JP2901811B2 - 断熱パネル付きコンクリート壁施工方法 - Google Patents
断熱パネル付きコンクリート壁施工方法Info
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Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、透水性型枠工法と、型枠
兼用断熱パネルを用いる工法とを共に活用することがで
き、打設されたコンクリートの水分等を排出することに
よりコンクリート壁の耐久性能を向上すること等ができ
ると共に、施工が簡易でありながら断熱パネル付きコン
クリート壁を提供することができ、しかもコストの高騰
を招来することがなく簡易な構造であり極めて軽量であ
る枠構造体を用いる、断熱パネル付きコンクリート壁施
工方法に関する。
兼用断熱パネルを用いる工法とを共に活用することがで
き、打設されたコンクリートの水分等を排出することに
よりコンクリート壁の耐久性能を向上すること等ができ
ると共に、施工が簡易でありながら断熱パネル付きコン
クリート壁を提供することができ、しかもコストの高騰
を招来することがなく簡易な構造であり極めて軽量であ
る枠構造体を用いる、断熱パネル付きコンクリート壁施
工方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】土木の分野等に限らず、建築の分
野においても、近年、主としてコンクリート構造物の耐
久性向上の観点から、透水性型枠工法が採用されてきて
いる。これの原理としては、型枠に打込まれたコンクリ
ートがフレッシュな状態を保持している間に、コンクリ
ート中の余剰水を、透水性能を有するコンクリート型枠
から均等に自然排出させているものである。これによ
り、コンクリート中の気泡が抜けてコンクリート表面が
美しくなるばかりでなく、残留気泡による断面欠損が生
じにくく、また、型枠から余剰水を排出することによっ
て、コンクリート表層部の水セメント比が低減し、ペー
スト分の濃い緻密な層が表面近傍に形成されるため、外
部から炭酸ガスや塩分が浸入しにくいコンクリートがで
き、内部鉄筋の保護性能を高め、コンクリート構造物の
耐久性能を向上することができる。
野においても、近年、主としてコンクリート構造物の耐
久性向上の観点から、透水性型枠工法が採用されてきて
いる。これの原理としては、型枠に打込まれたコンクリ
ートがフレッシュな状態を保持している間に、コンクリ
ート中の余剰水を、透水性能を有するコンクリート型枠
から均等に自然排出させているものである。これによ
り、コンクリート中の気泡が抜けてコンクリート表面が
美しくなるばかりでなく、残留気泡による断面欠損が生
じにくく、また、型枠から余剰水を排出することによっ
て、コンクリート表層部の水セメント比が低減し、ペー
スト分の濃い緻密な層が表面近傍に形成されるため、外
部から炭酸ガスや塩分が浸入しにくいコンクリートがで
き、内部鉄筋の保護性能を高め、コンクリート構造物の
耐久性能を向上することができる。
【0003】このような工法に用いられる透水性能を有
する型枠としては、コンクリート型枠に多数の小孔を穿
設し、その上にフィルター性能を有する織布等を張り付
けたものであり、これにより、型枠間に打込まれたコン
クリートから水や空気が抜け出るようにしたものであ
る。
する型枠としては、コンクリート型枠に多数の小孔を穿
設し、その上にフィルター性能を有する織布等を張り付
けたものであり、これにより、型枠間に打込まれたコン
クリートから水や空気が抜け出るようにしたものであ
る。
【0004】ところで、近年、コンクリート建築物の屋
内の断熱効果を高めるため、また、冬と夏、昼と夜の寒
暖差による躯体の歪を防止するなどのため、コンクリー
ト壁、コンクリート屋根などに、発泡プラスチックから
なる断熱パネルを取り付けることが盛んになってきてい
る。
内の断熱効果を高めるため、また、冬と夏、昼と夜の寒
暖差による躯体の歪を防止するなどのため、コンクリー
ト壁、コンクリート屋根などに、発泡プラスチックから
なる断熱パネルを取り付けることが盛んになってきてい
る。
【0005】この断熱パネルを壁などに施工する方法に
は、断熱パネルを屋内側に配置する内断熱工法と、断熱
パネルを屋外側に配置する外断熱工法とがあるが、いず
れの方法を採用するに際しても、次のようにして施工し
ている。多数個の断熱パネルを、コンクリート型枠の一
方に釘などにより仮止めして並設し、この並設された多
数個の断熱パネルと他方のコンクリート型枠との間にコ
ンクリートを打設し、コンクリートの硬化後一対のコン
クリート型枠を除去している。これにより、コンクリー
ト打設時に断熱パネルをコンクリート壁などに取付けて
いる。
は、断熱パネルを屋内側に配置する内断熱工法と、断熱
パネルを屋外側に配置する外断熱工法とがあるが、いず
れの方法を採用するに際しても、次のようにして施工し
ている。多数個の断熱パネルを、コンクリート型枠の一
方に釘などにより仮止めして並設し、この並設された多
数個の断熱パネルと他方のコンクリート型枠との間にコ
ンクリートを打設し、コンクリートの硬化後一対のコン
クリート型枠を除去している。これにより、コンクリー
ト打設時に断熱パネルをコンクリート壁などに取付けて
いる。
【0006】この施工方法を一層簡易にするため、断熱
パネルにコンクリート型枠としての役割をも持たせ、断
熱パネルをコンクリート兼用型枠として用いる工法が提
案されている。このような施工方法であると、コンクリ
ート打設後、一方の型枠を除去する必要がなく、施工が
簡易になるという利点がある。
パネルにコンクリート型枠としての役割をも持たせ、断
熱パネルをコンクリート兼用型枠として用いる工法が提
案されている。このような施工方法であると、コンクリ
ート打設後、一方の型枠を除去する必要がなく、施工が
簡易になるという利点がある。
【0007】しかしながら、上述した透水性型枠工法
と、この型枠兼用断熱パネルを用いる工法とを共に活用
した工法がなく、その結果、コンクリート壁の耐久性能
を向上することと、断熱パネル付きコンクリート壁の施
工が簡易であることとを共に実現することは不可能であ
り、建築業界においては、これら両利点を活かすことが
できる工法の出現が待望されている。
と、この型枠兼用断熱パネルを用いる工法とを共に活用
した工法がなく、その結果、コンクリート壁の耐久性能
を向上することと、断熱パネル付きコンクリート壁の施
工が簡易であることとを共に実現することは不可能であ
り、建築業界においては、これら両利点を活かすことが
できる工法の出現が待望されている。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上述したような事情に鑑みて
なされたものであって、透水性型枠工法と、型枠兼用断
熱パネルを用いる工法とを共に活用することができ、打
設されたコンクリートの水分等を排出することによりコ
ンクリート壁の耐久性能を向上すること等ができると共
に、施工が簡易でありながら断熱パネル付きコンクリー
ト壁を提供することができ、しかもコストの高騰を招来
することがなく簡易な構造であり極めて軽量である枠構
造体を用いる、断熱パネル付きコンクリート壁施工方法
を提供することにある。
なされたものであって、透水性型枠工法と、型枠兼用断
熱パネルを用いる工法とを共に活用することができ、打
設されたコンクリートの水分等を排出することによりコ
ンクリート壁の耐久性能を向上すること等ができると共
に、施工が簡易でありながら断熱パネル付きコンクリー
ト壁を提供することができ、しかもコストの高騰を招来
することがなく簡易な構造であり極めて軽量である枠構
造体を用いる、断熱パネル付きコンクリート壁施工方法
を提供することにある。
【0009】
【発明の概要】この目的を達成するため、本発明に係る
断熱パネル付きコンクリート壁施工方法は、断熱パネル
付きコンクリート壁を施工するに際して、一方のコンク
リート型枠と対向して、硬化する前のコンクリートの水
分等を排出する排出孔を有する透水性能付き型枠兼用断
熱パネルを配設するとともに、 所定間隔離間して垂直方
向に配置される複数の縦部材と、これら縦部材を支持し
て水平方向に配置される複数の横部材とからなる枠構造
体を、前記透水性能付き型枠兼用断熱パネルを支持する
ように前記透水性能付き型枠兼用断熱パネルの一方面に
配設し、これら横部材と縦部材との間に形成される空間
によって、透水性能付き型枠兼用断熱パネルの排出孔か
らの水分の排出を十分に許容することを特徴としてい
る。
断熱パネル付きコンクリート壁施工方法は、断熱パネル
付きコンクリート壁を施工するに際して、一方のコンク
リート型枠と対向して、硬化する前のコンクリートの水
分等を排出する排出孔を有する透水性能付き型枠兼用断
熱パネルを配設するとともに、 所定間隔離間して垂直方
向に配置される複数の縦部材と、これら縦部材を支持し
て水平方向に配置される複数の横部材とからなる枠構造
体を、前記透水性能付き型枠兼用断熱パネルを支持する
ように前記透水性能付き型枠兼用断熱パネルの一方面に
配設し、これら横部材と縦部材との間に形成される空間
によって、透水性能付き型枠兼用断熱パネルの排出孔か
らの水分の排出を十分に許容することを特徴としてい
る。
【0010】このように構成した本発明によれば、透水
性能付き型枠兼用断熱パネルにに、打設され硬化する前
のコンクリートの水分等を排出するための複数の排出孔
を形成しているため、この型枠兼用断熱パネルと一般の
コンクリート型枠と対向して配置してコンクリートを打
設すれば、排出孔を通して硬化する前のコンクリートの
水分等を除去できる。そのため、耐久性能に優れたコン
クリート壁を提供することができる。しかも、型枠兼用
断熱パネルであるため、施工が簡易でありながら断熱パ
ネル付コンクリート壁を提供できる。換言すると、透水
性型枠工法と、型枠兼用断熱パネルを用いる工法とを共
に活用することができ、耐久性があり且つ施工が簡易で
ありながら断熱パネル付コンクリート壁を提供すること
ができる。
性能付き型枠兼用断熱パネルにに、打設され硬化する前
のコンクリートの水分等を排出するための複数の排出孔
を形成しているため、この型枠兼用断熱パネルと一般の
コンクリート型枠と対向して配置してコンクリートを打
設すれば、排出孔を通して硬化する前のコンクリートの
水分等を除去できる。そのため、耐久性能に優れたコン
クリート壁を提供することができる。しかも、型枠兼用
断熱パネルであるため、施工が簡易でありながら断熱パ
ネル付コンクリート壁を提供できる。換言すると、透水
性型枠工法と、型枠兼用断熱パネルを用いる工法とを共
に活用することができ、耐久性があり且つ施工が簡易で
ありながら断熱パネル付コンクリート壁を提供すること
ができる。
【0011】しかも、枠構造体が、複数の縦部材と、こ
れと組み合わされた複数の横部材とから構成してあるた
め、型枠兼用である透水性能付き断熱パネルを十分に堅
固に支持できると共に、これら横部材と縦部材との間に
形成される空間によって、透水性能付き断熱パネルの排
出孔からの水分の排出を十分に許容できる。
れと組み合わされた複数の横部材とから構成してあるた
め、型枠兼用である透水性能付き断熱パネルを十分に堅
固に支持できると共に、これら横部材と縦部材との間に
形成される空間によって、透水性能付き断熱パネルの排
出孔からの水分の排出を十分に許容できる。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明の一実施例に係る透
水性能付き型枠を図面を参照しつつ説明する。
水性能付き型枠を図面を参照しつつ説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例に係る透水性能
付き型枠および透水性能付き断熱パネルを示し、一部切
欠き断面を含む斜視図である。図2は、本実施例に係る
型枠を用いて、断熱パネル付コンクリート壁を構築する
際の施工時の断面図である。
付き型枠および透水性能付き断熱パネルを示し、一部切
欠き断面を含む斜視図である。図2は、本実施例に係る
型枠を用いて、断熱パネル付コンクリート壁を構築する
際の施工時の断面図である。
【0014】先ず、本実施例の型枠を適用する透水性能
付き断熱パネル1について説明する。図1に示すよう
に、断熱パネル1は、発泡合成樹脂製の断熱材又は所定
の断熱性能を有する断熱材のみから形成してある。発泡
合成樹脂製の断熱材としては、例えば、硬質の発泡ポリ
スチレン、硬質の発泡ポリウレタン、発泡ポリプロピレ
ン等が好適である。その他の所定の断熱性能を有する断
熱材としては、例えば、無機充填材を含有する塩化ビニ
ル系樹脂又は塩素化塩化ビニル系樹脂を主成分とする発
泡体からなる準不燃性以上の材料で構成される断熱材が
ある。この場合には、断熱性能のみならず、耐火性能、
軽量性にも優れているといった利点がある。さらに、他
の断熱材としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニ
ル、フェノール樹脂などから形成された断熱材であって
もよい。しかし、これら例示したものに限定されるもの
ではない。
付き断熱パネル1について説明する。図1に示すよう
に、断熱パネル1は、発泡合成樹脂製の断熱材又は所定
の断熱性能を有する断熱材のみから形成してある。発泡
合成樹脂製の断熱材としては、例えば、硬質の発泡ポリ
スチレン、硬質の発泡ポリウレタン、発泡ポリプロピレ
ン等が好適である。その他の所定の断熱性能を有する断
熱材としては、例えば、無機充填材を含有する塩化ビニ
ル系樹脂又は塩素化塩化ビニル系樹脂を主成分とする発
泡体からなる準不燃性以上の材料で構成される断熱材が
ある。この場合には、断熱性能のみならず、耐火性能、
軽量性にも優れているといった利点がある。さらに、他
の断熱材としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニ
ル、フェノール樹脂などから形成された断熱材であって
もよい。しかし、これら例示したものに限定されるもの
ではない。
【0015】断熱パネル1は、本実施例に係る型枠に取
付けられた際に、フレッシュな状態にあるコンクリート
から水分や空気を排出するための多数の排出孔10が側
面に所定間隔毎に形成してある。この排出孔10は、図
1,2に示すように、水平方向に対して斜めの角度をな
すように形成してあることが好ましい。これにより、コ
ンクリートからの水分を透水として効果的に排出するこ
とができる。この傾斜角度としては、水平方向に対して
0〜60度であり、排出孔10の加工を考慮すると、5
〜30度が好適である。但し、このような傾斜した孔を
断熱パネルに穿孔する作業が煩雑である場合には、排出
孔10は、水平方向に穿孔されていても、透水として水
分を十分排出できるため、このように穿孔してあっても
よい。この場合も、本発明の範囲に含まれることは勿論
である。
付けられた際に、フレッシュな状態にあるコンクリート
から水分や空気を排出するための多数の排出孔10が側
面に所定間隔毎に形成してある。この排出孔10は、図
1,2に示すように、水平方向に対して斜めの角度をな
すように形成してあることが好ましい。これにより、コ
ンクリートからの水分を透水として効果的に排出するこ
とができる。この傾斜角度としては、水平方向に対して
0〜60度であり、排出孔10の加工を考慮すると、5
〜30度が好適である。但し、このような傾斜した孔を
断熱パネルに穿孔する作業が煩雑である場合には、排出
孔10は、水平方向に穿孔されていても、透水として水
分を十分排出できるため、このように穿孔してあっても
よい。この場合も、本発明の範囲に含まれることは勿論
である。
【0016】次に、このような排出孔10は、断熱パネ
ル1の側面に所定間隔をおいて多数個形成してあるが、
排出孔10の数を多く形成すると、水分の排出には好都
合であるが、反面断熱性能の劣化を招くという問題があ
る。そのため、断熱パネル1の厚さT、排出孔10の間
隔X、排出孔10の孔径φYは、以下のような場合であ
ることが好ましい。
ル1の側面に所定間隔をおいて多数個形成してあるが、
排出孔10の数を多く形成すると、水分の排出には好都
合であるが、反面断熱性能の劣化を招くという問題があ
る。そのため、断熱パネル1の厚さT、排出孔10の間
隔X、排出孔10の孔径φYは、以下のような場合であ
ることが好ましい。
【0017】断熱パネル1の厚さTを15mm以上、好
適には、50mm以上の場合に、排出孔10の間隔X
は、5cm〜30cmであり、好適には、10cm〜1
5cmである。排出孔10の孔径φYは、小さくする
と、表面張力により水分の排出が困難になる一方、大き
くすると、コンクリートののろが排出されてしまうとい
う問題があるため、2mm〜10mmであり、好適に
は、5mm〜6mmである。
適には、50mm以上の場合に、排出孔10の間隔X
は、5cm〜30cmであり、好適には、10cm〜1
5cmである。排出孔10の孔径φYは、小さくする
と、表面張力により水分の排出が困難になる一方、大き
くすると、コンクリートののろが排出されてしまうとい
う問題があるため、2mm〜10mmであり、好適に
は、5mm〜6mmである。
【0018】また、コンクリートからの水分の排出量
は、コンクリートの水セメント比によっても左右され
る。そのため、断熱パネル1の厚さT、排出孔10の間
隔X、排出孔10の孔径φYは、水セメント比にも対応
して定める必要がある。例えば、本発明者が行った実験
例では、一般的な四周圧縮強度240Kg/cm2では、厚さ
T=25mm、排出孔10の間隔X=10〜20mm
で、排出孔10の孔径φY=5φmmで、1リットル程
度の透水を得ることができた。
は、コンクリートの水セメント比によっても左右され
る。そのため、断熱パネル1の厚さT、排出孔10の間
隔X、排出孔10の孔径φYは、水セメント比にも対応
して定める必要がある。例えば、本発明者が行った実験
例では、一般的な四周圧縮強度240Kg/cm2では、厚さ
T=25mm、排出孔10の間隔X=10〜20mm
で、排出孔10の孔径φY=5φmmで、1リットル程
度の透水を得ることができた。
【0019】さらに、排出孔10は、断熱パネル1の側
面の全域に所定間隔をおいて形成してあってもよく、若
しくは、断熱パネル1の側面の少なくとも一部分に所定
間隔をおいて形成してあってもよい。要は、コンクリー
トから必要な量の水分を排出でき、断熱性能を劣化しな
ければよい。
面の全域に所定間隔をおいて形成してあってもよく、若
しくは、断熱パネル1の側面の少なくとも一部分に所定
間隔をおいて形成してあってもよい。要は、コンクリー
トから必要な量の水分を排出でき、断熱性能を劣化しな
ければよい。
【0020】本実施例に係る枠構造体30は、施工時に
水平方向に延びる複数の横部材31(例えば、バラ板)
と、水平方向に所定間隔離間して配設された複数の横部
材31を支持して垂直方向に延びる複数の縦部材32
(例えば、桟木)とから構成してある。これら横部材3
1及び縦部材32は、釘打ちなどによって固定されてお
り、その素材は木材が好適であるが、その他、合成樹脂
などから形成してあってもよい。いずれにしても、取扱
いの利便性を向上するためには、軽量な材料から構成し
てあることが好ましい。
水平方向に延びる複数の横部材31(例えば、バラ板)
と、水平方向に所定間隔離間して配設された複数の横部
材31を支持して垂直方向に延びる複数の縦部材32
(例えば、桟木)とから構成してある。これら横部材3
1及び縦部材32は、釘打ちなどによって固定されてお
り、その素材は木材が好適であるが、その他、合成樹脂
などから形成してあってもよい。いずれにしても、取扱
いの利便性を向上するためには、軽量な材料から構成し
てあることが好ましい。
【0021】このような縦部材32の間隔は、例えば、
10〜50cmであり、より好適には、10〜15cm
である。このように構成してあるため、透水性能付き断
熱パネル1を十分に堅固に支持できると共に、これら横
部材31と縦部材32との間に形成される空間によっ
て、透水性能付き断熱パネル1の排出孔10からの水分
の排出を十分に許容できる。しかも、枠構造体30の構
造自体が、横部材31と縦部材32とを組み合わしたも
のであるため、木材などの素材の使用する量が少なく、
製造コストの高騰を招くことがなく、さらに、透水のた
めに多数の小孔を穿設する作業が不要になり、さらに、
構造自体も簡易であるため、枠構造体30は極めて軽量
であり、その取扱いが極めて容易である。
10〜50cmであり、より好適には、10〜15cm
である。このように構成してあるため、透水性能付き断
熱パネル1を十分に堅固に支持できると共に、これら横
部材31と縦部材32との間に形成される空間によっ
て、透水性能付き断熱パネル1の排出孔10からの水分
の排出を十分に許容できる。しかも、枠構造体30の構
造自体が、横部材31と縦部材32とを組み合わしたも
のであるため、木材などの素材の使用する量が少なく、
製造コストの高騰を招くことがなく、さらに、透水のた
めに多数の小孔を穿設する作業が不要になり、さらに、
構造自体も簡易であるため、枠構造体30は極めて軽量
であり、その取扱いが極めて容易である。
【0022】次に、図2及び図3を参照して、本実施例
に係る枠構造体30および断熱パネル1を用いて、断熱
パネル付コンクリート壁を構築する際の施工例を説明す
る。図2及び図3では、建物の壁の屋内側に断熱パネル
1を施工する場合について説明する。先ず、外部型枠2
1を配設すると共に、この外部型枠21に対峠するよう
に、断熱パネル1および枠構造体30を配設する。次い
で、フォームタイ24により外部型枠21と枠構造体3
0との間を所定間隔に維持すると共に、タテバタ22お
よびヨコバタ23を外部型枠21および枠構造体30の
外側に配設し、締付金具25により固定する。この状態
において、外部型枠21と断熱パネル1との間にコンク
リート26を打設し、これにより、断熱パネル付コンク
リート壁を構築する。その後、外部型枠21、枠構造体
30、フォームタイ24、締付金具25などを除去すれ
ばよい。
に係る枠構造体30および断熱パネル1を用いて、断熱
パネル付コンクリート壁を構築する際の施工例を説明す
る。図2及び図3では、建物の壁の屋内側に断熱パネル
1を施工する場合について説明する。先ず、外部型枠2
1を配設すると共に、この外部型枠21に対峠するよう
に、断熱パネル1および枠構造体30を配設する。次い
で、フォームタイ24により外部型枠21と枠構造体3
0との間を所定間隔に維持すると共に、タテバタ22お
よびヨコバタ23を外部型枠21および枠構造体30の
外側に配設し、締付金具25により固定する。この状態
において、外部型枠21と断熱パネル1との間にコンク
リート26を打設し、これにより、断熱パネル付コンク
リート壁を構築する。その後、外部型枠21、枠構造体
30、フォームタイ24、締付金具25などを除去すれ
ばよい。
【0023】このように、本実施例に枠構造体30を用
いたことにより、断熱パネル1を十分に堅固に支持でき
ると共に、これら横部材31と縦部材32との間に形成
される空間によって、透水性能付き断熱パネル1の排出
孔10からの水分の排出を十分に許容される。しかも、
枠構造体30の構造が簡易で軽量であるため、その取扱
いが極めて便利である。
いたことにより、断熱パネル1を十分に堅固に支持でき
ると共に、これら横部材31と縦部材32との間に形成
される空間によって、透水性能付き断熱パネル1の排出
孔10からの水分の排出を十分に許容される。しかも、
枠構造体30の構造が簡易で軽量であるため、その取扱
いが極めて便利である。
【0024】さらに、排出孔10及び枠構造体30の空
間によって、コンクリートがフレッシュな状態を保持し
ている間に、コンクリート中の余剰水を、均等に自然排
出させることができ、これにより、残留気泡による断面
欠損が生じにくく、コンクリート表層部の水セメント比
が低減し、ペースト分の濃い緻密な層が表面近傍に形成
されるため、外部から炭酸ガスや塩分が浸入しにくいコ
ンクリートができ、内部鉄筋の保護性能を高め、コンク
リート壁の耐久性能を向上することができる。
間によって、コンクリートがフレッシュな状態を保持し
ている間に、コンクリート中の余剰水を、均等に自然排
出させることができ、これにより、残留気泡による断面
欠損が生じにくく、コンクリート表層部の水セメント比
が低減し、ペースト分の濃い緻密な層が表面近傍に形成
されるため、外部から炭酸ガスや塩分が浸入しにくいコ
ンクリートができ、内部鉄筋の保護性能を高め、コンク
リート壁の耐久性能を向上することができる。
【0025】また、本実施例では、打設されたコンクリ
ートののろが断熱パネル1内に浸透するため、断熱パネ
ル1とコンクリート壁26との結合性も充分なものにす
ることができる。
ートののろが断熱パネル1内に浸透するため、断熱パネ
ル1とコンクリート壁26との結合性も充分なものにす
ることができる。
【0026】さらに、本実施例に係る枠構造体30を用
いたことにより、透水性能付き断熱パネル1を型枠兼用
として用いた場合に比べて、断熱パネル1自体に強度を
持たせることが不要となり、断熱パネル1の厚さを薄く
することが可能になる。
いたことにより、透水性能付き断熱パネル1を型枠兼用
として用いた場合に比べて、断熱パネル1自体に強度を
持たせることが不要となり、断熱パネル1の厚さを薄く
することが可能になる。
【0027】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れないのは勿論であり、種々変形可能である。例えば、
図4に示すように、所定の断熱性能を有する断熱材2
と、断熱材の両側面に接合されて断熱材を補強する役割
を果たすシート状の一対の補強材3とからなる透水性能
付き断熱パネル1が用いられてもよい。
れないのは勿論であり、種々変形可能である。例えば、
図4に示すように、所定の断熱性能を有する断熱材2
と、断熱材の両側面に接合されて断熱材を補強する役割
を果たすシート状の一対の補強材3とからなる透水性能
付き断熱パネル1が用いられてもよい。
【0028】この補強材3も、フレッシュな状態にある
コンクリートから水分や空気を排出する透水作用を営む
フィルター性能を有するものから形成してある。例え
ば、透水性を有する織布、透水性を有する不織布、ポリ
エチレンフィルム(例えば、φ1mm〜φ10mmの多
孔を有するもの)、ネット(□1mm〜□10mmの多
孔を有するもの)を例示できる。
コンクリートから水分や空気を排出する透水作用を営む
フィルター性能を有するものから形成してある。例え
ば、透水性を有する織布、透水性を有する不織布、ポリ
エチレンフィルム(例えば、φ1mm〜φ10mmの多
孔を有するもの)、ネット(□1mm〜□10mmの多
孔を有するもの)を例示できる。
【0029】この補強材3を断熱材2に接合するには、
補強材3が織布、不織布等である場合には、接着剤など
のバインダーにより接合してある。補強材3が上記ポリ
エチレンフィルム、ネット等の場合には、熱ラミネート
等によって接合してある。さらに、この補強材3は、図
示のように、断熱材2の両側面に設けてあってもよく、
一方の側面にのみ設けてあってもよい。上述した補強材
3の素材は、単なる例示列挙であり、これらのものに限
定されないのは勿論である。
補強材3が織布、不織布等である場合には、接着剤など
のバインダーにより接合してある。補強材3が上記ポリ
エチレンフィルム、ネット等の場合には、熱ラミネート
等によって接合してある。さらに、この補強材3は、図
示のように、断熱材2の両側面に設けてあってもよく、
一方の側面にのみ設けてあってもよい。上述した補強材
3の素材は、単なる例示列挙であり、これらのものに限
定されないのは勿論である。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本考案では、透水性
能付き型枠兼用断熱パネルに、打設され硬化する前のコ
ンクリートの水分等を排出するための複数の排出孔を形
成しているため、この型枠兼用断熱パネルと一般のコン
クリート型枠と対向して配置してコンクリートを打設す
れば、排出孔を通して硬化する前のコンクリートの水分
等を除去できる。そのため、耐久性能に優れたコンクリ
ート壁を提供することができる。しかも、型枠兼用断熱
パネルであるため、施工が簡易でありながら断熱パネル
付コンクリート壁を提供できる。換言すると、透水性型
枠工法と、型枠兼用断熱パネルを用いる工法とを共に活
用することができ、耐久性があり且つ施工が簡易であり
ながら断熱パネル付コンクリート壁を提供することがで
きる。
能付き型枠兼用断熱パネルに、打設され硬化する前のコ
ンクリートの水分等を排出するための複数の排出孔を形
成しているため、この型枠兼用断熱パネルと一般のコン
クリート型枠と対向して配置してコンクリートを打設す
れば、排出孔を通して硬化する前のコンクリートの水分
等を除去できる。そのため、耐久性能に優れたコンクリ
ート壁を提供することができる。しかも、型枠兼用断熱
パネルであるため、施工が簡易でありながら断熱パネル
付コンクリート壁を提供できる。換言すると、透水性型
枠工法と、型枠兼用断熱パネルを用いる工法とを共に活
用することができ、耐久性があり且つ施工が簡易であり
ながら断熱パネル付コンクリート壁を提供することがで
きる。
【0031】しかも、枠構造体が、複数の縦部材と、こ
れと組み合わされた複数の横部材とから構成してあるた
め、型枠兼用である透水性能付き断熱パネルを十分に堅
固に支持できると共に、これら横部材と縦部材との間に
形成される空間によって、透水性能付き断熱パネルの排
出孔からの水分の排出を十分に許容できる。
れと組み合わされた複数の横部材とから構成してあるた
め、型枠兼用である透水性能付き断熱パネルを十分に堅
固に支持できると共に、これら横部材と縦部材との間に
形成される空間によって、透水性能付き断熱パネルの排
出孔からの水分の排出を十分に許容できる。
【図1】図1は、本考案の一実施例に係る枠構造体およ
び透水性能付き型枠兼用断熱パネルを示し、一部切欠き
断面を含む斜視図である。
び透水性能付き型枠兼用断熱パネルを示し、一部切欠き
断面を含む斜視図である。
【図2】図2は、本実施例に係る型枠を用いて、断熱パ
ネル付コンクリート壁を構築する際の施工時の垂直断面
図である。
ネル付コンクリート壁を構築する際の施工時の垂直断面
図である。
【図3】図3は、本実施例に係る型枠を用いて、断熱パ
ネル付コンクリート壁を構築する際の施工時の水平断面
図である。
ネル付コンクリート壁を構築する際の施工時の水平断面
図である。
【図4】図4は、本実施例の変形例に係る透水性能付き
型枠兼用断熱パネルの一部切欠き断面を含む斜視図であ
る。
型枠兼用断熱パネルの一部切欠き断面を含む斜視図であ
る。
1 透水性能付き断熱パネル 10 排出孔 30 枠構造体 31 横部材 32 縦部材
Claims (1)
- 【請求項1】 断熱パネル付きコンクリート壁を施工す
るに際して、 一方のコンクリート型枠と対向して、硬化する前のコン
クリートの水分等を排出する排出孔を有する透水性能付
き型枠兼用断熱パネルを配設するとともに、 所定間隔離間して垂直方向に配置される 複数の縦部材
と、これら縦部材を支持して水平方向に配置される複数
の横部材とからなる枠構造体を、前記 透水性能付き型枠兼用断熱パネルを支持するように
前記透水性能付き型枠兼用断熱パネルの一方面に配設
し、 これら横部材と縦部材との間に形成される空間によっ
て、透水性能付き型枠兼用断熱パネルの排出孔からの水
分の排出を十分に許容することを特徴とする断熱パネル
付きコンクリート壁施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16956592A JP2901811B2 (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | 断熱パネル付きコンクリート壁施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16956592A JP2901811B2 (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | 断熱パネル付きコンクリート壁施工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0610428A JPH0610428A (ja) | 1994-01-18 |
JP2901811B2 true JP2901811B2 (ja) | 1999-06-07 |
Family
ID=15888828
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16956592A Expired - Lifetime JP2901811B2 (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | 断熱パネル付きコンクリート壁施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2901811B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101579658B1 (ko) * | 2013-12-26 | 2016-01-21 | 포스코에너지 주식회사 | 연료전지용 아우터 베이스 |
CN107761998A (zh) * | 2017-10-19 | 2018-03-06 | 上海欧本钢结构有限公司 | 钢龙骨与外铠甲固定的保温装饰一体化剪力墙装配系统 |
-
1992
- 1992-06-26 JP JP16956592A patent/JP2901811B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0610428A (ja) | 1994-01-18 |
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