトナー案内板およびトナー飛散防止
板を構成する。支持体と導電性ポリウレタンシートは、
この状態では、両者の中間に介在する両面接着テープで
導通が遮断されているが、本発明においては、支持体と
導電性ポリウレタンシートの接着部の端面同士を導電性
塗料で橋絡することによって、両者の導通を図るもので
ある。
ウレタンシートが少なくとも1か所で導通されていれば
その橋絡箇所はどこでも良く、さらに、導電性塗料の橋
絡形状も、たとえば、図4に示されるように、導電性ポ
リウレタンシートの上面に盛り上がらずに、支持体と導
電性ポリウレタンシートの接着端面のみに施してもよい
が、橋絡を確実なものとするために、導電性ポリウレタ
ンシートの上面にわずかにかかった形で形成されている
ことが好ましい。かかる構成をとることにより、トナー
案内板およびトナー飛散防止板の導電性ポリウレタンシ
ートの上端部が自由端として構成され、この上端面が感
光ドラムと接触状態で配置されることにより、その上方
に位置するクリーニングブレードによって除去されたト
ナーは自重で落下し、導電性ポリウレタンシートに導か
れてトナー容器に回収されることになる。
ー飛散防止板自体の電気抵抗値が104 Ω以下では、静
電気以外の電荷まで除去してしまうという問題があり、
一方、導電性カーボンブラックを導電材料とした導電性
ポリウレタンシートは、電気抵抗値が105 Ωないし1
07 Ωのものになる。そのために電気抵抗値を安定して
供給することが極めて困難であるという問題点があった
ものであるが、前記導電性塗料と、電気抵抗値が104
Ω以下の導電性ポリウレタンシートを組み合わせること
により、トナー案内板およびトナー飛散防止板自体の電
気抵抗値を10 5 Ω以上にすることができるため、残留
トナーの静電気の除去を好適に行うことができ、しか
も、用途にあった電気抵抗値を持つトナー案内板および
トナー飛散防止板を容易に得ることができるものとな
る。つまり、残留トナーの静電気の除去は、支持体と導
電性ポリウレタンシートを導電性塗料で橋絡させ、トナ
ー案内板およびトナー飛散防止板自体の電気抵抗値を1
05 Ω以上とすることによって好適に行うことができる
ものとなる。
外の電荷まで除去してしまう電気抵抗値が104 Ω以下
の導電性ポリウレタンシートを、導電性塗料によって支
持体に導通させてやることによって、トナー案内板およ
びトナー飛散防止板の電気抵抗値を105 Ω以上にする
ことができ、これによって、任意の電気抵抗値を有する
トナー案内板およびトナー飛散防止板を、導電性ポリウ
レタンシートを換えることなく、容易に得ることが可能
になる。さらに、目的とする電気抵抗値に合わせて、導
電性ポリウレタンシートを換えることがないために、電
気抵抗値の変化に伴って導電性ポリウレタンシートの物
性が変化するという事態を避けることができる。
性樹脂ポリウレタンに対して25重量%の導電性カーボ
ンブラック(平均粒径30μ)を配合し、厚さ0.2m
m、硬度(JIS A)92°、加圧電圧50Vにおけ
る電気抵抗値が25℃で5.0×103 Ωのシートを使
用した。一方、支持体として、電気亜鉛めっき綱板SE
CCP20/20(JIS G3313)を使用した。この
支持体に、両面接着テープ(大日本インキ化学工業社製
#8103D)を用いて前記導電性ポリウレタンシー
ト図1の形式で取りつけた。この状態で、図4に示した
方法で電気抵抗値を測定したところ、25℃で1.0×
1010Ωであった。次に、支持体と導電性ポリウレタン
シートの接着端面を2箇所、アクリル樹脂系の導電性塗
料で橋絡し、乾燥後、電気抵抗値の測定を行ったとこ
ろ、25℃で2.5×105 Ωのトナー案内板およびト
ナー飛散防止板が得られた。なお、前記導電性塗料単体
を完全に乾燥させて電気抵抗値を測定したところ、25
℃で1.5×105 Ωであった。こうして得られたトナ
ー案内板およびトナー飛散防止板を複写機に取りつけた
ところ、残留トナーの静電気の除去が好適に行われ、鮮
明な画像が得られた。
導電材料として、過塩素酸リチウムを配合した熱可塑性
樹脂ポリウレタンからなるシートを使用した以外は実施
例1と同様に行った。得られたトナー案内板およびトナ
ー飛散防止板の電気抵抗値は、25℃で2.5×106
Ωであり、これを複写機に取りつけたところ、やはり、
残留トナーの静電気の除去が好適に行われ、鮮明な画像
が得られた。
を複写機装置に配置した状態の一例を示す断面図であ
る。
の一例を示す正面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 乾式現像装置の感光体クリーニング部に
配置されるトナー案内板およびトナー飛散防止板におい
て、該トナー案内板およびトナー飛散防止板が、金属製
の支持体に、電気抵抗値が10 7 Ω以下の導電性ポリウ
レタンシートが、両面接着テープを介して部分的に接着
され、前記支持体と導電性ポリウレタンシートが、両者
の接着部の端面の少なくとも1か所で導電性塗料によっ
て橋絡していることを特徴とするトナー案内板およびト
ナー飛散防止板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32785491A JP2902187B2 (ja) | 1991-12-11 | 1991-12-11 | 導電性を有するトナー案内板およびトナー飛散防止板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32785491A JP2902187B2 (ja) | 1991-12-11 | 1991-12-11 | 導電性を有するトナー案内板およびトナー飛散防止板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05165316A JPH05165316A (ja) | 1993-07-02 |
JP2902187B2 true JP2902187B2 (ja) | 1999-06-07 |
Family
ID=18203725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32785491A Expired - Lifetime JP2902187B2 (ja) | 1991-12-11 | 1991-12-11 | 導電性を有するトナー案内板およびトナー飛散防止板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2902187B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5919666B2 (ja) * | 2011-07-25 | 2016-05-18 | 株式会社リコー | 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
-
1991
- 1991-12-11 JP JP32785491A patent/JP2902187B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05165316A (ja) | 1993-07-02 |
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