JP2902181B2 - 機械式過給機の制御装置 - Google Patents

機械式過給機の制御装置

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JP2902181B2
JP2902181B2 JP27857691A JP27857691A JP2902181B2 JP 2902181 B2 JP2902181 B2 JP 2902181B2 JP 27857691 A JP27857691 A JP 27857691A JP 27857691 A JP27857691 A JP 27857691A JP 2902181 B2 JP2902181 B2 JP 2902181B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジン出力によって機
械的に駆動される機械式過給機の制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】エンジン出力によって機械的に駆動される
機械式過給機は、一般的に、エンジン出力軸と過給機と
の間の動力伝達経路にクラッチが設けられ、エンジンの
運転状態に応じて、クラッチを接続(ON)あるいは切
断(OFF)することで上記動力伝達経路を断続するよ
うになっている(特開平1−240734号公報参
照)。
【0003】より具体的に説明すると、機械式過給機の
動力伝達経路は、エンジン出力軸に取り付けられたクラ
ンク側プ−リと、過給機の入力軸に取り付けられた過給
機側プ−リと、これら2つのプ−リに巻回された無端ベ
ルトと、で構成され、上記クラッチは、過給機の入力軸
と過給機側プ−リとの間に介装されて、大きな出力が要
求されない例えば低回転低負荷領域では、上記クラッチ
がOFFされて、動力伝達経路が切断されるようになっ
ている(過給機がフリ−状態になる)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】機械式過給機で高過給
を得ようとした場合、クランク側プ−リに対する過給機
側プ−リのプ−リ比として大きなプ−リ比(高プ−リ
比)を設定することになるが、この場合、上記クラッチ
のON、OFFに伴うトルクショックが大きなものとな
るため、クラッチをOFFする領域(過給機がフリ−状
態とされる領域)を狭める必要がある。
【0005】このような問題に対して、上記動力伝達経
路に変速機構を設け、高プ−リ比を設定する前に、小プ
−リ比(低プ−リ比)を介在させて、上記クラッチのO
N、OFFに伴うショックを小さなものにすることが考
えられる。これによれば、高プ−リ比に基づく高過給圧
を得ることができる一方で、過給機をフリ−状態とする
領域を拡大することができるため(過給機をフリ−状態
とする領域を狭める必要がないため)、燃料消費率の悪
化を回避できるという利点がある。
【0006】ところで、通常の運転を考えたときに、エ
ンジン出力を最も必要とする全負荷加速を何分間も庁時
間にわたって継続することは、あまり考えられない。仮
にあるとすれば、長い登坂路での走行あるいは最高速度
での連続走行である。このような運転状態にあるとき
に、上述した過給機の制御によれば、高プ−リ比の下で
過給機の作動が行われることになる。このことは次の問
題を生じる。
【0007】エンジン出力を最も必要とする運転態様と
して、例えば発進急加速または定速状態からの全負荷加
速のときを想定すると、まずアクセル全開までアクセル
ペダルの踏み込みが行われ、このアクセル全開に応動し
てエンジン出力が急増して車両は急加速を開始する。あ
るいは、登坂路などでは、全負荷トルクと車の抵抗とが
釣り合ったところで走行し続けることになる。
【0008】このような走行を考えたときに、過給機は
高プ−リ比が設定され、その後も過給機は高プ−リ比の
下で高速回転して、高過給圧を発生し続けることにな
る。
【0009】しかしながら、過給機が高速回転し続ける
ということは、回転子がケ−シング内壁を摺動する例え
ばル−ツ式の過給機等では大きな摩擦熱が発生するた
め、過給機の信頼性を損なうことが考えられる。またこ
の摩擦熱の影響を受けて過給エアが高温化し、このため
エンジン内部温度が高くなりすぎて、エンジンそのもの
の信頼性を損なうことが考えられる。
【0010】そこで、本発明の目的は、高過給圧を設定
するときに、過給機の信頼性あるいはエンジンの信頼性
を確保するようにした機械式過給機の制御装置を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を達成
すべく、本発明にあっては、下記のような構成としてあ
る。
【0012】第1発明の構成 エンジン出力軸と過給機との間の動力伝達経路にクラッ
チが配設され、エンジンの運転状態に応じて前記クラッ
チがON、OFFされて、前記動力伝達経路を断続する
ようにした機械式過給機の制御装置を前提として、エン
ジン出力軸と過給機との間の動力伝達経路に配設され、
少なくとも低速段と高速段との2段の変速段を備えた変
速機構と、エンジンの負荷を検出するエンジン負荷検出
手段と、該エンジン負荷検出手段からの信号を受け、エ
ンジン負荷が低負荷領域にあるときには前記低速段を設
定し、エンジン負荷が高負荷領域にあるときには前記高
速段を設定する変速制御手段と、前記エンジン負荷検出
手段からの信号を受け、エンジン負荷が全負荷となった
ときから所定時間経過したときに、前記変速機の変速段
を高速段から低速段に変更する変速段設定変更手段と、
を備えた構成としてある。
【0013】第2発明の構成 本発明のうち、第2発明にあっては、上記第1発明の構
成に加えて、更に、前記変速段設定変更手段からの信号
を受け、前記変速機の変速段を高速段から低速段に変更
する変速段設定変更に同期して、前記低速段を設定する
前記低負荷領域を高負荷側に拡大する低負荷領域変更手
段を備えた構成としてある。
【0014】第3発明の構成 エンジン出力軸と過給機との間の動力伝達経路にクラッ
チが配設され、エンジンの運転状態に応じて前記クラッ
チがON、OFFされて、前記動力伝達経路を断続する
ようにした機械式過給機の制御装置を前提として、エン
ジン出力軸と過給機との間の動力伝達経路に配設され、
少なくとも低速段と高速段との2段の変速段を備えた変
速機構と、エンジンの回転数を検出する回転数検出手段
と、該回転数検出手段からの信号を受け、エンジンの回
転数が低回転領域にあるときには前記低速段を設定し、
エンジンの回転数が高回転領域にあるときには前記高速
段を設定する変速制御手段と、前記回転数検出手段から
の信号を受け、エンジンの回転数が最大高回転数となっ
たときから所定時間経過したときに、前記変速機の変速
段を高速段から低速段に変更する変速段設定変更手段
と、を備えた構成としてある。
【0015】第4発明の構成 この第4発明にあったは、上記第3発明の構成に加え
て、更に、前記変速段設定変更手段からの信号を受け、
前記変速機の変速段を高速段から低速段に変更する変速
段設定変更に同期して、前記低速段を設定する前記低負
荷領域を高負荷側に拡大する低負荷領域変更手段を備え
た構成としてある。
【0016】
【作用】第1発明の作用 上記の第1発明の構成による作用を全負荷運転を例に説
明する。図6は定速状態からの急加速におけるスロット
ル開度等の動きを示すものである。同図を参照しつつ説
明すると、先ずスロットル全開までアクセルペダルの踏
み込みが行われ、このスロットル全開に応動してエンジ
ン出力が急増して車両は急加速を開始する。そして、エ
ンジン出力と車両の走行抵抗が釣り合ったところで定速
走行に移行する。
【0017】このような走行状態において、過給機はス
ロットル全開を受けて、高速段の下で作動し、過給機は
高速回転することになる(高過給圧を発生)。そして、
この高速回転によって、過給機はその内部温度が上昇し
始めることになる。また過給機の温度上昇に伴って過給
エアの温度も上昇し、エンジン内部の温度も上昇するこ
とになる。これらの作用を図6に実線で示してある。
【0018】そして、スロットル全開から所定時間Tが
経過したときに、高速段から低速段への変更が行われ、
これに伴い過給機は回転速度が低下し、この回転速度の
低下によって過給機の内部温度が低下する。また、過給
機の内部温度が低下に伴って過給エアの温度も低下し、
エンジン内部の温度も低下することになる。
【0019】上記所定時間Tとしては、最大加速で所定
速度に到達する時間、例えば1分程度でよい。通常スロ
ットル全開の加速を1分以上も続けことはほとんど考え
られない。さらに、通常、エンジン内部温度あるいは過
給機の温度が一定値まで到達するには1分オ−ダでの時
間を必要とする。したがって、最初の1分以内は信頼性
でも余裕があるのでエンジン、過給機共に高い負荷をか
けても問題は生じない。
【0020】しかしながら、連続登坂路走行等では、ス
ロットル全開のまま1分以上の長時間にわたって走行す
る可能性があるため、上記のような制御を加えること
で、このような特殊の走行状態に対してエンジン等の信
頼性を確保することが可能となる。尚、図6に破線で示
すラインは、上述した高速段から低速段への変更を行わ
なかった場合の作用を示すものである。
【0021】第2発明の作用 第2発明によれば、上記第1発明による所定時間Tの経
過に同期して、低速段の設定される領域が高負荷側へ拡
大される。したがって、上記第1発明の作用説明を流用
すれば、所定時間Tが経過したのちには、エンジンある
いは過給機の信頼性を確保しつつ低速段を使用しての最
大出力が発生されることになる。
【0022】第3発明の作用 本発明にあっては、エンジンの最高速を数分以上の長時
間にわたって維持したときには、高過給の下でのエンジ
ンあるいは過給機の信頼性が損なわれるため、上記第1
発明と同様の作用によってこれらの信頼性を確保するよ
うにしてある。
【0023】第4発明の作用 本発明にあっては、上記第2発明と同様に、所定時間T
が経過したのちには、エンジンあるいは過給機の信頼性
を確保しつつ低速段を使用して得られる最大出力の下で
高速走行が継続されることになる。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付した図面に基
いて説明する。図1、図2において、1はエンジンで、
エンジン1は、互いにV型をなす左右のバンク部2L、
2Rを有し(バンク角90度)、これら左右のバンク部
2L、2R毎に、夫々、3つの気筒3が直列に配置され
た、いわゆるV型6気筒エンジンとされている。
【0025】各気筒3は、シリンダ4に嵌挿されたピス
トン5により燃焼室6が形成され、燃焼室6はペントル
−フ型とされて、この燃焼室6には、吸気通路7が接続
される吸気ポ−ト8と、排気通路9が接続される排気ポ
−ト10と、が開口されている。上記ピストン5はコン
ロッドを介してクランクシャフト11に連係されて、こ
のクランクシャフト11からエンジン出力が取り出され
る。
【0026】上記エンジン1はバランサシャフト12を
備え、このバランサシャフト12は、上記クランクシャ
フト11の上方に配置され、このクランクシャフト11
とは一対のカウンタギヤ13a、13bを介して連結さ
れて、クランクシャフト11と同期回転するようになっ
ている。
【0027】上記吸気ポ−ト8を開閉する吸気弁14は
吸気用カムシャフト15によって開閉駆動され、上記排
気ポ−ト10を開閉する排気弁16は排気用カムシャフ
ト17によって開閉駆動される。すなわち、吸気用カム
シャフト15と排気用カムシャフト17とは、夫々、そ
の軸端に吸気用プ−リ18と排気用プ−リ19が取付け
られ、これらプ−リ18、19は、左右バンク部2L、
2Rに共通する共通タイミングベルト20を介してクラ
ンクシャフト11に連係されて(後に詳しく説明す
る)、上記吸気弁14と排気弁16とは、クランクシャ
フト11の回転に同期して所定のタイミングで開閉され
る。
【0028】図2に示すように、上記吸気用カムシャフ
ト15には、上記吸気用プ−リ18に対する吸気用カム
シャフト15の位相を変更させるバルブタイミング可変
機構21(吸気弁用バルブタイミング可変機構)が設け
られ、他方、上記排気用カムシャフト17には、上記排
気用プ−リ19に対する排気用カムシャフト17の位相
を変更させるバルブタイミング可変機構22(排気弁用
バルブタイミング可変機構)が設けられて、これら可変
機構21、22によって吸気弁14あるいは排気弁16
は、そのバルブタイミングが運転状態に応じて変更され
る。上記両バルブタイミング可変機構21、22は同一
の構成とされ、このようなバルブタイミング可変機構2
1、22は従来から既知であるのでその詳細な説明は省
略する。尚、上記燃焼室6に臨ませて図外の点火プラグ
が配置されている。
【0029】上記吸気通路7には、その上流側から下流
側に向けて、順次、エアクリ−ナ23、エアフロメ−タ
24、スロットル弁25、ル−ツ型の過給機26、イン
タ−ク−ラ27、サ−ジタンク28、燃料噴射弁(図示
せず)が配設されている。また、吸気通路7には、上記
過給機26をバイパスするバイパス通路29が設けら
れ、このバイパス通路29には電磁式の開閉弁(バイパ
スバルブ)30が介装されて、過給圧が所定以上となっ
たときに開閉弁30が開かれてリリ−フされる。
【0030】図1に示すように、上記過給機26は、左
右のバンク部2L、2Rで挟まれたVバンク中央空間3
1に配設され、また、過給機26の上方に前記インタ−
ク−ラ27が配設されている。エンジン1は、このエン
ジン1の駆動力によって駆動される各種補機32〜36
を備えている。
【0031】上記補機32〜36の配置について説明す
ると、左右各バンク部2L、2Rの基端部には、各バン
ク部2L、2R用のウォ−タポンプ32L、32Rが配
設され、エンジン1の下端部にはオイルポンプ33が配
設されている。また、エンジン1の一側にはエアコン用
コンプレッサ34が配設され、他側には、オルタネ−タ
35、パワ−ステアリング用ポンプ36が配設されてい
る。
【0032】オイルポンプ33、エアコン用コンプレッ
サ34、オルタネ−タ35、パワ−ステアリング用ポン
プ36の駆動 図1に示すように、上記クランクシャフト11の軸端に
は、大径プ−リ40と小径プ−リ41とが取付けられ、
当該大径プ−リ40に巻掛された補機用ベルト42を介
してオイルポンプ33、エアコン用コンプレッサ34、
オルタネ−タ35、パワ−ステアリング用ポンプ36の
4者が駆動される。すなわち、補機用ベルト42は、大
径プ−リ40、オイルポンプ33、エアコン用コンプレ
ッサ34、オルタネ−タ35、パワ−ステアリング用ポ
ンプ36に巻掛されている。
【0033】左右バンク部2L、2Rの吸気用プ−リ1
8、排気用プ−リ19、並びにウォ−タポンプ32L、
32Rの駆動 図1に示すように、上記クランクシャフト11の小径プ
−リ41に前記共通タイミングベルト20が巻掛され、
またこの共通タイミングベルト20は左右のウォ−タポ
ンプ32L、32Rに巻掛されて、左右のウォ−タポン
プ32L、32R及び吸気弁14、排気弁16は共通タ
イミングベルト20によって駆動される。ここに、図1
に示す符号43〜46はアイドラ用プ−リであり、この
うちアイドラ用プ−リ45はオ−トテンション機構が付
設されている。
【0034】過給機26の駆動(図3、図4) 過給機26は、第1動力伝達経路50あるいは第2動力
伝達経路51を介してバランサシャフト12からの動力
が伝達されるようになっている。以下に、過給機26用
の動力伝達経路について詳しく説明する。
【0035】まず、バランサシャフト12には、図3に
示すように、このバランサシャフト12に固定された直
結プ−リ52と、バランサシャフト12に対して電磁ク
ラッチ(経路切換用クラッチ)53を介して取付けられ
た係脱プ−リ54と、が設けられ、これら直結プ−リ5
2と係脱プ−リ54とは、同一のプ−リ径とされてい
る。
【0036】過給機26の入力軸26aには電磁クラッ
チ(経路断続用クラッチ)55を介して入力プ−リ(過
給機用プ−リ)56が取付けられている。
【0037】エンジン1には、図1に示すように、アイ
ドラ57が回転自在に取付けられている。このアイドラ
57は、軸方向に並設された小径プ−リ部57aと大径
プ−リ部57bとを有し、小径プ−リ部57aはアイド
ラ本体57cと一体とされ、大径プ−リ部57bはワン
ウェイクラッチ58を介してアイドラ本体57cと連結
されている。このワンウェイクラッチ58は、大径プ−
リ部57bの回転速度がアイドラ本体57cの回転速度
よりも大きいときに係合し(大径プ−リ部57bがアイ
ドラ本体57cと一体化する)、大径プ−リ部57bの
回転速度がアイドラ本体57cの回転速度よりも小さい
ときに解除されるようになっている。
【0038】上記バランサシャフト12の直結プ−リ5
2と、上記アイドラ57の大径プ−リ部57bとには第
1のベルト60が巻掛され、他方上記バランサシャフト
12の係脱54と、アイドラ57の小径プ−リ部57a
と、過給機26の入力プ−リ56とには第2のベルト6
1が巻掛されて、上記第1動力伝達経路50及び第2動
力伝達経路51が形成されている。
【0039】第1動力伝達経路50(経路切換用クラッ
チ53が『OFF』) 経路切換用クラッチ53が『OFF』状態となったとき
に、この第1動力伝達経路50が形成される。すなわ
ち、バランサシャフト12の回転力は、順次、直結プ−
リ52、第1ベルト60、アイドラ57の大径プ−リ部
57b、ワンウェイクラッチ58、アイドラ57の小径
プ−リ部57a、第2ベルト61を経て過給機用プ−リ
56に伝達される。この第1動力伝達経路50によれ
ば、バランサシャフト12の回転力がアイドラ57の大
径プ−リ部57bを経由して過給機26に伝達されるた
め、後述する第2動力伝達経路51によるときに比べ
て、過給機26の回転速度は低速になる(低速態様)。
【0040】第2動力伝達経路51(経路切換用クラッ
チ53が『ON』) 経路切換用クラッチ53が『ON』状態となったとき
に、この第2動力伝達経路51が形成される。すなわ
ち、バランサシャフト12の回転力は、順次、係脱プ−
リ54、第2ベルト61を経て過給機用プ−リ56に伝
達される。この第2動力伝達経路51によれば、バラン
サシャフト12の回転力が、アイドラ57の大径プ−リ
部57bを経由することなく、過給機26に伝達される
ため、前述した第1動力伝達経路50によるときに比べ
て、過給機26の回転速度は高速になる(高速態様)。
尚、図1に示す符号62はテンショナである。
【0041】尚、バランサシャフト12の回転力は、直
結プ−リ52を介して第1ベルト60、アイドラ57の
大径プ−リ部57bにも伝達されることになるが、これ
による大径プ−リ部57bの回転速度はアイドラ本体5
7cの回転速度よりも小さいために、ワンウェイクラッ
チ58が解除状態となる。したがって、経路切換用クラ
ッチ53が『ON』状態となったときには、上述した第
1動力伝達経路50はワンウェイクラッチ58によって
切断される。
【0042】図2に示す符号65はコントロ−ルユニッ
トで、コントロ−ルユニット65は例えばマイクロコン
ピュ−タで構成されて、既知のように、CPU、RO
M、RAM等を備えている。コントロ−ルユニット65
にはセンサ66〜68からの信号が入力される。上記セ
ンサ66はエンジン回転数を検出するものである。上記
センサ67はスロットル弁の開度を検出するものであ
る。上記センサ68は過給圧を検出するものである。
【0043】上記コントロ−ルユニット65から前記経
路切換用クラッチ53、経路断続用クラッチ55及び前
記開閉弁(バイパスバルブ)30に対してON、OFF
制御信号が出力され、またバルブタイミング可変機構2
1、22に対して制御信号が出力される。
【0044】上記経路切換用クラッチ53、経路断続用
クラッチ55の制御内容を以下に説明する。図5は制御
マップを示し、同図に示す領域I〜領域IIIの3つに
区分された各領域において、以下の制御が行われる。
【0045】領域I(軽負荷且つ低、中回転) この領域Iでは、経路断続用クラッチ55は『OFF』
状態とされて、過給機26は、第1あるいは第2の動力
伝達経路50、51との連結から解放され、自由状態と
される(フリ−態様)。尚、経路切換用クラッチ53に
ついても『OFF』状態とされる。
【0046】領域II(中負荷、中回転以上) この領域IIでは、経路切換用クラッチ53は『OF
F』状態とされて、上記第1動力伝達経路50が選択さ
れ、また経路断続用クラッチ55は『ON』状態とされ
て、バランサシャフト12の回転力は第1動力伝達経路
50を経由して過給機26へ伝達される(低速態様)。
【0047】領域III(高負荷) この領域IIIでは、経路切換用クラッチ53は『O
N』状態とされて、上記第2動力伝達経路51が選択さ
れ、また経路断続用クラッチ55は『ON』状態とされ
て、バランサシャフト12の回転力は第2動力伝達経路
51を経由して過給機26へ伝達される(高速態様)。
【0048】上記の制御において、領域IIで設定され
る速度比(第1動力伝達経路50)は、上記領域III
の場合と比較して相対的に過給機26は低速状態で過給
するような速度比(低プ−リ比)とされている。換言す
れば、領域IIIで選択される速度比(第2動力伝達経
路51)は、上記領域IIの場合と比較して相対的に過
給機26は高速状態で過給するような速度比(高プ−リ
比)とされている。
【0049】全負荷運転時の制御 図5に矢印Aで示すように、スロットル全開までアクセ
ルペダルが急激に大きく踏み込まれたときには、直ちに
第2動力伝達経路51(高速態様)が設定されることに
なる(領域IIIへの移行を検出した後、直ちにクラッ
チ53が『ON』される)。
【0050】このようなスロットル全開が検出されたと
きから所定時間Tが経過したときには、経路切換用クラ
ッチ53が『OFF』状態とされて、エンジン出力は第
1動力伝達経路50を経由して過給機26へ伝達される
(低速態様)。また、この低速態様への変更に同期し
て、図5に破線Bで示すように、領域IIが高負荷側へ
拡大される。
【0051】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
は上記実施例に限定されることなく、エンジン回転数に
よって上記第1実施例と同様の制御を行なうようにして
もよい。すなわち、経路切換用クラッチ53をエンジン
回転数に応じて切換させ、エンジン回転数が最大回転数
となったときに、この最大回転数が所定時間継続された
ときには、強制的に低プ−リ比に変更するようにしても
よい。また、あわせて低速態様とされる領域を高速側に
拡大するようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のうち、第1、第3発明によれば、高過給圧の下で高出
力を得るとしても、最大出力の要求を損なうことなく、
過給機の信頼性あるいはエンジンの信頼性を確保するこ
とができる。
【0053】また、第2、第4発明によれば、上記第1
あるいは第3発明の効果を更に確実なものとすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例が適用されたV型エンジンの正面図。
【図2】図1に示すエンジンの吸気系を展開して示す説
明図。
【図3】実施例にかかる過給機用速度比可変機構の正面
図。
【図4】図3に示すIV−IV線に沿った断面図。
【図5】過給機用変速段可変機構の制御に用いられる制
御マップ。
【図6】本発明の作用を説明するタイミングチャ−ト。
【符号の説明】
1 エンジン 5 ピストン 7 吸気通路 11 クランクシャフト 12 バランサシャフト 14 吸気弁 25 スロットル弁 26 機械式過給機 50 低速用動力伝達経路 51 高速用動力伝達経路 53 電磁クラッチ(経路切換用クラッチ) 55 電磁クラッチ(経路断続用クラッチ) 65 コントロ−ルユニット 66 エンジン回転数センサ 67 スロットル開度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02B 39/04 F02B 39/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力軸と過給機との間の動力伝
    達経路にクラッチが配設され、エンジンの運転状態に応
    じて前記クラッチがON、OFFされて、前記動力伝達
    経路を断続するようにした機械式過給機の制御装置にお
    いて、 エンジン出力軸と過給機との間の動力伝達経路に配設さ
    れ、少なくとも低速段と高速段との2段の変速段を備え
    た変速機構と、 エンジンの負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、 該エンジン負荷検出手段からの信号を受け、エンジン負
    荷が低負荷領域にあるときには前記低速段を設定し、エ
    ンジン負荷が高負荷領域にあるときには前記高速段を設
    定する変速制御手段と、 前記エンジン負荷検出手段からの信号を受け、エンジン
    負荷が全負荷となったときから所定時間経過したとき
    に、前記変速機の変速段を高速段から低速段に変更する
    変速段設定変更手段と、を備えていることを特徴とする
    機械式過給機の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 更に、 前記変速段設定変更手段からの信号を受け、前記変速機
    の変速段を高速段から低速段に変更する変速段設定変更
    に同期して、前記低速段を設定する前記低負荷領域を高
    負荷側に拡大する低負荷領域変更手段を備えている、こ
    とを特徴とする機械式過給機の制御装置。
  3. 【請求項3】 エンジン出力軸と過給機との間の動力伝
    達経路にクラッチが配設され、エンジンの運転状態に応
    じて前記クラッチがON、OFFされて、前記動力伝達
    経路を断続するようにした機械式過給機の制御装置にお
    いて、 エンジン出力軸と過給機との間の動力伝達経路に配設さ
    れ、少なくとも低速段と高速段との2段の変速段を備え
    た変速機構と、 エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、 該回転数検出手段からの信号を受け、エンジンの回転数
    が低回転領域にあるときには前記低速段を設定し、エン
    ジンの回転数が高回転領域にあるときには前記高速段を
    設定する変速制御手段と、 前記回転数検出手段からの信号を受け、エンジンの回転
    数が最大高回転数となったときから所定時間経過したと
    きに、前記変速機の変速段を高速段から低速段に変更す
    る変速段設定変更手段と、を備えていることを特徴とす
    る機械式過給機の制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 更に、 前記変速段設定変更手段からの信号を受け、前記変速機
    の変速段を高速段から低速段に変更する変速段設定変更
    に同期して、前記低速段を設定する前記低負荷領域を高
    負荷側に拡大する低負荷領域変更手段を備えている、こ
    とを特徴とする機械式過給機の制御装置。
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